JP2554378Y2 - 液体封入式筒型マウント - Google Patents

液体封入式筒型マウント

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JP2554378Y2
JP2554378Y2 JP6769592U JP6769592U JP2554378Y2 JP 2554378 Y2 JP2554378 Y2 JP 2554378Y2 JP 6769592 U JP6769592 U JP 6769592U JP 6769592 U JP6769592 U JP 6769592U JP 2554378 Y2 JP2554378 Y2 JP 2554378Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、液体封入式筒型マウン
トに関する。さらに詳しくは、本考案は、液体封入式筒
型マウントの中間筒金具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンなどは、防振性能をも
つ液体封入式筒型マウントを介して車体に取り付けられ
ている。従来の液体封入式筒型マウントとして、図12
および図13に示すような液体封入式筒型マウントが知
られている。図12は、従来の液体封入式筒型マウント
の軸方向に沿う断面図である。図13は、図12に示す
従来の液体封入式筒型マウントのXIII−XIII線
断面図、すなわち、従来の液体封入式筒型マウントの軸
直角方向に沿う断面図である。
【0003】図12および図13に示すように、この従
来の液体封入式筒型マウント600は、エンジンブラケ
ットに取り付けられる内筒金具610と、内筒金具61
0の外側に配設された中間筒金具620と、中間筒金具
620と内筒金具610とを連結するゴム弾性体660
と、ゴム弾性体660の外側に配設され、車体に取り付
けられる外筒金具680と、からなる。
【0004】また、低周波数から高周波数までの広い範
囲にわたって防振作用を発揮することが求められるた
め、この従来の液体封入式筒型マウント600において
は、図13に示すように、ゴム弾性体660は、半径方
向外方に開口する3個の凹部660a、660b、66
0cをもち、外筒金具680は、ゴム弾性体660の各
凹部660a、660b、660cを液密的に被覆し
て、互いに連通する主液室630、第1副液室640、
第2副液室650を形成する。さらに、従来の液体封入
式筒型マウント600においては、異なる周波数に対し
てチューニングされた、主液室630と第1副液室64
0とを相互に連通する第1オリフィス通路673と主液
室630と第2副液室650とを相互に連通する第2オ
リフィス通路674とを、ゴム弾性体660の外側に有
している。
【0005】なお、第1オリフィス通路673と第2オ
リフィス通路674を流動する液体900の流動作用
(液柱共振、流動抵抗など。)による効果を向上させる
ため、この従来の液体封入式筒型マウント600におい
ては、第1オリフィス通路673と第2オリフィス通路
674が、単に、それぞれ主液室630の周方向端部と
第1副液室640の周方向端部とを、主液室630の周
方向端部と第2副液室650の周方向端部とを相互に連
通するのではなく、第1オリフィス通路673と第2オ
リフィス通路674の内容積を拡大、すなわち、第1オ
リフィス通路673と第2オリフィス通路674の断面
積と長さを大きくするため、周方向に2個の断面円弧状
の構成部材671、672に分割されたオリフィス部材
670が、ゴム弾性体660の外周を被覆するように配
設されている。また、小型化の要請から、このオリフィ
ス部材670は、主液室630、第1副液室640、第
2副液室650の所定の容積を確保した上で、主液室6
30、第1副液室640、第2副液室650の周壁部を
形成するゴム弾性体660の外周面よりも所定距離だけ
内方に入り込むように配設されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】この従来の液体封入式
筒型マウント600においては、図14にその斜視図を
示すような中間筒金具620を使用している。図14に
示すように、この従来の中間筒620は、軸方向に所定
間隔を隔ててほぼ同軸的に配置された2個のO形状のリ
ング部621、622と、軸方向に延び、リング部62
1とリング部622との間を一体的に架橋する2個の軸
方向主架橋部623、624と、軸方向主架橋部623
の近傍において、軸方向に延び、リング部621とリン
グ部622との間を一体的にさらに架橋する軸方向副架
橋部625とをもつ。なお、図14に示すように、軸方
向主架橋部623と624との間には窓部620aが形
成され、軸方向主架橋部624と軸方向副架橋部625
との間には窓部620bが形成され、軸方向主架橋部6
23と軸方向副架橋部625との間には窓部620cが
形成されている。
【0007】さらに、図12および図13に示す従来の
液体封入式筒型マウント600においては、主液室63
0の周壁部を形成するゴム弾性体660が軸方向外方向
に変形するのを抑制し、主液室630内に保持される液
体の圧力変動を高めるために、図13に示すように、中
間筒金具620の軸方向主架橋部623と624との間
に、断面円弧状の補助金具690が配設されている。図
15に、この従来の補助金具690の斜視図を示す。図
15に示すように、この従来の補助金具690は、板金
を鞍状にプレス成形し、主液室630に相当する部分に
開口691を形成した、軸直角方向の断面が円弧状をな
す部材である。
【0008】図13から明らかなように、従来の液体封
入式筒型マウント600においては、補助金具690
は、ゴム弾性体660内に中間筒金具620に対して相
対移動可能に埋設されている。したがって、図12にお
いて、従来の液体封入式筒型マウント600にその軸直
角方向に振動が入力され、内筒金具610が下方に相対
移動すると、この内筒金具610の相対移動に伴って、
補助金具690は下方に相対移動し、図12において補
助金具690と中間筒金具620のリング部621、6
22の間に介在するゴム弾性体660を押圧する。
【0009】すなわち、補助金具690が下方に相対移
動すると、補助金具690と中間筒金具620のリング
部621、622の間に介在するゴム弾性体660が膨
出変形し、オリフィス部材670の構成部材671の軸
方向の端部を強く押圧したような状態となる。この結
果、ゴム弾性体660のバネ定数が増加し、ゴム弾性体
660の低動ばね効果、すなわち、高周波数領域におけ
る防振作用が阻害される恐れがあった。
【0010】本考案は、このような事情に鑑みてなされ
たものである。本考案は、液室の周壁部を形成するゴム
弾性体が軸方向に変形するのを抑制して液室内に封入さ
れた液体の圧力変動を高めるが、高周波数領域における
防振作用を阻害することがない中間筒金具のリング部に
対して相対移動をすることがない部材が一体的に配設さ
れた中間筒金具をもつ液体封入式筒型マウントを提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案に係る液体封入式
筒型マウントは、一の相手部材に取り付けられる内筒金
具と、軸方向に所定間隔を隔ててほぼ同軸的に配設され
た2個のO字形状のリング部と、軸方向に延び、該2個
のO字形状のリング部の間を一体的に架橋し、その間に
窓部を形成する軸方向架橋部とをもち、前記内筒金具の
外側に配設された中間筒金具と、前記中間筒金具と前記
内筒金具とを連結し、前記中間筒金具の前記窓部に対応
する部位に半径方向外方に開口する少なくとも1個の凹
部をもつゴム弾性体と、他の相手部材に取り付けられ、
前記ゴム弾性体の前記凹部を液密的に被覆するように配
設され、前記ゴム弾性体との間に液室を形成する外筒金
具と、からなる液体封入式筒型マウントにおいて、前記
中間筒金具は、さらに、前記O字形状のリング部の内周
面に前記液室を周方向に挟むように固定された2個の脚
部と、前記液室の軸方向側壁部を構成する前記ゴム弾性
体内に埋設され、前記O字形状のリング部の周方向に沿
って延び、該2個の脚部を一体的に連結する円弧部と、
からなり、前記O字形状のリング部に対して相対移動不
能に配設された周方向架橋部をもつことを特徴とする。
【0012】
【考案の作用】本考案の液体封入式筒型マウントにおい
ては、中間筒金具は、2個のO字形状のリング部と軸方
向架橋部に加えて、周方向架橋部をもつ。この中間筒金
具の周方向架橋部は、O字形状のリング部の内周面に液
室を周方向に挟むように固定された2個の脚部と、液室
の軸方向側壁部を構成するゴム弾性体内に埋設され、O
字形状のリング部の周方向に沿って延び、2個の脚部を
一体的に連結する円弧部と、からなる。このように、周
方向架橋部は、O字形状のリング部に対して相対移動不
能に配設されている。
【0013】したがって、本考案の液体封入式筒型マウ
ントにその軸直角方向に振動が入力され、この振動の振
幅が過大であっても、中間筒金具内のO字形状のリング
部と周方向架橋部との間の相対的な位置関係には変化が
生じることはない。すなわち、中間筒金具内の周方向架
橋部は、軸方向に沿う断面において、それ自身とO字形
状のリング部の間に介在するゴム弾性体を押圧すること
はない。また、軸直角方向の振動入力による液室の軸方
向側壁部のゴム弾性体が変形するのを抑制することがで
きることから、振動入力に基づく液室内の液体の圧力変
動を高めるように作用する。
【0014】
【実施例】(実施例1) 本考案に係る液体封入式筒型マウントの実施例1(以
下、実施例1の液体封入式筒型マウントという。)につ
き、以下、図1から図6を参照しながら説明する。図1
は、実施例1の液体封入式筒型マウントの軸方向に沿う
断面図である。図2は、図1に示す液体封入式筒型マウ
ントのII−II線断面図、すなわち、実施例1の液体
封入式筒型マウントの軸直角方向に沿う断面図である。
図3は、図1に示す液体封入式筒型マウントのIII−
III線断面図、すなわち、実施例1の液体封入式筒型
マウントの軸直角方向に沿う他の断面図である。図4
は、実施例1の液体封入式筒型マウントの中間筒金具の
拡大平面図である。図5は、図4に示す中間筒金具のV
−V線断面図である。図6は、図4に示す中間筒金具の
VI−VI線断面図である。
【0015】図1、図2および図3に示すように、実施
例1の液体封入式筒型マウント1は、内筒金具10と、
中間筒金具20と、ゴム弾性体60と、オリフィス部材
70と、外筒金具80と、からなる。内筒金具10は、
車体に取り付けられる部材であり、以下に述べる外筒金
具80の中心軸に対して、偏心して配設されている。す
なわち、実施例1の液体封入式筒型マウント1を自動車
に組み付けると、外筒金具80に取り付けられたエンジ
ンの重量によって、以下に述べるゴム弾性体60が弾性
変形し、外筒金具80が内筒金具10に対して相対的に
上方へ移動し、内筒金具10と外筒金具80とは、ほぼ
同心的に配設される。
【0016】中間筒金具20は、図1、図2および図3
に示すように、以下に述べる外筒金具80の内側にそれ
と同心的に配設された部材である。図4から図6に示す
ように、中間筒金具20は、軸方向に所定間隔を隔てて
ほぼ同軸的に配置された2個のO字形状のリング部2
1、22と、軸方向に延び、リング部21とリング部2
2との間を一体的に架橋し、互いに対向する2個の軸方
向主架橋部23、24と、軸方向主架橋部23の近傍に
おいて、軸方向に延び、リング部21とリング部22と
の間を一体的にさらに架橋する軸方向副架橋部25と、
周方向架橋部26、27とをもつ。なお、図4に示すよ
うに、この中間筒金具20の軸方向主架橋部23と24
との間に窓部20aが形成され、その軸方向主架橋部2
4と軸方向副架橋部25との間に窓部20bが形成さ
れ、その軸方向主架橋部23と軸方向副架橋部25との
間に窓部20cが形成されている。
【0017】さらに、図4に示すように、中間筒金具2
0の周方向架橋部26、27は、リング部21、22の
内周面に以下に述べるゴム弾性体60の第1凹部60a
に形成される主液室30を周方向に挟むように固定され
た2個の脚部26aと26a、27aと27aと、主液
室30の軸方向側壁部を構成するゴム弾性体60内に埋
設され、O字形状のリング部21、22の周方向に沿っ
て延び、2個の脚部26aと26a、27aと27aを
一体的に連結する円弧部26b、27bと、からなる。
すなわち、中間筒金具20の周方向架橋部26、27
は、O字形状のリング部21、22に対して相対移動不
能に配設されている。
【0018】ゴム弾性体60は、図1、図2および図3
に示すように、中間筒金具20と内筒金具10とを連結
する部材である。また、ゴム弾性体60は、図2および
図3に示すように、軸直角方向の断面において、周方向
に独立して開口する第1凹部60aと第2凹部60bと
第1凹部60cとをもつ。なお、図1、図2および図3
の上方において、内筒金具10と中間筒20との間に介
在するゴム弾性体60には、それを軸方向に貫通する空
洞部61が形成されている。
【0019】外筒金具80は、エンジンブラケットに取
り付けられる円柱状の部材であり、その内周面には、薄
肉状ゴム部81が形成されている。この外筒金具80
を、中間筒金具20、ゴム弾性体60および以下に述べ
るオリフィス部材70の外側に配設することによって、
ゴム弾性体60の第1凹部60a、第2凹部60bおよ
び第3凹部60cが液密的に被覆され、軸直角方向の断
面において周方向に互いに連通する主液室30と、第1
副液室40と第2副液室50とが形成される。
【0020】オリフィス部材70は、図2および図3に
示すように、周方向に2個の断面円弧状の構成部材7
1、72に分割され、ゴム弾性体60の外周を被覆する
ように配設されている。ここで、図2に示すように、オ
リフィス部材70の円弧状の構成部材71、72と外筒
金具80とで、主液室30から第1副液室40へと図示
反時計方向に走り、主液室30と第1副液室40とを相
互に連通する第1オリフィス通路73が形成されてい
る。この第1オリフィス通路73は、断面円弧状の構成
部材71、72と外筒金具80の間を螺旋状にほぼ2回
周回し、主として、エンジンシェイクやバウンスに起因
する低周波数の振動に対して振動減衰作用を発揮するよ
うにチューニングされている。
【0021】また、図3に示すように、オリフィス部材
70の断面円弧状の構成部材71、72と外筒金具80
とで、主液室30から第2副液室50へと図示時計方向
に走り、主液室30と第2副液室50とを相互に連通す
る第2オリフィス通路74が形成されている。この第2
オリフィス通路74は、円弧状の構成部材71、72と
外筒金具80の間をリング状にほぼ1回周回し、主とし
て、エンジンのアイドリングに起因する中高周波数の振
動に対して防振作用を発揮するチューニングされてい
る。
【0022】さらに、空洞部61と第1副液室40との
間に介在するゴム弾性体60は、低周波数領域の振動に
対する振動減衰作用をより強化するように半径方向の肉
厚が薄い(すなわち、剛性が低い)第1ダイヤフラム部
63とされ、空洞部61と第2副液室50との間に介在
するゴム弾性体60は、高周波数領域の振動に対する防
振作用をより強化するように半径方向の肉厚が厚い(す
なわち、剛性が高い)第2ダイヤフラム部64とされて
いる。このように、各ダイヤフラム部63、64の剛性
に差を設けることによって、第1オリフィス通路73と
第2オリフィス通路74における液体の流動性を調整し
ている。
【0023】なお、小型化の要請から、従来の液体封入
式筒型マウントと同様に実施例1の液体封入式筒型マウ
ントにおいても、オリフィス部材70は、主液室30、
第1副液室40、第2副液室50の所定の容積を確保し
た上で、主液室30、第1副液室40、第2副液室50
の周壁部を形成するゴム弾性体60の外周面よりも所定
距離だけ内方に入り込むように配設されている。
【0024】そして、たとえば、水、アルキレングリコ
ール、ポリアルキレングリコール、シリコンオイルなど
の非圧縮性流体からなる液体90が、実施例1の液体封
入式筒型マウント1の主液室30、第1副液室40、第
2副液室50、第1オリフィス通路73および第2オリ
フィス通路74に封入されている。以上のように構成さ
れた実施例1の液体封入式筒型マウント1が自動車に組
み付けられて使用に供され、実施例1の液体封入式筒型
マウント1に、エンジンのアイドリングに起因して外筒
金具10と内筒80との間に軸直角方向に作用する、中
高周波数、たとえば、20〜100Hz程度で小振幅の
振動が入力されると、主として、主液室30と第2副液
室50とを相互に連通する第2オリフィス通路74を介
して流動する液体の流動作用によって、実施例1の液体
封入式筒型マウントのゴム弾性体60は低動ばね化さ
れ、実施例1の液体封入式筒型マウント1は中高周波数
で小振幅の振動に対して有効な防振作用を発揮する。
【0025】また、実施例1の液体封入式筒型マウント
1に、エンジンのシェイクやバウンスに起因して外筒金
具10と内筒80との間に軸直角方向に作用する、低周
波数、たとえば、10〜15Hz程度で大振幅の振動が
入力されると、主として、主液室30と第1副液室40
とを相互に連通する第1オリフィス通路73を介して流
動する液体の流動作用によって、実施例1の液体封入式
筒型マウント1は低周波数で大振幅の振動に対して振動
減衰作用を発揮する。
【0026】さらに、実施例1の液体封入式筒型マウン
ト1においては、図2、図3および図4から明らかなよ
うに、中間筒金具20の周方向架橋部26、27は、O
字形状のリング部21、22の内周面21b、22bに
2個の脚部26aと26a、27aと27aを介して固
定されている。したがって、中間筒金具20の周方向架
橋部26、27が、O字形状のリング部21、22に対
して相対移動することはない。この結果、実施例1の液
体封入式筒型マウント1に大振幅の振動が入力され、内
筒金具10が図1において下方に相対移動した場合であ
っても、中間筒金具20の周方向架橋部26、27が、
図1において中間筒金具20の周方向架橋部26、27
とそのリング部21、22の間に介在するゴム弾性体6
0を押圧することはなく、当該ゴム弾性体60がオリフ
ィス部材70の円弧状の構成部材71の軸方向の端部を
強く押圧することもない。
【0027】すなわち、実施例1の液体封入式筒型マウ
ント1においては、実施例1の液体封入式筒型マウント
1に大振幅の振動が入力され、内筒金具10が図1にお
いて下方に相対移動した場合であっても、実施例1の液
体封入式筒型マウント1のゴム弾性体60のバネ定数が
増加することはなく、ゴム弾性体60の低動ばね効果ま
たは高周波数領域における防振作用が阻害されることは
ない。また、第1オリフィス通路73と第2オリフィス
通路74が各々の作用を最適に発揮するようにオリフィ
ス部材70を大きく設計することができる。
【0028】なぜならば、従来の液体封入式筒型マウン
ト600とは異なり、実施例1の液体封入式筒型マウン
ト1においては、中間筒金具20の周方向架橋部26、
27は、そのリング部21、22に対して相対移動する
ことがないので、中間筒金具20の周方向架橋部26、
27とそのリング部21、22との間に介在するゴム弾
性体60は、所定の形状を維持する。したがって、当該
ゴム弾性体60は変形することはなく、中間筒金具20
の周方向架橋部26、27は、そのリング部21、22
と常に離反しており、当該ゴム弾性体60がオリフィス
部材70の円弧状の構成部材71の軸方向の端部を押圧
することはないからである。
【0029】さらに、実施例1の液体封入式筒型マウン
ト1に過大な振幅の振動が入力された場合、中間筒金具
20の周方向架橋部26、27は、主液室30の周壁部
を構成するゴム弾性体60の過大な変位を抑制するよう
にも作用する。なお、軸方向に沿う断面において、実施
例1の液体封入式筒型マウント1の周方向架橋部26、
27の内筒金具10に対向する面には、圧縮と引っ張り
に起因する応力集中が生じる恐れがある。このような応
力集中を緩和するために、周方向架橋部26、27の内
筒金具10に対向する面と当該面上に配設されるゴム弾
性体60との間に、凹部を設けてもよい。
【0030】(実施例2) 本考案に係る液体封入式筒型マウントの実施例2(以
下、実施例2の液体封入式筒型マウントという。)につ
き、以下、図7から図11を参照しながら説明する。図
7は、実施例2の液体封入式筒型マウントの軸方向に沿
う断面図である。図8は、図7に示す液体封入式筒型マ
ウントのVIII−VIII線断面図、すなわち、実施
例2の液体封入式筒型マウントの軸直角方向に沿う断面
図である。図9は、実施例2の液体封入式筒型マウント
の中間筒金具の拡大平面図である。図10は、図9に示
す中間筒金具のX−X線断面図である。図11は、図9
に示す中間筒金具のXI−XI線断面図である。
【0031】図7および図8に示すように、実施例2の
液体封入式筒型マウント2は、実施例1の液体封入式筒
型マウント1とほぼ同様の構成をもつ。すなわち、実施
例2の液体封入式筒型マウント2と実施例1の液体封入
式筒型マウント1とは、中間筒金具20の周方向架橋部
のみが異なり、その他はほぼ同様の構成である。したが
って、図7から図11において、実施例1の液体封入式
筒型マウント1の部材と同様の作用と効果を奏する実施
例2の液体封入式筒型マウント2の部材には、同様の参
照番号を付す。また、実施例1の液体封入式筒型マウン
ト1の部材と同様の作用と効果を奏する実施例2の液体
封入式筒型マウント2の部材については、以下、説明を
省略する。なお、図7に示す実施例2の液体封入式筒型
マウント2を、図1に示すIII−III線に相当する
線で切断すれば、図3に示す示す実施例1の液体封入式
筒型マウントのIII−III線断面図と同様の断面図
を得る。すなわち、実施例2の液体封入式筒型マウント
においても、オリフィス部材70の断面円弧状の構成部
材71、72と外筒金具80の間には、リング状にほぼ
1回周回し、主液室30と第2副液室50とを相互に連
通し、エンジンのアイドリングに起因する高周波数の振
動に対して防振作用を発揮する第2オリフィス通路74
が形成されている。
【0032】図9から図11に示すように、実施例2の
液体封入式筒型マウント2の中間筒金具20は、実施例
1の液体封入式筒型マウント1のそれと同様に、軸方向
に所定間隔を隔ててほぼ同軸的に配置された2個のO形
状のリング部21、22と、軸方向に延び、リング部2
1とリング部22との間を一体的に架橋し、互いに対向
する2個の軸方向主架橋部23、24と、軸方向主架橋
部23の近傍において、軸方向に延び、リング部21と
リング部22との間を一体的にさらに架橋する軸方向副
架橋部25と、周方向架橋部28、29とをもつ。ま
た、実施例1の液体封入式筒型マウント1と同様に、中
間筒金具20の軸方向主架橋部23と24との間に窓部
20aが形成され、その軸方向主架橋部24と軸方向副
架橋部25との間に窓部20bが形成され、その軸方向
主架橋部23と軸方向副架橋部25との間に窓部20c
が形成されている。
【0033】図9および図11に示すように、実施例2
の液体封入式筒型マウント2の中間筒金具20の周方向
架橋部28、29は、O字形状のリング部21、22の
内周面に主液室30を周方向を挟むように固定された2
個の脚部28aと28a、29aと29aと、主液室3
0の軸方向側壁部を構成するゴム弾性体60内に埋設さ
れ、O字形状のリング部21、22の周方向に沿って延
び、2個の脚部28aと28a、29aと29aを一体
的に連結する円弧部28b、29bと、からなる。さら
に、実施例2の液体封入式筒型マウント2の中間筒金具
20においては、図11に示すように、周方向架橋部2
8、29の円弧部28b、29bは、O字形状のリング
部21、22の軸方向に対して所定の角度を傾けて軸方
向外方に向かうにつれてO字形状のリング部21、22
から離反するように配設されている。このように、実施
例2の液体封入式筒型マウント2の中間筒金具20にお
いては、実施例1の液体封入式筒型マウント1のそれと
同様に、周方向架橋部28、29は、O字形状のリング
部21、22に対して相対移動不能に配設されている。
【0034】実施例2の液体封入式筒型マウント2は、
実施例1の液体封入式筒型マウント1が奏する作用と効
果、たとえば、主液室30と第2副液室50とを相互
に連通する第2オリフィス通路74を介して流動する液
体によるゴム弾性体60の低動ばね化に伴う中高周波数
で小振幅の振動に対する防振作用、主液室30と第1
副液室40とを相互に連通する第1オリフィス通路73
を介して流動する液体による低周波数で大振幅の振動に
対する振動減衰作用、中間筒金具20のリング部2
1、22に対してその周方向架橋部28、29が相対移
動しないことによる、振動減衰作用に対する悪影響の防
止、および、第1オリフィス通路73と第2オリフィス
通路74の各々の作用を最適化するオリフィス部材70
の設計などに加えて、以下のような追加の作用と効果を
奏する。
【0035】すなわち、実施例2の液体封入式筒型マウ
ント2の中間筒金具20においては、周方向架橋部2
8、29の円弧部28b、29bは、O字形状のリング
部21、22の軸方向に対して所定の角度を傾けて軸方
向外方に向かうにつれてO字形状のリング部21、22
から離反するように配設されているので、実施例2の液
体封入式筒型マウント2に、外筒金具10と内筒金具8
0との間に軸直角方向に主液室30を圧縮する振動が入
力されると、周方向架橋部28、29は、図7において
それらと内筒金具10の間に介在するゴム弾性体60を
主液室30内へ入り込ませ、主液室30の容積を減少さ
せるように変形させる。したがって、実施例2の液体封
入式筒型マウント2に、前記した振動が入力されると、
主液室30、第1副液室40および第2副液室50に封
入された液体は、第1オリフィス通路73と第2オリフ
ィス通路74を介して主液室30と第1副液室40との
間および主液室30と第2副液室50との間を、積極的
に流動するようになる。この結果、実施例2の液体封入
式筒型マウント2は、前記した防振作用や振動減衰作用
をさらに有効に発揮するようになる。
【0036】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案の液体封入
式筒型マウントの中間筒金具の周方向架橋部は、そのO
字形状のリング部に対して相対移動不能に配設されてい
る。したがって、本考案の液体封入式筒型マウントの周
方向架橋部は、従来の液体封入式筒型マウントの補強金
具690と同様に、液室の周壁部を形成するゴム弾性体
が軸方向外方に変形するのを抑制して、液室内に封入さ
れた液体の振動入力の基づく圧力変動を高めるだけでな
く、以下のような、効果を奏するものである。
【0037】すなわち、中間筒金具内の周方向架橋部
は、軸方向に沿う断面において、中間筒金具の周方向架
橋部とO字形状のリング部の間に介在するゴム弾性体に
対して軸方向への膨出変形を生じさせるようなことはな
い。この結果、液室の外周側に容積が変形し難い部位を
形成することができ、振動入力の際に、液室の外周側に
配設される部材との干渉によるバネ定数の悪化を来すこ
となく小型化が図れ得て、防振特性に優れた液体封入式
筒型マウントを得ることができる。
【0038】また、本考案の液体封入式筒型マウント
に、周方向に複数の構成部材に分割され、ゴム弾性体の
外周を被覆するように配設されたオリフィス部材が使用
された場合、軸方向に沿う断面において、中間筒金具の
周方向架橋部とO字形状のリング部の間に介在するゴム
弾性体が、オリフィス部材面の構成部材の軸方向の端部
を押圧しないので、オリフィス部材を大きく設計するこ
とができ、外筒部材とオリフィス部材の間に形成される
複数のオリフィス通路の各々の作用を最適化することが
できる。さらに、本考案の液体封入式筒型マウントに過
大な振幅の振動が入力された場合、本考案の液体封入式
筒型マウントの中間筒金具の周方向架橋部は、ゴム弾性
体などの過大な変位を抑制するようにも作用することか
ら、ゴム弾性体ひいては液体封入式筒型マウント自体の
耐久性の向上を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の液体封入式筒型マウントの軸方向に
沿う断面図である。
【図2】図1に示す液体封入式筒型マウントのII−I
I線断面図、すなわち、実施例1の液体封入式筒型マウ
ントの軸直角方向に沿う断面図である。
【図3】図1に示す液体封入式筒型マウントのIII−
III線断面図、すなわち、実施例1の液体封入式筒型
マウントの軸直角方向に沿う他の断面図である。
【図4】実施例1の液体封入式筒型マウントの中間筒金
具の拡大平面図である。
【図5】図4に示す中間筒金具のV−V線断面図であ
る。
【図6】図4に示す中間筒金具のVI−VI線断面図で
ある。
【図7】実施例2の液体封入式筒型マウントの軸方向に
沿う断面図である。
【図8】図7に示す液体封入式筒型マウントのVIII
−VIII線断面図、すなわち、実施例2の液体封入式
筒型マウントの軸直角方向に沿う断面図である。
【図9】実施例2の液体封入式筒型マウントの中間筒金
具の拡大平面図である。
【図10】図9に示す中間筒金具のX−X線断面図であ
る。
【図11】図9に示す中間筒金具のXI−XI線断面図
である。
【図12】従来の液体封入式筒型マウントの軸方向に沿
う断面図である。
【図13】図12に示す液体封入式筒型マウントのXI
II−XIII線断面図、すなわち、従来の液体封入式
筒型マウントの軸直角方向に沿う断面図である。
【図14】従来の液体封入式筒型マウントに使用された
中間筒金具620の斜視図である。
【図15】従来の液体封入式筒型マウントに使用された
補助金具690の斜視図である。
【符号の説明】
1:実施例1の液体封入式筒型マウント 10:内筒金具、 20:中間筒金具、20a、20b、20c:窓部、 21、22:O形状のリング部、 23、24:軸方向主架橋部、25:軸方向副架橋部、 26、27:周方向架橋部、26a、27a:脚部、2
6b、27b:円弧部 30:主液室、 40:第1副液室、 50:第2副液室、 60:ゴム弾性体、60a:第1凹部、60b:第2凹
部、60c:第3凹部、 61:空洞部、 63:第1ダイヤフラム部、64:第1ダイヤフラム
部、 70:オリフィス部材、71、72:円弧状の構成部
材、 73:第1オリフィス通路、74:第2オリフィス通
路、 80:外筒金具、81:薄肉状ゴム部、 90:液体、 2:実施例2の液体封入式筒型マウント、 28、29:周方向架橋部、28a、29a:脚部、2
8b、29b:円弧部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一の相手部材に取り付けられる内筒金具
    と、 軸方向に所定間隔を隔ててほぼ同軸的に配設された2個
    のO字形状のリング部と、軸方向に延び、該2個のO字
    形状のリング部の間を一体的に架橋し、その間に窓部を
    形成する軸方向架橋部とをもち、前記内筒金具の外側に
    配設された中間筒金具と、 前記中間筒金具と前記内筒金具とを連結し、前記中間筒
    金具の前記窓部に対応する部位に半径方向外方に開口す
    る少なくとも1個の凹部をもつゴム弾性体と、 他の相手部材に取り付けられ、前記ゴム弾性体の前記凹
    部を液密的に被覆するように配設され、前記ゴム弾性体
    との間に液室を形成する外筒金具と、からなる液体封入
    式筒型マウントにおいて、 前記中間筒金具は、さらに、前記O字形状のリング部の
    内周面に前記液室を周方向に挟むように固定された2個
    の脚部と、前記液室の軸方向側壁部を構成する前記ゴム
    弾性体内に埋設され、前記O字形状のリング部の周方向
    に沿って延び、該2個の脚部を一体的に連結する円弧部
    と、からなり、前記O字形状のリング部に対して相対移
    動不能に配設された周方向架橋部をもつことを特徴とす
    る液体封入式筒型マウント。
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