JP6510861B2 - 防振装置用アウタブラケットとそれを用いたブラケット付き防振装置 - Google Patents

防振装置用アウタブラケットとそれを用いたブラケット付き防振装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車のエンジンマウントなどを構成する防振装置本体と車両などの振動伝達系の構成部材とを相互に連結する防振装置用アウタブラケットと、それを用いたブラケット付き防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振装置が知られており、例えば自動車用のエンジンマウントなどに用いられている。この防振装置は、インナ軸部材に対して外周へ延び出す本体ゴム弾性体を固着した構造を有しており、例えば、本体ゴム弾性体の内周部分に固着されたインナ軸部材が、振動伝達系を構成する一方の部材であるパワーユニットに取り付けられると共に、本体ゴム弾性体の外周部分が、振動伝達系を構成する他方の部材である車両ボデーに取り付けられる。
ところで、防振装置は、一般的に、本体ゴム弾性体の外周部分が防振装置用アウタブラケットによって車両に取り付けられるようになっている。即ち、特開平11−125290号公報(特許文献1)では、防振装置本体が挿入されて取り付けられる筒状部材を有すると共に、筒状部材の外周面には、車両に対して固定される取付部材が溶接により固定されている。この取付部材には、筒状部材の外周面に対応する湾曲凹形状の切欠部が形成されており、切欠部に対して筒状部材の周上の一部が差し入れられた状態で、筒状部材と取付部材の周方向に延びる重ね合わせ部分が溶接されている。これにより、特許文献1の構造では、筒状部材と取付部材の溶接長さを周方向で大きく得ることができると共に、筒状部材を下方に位置させることで防振装置用アウタブラケットのサイズを上下方向で小さくすることも可能とされている。
ところが、特許文献1に示された防振装置用アウタブラケットのように、筒状部材の外周面と切欠部の周縁部との溶接だけで筒状部材と取付部材が固定された構造では、溶接部分が曲線になることから連続的に溶接する作業が難しく、かかる曲線的な重ね合わせ部位を連続して溶接すると、品質にばらつきが生じるなどして溶接部分の強度を安定して大きく得ることが難しい。さらに、取付部材において切欠部を備える部分は、筒状部材に対して軸直角方向へ広がる板状であることから、筒状部材と取付部材において溶接固定される領域が筒状部材の軸方向で狭くなって、溶接固定部分の強度の向上が図られ難かった。
特開平11−125290号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、筒状部材と取付部材の溶接固定強度を大きく得ることで耐荷重性に優れた、新規な構造の防振装置用アウタブラケットと、それを用いたブラケット付き防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、インナ軸部材から外周へ延び出す本体ゴム弾性体に外挿装着される筒状部材と、該筒状部材の外周面に固定されて振動伝達系の構成部材に取り付けられる締結部を備えた取付部材とを、有する防振装置用アウタブラケットにおいて、前記取付部材は前記筒状部材の軸直角方向に広がる縦板部を備えており、該縦板部の幅方向中間部分に切欠部が形成されて、該筒状部材が周上の一部を該切欠部に差し入れられて周方向に延びる該縦板部との重ね合わせ部位を溶接されていると共に、該切欠部の幅方向両側には該縦板部から該筒状部材の軸方向へ延びる平板状の横板部が設けられており、少なくとも一方の該横板部が該切欠部側の幅方向端を該筒状部材の外周面に突き当てて重ね合わされて軸方向に延びる該筒状部材との重ね合わせ部位を溶接されていることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた防振装置用アウタブラケットによれば、取付部材が筒状部材の軸直角方向に広がる縦板部と筒状部材の軸方向に広がる横板部とを備えており、筒状部材と縦板部の周方向へ延びる重ね合わせ部位が溶接固定されるだけでなく、筒状部材と横板部の軸方向へ延びる重ね合わせ部位も溶接固定される。それ故、筒状部材と取付部材がより広い範囲に亘って相互に溶接されて、それら筒状部材と取付部材が強固に固定される。特に、筒状部材と縦板部の溶接固定部位の周方向外方において筒状部材と横板部が溶接固定されていることから、筒状部材と縦板部の溶接固定部位において応力が集中し易い周方向端部が補強されて、大荷重入力に対する耐荷重性や繰り返し入力に対する耐久性などの向上が図られる。
さらに、筒状部材の周上の一部が縦板部の切欠部に差し入れられていることから、防振装置用アウタブラケットの小型化が図られると共に、筒状部材と縦板部の周方向に延びる重ね合わせ部位の長さが大きく確保されて、筒状部材と縦板部を周方向の広い範囲で溶接固定することにより、溶接固定強度の向上も図られ得る。
本発明の第二の態様は、インナ軸部材から外周へ延び出す本体ゴム弾性体に外挿装着される筒状部材と、該筒状部材の外周面に固定されて振動伝達系の構成部材に取り付けられる締結部を備えた取付部材とを、有する防振装置用アウタブラケットにおいて、前記取付部材は前記筒状部材の軸直角方向に広がる縦板部を備えており、該縦板部の幅方向中間部分に切欠部が形成されて、該筒状部材が周上の一部を該切欠部に差し入れられて周方向に延びる該縦板部との重ね合わせ部位を溶接されていると共に、該切欠部の幅方向両側には該縦板部から該筒状部材の軸方向へ延びる横板部が設けられており、少なくとも一方の該横板部が該切欠部側の幅方向端部を該筒状部材の外周面に重ね合わされて軸方向に延びる該筒状部材との重ね合わせ部位を溶接されており、更に、該縦板部が該筒状部材の軸方向一方へ偏倚して設けられていると共に、該各横板部が該縦板部から該筒状部材の軸方向他方へ向かって延びて設けられている一方、該縦板部と該各横板部に前記締結部がそれぞれ設けられており、該各横板部に設けられた該締結部の少なくとも一部が該筒状部材の軸方向中央に対して該縦板部と反対側に位置していることを、特徴とする。
第二の態様によれば、筒状部材と横板部の軸方向に延びる重ね合わせ部位の長さを大きく得ることができて、筒状部材と取付部材を溶接固定前に相互に位置決めし易くなると共に、筒状部材と横板部の溶接による固定強度を一層高めることができる。また、縦板部に設けられた締結部と横板部に設けられた締結部が、筒状部材の軸方向中央に対して両側に配されることにより、振動伝達系の構成部材による支持部分が筒状部材の軸方向中央を挟んだ両側に設けられて、こじり入力に対する防振装置用アウタブラケットの動きが効率的に制限される。
本発明の第三の態様は、インナ軸部材から外周へ延び出す本体ゴム弾性体に外挿装着される筒状部材と、該筒状部材の外周面に固定されて振動伝達系の構成部材に取り付けられる締結部を備えた取付部材とを、有する防振装置用アウタブラケットにおいて、前記取付部材は前記筒状部材の軸直角方向に広がる縦板部を備えており、該縦板部の幅方向中間部分に切欠部が形成されて、該筒状部材が周上の一部を該切欠部に差し入れられて周方向に延びる該縦板部との重ね合わせ部位を溶接されていると共に、該切欠部の幅方向両側には該縦板部から該筒状部材の軸方向へ延びる横板部が設けられており、少なくとも一方の該横板部が該切欠部側の幅方向端部を該筒状部材の外周面に重ね合わされて軸方向に延びる該筒状部材との重ね合わせ部位を溶接されている一方、少なくとも一方の該横板部に対して補強部材が溶接固定されており、該補強部材が該筒状部材の外周面に溶接固定されることにより該横板部が該補強部材を介して該筒状部材に間接的に溶接されていることを、特徴とする。
第三の態様によれば、例えば筒状部材の差入れを容易にするために切欠部の周方向長さが小さくされていても、筒状部材を切欠部に差し入れて縦板部および横板部に溶接した後で、補強部材を横板部と筒状部材に溶接固定することにより、筒状部材と取付部材の溶接範囲を大きく得ることができて、耐荷重性の向上が図られる。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか一つの態様に記載された防振装置用アウタブラケットにおいて、前記切欠部の幅方向両側に設けられた前記横板部の両方が該切欠部側の幅方向端部を前記筒状部材の外周面に重ね合わされて軸方向に延びる該筒状部材との重ね合わせ部位を溶接されているものである。
第四の態様によれば、幅方向両側の横板部が筒状部材に対して軸方向に延びる重ね合わせ部位で溶接されることにより、筒状部材と取付部材の固定強度をより大きく得ることができる。特に、溶接固定される筒状部材と縦板部との重ね合わせ部位の周方向両側において、横板部が筒状部材に対して溶接されていることにより、筒状部材と縦板部の溶接部位に作用する応力が低減されて、耐久性や耐荷重性の向上も図られる。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載された防振装置用アウタブラケットにおいて、前記縦板部の前記切欠部が前記筒状部材に対して半周以下の長さで重ね合わされて溶接されているものである。
第五の態様によれば、筒状部材の周上の一部を縦板部の切欠部に対して軸直角方向に差し入れることができて、筒状部材の切欠部への差入れが容易である。また、筒状部材を切欠部に差し入れる際に、切欠部の両端部と筒状部材の外周面との接触による損傷も生じ難くなって、製造作業が容易になると共に、品質の安定化も図られる。
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか一つの態様に記載された防振装置用アウタブラケットにおいて、一方の前記横板部と他方の前記横板部が互いに異なる平面上で広がって段差状に配されているものである。
第六の態様によれば、例えば幅方向一方側への入力が大きい場合には、切欠部の長さを筒状部材の幅方向中央に対する幅方向一方の側で他方の側よりも大きく設定することにより、筒状部材の切欠部への差入れ作業を容易に行い得る構造としながら、筒状部材が切欠部の内面で支えられることによって耐荷重性の向上も図られ得る。特に、幅方向一方側の横板部を入力位置であるインナ軸部材に対して入力方向で略並ぶように配置すれば、大荷重の入力によってインナ軸部材が筒状部材に入力方向で当接する場合にも、横板部による補強部分で荷重を有利に受けることができる。
本発明の第の態様は、第一〜第の何れか一つの態様に記載された防振装置用アウタブラケットにおいて、前記取付部材が前記筒状部材に対して周方向の半周以上に亘って重ね合わされて溶接されているものである。
の態様によれば、筒状部材が切欠部から軸直角方向へ抜け難くなって、耐荷重性のさらなる向上が図られる。特に、本態様を第の態様と組み合わせて採用すれば、切欠部の周方向長さを小さくして筒状部材を切欠部に差し入れ易くしながら、筒状部材と取付部材を半周以上の領域で溶接して強固に固定することも容易になる。
本発明の第の態様は、インナ軸部材から外周へ延び出す本体ゴム弾性体を備えていると共に、該本体ゴム弾性体の外周端部には防振装置用アウタブラケットが装着されているブラケット付き防振装置において、前記防振装置用アウタブラケットとして第一〜第八の何れか一つの態様に記載されたものを採用したことを、特徴とする。
このような第の態様に従う構造とされたブラケット付き防振装置によれば、防振装置用アウタブラケットの強度が大きく得られることから、優れた耐荷重性や耐久性を実現することができる。
本発明によれば、取付部材を構成する縦板部の幅方向中間部分に切欠部が形成されており、切欠部に筒状部材の周上の一部が差し入れられて、周方向に延びる筒状部材と縦板部の重ね合わせ部位が溶接されていることから、防振装置用アウタブラケットの小型化が図られると共に、筒状部材と縦板部の溶接領域が大きく確保されて優れた溶接固定強度を得ることができる。さらに、取付部材を構成する横板部が切欠部の幅方向外側に設けられており、筒状部材と横板部の軸方向に延びる重ね合わせ部位が溶接されていることから、筒状部材と取付部材の溶接領域が軸方向にも大きく確保されて、筒状部材と取付部材の溶接部位の耐荷重性や耐久性の向上が図られる。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す正面図。 図1に示すエンジンマウントの平面図。 図1に示すエンジンマウントの右側面図。 図1に示すエンジンマウントの左側面図。 図1のV−V断面図。 図1に示すエンジンマウントを構成するマウント本体の正面図。 図1に示すエンジンマウントを構成する防振装置用アウタブラケットの正面図。 図7に示す防振装置用アウタブラケットの平面図。 図7に示す防振装置用アウタブラケットの右側面図。 図7に示す防振装置用アウタブラケットの左側面図。 図7に示す防振装置用アウタブラケットを構成するL字板金具の背面図。 図7に示す防振装置用アウタブラケットを構成するL字板金具の底面図。 本発明の別の実施形態としてのエンジンマウントを構成する防振装置用アウタブラケットの右側面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜5には、本発明に従う構造とされたブラケット付き防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、防振装置本体としてのマウント本体12に対して、本発明に係る防振装置用アウタブラケット14(以下、アウタブラケット14と称する)が取り付けられた構造を有している。なお、以下の説明において、特に説明がない限り、上下方向とは図1中の上下方向を、左右方向とは幅方向となる図1中の左右方向を、前後方向とはマウント軸方向となる図2中の上下方向を、それぞれ言う。
より詳細には、マウント本体12は、図6に示すように、インナ軸部材としての内筒部材16とアウタ筒部材としての外筒部材18とが、本体ゴム弾性体20によって相互に弾性連結された構造を有している。内筒部材16は、図5,6に示すように、略矩形筒形状を有しており、鉄やアルミニウム合金などの金属で形成された高剛性の部材とされている。
外筒部材18は、内筒部材16と同様に高剛性の部材であって、薄肉大径の略円筒形状を有しており、軸方向一方の端部には外周側へ広がるフランジ部22が形成されていると共に、軸方向他方の端部は内周側へ曲げられて外周面がテーパ形状とされている。
そして、内筒部材16が外筒部材18の内周に挿入配置されて、それら内筒部材16と外筒部材18が本体ゴム弾性体20によって相互に弾性連結されている。本体ゴム弾性体20は、全体として厚肉の筒状とされており、内周面が内筒部材16の外周面に加硫接着されて、内筒部材16から外周へ向かって延び出していると共に、外周面が外筒部材18の内周面に加硫接着されている。本実施形態の本体ゴム弾性体20は、内筒部材16と外筒部材18を備えた一体加硫成形品として形成されている。なお、内筒部材16の内周面は、本体ゴム弾性体20と一体形成された被覆ゴム層24で覆われている。
また、本体ゴム弾性体20には、軸方向(図6の紙面直交方向)に貫通する第一のスリット26が形成されている。この第一のスリット26は、内筒部材16と外筒部材18の間を一周に満たない長さで周方向に延びており、内筒部材16の上方を幅方向に延びていると共に、内筒部材16の左右側方を上下方向に延びている。これにより、本体ゴム弾性体20は、内筒部材16から径方向で下方へ延び出す形状とされており、内筒部材16の下面と外筒部材18の下部内面とが本体ゴム弾性体20によって径方向に弾性連結されている。
さらに、第一のスリット26を挟んだ両側において、内筒部材16の外周面と外筒部材18の内周面とが、何れも本体ゴム弾性体20によって覆われている。これにより、内筒部材16が外筒部材18に対して上方へ大きく相対変位すると、第一のスリット26を挟んだ両側に配された内筒部材16と外筒部材18が、本体ゴム弾性体20を介して相互に当接することにより、内筒部材16の外筒部材18に対する上方への相対変位量を制限するリバウンドストッパが構成される。さらに、内筒部材16が外筒部材18に対して左右へ大きく相対変位すると、第一のスリット26を挟んだ両側に配された内筒部材16と外筒部材18が、本体ゴム弾性体20を介して相互に当接することにより、内筒部材16の外筒部材18に対する左右への相対変位量を制限する左右ストッパが構成される。なお、内筒部材16と外筒部材18が本体ゴム弾性体20を介して当接することにより、当接時の打音や衝撃が低減される。
また、本体ゴム弾性体20には、軸方向に貫通する第二のスリット28が形成されている。第二のスリット28は、本体ゴム弾性体20における内筒部材16と外筒部材18の弾性連結部分に形成されており、当該弾性連結部分を周方向で実質的に二分している。これにより、本体ゴム弾性体20は、内筒部材16と外筒部材18を相互に弾性連結する左右一対のゴム腕29,29を、第二のスリット28を挟んだ左右に備えている。
さらにまた、第二のスリット28が形成されることにより、本体ゴム弾性体20の第二のスリット28で囲まれた部分がストッパゴム30とされている。ストッパゴム30は、略一定の四角断面形状で前後に連続しており、外筒部材18の内周面から内筒部材16に向かって上方へ突出するように、本体ゴム弾性体20と一体で形成されている。また、ストッパゴム30は、第二のスリット28の周方向中間部分に配置されて、一対のゴム腕29,29に対して周方向で離れていると共に、突出先端面である上面が内筒部材16の下面を覆う本体ゴム弾性体20に対して下方に離隔している。そして、内筒部材16が外筒部材18に対して下方へ大きく変位する場合に、内筒部材16と外筒部材18がストッパゴム30を介して相互に当接することで、内筒部材16と外筒部材18の相対変位量を制限するバウンドストッパが構成されるようになっている。
かくの如き構造とされたマウント本体12には、インナブラケット32が取り付けられる。インナブラケット32は、鉄やアルミニウム合金などで形成された高剛性の部材であって、図1〜5に示すように、前後に延びる略矩形ロッド形状の嵌合部34と、嵌合部34の端部に一体形成されて左右に広がる取付部36とを、備えている。さらに、取付部36には、3つのボルト孔38,38,38が上下に貫通して形成されている。そして、インナブラケット32は、嵌合部34が内筒部材16の内孔に嵌入されて、取付部36が内筒部材16から前後一方へ突出するように支持される。
一方、マウント本体12には、アウタブラケット14が取り付けられる。アウタブラケット14は、インナブラケット32と同様に高剛性の部材であって、図7〜10に示すように、マウント本体12に外挿状態で装着される筒状部材40と、筒状部材40の外周面に固定される取付部材42とを、備えている。
より具体的には、筒状部材40は、薄肉大径の略円筒形状を有しており、内径寸法が外筒部材18の外径寸法に略対応している。なお、本実施形態の筒状部材40は、板金具をプレス加工で円筒状に丸めて形成されて、周上の一部に継ぎ目43が設けられているが、例えば、押出しや引抜きなどによって得られるパイプ金具によって形成されていても良い。さらに、板金具から筒状部材40を形成する際に、打抜き成形時のダレによる板金具のエッジ部のRが筒状部材40の内周側に位置するように、板金具の向きが位置決めされた状態で巻き加工されるようになっており、後述する外筒部材18の筒状部材40への圧入時に、筒状部材40の内周側のエッジ部が外筒部材18に引っ掛かり難くなっている。本実施形態では、板金具の一部に位置決め用の貫通孔44が形成されており、貫通孔44にジグの凸部が差し入れられることによって、板金具がジグ上に所定の向きで位置決めされるようになっている。
さらに、筒状部材40には、連結金具46が取り付けられている。連結金具46は、前後に長手の板金具であって、一方の端部が筒状部材40の外周面に沿って湾曲していると共に、他方の端部が長手方向外方へ向かって次第に上傾する締結片48とされており、締結片48にボルト孔50が貫通形成されている。そして、連結金具46の一方の端部が筒状部材40の外周面に対して幅方向中央となる上端部で重ね合わされており、それら筒状部材40と連結金具46が溶接などの手段で相互に固定されている。
取付部材42は、L字板金具52に補強部材としてのバッテリー支持金具54が取り付けられた構造を有している。L字板金具52は、厚さ方向に折り曲げられた屈曲板形状とされており、縦板部56と横板部58a,58bを一体で備えている。
縦板部56は、筒状部材40の軸直角方向へ広がる平板状であって、幅方向の長さが筒状部材40の直径よりも大きくされている。また、縦板部56の左右両端部分には、厚さ方向前後に貫通する締結部としてのボルト孔60がそれぞれ形成されている。本実施形態のボルト孔60は、縦板部56の上下中央よりも突出先端側(図7中、下側)に偏倚して設けられている。なお、縦板部56は、筒状部材40の軸直角方向に対して厳密に非傾斜で広がる構造に限定されるものではなく、ある程度傾斜して広がっていても良い。
さらに、縦板部56の幅方向中間部分には、切欠部62が形成されている。切欠部62は、正面視において筒状部材40の外周面と対応する内面形状を呈する切欠きであって、半周に満たない長さで周方向に延びて上方へ開口している。さらにまた、本実施形態の縦板部56は、切欠部62を挟んだ幅方向一方側(図7中、左側)が、切欠部62を挟んだ幅方向他方側(図7中、右側)よりも、上下方向の寸法が小さくされており、縦板部56の上端が、切欠部62を挟んだ幅方向一方側において他方側よりも下方に位置している。
横板部58は、縦板部56の上端から筒状部材40の軸方向となる前後方向に延びる平板形状とされており、切欠部62に対して幅方向一方側に横板部58aが設けられていると共に、切欠部62に対して幅方向他方側に横板部58bが設けられている。なお、縦板部56と横板部58a,58bは、本実施形態において1つの金属板をL字状に曲げたL字板金具52として一体形成されているが、互いに別の板部材を相互に溶接固定する等して一体的に設けられていても良い。
さらに、縦板部56の上端が切欠部62を挟んだ幅方向両側において段付き形状とされていることにより、横板部58aと横板部58bが互いに異なる平面上で広がる段差状に配されており、横板部58aが横板部58bよりも上方に位置して、互いに異なる上下位置で互いに略平行に広がっている。本実施形態の横板部58a,58bは、筒状部材40の軸方向に対して僅かに傾斜して広がっており、縦板部56から離れるに従って上傾している。このことからも理解されるように、横板部58a,58bは、筒状部材40の軸方向に対して厳密に非傾斜で広がる構造に限定されるものではなく、ある程度傾斜して広がっていても良い。
さらにまた、横板部58a,58bは、幅方向外部が幅方向内部よりも前後方向の突出寸法を大きくされており、かかる横板部58a,58bの幅方向外部には、厚さ方向上下に貫通する締結部としてのボルト孔64が、縦板部56からの突出先端部分にそれぞれ形成されている。本実施形態のボルト孔64は、横板部58a,58bの前後中央よりも突出先端側(図8中、上側)に偏倚して設けられている。
バッテリー支持金具54は、図10に示すように、前後に対向して上下に延びる固着脚部66を有すると共に、固着脚部66の上端には、それら固着脚部66を相互に連結する支持部68を一体で設けられている。また、支持部68にはボルト70が下方から挿通されており、ボルト70が支持部68を貫通して上方へ突出している。なお、ボルト70は、支持部68に溶接や圧入などの手段で固定されている。また、支持部68は、一対の固着脚部66と一体で形成されており、本実施形態では、板金具を長さ方向の二箇所で曲げることにより、一対の固着脚部66,66と支持部68が一体形成されている。
そして、バッテリー支持金具54は、固着脚部66の下面が横板部58bの上面に重ね合わされて溶接されることにより、L字板金具52に対して固定されている。また、バッテリー支持金具54における各固着脚部66の下部は、幅方向内面が筒状部材40の外周面に沿った凹形状とされている。なお、L字板金具52とバッテリー支持金具54の固定方法は、必ずしも溶接に限定されず、ボルトやリベットなどによる固定であっても良い。
このような構造とされた取付部材42は、筒状部材40に対して溶接によって固定されている。すなわち、筒状部材40は、周上の一部が取付部材42のL字板金具52における縦板部56の切欠部62に差し入れられており、筒状部材40の外周面が切欠部62の内周面に対して重ね合わされている。そして、筒状部材40と縦板部56は、周方向に延びる重ね合わせ部位において溶接されている。なお、本実施形態では、筒状部材40と縦板部56が周方向に延びる重ね合わせ部位の半分強の長さに亘って連続して溶接されており、筒状部材40と縦板部56の溶接部位において、図中に薄墨で着色して示した溶接ビードが周方向に連続して延びている。
このように、筒状部材40が縦板部56の切欠部62に周上の一部を差し入れられて、筒状部材40と縦板部56が周方向に延びる重ね合わせ部位において溶接されていることから、筒状部材40と取付部材42が周方向の広い所定の範囲で溶接されている。特に本実施形態では、筒状部材40と縦板部56の重ね合わせ部位が周方向の略半分を超える長さに亘って連続して溶接されていることから、筒状部材40と取付部材42が強固に固定される。
さらに、横板部58a,58bは、切欠部62側となる幅方向中央側の端部が筒状部材40に対して軸方向に重ね合わされており、それら横板部58a,58bと筒状部材40が軸方向に延びる重ね合わせ部位において溶接されている。本実施形態では、横板部58a,58bの両方が筒状部材40に重ね合わされて直接溶接されていると共に、筒状部材40と横板部58a,58bが軸方向に延びる重ね合わせ部位の略全長に亘って連続して溶接されており、筒状部材40と横板部58a,58bの溶接部位において、図中に薄墨で着色して示した溶接ビードが軸方向に連続して延びている。
このように、筒状部材40と横板部58a,58bが軸方向に延びる重ね合わせ部位において溶接されていることから、筒状部材40と取付部材42が軸方向の広い範囲で溶接されている。特に本実施形態では、筒状部材40と横板部58a,58bの重ね合わせ部位が軸方向の全長に亘って連続して溶接されていることから、筒状部材40と取付部材42がより強固に固定される。
さらにまた、バッテリー支持金具54は、固着脚部66,66の幅方向内面が筒状部材40の外周面に重ね合わされており、筒状部材40と固着脚部66,66が周方向に延びる重ね合わせ部位において溶接されている。これにより、横板部58bは、筒状部材40に対して直接的に溶接固定されるだけでなく、バッテリー支持金具54を介して間接的にも溶接固定されている。本実施形態では、筒状部材40と固着脚部66,66が周方向に延びる重ね合わせ部位の所定の長さに亘って連続して溶接されており、それら筒状部材40と固着脚部66,66の溶接部位において、図中に薄墨で着色して示した溶接ビードが周方向に連続して延びている。さらに、本実施形態では筒状部材40が板金具を円筒状に巻いて形成されていることから、筒状部材40の周上に継ぎ目43が存在しているが、かかる継ぎ目43が筒状部材40と固着脚部66,66との重ね合わせ部分に設けられており、筒状部材40と固着脚部66,66の溶接固定によって分離をより有利に防止されている。
このように、バッテリー支持金具54が軸方向で相互に離れて対向配置された固着脚部66,66において筒状部材40に重ね合わされて、それら固着脚部66,66と筒状部材40が溶接固定されていることから、筒状部材40の軸方向で離れた二箇所においてバッテリー支持金具54が筒状部材40に溶接固定されている。しかも、各固着脚部66と筒状部材40の重ね合わせ部位が周方向に延びていることから、筒状部材40とバッテリー支持金具54が周方向においても広い範囲に亘って溶接固定される。特に本実施形態では、筒状部材40と固着脚部66との重ね合わせ部位が、周方向の所定の長さに亘って連続して溶接されていることから、筒状部材40とバッテリー支持金具54との溶接範囲を周方向で大きく確保することができる。これらにより、バッテリー支持金具54が筒状部材40に強固に固定されて、筒状部材40とバッテリー支持金具54が相互に補強し合うことで、アウタブラケット14の強度の向上が図られる。
なお、縦板部56の筒状部材40に対する重ね合わせ部位と、バッテリー支持金具54の筒状部材40に対する重ね合わせ部位が、それぞれ周方向に半周に満たない長さで延びているが、取付部材42全体としては、筒状部材40に対する重ね合わせ部位が、半周以上の長さで周方向に延びている。特に本実施形態では、縦板部56と筒状部材40の重ね合わせ部位と、バッテリー支持金具54と筒状部材40の重ね合わせ部位とが、それぞれ周方向の所定の長さに亘って連続して溶接されていることから、筒状部材40と取付部材42が周方向の半周以上に亘って相互に溶接固定されている。
このような筒状部材40に対する取付部材42の溶接固定状態において、縦板部56が筒状部材40の軸方向一方に偏倚して設けられていると共に、横板部58が縦板部56から筒状部材40の軸方向他方に向かって延びるように設けられている。そして、縦板部56に設けられたボルト孔60が、筒状部材40の軸方向中央に対して軸方向一方に位置していると共に、横板部58に設けられたボルト孔64が、筒状部材40の軸方向中央に対して縦板部56と反対側である軸方向他方に位置している。特に本実施形態では、縦板部56が筒状部材40の軸方向端から僅かに軸方向内方に位置している一方、横板部58aの軸方向先端が筒状部材40の軸方向端付近まで達していると共に、横板部58bの軸方向先端が筒状部材40から軸方向へ突出しており、溶接領域の確保と溶接作業の容易化も図られている。
このような構造とされたアウタブラケット14は、マウント本体12に取り付けられる。すなわち、マウント本体12の外筒部材18がアウタブラケット14の筒状部材40に圧入されることにより、アウタブラケット14が外筒部材18を介して本体ゴム弾性体20の外周部分に取り付けられる。なお、本実施形態では、巻き金具で形成される筒状部材40の内周エッジに打抜きプレス時のダレによるR面が形成されており、外筒部材18の開口部が軸方向外方へ向かって僅かに拡開していることから、外筒部材18を筒状部材40に圧入固定する際に、外筒部材18が筒状部材40の内周へ案内され易くなっている。
そして、内筒部材16に装着されたインナブラケット32が、取付部36のボルト孔38に挿通されるボルトによって図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、外筒部材18に装着されたアウタブラケット14が、L字板金具52の縦板部56および横板部58に設けられたボルト孔60,64に挿通されるボルトと、連結金具46のボルト孔50に挿通されるボルトとによって、図示しない車両ボデーに取り付けられる。これにより、パワーユニットと車両ボデーがマウント本体12を介して防振連結されるようになっている。なお、バッテリー支持金具54は、図示しないバッテリーがボルト70によって固定されることにより、バッテリーを上方に支持するようになっている。
本実施形態では、縦板部56および横板部58に設けられたボルト孔60,64が、筒状部材40に対して左右両側かつ上下中央よりも下方に配置されていると共に、連結金具46のボルト孔50が、筒状部材40の左右中央かつ上方に配置されている。これらによって、アウタブラケット14の車両ボデーへの締結箇所が、筒状部材40およびマウント本体12に対して、上下および左右で外方にバランス良く配置されており、アウタブラケット14が車両ボデーに安定して支持されると共に、車両ボデーで支持されたアウタブラケット14の共振による振動状態への悪影響なども問題になり難い。
かくの如きエンジンマウント10の車両への装着状態において、内筒部材16と外筒部材18の間に振動荷重が入力されると、一対のゴム腕29,29の弾性変形によるエネルギー減衰作用などに基づいて、振動エネルギーが低減されるようになっている。さらに、内筒部材16と外筒部材18の間に大きな荷重が入力されると、第一のスリット26の対向内面の当接や第二のスリット28の対向内面のストッパゴム30を介した当接によって、内筒部材16と外筒部材18の相対変位量が制限されることから、本体ゴム弾性体20の過大な変形が回避されて、耐久性の向上が図られる。
本実施形態では、縦板部56のボルト孔60が筒状部材40の軸方向中央に対して軸方向一方に配置されていると共に、横板部58のボルト孔64が筒状部材40の軸方向中央に対して軸方向他方に配置されていることから、筒状部材40に対して上下こじり方向の力が作用する際に、縦板部56と横板部58a,58bが車両ボデーによって締結部分を支えられることで、優れた耐荷重性を得ることができる。なお、横板部58のボルト孔64は、本実施形態のように全体が筒状部材40の軸方向中央よりも軸方向他方側に位置していることが望ましいが、ボルト孔64の少なくとも一部が軸方向他方側に位置する構造を採用すれば、ボルト孔64に挿通されるボルトの頭部あるいはそれに螺着されるナットが、周上の少なくとも一部において筒状部材40の軸方向他方側に位置することから、上記の如き耐荷重性の向上が図られ得る。
また、筒状部材40と取付部材42は、筒状部材40と縦板部56および一対の固着脚部66,66の重ね合わせ部位が、周方向に延びて周上の広い範囲に亘って溶接固定されていると共に、筒状部材40と横板部58a,58bの重ね合わせ部位が、軸方向に延びて軸方向の広い範囲に亘って溶接固定されている。それ故、筒状部材40と取付部材42が溶接によって強固に固定されて強度の向上が図られており、アウタブラケット14において大入力に対する耐荷重性や繰り返し入力に対する耐久性の向上が図られている。
特に、L字板金具52を構成する縦板部56と横板部58a,58bが一体で形成されており、それら縦板部56と横板部58a,58bを筒状部材40に溶接することによって、筒状部材40とL字板金具52の相互間での補強作用も発揮されて、筒状部材40およびL字板金具52の変形剛性の向上も図られる。加えて、L字板金具52が板材を厚さ方向に曲げて形成されていることから、縦板部56と横板部58a,58bが相互に補強し合うことによりL字板金具52の変形剛性を大きく得ることができて、耐荷重性の向上が図られる。
さらに、縦板部56が筒状部材40の軸方向一方に偏倚して配置されていると共に、横板部58a,58bが縦板部56から軸方向他方へ向かって延び出していることから、筒状部材40と横板部58a,58bの重ね合わせ部位が軸方向で大きく確保される。それ故、筒状部材40と横板部58a,58bの溶接による固定強度が大きく確保されて、耐荷重性や耐久性の向上が有利に図られる。
また、本実施形態では、左右の横板部58a,58bが何れも筒状部材40の外周面に重ね合わされており、それら筒状部材40と左右の横板部58a,58bとの軸方向に延びる重ね合わせ部位が何れも溶接されている。それ故、何れか一方の横板部58だけが筒状部材40に直接的に溶接される場合に比して、筒状部材40と取付部材42が左右両側でバランス良く固定されて、筒状部材40と取付部材42の固定強度を大きく得ることができる。
また、筒状部材40と取付部材42は、周方向に半周を越える長さに亘って重ね合わされており、周方向に延びる重ね合わせ部位が溶接されていることから、溶接される領域を周方向で大きく得ることができて、溶接による固定強度を大きく得ることができる。
しかも、本実施形態では、縦板部56が筒状部材40に対して半周に満たない長さで重ね合わされていると共に、横板部58aに溶接固定されるバッテリー支持金具54が筒状部材40の外周面に重ね合わされることにより、取付部材42の全体としては、筒状部材40に対して半周を越える範囲で重ね合わされて所定の範囲で溶接されている。それ故、例えば、縦板部56および横板部58a,58bを備えるL字板金具52と筒状部材40を溶接固定した後でL字板金具52とバッテリー支持金具54を溶接固定すれば、筒状部材40を切欠部62に対して径方向で簡単に差し入れることができると共に、筒状部材40と取付部材42を広い範囲の溶接によって強固に固定することもできる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、横板部58aと横板部58bは、必ずしも段差状に配される必要はなく、例えば、同一平面上で広がっていても良い。さらに、横板部58aと横板部58bは、相互に傾斜して広がるようにも設けられ得る。
また、横板部58a,58bの両方が筒状部材40に重ね合わされて直接的に溶接固定される必要はない。具体的には、例えば、何れか一方の横板部58aが筒状部材40に重ね合わされて、軸方向に延びる重ね合わせ部位を溶接されることで直接に固定されている一方で、他方の横板部58bが筒状部材40に直接的には溶接されておらず、バッテリー支持金具54を介して間接的にのみ溶接固定されていても良い。
また、縦板部と横板部は必ずしも前記実施形態のようなL字形状の金具として設けられる必要はなく、例えば、図13に示す防振装置用アウタブラケット80を構成する取付部材82のように、前後一対の縦板部84a,84bを備えると共に、それら一対の縦板部84,84の上端を相互に繋ぐ横板部86a,86bとを一体で備えた金具によって構成することもできる。
また、取付部材42は、車両ボデーへの安定した取付けのために、縦板部56と横板部58の両方に締結部60,64を備えていることが望ましいが、それら縦板部56と横板部58の何れか一方にのみ締結部を設けても良い。
また、縦板部56に形成される切欠部62は、筒状部材40に対して半周を越える長さに亘って重ね合わされていても良い。この場合には、筒状部材40を切欠部62に対して軸方向で挿入することにより、筒状部材40の周上の一部を切欠部62に差し入れることができる。
また、筒状部材40と縦板部56の周方向に延びる重ね合わせ部位の溶接は、必ずしも周方向全長に亘って連続している必要はなく、例えば、周方向で部分的に溶接されていても良い。この場合には、周方向に所定の長さで連続して溶接しても良いし、周方向に連続して延びることなく点状に溶接しても良いが、周上の複数箇所で溶接することによって溶接領域を大きく確保することができる。同様に、筒状部材40と横板部58の軸方向に延びる重ね合わせ部位の溶接は、必ずしも軸方向全長に亘って連続している必要はなく、例えば、軸方向で部分的に溶接されていても良い。この場合にも、軸方向に所定の長さで連続して溶接しても良いし、軸方向に連続して延びることなく点状に溶接しても良いが、軸方向の複数箇所で溶接することによって溶接領域を大きく確保することができる。
また、前記実施形態では、取付部材42が補強部材としてのバッテリー支持金具54を備えた構造とされていたが、このような補強部材は必須ではない。さらに、前記実施形態において筒状部材40に固定されている連結金具46も、必要に応じて設けられるものであって、必須ではない。
また、本実施形態では、インナ軸部材としての内筒部材16に別体のインナブラケット32が嵌着される構造を例示したが、例えば、インナブラケット32と略同じ構造の金具が内筒部材16に代わるインナ軸部材として本体ゴム弾性体20に固着されていても良い。要するに、本発明において、インナ軸部材と振動伝達系の構成部材とを連結するインナブラケットは必須ではない。
10:エンジンマウント(ブラケット付き防振装置)、12:マウント本体(防振装置本体)、14,80:防振装置用アウタブラケット、16:内筒部材(インナ軸部材)、18:外筒部材(アウタ筒部材)、20:本体ゴム弾性体、40:筒状部材、42,82:取付部材、54:バッテリー支持金具(補強部材)、56,84:縦板部、58,86:横板部、60:ボルト孔(締結部)、62:切欠部、64:ボルト孔(締結部)

Claims (8)

  1. インナ軸部材から外周へ延び出す本体ゴム弾性体に外挿装着される筒状部材と、該筒状部材の外周面に固定されて振動伝達系の構成部材に取り付けられる締結部を備えた取付部材とを、有する防振装置用アウタブラケットにおいて、
    前記取付部材は前記筒状部材の軸直角方向に広がる縦板部を備えており、該縦板部の幅方向中間部分に切欠部が形成されて、該筒状部材が周上の一部を該切欠部に差し入れられて周方向に延びる該縦板部との重ね合わせ部位を溶接されていると共に、
    該切欠部の幅方向両側には該縦板部から該筒状部材の軸方向へ延びる平板状の横板部が設けられており、少なくとも一方の該横板部が該切欠部側の幅方向端を該筒状部材の外周面に突き当てて重ね合わされて軸方向に延びる該筒状部材との重ね合わせ部位を溶接されていることを特徴とする防振装置用アウタブラケット。
  2. インナ軸部材から外周へ延び出す本体ゴム弾性体に外挿装着される筒状部材と、該筒状部材の外周面に固定されて振動伝達系の構成部材に取り付けられる締結部を備えた取付部材とを、有する防振装置用アウタブラケットにおいて、
    前記取付部材は前記筒状部材の軸直角方向に広がる縦板部を備えており、該縦板部の幅方向中間部分に切欠部が形成されて、該筒状部材が周上の一部を該切欠部に差し入れられて周方向に延びる該縦板部との重ね合わせ部位を溶接されていると共に、
    該切欠部の幅方向両側には該縦板部から該筒状部材の軸方向へ延びる横板部が設けられており、少なくとも一方の該横板部が該切欠部側の幅方向端部を該筒状部材の外周面に重ね合わされて軸方向に延びる該筒状部材との重ね合わせ部位を溶接されており、更に、
    該縦板部が該筒状部材の軸方向一方へ偏倚して設けられていると共に、該各横板部が該縦板部から該筒状部材の軸方向他方へ向かって延びて設けられている一方、
    縦板部と各横板部に前記締結部がそれぞれ設けられており、該各横板部に設けられた該締結部の少なくとも一部が筒状部材の軸方向中央に対して該縦板部と反対側に位置していることを特徴とする防振装置用アウタブラケット。
  3. インナ軸部材から外周へ延び出す本体ゴム弾性体に外挿装着される筒状部材と、該筒状部材の外周面に固定されて振動伝達系の構成部材に取り付けられる締結部を備えた取付部材とを、有する防振装置用アウタブラケットにおいて、
    前記取付部材は前記筒状部材の軸直角方向に広がる縦板部を備えており、該縦板部の幅方向中間部分に切欠部が形成されて、該筒状部材が周上の一部を該切欠部に差し入れられて周方向に延びる該縦板部との重ね合わせ部位を溶接されていると共に、
    該切欠部の幅方向両側には該縦板部から該筒状部材の軸方向へ延びる横板部が設けられており、少なくとも一方の該横板部が該切欠部側の幅方向端部を該筒状部材の外周面に重ね合わされて軸方向に延びる該筒状部材との重ね合わせ部位を溶接されている一方、
    少なくとも一方の横板部に対して補強部材が溶接固定されており、該補強部材が筒状部材の外周面に溶接固定されることにより該横板部が該補強部材を介して該筒状部材に間接的に溶接されていることを特徴とする防振装置用アウタブラケット。
  4. 前記切欠部の幅方向両側に設けられた前記横板部の両方が該切欠部側の幅方向端部を前記筒状部材の外周面に重ね合わされて軸方向に延びる該筒状部材との重ね合わせ部位を溶接されている請求項1〜3の何れか一項に記載の防振装置用アウタブラケット。
  5. 前記縦板部の前記切欠部が前記筒状部材に対して半周以下の長さで重ね合わされて溶接されている請求項1〜4の何れか一項に記載の防振装置用アウタブラケット。
  6. 一方の前記横板部と他方の前記横板部が互いに異なる平面上で広がって段差状に配されている請求項1〜5の何れか一項に記載の防振装置用アウタブラケット。
  7. 前記取付部材が前記筒状部材に対して周方向の半周以上に亘って重ね合わされて溶接されている請求項1〜の何れか一項に記載の防振装置用アウタブラケット。
  8. インナ軸部材から外周へ延び出す本体ゴム弾性体を備えていると共に、該本体ゴム弾性体の外周端部には防振装置用アウタブラケットが装着されているブラケット付き防振装置において、
    前記防振装置用アウタブラケットとして請求項1〜の何れか一項に記載されたものを採用したことを特徴とするブラケット付き防振装置。
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