JP3140816B2 - 円筒型液封防振装置及びその製造方法 - Google Patents

円筒型液封防振装置及びその製造方法

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JP3140816B2
JP3140816B2 JP31217591A JP31217591A JP3140816B2 JP 3140816 B2 JP3140816 B2 JP 3140816B2 JP 31217591 A JP31217591 A JP 31217591A JP 31217591 A JP31217591 A JP 31217591A JP 3140816 B2 JP3140816 B2 JP 3140816B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジンやサ
スペンションなどのマウント部材として用いられる円筒
型液封防振装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用エンジンやサスペン
ションなどのマウント部材として用いられる円筒型液封
防振装置として、内外筒間に介装されて両者を連結する
ゴム製弾性体の内部にオリフィス通路によって互いに形
成された複数の液室が設けられたものであって、その弾
性体の耐久性向上を図るために上記弾性体を予め圧縮状
態にしたものが、一般的に知られている。その代表的な
ものとして、例えば、実開平1−82347号公報で提
案されたものが知られている。これは、インナスリーブ
と、アウタースリーブと、両者間を連結する弾性体と、
上記アウタースリーブの外周面に嵌着されたアウターケ
ースとからなり、上記アウタースリーブを周方向に複数
に分割するととともに、上記アウターケースへの未嵌着
状態で、そのアウターケースの内周面形状よりも外側に
拡開するように上記アウタースリーブを上記インナース
リーブ及び弾性体と一体的に形成し、そのアウタースリ
ーブを上記アウターケースの内周面に圧入して組み付け
ることにより上記弾性体を予め圧縮状態にしたものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の円筒
型液封防振装置では、上記弾性体の内部に形成された複
数の液室が、単に、1つのオリフィス通路で連通されて
いるだけであるために、そのオリフィス通路での移動抵
抗だけでは振動減衰性能が十分でない場合がある。ま
た、上記圧入作業は単なる圧入ではなく、アウターケー
スの内径よりも大きいアウタースリーブ及び弾性体を半
径方向内方に圧縮させながら上記アウターケース内に押
し込む必要がある上に、これらの作業は上記液室内に液
体を封入するために液体中で行う必要がある。このた
め、これらの組み付け作業に手間を要するという問題が
あった。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、十分な振動減
衰効果を得ることができるとともに、容易に組付けを行
うことができる円筒型液封防振装置及びその製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、内筒体と、上記内筒体の外
周に所定間隔を隔てて配置した中間筒体と、上記内筒体
と中間筒体との間に圧縮された状態で介装して両者を連
結する弾性体と、上記中間筒体の外周面に嵌着する外筒
体と、上記弾性体の内部であって上記内筒体を挟んだ半
径方向位置に上記中間筒体の内周面に接して形成され、
かつオリフィス通路によって互いに連通した複数の液室
と、上記各液室内に封入した液体とを備える。そして、
上記液室に対応する上記中間筒体の筒壁部分には、この
筒壁部分を半径方向内方に凹まして、上記液室を内周側
の第1液室部と外周側の第2液室部との二つに区画する
仕切り壁を形成し、上記仕切り壁に、上記第1液室部と
第2液室部とを互いに連通するオリフィス孔を形成する
構成とするものである。
【0006】請求項2記載の発明は、内筒体と、上記内
筒体の外周に所定間隔を隔てて配置した円弧状の複数の
分割中間板体と、上記内筒体と分割中間板体との間に圧
縮された状態で介装して両者を連結する弾性体と、上記
分割中間板体の外周面に嵌着する外筒体と、上記弾性体
の内部であって、上記内筒体を挟んだ半径方向位置に形
成し、かつオリフィス通路によって互いに連通した複数
の液室と、上記液室内に封入した液体とを備える。そし
て、上記弾性体に、隣接する二つの液室間の部分であっ
て、かつ隣接する分割中間板体同士の中間に対応する部
位に、該分割中間板体の内周面に接するように空所を形
成し、上記分割中間板体の周方向両側端部に、半径方向
内方に向かって上記空所内に突出する屈曲縁を形成し、
上記弾性体が分割中間板体により半径方向内方に圧縮さ
れるように、該分割中間板体の屈曲縁同士を接合状態に
結合するクリップ状剛性体を配設し、上記クリップ状剛
性体を、上記中間分割板体の内周面から半径方向内方に
突出する剛性凸部として、上記空所内面から所定距離だ
け離れた状態に設ける構成とするものである。
【0007】請求項3記載の発明は、各部材の準備工程
と、一体成形体を形成する一体成形工程と、中間固定手
段によって拘束する拘束工程と、圧入工程とを備える構
成とするものである。上記準備工程では、所定径を有
し、所定位置に窓部を開口形成した円弧状の複数の分割
中間板体を準備する。上記一体成形工程では、内筒体の
外周に所定間隔を隔てて上記分割中間板体を配置した状
態で、上記内筒体及び分割中間板体を連結するように弾
性体と一体成形して、上記分割中間板体の窓部で開口し
て液室となる凹部を上記弾性体に形成するとともに、隣
接する二つの分割中間板体の周方向端部間で分断され
て、複数の分割中間板体の外周面が所定径より大径とな
るように外側に拡開した一体成形体を形成する。上記拘
束工程では、上記一体成形体を半径方向内方に圧縮した
後、中間固定手段によって所定の圧縮状態を保つように
拘束する。そして、上記圧入工程では、上記拘束した状
態の一体成形体を液体中で外筒体内に圧入する。
【0008】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の発明において、中間固定手段として、分割中間板体の
窓部に対応する範囲の筒壁部分にオリフィス孔となる孔
が形成され、かつ上記範囲の境界に沿って互いに平行な
一対の切込みスリットが形成された中間筒体を用いるも
のである。そして、上記拘束工程では、一体成形体を半
径方向内方に圧縮して上記分割中間板体の窓部に上記筒
壁部分が位置するように上記中間筒体に入れることによ
り、上記一体成形体を圧縮状態に拘束し、その後、仕切
り壁形成工程として、上記筒壁部分を半径方向内方に凹
ませて、上記液室を第1液室部と第2液室部とに区画す
る仕切り壁を形成するとともに、この仕切り壁に上記第
1液室部と第2液室部とを互いに連通するオリフィス孔
とを形成する。
【0009】請求項5記載の発明は、上記請求項3記載
の発明において、分割中間板体の周方向両側端部に半径
方向内方に突出する屈曲縁を形成するとともに、中間固
定手段として、隣接する分割中間板体の屈曲縁同士を接
合状態に結合するクリップ状剛性体を用いるものであ
る。そして、上記拘束工程では、上記一体成形体を半径
方向内方に圧縮して周方向の分断箇所で隣接する分割中
間板体の屈曲縁を互いに接合した後に、これら両屈曲縁
を周方向両側から挟むように上記クリップ状剛性体を半
径方向外方に向けて装着することにより上記両屈曲縁を
接合状態に結合して、上記一体成形体を拘束状態にし、
このクリップ状剛性体によって外筒体から内筒体側に突
出する剛性凸部を形成する。
【0010】また、請求項6記載の発明は、上記請求項
3記載の発明において、中間固定手段として、外周面の
所定位置に周方向に連続する凹溝を形成した中間筒体を
用いるものである。そして、上記拘束工程では、上記一
体成形体を半径方向内方に圧縮して上記中間筒体に入れ
ることにより、上記一体成形体を圧縮状態に拘束し、そ
の後、圧入工程では、この中間筒体の外周面に外筒体の
内周面が密着するように外嵌して、上記凹溝により複数
の液室を互いに連通するオリフィス通路を形成する。
【0011】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
筒軸に直交する方向である半径方向の振動が、複数の液
室の間のオリフィス通路を通る際に生じる液体の流動抵
抗の他に、第1液室部と第2液室部との間のオリフィス
孔を通る際に生じる液体の流動抵抗によっても吸収され
る。また、弾性体は中間筒体によって圧縮状態に拘束さ
れているために、上記弾性体及び中間筒体の外筒体への
圧入に際して、上記弾性体を圧縮する作業を行う必要は
ない。
【0012】請求項2記載の発明では、上記半径方向の
振動が入力すると、内筒体が外筒体に対して半径方向に
相対移動して、上記空所と液室との間の弾性体の隔壁部
が上記剛性凸部側に変形して剛性凸部に当たり、上記隔
壁部が相対的に上記液室側に押されるために液室内の液
体の流動が強制的に抑制される。従って、上記振動は、
当初、複数の液室の間のオリフィス通路での液体の流動
抵抗により吸収され、その後、この流動抵抗に上記流動
が強制的に抑制されることにより生じる抵抗が付加され
て、これら両抵抗により吸収される。また、上記剛性凸
部の突出方向に過大な振動が入力した場合には、その先
端凸部に弾性体が当たることにより、過大な変形が防止
される。さらに、上記弾性体は中間分割板体によって圧
縮状態に拘束されているため、この弾性体及び分割中間
板体の外筒体への圧入に際して、弾性体を圧縮する作業
を行う必要はない。
【0013】また、請求項3記載の発明によれば、内筒
体、弾性体及び分割中間板体よりなる一体成形体を中間
固定手段で所定径に拘束することにより、まず、弾性体
が圧縮状態にされ、その次に、上記中間固定手段により
拘束された一体成形体を外筒体に圧入すればよいため
に、その圧入作業は液体中であっても容易となる。
【0014】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による作用に加えて、上記中間固定手段と
して中間筒体を用いているために、上記一体成形体の拘
束が容易に、かつ、確実になる。しかも、その中間筒体
の一部である筒壁部分を弾性体の凹部内に凹ませること
により、液室を第1及び第2液室部に区画する仕切り壁
の形成と、両者を連通するオリフィス孔の形成とが同時
に行え、これらの形成のための作業が容易になる。
【0015】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による作用に加えて、上記中間固定手段と
してクリップ状剛性体を用いているために、上記一体成
形体の拘束が容易に、かつ、確実になる。しかも、その
剛性体を屈曲縁に嵌め込むことによりストッパーとして
の剛性凸部と、液室内の液体の流動を抑制するための剛
性凸部とが同時に形成され、このような機能を有する剛
性凸部の形成が容易になる。
【0016】さらに、請求項6記載の発明によれば、上
記請求項3記載の発明による作用に加えて、上記中間固
定手段として中間筒体を用いているために、上記一体成
形体の拘束が容易に、かつ、確実になる。しかも、上記
中間筒体を外筒体に嵌め込むことにより、複数の液室を
連通する確実なオリフィス通路が同時に形成され、この
ようなオリフィス通路の形成のために特別な作業を行う
必要はなくなる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0018】図1ないし図3は、本発明の第1実施例に
係る円筒型液封防振装置を示し、1は内筒体、2,2は
この内筒体1の外周に所定間隔を離して配置された円弧
状の二つの分割中間板体、3は上記内筒体1及び分割中
間板体2,2を連結する弾性体、4は上記分割中間板体
2,2の外周面に嵌着された中間筒体、5はこの中間筒
体4の外周面に嵌着された外筒体、6,6は上記弾性体
3の内筒体1を挟んだ半径方向両側の位置にそれぞれに
形成された二つの液室、7はこの各液室6内に封入され
た液体である。
【0019】上記各分割中間板体2は、筒軸Xを中心と
する円周を二つに分割した円弧状の板状体であり、両分
割中間板体2,2の周方向端部2a,2aが、これらを
覆うように上記弾性体3と一体形成された薄膜3aを介
して互いに接合されて、一つの円筒を構成するようにな
っている。この分割中間板体2の中央部には窓部2bが
貫通形成され、この窓部2bを除く外周面が上記薄膜3
aにより覆われて、この薄膜3aを介して、上記分割中
間板体2は上記中間筒体4の内周面に圧嵌合されてい
る。なお、上記薄膜3aには上記窓部2bを挟んで上下
両側の外周囲にシールリップ部3b(図3参照)がそれ
ぞれ突出形成され、このシールリップ部3b,3bを介
して上記中間筒体4の内周面に密着することにより、シ
ールの確実化を図っている。
【0020】上記弾性体3の内筒体1を挟んだ半径方向
両側の内部には、上記各分割中間板体2の窓部2bに開
口する凹部3cがそれぞれ形成され、これら二つの凹部
3c,3cを結ぶ方向と直交する半径方向の両側部分に
は筒軸X方向両側に開口する空所3dがそれぞれ形成さ
れている。この弾性体3は、中間筒体4への組付け前の
状態(図3参照)で、一対の分割中間板体2,2が外側
に拡開して、各周方向端部2a,2aの間で分断されて
上記空所3d,3dが半径方向外方に開口し、その結
果、上記分割中間板体2,2の外周面が上記中間筒体4
の内周面よりも外方に拡開するように形成されている。
そして、上記弾性体3は、上記分割中間板体2,2が周
方向端部2a,2a側で接触するまで半径方向内方に圧
縮された状態で、上記中間筒体4内に組付けられている
(図1参照)。この際、一対の分割中間板体2,2の長
さは側壁部が圧縮状態で使用されるように決められてい
る。
【0021】上記中間筒体4は、少なくとも上記弾性体
3の圧縮復元力に抗して形状を保ち得る剛性筒体であ
り、上記弾性体3の凹部3c,3cの開口部である分割
中間板体2,2の窓部2b,2bに対応する筒壁部分4
a,4a(図3参照)が上下両側の切込みスリット4
b,4bから切り離されて半径方向内方に凹まされる結
果、液室6,6内を二つの部分に区画する仕切り壁4
c,4cが形成されている。この各仕切り壁4cによっ
て、上記各液室6は、この仕切り壁4c及び凹部3cに
より囲まれた内周側の第1液室部6aと、上記仕切り壁
4c及び外筒体5により囲まれた外周側の第2液室部6
bとの二つに区画されている。また、上記各仕切り壁4
cには半径方向に貫通するオリフィス孔4dが形成さ
れ、このオリフィス孔4dによって、上記第1液室部6
a及び第2液室部6bが互いに連通されている。
【0022】また、上記中間筒体4の外周面の筒軸X方
向両側部にはそれぞれ所定膜厚の弾性薄膜8が周方向に
連続して加硫成形され、外筒体5への組付け前の状態
(図3に示す状態参照)では、この二つの弾性薄膜8,
8に囲まれて上記中間筒体4の外周面の中央部に環状の
凹溝8aが形成され、この中間筒体4が上記外筒体5の
内周面に圧嵌合された組付け状態では、上記凹溝8aに
よって、二つの第2液室部6b,6bを互いに連通する
オリフィス通路8bが中間筒体4と外筒体5との間に形
成されている。なお、上記弾性薄膜8,8の外周面に
も、シールリップ部8c…(図3参照)が突出形成さ
れ、このシールリップ8c…を介して上記外筒体5の内
周面に密着させることにより、シールの確実化を図って
いる。
【0023】そして、上記中間筒体4及び弾性体3の筒
軸X方向両側端部は、上記外筒体5の開口周端部が内方
にかしめられることにより形成されたかしめ部5a,5
a(図2参照)によって保持されている。
【0024】次に、上記円筒型液封防振装置の製造方法
について説明する。
【0025】上記製造方法は、内筒体1、分割中間板体
2,2、中間筒体4及び外筒体5などの各部材を準備す
る準備工程と、これら内筒体1、分割中間板体2,2及
び弾性体3よりなる一体成形体9を形成する一体成形工
程と、この一体成形体9を中間固定手段である中間筒体
4内に圧入させて圧縮状態に拘束する拘束工程と、この
拘束後、仕切り壁4cを形成する仕切り壁形成工程と、
これら一体成形体9と一体化した中間筒体4を液体中で
外筒体内に圧嵌合させる圧入工程とからなるものであ
り、この記載順に従って行われる。以下に、各工程を説
明する。
【0026】上記準備工程では、所定径及び所定長さの
内筒体1及び外筒体5を準備するとともに、二つの分割
中間板体2,2及び所定径の中間筒体4を準備する。こ
の際、各分割中間板体2は、二つ合わせて中間筒体4の
内径に相当する円周を構成するような円弧状にするとと
もに、窓部2bを上記各分割中間板体2の中央位置に開
口するように形成する。また、上記中間筒体4に、上記
窓部2b,2bに対応する筒壁部分4a,4aの筒軸X
方向両側の境界に沿って切れ目をいれて切込みスリット
4b,4bを形成するとともに、上記各筒壁部分4aの
中央部にオリフィス孔4dとなる孔を形成しておく。さ
らに、上記中間筒体4の筒軸X方向両側部の外周面に、
それぞれ所定膜厚の弾性薄膜8及びシールリップ8bを
加硫成形により形成しておく。
【0027】上記一体成形工程では、まず、中心部に内
筒体1を、この内筒体1から半径方向外方に所定間隔を
隔てた外周側に分割中間板体2,2をそれぞれ配置す
る。この際、二つの分割中間板体2,2の周方向両側端
部2a,2aが互いに離れて拡開した状態となるように
上記分割中間板体2,2を配置する。次に、上記配置の
内筒体1及び分割中間板体2,2を弾性体3と一体成形
することにより、一体成形体9を形成する。この際、薄
膜3a及びシールリップ3bが上記分割中間板体2,2
の外周面に、各窓部2bに開口する凹部3cが弾性体3
の内部に、周方向両側端部2a,2aの両者間に開口す
る空所3d,3dが上記凹部3c,3cを結ぶ方向に直
交する方向の両側部にそれぞれ形成されるように上記弾
性体3を成形する。
【0028】上記拘束工程では、上記一体成形体9を半
径方向内方に圧縮して上記中間筒体4の内に圧入して、
その中間筒体4の内周面に上記一体成形体9の外周面で
ある薄膜3aを圧嵌合させる。この際、窓部2b,2b
と筒壁部分4a,4aとを互いに合致させる。この拘束
工程により、弾性体3は圧縮状態に拘束され、分割中間
板体2,2の周方向両側端部2a,2aが薄膜3aを介
して互いに圧着した状態となる。
【0029】この後、仕切り壁形成工程では、上記各筒
壁部分4aをそれぞれ半径方向内方に押し込んで上記窓
部2bから凹部3cの内方に凹ませて、仕切り壁4cを
形成する。
【0030】そして、圧入工程では、外筒体5を液体中
に入れ、この液体中で上記一体成形体9に中間筒体4が
一体化されたものを上記外筒体5内に圧入する。そし
て、外筒体5の開口周端部を内方にかしめることによ
り、上記凹部3cの内部に液体7が封入された状態で外
筒体5を一体化する。
【0031】つぎに、上記第1実施例の作用・効果を説
明する。
【0032】上記円筒型液封防振装置の使用時には、そ
の内筒体1はストラットアームなどの振動入力側に、外
筒体5は車体側にそれぞれ連結される。この際、上記二
つの液室6,6を結ぶ半径方向(図1の上下方向)が主
振動方向となるように配置する。そして、上記内筒体1
に、筒軸Xに直交する方向であって、上記主振動方向の
振動が入力すると、弾性体3が変形して上記内筒体1が
外筒体5に対して半径方向に相対移動する。この内筒体
1の相対移動によって、一方の液室6の第1液室部6a
が縮小化され、他方の液室6の第1液室部6aが拡大化
される。この結果、液体7は、上記一方の液室6の第1
液室部6aからオリフィス孔4dを通して第2液室部6
bに流動し、この第2液室部6bからオリフィス通路8
bを通して上記他方の液室6の第2液室部6bに流動
し、そして上記他方の液室6のオリフィス孔4dを通し
て第1液室部6aまで流動する。この液体7の流動に際
して、上記二つの液室6,6を結ぶオリフィス通路8b
で流動抵抗を受ける上に、上記二つの液室6,6のそれ
ぞれでオリフィス孔4dによる流動抵抗を受けるため
に、オリフィス通路の移動抵抗のみで振動の吸収を行う
場合よりも、上記振動の吸収・減衰を十分に行うことが
できる。
【0033】上記振動の吸収・減衰作用は、オリフィス
通路8bで比較的低周波、オリフィス孔4dで比較的高
周波に選択的にピークを生じるので、両者併せて広範囲
の周波数領域で振動の吸収・減衰を得ることができる。
さらに、過大入力が負荷された場合には、仕切り壁4c
が過大入力時のストッパーの役目を同時に果たし、弾性
体3の過大変形を防止することができる。
【0034】しかも、弾性体3は半径方向内方に圧縮さ
れた状態になっているために、上記振動の吸収、減衰に
際し、弾性体3の圧縮、引張りなどの弾性挙動が圧縮状
態下で行われる。このため、圧縮されていない状態の弾
性体により構成された場合よりも振動伝達率を低減させ
ることができるとともに、弾性体3が伸長状態で使用さ
れないために、弾性体3自身の耐久性の向上を図ること
ができ、円筒型液封防振装置の製品としての耐久性を大
きく向上させることができる。
【0035】さらに、弾性体3の内部に空所3d,3d
が設けられて、振動入力に対する弾性体3の変形が容易
に行われるために、小振幅の振動に対しても十分な減衰
効果に得ることができるとともに、上記液体7の流動抵
抗により大振幅の振動に対しても十分な減衰効果を得る
ことができる。
【0036】なお、上記主振動方向と異なる半径方向
(例えば、図1の右上から左下への斜めの方向)の振動
が入力した場合であっても、上記と同様に、内筒体1の
相対移動に伴い、二つの液室6,6のうちの一方が縮小
化され、他方が拡大化されるために、液体7がオリフィ
ス通路8b及び二つの液室6,6内のオリフィス孔4
d,4dを通して流動する際の流動抵抗により上記振動
の吸収・減衰を十分に行うことができる。しかも、弾性
体3が圧縮状態で設けられていることによる振動伝達率
低減化及び耐久性向上という効果も同様に得ることがで
きる。
【0037】一方、このような円筒型液封防振装置の製
造に際しては、弾性体3を圧縮状態で外筒体5内に組込
むのに、まず、中間筒体4を用いて上記弾性体3を圧縮
状態に拘束し、次に、拘束状態にした弾性体3及び上記
中間筒体4を液体中で外筒体5へ組付けるようにしてい
るために、上記外筒体5への組付け前にあらかじめ弾性
体3を所定の圧縮状態に拘束しておくことができ、液体
中での上記外筒体5への組み付けを容易に、かつ確実に
行うことができる。すなわち、従来の製造方法では、上
記弾性体を外筒体に対して液体中で直接組込むことによ
り、弾性体の圧縮状態への拘束と液体の液室内への封入
とを同時に行わねばならず、この作業に手間を要してい
るが、この第1実施例における製造方法によれば、中間
筒体4の外筒体5への組付け作業を液体中で行って液体
7の封入のみを行えば足り、上記弾性体の圧縮作業を省
略することができるために上記外筒体5への組付けを容
易に、かつ確実に行うことができる。
【0038】しかも、上記弾性体3の中間筒体4への圧
入作業に際しては、上記弾性体3の外周囲に分割中間板
体2,2が埋め込まれているために、上記分割中間板体
2,2を外周側から挟み込んで周方向両側端部2a,2
aが互いに接触するまで内方に圧縮することにより、上
記弾性体3を上記中間筒体4の内周面に沿った円筒形状
に容易に、かつ確実に圧縮させることができ、これによ
り、上記圧入作業を容易に、かつ確実に行うことができ
る。
【0039】また、二つの液室6,6を連通するオリフ
ィス通路8bは、上記中間筒体4の外周面に二つの環状
の弾性薄膜8,8を設けて、その中間筒体4を外筒体5
に圧嵌合することにより同時に形成することができるよ
うにしているために、上記オリフィス通路8bを容易に
製作することができ、オリフィス通路8bの製作のため
に他の特別な部材を設けたり、特別な作業を行ったりす
る必要はない。
【0040】さらに、各液室6を第1及び第2液室部6
a,6bに区画するとともに各液室6内部にオリフィス
孔4dを付加するための仕切り壁4cを、中間筒体4の
筒壁部分4aに切込みスリット4bを入れて内方に凹ま
せることにより形成するようにしているために、その製
作を容易に行うことができる。
【0041】なお、上記第1実施例では、二つの液室
6,6を互いに連通するオリフィス通路8bを外周側で
ある中間筒体4と外筒体5との間に設けているが、これ
に限らず、例えば中心側である内筒体の周囲に上記二つ
の液室の第1液室部同士を互いに連通する通路を設ける
ようにしてもよい。
【0042】図4ないし図6は本発明の第2実施例に係
る円筒型液封防振装置を示す。
【0043】同図において、1は内筒体、10はこの内
筒体1の筒軸X方向中央部の外周囲に固定された環状
体、11,11はこの内筒体1の外周に所定間隔を離し
て配置された円弧状の二つの分割中間板体、12は二つ
の分割中間板体11,11を互いに結合するクリップ
体、13は上記環状体10を内蔵して上記内筒体1及び
分割中間板体11,11を連結する弾性体、5はこの弾
性体13の外周面に密着する外筒体、14a,14bは
上記弾性体13の内筒体1を挟んだ半径方向両側の位置
に形成された液室、7はこの両液室14a,14b内に
封入された液体である。
【0044】上記環状体10は、横断面形状が楕円状に
形成された金属製もしくは合成樹脂製の剛性体であり、
上記二つの液室14a,14bを結ぶ半径方向の両側方
に所定量突出した先端凸部10a,10aを備えてい
る。また、この環状体10の内部には上記二つの液室1
4a,14bを半径方向に連通するオリフィス連通孔1
0bが形成されている。
【0045】上記各分割中間板体11は、筒軸Xを中心
とする円周を二つに分割した円弧状の板状体であり、そ
の周方向の両端部には半径方向内方に屈曲する屈曲縁1
1aがそれぞれ形成されている。これら二つの分割中間
板体11,11は、周方向に隣接する二つの屈曲縁11
a,11a同士が上記クリップ体12によって結合され
ることにより、一つの円筒を構成するようになってい
る。上記屈曲縁11aの角部には上記クリップ体12の
基端部を挿通させる装着孔11bが形成されている。
【0046】また、一方の分割中間板体11の中央部に
は比較的大きい開口面積を有する窓部11cが、他方の
分割中間板体11の中央部には比較的小さい開口面積を
有する窓部11dがそれぞれ貫通形成され、これら窓部
11c,11dを除く外周面が上記弾性体13と一体に
形成された薄膜13aにより覆われて、この薄膜13a
を介して、上記分割中間板体11は上記外筒体5の内周
面に圧嵌合されている。なお、上記薄膜13aには、上
記窓部11c,11dを挟んで上下両側の外周囲にシー
ルリップ部13b(図6参照)がそれぞれ突出形成さ
れ、このシールリップ部13b,13bを上記外筒体5
の内周面に密着させることにより、シールの確実化を図
っている。
【0047】上記弾性体13の内筒体1を挟んだ半径方
向一側部には上記一方の分割中間板体11の窓部11c
に開口する比較的大容積の凹部13cが形成され、半径
方向他側部には上記他方の分割中間板体11の窓部11
dに開口する比較的小容積の凹部13dが形成されてい
る。上記凹部13cによって第1液室14aが、上記凹
部13dによって上記第2液室14bがそれぞれ区画形
成され、上記環状体10のオリフィス連通孔10bの端
部は、上記二つの凹部13c,13dのそれぞれに開口
されている。
【0048】また、上記二つの液室14a,14bを結
ぶ方向と直交する半径方向の両側部分であって、上記分
割中間板体11,11の端部11a,11a間には、筒
軸X方向両側に開口し、所定の内断面形状を有する空所
13eがそれぞれ形成されている。この空所13eが形
成されることによって、この空所13eと上記第1液室
14aとの間に比較的小肉厚の隔壁部13fが、上記空
所13eと上記第2液室14bとの間に比較的大肉厚の
隔壁部13gがそれぞれ形成されている。
【0049】そして、この弾性体13は、第1実施例と
同様に、外筒体5への組付け前の状態(図6参照)で、
一対の分割中間板体11,11が外側に拡開して、各周
方向端部11a,11aが周方向に分断され、上記分割
中間板体11,11の外周面が上記外筒体5の内周面よ
りも外方に拡開するように形成されている。そして、上
記弾性体13は、上記分割中間板体11,11の周方向
端部11a,11aが接触するまで半径方向内方に圧縮
された状態で上記外筒体5内に組付けられている。
【0050】上記クリップ体12は、半径方向内方に突
出する先端凸部12a及びこの先端凸部12aから周方
向両側方に膨らんだ膨出側部12bと、筒軸X方向両側
方及び半径方向外方に開口するスリット12cとを備え
るように、金属もしくは金属及び合成樹脂の複合により
形成されたクリップ状の剛性体である。このスリット1
2cは、上記分割中間板体11の屈曲縁11aの厚みの
2倍に相当する内幅を有する。このクリップ体12は、
上記スリット12cに上記分割中間板体11,11の隣
接する二つの屈曲縁11a,11aを挟み込んだ状態
で、その基端部が装着孔11bに挿通されて外筒体5の
内周面に当接するように嵌め込まれている。この嵌め込
まれた状態で上記クリップ体12は上記弾性体13の空
所13e内に配置され、この空所13eは少なくとも上
記クリップ体12の先端凸部12aと上記空所13eの
内面とが所定間隔だけ離れた状態になるような大きさに
形成されている。このクリップ体12によって外筒体5
の内周面から半径方向内方に突出する剛性凸部が構成さ
れている。
【0051】なお、上記円筒型液封防振装置のその他の
構成は第1実施例のものと同様であるために、同一部材
には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0052】次に、上記円筒型液封防振装置の製造方法
を説明する。
【0053】上記製造方法は、内筒体1、環状体10、
分割中間板体11,11、クリップ体12,12及び外
筒体5などの各部材を準備する準備工程と、これら内筒
体1、分割中間板体11,11及び弾性体13よりなる
一体成形体15を形成する一体成形工程と、この一体成
形体15を中間固定手段であるクリップ体12,12に
よって圧縮状態に拘束する拘束工程と、この拘束後の一
体成形体15を液体中で外筒体5内に圧嵌合させる圧入
工程とからなる。
【0054】上記準備工程では、所定径及び所定長さの
内筒体1及び外筒体5を準備するとともに、二つの分割
中間板体11,11、二つのクリップ体12,12及び
環状体10を準備する。この際、各分割中間板体11
は、二つ合わせて外筒体5の内径に相当する円周を構成
するような円弧状にするとともに、上記各分割中間板体
11の中央位置に所定の大きさの窓部11c,11dを
貫通形成する。また、上記中間筒体11の周方向両側端
部に、この端部を半径方向内方に屈曲させて屈曲縁11
a,11aを形成しておくとともに、その角部に上記ク
リップ体12の基端部を装着する所定の大きさの装着孔
11bを形成しておく。さらに、上記内筒体1の筒軸方
向X中央部に環状体10を外嵌させた状態で固着する。
【0055】上記一体成形工程では、まず、中心部に内
筒体1を配置するとともに、この内筒体1から半径方向
外方に所定間隔を隔てた外周側に分割中間板体11,1
1を配置する。この際、二つの分割中間板体11,11
の内面が上記環状体10の先端凸部10a,10aを結
ぶ半径方向に相対向するように配置し、併せて、二つの
分割中間板体11,11間で隣接する二つの屈曲縁11
a,11aが互いに離れて拡開した状態となるように上
記分割中間板体11,11を配置する。
【0056】次に、上記配置の内筒体1及び分割中間板
体11,11を弾性体3と一体成形することにより一体
成形体15を形成する。この際、薄膜13a及びシール
リップ部13bが上記分割中間板体11,11の外周面
に、各窓部11c,11dに開口する凹部13c,13
dが弾性体13の内部に、周方向両側端部11a,11
aの両者間に開口する空所13e,13eが上記凹部1
3c,13dを結ぶ方向に直交する方向の両側部にそれ
ぞれ形成されるように上記弾性体13を成形する。ま
た、上記二つの凹部13c,13dのうち、一方の凹部
13cを比較的大容積に、他方の凹部13dを比較的小
容積になるように形成し、上記凹部13cと空所13
e,13eとの間の隔壁部13f,13fを比較的小肉
厚に、上記凹部13dと上記空所13e,13eとの間
の隔壁部13g,13gを比較的大肉厚にする。
【0057】上記拘束工程では、上記一体成形体15を
2つの分割中間板体11,11の両側から半径方向内方
に圧縮して互いに隣接する屈曲縁11a,11a同士を
互いに接合させ、この接合した2枚の屈曲縁11a,1
1aを上記クリップ体12で離れないように拘束する。
この際、上記クリップ体12のスリット12c内に上記
2枚の屈曲縁11a,11aを筒軸X方向から嵌入さ
せ、そのクリップ体12を空所13e内に上記筒軸X方
向にずらせていき、装着孔11b位置で半径方向外方に
押し込むことにより上記クリップ体12を装着して位置
固定する。この拘束工程により、弾性体3は圧縮状態と
なり、分割中間板体11,11の周方向両側端部11
a,11aが互いに密着して、分割中間板体11,11
の外周面を構成する薄膜13aの外径が外筒体5の内径
よりわずかに大きくなった状態に拘束される。
【0058】そして、圧入工程では、外筒体5を液体中
に入れ、この液体中で上記一体成形体15を上記外筒体
5内に圧入する。そして、外筒体5の開口周端部を内方
にかしめることにより、上記凹部13c,13dの内部
に液体7が封入された状態で外筒体5を一体化する。
【0059】そして、上記第2実施例の場合、上記第1
実施例の場合と同様に、液封防振装置の使用時には、上
記二つの凹部13c,13dによって形成された二つの
液室14a,14bを結ぶ半径方向(図4の上下方向)
が主振動方向となるように、上記液封防振装置を配置し
て、上記内筒体1をストラットアームなどの振動入力側
に、外筒体5を車体側にそれぞれ連結する。
【0060】上記内筒体1に、筒軸Xに直交する方向で
あって、上記主振動方向の振動が入力すると、弾性体1
3が変形して上記内筒体1が外筒体5に対して上記半径
方向に相対移動する。この内筒体1の相対移動によっ
て、二つの液室14a,14bの一方が縮小化され、他
方が拡大化される。この結果、液体7は、上記一方の液
室14aまたは14bからオリフィス連通孔10bを通
して他方の液室14bまたは14aに流動する。このオ
リフィス連通孔10bを通る際に生じる流動抵抗によっ
て、上記振動の吸収・減衰を行うことができる。
【0061】上記振動の減衰に際しては、例えば、内筒
体1が図4の下方に相対移動して弾性体13が変形する
と、隔壁部13f,13fがクリップ体12の膨出側部
12bに当たり、このクリップ体12が位置固定されて
いるために、上記隔壁部13f,13fが逆に液室14
a側に押される。つまり、上記内筒体1の相対移動に伴
い、当初は、上記隔壁部13f,13fが変形して液室
14aが拡大化するために液体7が液室14bから液室
14aへ流動し、上記隔壁部13fの変形が進んでクリ
ップ体12に当たった後は、上記拡大化が上記クリップ
体12によって強制的に制限されるために上記液体7の
流動を抑制する抵抗が生じる。この抵抗によって上記振
動の吸収・減衰効果を増大させることができ、十分な振
動減衰効果を得ることができる。
【0062】しかも、弾性体13は半径方向に圧縮され
た状態になっているために、第1実施例と同様に、上記
振動の吸収、減衰に際し、振動伝達率の低減化を図るこ
とができるとともに、弾性体13自身の耐久性の向上を
図ることができる。
【0063】また、弾性体13の内部に空所13e,1
3eが設けられて、振動入力に対する弾性体13の変形
が容易に行われることにより、小振幅の振動に対しても
十分な減衰効果を得ることができるとともに、上記液体
7の流動抵抗により大振幅の振動に対しても十分な減衰
効果を得ることができる。
【0064】さらに、環状体10の先端凸部10a,1
0aが二つ液室14a,14bを結ぶ半径方向に配置さ
れているために、衝撃などの大強度の振動が作用した場
合には、上記先端凸部10a,10aが外筒体5の内周
面と当たることにより、上記弾性体13の過大な変形が
制限される。また、上記二つの液室14a,14bを結
ぶ方向に直交する半径方向には、二つのクリップ体1
2,12の先端凸部12a,12aがそれぞれ突出して
配置されているために、この方向に作用する衝撃などに
対しても上記弾性体13の過大な変形が制限される。つ
まり、上記環状体10の先端凸部10a,10a及びク
リップ体12,12の先端凸部12a,12aが弾性体
13の変形を所定量に保つストッパーとして機能するた
めに、液封防振装置の破損を防止することができる。
【0065】なお、上記主振動方向と異なる半径方向
(例えば、図4の右上から左下への斜めの方向)の振動
が入力した場合であっても、上記と同様に、内筒体1の
相対移動に伴い、2つの液室14a,14bの一方が縮
小化され、他方が拡大化されるために、オリフィス連通
孔10bでの液体7の流動抵抗により上記振動の吸収・
減衰を十分に行うことができ、上記主振動方向の振動が
入力した場合と同様の効果を得ることができる。
【0066】また、このような円筒型液封防振装置の製
造に際しては、弾性体13を圧縮状態で外筒体5内に組
込むのに、まず、クリップ体12,12を用いて上記弾
性体13を圧縮状態に拘束し、次に、拘束状態にした弾
性体13を液体中で外筒体5へ組付けるようにしている
ために、第1実施例の円筒型液封防振装置の製造の場合
と同様に、上記外筒体5への組付け前に予め弾性体13
を所定の圧縮状態に拘束しておくことができ、液体中で
の上記外筒体5への組み付けを容易に、かつ確実に行う
ことができる。しかも、中間固定手段である上記クリッ
プ体12,12で弾性体13の圧縮復元力に抗して二つ
の分割中間板体11,11を接合状態に拘束することに
より、ストッパー機能及び液体7の流動を強制的に抑制
する機能を有する剛性凸部を、上記拘束作業と併せて設
けることができる。
【0067】しかも、上記弾性体13の圧縮作業に際し
ては、上記弾性体13の外周囲に分割中間板体11,1
1が埋め込まれているために、第1実施例における製造
方法と同様に、上記弾性体13を上記外筒体5の内周面
に沿った円筒形状に容易に、かつ確実に圧縮させること
ができる。
【0068】なお、上記第2実施例では、二つの液室1
4a,14bを互いに連通するオリフィス通路としての
オリフィス連通孔10bを中心部側の内筒体1の周囲に
設けているが、これに限らず、例えば、第1実施例にお
けるオリフィス通路8b(図1参照)のように外周側に
設けようにしてもよい。
【0069】また、上記第2実施例では、剛性凸部をク
リップ体12によって形成するようにしているが、これ
に限らず、例えば弾性体を圧縮状態に拘束する中間固定
手段としてのクリップ体とは別に、上記剛性凸部を独立
して外筒体5の内周面に形成するようにしてもよい。
【0070】図7ないし図9は、本発明の第3実施例に
係る円筒型液封防振装置を示し、1は内筒体、2,2は
この内筒体1の外周に所定間隔を離して配置された円弧
状の二つの分割中間板体、16は上記内筒体1及び分割
中間板体2,2を連結する弾性体、17は上記分割中間
板体2,2の外周側に密着する中間筒体、5はこの中間
筒体4の外周面に嵌着された外筒体、18,18は上記
弾性体16の内筒体1を挟んだ半径方向両側の位置に形
成された二つの液室、7はこの各液室18,18内に封
入された液体である。
【0071】上記二つの分割中間板体2,2の周方向端
部2a,2aは、これらを覆うように上記弾性体16と
一体形成された薄膜16aを介して接合され、各分割中
間板体2の窓部2bを除く外周面が上記薄膜16aによ
り覆われて、この薄膜16aを介して、上記分割中間板
体2は上記中間筒体17の内周面に圧嵌合されている。
なお、上記薄膜16aには、上記窓部2bを囲んでシー
ルリップ部16b(図9参照)がそれぞれ突出形成さ
れ、このシールリップ部16bを上記中間筒体17の内
周面に密着させることにより、シールの確実化を図って
いる。
【0072】上記弾性体16の内筒体1を挟んだ半径方
向両側の部分には、上記各分割中間板体2の窓部2bに
開口する凹部16cがそれぞれ形成され、二つの凹部1
6c,16cを結ぶ方向と直交する半径方向の両側部分
には筒軸X方向両側に開口する空所16dがそれぞれ形
成されている。
【0073】また、上記各凹部16cの開口縁部の周囲
には、半径方向外方に突出する額縁状の凸縁部16eが
形成されている。そして、この弾性体16は、第1実施
例と同様に、中間筒体17への組付け前の状態(図9参
照)で一対の分割中間板体2,2が外側に拡開され、上
記中間筒体17内への組付け状態で上記分割中間板体
2,2の周方向端部2a,2aが接触するまで半径方向
内方に圧縮された状態になっている。
【0074】上記中間筒体17は、少なくとも上記弾性
体16の圧縮復元力に抗して形状を保ち得る剛性筒体で
あり、上記弾性体16の凹部16c,16cの開口部に
対応する位置に開口する二つの窓部17a,17aが形
成されている。そして、この窓部17aに上記弾性体1
6の凸縁部16eが内嵌されている。
【0075】また、上記中間筒体17の外周面の筒軸X
方向両側部にはそれぞれ所定膜厚の弾性薄膜8が周方向
に連続して加硫成形され、この2列の弾性薄膜8,8の
間の環状の凹溝8aによって、上記二つの液室18,1
8を互いに連通するオリフィス通路8bが中間筒体17
と外筒体5との間に形成されている。
【0076】なお、上記円筒型液封防振装置のその他の
構成は第1実施例のものと同様であるために、同一部材
には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0077】次に、上記円筒型液封防振装置の製造方法
について説明する。
【0078】上記製造方法は、内筒体1、分割中間板体
2,2、中間筒体17及び外筒体5などの各部材を準備
する準備工程と、これら内筒体1、分割中間板体2,2
及びび弾性体3よりなる一体成形体19を形成する一体
成形工程と、この一体成形体19を中間固定手段である
中間筒体17内に圧入させて圧縮状態に拘束する拘束工
程と、この拘束後、これら一体成形体19及び中間筒体
17などを液体中で外筒体5内に圧嵌合させる圧入工程
とからなり、基本的に第1実施例の場合と同様の製造方
法が採られる。
【0079】上記準備工程では、所定径及び所定長さの
内筒体1及び外筒体5を準備するとともに、二つの分割
中間板体2,2及び所定径の中間筒体17を準備する。
この際、上記各分割中間板体2の、周方向及び筒軸X方
向にそれぞれ中央部となる位置に窓部2bを形成してお
く。また、上記中間筒体17の外周面に、第1実施例の
製造方法と同様に、弾性薄膜8及びシールリップ部8b
を形成しておく。
【0080】上記一体成形工程では、第1実施例と同様
に、まず、中心部に内筒体1を、外周側に互いに離した
二つの分割中間板体2,2をそれぞれ配置し、次に、こ
の内筒体1及び分割中間板体2,2を弾性体16により
一体的に連結して一体成形体19を形成する。この際、
上記弾性体16には、上記第1実施例と同様に、上記分
割中間板体2,2の外周面を覆う薄膜16a、シールリ
ップ部16b,16b、各窓部2bに開口する凹部16
c及び周方向両側端部2a,2aの両者間に開口する空
所16d,16dのそれぞれを上記弾性体16と一体に
形成する。
【0081】上記拘束工程では、上記一体成形体19を
半径方向内方に圧縮して上記中間筒体17の内に圧入し
て、その中間筒体17の内周面に上記一体成形体19の
外周面である薄膜16aを圧嵌合させる。この際、弾性
体16の凸縁部16eが上記中間筒体17の窓部17a
に内嵌するように圧入する。
【0082】そして、圧入工程では、外筒体5を液体中
に入れ、この液体中で上記一体成形体20に中間筒体1
7が一体化されたものを上記外筒体5内に圧入して、上
記凹部16c,16cの内部に液体7が封入された状態
で一体成形体19及び外筒体5を一体化する。
【0083】そして、上記第3実施例の場合、第1及び
第2実施例と同様に、液封防振装置の使用時には、上記
二つの液室18,18を結ぶ半径方向(図7の上下方
向)が主振動方向となるように配置し、内筒体1をスト
ラットアームなどの振動入力側に、外筒体5を車体側に
それぞれ連結する。この状態で、上記主振動方向の振動
が入力すると、弾性体16が変形して上記内筒体1が外
筒体5に対して半径方向に相対移動する。この内筒体1
の相対移動によって、二つの液室18,18の一方が縮
小化され、他方が拡大化されて、液体7の流動が生じる
結果、オリフィス通路8bで流動抵抗を受け、この流動
抵抗によって上記振動の吸収・減衰を行うことができ
る。
【0084】また、第1及び第2実施例と同様に、弾性
体16の内部に空所16d,16dが設けられるととも
に、その弾性体16が圧縮された状態になっているため
に、小振幅及び大振幅の双方の振動に対しても減衰効果
を得ることができるとともに、振動伝達率の低減化及び
耐久性の向上を図ることができる。
【0085】さらに、製造方法においても、第1及び第
2実施例と同様に、外筒体5への組付け前に弾性体16
を予め所定の圧縮状態に拘束しておくことができるため
に、液体中での上記外筒体5への組み付けを容易に、か
つ確実に行うことができる。併せて、上記弾性体16の
外周囲に分割中間板体2,2を埋め込んでいるために、
上記弾性体16を上記中間筒体17の内周面に沿った円
筒形状に容易に、かつ確実に圧縮させることができ、上
記圧入作業の簡易化を図ることができる。
【0086】また、第1実施例と同様に、オリフィス通
路8bの形成を、上記中間筒体17の外周面に二つの環
状の弾性薄膜8,8を設けることにより行っているため
に、上記オリフィス通路8bの製作作業が容易になり、
オリフィス通路8bの製作のために他の特別な部材を設
けたり、特別な作業を行ったりする必要はない。
【0087】なお、上記第3実施例では、二つの液室1
8,18を互いに連通するオリフィス通路8bを中間筒
体17と外筒体5との間の外周側に設けているが、これ
に限らず、例えば内筒体の周囲に上記二つの液室の第1
液室部同士を互いに連通する通路を設けるようにしても
よい。
【0088】なお、本発明は上記第1ないし第3実施例
に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含
するものである。例えば、上記実施例では、液室を二つ
設けているが、これに限らず、例えば三つ以上設けるよ
うにしてもよい。
【0089】また、上記第1ないし第3実施例では円周
を二つに分割した二つの分割中間板体を用いているが、
これに限らず、例えば円周を三つ以上に分割した三つ以
上の分割中間板体を用いるようにしてもよい。
【0090】さらに、上記第1ないし第3実施例におけ
る製造方法の液体封入工程では、いずれも中間固定手段
で拘束した一体成形体を液体中で外筒体内に圧入するよ
うにしているが、これは字義通り液中浸漬である必要は
なく、大気中において、あるいは液体封入装置において
行われる。この際、例えば本出願人が先に出願した特願
平3−130462号などの製造方法及び装置を使用す
ることができる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における円筒型液封防振装置によれば、筒軸に直交す
る方向である半径方向の振動が、複数の液室の間をオリ
フィス通路を通して移動する液体の移動抵抗によって吸
収される上に、それぞれの液室内の第1液室部と第2液
室部との間をオリフィス孔を通して移動する液体の移動
抵抗によっても上記振動が吸収されるために、十分な振
動減衰効果を得ることができる。
【0092】請求項2記載の発明によれば、上記半径方
向の振動が、複数の液室の間をオリフィス通路を通して
移動する液体の移動抵抗によって吸収される。その上
に、内筒体の相対移動に伴い、弾性体の液室と空所との
間の隔壁部が変形して剛性凸部の膨出側部に当たると、
上記隔壁部が相対的に上記液室側に押されて液体の流動
を抑制する抵抗が生じ、この抵抗によって上記振動の吸
収作用が増大するために、請求項1記載の発明と同様
に、十分な振動減衰効果を得ることができる。また、上
記剛性凸部の突出方向に過大な振動が入力した場合に
は、その先端凸部に弾性体が当たることにより、過大な
変形を防止することができる。
【0093】また、請求項3記載の発明における円筒型
液封防振装置の製造方法によれば、弾性体を圧縮状態で
外筒体内に組込むのに、まず、中間固定手段を用いて上
記弾性体などからなる一体成形体を圧縮状態に拘束し、
次に、拘束状態にした弾性体などを液体中で外筒体へ組
付けるようにしているために、上記外筒体への組付け前
にあらかじめ弾性体を所定の圧縮状態に拘束しておくこ
とができ、液体中での上記外筒体への組み付けを容易
に、かつ確実に行うことができる。しかも、弾性体の外
周囲に分割中間板体を設けるようにしているために、上
記拘束作業時に、弾性体の圧縮作業を容易に行うことが
できるとともに、確実に所定の圧縮状態にすることがで
きる。
【0094】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、上記中間固定手段と
して中間筒体を用いているために、上記一体成形体の拘
束を容易に、かつ確実に行うことができる。しかも、そ
の中間筒体の一部を弾性体の凹部内に凹ませることによ
り、液室を第1及び第2液室部に区画する仕切り壁の形
成と、両者を連通するオリフィス孔の形成とを容易に行
うことができる。
【0095】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、上記中間固定手段と
してクリップ状の剛性体を用いているために、上記一体
成形体の拘束が容易に、かつ確実に行うことができる。
しかも、その剛性体を屈曲縁に嵌め込むことにより、ス
トッパーとしての剛性凸部の形成作業と、液室内の液体
の流動抵抗を発生させるための剛性凸部の形成作業と
を、上記拘束作業の一つの作業で同時に行うことができ
る。
【0096】さらに、請求項6記載の発明によれば、上
記請求項3記載の発明による効果に加えて、上記中間固
定手段として中間筒体を用いているために、上記一体成
形体の拘束を容易に、かつ、確実に行うことができる。
しかも、上記中間筒体を外筒体に嵌め込むことにより、
複数の液室を連通するオリフィス通路の形成を同時に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す横断面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】上記第1実施例を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す図1相当図である。
【図5】図4のB−B線における断面図である。
【図6】上記第2実施例を示す図3相当図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す図1相当図である。
【図8】図7のC−C線における断面図である。
【図9】上記第3実施例を示す図3相当図である。
【符号の説明】
1 内筒体 2,11 分割中間板体(中間固定手段) 3,13,16 弾性体 4,17 中間筒体 4c 仕切り壁 4d オリフィス孔 5 外筒体 6,14a,14b,18 液室 6a 第1液室部 6b 第2液室部 7 流体 8b オリフィス通路(オリフィス通路) 9,15,19 一体成形体 10b オリフィス連通孔(オリフィス通路) 11a 屈曲縁 12 クリップ体(中間固定手段であるクリップ状剛性
体、及び剛性凸部) 13e 空所
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−37444(JP,A) 特開 平4−266638(JP,A) 特開 平2−146331(JP,A) 特開 平3−92640(JP,A) 特開 昭63−318339(JP,A) 特開 昭60−256637(JP,A) 特開 平2−138532(JP,A) 実開 昭61−202738(JP,U) 実開 平1−82347(JP,U) 実開 平1−139144(JP,U) 実開 平1−119953(JP,U) 実開 平1−82347(JP,U) 実開 昭57−38938(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/14 F16F 13/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒体と、 この内筒体の外周に所定間隔を隔てて配置された中間筒
    体と、 上記内筒体と中間筒体との間に圧縮された状態で介装さ
    れて、両者を連結する弾性体と、 上記中間筒体の外周面に嵌着された外筒体と、 上記弾性体の内部であって上記内筒体を挟んだ半径方向
    位置に上記中間筒体の内周面に接して形成され、かつオ
    リフィス通路によって互いに連通された複数の液室と、 上記各液室内に封入された液体とを備えており、 上記液室に対応する上記中間筒体の筒壁部分には、この
    筒壁部分を半径方向内方に凹まして、上記液室を内周側
    の第1液室部と外周側の第2液室部との二つに区画する
    仕切り壁が形成され、 上記仕切り壁には、上記第1液室部と第2液室部とを互
    いに連通するオリフィス孔が形成されていることを特徴
    とする円筒型液封防振装置。
  2. 【請求項2】 内筒体と、 上記内筒体の外周に所定間隔を隔てて配置された円弧状
    の複数の分割中間板体と、 上記内筒体と分割中間板体との間に圧縮された状態で介
    装されて、両者を連結する弾性体と、上記分割中間板体の外周面に嵌着された外筒体と、 上記弾性体の内部であって上記内筒体を挟んだ半径方向
    位置に形成され、かつオリフィス通路によって互いに連
    通された複数の液室と、 上記液室内に封入された液体とを備えており、 上記弾性体には、隣接する二つの液室間の部分であっ
    て、かつ隣接する分割中間板体同士の中間に対応する部
    位に、該分割中間板体の内周面に接するように空所が形
    成され、上記分割中間板体の周方向両側端部には、半径方向内方
    に向かって上記空所内に突出する屈曲縁が形成され、 上記弾性体が分割中間板体により半径方向内方に圧縮さ
    れるように、該分割中間板体の屈曲縁同士を接合状態に
    結合するクリップ状剛性体が配設され、 上記クリップ状剛性体が、上記中間分割板体 の内周面か
    ら半径方向内方に突出する剛性凸部として、上記空所内
    面から所定距離だけ離れた状態に設けられていることを
    特徴とする円筒型液封防振装置。
  3. 【請求項3】 所定径を有し、所定位置に窓部を開口形
    成した円弧状の複数の分割中間板体を準備する工程と、 内筒体の外周に所定間隔を隔てて上記分割中間板体を配
    置した状態で、上記内筒体及び分割中間板体を連結する
    ように弾性体と一体成形して、上記分割中間板体の窓部
    で開口して液室となる凹部を上記弾性体に形成するとと
    もに、隣接する二つの分割中間板体の周方向端部間で分
    断されて、複数の分割中間板体の外周面が所定径より大
    径となるように外側に拡開した一体成形体を形成する工
    程と、 上記一体成形体を半径方向内方に圧縮した後、中間固定
    手段によって所定の圧縮状態を保つように拘束する工程
    と、 上記拘束した状態の一体成形体を液体中で外筒体内に圧
    入する工程とを備えていることを特徴とする円筒型液封
    防振装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 中間固定手段として、分割中間板体の窓
    部に対応する範囲の筒壁部分にオリフィス孔となる孔が
    形成され、かつ上記範囲の境界に沿って互いに平行な一
    対の切込みスリットが形成された中間筒体を用い、一体
    成形体を半径方向内方に圧縮して上記分割中間板体の窓
    部に上記筒壁部分が位置するように上記中間筒体に入れ
    ることにより、上記一体成形体を圧縮状態に拘束し、そ
    の後、上記筒壁部分を半径方向内方に凹ませて、上記液
    室を第1液室部と第2液室部とに区画する仕切り壁を形
    成するとともに、この仕切り壁に上記第1液室部と第2
    液室部とを互いに連通するオリフィス孔とを形成する請
    求項3記載の円筒型液封防振装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 分割中間板体の周方向両側端部に半径方
    向内方に突出する屈曲縁を形成し、中間固定手段とし
    て、互いに隣接する分割中間板体の屈曲縁同士を接合状
    態に結合するクリップ状剛性体を用い、一体成形体を半
    径方向内方に圧縮して周方向の分断箇所で隣接する分割
    中間板体の屈曲縁を互いに接合した後に、これら両屈曲
    縁を周方向両側から挟むように上記クリップ状剛性体を
    半径方向外方に向けて装着することにより上記両屈曲縁
    を接合状態に結合して、上記一体成形体を拘束状態にす
    るとともに、上記クリップ状剛性体によって外筒体から
    内筒体側に突出する剛性凸部を形成する請求項3記載の
    円筒型液封防振装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 中間固定手段として、外周面の所定位置
    に周方向に連続する凹溝を形成した中間筒体を用い、一
    体成形体を半径方向内方に圧縮して上記中間筒体に入れ
    ることにより、上記一体成形体を圧縮状態に拘束し、そ
    の後、この中間筒体をその外周面が外筒体の内周面に密
    着するように外嵌して、上記複数の液室を互いに連通す
    るオリフィス通路を上記凹溝によって形成する請求項3
    記載の円筒型液封防振装置の製造方法。
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