JP3627406B2 - 筒形防振支持体 - Google Patents

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【0001】
【技術分野】
本発明は、互いに防振連結されるべき被連結体間に介装される筒形防振支持体に係り、特に軸方向と軸直角方向のばね剛性比を大きく設定することが容易であると共に、軸方向の過大な荷重入力時における被連結体の相対的変位量を有利に制限せしめ得るストッパ機構を備えており、例えば自動車用のボデーマウントやキャブマウント,サブフレームマウント等として有利に用いられ得る筒形防振支持体に関するものである。
【0002】
【背景技術】
自動車用ボデーマウント等として用いられる筒形防振支持体としては、従来から、例えば、図7に示されている構造のものが知られている。かかる筒形防振支持体は、取付孔2が設けられた第一の被連結体4の両側から厚肉円筒形状を有する一対のゴムブロック6,8を重ね合わせると共に、両ゴムブロック6,8の中心孔に内筒金具10を内挿せしめて、該内筒金具10をボルト12により第二の被連結体14に固着する一方、該内筒金具10の軸方向両端部に円環板形状の圧接板16,16を重ね合わせてボルト12により固着し、第一の被連結体4と各圧接板16,16の間でゴムブロック6,8を軸方向に挟圧せしめた構造とされている。
【0003】
ところが、このような筒形防振支持体では、軸方向の入力荷重に対してはゴムブロック6,8によるばね剛性や防振効果が有効に発揮されるものの、軸直角方向の入力荷重に対しては、ゴムブロック6,8に荷重が有効に及ぼされ難いために、十分なばね剛性や防振効果を得ることが難しかった。そのために、例えば、車両の乗り心地と操縦安定性を両立させるために、軸直角方向でも大きなばね剛性が要求される、自動車用のエンジンマウント等においては、その要求特性を達成することが非常に難しかったのである。
【0004】
そこで、図8に示されているように、第一の被連結体2にボルト固定される内筒金具10が内挿された円筒形状のゴムブロック18の外周面に対して、外向きのフランジ部20を有する外筒金具22を加硫接着し、該フランジ部20を第二の被連結体12に重ね合わせてボルト固定した構造の筒形防振支持体も、提案されている。このような筒形防振支持体においては、内筒金具10と外筒金具22が、ゴムブロック18を挟んで、径方向に対向位置させられていることから、軸直角方向の入力荷重がゴムブロック18に対して有効に及ぼされるのである。
【0005】
しかしながら、このような筒形防振支持体では、装着に際して外筒金具22のフランジ部20を第二の被連結体14にボルト固定しなければならないために、装着作業が面倒であるという問題があった。また、ゴムブロック18を挟んで径方向に対向せしめられる内筒金具10と外筒金具22の径方向の実質的な対向幅が、内筒金具10の外径寸法によって決定されることから、細径の内筒金具10を採用する場合には、内筒金具10と外筒金具22の径方向の対向面積を十分に確保することが難しく、径方向のばね剛性を未だ十分に得ることが難しいという問題もあった。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、請求項1乃至7に記載の発明は、何れも、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、軸直角方向のばね剛性を大きく設定することが出来る筒形防振支持体を提供することにある。
【0007】
また、請求項1乃至7に記載の発明は、何れも、被連結体間への装着が容易な筒形防振支持体を提供することも、解決課題とする。
【0008】
更にまた、請求項1乃至7に記載の発明は、何れも、軸方向に大きな荷重が入力された場合のゴム弾性体の座屈等を防止して、耐久性の向上を図ることも、解決課題とする。
【0009】
また、請求項1乃至7に記載の発明は、何れも、軸方向に過大な荷重が入力された場合における被連結体の相対的変位量を有利に制限せしめ得るストッパ機構を実現することも、解決課題とする。
【0010】
【解決手段】
このような課題を解決するために、請求項1に記載の発明の特徴とするところは、第一の被連結体と第二の被連結体の間に介装されて、それら両被連結体を防振連結する筒形防振支持体であって、(a)円筒状の筒体部と、該筒体部の軸方向一方の端部から軸直角方向外方に広がる円環板状の支持板部とを有すると共に、該支持板部の外周縁部が軸方向外方に立ち上げられて環状のストッパ部が構成されており、該筒体部が前記第一の被連結体に設けられた取付孔に嵌挿されて該支持板部が該第一の被連結体に重ね合わされた状態で、かかる第一の被連結体に取り付けられる第一の取付部材と、(b)該第一の取付部材の筒体部の内径よりも所定寸法小さな外径を有し、該第一の取付部材に内挿されて、該第一の取付部材の軸方向両側に突出して配設されると共に、前記第二の被連結体に固定的に取り付けられるロッド状の第二の取付部材と、(c)該第二の取付部材の軸方向一方の端部から軸直角方向外方に広がり、前記第一の取付部材の支持板部に対して軸方向に離隔して対向位置せしめられる円環板状の第一の圧接板部と、該第一の圧接板部の外周縁部から該第一の取付部材側に向かって軸方向に突出する円筒状のカバー筒部を有し、該カバー筒部の突出先端部が、前記第一の取付部材のストッパ部に対して軸方向に対向位置する当接部とされた第一の端部材と、(d)前記第二の取付部材の軸方向他方の端部から該第二の取付部材の端部を覆うようにして軸方向内方に延び出し、前記第一の取付部材の筒体部に対して径方向外方に離隔して外挿される円筒状の外挿筒部と、該外挿筒部の開口端部から軸直角方向外方に広がり、前記第一の被連結体における前記支持板部の重ね合わせ面とは反対側の面に対して軸方向に離隔して対向位置せしめられる円環板状の第二の圧接板部とを有する第二の端部材と、(e)前記第一の取付部材の前記筒体部から径方向に突出し、前記第二の取付部材の外周面に圧接された第一の径方向圧縮ゴムと、該第一の取付部材の前記支持板部から軸方向に突出し、前記第一の端部材の第一の圧接板部に圧接された第一の軸方向圧縮ゴムと、該第一の取付部材における前記ストッパ部の前記当接部に対する対向面上に設けられた緩衝ゴムとを有し、且つ該第一の軸方向圧縮ゴムの外周面に開口して周方向に連続して延びるすぐり部が形成されると共に、該第一の軸方向圧縮ゴムの内周面が突出方向に向かって次第に拡開して前記第二の取付部材の外周面から離隔せしめられた、前記第一の取付部材に接着された第一のゴム弾性体と、(f)前記第二の端部材の前記外挿筒部から径方向に突出し、前記第一の取付部材における前記筒体部の外周面に圧接された第二の径方向圧縮ゴムと、該第二の取付部材の前記第二の圧接板部から軸方向に突出し、前記第一の被連結体に圧接される第二の軸方向圧縮ゴムとを有し、前記第二の端部材に接着された第二のゴム弾性体とを、含んで構成したことにある。
【0011】
このような請求項1に記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体においては、第一の取付部材の筒体部が第一の被連結体の取付孔に嵌挿されると共に、第一の被連結体を挟んだ両側に配設された第一の軸方向圧縮ゴムと第二の軸方向圧縮ゴムの弾性に基づいて、第一の取付部材の支持板部が第一の被連結体に対して圧接されることにより、かかる第一の取付部材が第一の被連結体に対して固定される。それによって、ボルト等の特別な固定手段を要することなく、第一の取付部材が第一の被連結体に対して固定的に取り付けられるから、防振支持体を被連結体に対して容易に装着することが可能となる。
【0012】
なお、第二の取付部材の第二の被連結体への固定は、例えば、従来と同様に、第二の取付部材を中空ロッド状とし、内挿されるボルト部材によって、第二の取付部材を第二の被連結体に固定したり、或いは第二の取付部材を中実ロッド状とし、該第二の取付部材の軸方向端部に一体的に立設せしめたボルトによって、第二の取付部材を第二の被連結体に固定したりすること等によって為され得る。
【0013】
そして、第一の取付部材と第二の取付部材の間に入力される軸方向の入力荷重や振動は、第一の軸方向圧縮ゴムと第二の軸方向圧縮ゴムに及ぼされることとなり、これら両軸方向圧縮ゴムによって軸方向入力荷重に対する支持ばね剛性が発揮されると共に、これら両軸方向圧縮ゴムの弾性変形に基づいて軸方向入力振動に対する防振効果が発揮される。また一方、径方向の入力荷重は、第一の径方向圧縮ゴムと第二の径方向圧縮ゴムに及ぼされることとなり、この第一の径方向圧縮ゴムによって径方向入力荷重に対するばね剛性が発揮されると共に、この第一の径方向圧縮ゴムの弾性変形に基づいて径方向入力振動に対する防振効果が発揮される。
【0014】
また、軸方向のばね剛性や防振特性等は、第一の軸方向圧縮ゴムに設けられたすぐり部の大きさや形状等を適当に変更すること等によって、容易にチューニングすることも可能である。
【0015】
さらに、第一の径方向圧縮ゴムおよび第二の径方向圧縮ゴムは、径方向の荷重入力時に圧縮変形せしめられることから、大きなばね剛性が発揮される。しかも、これら第一の径方向圧縮ゴムおよび第二の径方向圧縮ゴムは、第一の取付部材の筒体部と第二の取付部材および第二の端部材との各径方向対向面間に介装されることから、第一及び第二の径方向圧縮ゴムに対する径方向荷重の有効作用面積が有利に確保されて、大きなばね剛性を容易に得ることが出来るのである。
【0016】
また、第一の軸方向圧縮ゴムは、周方向に略一定の断面形状に連続した略円筒形状とされていることに加えて、その外周面に開口してすぐり部が形成されていることにより、軸方向の圧縮変形時における径方向内方や外方に折れ曲がるような座屈的な変形や局部的な変形が効果的に防止されて、安定した弾性特性ひいては防振性能が発揮されるのである。更にまた、第一の軸方向圧縮ゴムは、その内周面が突出方向に向かってテーパ状に拡径されて、第二の取付部材の外周面から離隔せしめられていることから、軸方向の圧縮変形時にも、第一の軸方向圧縮ゴムの第二の取付部材への圧接や緩衝が軽減乃至は防止されることにより、より安定した弾性特性が発揮されるのである。
【0017】
しかも、第一の端部材におけるカバー筒部は、第一の軸方向圧縮ゴムの突出先端部の外周側を覆うようにして配設されることから、大きな振動荷重が入力された際にも、第一の軸方向圧縮ゴムの軸直角方向外方への座屈的な折れ曲がりやまくれるような不規則な変形などが、かかるカバー筒部への当接によって防止されるのであり、それによって、第一の軸方向圧縮ゴムの弾性延いては筒形防振支持体の防振性能が安定して発揮されると共に、耐久性の向上が図られ得るのである。なお、第一の軸方向圧縮ゴムの弾性が有利に発揮されるように、第一の軸方向圧縮ゴムの外周面とカバー筒部の間には、筒形防振支持体の装着状態下において、所定間隙が形成されるようにすることが望ましい。
【0018】
更にまた、軸方向に過大な荷重が入力された場合には、第一の端部材の当接部が、緩衝ゴムを介して、第一の取付部材のストッパ部に当接せしめられることにより、第一の取付部材と第二の取付部材の軸方向の相対的変位量が制限されることから、第一の被連結体と第二の被連結体の過大な相対的変位が防止されると共に、第一の軸方向圧縮ゴムの過大な変形も防止されるのである。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体において、前記第一の軸方向圧縮ゴムに設けられたすぐり部の底部における幅方向両側の隅部が、該第一の軸方向圧縮ゴムの自由形状において、それぞれ円弧状断面とされており、且つ該第一の軸方向圧縮ゴムの基部側の隅部の曲率半径が、突出先端側の隅部の曲率半径よりも小さく設定されていることを、特徴とする。
【0020】
このような請求項2に記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体においては、第一の軸方向圧縮ゴムに軸方向圧縮荷重が及ぼされた際、該第一の軸方向圧縮ゴムにおけるすぐり部の基部側隅部に屈曲点が生じ易いことから、第一の軸方向圧縮ゴムの先端部だけの座屈的な折れ曲がり変形が効果的に防止され得て、第一の軸方向圧縮ゴムのばね剛性および弾性が、より安定して且つ一層有利に発揮され得るのである。
【0021】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体において、前記第一の被連結体と前記第二の被連結体の間への介装状態において、前記第一の軸方向圧縮ゴムに設けられたすぐり部の開口寸法が、前記第一の端部材における当接部の前記ストッパ部に設けられた緩衝ゴムに対する対向面間距離よりも小さくされていることを、特徴とする。
【0022】
このような請求項3に記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体においては、軸方向荷重が及ぼされた際、第一の軸方向圧縮ゴムにおけるすぐり部が潰れた後に、当接部とストッパ部の当接によるストッパ機能が発揮されることにより、二段階の非線型的なばね特性が発揮されて緩衝的なストッパ機能が極めて効果的に発揮されるのである。
【0023】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体において、前記第二のゴム弾性体における前記第二の軸方向圧縮ゴムの外周面に開口して周方向に連続して延びるすぐり部が形成されていると共に、該第二の軸方向圧縮ゴムの内周面が突出方向に向かって次第に拡開して前記第一の取付部材における前記筒体部の外周面から離隔せしめられていることを、特徴とする。
【0024】
このような請求項4に記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体においては、第二の軸方向圧縮ゴムにおいても、第一の軸方向圧縮ゴムと同様、圧縮変形時における軸直角方向内方に折れ曲がるような座屈的変形が防止されると共に、第一の取付部材の筒体部への緩衝が軽減乃至は防振されて、安定したばね剛性および弾性特性が発揮されるのである。なお、請求項4に記載の発明の構成は、筒形防振支持体における軸方向荷重の入力方向とその大きさ等を考慮して、適宜に採用されることとなり、特に、軸方向の主たる荷重入力方向が軸方向両側から及ぼされる場合において、有利に適用される。
【0025】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体において、前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の組付状態下で、前記第二のゴム弾性体における前記第二の軸方向圧縮ゴムの軸方向高さが、前記第一のゴム弾性体における前記第一の軸方向圧縮ゴムの軸方向高さの1/2以下とされていることを、特徴とする。
【0026】
このような請求項5に記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体は、第一の軸方向圧縮ゴムに対して軸方向の圧縮変形が及ぼされる方向に主たる荷重が入力される場合等に好適に用いられ、それによって、第一の軸方向圧縮ゴムの弾性に基づいて、有効なばね剛性と防振性能が効果的に且つ安定して発揮され得る。
【0027】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体において、前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の組付状態下で、前記第二のゴム弾性体における前記第二の径方向圧縮ゴムの径方向高さが、前記第一のゴム弾性体における前記第一の径方向圧縮ゴムの径方向高さの1/2以下とされていることを、特徴とする。
【0028】
このような請求項6に記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体においては、第二の径方向圧縮ゴムのばね剛性に基づいて、軸直角方向のばね剛性が有利に確保され得ると共に、第一の径方向圧縮ゴムの弾性に基づいて、こじり方向の入力振動に対しては比較的軟らかいばね特性により良好な防振効果が発揮され得る。
【0029】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体において、前記第一の端部材および前記第二の端部材の何れか一方が前記第二の取付部材に対して一体的に形成されている一方、それら第一の端部材および第二の端部材の何れか他方が該第二の取付部材とは別体にて形成されて、前記第一の取付部材に挿通された該第二の取付部材の軸方向端部に重ね合わされて固定されるようになっていることを、特徴とする。
【0030】
このような請求項7に記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体においては、例えば、第一の端部材および第二の端部材の何れか一方が、予め溶接等で固着されたり一体形成された第二の取付部材を、第一の取付部材に挿通せしめた後に、第一の端部材および第二の端部材の何れか他方が、該第二の取付部材の挿通先端部に対してボルト等で固定されることとなる。従って、第一の取付部材と第二の取付部材の組付けを容易且つ迅速に行うことが出来ると共に、第二の取付部材に対する第二の端部材の固定を、第二の取付部材を第二の被連結体に取り付けるためのボルト等を利用して行うことによって、組付けと同時に、筒形防振支持体を被連結体間に装着することも出来るのである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0032】
先ず、図1には、本発明の実施形態としての自動車用ボデーマウント30が示されている。このボデーマウント30は、第一の取付部材としての第一の取付金具32と第二の取付部材としての第二の取付金具34が、第一のゴム弾性体36と第二のゴム弾性体38を介して、弾性的に組み付けられている。そして、かかるボデーマウント30は、第一の取付金具32が第一の被連結体としてのフレーム40に固定される一方、第二の取付金具34が第二の被連結体としての車体42に固定されることにより、図1中の上下方向が車両上下方向となり、左右方向が車両左右乃至は前後方向となる状態で、フレーム40と車体42の間に介装されて、車体42をフレーム40に対して防振支持せしめるようになっている。また、そのような装着状態下、車体42の支持荷重や防振すべき主たる振動は、図1中の上下方向に入力されることとなる。なお、以下の説明中、上方および下方とは、原則として図1中の上下方向を言うものとする。
【0033】
より詳細には、第一の取付金具32は、図2にも示されているように、円筒形状の筒体部44を有しており、また、該筒体部44における軸方向上側の開口周縁部には、径方向外方に向かって広がる円環板状の支持板部46が一体形成されている。更に、支持板部46の外周縁部は、軸方向上方に向かって略円筒形状をもって立ち上げられていると共に、その突出先端部が、全周に亘って、径方向外方に向かって鍔状乃至はフランジ状に湾曲されており、それによって、支持板部46の外周縁部において、軸方向上方に向かって所定高さで立ち上がる略円環形状のストッパ部48が形成されている。
【0034】
また、第一の取付金具32における筒体部44の内周面には、円筒形状を有する第一の径方向圧縮ゴム50が設けられており、筒体部44の内周面を略全面に亘って略一定の厚さで覆うようにして、筒体部44に加硫接着されている。更に、支持板部46には、厚肉円筒形状をもって軸方向上方に突出する第一の軸方向圧縮ゴム52が加硫接着されている。また、この第一の軸方向圧縮ゴム52の内周面は、支持板部46から軸方向上方に行くに従って直線的に拡径するテーパ面54とされており、先端面の径方向幅が、基端部の径方向幅よりも小さくされている。なお、この第一の軸方向圧縮ゴム52は、軸方向下端部において、第一の径方向圧縮ゴム50の軸方向上端部に連接されて一体形成されている。
【0035】
更にまた、第一の軸方向圧縮ゴム52の外周面側には、軸方向中間部分に位置して外周面に開口し、周方向に連続して延びる凹溝形状のすぐり部56が形成されている。そして、このすぐり部56によって、第一の軸方向圧縮ゴム52のばね特性が調節されているのであり、また、内周面がテーパ面54とされていることと相まって、第一の軸方向圧縮ゴム52が、軸方向圧縮変形時に径方向内方に座屈的に倒れ込むことが防止されて、安定した変形が生ぜしめられて有効な弾性が発揮されるようになっているのである。
【0036】
特に、本実施形態では、図3にも示されているように、すぐり部56の底部における上下幅方向両側の隅部58,60が、第一の軸方向圧縮ゴム52に外力が及ぼされていない状態で、互いに異なる曲率半径を有する円弧状断面をもって形成されており、第一の軸方向圧縮ゴム52の突出方向基部側の隅部58の曲率半径:Raが、突出先端側の隅部60の曲率半径:Rbよりも小さく設定されている。これにより、第一の軸方向圧縮ゴム52の軸方向圧縮変形時における、すぐり部56の形成に起因する先端側隅部58側への応力の集中的作用が軽減乃至は防止され、該第一の軸方向圧縮ゴム52の突出先端側部分がすぐり部56で径方向外方に折れ曲がるような座屈的変形が抑えられて、より安定した変形が生ぜしめられると共に、局部的な変形に起因する亀裂等が抑えられて耐久性が有利に確保されるようになっている。
【0037】
さらに、第一の軸方向圧縮ゴム52は、すぐり部56の下側部分(基部側部分)が径方向外方に延長されるようにして大径とされており、それによって、所定厚さの円環形状を有し、第一の取付金具32に形成されたストッパ部48の突出先端部を覆う緩衝ゴム62が、かかる第一の軸方向圧縮ゴム52と一体形成されている。
【0038】
要するに、本実施形態では、第一の径方向圧縮ゴム50と第一の軸方向圧縮ゴム52,緩衝ゴム62が、互いに一体形成されて第一のゴム弾性体36が構成されており、第一の取付金具32を有する第一の一体加硫成形品64として形成されている。また、第一の取付金具32における筒体部44および支持板部46には、貫通孔66が適数個設けられており、これらの貫通孔66を通じて、ゴム50,52が筒体部44の外周面および支持板部46の軸方向下面にまで回されることにより、それら筒体部44の外周面および支持板部46の軸方向下面に薄肉の取付ゴム層68が形成されている。
【0039】
一方、第二の取付金具34は、円筒形状を有しており、外径寸法が第一の取付金具32の筒体部44の内径寸法よりも小さく、且つ第一の径方向圧縮ゴム50の内径寸法よりも大きく設定されていると共に、軸方向長さ寸法が第一の取付金具32の軸方向寸法よりも大きく設定されている。また、図4にも示されているように、第二の取付金具34の軸方向上側の端部には、第一の端部材としての第一の端部金具70が軸方向に重ね合わされ、溶着によって一体的に固着されている。
【0040】
この第一の端部金具70は、第二の取付金具34の内孔72に連通される中心孔74を中央に有し、第一の端部金具70の軸方向端部において軸直角方向に広がる円板形状の第一の圧接板部76と、該第一の圧接板部76の外周縁部から軸方向下方に向かって突出する大径円筒形状のカバー筒部78とから構成されており、全体として略逆カップ形状を有している。また、カバー筒部78の突出先端部は、径方向外方に向かって鍔状乃至はフランジ状に湾曲されて、周方向に連続した環状の当接部80とされている。
【0041】
また、第二の取付金具34の軸方向下側の端部には、第二の端部材としての第二の端部金具82が軸方向に重ね合わされ、第二の取付金具34の内孔72に挿通される取付ボルト85で締め付け固定されている。この第二の端部金具82は、図5にも示されているように、第二の取付金具34の内孔72に連通される中心孔84を中央に有する円板形状の取付板部86と、該取付板部86の外周縁部から軸方向上方に向かって突出する円筒形状の外挿筒部88と、該外挿筒部88の突出先端部から径方向外方に向かって広がる円環板形状の第二の圧接板部90とから構成されている。かかる外挿筒部88は、第一の取付金具32の筒体部44の外径寸法よりも大きな内径寸法を有している。また、第二の圧接板部90は、第一の取付金具32の支持板部46よりも僅かに大きな内径寸法と僅かに小さな外径寸法を有している。
【0042】
さらに、第二の端部金具82における外挿筒部88の内周面には、円筒形状を有する第二の径方向圧縮ゴム92が、第一の取付金具32の筒大部44の外径寸法よりも小さな内径寸法をもって形成されている。更にまた、第二の圧接板部90には、円筒形状をもって軸方向上方に突出する第二の軸方向圧縮ゴム94が設けられている。この第二の軸方向圧縮ゴム94は、第一の軸方向圧縮ゴム52と同様、その内周面が、外力が及ぼされていない状態下で、第二の圧接板部90から軸方向上方に行くに従って直線的に拡径するテーパ面96とされていると共に、その外周面側の軸方向中間部分に位置して、外周面に開口して周方向に連続して延びる凹溝形状のすぐり部98が形成されており、安定した軸方向の圧縮変形が生ぜしめられるようになっている。
【0043】
なお、本実施形態では、かかる第二の軸方向圧縮ゴム52におけるすぐり部98も、図6に示されているように、第一の軸方向圧縮ゴム52におけるすぐり部56と同様、外力が及ぼされていない状態下で、底部における上下幅方向両側の隅部100,102が円弧形断面形状とされていると共に、底部における基部側の隅部100の曲率半径:Rcが、先端側の隅部102の曲率半径:Rdよりも小さく設定されており、それによって、第二の軸方向圧縮ゴム52における軸方向の圧縮変形が安定して生ぜしめられると共に、良好なる耐久性が確保されるようになっている。
【0044】
また、本実施形態では、第二の径方向圧縮ゴム92と第二の軸方向圧縮ゴム94が、互いに一体形成されて第二のゴム弾性体38が構成されており、第二の端部金具82を有する第二の一体加硫成形品104として形成されている。更に、第二の端部金具82における第二の圧接板部90には、貫通孔106が適数個設けられており、これらの貫通孔106を通じて、第二の軸方向圧縮ゴム94が第二の圧接板部90の軸方向下面にまで回されて加硫接着されている。
【0045】
そして、上述の如く構成された第一の一体加硫成形品64および第二の一体加硫成形品104と、第一の端部金具70が溶着された第二の取付金具34が、互いに組み付けられることによって、目的とするボデーマウント30が形成されることとなるが、本実施形態では、その組付けと同時に、ボデーマウント30が、フレーム40と車体42の間に装着されるようになっている。
【0046】
具体的には、先ず、フレーム40に貫設された装着孔108に対して、第一の一体加硫成形品64を構成する第一の取付金具32の筒体部44を挿し込んで嵌挿し、第一の取付金具32の支持板部46をフレーム40の上に重ね合わせて配置する。次に、第二の取付金具34を、第一の一体加硫成形品64に対して上方から軸方向に挿し込み、該第二の取付金具34を第一の径方向圧縮ゴム50に圧入する。続いて、第一の端部金具70を車体42の下面に重ね合わせて、該車体42に形成された取付孔110に対して上方から挿通された取付ボルト85を、第一の端部金具70の中心孔74を通じて第二の取付金具34の内孔72に挿通せしめる。更に、第二の取付金具34の軸方向下方から第二の一体加硫成形品104を組み付け、第二の取付金具34から軸方向下方に突出せしめた取付ボルト85にて、該第二の一体加硫成形品104を構成する第二の端部金具82を締め付け、第二の取付金具34の軸方向下端部に重ね合わせて固定すると共に、第二の径方向圧縮ゴム92を第一の取付金具32の筒体部44の外周面に圧入せしめる。
【0047】
このようにして形成されたボデーマウント30にあっては、取付ボルト85の締付力によって、第二の取付金具34が車体42に対して固定的に取り付けられていると共に、該取付ボルト85の締付力と第二の取付金具34と第一の取付金具32の間に入力される車体42の荷重によって、第一の軸方向圧縮ゴム50が、第一の取付金具32の支持板部46と第一の端部金具70の第一の圧接板部76との間で軸方向に圧縮されており、また、第二の軸方向圧縮ゴム94が、支持板部46の下面に重ね合わされたフレーム40と第二の端部金具82の第二の圧接板部90との間で軸方向に圧縮されている。そして、これら第一の軸方向圧縮ゴム50と第二の軸方向圧縮ゴム94の弾性に基づいて、第一の取付金具32の支持板部46がフレーム40に対して、離隔しないように固定的に押し付けられている。
【0048】
すなわち、このような構造とされたボデーマウント30にあっては、フレーム40に固定的に取り付けられた第一の取付金具32と、車体42に固定的に取り付けられた第二の取付金具34との間において、第一及び第二の径方向圧縮ゴム50,92と第一及び第二の軸方向圧縮ゴム52,94が介装されているのであり、第一及び第二の径方向圧縮ゴム50,92の弾性変形に基づいて、第一の取付金具32と第二の取付金具34の径方向の相対変位ひいては車体42のフレーム40に対する水平方向(例えば車両横方向)の変位が許容されると共に、第一及び第二の軸方向圧縮ゴム52,94の弾性変形に基づいて、第一の取付金具32と第二の取付金具34の軸方向の相対変位ひいては車体42のフレーム40に対する鉛直方向(車両上下方向)の変位が許容されるようになっているのである。
【0049】
従って、かかるボデーマウント30においては、ボルト等の特別な固定手段を要することなく、第一の取付金具32をフレーム40に対して容易に固定することが出来、単一の取付ボルト85の取付操作のみによって、第一の取付金具32のフレーム40に対する固定と第二の取付金具34の車体42に対する固定とを同時に行うことが出来ることから、極めて優れた装着作業性が発揮されるのであり、特に、第一の取付金具32と第二の取付金具34を取付ボルト85で組み付けることにより、マウント30の組立てと同時に、マウント30の車両への装着が完了することから、より優れた装着作業性が発揮されるのである。
【0050】
また、マウント軸方向に入力される車体42の支持荷重に対しては、第一の軸方向圧縮ゴム52の圧縮変形に基づくばね剛性によって、有効な支持強度が発揮されると共に、マウント軸方向の入力振動に対しては、第一及び第二の軸方向圧縮ゴム52,94の弾性変形によって有効な防振効果が発揮されることとなる。そこにおいて、第一及び第二の軸方向圧縮ゴム52,94は、何れも、外周面に形成されたすぐり部56,98が潰れてしまわない状態で装着されており、振動荷重の入力時に、これらのすぐり部56,98が潰れるまでは柔らかいばね特性が発揮されると共に、すぐり部56,98が潰れた後は硬いばね特性が発揮されるようになっていることから、入力荷重に対して非線形のばね特性が発揮されることとなり、小さな荷重振動に対する優れた振動絶縁効果と共に、大きな荷重振動に対しても良好なる防振効果が発揮されるのである。
【0051】
しかも、第一及び第二の軸方向圧縮ゴム52,94は、内周面がテーパ面54,96とされていることから、弾性変形時における内周面の第二の取付金具34や筒体部44への圧接や干渉が軽減乃至防止されることとなり、かかる圧接,干渉に起因する軸方向ばね特性の変化が回避されて所期の防振性能が安定して且つ充分な耐久性をもって発揮されるのである。
【0052】
また、第一及び第二の軸方向圧縮ゴム52,94は、内周面がテーパ面54,96とされていると共に、外周面に開口するすぐり部56,98が形成されていることによって、軸方向の圧縮変形時における径方向内方への座屈的変形が防止されて、安定した弾性変形が生ぜしめられることから、目的とするばね特性が安定して且つ優れた耐久性をもって発揮されるのである。特に、第一の軸方向圧縮ゴム52の先端部分の外周面は、第一の端部金具70のカバー筒部78によって、径方向に所定距離を隔てて覆われており、径方向外方への潰れ等の座屈的な変形も、かかるカバー筒部78への当接によって防止されるのであり、それ故、第一の軸方向圧縮ゴム52に圧縮変形を生ぜしめる入力荷重に対しては、一層有効なばね特性が安定して発揮され得る。
【0053】
また、第一の取付金具32と第二の取付金具34の間には、車体42の支持荷重が入力されるバウンド方向で所定距離を隔てて対向位置せしめられたストッパ部48と当接部80によってストッパ機構が構成されており、過大なバウンド荷重が入力された場合には、ストッパ部48と当接部80が緩衝ゴム62を介して当接することによって、第一の取付金具32と第二の取付金具34のバウンド方向変位量が緩衝的に制限されることとなる。特に、本実施形態では、緩衝ゴム62が有効な弾性を発揮し得る程の肉厚で形成されていることから、すぐり部56が潰れた後、ストッパ機構が作用した場合でも、この緩衝ゴム62の弾性変形に基づく充分に硬いばね特性のもとに、有効な防振効果が発揮されるのである。
【0054】
また一方、マウント径方向に入力されるロール荷重等に対しては、第一及び第二の径方向圧縮ゴム50,92に圧縮変形が生ぜしめられることから、大きなばね剛性が有効に発揮されるのであり、それによって、車両の操縦安定性が有利に確保されることとなる。そして、特にかかるボデーマウント30においては、第一及び第二の径方向圧縮ゴム50,92が、第一及び第二の軸方向圧縮ゴム52,94から充分に離れた部分に位置して実質的に独立形成されていることから、軸方向の要求特性に拘わらずに、第一及び第二の径方向圧縮ゴム50,92に対して大きなばね剛性を設定することが出来ると共に、第一及び第二の径方向圧縮ゴム50,92と第一及び第二の軸方向圧縮ゴム52,94の間での変形や応力の伝達が防止されて、軸方向および径方向において、それぞれ、目的とするばね特性を安定して得ることが出来るのである。
【0055】
また、上述の如きボデーマウント30においては、第一の径方向圧縮ゴム50と第二の径方向圧縮ゴム92が、マウント径方向の入力荷重に対して、互いに独立的にばね剛性を発揮し得ることから、径方向のばね剛性のチューニングが容易で且つ大きな設定自由度が確保されて大きなばね剛性を一層容易に確保することが出来ると共に、第二の径方向圧縮ゴム92に径方向の圧縮力を及ぼす筒体部44と外挿筒部88が、何れも、第二の取付金具34よりも大径とされていることから、第二の径方向圧縮ゴム92に対する径方向荷重の有効作用面積が有利に確保されて、大きなばね剛性の確保が一層容易に可能となるのである。
【0056】
また、本実施例のボデーマウント30においては、第一及び第二の径方向圧縮ゴム50,92の弾性変形に基づいて、第一の取付金具32と第二の取付金具34の間に入力されるこじり方向(第一の取付金具32の筒体部44に対して第二の取付金具34が傾斜する方向)の荷重に対しても、有効なばね特性を発揮し得るのである。
【0057】
以上、本発明の実施形態例について詳述してきたが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かかる実施形態によって何等限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、本発明の適用範囲も、前記実施例で例示したボデーマウントに限定されるものでなく、例えばキャブマウントやサブフレームマウント等の各種の筒形防振支持体に対して、本発明が有利に適用され得る。
【0058】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、請求項1乃至7の何れかに記載の発明に従う構造とされた筒形防振支持体においては、何れも、第一の被連結体と第二の被連結体に対して極めて容易に装着することが出来るのであり、第一及び第二の被連結体に対する取付構造の簡略化が達成されると共に、優れた取付作業性が実現され得る。
【0059】
また、かかる筒形防振支持体においては、第一及び第二の軸方向圧縮ゴムによって軸方向入力荷重に対する支持ばね特性や防振特性を充分に確保しつつ、第一及び第二の径方向圧縮ゴムによって径方向入力荷重に対するばね剛性を有利に確保することが出来る。
【0060】
しかも、第一の軸方向圧縮ゴムは、外周面に開口して形成されたすぐり部によって、ばね特性のチューニングが容易とされていると共に、非線形のばね特性が有効に且つ安定して発揮されて、良好なる防振性能と優れたばね剛性が共に有利に実現され得るのである。
【0061】
また、過大な軸方向荷重が入力された場合に第一の取付部材と第二の取付部材の軸方向の相対的変位量を制限するストッパ機構が、特別な部材や構造の複雑化を伴うことなく、第一の取付金具と第二の取付金具において有利に構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用ボデーマウントを、自動車への装着状態として示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたボデーマウントを構成する第一の一体加硫成形品を示す縦断面図である。
【図3】図2に示された第一の一体加硫成形品の要部拡大断面図である。
【図4】図1に示されたボデーマウントを構成する第二の取付金具を示す縦断面図である。
【図5】図1に示されたボデーマウントを構成する第二の一体加硫成形品を示す縦断面図である。
【図6】図5に示された第二の一体加硫成形品の要部拡大断面図である。
【図7】従来構造の筒形防振支持体の一具体例を示す縦断面図である。
【図8】従来構造の筒形防振支持体の別の具体例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
30 ボデーマウント
32 第一の取付金具
34 第二の取付金具
36 第一のゴム弾性体
38 第二のゴム弾性体
40 フレーム
42 車体
44 筒体部
46 支持板部
48 ストッパ部
50 第一の径方向圧縮ゴム
52 第一の軸方向圧縮ゴム
56 すぐり部
62 緩衝ゴム
70 第一の端部金具
76 第一の圧接板部
78 カバー筒部
80 当接部
82 第二の端部金具
85 取付ボルト
86 取付板部
88 外挿筒部
90 第二の圧接板部
92 第二の径方向圧縮ゴム
94 第二の軸方向圧縮ゴム

Claims (7)

  1. 第一の被連結体と第二の被連結体の間に介装されて、それら両被連結体を防振連結する筒形防振支持体であって、
    円筒状の筒体部と、該筒体部の軸方向一方の端部から軸直角方向外方に広がる円環板状の支持板部とを有すると共に、該支持板部の外周縁部が軸方向外方に立ち上げられて環状のストッパ部が構成されており、該筒体部が前記第一の被連結体に設けられた取付孔に嵌挿されて該支持板部が該第一の被連結体に重ね合わされた状態で、かかる第一の被連結体に取り付けられる第一の取付部材と、
    該第一の取付部材の筒体部の内径よりも所定寸法小さな外径を有し、該第一の取付部材に内挿されて、該第一の取付部材の軸方向両側に突出して配設されると共に、前記第二の被連結体に固定的に取り付けられるロッド状の第二の取付部材と、
    該第二の取付部材の軸方向一方の端部から軸直角方向外方に広がり、前記第一の取付部材の支持板部に対して軸方向に離隔して対向位置せしめられる円環板状の第一の圧接板部と、該第一の圧接板部の外周縁部から該第一の取付部材側に向かって軸方向に突出する円筒状のカバー筒部を有し、該カバー筒部の突出先端部が、前記第一の取付部材のストッパ部に対して軸方向に対向位置する当接部とされた第一の端部材と、
    前記第二の取付部材の軸方向他方の端部から該第二の取付部材の端部を覆うようにして軸方向内方に延び出し、前記第一の取付部材の筒体部に対して径方向外方に離隔して外挿される円筒状の外挿筒部と、該外挿筒部の開口端部から軸直角方向外方に広がり、前記第一の被連結体における前記支持板部の重ね合わせ面とは反対側の面に対して軸方向に離隔して対向位置せしめられる円環板状の第二の圧接板部とを有する第二の端部材と、
    前記第一の取付部材の前記筒体部から径方向に突出し、前記第二の取付部材の外周面に圧接された第一の径方向圧縮ゴムと、該第一の取付部材の前記支持板部から軸方向に突出し、前記第一の端部材の第一の圧接板部に圧接された第一の軸方向圧縮ゴムと、該第一の取付部材における前記ストッパ部の前記当接部に対する対向面上に設けられた緩衝ゴムとを有し、且つ該第一の軸方向圧縮ゴムの外周面に開口して周方向に連続して延びるすぐり部が形成されると共に、該第一の軸方向圧縮ゴムの内周面が突出方向に向かって次第に拡開して前記第二の取付部材の外周面から離隔せしめられた、前記第一の取付部材に接着された第一のゴム弾性体と、
    前記第二の端部材の前記外挿筒部から径方向に突出し、前記第一の取付部材における前記筒体部の外周面に圧接された第二の径方向圧縮ゴムと、該第二の取付部材の前記第二の圧接板部から軸方向に突出し、前記第一の被連結体に圧接される第二の軸方向圧縮ゴムとを有し、前記第二の端部材に接着された第二のゴム弾性体とを、
    含んで構成されていることを特徴とする筒形防振支持体。
  2. 前記第一の軸方向圧縮ゴムに設けられたすぐり部の底部における幅方向両側の隅部が、該第一の軸方向圧縮ゴムの自由形状において、それぞれ円弧状断面とされており、且つ該第一の軸方向圧縮ゴムの基部側の隅部の曲率半径が、突出先端側の隅部の曲率半径よりも小さく設定されている請求項1に記載の筒形防振支持体。
  3. 前記第一の被連結体と前記第二の被連結体の間への介装状態において、前記第一の軸方向圧縮ゴムに設けられたすぐり部の開口寸法が、前記第一の端部材における当接部の前記ストッパ部に設けられた緩衝ゴムに対する対向面間距離よりも小さくされている請求項1又は2に記載の筒形防振支持体。
  4. 前記第二のゴム弾性体における前記第二の軸方向圧縮ゴムの外周面に開口して周方向に連続して延びるすぐり部が形成されていると共に、該第二の軸方向圧縮ゴムの内周面が突出方向に向かって次第に拡開して前記第一の取付部材における前記筒体部の外周面から離隔せしめられている請求項1乃至3の何れかに記載の筒形防振支持体。
  5. 前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の組付状態において、前記第二のゴム弾性体における前記第二の軸方向圧縮ゴムの軸方向高さが、前記第一のゴム弾性体における前記第一の軸方向圧縮ゴムの軸方向高さの1/2以下とされている請求項1乃至4の何れかに記載の筒形防振支持体。
  6. 前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の組付状態において、前記第二のゴム弾性体における前記第二の径方向圧縮ゴムの径方向高さが、前記第一のゴム弾性体における前記第一の径方向圧縮ゴムの径方向高さの1/2以下とされている請求項1乃至5の何れかに記載の筒形防振支持体。
  7. 前記第一の端部材および前記第二の端部材の何れか一方が前記第二の取付部材に対して一体的に形成されている一方、それら第一の端部材および第二の端部材の何れか他方が該第二の取付部材とは別体にて形成されて、前記第一の取付部材に挿通された該第二の取付部材の軸方向端部に重ね合わされて固定されるようになっている請求項1乃至6の何れかに記載の筒形防振支持体。
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