JP2530624Y2 - 流体封入式筒型エンジンマウント - Google Patents

流体封入式筒型エンジンマウント

Info

Publication number
JP2530624Y2
JP2530624Y2 JP1990076976U JP7697690U JP2530624Y2 JP 2530624 Y2 JP2530624 Y2 JP 2530624Y2 JP 1990076976 U JP1990076976 U JP 1990076976U JP 7697690 U JP7697690 U JP 7697690U JP 2530624 Y2 JP2530624 Y2 JP 2530624Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mount
power unit
elastic body
rubber elastic
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1990076976U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0434536U (ja
Inventor
讓治 堤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP1990076976U priority Critical patent/JP2530624Y2/ja
Priority to US07/730,603 priority patent/US5213313A/en
Priority to DE4123892A priority patent/DE4123892C2/de
Priority to FR9109182A priority patent/FR2664954B1/fr
Publication of JPH0434536U publication Critical patent/JPH0434536U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2530624Y2 publication Critical patent/JP2530624Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は、車両の内燃機関を含むパワーユニットを車
体側に防振支持せしめる車両用エンジンマウントとして
好適に用いられ得る流体封入式筒型エンジンマウントに
係り、特にマウント軸直角方向に入力される振動に対す
る防振性能を阻害することなく、マウント軸方向のばね
硬さを有利に確保することができると共に、マウント軸
直角方向とマウント軸方向とのばね比を、容易にチュー
ニングすることのできる流体封入式筒型エンジンマウン
トに関するものである。
(背景技術) 従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装され
て、それら両部材を防振連結するマウント装置の一種と
して、内筒金具と、該内筒金具の外側に所定距離を隔て
て配された外筒金具とを、それらの間に介装されたゴム
弾性体にて一体的に連結せしめられてなる構造を有す
る、所謂筒型マウントが知られている。そして、このよ
うな筒型マウントにあっては、コンパクトなマウントサ
イズを有利に実現することができると共に、大きな振動
荷重入力時における内外筒金具の相対的変位量が有利に
規制され得ることなどから、自動車用のエンジンマウン
トとして好適に用いられてきている。
また、近年では、実開昭63−6248号公報等に示されて
いるように、筒型マウントにおける内筒金具と外筒金具
との間に、振動入力時に内圧変動が惹起される受圧室
と、少なくとも一部が可撓性膜にて画成されて容積可変
とされた平衡室とを形成し、それら受圧室および平衡室
内に所定の非圧縮性流体を封入せしめると共に、それら
受圧室と平衡室とを相互に連通するオリフィス通路を設
けることにより、内外筒金具間への振動入力時に、かか
るオリフィス通路を通じて、受圧室と平衡室との間で流
体の流動が生ぜしめられるようにした構造の、所謂流体
封入式の筒型マウントが提案されており、オリフィス通
路内を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、ゴ
ム弾性体のみでは得られない優れた防振効果が得られる
ことから、その採用が増加してきている。
ところが、このような流体封入式の筒型マウントで
は、ゴム弾性体の変形が、振動入力方向たるマウント軸
直角方向の荷重入力時には主に圧縮変形として生ぜしめ
られる一方、マウント軸方向の荷重入力時には主に剪断
変形として生ぜしめられることから、マウント軸直角方
向の剛性に比して、マウント軸方向の剛性が著しく柔ら
かくなってしまうこととなり、通常、マウント軸直角方
向の剛性を1とすると、マウント軸方向では0.2〜0.6程
度の剛性しか得ることが出来なかった。
しかも、マウント軸方向のばね剛性を向上するため
に、高ばねを有するゴム材料にてゴム弾性体を形成する
と、マウント軸直角方向のばね剛性も大きくなってしま
い、振動入力時におけるゴム弾性体の変形量が小さくな
って、受圧室内に有効な内圧変動が惹起され難くなるた
めに、オリフィス通路内を流動せしめられる流体量が低
下し、マウント防振性能が充分に得られなくなってしま
うのである。
すなわち、従来の流体封入式筒型マウントにおいて
は、マウント軸直角方向に入力される振動に対する防振
特性を得る上に、マウント軸方向のばね特性が柔らかく
なってしまうことが避けられなかったのであり、そのた
めに、車両用エンジンマウントとして用いた場合に、パ
ワーユニットの車体に対する変位が抑制され難く、パワ
ーユニットが揺動することによって車両乗り心地が悪化
してしまうという問題を内在していたのである。
(解決課題) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景とし
て為されたものであって、その解決課題とするところ
は、マウント軸直角方向とマウント軸方向とのばね比を
容易にチューニングすることが可能で、それによってマ
ウント軸直角方向に入力される振動に対する防振性能を
害することなく、マウント軸方向におけるばね硬さの確
保が有利に為され得る流体封入式の筒型エンジンマウン
トを提供することにある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決するために、本考案の特徴
とするところは、パワーユニットと車体との間に介装さ
れることにより、該パワーユニットを該車体に対して防
振支持せしめる、パワーユニット荷重および振動荷重が
軸直角方向に入力される流体封入式筒型エンジンマウン
トであって、(a)前記パワーユニット側および車体側
の何れか一方に取り付けられる内筒金具と、(b)該内
筒金具の外側に、同心的に若しくは偏心して配された、
前記パワーユニット側および車体側の何れか他方に取り
付けられる外筒金具と、(c)マウントの装着状態下に
おいて、前記パワーユニット荷重および振動荷重の入力
方向に対して直角な方向に前記内筒金具を挟んだ両側に
おいて、該内筒金具側から前記外筒金具側に向かって延
び出して位置し、それら内外筒金具を弾性的に連結せし
める第一のゴム弾性体と、(d)該第一のゴム弾性体よ
りも、前記パワーユニット荷重により前記内筒金具と前
記外筒金具とが接近せしめられる側に位置して、該内筒
金具の軸方向中央部分から該外筒金具側に向かって突出
形成せしめられた中央突出部材と、(e)該中央突出部
材におけるマウント軸方向両側面からマウント軸直角方
向外方に傾斜してマウント軸方向に延び出し、前記内筒
金具に対して空間を隔てて対向する薄肉の横壁部と、そ
れら各横壁部の延出縁部からマウント軸直角方向外方に
屈曲して延び出す、該横壁部よりも厚肉の縦壁部とを含
み、且つ該縦壁部の内壁面がそれに対向する前記中央突
出部材の側面よりもマウント軸方向において外方に位置
するように構成されていると共に、マウントの装着状態
下においては、前記横壁部が振動荷重の入力方向に対し
て直角な方向に延び出した形態となる、マウント軸直角
方向外方に開口するポケット部を内部に形成する第二の
ゴム弾性体と、(f)該ポケット部の開口が前記外筒金
具にて覆蓋されることにより、前記パワーユニット荷重
が及ぼされて内外筒金具が接近する側に位置して、前記
第二のゴム弾性体の内部に形成された、非圧縮性流体が
封入せしめられて、前記振動荷重の入力時に該第二のゴ
ム弾性体の変形に伴って内圧変動が惹起される受圧室
と、(g)前記第一のゴム弾性体よりも、前記パワーユ
ニット荷重により前記内筒金具と前記外筒金具とが離隔
せしめられる側において形成され、且つそれら内筒金具
及び受圧室とは分離して設けられた、少なくとも一部が
可撓性膜にて画成されると共に、内部に非圧縮性流体が
封入せしめられた容積可変の平衡室と、(h)前記受圧
室と前記平衡室との間に設けられて、それら両室間での
前記非圧縮性流体の流動を許容するオリフィス通路と
を、含んで構成したことにある。
(実施例) 以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本
考案の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明
することとする。
先ず、第1図乃至第5図には、本考案に従う構造とさ
れた自動車用のエンジンマウント10が示されている。か
かるエンジンマウント10は、互いに所定距離偏心して配
された内筒金具12と外筒金具14とを有していると共に、
それら内筒金具12と外筒金具14とが、それら両金具間に
介装された第一のゴム弾性体16によって一体的に連結さ
れて成る構造とされている。そして、かかるエンジンマ
ウント10にあっては、内筒金具12が車体側に、外筒金具
14がエンジンを含むパワーユニット側に、それぞれ取り
付けられることにより、それらパワーユニットと車体と
の間に装着されて、該パワーユニットを車体に対して防
振支持せしめるようになっているのである。なお、その
ような装着状態下、かかるエンジンマウント10には、内
外筒金具12,14間における偏心方向(第1図中、上下方
向)に、パワーユニット荷重および振動荷重が入力され
ることとなり、そして、パワーユニット荷重が及ぼされ
ることにより、第一のゴム弾性体16が変形せしめられ
て、それら内外筒金具12,14が、略同心的に位置せしめ
られることとなる(第10図参照)。
より具体的には、前記内筒金具12は、全体として略厚
肉円筒形状にて形成されている。また、該内筒金具12の
径方向外方には、軸方向中央部分が小径化されることに
より周方向に所定幅で延びる凹溝17が形成されて成る薄
肉円筒形状を呈する金属スリーブ18が、所定距離を隔て
て、且つ所定寸法偏心して配されている。そして、第6
図乃至第8図に示されているように、これら内筒金具12
と金属スリーブ18との間に、第一のゴム弾性体16が介装
されており、該第一のゴム弾性体16にて内筒金具12と金
属スリーブ18とが、弾性的に連結されて成る一体加硫成
形品20として形成されているのである。
かかる第一のゴム弾性体16は、パワーユニット荷重お
よび振動荷重の入力方向に対して略直角な方向に内筒金
具12を挾んだ両側において、該内筒金具12側から金属ス
リーブ18側に向かって延び出して形成されている。な
お、特に、本実施例では、かかる第一のゴム弾性体16
が、内筒金具12側から、該内筒金具12と金属スリーブ18
との偏心方向における離間距離の大なる方に向かって、
所定角度傾斜して形成されており、パワーユニット荷重
が及ぼされて変形せしめられた装着状態下において、該
第一のゴム弾性体16が、内筒金具12側から金属スリーブ
18側に向かって、振動荷重の入力方向に対して略直角な
方向に延び出すようにされている。
さらに、この第一のゴム弾性体16よりも、内筒金具12
と金属スリーブ18との偏心方向における離間距離の大な
る側には、内筒金具12の軸方向中央部分から外筒金具14
側に向かって所定高さで突出する中央突部22が、設けら
れている。なお、本実施例では、かかる中央突部22が、
第一のゴム弾性体16にて一体的に形成されており、該第
一のゴム弾性体16における軸方向中央部分から突出して
位置せしめられている。
また、かかる中央突部22には、そのマウント軸方向両
側面から、それぞれ、パワーユニット荷重の入力方向た
るマウント軸直角方向外方に所定角度傾斜してマウント
軸方向に延び出す、薄肉のゴム弾性体から成る横壁部24
が一体的に形成されている。更にまた、これらの横壁部
24,24の延出縁部には、それぞれ、パワーユニット荷重
の入力方向たるマウント軸直角方向に屈曲して、金属ス
リーブ18に向かって延び出す。厚肉のゴム弾性体から成
る縦壁部26が一体的に形成されている。即ち、本実施例
では、これらの横壁部24,24および縦壁部26,26によっ
て、第二のゴム弾性体28が構成されており、該第二のゴ
ム弾性体28の内部において、マウント外方に開口する凹
溝状乃至はポケット状の第一の空所30が形成されている
のである。また、かかる縦壁部26、26の内壁面が、それ
に対向する中央突部22のマウント軸方向における側面よ
りも外方に位置するように構成されているのであり、更
に前記金属スリーブ18には、かかる空所30の開口部分に
おいて、第一の窓部32が設けられており、この第一の窓
部32を通じて空所30が外部に開口せしめられている。し
かも、マウントの装着状態下においては、パワーユニッ
ト荷重が及ぼされて内外筒金具12、14が接近する側に位
置する横壁部24、24は、振動荷重の入力方向に対して略
直角な方向に延び出した形態となるように構成されてい
るのである。
そして、かかる第二のゴム弾性体28においては、パワ
ーユニット荷重および振動荷重が、その横壁部24,24に
対しては剪断力として及ぼされる一方、縦壁部26,26に
対しては圧縮力として及ぼされるようになっているので
ある。更にまた、かかる縦壁部26,26にあっては、その
マウント軸直角方向の内面が、それぞれ、内筒金具12に
対して振動入力方向に所定距離を隔てて対向位置するス
トッパ面34とされており、該少ストッパ面34の内筒金具
12に対する当接によって、バウンド方向における第一及
び第二のゴム弾性体16,28の過大な変形が阻止され得る
ようになっている。
また一方、第一のゴム弾性体16よりも、内筒金具12と
金属スリーブ18との偏心方向における離間距離の小なる
側には、金属スリーブ18の内周面上から、内筒金具12に
向かってマウント軸直角方向に所定高さで突出して、該
内筒金具12に対して振動入力方向に所定距離を隔てて対
向位置するストッパゴム36が設けられている。そして、
該ストッパゴム36の内筒金具12に対する当接によって、
リバウンド方向における第一及び第二のゴム弾性体16,2
8の過大な変形が阻止され得るようになっている。
更にまた、かかるストッパゴム36を周方向に挟んだ両
側部分には、金属スリーブ18に対して、それぞれ、第二
の窓部38が設けられていると共に、それらの第二の窓部
38,38をそれぞれ内周面側から覆蓋するようにして、薄
肉のゴム膜から成る可撓性膜としての袋状のダイヤフラ
ム40,40が、かかる金属スリーブ18に対して一体的に加
硫接着せしめられている。なお、特に、本実施例におい
ては、これらダイヤフラム40,40および上記ストッパゴ
ム36が、何れも、前記第一及び第二のゴム弾性体16,28
と一体的に形成されている。
そして、これらダイヤフラム40,40の内部において、
それぞれ、金属スリーブ18における第二の窓部38を通じ
て外周面に開口するポケット状の第二の空所42が形成さ
れているのである。なお、これらの二つの第2の空所4
2,42にあっては、金属スリーブ18の凹溝17内に形成され
た連通溝44,44によって、互いに連通せしめられてい
る。
さらに、かかる一体加硫成形品20には、第一の空所30
の開口部の周方向両側部分において、金属スリーブ18の
凹溝17により支持凹部46,46が形成されている。また、
該支持凹部46,46の一方の側は、連通溝48によって、前
記第二の空所42内に連通せしめられている。
そして、このような構造とれた一体加硫成形品20に
は、更に、第1図乃至第5図に示されている如く、第一
の空所30の開口部位に対して、オリフィス金具50が装着
されると共に、その外周面上に、外筒金具14が外挿され
て装着せしめられている。
かかるオリフィス金具50は、略半割円筒形状をもって
形成されており、その周方向両端部が、金属スリーブ18
の凹溝17によって形成された支持凹部46,46内に嵌め込
まれて支持されることにより、第一の空所30の開口部上
に跨って、一体加硫成形品20に対して組み付けられてい
る。また、このオリフィス金具50の外周面上には、第9
図にその展開図が示されているように、略渦巻状形態を
もって延びる溝52が形成されており、一体加硫成形品20
に対して組み付けられることにより、かかる溝52の内側
端部が通孔54を通じて第一の空所30内に連通される一
方、該溝52の外側端部が連通溝48を通じて第二の空所42
内に連通せしめられるようになっている。
また、このようなオリフィス金具50が一体加硫成形品
20に対して組み付けられた後、更に外筒金具14が外挿さ
れて、八方絞り等の縮径加工が施されることにより、金
属スリーブ18に対して嵌着せしめられている。そして、
かかる外筒金具14が嵌着されることによって、一体加硫
成形品20に形成された前記第一の空所30および第二の空
所42,42の開口が、それぞれ閉塞せしめられ、以てかか
る第一の空所30の内部に受圧室56が形成されている一
方、第二の空所42,42の内部に平衡室58,58が形成されて
いるのである。そして、かかる受圧室56は、パワーユニ
ット荷重が及ぼされて内外筒金具12、14が接近する側に
位置するように設けられているのである。なお、外筒金
具14の内周面には、その略全面に亘って薄肉のシールゴ
ム層62が加硫装着されており、該シールゴム層62が金属
スリーブ18と外筒金具14との間で挟圧されることによっ
て、受圧室56および平衡室58のシール性が有利に確保さ
れ得るようになっている。
更にまた、これら受圧室56および平衡室58,58の内部
には、それぞれ、所定の非圧縮性流体が封入されてい
る。なお、本実施例では、後述するオリフィス通路60内
を流動せしめられる流体によって目的とする防振効果を
有利に得るべく、かかる非圧縮性流体として、水やアル
キレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコ
ーン油等の低粘性流体が、好適に用いられることとな
る。また、かかる流体の受圧室56および平衡室58内への
封入は、例えば、前記一体加硫成形品20に対する外筒金
具14の外挿を、かかる流体中にて行なうこと等によっ
て、有利に為され得ることとなる。
さらに、一体加硫成形品20に対して外筒金具14が組み
付けられることにより、前記オリフィス金具50の外周面
に形成された溝52が覆蓋されることとなり、以て、該溝
52の内部において、上記受圧室56と平衡室58とを、相互
に連通せしめ、それら両室56,58間での流体の流動を許
容するオリフィス通路60が形成されているのである。な
お、本実施例においては、かかるオリフィス通路60が渦
巻状形態をもって形成されて、その長さが充分に確保さ
れていることにより、該オリフィス通路60内を流動せし
められる流体の共振作用に基づいて、シェイクやバウン
ス等に相当する低周波振動に対する高減衰効果が、有効
に発揮され得るようにチューニングされている。
而して、上述の如き構造とされたエンジンマウント10
は、前述の如く、その内筒金具12が車体側に、また外筒
金具14がパワーユニット側に、それぞれ取り付けられる
ことにより、それら内外筒金具12,14の偏心方向に対し
て、パワーユニット荷重および振動荷重が入力せしめら
れる状態で、装着されることとなるのであり、そのよう
な装着状態下、かかるエンジンマウント10にあっては、
第10図に示されているように、パワーユニット荷重が及
ぼされることにより、内外筒金具12,14が略同心的に位
置せしめられることとなる。
そして、振動の入力時においては、第一及び第二のゴ
ム弾性体16,28の弾性変形に基づいて内外筒金具12,14が
マウント軸直角方向に相対的に変位(振動)せしめられ
ることにより、受圧室56内に内圧変動が惹起されて、該
受圧室56と平衡室58との間に生ぜしめられる内圧差に基
づいて、オリフィス通路60内に流体の流動が惹起される
こととなるのであり、以て該オリフィス通路60内を流動
せしめられる流体の共振作用によって、シェイクやバウ
ンス等の低周波振動に対する高減衰効果が発揮され得る
のである。
また、そこにおいて、かかるエンジンマウント10にお
ける受圧室56にあっては、振動入力時において、外力と
しての振動荷重が、その底壁部を構成する横壁部24、24
には剪断力として及ぼされる一方、側壁部を構成する縦
壁部26,26には圧縮力として及ぼされることとなること
に加えて、該横壁部24が縦壁部26よりも薄肉とされてい
ることから、振動入力時における壁部の変形が、主とし
て横壁部24,24における剪断変形として惹起されること
となる。そして、それによって、振動入力時には、かか
る横壁部24,24および中央突部22が、縦壁部26,26間にお
いてピストンのような作用を為し、以て、受圧室56内に
対して極めて有効な内圧変動が生ぜしめられることとな
るのである。
しかも、かかる横壁部24,24にあっては、第10図に示
されている如く、その装着状態下、パワーユニット荷重
にて変形せしめられることにより、振動入力方向に対し
て略直角な方向に拡がることとなるところから、上述の
如きピストン作用が、より有効に発揮され得ると共に、
マウント軸方向の荷重に対しては、圧縮変形として作用
して、ばね剛性を高めることとなるのである。
さらに、かかるエンジンマウント10においては、この
ように、振動入力時における第二のゴム弾性体28の変形
が、その横壁部24,24における剪断変形として生ぜしめ
られ、且つ該横壁部24,24は薄肉とされているところか
ら、かかる第二のゴム弾性体28は、振動入力方向におけ
るばね要素としては殆ど機能せず、該振動入力方法にお
けるばね剛性は、専ら第一のゴム弾性体16によって発揮
されることとなる。
また、そこにおいて、かかる第一のゴム弾性体16にお
いては、振動入力方向たるマウント軸直角方向に荷重が
入力された際の変形と、マウント軸方向に荷重が入力さ
れた際の荷重とが、何れも、剪断変形として生ぜしめら
れることとなるのであり、それ故、該第一のゴム弾性体
16における肉厚と幅との比を適当に変更することによっ
て、振動入力方向たるマウント軸直角方向におけるマウ
ントばね剛性とマウント軸方向におけるマウントばね剛
性との比を、有利にチューニングすることができるもの
である。そして、それによって、従来の流体封入式筒型
マウントでは実現できなかった、マウント軸直角方向の
ばね剛性よりも大きなマウント軸方向のばね剛性をも、
得ることが可能となるのである。因 みに、上述の如き
マウント構造とすることにより、マウント軸直角方向の
ばね剛性よりも1.2倍程大きいマウント軸方向のばね剛
性も、容易に設定可能であることが、本考案者によって
確認されている。
従って、上述の如き構造とされたエンジンマウント10
によれば、オリフィス通路60内を流動せしめられる流体
の共振作用に基づいて発揮される防振効果を充分に確保
しつつ、マウント軸方向のばね剛性を確保することが出
来るのであり、それによって、パワーユニットの車体に
対する揺動変位を有効に抑制し、車両乗り心地を効果的
に向上せしめ得る、エンジンマウントが有利に実現され
得ることとなるのである。
また、かかるエンジンマウント10においては、受圧室
56の両側壁部を構成する第二のゴム弾性体28の縦壁部2
6、26によって、バウンド方向におけるストッパ機構が
構成されているところから、内外筒金具12,14間に入力
される大きな振動荷重が、それら両縦壁部26,26によっ
て分担して支持されることとなるのであり、それによっ
て有効なストッパ機能が優れた耐久性をもって発揮され
得るといった利点をも有しているのである。
以上、本考案の一実施例について詳述してきたが、こ
れは文字通りの例示であって、本考案は、かかる具体例
にのみ限定して解釈されるものではない。
例えば、受圧室と平衡室とを連通するオリフィス通路
にあっては、その長さや断面積の他、具体的な構造も、
前記実施例のものに限定されるものでは決してなく、マ
ウントに要求される防振特性等に応じて、適宜変更され
るべきものである。
また、平衡室の構造も前記実施例のものに限定される
ものではなく、例えば、一つ或いは三つ以上の平衡室を
形成するようにしても良い。
さらに、前記実施例では、内筒金具側から外筒金具側
に向かって突出する中央突出部材(22)が、ゴム弾性体
によって形成されていたが、かかる中央突出部材は、内
筒金具側から入力される振動荷重を第二のゴム弾性体に
対して伝達せしめるものであって、樹脂材料や金属材料
等によって形成することも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知
識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態
様において実施例され得るものであり、また、そのよう
な実施態様が、本考案の主旨を逸脱しない限り、何れ
も、本考案の範囲内に含まれるものであることは、言う
までもないところである。
(考案の効果) 上述の説明から明らかなように、本考案に従う構造と
された流体封入式筒型エンジンマウントにあっては、受
圧室を画成する第二のゴム弾性体における振動入力時の
変形が、主として横壁部における剪断変形として生ぜし
められることにより、該横壁部が受圧室に対するピスト
ン作用を為して、該受圧室内における内圧変動が効果的
に惹起せしめられ得るのであり、それによってオリフィ
ス通路内を流動せしめられる流体量が有利に確保され
て、該流体の共振作用に基づく防振効果が有効に発揮さ
れ得ることとなるのである。
しかも、かかる流体封入式筒型エンジンマウントにお
いては、振動入力方向たるマウント軸直角方向およびマ
ウント軸方向のばね剛性が、何れも、第二のゴム弾性体
の剪断/圧縮変形の作用下において、主として第一のゴ
ム弾性体にて発揮されることとなり、且つそれら何れの
方向に入力される振動荷重によっても、該第一のゴム弾
性体における変形が、主に剪断変形として生ぜしめられ
ることとなるところから、該第二のゴム弾性体の剪断/
圧縮変形の作用を考慮しつつ、該第一のゴム弾性体の肉
厚および幅を適当に変更することにより、マウント軸直
角方向とマウント軸方向とのばね比を適宜チューニング
することが出来るのであり、マウント軸方向のばね剛性
をマウント軸直角方向のばね剛性より大きく設定するこ
とも可能となるのである。
そして、それ故、本考案に従えば、マウント軸直角方
向に入力される振動に対して、オリフィス通路内を流動
せしめられる流体の共振作用に基づいて、優れた防振効
果を発揮し得ると共に、パワーユニットの車体に対する
変位に対して、マウント軸方向のばね剛性に基づいて、
優れた変位抑制効果を発揮し得、それによって良好なる
車両乗り心地を実現せしめ得る流体封入式筒型エンジン
マウントが、有利に実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に従う構造とされた流体封入式筒型エ
ンジンマウントの一実施例を示す横断面図であり、第2
図は、第1図におけるII−II断面図であり、第3図は、
第1図におけるIII−III断面図であり、第4図は、第2
図における右側面図であり、第5図は、第1図における
V−V断面図である。また、第6図は、第1図に示され
ているエンジンマウントを構成する一体加硫成形品を示
す横断面図であり、第7図は、第6図におけるVII−VII
断面図であり、第8図は、第6図における右側面図であ
る。また、第9図は、第1図に示されているエンジンマ
ウントを構成するオリフィス金具を示す展開図である。
更にまた、第10図は、第1図に示されているエンジンマ
ウントの車両への装着状態を示す、第2図に対応する縦
断面図である。 10:エンジンマウント、12:内筒金具 14:外筒金具 16:第一のゴム弾性体、18:金属スリーブ 20:一体加硫成形品、22:中央突部 24:横壁部、26:縦壁部 28:第二のゴム弾性体、30:第一の空所 34:ストッパ面、40:ダイヤフラム 42:第二の空所、50:オリフィス金具 56:受圧室、58:平衡室 60:オリフィス通路

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】パワーユニットと車体との間に介装される
    ことにより、該パワーユニットを該車体に対して防振支
    持せしめる、パワーユニット荷重および振動荷重が軸直
    角方向に入力される流体封入式筒型エンジンマウントで
    あって、 前記パワーユニット側および車体側の何れか一方に取り
    付けられる内筒金具と、 該内筒金具の外側に、同心的に若しくは偏心して配され
    た、前記パワーユニット側および車体側の何れか他方に
    取り付けられる外筒金具と、 マウントの装着状態下において、前記パワーユニット荷
    重および振動荷重の入力方向に対して直角な方向に前記
    内筒金具を挟んだ両側において、該内筒金具側から前記
    外筒金具側に向かって延び出して位置し、それら内外筒
    金具を弾性的に連結せしめる第一のゴム弾性体と、 該第一のゴム弾性体よりも、前記パワーユニット荷重に
    より前記内筒金具と前記外筒金具とが接近せしめられる
    側に位置して、該内筒金具の軸方向中央部分から該外筒
    金具側に向かって突出形成せしめられた中央突出部材
    と、 該中央突出部材におけるマウント軸方向両側面からマウ
    ント軸直角方向外方に傾斜してマウント軸方向に延び出
    し、前記内筒金具に対して空間を隔てて対向する薄肉の
    横壁部と、それら各横壁部の延出縁部からマウント軸直
    角方向外方に屈曲して延び出す、該横壁部よりも厚肉の
    縦壁部とを含み、且つ該縦壁部の内壁面がそれに対向す
    る前記中央突出部材の側面よりもマウント軸方向におい
    て外方に位置するように構成されていると共に、マウン
    トの装着状態下においては、前記横壁部が振動荷重の入
    力方向に対して直角な方向に延び出した形態となる、マ
    ウント軸直角方向外方に開口するポケット部を内部に形
    成する第二のゴム弾性体と、 該ポケット部の開口が前記外筒金具にて覆蓋されること
    により、前記パワーユニット荷重が及ぼされて内外筒金
    具が接近する側に位置して、前記第二のゴム弾性体の内
    部に形成された、非圧縮性流体が封入せしめられて、前
    記振動荷重の入力時に該第二のゴム弾性体の変形に伴っ
    て内圧変動が惹起される受圧室と、 前記第一のゴム弾性体よりも、前記パワーユニット荷重
    により前記内筒金具と前記外筒金具とが離隔せしめられ
    る側において形成され、且つそれら内筒金具及び受圧室
    とは分離して設けられた、少なくとも一部が可撓性膜に
    て画成されると共に、内部に非圧縮性流体が封入せしめ
    られた容積可変の平衡室と、 前記受圧室と前記平衡室との間に設けられて、それら両
    室間での前記非圧縮性流体の流動を許容するオリフィス
    通路とを、 有することを特徴とする流体封入式筒型エンジンマウン
    ト。
JP1990076976U 1990-07-19 1990-07-19 流体封入式筒型エンジンマウント Expired - Lifetime JP2530624Y2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990076976U JP2530624Y2 (ja) 1990-07-19 1990-07-19 流体封入式筒型エンジンマウント
US07/730,603 US5213313A (en) 1990-07-19 1991-07-16 Fluid-filled cylindrical elastic mount having lateral and radial elastic walls for desired axial and diametric spring characteristics
DE4123892A DE4123892C2 (de) 1990-07-19 1991-07-18 Elastische Lagerung
FR9109182A FR2664954B1 (fr) 1990-07-19 1991-07-19 Support elastique cylindrique a remplissage de fluide ayant des parois elastiques laterales et radiales pour des caracteristiques desirees d'elasticite axiale et diametrale.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990076976U JP2530624Y2 (ja) 1990-07-19 1990-07-19 流体封入式筒型エンジンマウント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0434536U JPH0434536U (ja) 1992-03-23
JP2530624Y2 true JP2530624Y2 (ja) 1997-03-26

Family

ID=31618929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1990076976U Expired - Lifetime JP2530624Y2 (ja) 1990-07-19 1990-07-19 流体封入式筒型エンジンマウント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2530624Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015172423A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 山下ゴム株式会社 液封式防振装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS636248U (ja) * 1986-06-30 1988-01-16
JPH0722510Y2 (ja) * 1987-11-24 1995-05-24 エヌ・オー・ケー・メグラスティック株式会社 液体封入式ブッシュ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0434536U (ja) 1992-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2598969B2 (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JPH03121327A (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JPH03157535A (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JPH0285537A (ja) 流体封入式マウント装置
JP2538463B2 (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JP2530624Y2 (ja) 流体封入式筒型エンジンマウント
JPH0545810B2 (ja)
JP2877940B2 (ja) 筒型マウントおよびその製造方法
JPH0625731Y2 (ja) 流体封入式防振ブッシュ
JP3547542B2 (ja) 流体封入型防振支持装置
JPH0788871B2 (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JP3518451B2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JP3743368B2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JP3846328B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2877941B2 (ja) 筒型マウントおよびその製造方法
JP3777744B2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JPH0625732Y2 (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JP4377019B2 (ja) 防振装置
JPH0647147Y2 (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JPH0716127Y2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JP2814881B2 (ja) 流体封入式マウント用仕切部材
JPH0724675Y2 (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JP3562216B2 (ja) 流体封入式筒形マウント
JP2554378Y2 (ja) 液体封入式筒型マウント
JPH0625728Y2 (ja) 流体封入式筒型マウント装置

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term