JPH0647147Y2 - 流体封入式筒型マウント装置 - Google Patents

流体封入式筒型マウント装置

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JPH0647147Y2
JPH0647147Y2 JP146990U JP146990U JPH0647147Y2 JP H0647147 Y2 JPH0647147 Y2 JP H0647147Y2 JP 146990 U JP146990 U JP 146990U JP 146990 U JP146990 U JP 146990U JP H0647147 Y2 JPH0647147 Y2 JP H0647147Y2
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fluid
metal fitting
chamber
tubular metal
vibration
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慶太 白木
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は、内部に封入された流体の流動に基づいて所定
の防振効果を得るようにした流体封入式筒型マウント装
置に係り、特にかかる流体の流動に基づく防振効果が、
広い周波数域に亘って有効に発揮され得る流体封入式筒
型マウント装置の構造に関するものである。
(背景技術) 従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、
それら両部材を防振連結するマウント装置の一種とし
て、内筒金具と、該内筒金具の外側に所定距離を隔てて
配された外筒金具とを、それらの間に介装されたゴム弾
性体にて一体的に連結せしめてなる構造を有し、主とし
て内外筒金具間に入力される軸直角方向の振動を防振す
るようにした、所謂筒型マウント装置が知られており、
例えば自動車用エンジンマウントやデフマウント、サス
ペンションブッシュ等として、好適に用いられてきてい
る。
また、近年では、特開昭62-196434号公報や特開昭63-17
2035号公報、或いは米国特許第4690389号明細書等に開
示されている如く、かかる筒型マウント装置における内
筒金具と外筒金具との間に、それぞれ所定の非圧縮性流
体が封入された、振動入力時に相対的な内圧変化が生ぜ
しめられる複数の流体室を形成すると共に、それらの流
体室を相互に連通するオリフィス通路を設けることによ
り、内外筒金具間への振動入力時に、かかるオリフィス
通路を通じての流体室間での流体の流動が生ぜしめられ
るようにした構造の、所謂流体封入式の筒型マウント装
置が提案されており、そのオリフィス通路内を流動せし
められる流体の共振作用に基づいて、ゴム弾性体のみで
は得られない優れた防振効果を得ることができることか
ら、その採用が増加してきている。
ところが、このような流体封入式の筒型マウント装置に
おいては、流体の共振作用による防振効果が、そのオリ
フィス通路が予めチューニングされた限られた周波数領
域の入力振動にしか有効には発揮され得ず、そのため
に、例えば、低周波数域の振動入力時に高減衰効果が発
揮され得るように、オリフィス通路をチューニングした
場合には、かかるチューニング周波数よりも高い周波数
域の振動入力時に、該オリフィス通路が実質的に閉塞状
態となり、マウントの高動ばね化が惹起されて防振性能
が著しく低下するといった大きな問題を有していたので
ある。
また、そのような不具合を解消するために、二つの独立
したオリフィス通路を形成し、その一方を、低周波数域
の振動入力時に高減衰効果を発揮するように、他方を、
高周波数域の振動入力時に低動ばね効果を発揮するよう
に、それぞれチューニングすることが考えられる。
しかしながら、そのように相異なるチューニングが施さ
れたオリフィス通路にあっては、内部を流動せしめられ
る流体の共振周波数が高いもの程、通路内における流体
の流動抵抗が小さくなることから、流動抵抗が大きい
方、即ち低周波数側にチューニングされたオリフィス通
路内を流動せしめられる流体の流動量が確保され難く、
その防振効果が充分に得られ難いという問題があったの
であり、それ故、そのような二つのオリフィス通路を形
成したとしても、マウント装置の広い周波数域に亘る防
振特性の向上は、容易には達成され得なかったのであ
る。
(解決課題) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その解決課題とするところは、
互いに異なるチューニングが施された二つのオリフィス
通路を備え、且つそれら各オリフィス通路内を流動せし
められる流体による防振効果が、互いに異なる周波数域
の入力振動に対して何れも有効に発揮され得て、広い周
波数域に亘る入力振動に対して優れた防振性能を有する
流体封入式筒型マウント装置を提供することにある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決すべく、本考案にあっては、
(a)互いに径方向に所定距離を隔てて配された、それ
ぞれ防振連結されるべき部材に対して取り付けられる内
筒金具および外筒金具と、(b)該内筒金具と該外筒金
具との間に介装されて、それら両金具を一体的に連結す
るゴム弾性体と、(c)前記内筒金具と前記外筒金具と
の間に形成されて、内部に所定の非圧縮性流体が封入せ
しめられた、前記ゴム弾性体の弾性変形に基づき、前記
内外筒金具間への入力振動が及ぼされて内圧変動が生ぜ
しめられる受圧室と、(d)前記内筒金具と前記外筒金
具との間において、前記受圧室に対して独立して形成さ
れた、壁部の少なくとも一部が第一の可撓性膜にて構成
されて、該第一の可撓性膜の弾性変形に基づいて内圧変
動が吸収される容積可変の第一の平衡室と、(e)前記
受圧室と該第一の平衡室とを互いに連通せしめて、それ
ら両室間での流体の流動を許容する第一のオリフィス通
路と、(f)前記第一の平衡室に対して、前記第一の可
撓性膜を挟んで反対側に位置して形成された、外部空間
に連通せしめられてなる第一の空気室と、(g)前記内
筒金具と前記外筒金具との間において、前記受圧室およ
び前記第一の平衡室に対してそれぞれ独立して形成され
た、壁部の少なくとも一部が第二の可撓性膜にて構成さ
れて、該第二の可撓性膜の弾性変形に基づいて内圧変動
が吸収される容積可変の第二の平衡室と、(h)前記受
圧室と該第二の平衡室とを互いに連通せしめて、それら
両室間での流体の流動を許容する、前記第一のオリフィ
ス通路よりも断面積/長さの比が大きい第二のオリフィ
ス通路と、(i)前記第二の平衡室に対して、前記第二
の可撓性膜を挟んで反対側に位置して形成された、所定
容積の密閉された第二の空気室とを、有する流体封入式
筒型マウント装置を、その特徴とするものである。
(実施例) 以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考
案の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
ることとする。
先ず、第1図及び第2図には、本考案の一実施例とし
て、本考案をFF型自動車のエンジンマウントに対して適
用したものの具体例が示されている。これらの図におい
て、10及び12は、それぞれ内筒金具及び外筒金具であっ
て、互いに径方向に所定量偏心して配置されており、そ
れらの間に介装された、全体として略円筒形状を呈する
ゴム弾性体14によって、弾性的に連結されている。
そして、かかるエンジンマウントにあっては、内筒金具
10及び外筒金具12において、車体側及びエンジンを含む
パワーユニット側の各一方に取り付けられて、パワーユ
ニットを車体に対して防振支持せしめるようになってお
り、また、かかる取付状態下においては、パワーユニッ
トの負荷重量が、それら内外筒金具10、12の偏心方向に
及ぼされ、ゴム弾性体14が弾性変形せしめられることに
よって、それら両金具10、12が、略同心的に位置せしめ
られることとなる(第9図参照)。また、かかるエンジ
ンマウントにあっては、内筒金具10と外筒金具12との偏
心方向(第1図中、上下方向)に入力される振動を主と
して防振するものであり、かかる防振すべき振動の入力
に対して、ゴム弾性体14は、専らそれら両金具10、12の
偏心方向に変形せしめられることとなる。
ここにおいて、前記内筒金具10は、比較的厚肉の円筒形
状をもって形成されており、その径方向外側には、所定
距離を隔てて、略薄肉円筒形状の金属スリーブ16が、所
定量偏心して位置せしめられている。そして、第3図及
び第4図に示されている如く、これら内筒金具10と金属
スリーブ16との間において、前記ゴム弾性体14が介装さ
れており、該ゴム弾性体14が、内筒金具10の外周面と金
属スリーブ16の内周面とに、それぞれ加硫接着された一
体加硫成型品として形成されている。
また、かかるゴム弾性体14には、内筒金具10と金属スリ
ーブ16との偏心方向における離間距離の小なる側におい
て、金属スリーブ16の内周面に沿って周方向に略半周に
亘って延びる、略円弧状断面の貫通空所18が、軸方向に
貫通して形成されている。そして、それによってかかる
ゴム弾性体14は、実質的に、内筒金具10と金属スリーブ
16との偏心方向における離間距離が大なる側においての
み、それら両金具10、16を弾性的に連結するようにして
存在せしめられており、前述の如き、装着状態下に及ぼ
されるパワーユニットの重量によって該ゴム弾性体14に
生ぜしめられる引張応力が低減され得るようになってい
る。
さらに、該ゴム弾性体14内には、上記貫通空所18に対し
て内筒金具10を挟んで径方向に対向する位置、換言すれ
ば内筒金具10と金属スリーブ16との偏心方向における離
間距離の大なる側において、金属スリーブ16に形成され
た窓部22を通じて外周面上に開口するポケット部24が形
成されている。
また一方、前記金属スリーブ16にあっては、その軸方向
の中央部が、周方向全周に亘って幅広の凹溝状に縮径さ
れて、小径部30とされている。そして、特に、かかる小
径部30における、内筒金具10と金属スリーブ16との偏心
方向における離間距離が小なる側に位置する部位には、
更に深絞り加工が施されることによって、前記貫通空所
18内に入り込む凹陥状の凹所32が形成されていると共
に、かかる凹所32の周方向両端部を接続するように、小
径部30を底部とする周方向に延びる周溝34が形成されて
いる。
更にまた、かかる一体加硫成形品における貫通空所18内
には、第1図及び第2図に示されているように、ゴム材
料にて形成されてなる湾曲板形状を呈するリバウンドス
トッパ28が、挿入状態下に配設され、その長手方向一端
側に設けられた取付部26において、内筒金具10の軸方向
端部に外嵌固定せしめられることにより、内筒金具10側
に一体的に取り付けられている。
そして、このような構造とされた一体加硫成形品には、
必要に応じて、金属スリーブ16に縮径加工が施されてゴ
ム弾性体14に予備圧縮が加えられた後、第1図及び第2
図に示されているように、金属スリーブ16における凹所
32および周溝34内に対して、共に略半円筒形状を呈する
第一のオリフィス金具36と第二のオリフィス金具38と
が、それぞれ、前記内筒金具10と金属スリーブ16との偏
心方向両側から嵌入されて円筒状に組み付けられ、更に
その後、かかる金属スリーブ16の外周面に対して、前記
外筒金具12が外嵌固定せしめられている。なお、かかる
外筒金具12の内周面には、その略全面に亘ってシールゴ
ム層40が、一体的に設けられている。
そこにおいて、かかる第一のオリフィス金具36にあって
は、第5図及び第6図にも示されているように、半円筒
形状を有しており、その周方向略中央部位において、そ
れぞれ厚さ方向に貫通する第一の連通孔42および第二の
連通孔44が設けられている。また、その周方向一端側か
ら略2/3周に亘る部分の外周面には、該第一の連通孔42
の形成部位から渦巻状に延びて周方向端部にまで至る第
一の凹溝46が形成されている一方、周方向他端側から略
1/3周に亘る部分の外周面には、第二の連通孔44の形成
部位から直線状に延びて周方向端部にまで至る第二の凹
溝48が形成されている。
また、第二のオリフィス金具38にあっては、第7図及び
第8図にも示されているように、半円筒形状を有してお
り、且つその周方向中央部位には、内方に向かって突出
する隔壁50が一体的に設けられている。また、かかる隔
壁50を挟んで周方向両側に位置する部分には、それぞれ
略矩形状を呈する第一の切欠窓52および第二の切欠窓54
が、形成されていると共に、周方向両端部には、それぞ
れ周方向に所定長さで延びる第一の切欠部56および第二
の切欠部58が形成されている。更に、かかる第二のオリ
フィス金具38には、上記第一及び第二の切欠窓52、54に
対し、それらを内側から覆蓋するようにして、可撓性膜
としての薄肉ゴム膜からなる第一及び第二のダイヤフラ
ム60、62が、それぞれの周縁部において一体的に加硫接
着されており、それによってそれら第一及び第二の切欠
窓52、54の開口が、閉塞せしめられている。
そして、第1図及び第2図に示されている如く、このよ
うな構造とされた第一及び第二のオリフィス金具36、38
および外筒金具12が、前記一体加硫成形品に対して組み
付けられることによって、該一体加硫成形品におけるポ
ケット部24の開口が、第一のオリフィス金具36にて覆
蓋、密閉されており、以て該ポケット部24の内部におい
て、内外筒金具間への振動入力時に、ゴム弾性体14の弾
性変形に基づいて内圧変動が惹起される受圧室64が形成
されているのである。
また、かかる一体加硫成形品における凹所32にあって
は、その開口が、第二のオリフィス金具38にて覆蓋、密
閉されると共に、該第二のオリフィス金具38に設けられ
た隔壁50によって、その内部が周方向両側に二分されて
おり、以て該凹所32の内部において、該隔壁50を挟んだ
両側に、第一の平衡室66および第二の平衡室68が、互い
に独立して、それぞれ形成されている。また、これら第
一及び第二の平衡室66、68にあっては、それぞれ、壁部
の一部が第一のダイヤフラム60および第二のダイヤフラ
ム62によって構成されていることにより、かかるダイヤ
フラム60、62の変形に基づいて容積変化が許容されて、
内圧変動が吸収、軽減され得るようになっている。
更にまた、上記第一の平衡室66に対して、第一のダイヤ
フラム60を挟んで反対側に位置する部分、即ち第一のダ
イヤフラム60と外筒金具12との間には、第一の空気室70
が形成されており、且つかかる第一の空気室70内は、外
筒金具12に設けられた貫通孔72を通じて、外部空間に連
通せしめられている。即ち、上記第一の平衡室66にあっ
ては、この貫通孔72を通じての空気の給排による第一の
空気室70内の容積変化に基づいて第一のダイヤフラム60
の弾性変形が許容されることにより、その内部の容積変
化が許容され得るようになっているのである。
また一方、上記第二の平衡室68に対して、第二のダイヤ
フラム62を挟んで反対側に位置する部分、即ち第二のダ
イヤフラム62と外筒金具12との間には、第二の空気室74
が形成されており、且つかかる第二の空気室74内は、所
定容積を有する、外部空間に対して密閉された閉鎖空間
とされている。即ち、上記第二の平衡室68にあっては、
この第二の空気室74内に封入された空気の圧縮/膨張に
よる該第二の空気室74内の容積変化に基づいて第二のダ
イヤフラム62の弾性変形が許容されることにより、その
内部の容積変化が許容され得るようになっているのであ
る。
また、このようにして形成された受圧室64および第一及
び第二の平衡室66、68の内部には、それぞれ、水やアル
キレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコ
ーン油等の所定の非圧縮性流体が封入せしめられてい
る。なお、かかる流体の封入は、例えば、前記一体加硫
成形品に対するオリフィス金具36、38および外筒金具12
の組付けを、流体中で行なうこと等によって、有利に為
され得ることとなる。
更にまた、前記第一のオリフィス金具36に設けられた第
一及び第二の凹溝46、48にあっては、それらの開口が外
筒金具12にて覆蓋されている。そして、それによって、
該第一の凹溝46内において、上記受圧室64内を、第二の
オリフィス金具38に設けられた第一の切欠部56を通じ
て、第一の平衡室66内に連通し、それら両室64、66間で
の流体の流動を許容する第一のオリフィス通路76が形成
されている。また一方、第二の凹溝48内には、上記受圧
室64内を、第二のオリフィス金具38に設けられた第二の
切欠部58を通じて、第二の平衡室68内に連通し、それら
両室64、68間での流体の流動を許容する第二のオリフィ
ス通路78が形成されている。
また、そこにおいて、かかる第二のオリフィス通路78
は、第6図からも明らかなように、第一のオリフィス通
路76よりも大きな流路断面積と短い流路長さとをもって
形成されて、断面積/長さの比が大きく設定されてお
り、それによって、該第二のオリフィス通路78内を流動
せしめられる流体の共振周波数が、第一のオリフィス通
路76内を流動せしめられる流体の共振周波数よりも、所
定量だけ高くなるようにチューニングされているのであ
る。なお、本実施例では、特に、第一のオリフィス通路
76内を流動せしめられる流体の共振作用によって、シェ
イクやバウンス等に相当する10Hz前後の低周波振動に対
する高減衰効果が、また第二のオリフィス通路78内を流
動せしめられる流体の共振作用によって、アイドリング
振動に相当する20〜30Hz程度の高周波振動に対する低動
ばね効果が、それぞれ発揮され得るようにチューニング
されている。
而して、このような構造とされたエンジンマウントにあ
っては、前述の如く、その内筒金具10が車体側に、外筒
金具12がエンジンユニット側に、それぞれ取り付けられ
ることにより、第9図に示されている如く、それら内外
筒金具10、12間にエンジンユニット重量が及ぼされた状
態で、エンジンユニットと車体との間に介装せしめられ
ることとなる。
そして、かかる装着状態下、その内筒金具10と外筒金具
12との間に対して振動が入力されると、受圧室64と第一
及び第二の平衡室66、68との間に惹起される相対的な内
圧変動に基づいて、第一及び第二のオリフィス通路76、
78内を流体が流動せしめられることとなるが、そこにお
いて、上述の如き構造とされたエンジンマウントにあっ
ては、入力振動に応じて、それら第一及び第二のオリフ
ィス通路76、78内を流動せしめられる流体による防振効
果が、何れも有効に、且つ択一的に発揮され得ることと
なるのである。
より具体的には、第一のオリフィス通路76を通じて受圧
室64に連通せしめられた第一の平衡室66にあっては、そ
の壁部の一部を構成する第一のダイヤフラム60の変形を
許容する第一の空気室70内が、貫通孔72を通じて外部空
間に連通されており、該第一のダイヤフラム60の自由な
変形が許容され得るようになっていることから、大きな
容積変化も容易に許容され得ることとなるが、一方、第
二のオリフィス通路78を通じて受圧室64に連通せしめら
れた第二の平衡室68にあっては、その壁部の一部を構成
する第二のダイヤフラム62の変形を許容する第二の空気
室74内が、密閉空間とされて、そこに封入された空気の
圧力により、該第二のダイヤフラム62に対して変形抵抗
が及ぼされるようになっていることから、特に大きな容
積変化に対しては抵抗力が発揮されることとなる。
そして、それ故、第一及び第二のオリフィス通路76、78
内を流動せしめられる流体の流動抵抗に関して、それら
オリフィス通路76、78の流路形態だけをみれば、第一の
オリフィス通路76よりも、断面積/長さの比が大きく設
定された第二のオリフィス通路78の方が極めて小さいの
であるが、それら第一及び第二のオリフィス通路76、78
にて連通せしめられた第一及び第二の平衡室66、68にお
ける容積変化に対する抵抗力を考慮すれば、特に大振幅
の振動入力時においては、第二のオリフィス通路78内を
流動せしめられる流体の流動抵抗が、見掛け上、大きな
値を示すこととなり、第一のオリフィス通路76内を流動
せしめられる流体の流動抵抗と略同一、或いはそれより
も大きな値をもつこととなるのである。
従って、かくの如き構造とされたエンジンマウントにあ
っては、シェイクやバウンス等に相当する低周波大振幅
振動の入力時には、第二の平衡室68における容積変化に
対する抵抗力により、第二のオリフィス通路78における
見掛け上の流動抵抗が高くなることから、第一のオリフ
ィス通路76を通じての流体の流動が有利に生ぜしめられ
ることとなるのであって、それにより、該第一のオリフ
ィス通路76内を流動せしめられる流体の共振作用に基づ
いて、優れた減衰効果が発揮され得るのである。
また一方、アイドリング振動に相当する高周波小振幅振
動の入力時には、第一のオリフィス通路76内を流動せし
められる流体の流動抵抗が、流体の共振現象によって著
しく増大して、該第一のオリフィス通路76が実質的に閉
塞化することに加え、入力振動が小振幅であるが故に、
第二の平衡室68における容積変化に対する抵抗力が比較
的小さいことから、第二のオリフィス通路78を通じての
流体の流動が有利に生ぜしめられることとなるのであっ
て、それにより、該第二のオリフィス通路78内を流動せ
しめられる流体の共振作用に基づいて、優れた低動ばね
効果が発揮され得るのである。
そして、それ故、上述の如きエンジンマウントにあって
は、オリフィス通路の特別な切換機構を何等必要とする
ことなく、互いに異なるチューニングが施された第一の
オリフィス通路76および第二のオリフィス通路78内を流
動せしめられる流体による防振効果が、入力振動に応じ
て、何れも有効に発揮され得るのであり、それによっ
て、従来技術では達成が極めて困難であった、シェイク
やバウンス等の低周波振動に対する高減衰特性と、アイ
ドリング振動等の高周波振動に対する低動ばね特性と
の、二律背反していた要求特性が、極めて有利に且つ簡
単な構造をもって、共に達成され得たのであって、そこ
に極めて大きな技術的効果が存するのである。
なお、上述の説明から明らかなように、第二の空気室70
の容積は、第一のオリフィス通路76内を流動せしめられ
る流体による防振効果が要求される振動入力時に、該第
一のオリフィス通路76内における流体の流動量が充分に
確保され得るだけの、見掛け上の流動抵抗を、第二のオ
リフィス通路78内を流動せしめられる流体に対して与え
得るように、マウントの要求特性やオリフィス通路76、
78の形状、平衡室66、68の容積、或いはダイヤフラム6
0、62の弾性等を考慮して、適宜設定されることとな
る。
因みに、上述の如き構造とされたエンジンマウントにつ
いて、その防振特性を測定した結果を、第10図及び第11
図に示す。また、単一のオリフィス通路を備えてなる、
従来構造の流体封入式筒型マウントについても、同様な
実験を行ない、その結果を、かかる第10図及び第11図中
に、比較例として併せ示すこととする。
これら第10図及び第11図中に示された実測結果からも、
本実施例におけるエンジンマウントが、シェイクやバウ
ンス等に相当する10Hz前後の入力振動に対する高減衰効
果と共に、アイドリング振動に相当する20〜30Hz程度の
入力振動に対する低動ばね効果を、併せ備えていること
が容易に理解されるところである。
また、本実施例におけるエンジンマウントにあっては、
第一のオリフィス通路76が、渦巻状形態をもって形成さ
れていることから、長い流路長さが極めて有効に確保さ
れ得るのであり、それによって低周波振動に対する高減
衰効果が、より有効に発揮され得るといった効果をも有
しているのである。
以上、本考案の実施例について詳述してきたが、これは
文字通りの例示であって、本考案は、かかる具体例にの
み限定して解釈されるものではない。
例えば、第一及び第二のオリフィス通路76、78の具体的
構造は、何等限定されるものではなく、マウント周方向
に螺旋状形態をもって一周以上の長さで延びるオリフィ
ス通路等、公知の各種の構造が採用され得る。
また、平衡室66、68の具体的構造としても、例示の如き
構造に限定されるものでは決してなく、例えば、ダイヤ
フラム60、62と外筒金具12との間に第一及び第二の平衡
室を形成する一方、それらダイヤフラム60、62と金属ス
リーブ16との間に第一及び第二の空気室を形成すること
も可能である。
さらに、第一及び第二のオリフィス通路76、78のチュー
ニングは、マウントに要求される防振特性に応じて決定
されることは、言うまでもなく、例えば、第二のオリフ
ィス通路76を、その内部を流動せしめられる流体の共振
作用によって、アイドリング振動よりも更に高周波数域
である、こもり音等に相当する100Hz前後の高周波振動
に対する低動ばね効果を発揮し得るようにチューニング
することも可能である。
加えて、前記実施例においては、本考案を自動車用エン
ジンマウントに対して適用したものの一例を示したが、
その他、ボデーマウントやサスペンションブッシュ、或
いは自動車以外の各種装置におけるマウント装置に対し
ても、有利に適用され得るものであることは、勿論であ
る。
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識
に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において実施され得るものであり、またそのような実施
態様が、本考案の主旨を逸脱しない限り、何れも、本考
案の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもな
いところである。
(考案の効果) 上述の説明から明らかなように、本考案に従えば、互い
に異なるチューニングが施された第一及び第二のオリフ
ィス通路における、断面積/長さの比の違いに起因する
流体の流動抵抗の差が、第一及び第二の空気室によって
及ぼされる、第一及び第二の平衡室における容積変化に
対する抵抗力の差に基づいて、効果的に軽減乃至は解消
され得ることとなる。
そして、それ故、本考案に係るマウント装置において
は、それら第一及び第二のオリフィス通路のうち、断面
積/長さの比が小さく設定された第一のオリフィス通路
にあっても、その内部を流動せしめられる流体量が有利
に確保され得るのであり、それによって低周波数域の振
動入力時には、該第一のオリフィス通路内を流動せしめ
られる流体による防振効果が有効に発揮され得ることと
なると共に、高周波数域の振動入力時には、該第一のオ
リフィス通路が、流体の共振現象によって実質的に閉塞
化せしめられることから、第二のオリフィス通路内を流
動せしめられる流体による防振効果が有効に発揮され得
るのである。
また、特に、本考案に係るマウント装置にあっては、上
述の如く互いに異なるチューニングが施された第一及び
第二のオリフィス通路による防振効果が、何等特別な切
換機構を必要とすることなく、入力振動に応じて択一的
に発揮され得ることとなるところから、広い周波数域に
亘って優れた防振効果を発揮し得るマウント装置が、極
めて簡略な構造をもって実現され得るという効果をも有
しているのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に従う構造とされたエンジンマウント
の一実施例を示す横断面図であり、第2図は、第1図に
おけるII-II断面図である。また、第3図は、第1図に
示されているエンジンマウントを構成する一体加硫成形
品を示す横断面図であり、第4図は、第3図におけるIV
-IV断面図である。更に、第5図は、第1図に示されて
いるエンジンマウントを構成する第一のオリフィス金具
を示す断面図であり、第6図は、第5図におけるa矢視
展開図である。更にまた、第7図は、第1図に示されて
いるエンジンマウントを構成する第二のオリフィス金具
を示す断面図であり、第8図は、該第二のオリフィス金
具の平面図である。また、第9図は、第1図に示されて
いるエンジンマウントの車両への装着状態を示す断面説
明図である。更にまた、第10図及び第11図は、それぞ
れ、第1図に示されている如き構造のエンジンマウント
における防振特性を測定した結果を、比較例と共に示す
グラフである。 10:内筒金具、12:外筒金具 14:ゴム弾性体、16:金属スリーブ 36:第一のオリフィス金具 38:第二のオリフィス金具 50:隔壁 60:第一のダイヤフラム 62:第二のダイヤフラム 64:受圧室、66:第一の平衡室 68:第二の平衡室、70:第一の空気室 72:貫通孔、74:第二の空気室 76:第一のオリフィス通路 78:第二のオリフィス通路

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに径方向に所定距離を隔てて配され
    た、それぞれ防振連結されるべき部材に対して取り付け
    られる内筒金具および外筒金具と、 該内筒金具と該外筒金具との間に介装されて、それら両
    金具を一体的に連結するゴム弾性体と、 前記内筒金具と前記外筒金具との間に形成されて、内部
    に所定の非圧縮性流体が封入せしめられた、前記ゴム弾
    性体の弾性変形に基づき、前記内外筒金具間への入力振
    動が及ぼされて内圧変動が生ぜしめられる受圧室と、 前記内筒金具と前記外筒金具との間において、前記受圧
    室に対して独立して形成された、壁部の少なくとも一部
    が第一の可撓性膜にて構成されて、該第一の可撓性膜の
    弾性変形に基づいて内圧変動が吸収される容積可変の第
    一の平衡室と、 前記受圧室と該第一の平衡室とを互いに連通せしめて、
    それら両室間での流体の流動を許容する第一のオリフィ
    ス通路と、 前記第一の平衡室に対して、前記第一の可撓性膜を挟ん
    で反対側に位置して形成された、外部空間に連通せしめ
    られてなる第一の空気室と、 前記内筒金具と前記外筒金具との間において、前記受圧
    室および前記第一の平衡室に対してそれぞれ独立して形
    成された、壁部の少なくとも一部が第二の可撓性膜にて
    構成されて、該第二の可撓性膜の弾性変形に基づいて内
    圧変動が吸収される容積可変の第二の平衡室と、 前記受圧室と該第二の平衡室とを互いに連通せしめて、
    それら両室間での流体の流動を許容する、前記第一のオ
    リフィス通路よりも断面積/長さの比が大きい第二のオ
    リフィス通路と、 前記第二の平衡室に対して、前記第二の可撓性膜を挟ん
    で反対側に位置して形成された、所定容積の密閉された
    第二の空気室とを、 有することを特徴とする流体封入式筒型マウント装置。
JP146990U 1990-01-10 1990-01-10 流体封入式筒型マウント装置 Expired - Lifetime JPH0647147Y2 (ja)

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