JP2008185193A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大幅なコストダウンが図れ、製造装置及び製造工程の簡略化に伴い量産性に優れ、しかも、高い設計自由度を得る。
【解決手段】ブラケット2の円筒部13に、内筒4と外筒5を備えたブッシュタイプの防振ゴム6が圧入されて固定される。ブラケット2は2つのブラケット構成部材11,12から構成される。ブラケットの円筒部13は、円筒体を縦割りしてなる2つの湾曲構成部13A、13Bを周方向に連結されて構成される。
【選択図】図1
【解決手段】ブラケット2の円筒部13に、内筒4と外筒5を備えたブッシュタイプの防振ゴム6が圧入されて固定される。ブラケット2は2つのブラケット構成部材11,12から構成される。ブラケットの円筒部13は、円筒体を縦割りしてなる2つの湾曲構成部13A、13Bを周方向に連結されて構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車のエンジンの振動発生部をマウントするため等に用いられる防振装置に関する。
自動車のエンジンを、振動をある程度減衰させた状態で、車体に支持させる防振装置として、従来から各種のものが用いられている。
その一つに、円筒部を展開してなる平板部と、エンジンまたは車体と連結される連結用脚部とを一体的にプレス成形し、その後、このプレス成形した部材に曲げ加工を施して円筒状に形成し、その合わせ部分にL字状の金具を溶接することで外筒を形成し、その外筒とその内側に配置される内筒とを金型内にセットし、外筒と内筒との間に、ゴム材料を注入してそれらに加硫接着させることによって作られるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、外筒と内筒とを金型内にセットし、外筒と内筒との間に、ゴム材料を注入してそれらに加硫接着させることによって作る点は、上述したものと同様であるが、外筒となる部材を円筒体を縦割りした2部材によって構成し、この縦割り2部材のうちの一つに、エンジンまたは車体と連結される連結用脚部を一体に形成したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
その一つに、円筒部を展開してなる平板部と、エンジンまたは車体と連結される連結用脚部とを一体的にプレス成形し、その後、このプレス成形した部材に曲げ加工を施して円筒状に形成し、その合わせ部分にL字状の金具を溶接することで外筒を形成し、その外筒とその内側に配置される内筒とを金型内にセットし、外筒と内筒との間に、ゴム材料を注入してそれらに加硫接着させることによって作られるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、外筒と内筒とを金型内にセットし、外筒と内筒との間に、ゴム材料を注入してそれらに加硫接着させることによって作る点は、上述したものと同様であるが、外筒となる部材を円筒体を縦割りした2部材によって構成し、この縦割り2部材のうちの一つに、エンジンまたは車体と連結される連結用脚部を一体に形成したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、エンジンマウント用ではないが、自動車のサスペンションを支持する装置として、車体と連結される連結用脚部を溶接等により固着した円筒部内に、予め、外筒と内筒との間にゴム材料を介在させてそれらに加硫接着したいわゆるブッシュタイプの防振ゴムを、圧入して固定した防振装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−155788号公報
特開平1−118232号公報
特開平8−207535号公報
ところで、上述の特許文献に記載された各技術にあっては、次の問題があった。
すなわち、特許文献1,2に記載された技術では、外筒内にゴム材料を直に注入して加硫接着によりこの外筒と一体に形成するものであるから、外筒をセットしてゴム材料を注入するための金型が必要になる。このとき、連結用脚部を一体に取り付けた外筒を金型内にセットしなければならないため、金型が大型化し、その結果、多数取りが困難になるのに伴い、コスト高を招く問題があった。
特に、特許文献1に記載された技術では、平板部に曲げ加工を施して円筒状に形成した後でも、スプリングバック等の影響を受けるため、この曲げ加工した円筒状の部材を所定形状に維持することが困難になる。このため、例えば押さえ金具等を用いて、曲げ加工を施した円筒状の部材を所定形状に維持しながら、合わせ部分にL字状の金具を溶接することが必要になる。このため、装置が複雑になる、また、製造工程のステップが多くなるため量産性に劣る等の問題があった。
すなわち、特許文献1,2に記載された技術では、外筒内にゴム材料を直に注入して加硫接着によりこの外筒と一体に形成するものであるから、外筒をセットしてゴム材料を注入するための金型が必要になる。このとき、連結用脚部を一体に取り付けた外筒を金型内にセットしなければならないため、金型が大型化し、その結果、多数取りが困難になるのに伴い、コスト高を招く問題があった。
特に、特許文献1に記載された技術では、平板部に曲げ加工を施して円筒状に形成した後でも、スプリングバック等の影響を受けるため、この曲げ加工した円筒状の部材を所定形状に維持することが困難になる。このため、例えば押さえ金具等を用いて、曲げ加工を施した円筒状の部材を所定形状に維持しながら、合わせ部分にL字状の金具を溶接することが必要になる。このため、装置が複雑になる、また、製造工程のステップが多くなるため量産性に劣る等の問題があった。
また、特許文献2に記載された技術では、外筒を構成する縦割り2部材の合わせ部から、ゴム材料が漏れないようシール性を考慮しなければならず、その分、設計の自由度が低くなるという問題があった。
また、特許文献3に記載された技術では、円筒部に連結用脚部を溶接により固定しており、溶接により固定する場合、正確な位置出しが困難であるため、車体等に組み付ける際に、組付け不良が発生し易くなる。つまり、高い精度が得にくいという問題があった。
また、特許文献3に記載された技術では、円筒部に連結用脚部を溶接により固定しており、溶接により固定する場合、正確な位置出しが困難であるため、車体等に組み付ける際に、組付け不良が発生し易くなる。つまり、高い精度が得にくいという問題があった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたもので、大幅なコストダウンが図れ、製造装置及び製造工程の簡略化に伴い量産性に優れ、しかも、高い設計自由度が得られる防振装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る防振装置は、ブラケットの円筒部に、内筒と外筒を備えたブッシュタイプの防振ゴムが圧入されて固定される防振装置において、前記ブラケットの円筒部が、円筒体を縦割りしてなる複数の湾曲構成部を周方向に連結されて構成されていることを特徴とする。
なお、ここでいう縦割りとは、円筒体をその軸線方向に沿った面で割るのに限定されることなく、軸線方向に対しある角度をもつ斜面に沿って割るものも含むものとする。
本発明に係る防振装置は、ブラケットの円筒部に、内筒と外筒を備えたブッシュタイプの防振ゴムが圧入されて固定される防振装置において、前記ブラケットの円筒部が、円筒体を縦割りしてなる複数の湾曲構成部を周方向に連結されて構成されていることを特徴とする。
なお、ここでいう縦割りとは、円筒体をその軸線方向に沿った面で割るのに限定されることなく、軸線方向に対しある角度をもつ斜面に沿って割るものも含むものとする。
本発明によれば、ブラケットの円筒部に、内筒と外筒を備えたブッシュタイプの防振ゴムを圧入して固定するため、防振ゴムを製造するための金型には、連結用脚部を配置させることなく内筒と外筒のみセットすれば足り、このため、金型が大型化するのを抑制することができる。また、金型内には、ブッシュタイプの防振ゴムをより数多くセットすることができる。つまり、金型での多数取りが可能となるので、大幅なコストダウンを図ることができる。
また、ブラケットの円筒部を、円筒体を縦割りしてなる複数の湾曲構成部を周方向に連結して構成しているため、ブラケットの円筒部を作る際に、スプリングバックの影響を考慮することが不要になり、所定の押圧力を有する押さえ金具を用いることなく、溶接等の連結作業が行えるため、製造工程の簡素化が図れる。
さらに、前述したように、ブラケットの円筒部にブッシュタイプの防振ゴムを圧入して固定するので、湾曲構成部の合わせ面のシール性を考慮する必要がなく、ブラケットの円筒部としてある程度の形状を維持すれば足りるため、設計の自由度が高まる。
さらに、前述したように、ブラケットの円筒部にブッシュタイプの防振ゴムを圧入して固定するので、湾曲構成部の合わせ面のシール性を考慮する必要がなく、ブラケットの円筒部としてある程度の形状を維持すれば足りるため、設計の自由度が高まる。
本発明に係る防振装置は、前記ブラケットの円筒部が、2個の湾曲構成部を周方向に連結されて構成されていることが好ましい。
この場合、複数ある湾曲構成部を最少個数の2個に止めているので、コストをより低減させることができ、かつ、部品管理も容易になる。
この場合、複数ある湾曲構成部を最少個数の2個に止めているので、コストをより低減させることができ、かつ、部品管理も容易になる。
また、本発明に係る防振装置は、少なくとも何れか一つの前記湾曲構成部に連結用脚部が一体に形成されていることが好ましい。
この場合、湾曲構成部に、車体やエンジン等と連結する連結用脚部を一体に形成しているので、湾曲構成部に別途連結用脚部を連結する場合に比べ、製造工程の簡素化を図ることができる。また、ブラケットの円筒部を形成した後、後工程で、このブラケット円筒部に連結用脚部を溶接等によって固定する場合に比べ、円筒部の形状が変形しにくい。
この場合、湾曲構成部に、車体やエンジン等と連結する連結用脚部を一体に形成しているので、湾曲構成部に別途連結用脚部を連結する場合に比べ、製造工程の簡素化を図ることができる。また、ブラケットの円筒部を形成した後、後工程で、このブラケット円筒部に連結用脚部を溶接等によって固定する場合に比べ、円筒部の形状が変形しにくい。
本発明に係る防振装置は、一体に形成される前記湾曲構成部及び前記連結用脚部がプレス加工によって作られていることが好ましい。
この場合、プレス加工を導入しているため、他の加工例えば切削加工や鍛造加工と溶接等の接合加工を組み合わせる場合に比べて、製造工程の簡素化が図れ、かつコストダウンをより一層高めることができる。
また、プレス加工は比較的精度を出し易いので、溶接等によって別途連結用脚部を接合する場合に比べ、ブラケット円筒部に対する連結用脚部の正確な位置出しが可能となり、当該防振装置を、車体に組み付ける際、組付け不良が生じにくい。
この場合、プレス加工を導入しているため、他の加工例えば切削加工や鍛造加工と溶接等の接合加工を組み合わせる場合に比べて、製造工程の簡素化が図れ、かつコストダウンをより一層高めることができる。
また、プレス加工は比較的精度を出し易いので、溶接等によって別途連結用脚部を接合する場合に比べ、ブラケット円筒部に対する連結用脚部の正確な位置出しが可能となり、当該防振装置を、車体に組み付ける際、組付け不良が生じにくい。
本発明によれば、金型が大型化するのを抑制することができ、また、金型内には、ブッシュタイプの防振ゴムをより数多くセットすることができるため、金型での多数取りが可能となるので、大幅なコストダウンを図ることができる。
また、ブラケットの円筒部を作る際に、所定の押圧力を有する押さえ金具を用いることなく、溶接等の連結作業が行えるため、製造工程の簡素化が図れる。
さらに、湾曲構成部の合わせ面のシール性を考慮する必要がなく、ブラケットの円筒部としてある程度の形状を維持すれば足りるため、設計の自由度が高まる。
また、ブラケットの円筒部を作る際に、所定の押圧力を有する押さえ金具を用いることなく、溶接等の連結作業が行えるため、製造工程の簡素化が図れる。
さらに、湾曲構成部の合わせ面のシール性を考慮する必要がなく、ブラケットの円筒部としてある程度の形状を維持すれば足りるため、設計の自由度が高まる。
以下、本発明に係る防振装置の各実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1〜図7は本発明の第1実施形態の防振装置を示し、図1は防振装置の全体斜視図、図2は防振装置のブラケットの全体斜視図である。
これらの図に示すように、防振装置1は、ブラケット2の円筒部13に、内筒4と外筒5を備えたブッシュタイプの防振ゴム6が圧入により固定されて構成されている。
<第1実施形態>
図1〜図7は本発明の第1実施形態の防振装置を示し、図1は防振装置の全体斜視図、図2は防振装置のブラケットの全体斜視図である。
これらの図に示すように、防振装置1は、ブラケット2の円筒部13に、内筒4と外筒5を備えたブッシュタイプの防振ゴム6が圧入により固定されて構成されている。
ブラケット2は、2つのブラケット構成部材11、12が,所要箇所を付き合わされて溶接されることにより構成されている。ブラケット2は、円筒部13とこの円筒部13から径方向外方へ延びる3つの連結用脚部14、15、16を備える。これら連結用脚部14、15、16は、図1を基準とする配置関係から、以下、連結用上脚部、連結用下脚部、連結用横脚部と呼ぶ。
図3、図4に示すように、2つのブラケット構成部材のうち一方のブラケット構成部材11は、円筒部13を構成する湾曲構成部13Aと、湾曲構成部13Aの上部に設けられた連結用上脚部14と、湾曲構成部13Aの下部に設けられた連結用下脚部15とを備える。
湾曲構成部13Aは、3つあるうち2つの連結用脚部が一体に形成されている関係上、円筒体を軸線方向に沿って半割りした形状ではなくそれ以上、例えば中心角度で略225度の開き角度を持つように円筒体を縦割りした形状とされている。
連結用上脚部14は、車体またはエンジンに突き当てられて固定されるボルト孔付きの固定面14aと、この固定面14aに直交するように3方に配置される側面14b、14c、14dを備える。固定面14a、側面14b、14d及び湾曲構成部13Aが面一となる端部は突き当て面14eとされ、この突き当て面14eには、他方のブラケット構成部材12に形成された舌部17が突き当てられて溶接される。
連結用上脚部14は、車体またはエンジンに突き当てられて固定されるボルト孔付きの固定面14aと、この固定面14aに直交するように3方に配置される側面14b、14c、14dを備える。固定面14a、側面14b、14d及び湾曲構成部13Aが面一となる端部は突き当て面14eとされ、この突き当て面14eには、他方のブラケット構成部材12に形成された舌部17が突き当てられて溶接される。
連結用下脚部15は、車体またはエンジンに突き当てられて固定されるボルト孔付きの固定面15aと、この固定面15aの左右両側に配置される側面15b、15cと、固定面15aから斜め上方へ延びる傾斜面15dと、この傾斜面15dに直交するように延びる突き当て面15eとを備える。突き当て面15eは、湾曲構成部13Aの下部内周面に対して略直交しており、この突き当て面15eには、他方のブラケット構成部材12に形成された突き当て面16dが突き当てられて溶接される。ここで、図1、図2には溶接箇所をWで示す。
図5に示すように、前記2つのブラケット構成部材のうち他方のブラケット構成部材12は、円筒部13を構成する湾曲構成部13Bと、湾曲構成部13Bの下部に設けられた連結用横脚部16と、湾曲構成部13Bの上部にこの湾曲構成部13Bの上部内周面に対して略直交するように折り曲げられた前記舌部17とを備える。
湾曲構成部13Bは、3つあるうち1つの連結用脚部のみが一体に形成されている関係上、円筒体を軸線方向に沿って半割りした形状ではなくそれ以下、例えば中心角度で略135度の開き角度を持つように円筒体を縦割りした形状とされている。
湾曲構成部13Bは、3つあるうち1つの連結用脚部のみが一体に形成されている関係上、円筒体を軸線方向に沿って半割りした形状ではなくそれ以下、例えば中心角度で略135度の開き角度を持つように円筒体を縦割りした形状とされている。
連結用横脚部16は、車体またはエンジンに突き当てられて固定されるボルト孔付きの固定面16aと、この固定面16aの左右両側に配置される側面16b、16cと、固定面15aから斜め上方へ延びる前記突き当て面16dとを備える。突き当て面16dは、湾曲構成部13Bの下部内周面に対して略直交している。また、突き当て面16dには、溶接用の長孔16ddが形成されている。
ここで、湾曲構成部及び連結用脚部が一体に形成されたブラケット構成部材11,12は、それぞれ金属製板材がプレス加工されることによって、一体成形されて作られる。
また、2つのブラケット構成部材11,12において、互いに突き当てられて溶接される部分である、突き当て面14e、15e、16d及び舌部17は、車体やエンジンに突き当てられて固定される固定面14a、15a、16aや、防振ゴム6が圧入される円筒部13の内面を避けて、それらとは別箇所に形成されている。
また、2つのブラケット構成部材11,12の周方向端部に設けられる溶接のための突き当て面14e、15e、16dは、それぞれ連結用脚部14、15、16の一部を利用して形成されている。
また、2つのブラケット構成部材11,12において、互いに突き当てられて溶接される部分である、突き当て面14e、15e、16d及び舌部17は、車体やエンジンに突き当てられて固定される固定面14a、15a、16aや、防振ゴム6が圧入される円筒部13の内面を避けて、それらとは別箇所に形成されている。
また、2つのブラケット構成部材11,12の周方向端部に設けられる溶接のための突き当て面14e、15e、16dは、それぞれ連結用脚部14、15、16の一部を利用して形成されている。
図6及び図7に示すように、防振ゴム6は、図示しない金型内に内筒4と外筒5がそれぞれセットされて、ボイド内にゴム材料が注入されることで形成されるものであり、内筒4及び外筒5に対しそれぞれ加硫接着されている。内筒4は外筒5に対して偏心して配置されている。内筒4と外筒5は、それぞれ金属材料からなっていて、防振ゴム6の一部であるV字状のアーム部20によって互いに連結されている。アーム部20の上下両側には、それぞれ内筒4及び外筒5の軸線方向に貫通するスリット21,22が形成されている。防振ゴム6には、V字状のアーム部20の上下両側に、それぞれ前記スリット21,22を挟んでストッパ23,24が形成され、このストッパ23,24によって、外筒5に対する内筒4の上方あるいは下方への相対的な移動量が規制されるようになっている。
次に、上記構成の防振装置の作用について説明する。
防振装置1は、例えば、連結用脚部14、15、16の各固定面14a、15a、16aが車体の被固定面に押し当てられ、図示しないボルトによって固定され、内筒4がエンジンの被支持部に固定される。したがって、エンジンの振動は、内筒4と外筒5との間に介在された防振ゴム6によって減衰された形で車体に伝わる。
つまり、エンジンは、当該防振装置1によって、ある程度振動を減衰された形で、車体に支持される。
防振装置1は、例えば、連結用脚部14、15、16の各固定面14a、15a、16aが車体の被固定面に押し当てられ、図示しないボルトによって固定され、内筒4がエンジンの被支持部に固定される。したがって、エンジンの振動は、内筒4と外筒5との間に介在された防振ゴム6によって減衰された形で車体に伝わる。
つまり、エンジンは、当該防振装置1によって、ある程度振動を減衰された形で、車体に支持される。
この実施形態の防振装置においては、ブラケット2の円筒部13に、ブッシュタイプの防振ゴム6を圧入して固定するため、防振ゴム6を製造するための金型には、連結用脚部14、15、16を配置させることなく、内筒4と外筒5及び外筒5の内側に配置されるスリット形成用の中子のみセットすれば足り、このため、金型が大型化するのを抑制することができる。また、金型内には、ブッシュタイプの防振ゴムを、数多くセットすることができることから、金型での多数取りが可能となるので、大幅なコストダウンを図ることができる。
また、ブラケット2の円筒部13を、複数の湾曲構成部13A、13Bを周方向に連結して構成しているため、ブラケット2の円筒部13を作る際に、スプリングバックの影響を考慮することが不要になり、所定の押圧力を有する押さえ金具を用いることなく、溶接等の連結作業が行えるため、製造工程の簡素化が図れる。
また、複数ある湾曲構成部13A、13Bを最少個数の2個に止めているので、コストをより低減させることができ、かつ、部品管理も容易になる。
また、前述したように、ブラケット2の円筒部13にブッシュタイプの防振ゴム6を圧入して固定するので、湾曲構成部13A、13Bの合わせ面のシール性を考慮する必要がなく、ブラケットの円筒部としてある程度の形状を維持すれば足りるため、設計の自由度が高まる。
また、複数ある湾曲構成部13A、13Bを最少個数の2個に止めているので、コストをより低減させることができ、かつ、部品管理も容易になる。
また、前述したように、ブラケット2の円筒部13にブッシュタイプの防振ゴム6を圧入して固定するので、湾曲構成部13A、13Bの合わせ面のシール性を考慮する必要がなく、ブラケットの円筒部としてある程度の形状を維持すれば足りるため、設計の自由度が高まる。
また、この実施形態では、湾曲構成部13Aに連結用脚部14、15を、また、湾曲構成部13Bに連結用脚部16をそれぞれ一体に形成しているので、湾曲構成部によって円筒部を形成した後、この円筒部に別途連結用脚部を連結する場合に比べ、製造工程の簡素化を図ることができる。また、ブラケットの円筒部を形成した後、連結用脚部を溶接によって固定する場合に比べ、円筒部の形状が変形しにくい利点も得られる。
また、この実施形態では、湾曲構成部及び前記連結用脚部をプレス加工による一体成形によって作っているので、他の加工例えば切削加工や鍛造加工と溶接等の接合加工を組み合わせる場合に比べて、製造工程の簡素化が図れ、かつコストダウンをより一層高めることができる。加えて、プレス加工は比較的高精度が得られ易いので、溶接等によって別途連結用脚部を接合する場合に比べ、ブラケット円筒部に対する連結用脚部の正確な位置出しが可能となり、当該防振装置を、車体に組み付ける際、組付け不良が生じにくい利点も得られる。
また、2つのブラケット構成部材11,12において、互いに突き当てられて溶接される部分である、突き当て面14e、15e、16d及び舌部17を、車体やエンジンに突き当てられて固定される固定面14a、15a、16aや、防振ゴム6が圧入される円筒部13の内面を避けて、それらとは別箇所に形成しており、これにより、固定面14a、15a、16aや円筒部13の内面の位置精度を高めることができる。ちなみに、溶接される部分である、突き当て面14e、15e、16d及び舌部17を、固定面14a、15a、16aや円筒部13の内面に近づけると、溶接の際の熱歪の影響を受けるため、それら固定面14a、15a、16aや円筒部13の内面の位置精度を高めることはできない。
さらに、2つのブラケット構成部材11,12の周方向端部に設けられる溶接のための突き当て面14e、15e、16dを、連結用脚部14、15、16の一部を利用して形成しているので、突き当て面として広い面積を確保することができ、その分、両ブラケット構成部材11,12を強く接合することができる利点が得られる。
さらに、2つのブラケット構成部材11,12の周方向端部に設けられる溶接のための突き当て面14e、15e、16dを、連結用脚部14、15、16の一部を利用して形成しているので、突き当て面として広い面積を確保することができ、その分、両ブラケット構成部材11,12を強く接合することができる利点が得られる。
<第2実施形態>
図8〜図11は本発明の第2実施形態の防振装置を示し、図8、図9は防振装置のブラケットの全体斜視図である。これらの図において、円筒部に挿入されるブッシュタイプの防振ゴムは省略している。なお、説明の便宜上、前述した第1実施形態と同一構成要素には、同一符号を付してその説明を省略する。
図8〜図11は本発明の第2実施形態の防振装置を示し、図8、図9は防振装置のブラケットの全体斜視図である。これらの図において、円筒部に挿入されるブッシュタイプの防振ゴムは省略している。なお、説明の便宜上、前述した第1実施形態と同一構成要素には、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、円筒部33を構成する両湾曲構成部33A、33Bが、ほとんど円筒体を軸線方向に沿って半割りした形状とした点、並びに、一方のブラケット構成部材31に連結用下脚部35を一体に形成し、他方のブラケット構成部材32に連結用上脚部34と連結用横脚部36を一体に形成した点、並びに、一方のブラケット構成部材31に他方のブラケット構成部材32と連結するための挿入用舌片37を設け、他方のブラケット構成部材32に挿入用舌片37が挿入される係合孔38を設けた点である。
すなわち、図10に示すように、ブラケット30を構成する一方のブラケット構成部材31は、円筒部33を構成する湾曲構成部33Aと、湾曲構成部33Aの上部に設けられた突き当て用の舌部39と、湾曲構成部33Aの下端に設けられた連結用下脚部35と、湾曲構成部33Aの下部に該湾曲構成部33Aの湾曲面と略同じ曲率をもってその延長方向に延びかつ途中に外方へ逃げる段部37aを有する段付きの挿入用舌片37とを備える。
また、図11に示すように、他方のブラケット構成部材32は、円筒部33を構成する湾曲構成部33Bと、湾曲構成部33Bの上部に設けられた連結用上脚部34と、湾曲構成部33Bの下部に設けられた連結用横脚部36と、連結用横脚部36の基部に設けられた前記係合孔38とを備える。
また、図11に示すように、他方のブラケット構成部材32は、円筒部33を構成する湾曲構成部33Bと、湾曲構成部33Bの上部に設けられた連結用上脚部34と、湾曲構成部33Bの下部に設けられた連結用横脚部36と、連結用横脚部36の基部に設けられた前記係合孔38とを備える。
そして、一方のブラケット構成部材31の段付きの挿入用舌片37を、その段部37aが突き当たるまで、他方のブラケット構成部材32の係合孔38に挿入し、この状態で、突き当て用の舌部39を、連結用上脚部34の開口端側に形成した突き当て面34aに突き当て、これら挿入箇所と突き当て面とを、ともに溶接することによって、円筒部33と連結用脚部34,35,36とが一体に形成されたブラケット30を得ることができる。
この防振装置によれば、2部材からなるブラケット構成部材31,32の周方向端部に設けた所要箇所を互いに突き合わせて溶接し、得られる円筒部33にブッシュタイプの防振ゴムを圧入する構成であるから、前述した第1実施形態の防振装置と同様な効果を得ることができる。
加えて、この実施形態の防振装置では、互いに対をなす、一方の舌片挿入構造41と他方の相互突き当て構造42との組み合わせた構造であるから、一方の舌片挿入構造41を構成する挿入用舌片37を係合孔38に挿入し、その後、相互突き当て構造42を構成する、舌部39を連結用脚部34の突き当て面34aに突き当てるだけで、両ブラケット構成部材31,32同士の正確な位置決めが行えることとなり、溶接の前工程である位置決め工程が極めて容易になる利点が得られる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。
例えば、前記実施形態では、防振装置をエンジンマウントとして利用した例について説明したが、これに限られることなく、サススペンションを支持する構造にも、本発明の防振装置は使用可能である。
また、前記実施形態では、2個のブラケット構成部材によってブラケットを構成しているが、これに限られることなく、3個以上のブラケット構成部材によってブラケットを構成してもよい。また、この実施形態では、2個のブラケット構成部材を互いに溶接することにより連結しているが、これに限られることなく、他の連結手段例えばボルトを用いた連結手段によってブラケット構成部材同士を連結しても良い。
例えば、前記実施形態では、防振装置をエンジンマウントとして利用した例について説明したが、これに限られることなく、サススペンションを支持する構造にも、本発明の防振装置は使用可能である。
また、前記実施形態では、2個のブラケット構成部材によってブラケットを構成しているが、これに限られることなく、3個以上のブラケット構成部材によってブラケットを構成してもよい。また、この実施形態では、2個のブラケット構成部材を互いに溶接することにより連結しているが、これに限られることなく、他の連結手段例えばボルトを用いた連結手段によってブラケット構成部材同士を連結しても良い。
また、前記実施形態では、双方のブラケット構成部材にそれぞれ連結用脚部を一体に設けているが、これに限られることなく、2つのブラケット構成部材の一つにのみ、連結用脚部を設け、残りのブラケット構成部材には湾曲構成部のみ設ける構成にしてもよい。
また、前記実施形態では、車体またはエンジンに連結する連結用脚部として3個備える例について説明しているが、これに限られることなく、連結用脚部の数は3個に限定されることなく、2個備えてもあるいは4個以上備えてもよい。
また、前記実施形態では、車体またはエンジンに連結する連結用脚部として3個備える例について説明しているが、これに限られることなく、連結用脚部の数は3個に限定されることなく、2個備えてもあるいは4個以上備えてもよい。
1 防振装置
2、32 ブラケット
4 内筒
5 外筒
6 防振ゴム
11、31 一方のブラケット構成部材
12、32 他方のブラケット構成部材
13 円筒部
13A、13B、33A、33B 湾曲構成部
14、34 連結用上脚部(連結用脚部)
15、35 連結用下脚部(連結用脚部)
16、36 連結用横脚部(連結用脚部)
17 舌部
37 挿入用舌片
38 係合孔
2、32 ブラケット
4 内筒
5 外筒
6 防振ゴム
11、31 一方のブラケット構成部材
12、32 他方のブラケット構成部材
13 円筒部
13A、13B、33A、33B 湾曲構成部
14、34 連結用上脚部(連結用脚部)
15、35 連結用下脚部(連結用脚部)
16、36 連結用横脚部(連結用脚部)
17 舌部
37 挿入用舌片
38 係合孔
Claims (4)
- ブラケットの円筒部に、内筒と外筒を備えたブッシュタイプの防振ゴムが圧入されて固定される防振装置において、
前記ブラケットの円筒部が、円筒体を縦割りしてなる複数の湾曲構成部を周方向に連結されて構成されていることを特徴とする防振装置。 - 前記ブラケットの円筒部が、2個の湾曲構成部を周方向に連結されて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 少なくとも何れか一つの前記湾曲構成部に連結用脚部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の防振装置。
- 一体に形成される前記湾曲構成部及び前記連結用脚部がプレス加工によって作られていることを特徴とする請求項3に記載の防振装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007021486A JP2008185193A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007021486A JP2008185193A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 防振装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2008185193A true JP2008185193A (ja) | 2008-08-14 |
Family
ID=39728372
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2007021486A Withdrawn JP2008185193A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | 防振装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2008185193A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| WO2016113792A1 (ja) * | 2015-01-13 | 2016-07-21 | 株式会社ブリヂストン | 防振装置 |
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| CN112922987A (zh) * | 2019-12-05 | 2021-06-08 | 住友理工株式会社 | 带托架的筒型防振装置 |
-
2007
- 2007-01-31 JP JP2007021486A patent/JP2008185193A/ja not_active Withdrawn
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| US9347518B1 (en) | 2015-04-29 | 2016-05-24 | Ford Global Technologies, Llc | Vibration-isolating bracket assembly |
| CN112922987A (zh) * | 2019-12-05 | 2021-06-08 | 住友理工株式会社 | 带托架的筒型防振装置 |
| JP2021089051A (ja) * | 2019-12-05 | 2021-06-10 | 住友理工株式会社 | ブラケット付き筒型防振装置 |
| JP7121719B2 (ja) | 2019-12-05 | 2022-08-18 | 住友理工株式会社 | ブラケット付き筒型防振装置 |
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