JP3059634B2 - 液封ブッシュ - Google Patents

液封ブッシュ

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JP3059634B2
JP3059634B2 JP12050294A JP12050294A JP3059634B2 JP 3059634 B2 JP3059634 B2 JP 3059634B2 JP 12050294 A JP12050294 A JP 12050294A JP 12050294 A JP12050294 A JP 12050294A JP 3059634 B2 JP3059634 B2 JP 3059634B2
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和俊 佐鳥
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Yamashita Rubber Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車のサスペンシ
ョンアームなどに使用される液封ブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】このようなものは公知であり、例えば、
西独特許第2841505号に示されるように、内筒、
外筒及びこれら両筒間に設けられる弾性体ブロックを備
え、弾性体ブロックには、弾性壁によって周方向へ複数
に分割された液室を形成し、各液室をオリフィス通路で
連通したものがある。なお、本願において、周方向とは
内外筒の周方向と同心円上の方向を、軸方向とは同じく
内外筒の軸方向と平行する方向を、半径方向とは内筒の
半径方向と一致する方向を、それぞれ意味するものとす
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、弾性壁はそ
れが弾性変形容易な程度にある程度薄く形成され、液室
の容積変化に伴う液圧の上昇を吸収する作用があり、こ
の作用によって、小さな振幅の振動に対して、柔らかな
バネ特性を得ることができる。しかし弾性壁には繰り返
し大きな液圧がかかることになるので、弾性壁の基部が
疲労し易くなるため、この部分の応力集中を緩和して耐
久性を向上させることが望まれている。本発明はこのよ
うな要請を満足させるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
請求項1の発明は、内筒及び外筒並びにこれら内外筒間
に介装される弾性体ブロックを備え、この弾性体ブロッ
クに形成された液室空間内部を弾性壁で仕切って少なく
とも2つの液室を形成し、これらの液室をオリフィス通
路で連通した液封ブッシュにおいて、前記弾性壁は、
性体ブロックと別体に形成し、かつ弾性体ブロックへ着
脱自在に取付けるものであり、内外筒間を半径方向並び
に軸方向へ延びる壁本体部を備え、この壁本体部の周囲
のうち、外端部が外筒の内周面へ密接し、内筒側の内端
部を含む他の部分が弾性体ブロックへ密接してこれらの
密接部で封入液体をシールするとともに、このシール構
造は、弾性体ブロックと一体に形成された弾性壁取付部
と、この弾性壁取付部に形成された嵌合溝へ嵌合する前
記弾性壁の取付脚とで構成され、この取付脚と嵌合溝の
底部とが曲面で接触することを特徴とする。
【0005】請求項2の発明は、請求項1の液封ブッシ
ュにおいて、前記弾性体ブロックと接触する弾性弾性壁
の周囲にシールリップを設けたことを特徴とする。
【0006】請求項3の発明は、請求項1の液封ブッシ
ュにおいて、前記取付脚の肉厚よりも前記嵌合溝の溝幅
を広くして取付脚の先端の一部のみで嵌合溝の底部へ接
触させたことを特徴とする。
【0007】請求項4の発明は、請求項1の液封ブッシ
ュにおいて、前記取付脚の肉厚よりも前記嵌合溝の溝幅
を広くするとともに、嵌合溝内へ張り出すリブを設けて
このリブにより前記取付脚の側面を挟んだことを特徴と
する。
【0008】請求項5の発明は、内筒及び外筒並びにこ
れら内外筒間に介装される弾性体ブロックを備え、この
弾性体ブロックに形成された液室空間内部を弾性壁で仕
切って少なくとも2つの液室を形成し、これらの液室を
オリフィス通路で連通した液封ブッシュにおいて、前記
弾性壁は、弾性体ブロックと別体に形成し、かつ弾性体
ブロックへ着脱自在に取付けるものであり、内外筒間を
半径方向並びに軸方向へ延びる壁本体部を備え、この壁
本体部の周囲のうち、外端部が外筒の内周面へ密接し、
内筒側の内端部を含む他の部分が弾性体ブロックへ密接
してこれらの密接部で封入液体をシールし、弾性体ブロ
ックの各液室は、それぞれ外筒側が開放され、この開放
部を、各液室に対応して複数設けられかつそれぞれが外
筒内周に沿う部分円弧状をなす液室カバーで覆い、かつ
周方向で隣り合う2つの液室カバーの各端部間で略T字
形断面をなす弾性壁の周方向へ広がる外端部の周方向端
を挟むとともに、外端部の外周面を圧縮して外筒の内
面へ密接させたことを特徴とする。
【0009】請求項6の発明は、請求項5の液封ブッシ
ュにおいて、弾性壁の外端部と液室カバーの当接部に位
置決め手段を設けるとともに、この位置決め手段は、液
室カバーの縁から周方向へ突出して前記外端部の裏面へ
当接支持するものであることを特徴とする。
【0010】請求項7の発明は、請求項5の液封ブッシ
ュにおいて、弾性壁の外端部表面に形成したオリフィス
用の溝と、この溝と液室を連通するように弾性壁を挟む
各液室カバーの端部に形成された連通部と、外筒の内周
面とで、オリフィス通路を形成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、弾性壁を弾性体ブロ
ックに対して別体に形成し、弾性壁を構成する壁本体部
の周囲のうち、外端部を外筒の内周面へ、内筒側の内端
部を含む他の部分を弾性体ブロックに設けられた弾性取
付部へそれぞれ密接させたので、これらの密接部により
弾性壁を挟む液室間の封入液体をシールできるととも
に、弾性壁と弾性体ブロックの連結部を材料的に不連続
にでき、この部分への応力集中を緩和できる。
【0012】そのうえ、弾性壁を弾性体ブロックと一体
に形成された弾性壁取付部の嵌合溝へ嵌合したので、着
脱自在に取付けでき、かつ嵌合溝へ嵌合される弾性壁の
取付脚を曲面にしたので嵌合溝内で可動になるため応力
集中を極端に緩和でき、その結果、耐久性を向上でき
る。
【0013】請求項2の発明によれば、前記弾性体ブロ
ックと接触する弾性壁の周囲にシールリップを設けたの
で、シールがより確実になる。
【0014】請求項3の発明によれば、取付脚の肉厚よ
りも嵌合溝の溝幅を広くして取付脚と嵌合溝のクリアラ
ンスを大きくしたので、取付脚は嵌合溝の底部と先端の
みで接触し、弾性壁は弾性体ブロックに対してさらに自
由に動き得るようになり、その結果、内部圧力の上昇を
押さえ、応力集中をより緩和できる。
【0015】請求項4の発明によれば、取付脚の肉厚よ
りも嵌合溝の溝幅を広くするとともに、その嵌合溝内へ
張り出すリブで取付脚の側面を支持したので、取付脚と
嵌合溝のクリアランスをさらに大きくできるとともに、
弾性壁の位置決めもできる。
【0016】請求項5の発明によれば、弾性体ブロック
の各液室を、それぞれ外筒側へ開放させ、これら各開放
部を外筒内周に沿う部分円弧状をなす液室カバーで覆う
ことにより、液室を簡単に覆うことができ、全体の組立
も容易になる。
【0017】そのうえ、2つの液室カバーの各端部間で
弾性壁の外端部周方向を挟むことにより、弾性壁の外端
部を確実に位置決めでき、かつ外端部の外周面を外筒と
の嵌合時に圧縮して外筒の内周面及び弾性ブロック側へ
密接させるので、高いシール性を確保できる。
【0018】請求項6の発明によれば、弾性壁の外端部
と液室カバーの端部との当接部に位置決め手段を設け、
弾性壁の外端部と液室カバーの端部を当接するので、位
置決めがさらに確実になる。
【0019】請求項7の発明によれば、弾性壁の外端部
表面に形成したオリフィス用の溝と、この溝と液室とを
連通するように弾性壁を挟む各液室カバーの端部に形成
された連通部と、外筒の内周面とによってオリフィス通
路を形成するので、オリフィス通路の形成が容易になる
とともに、通路断面積の変化を抑制できる。
【0020】
【実施例】図1乃至図8に基づいて一実施例を示す。図
1は液封ブッシュの構成部品を分解して示す斜視図、図
2は完成品の外観斜視図、図3は図2の3−3線断面
図、図4は図3の4−4線断面図である。
【0021】まず図1に示すように、本実施例の液封ブ
ッシュは、金属製の円筒状部材である外筒10、液室空
間21を形成した弾性体ブロック20、外筒10の内側
へ同心又は偏心(本実施例では同心)で配設される金属
製部材である内筒30、液室空間21内を仕切る弾性壁
40及び液室空間21の開放部を覆う液室カバー50を
備えている。
【0022】これらの弾性体ブロック20、内筒30、
弾性壁40及び液室カバー50で小組され、この小組体
を封入液体の浴中で、後述する液室カバー50の連通部
56から液体を液室内へ入れながら外筒10内へ圧入
し、さらに外筒10の両端部をカシメることにより、全
体が一体になった液封ブッシュを構成している。
【0023】弾性体ブロック20は振動を吸収するため
ゴム又は適宜な合成樹脂等の弾性に富む材料からなり、
中心に内筒30を一体に埋設して成形され、内筒30に
沿う軸方向両端に外筒10内へ嵌合するリング部22を
備え、これらリング部22の中間部はえぐられて液室空
間21をなしている。
【0024】この液室空間21内には、内筒30の周方
向に略180゜間隔で二又状に突出する弾性壁取付部2
4が形成され、かつ弾性壁取付部24と略90°離れた
位置にストッパー突起部26が同様にして略180゜間
隔で突出形成されている。
【0025】図4並びに内筒30と一体である弾性体ブ
ロック20の軸方向半断面図である図7に明らかなよう
に、リング部22の外周部表面には薄いシール層23が
リング部22と一体に形成されている。また、シール層
23の外周上には、シールリング23aが環状に形成さ
れている。但し、この層は後述するように省略すること
もできる。
【0026】シール層23の内側となるリング部22の
外端部近くには、剛性のある金属環のリング枠28が一
体に埋設され、リング枠28の内周側は小径段部29が
形成され、その上にリング部22の小径段部22aが形
成されている。
【0027】図3に明らかなように、弾性壁取付部24
は、内筒30の周囲に設けられた略長円形断面をなすス
トッパー金具32の長辺部34を薄く覆う弾性体層と一
体に形成され、液室空間21内へ突出する一対の対向壁
間に弾性壁40を取付けるための嵌合溝25が設けられ
ている。
【0028】ストッパー突起部26は、ストッパー金具
32のうち、半径方向外方へ長く突出する部分36と、
その表面を覆う弾性体層からなり、この弾性体層は比較
的薄いものであり、かつ必要により図示のように一方側
(図3の上側)を厚肉とし、他方側(同下側)を薄肉に
する等、肉厚を非対称にできる。
【0029】弾性壁40は、弾性体ブロック20と別体
に形成され、かつ、液圧の変動を弾性変形によって吸収
できる低動バネ特性を備え、弾性体ブロック20と同一
又はその他の特性の異なる適宜弾性材料なる略T字端面
の弾性材料であり、内外筒間を半径方向並びに軸方向へ
延びる壁本体部42を備え、バネ定数を任意に設定でき
るようになっている。
【0030】弾性壁40の軸方向長さは両リング部22
の間隔に略等しく、壁本体部42の内筒30側に形成さ
れた内端部44は、肉厚が弾性壁取付部24の嵌合溝2
5の幅程度であって、先端部45が曲面に形成されて弾
性壁取付部24内へ着脱自在に嵌合可能になっている。
【0031】壁本体部42の内端部44と反対側の端部
が連続して一体に接続する外端部46は、外筒10の内
周に密接できる部分円弧状をなし、その外表面中央部に
は周方向に横断するオリフィス溝48が形成されてい
る。
【0032】なお、弾性壁40の内端部44を弾性壁取
付部24へ嵌合したときにおける外端部46の位置は、
図3の弾性壁40部分を拡大した図6中に仮想線で示す
ように、外筒10の内周面よりも外方へ突出しており、
弾性体ブロック20内への圧入時には半径方向内方へ圧
縮されて、液室空間21内を2つの液室60と62に区
画するようになっている。
【0033】したがって、弾性壁40は弾性体ブロック
20とともに外筒10へ圧入されたとき、その内端部4
4は弾性体ブロック20の液室空間21を形成する内筒
30に沿う部分へ密接し、軸方向両端部は同じく弾性体
ブロック20の液室空間21に臨むリング部22の壁面
へ密接し、外端部46は外筒10の内周面へ密接し、こ
れによって封入液体に対する良好なシール性を確保して
いる。なお、この液封ブッシュの周方向から弾性壁40
を示した図8に明らかなように、その周囲のうち外端部
46を除く、リング部22の壁面及び外筒10の内周面
へ密接する3辺にシールリップ49が突出形成されてい
る。
【0034】液室カバー50は、外筒10の内周に沿う
円弧状の曲面を有する半割円筒状をなす2個の部材であ
り、弾性体ブロック20へ取付けたとき、液室空間21
の開放部を覆うとともに、一対の液室カバー50の端部
間で各弾性壁40の外端部46を挟むことにより、外端
部46を位置決めするようになっている。
【0035】液室カバー50の軸方向長さは、両リング
部22の間隔に略等しく、円弧状部の周方向長さは、外
筒10の内周から各弾性壁40の外端部46の周方向長
さを引いた残りの略1/2に等しい。
【0036】外筒10の内周面に沿う液室カバー50の
外表面52は金属製であり、その内側に弾性体53が一
体に積層され、弾性体53の中央部は隆起するストッパ
ー部54をなし、内筒30側のストッパー突起部26と
若干の間隙をもって向かい合うようになっている。外表
面52の軸方向端部は弾性体53よりも突出し、小径段
部22a上へ重なるようになっている。
【0037】図5は、一対の液室カバー50の各端部間
に弾性壁40の外端部46を挟んだ状態を示す展開図で
あり、この図5及び図6に明らかなように、各液室カバ
ー50の周方向端部すなわちブッシュの周方向における
端部にはオリフィス溝48の延長上位置に形成された切
欠き状の連通路56が形成され、これとオリフィス溝4
8及び外筒10の内周面によってオリフィス通路64が
構成されている。
【0038】このオリフィス通路64は、弾性壁40に
よって仕切られた液室60と62を連通し、オリフィス
通路64を通って両液室間を液体が移動することによっ
て減衰力を発生するようになっており、高減衰力を得る
ように設定することも任意にできる。しかも、このよう
に構成することによってオリフィス通路64の通路断面
積を安定にできる。
【0039】なお、これらの液室60と62の各内部
は、図4に明らかなように、ストッパー突起部26とス
トッパー部54で軸方向両端側へ区画され、この区画さ
れた液室間はストッパー突起部26とストッパー部54
の間に形成された若干の間隔による連通路66で連通さ
れる。
【0040】再び図5及び図6に示すように、各液室カ
バー50の周方向端部で、連通路56を挟む両側に突起
状の位置決め手段58が周方向へ突出し、弾性壁40に
対して外端部46の裏面に当接して支持することによ
り、外端部46を位置決めしている。位置決め手段58
は周方向端部において、連通路56を除くほぼ全幅にわ
たて設けられている。
【0041】次に本実施例の作用を説明する。例えば、
図示しないサスペンションアームの連結部において、外
筒10を一方側の取付穴へ嵌合し、内筒30を他方側の
取付軸に取付ける。この使用状態において、エンジン振
動など比較的高周波数で微少振幅の振動は、弾性体ブロ
ック20が低動バネ特性を有しているため、その良好な
弾性変形によって吸収され、振動の伝達が遮断される。
【0042】このとき、見かけ上オリフィス通路64が
閉止状態となっても、衝撃荷重が加わるとこの時点から
さらに弾性壁40が弾性変形できるので、振動吸収を継
続して行うことができ、オリフィス通路64の閉止状態
における剛体化を避けることもできる。
【0043】一方、低周波数で比較的大きな振幅の衝撃
荷重が加わると、オリフィス通路64による減衰力によ
って吸収される。このとき入力振動に応じて共振周波数
が弾性壁40の弾性変形によって変化できるので広範囲
の振動に対して良好に高減衰を発揮でき、弾性壁40の
存在によって低動バネ特性と高減衰特性との共働作用が
行われ、良好な対衝撃荷重特性を得ることも容易にな
る。この振動吸収は原理的には弾性壁40の破壊まで可
能である。なお、弾性壁40のバネ定数は、任意に設定
可能である。
【0044】このような弾性壁40の弾性変形による振
動吸収において、取付脚44を弾性壁取付部24へ嵌合
するので、曲面をなす取付脚44の先端部45が弾性壁
取付部24の嵌合溝25内で可動になるため、弾性壁4
0を弾性体ブロック20と一体にした場合と比べて、内
圧発生時における両者の接続部の応力集中が極端に緩和
される。
【0045】さらに、弾性壁40の他の端部もそれぞ
れ、リング部22の液室に臨む壁面及び外筒10の内周
面に密接し、この密接部において可動であるため、この
部分でも取付脚44と同様に応力集中を緩和できるの
で、その結果、弾性壁40が弾性体ブロック20との接
続部における材料疲労が少なくなり、耐久性が向上す
る。
【0046】しかも、弾性壁40は外筒10に嵌合する
前の状態で外端部46の外周面が外筒10の内径よりも
外方へ出るようにしてあるので、嵌合時に圧縮されて周
囲が外筒10の内周面及び弾性体ブロック20側へ密接
するため、高いシール性を確保できる。そのうえ、シー
ルリップ49の存在によってさらにシール性が保たれ
る。
【0047】また、弾性壁40を弾性体ブロック20と
別体に設け、かつ、液室カバー50を2分割に構成した
ので、構成部分の一部のみを特性の異なるものに変更し
た組合わせを随時得ることができ、仕様変更が容易にな
る。
【0048】そのうえ、2分割した液室カバー50で弾
性壁40の外端部46を支持することにより、外端部4
6を位置決めできる。このとき、位置決突起58で外端
部46を支持すれば、さらに外端部46の位置決めが確
実になる。しかも、この位置決めにより、外端部46が
変形しないように強く固定されるので、弾性壁40がさ
まざまに弾性変形しても、安定した性能を発揮できる。
【0049】図9は、シール層23を省略したリング部
22におけるシールリングを示すものであり、リング枠
28の軸方向外方側端部をリング部22の内方へ引き込
め、これにより形成されたリング部22と一体のゴム外
周面22bからシールリング23bをシールリング23
aと同様にして環状に形成してある。このようにする
と、リング枠28の外周面に対してブッシュの外部側並
びに液室側の双方を確実にシールできる。
【0050】さらに、仮想線で示すように、外筒10の
軸方向端部12をカシメて軸心方向へ屈曲させる場合、
ゴム外周面22bの外側面にシールリング23cを突出
形成することができる。この際、シールリング23bは
併用または省略のいずれも可能である。
【0051】図10は弾性壁取付部24と弾性壁40の
嵌合構造における変形例であり、この例では嵌合溝25
の幅を弾性壁40の肉厚に比べて大きくし、弾性壁取付
部24と弾性壁40の間に大きなクリアランス68が形
成されている。弾性壁40の内端部44はその先端部4
5の極めて狭い部分でのみ嵌合溝25に接触する。この
ようにすれば、弾性壁40は弾性体ブロック20に対し
てさらに自由に動き得るので、内部圧力の上昇を押さ
え、応力集中をより緩和する。
【0052】図11は弾性壁取付部24と弾性壁40の
嵌合構造におけるさらに別の変形例であり、この例では
嵌合溝25の幅をさらに大きくするとともに、弾性壁取
付部24のうち、向い合う一対の面にリブ24aを互い
に相手側へ一体に突出させ、比較的肉厚が薄い弾性壁4
0の両側を挟むようになっている。このようにすればク
リアランスをさらに大きくできるとともに、弾性壁40
の位置決めもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の分解斜視図
【図2】第1実施例の斜視図
【図3】図2の3−3線拡大断面図
【図4】図3の4−4線拡大断面図
【図5】第1実施例要部の展開図
【図6】第1実施例要部の拡大断面図
【図7】第1実施例の内筒及び弾性体ブロックの一体成
形部における軸方向断面図
【図8】第1実施例における弾性壁を示す図
【図9】第2実施例の要部拡大断面図
【図10】第3実施例の要部拡大断面図
【図11】第4実施例の要部拡大断面図
【符号の説明】
10:外筒、20:弾性体ブロック、22:リング部、
24:嵌合部、25:嵌合溝、30:内筒、40:弾性
壁、42:壁本体部、44:内端部、46:外端部、4
8:オリフィス溝、50:液室カバー、54:ストッパ
ー部、56:連通部、58:位置決め手段、60:液
室、62:液室、64:オリフィス通路、68:クリア
ランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−210638(JP,A) 特開 平4−244630(JP,A) 実開 昭61−156746(JP,U) 欧州特許出願公開332901(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/14 B60K 5/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内筒及び外筒並びにこれら内外筒間に介装
    される弾性体ブロックを備え、この弾性体ブロックに形
    成された液室空間内部を弾性壁で仕切って少なくとも2
    つの液室を形成し、これらの液室をオリフィス通路で連
    通した液封ブッシュにおいて、 前記弾性壁は、弾性体ブロックと別体に形成し、かつ弾
    性体ブロックへ着脱自在に取付けるものであり、 内外筒間を半径方向並びに軸方向へ延びる壁本体部を備
    え、 この壁本体部の周囲のうち、外端部が外筒の内周面へ密
    接し、内筒側の内端部を含む他の部分が弾性体ブロック
    へ密接してこれらの密接部で封入液体をシールするとと
    もに、 このシール構造は、弾性体ブロックと一体に形成された
    弾性壁取付部と、 この弾性壁取付部に形成された嵌合溝へ嵌合する前記弾
    性壁の取付脚とで構成され、この取付脚の先端を曲面に
    した ことを特徴とする液封ブッシュ。
  2. 【請求項2】前記弾性体ブロックと接触する弾性弾性壁
    の周囲にシールリップを設けたことを特徴とする請求項
    の液封ブッシュ。
  3. 【請求項3】前記取付脚の肉厚よりも前記嵌合溝の溝幅
    を広くして取付脚の先端の一部のみで嵌合溝の底部へ接
    触させたことを特徴とする請求項1の液封ブッシュ。
  4. 【請求項4】前記取付脚の肉厚よりも前記嵌合溝の溝幅
    を広くするとともに、嵌合溝内へ張り出すリブを設けて
    このリブにより前記取付脚の側面を挟んだことを特徴と
    する請求項1の液封ブッシュ。
  5. 【請求項5】内筒及び外筒並びにこれら内外筒間に介装
    される弾性体ブロックを備え、この弾性体ブロックに形
    成された液室空間内部を弾性壁で仕切って少なくとも2
    つの液室を形成し、これらの液室をオリフィス通路で連
    通した液封ブッシュにおいて 前記弾性壁は、弾性体ブロックと別体に形成し、かつ弾
    性体ブロックへ着脱自在に取付けるものであり、 内外筒間を半径方向並びに軸方向へ延びる壁本体部を備
    え、 この壁本体部の周囲のうち、外端部が外筒の内周面へ密
    接し、内筒側の内端部を含む他の部分が弾性体ブロック
    へ密接してこれらの密接部で封入液体をシールし、弾性
    体ブロックの各液室は、それぞれ外筒側が開放され、こ
    の開放部を、各液室に対応して複数設けられかつそれぞ
    れが外筒内周に沿う部分円弧状をなす液室カバーで覆
    い、 かつ 周方向で隣り合う2つの液室カバーの各端部間で
    T字形断面をなす弾性壁の周方向へ広がる外端部の周方
    向端部を挟むとともに、 外端部の外周面を圧縮して外筒の内面へ密接させたこと
    を特徴とする液封ブッシュ。
  6. 【請求項6】弾性壁の外端部と液室カバーの当接部に位
    置決め手段を設けるとともに、この位置決め手段は、液室カバーの縁から周方向へ突出
    して前記外端部の裏面へ当接支持するものである ことを
    特徴とする請求項5の液封ブッシュ。
  7. 【請求項7】弾性壁の外端部表面に形成したオリフィス
    用の溝と、この溝と液室を連通するように弾性壁を挟む
    各液室カバーの端部に形成された連通部と、外筒の内周
    面とで、オリフィス通路を形成したことを特徴とする請
    求項5の液封ブッシュ。
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