JP3846328B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、内部に封入された流体の流動作用等に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、例えば自動車用エンジンマウントやボデーマウント,デフマウント,サスペンションブッシュ等として好適に用いられ得る流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体や防振支持体の如き防振装置の一種として、例えば実公平4−43636号公報等に記載されているように、インナ軸部材の外周側に離隔してアウタ筒金具を配設せしめて、それらインナ軸部材とアウタ筒金具を両部材の軸直角方向対向面間に配設した本体ゴム弾性体で連結すると共に、オリフィス通路によって相互に連通せしめられた複数の流体室をインナ軸部材とアウタ筒金具の間に形成して、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置が知られている。
【0003】
また、このような防振装置においては、防振特性のチューニングに際してオリフィス通路の長さや断面積の設計自由度を有利に確保するために、前記公報にも記載されているように、複数の流体室を跨ぐようにしてアウタ筒金具の内周面に沿って周方向に延びる略環状のオリフィス部材が好適に採用せしめられ、それによって、アウタ筒金具の内周面に沿って周方向に一周近く或いは一周以上の長さで延びるオリフィス通路が形成可能とされる。
【0004】
ところで、従来構造の防振装置では、前記公報にも記載されているように、一般に、本体ゴム弾性体の外周面に対して中間スリーブを加硫接着すると共に、該中間スリーブに設けた複数の開口窓を通じてそれぞれ外周面に開口する複数のポケット部を形成し、中間スリーブにアウタ筒金具を嵌着固定して開口窓を覆蓋せしめることによって複数の流体室が形成されるようになっている。そして、中間スリーブの軸方向中央部分が小径とされて、該小径部に筒状のオリフィス部材が収容配置される一方、中間スリーブの軸方向両端部分が大径とされて、それら一対の大径部に対してアウタ筒金具が外嵌固定されており、大径部に対するアウタ筒金具の外嵌固定部位において封入流体の液密性が高度に実現されるようになっている。
【0005】
ところが、このような防振装置においては、中間スリーブの軸方向中央部分に組み付けられる筒状のオリフィス部材の内径寸法よりも、中間スリーブの軸方向両端部分が大径とされていることから、オリフィス部材を中間スリーブに組み付けるに際して中間スリーブの軸方向端部から外挿することが現実的に不可能となる。そのために、前記公報に記載されているように、オリフィス部材を周方向で半周以下となるように分割形成して、それら複数の分割体を各別に径方向に嵌め込んで組み付ける必要があったのであり、オリフィス部材の部品点数が増加して組付けが面倒で、構造も複雑となり、目的とする防振装置の製造が難しいという問題があった。
【0006】
なお、中間スリーブにおける大径部を軸方向一端部分にだけ形成して、大径部が形成されていない小径の軸方向他端部分から筒状のオリフィス部材を外挿せしめると共に、このオリフィス部材を介して、中間スリーブにアウタ筒金具を外嵌固定せしめるようにすることも考えられるが、オリフィス部材に対して縮径加工を施すことが難しいことから、中間スリーブとオリフィス部材の嵌着面間のシール性を安定して確保することが困難であるという問題がある。また、特に本体ゴム弾性体の加硫成形後に予圧縮を加えるために中間スリーブに縮径加工を施す場合には、中間スリーブの外径寸法や形状の精度を高度に得ることが難しいことから、要求される流体密性や製作性等が有効に発揮され難いという問題があったのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、周方向に半周以上の長さで延びる略筒形のオリフィス部材を分割構造とすることなく、中間スリーブに対して軸方向に外挿して容易に組み付けることが出来ると共に、中間スリーブとアウタ筒金具の間のシール性も有利に確保されて高度な流体密性が発揮され得る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0009】
すなわち、本発明の第一の態様は、(a)インナ軸部材と、(b)軸方向一方の端部に大径の嵌着筒部が一体形成されると共に、軸方向中間部分において周方向に所定長さで延びる開口窓が周方向に離隔位置して複数形成されて、前記インナ軸部材の外周側に離隔配置された中間スリーブと、(c)前記インナ軸部材と前記中間スリーブの軸直角方向対向面間に配設されてそれらインナ軸部材と中間スリーブを弾性的に連結せしめると共に、該中間スリーブの前記各開口窓を通じて外周面に開口する複数のポケット部が形成された本体ゴム弾性体と、(d)軸方向一方の端部が前記中間スリーブの前記嵌着筒部に外嵌固定されて該中間スリーブに外挿状態で組み付けられることにより、前記本体ゴム弾性体における前記複数のポケット部を覆蓋せしめてそれぞれ非圧縮性流体が封入された複数の流体室を形成するアウタ筒部材と、(e)半周以上の周方向長さを有する筒形状とされて前記中間スリーブに外挿せしめられることにより軸方向一方の端部が前記開口窓にまで延び出して配設されると共に、軸方向他方の端部が前記中間スリーブにおける前記嵌着筒部と反対側の軸方向端部と前記アウタ筒部材の間で全周に亘って挟持固定されて組み付けられ、前記複数の流体室を相互に連通せしめるオリフィス通路を形成する筒状オリフィス部材と、(f)前記中間スリーブにおける前記開口窓の開口縁部において前記本体ゴム弾性体を該中間スリーブの内周側から外周側にまで延び出させて該中間スリーブの外周面よりも径方向外方に突出させることによって形成された、前記筒状オリフィス部材の内周面に圧接されるシール突条とを、有する流体封入式防振装置を特徴とする。
【0010】
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、アウタ筒部材に対して直接に嵌着固定される中間スリーブの大径部が軸方向一方の端部にだけ形成されていることから、大径部が形成されていない軸方向他方の端部から筒状オリフィス部材を中間スリーブに外挿して組み付けることが出来るのであり、それ故、周方向に半周以上の長さで延びる筒状オリフィス部材を、分割構造とすることなく組み付けることが可能となって、部品点数が抑えられて構造が簡略化されると共に、製造も容易となるのである。
【0011】
しかも、筒状オリフィス部材の内周面と中間スリーブの嵌着面においては、開口窓の開口縁部に突出形成されたシール突条が筒状オリフィス部材の内周面に圧接されていることにより良好な流体密性が発揮されて、かかる嵌着面を通じての非圧縮性流体のリークや、それに起因するオリフィス通路の短絡等の問題が効果的に抑えられるのである。
【0012】
なお、中間スリーブの開口窓の開口縁部に形成されるシール突条は、開口窓の形状の他、流体室や筒状オリフィス部材の形状等を考慮して、開口窓の開口縁部における適宜の箇所に適当な周方向長さで設けることが可能である。そこにおいて、より好ましくは、中間スリーブにおける開口窓の周方向の全長に亘ってシール突条を形成することにより、一層優れた流体密性が発揮され得る。また、筒状オリフィス部材は、周方向の全周に亘って延びる筒形状であっても良いし、周方向に一周に満たない略C字形の略筒形状であってもよい。また、筒状オリフィス部材は、その軸方向一方の端部が中間スリーブの開口窓の軸方向中間部分に至る軸方向長さで形成されていても良いし、中間スリーブの開口窓を軸方向に跨いで中間スリーブの大径部近くまで至る軸方向長さで形成されていても良い。特に、筒状オリフィス部材の軸方向一方の端部が中間スリーブの開口窓の軸方向中間部分までしか至らず、筒状オリフィス部材が、その軸方向他方の端部だけで中間スリーブとアウタ筒部材の間で挟圧保持された略片持固定構造であっても、中間スリーブの開口窓の開口周縁部において径方向外方に向かって突設されたシール突条が筒状オリフィス部材に押し付けられることと、筒状オリフィス部材の外周面に対してアウタ筒部材が絞り等の縮径加工で外嵌固定されること等により、筒状オリフィス部材の片持固定側の端部におけるシール性も高度に且つ安定して発揮され得るのである。
【0013】
また、封入された非圧縮性流体の封止効果を一層向上させるために、例えば、アウタ筒部材の内周面には略全面に亘ってシールゴム層を形成し、このシールゴム層をアウタ筒部材と筒状オリフィス部材や中間スリーブの嵌着面で挟圧せしめるようにすることが望ましい。
【0014】
更にまた、複数の流体室を相互に連通せしめるオリフィス通路は、例えば、筒状オリフィス部材の外周面に開口して延びる凹溝をアウタ筒部材で覆蓋することによって、有利に形成され得ることとなり、そこにおいて、かかる凹溝には、周方向や軸方向に蛇行や屈曲等した適当な形状を設定することが出来ることから、オリフィス通路の長さや断面積等に関して大きな設計自由度が実現され得るのである。
【0015】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る流体封入式防振装置において、前記アウタ筒部材を略有底円筒形状として、前記インナ軸部材を該アウタ筒部材の開口部から軸方向に入り込むように配設せしめ、該アウタ筒部材の開口端縁部を前記中間スリーブの前記嵌着筒部に外嵌固定すると共に、該アウタ筒部材の底壁部に対して前記筒状オリフィス部材の前記軸方向他方の端部を軸方向に当接させて位置決め支持せしめる一方、前記本体ゴム弾性体と該アウタ筒部材の底壁部の対向面間において非圧縮性流体が封入されて振動入力時に前記複数の流体室との間で相対的な圧力変動が生ぜしめられる軸方向端部流体室を形成し、更に該軸方向端部流体室を複数の流体室の少なくとも一つに連通せしめる第二オリフィス通路を形成したことを、特徴とする。
【0016】
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、軸直角方向の振動入力時には、複数の流体室間でのオリフィス通路を通じての流体流動に基づいて有効な防振効果が発揮されると共に、軸方向の振動入力時には、流体室と軸方向端部流体室の間での第二オリフィス通路を通じての流体流動に基づく防振効果を有効に得ることが可能となる。また、本態様の流体封入式防振装置においては、前述の如く、筒状オリフィス部材と中間スリーブの嵌着面間を通じてのリークに起因する第二オリフィス通路の短絡が、中間スリーブの開口窓の開口縁部に突設されたシール突条で高度に防止されることから、第二オリフィス通路を流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果が、通路の短絡によって阻害されることなく有効に且つ安定して発揮され得るのである。更にまた、本態様では、筒状オリフィス部材の軸方向他方の端部がアウタ筒部材の底壁部で当接位置決めされることから、筒状オリフィス部材の組付状態の位置安定化が図られて、上述の如き、筒状オリフィス部材とアウタ筒部材の間および筒状オリフィス部材と中間スリーブの間における流体密性がより安定して発揮され得ることとなる。なお、第二オリフィス通路は、筒状オリフィス部材を利用して形成することが可能であり、それによって、少ない部品点数と簡単な構造をもって第二オリフィス通路が有利に実現され得る。
【0017】
また、本発明の第三の態様は、前記第一の態様に係る流体封入式防振装置において、前記アウタ筒部材を略有底円筒形状として、前記インナ軸部材を該アウタ筒部材の開口部から入り込むように配設せしめ、該アウタ筒部材の開口端縁部を前記中間スリーブの前記嵌着筒部に外嵌固定すると共に、該アウタ筒部材の底壁部に対して前記筒状オリフィス部材の前記軸方向他方の端部を軸方向に当接させて位置決め支持せしめる一方、該アウタ筒部材の底壁部の少なくとも一部を可撓性膜で構成すると共に、前記本体ゴム弾性体と該アウタ筒部材の底壁部の対向面間に仕切部材を配設して、該仕切部材の一方の側に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室を形成すると共に、該仕切部材の他方の側に壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通せしめる流体流路を形成したことを、特徴とする。
【0018】
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、軸直角方向の振動入力時には、複数の流体室間でのオリフィス通路を通じての流体流動に基づいて有効な防振効果が発揮されると共に、軸方向の振動入力時には、受圧室と平衡室の間での流体流路を通じての流体流動に基づく防振効果を有効に得ることが可能となる。また、かかる流体封入式防振装置においては、インナ軸部材とアウタ筒部材の間に静的荷重が及ぼされた際に受圧室の内圧増大が、平衡室の容積変化によって解消され得ることから、例えば自動車用エンジンマウント等のように装着状態下で静的な支持荷重が及ぼされた状態下でも、所期の防振特性が安定して発揮され得るのである。
【0019】
なお、上述の如き本発明の第一乃至第三の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、中間スリーブの開口窓の開口縁部に突設されたシール突条は、例えば、所定の成形キャビティ内に中間スリーブをセットして本体ゴム弾性体を加硫成形することによって得られた一体加硫成形品において形成し、本体ゴム弾性体の成形体形状としてシール突条を中間スリーブの外周面よりも径方向外方に突出させることによって実現可能であるが、その他、本体ゴム弾性体の加硫成形後にシール突条を形成することも可能である。
【0020】
具体的には、例えば、上述の如き本体ゴム弾性体の一体加硫成形品において、前記シール突条を、中間スリーブの外周面から突出しない形態で、或いは僅かに突出した形態で、形成すると共に、かかる一体加硫成形品の成形後に中間スリーブに対して絞り加工等による縮径を施すことによって、縮径された中間スリーブに対して相対的にシール突条を外周面上に突出させたり、その突出高さを大きくさせたりすることも可能である。
【0021】
特に、本体ゴム弾性体の一体加硫成形品においては、シール突条の外周面を中間スリーブの外周面と略面一となるように形成しておき、加硫成形後に中間スリーブに絞り加工を施すことによって、本体ゴム弾性体に径方向の予圧縮を加えると共に、シール突条を中間スリーブよりも径方向外方に突出させるようにすることが望ましく、それによって、本体ゴム弾性体の加硫成形時における中間スリーブの開口窓部での端部噛み切りを確実に行なうことが可能となって、本体ゴム弾性体が中間スリーブの開口窓から中間スリーブの外周面に不必要に回り込んで、流体室の流体密性を反対に悪化させるような不具合が一層有利に防止され得ることとなる。
【0022】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0023】
先ず、図1〜2には、本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10が、示されている。このエンジンマウント10は、インナ軸部材としてのインナ軸金具12とアウタ筒部材としてのアウタ筒金具14が互いに離隔配置されていると共に、それらインナ軸金具12とアウタ筒金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結された構造を有しており、インナ軸金具12が自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、アウタ筒金具14が自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、本実施形態のエンジンマウント10は、図1中の上下方向が略鉛直上下方向となる状態で装着されることとなり、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいうものとする。
【0024】
より詳細には、インナ軸金具12は、中実小径の円形ロッド形状を有しており、上下方向にストレートに延びる軸方向上端部に対して取付固定部18が一体形成されている。また、インナ軸金具12の軸方向中間部分には、段差付テーパ状部20が設けられており、この段差付テーパ状部20を挟んで、軸方向下部が小径部22とされている一方、軸方向上部が大径部24とされている。
【0025】
また、インナ軸金具12の外周側には、中間スリーブとしての薄肉の大径円筒形状を有する中間筒金具26が、径方向に所定距離を隔てて略同一中心軸上に配設されている。この中間筒金具26は、略全長に亘って軸方向にストレートに延びる小径筒部28の軸方向一方の端部(軸方向上端部)に対して、径方向外方に拡がる段差状部30を介して嵌着筒部としての大径円筒形状を有する大径筒部32を一体的に設けた段付円筒形状とされている。また、中間筒金具26の軸方向中間部分には、径方向一方向で対向位置する部分に開口窓としての一対の窓部36,36が形成されており、各窓部36が、それぞれ、周方向に半周弱の長さで開口せしめられている。なお、各窓部36は、小径筒部28と大径筒部32の各一部の間に跨る軸方向開口幅を有している。
【0026】
そして、インナ軸金具12が、中間筒金具26の軸方向上側開口部から挿し込まれた状態で配設されており、インナ軸金具12における小径部22の全体を径方向外方に離隔して囲む状態で、中間筒金具26が位置せしめられている。なお、インナ軸金具12の取付固定部18は、中間筒金具26から軸方向上方に突出して位置せしめられている一方、小径部22の軸方向下端部は、中間筒金具26の軸方向下端部まで至らない軸方向中間部分に位置せしめられている。
【0027】
さらに、これらインナ軸金具12と中間筒金具26の径方向対向面間には、本体ゴム弾性体16が配設されており、インナ軸金具12と中間筒金具26が弾性的に連結されている。かかる本体ゴム弾性体16は、図3〜4にも示されているように、全体として円形のブロック形状を有しており、その上端面中央から中心軸上に延びるようにしてインナ軸金具12の小径部22と段差付テーパ状部20が差し込まれて、これら小径部22と段差付テーパ状部20の外周面が本体ゴム弾性体16に加硫接着されている。更に、本体ゴム弾性体16の外周面には、中間筒金具26が重ね合わされて加硫接着されている。要するに、本体ゴム弾性体16は、インナ軸金具12と中間筒金具26を備えた一体加硫成形品38として形成されているのである。
【0028】
また、本体ゴム弾性体16には、軸方向下端面中央において、下方に向かって開口する大径の逆すり鉢形状を有する円形凹所40が形成されていると共に、外周面に開口する一対のポケット部42,42が、インナ軸金具12を径方向一方向で挟んだ両側に形成されている。これら一対のポケット部42,42は、それぞれ、開口部に近づくに従って軸方向開口幅が次第に大きくなる拡開形状をもって、周方向に半周弱の長さで形成されており、中間筒金具26に形成された一対の窓部34,34を通じて外周面に開口せしめられている。また、一対のポケット部42,42は、何れも、本体ゴム弾性体16の軸方向中央から軸方向上方に所定量だけ偏倚して形成位置せしめられており、それによって、それぞれ本体ゴム弾性体16によって形成された各ポケット部42の軸方向上壁部44と軸方向下壁部46の肉厚寸法が異ならされて、軸方向上壁部44よりも軸方向下壁部46の方が、全体に亘って厚肉とされている。
【0029】
また、特に本実施形態では、図3にも示されている如く、本体ゴム弾性体16が窓部36の開口縁部よりも所定の長さ:lだけ窓内方に張り出して形成されており、それによって、図5にも示されているように、窓部36の開口縁部には、本体ゴム弾性体16と一体形成され、且つ略一定高さ:lを有する突条予定部50が周方向の実質的に全長に亘って所定幅で延びるようにして形成されている。
【0030】
一方、アウタ筒金具14は、底壁部52と周壁部54を備えた大径の略有底円筒形状とされている。周壁部54は、中間筒金具26よりも大径の円筒形状をもって軸方向に略ストレートに延びており、その軸方向長さが、中間筒金具26と略同じとされている。
【0031】
また一方、アウタ筒金具14の底壁部52には、中央部分に位置して大径の透孔56が形成されている。また、底壁部52における透孔56の開口周縁部には、軸方向下方に向かって突出する円筒形状の保持筒部58が一体形成されている。そして、透孔56内に可撓性膜としてのダイヤフラム60が配設されている。かかるダイヤフラム60は、薄肉のゴム弾性膜からなる略円板形状を有しており、該ダイヤフラム60の外周縁部が保持筒部58に加硫接着されている。これにより、アウタ筒金具14の底壁部52に形成された透孔56が、ダイヤフラム60によって流体密に閉塞されている。なお、ダイヤフラム60は、容易に変形が許容されるように弛みをもって配設されている。また、周壁部54の内周面には、その略全面に亘って、ダイヤフラム60と一体成形された薄肉のシールゴム層62が被着されている。
【0032】
そして、アウタ筒金具14は、その軸方向一方の端部から本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品38に外挿されており、軸方向一方の端部(開口端縁部)が中間筒金具26の大径筒部32に外挿されて八方絞り加工等で縮径されることによって、大径筒部32に嵌着固定されている。また、これによりインナ軸金具12がアウタ筒金具14の開口部から入り込むようにして同一中心軸上に配設されている。なお、中間筒金具26の軸方向下端面は、アウタ筒金具14の底壁部52に当接されており、それによって中間筒金具26がアウタ筒金具14に対して軸方向に位置決めされている。また、中間筒金具26とアウタ筒金具14の嵌着面間には、シールゴム層62が挟圧されてシールされている。
【0033】
而して、アウタ筒金具14が中間筒金具26に外嵌固定されることにより、アウタ筒金具14の周壁部54側の開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に覆蓋されており、以て、アウタ筒金具14の底部分には、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム60の対向面間において、非圧縮性流体が封入された液室64が形成されている。なお、封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油、或いはそれらの混合物などが採用可能であり、特に、後述するオリフィス通路を通じての流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
【0034】
また、かかる液室64には、全体として略円板形状を有する仕切部材66が軸直角方向に広がって配設されている。この仕切部材66は、厚肉円板形状の仕切金具68の上面に、薄肉円板形状の蓋金具70が重ね合わせられることによって形成されており、それら仕切金具68と蓋金具70の外周縁部が、密接状態で重ね合わせられて、アウタ筒金具14の底壁部52と本体ゴム弾性体16の外周縁部の軸方向下端面との間で挟持されることによって、ダイヤフラム60と本体ゴム弾性体16の対向面間に収容配置されている。これにより、液室64が、仕切部材66によって流体密に上下に二分されており、以て、仕切部材66の上側には、受圧室としての主液室72が形成されている一方、仕切部材66の下側には、平衡室としての副液室74が形成されている。主液室72は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されており、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が生ぜしめられるようになっている一方、副液室74は、壁部の一部がダイヤフラム60で構成されて、該ダイヤフラム60の変形に基づいて容積変化が容易に許容されるようになっている。
【0035】
更にまた、仕切金具68には、外周面に開口して外周部分を周方向に延びる凹溝76が一周弱の長さで形成されており、この凹溝76の開口がアウタ筒金具14で流体密に覆蓋されている。これにより、仕切部材66の外周部分を周方向に延び、周方向の一端部が連通孔78を通じて主液室72に接続されると共に、周方向の他端部が連通孔80を通じて副液室74に接続された流体流路82が形成されており、かかる流体流路82を通じて、主液室72と副液室74の間での流体流動が許容されるようになっている。なお、本実施形態では、流体流路82を流動せしめられる流体の共振作用等に基づいてエンジンシェイクに相当する低周波数域で高減衰効果が発揮されるように、流体流路82の長さや断面積等が調節されている。
【0036】
さらに、仕切金具68の中央部分には、上方に開口する円形の中央凹所84が形成されており、この中央凹所84に所定厚さの円板形状を有する可動ゴム板86が収容配置されていると共に、中央凹所84の開口が蓋金具70で覆蓋されている。可動ゴム板86は、中央部分よりも厚肉の環状支持部88を外周縁部に備えており、この環状支持部88を仕切金具68と蓋金具70で挟持されることによって、中央凹所84内で中央部分に所定量の軸方向弾性変形が許容される状態で配設されている。また、仕切金具68と蓋金具70によって形成された中央凹所84の上下両壁部には、複数の透孔90が設けられており、これらの透孔90を通じて、主液室72と副液室74の液圧が、中央凹所84内に配設された可動ゴム板86の上面と下面に及ぼされるようになっている。そして、可動ゴム板86の上下面に及ぼされる主液室72と副液室74の圧力差に基づいて可動ゴム板86が弾性変形せしめられることにより、可動ゴム板86の弾性変形量に対応した量だけ、仕切金具68と蓋金具70にそれぞれ形成された透孔90と中央凹所84を通じての主液室72と副液室74の間での流体流動が、実質的に生ぜしめられることとなり、以て、主液室72の圧力変動が軽減乃至は吸収されるようになっている。特に、本実施形態では、可動ゴム板86の弾性と可動ゴム板86の中央凹所84内面への当接とによって可動ゴム板86の弾性変形量が制限されることにより、こもり音等の高周波小振幅の振動入力時には、主液室72の圧力変動が可動ゴム板86の弾性変形に基づいて有利に吸収乃至は軽減され得る一方、エンジンシェイク等の低周波大振幅の振動入力時には、可動ゴム板86の弾性変形量が制限されることにより、主液室72に有効な圧力変動が惹起されるようになっている。
【0037】
更にまた、アウタ筒金具14が中間筒金具26に外嵌固定されることにより、中間筒金具26の窓部36,36がアウタ筒金具14によって流体密に覆蓋されており、以て、一対のポケット部42,42の開口が覆蓋されて、それぞれ非圧縮性流体が封入された流体室としての一対の作用液室92,92が形成されている。また、これら一対の作用液室92,92には、何れも、主液室72と同様な非圧縮性流体が封入されている。
【0038】
また、アウタ筒金具14と中間筒金具26の軸直角方向対向面間には、筒状オリフィス部材94が収容状態で配設されている。筒状オリフィス部材94は、図6〜9にも示されているように、半周以上の周方向長さ(本実施形態では、略3/4周の周方向長さ)を有する略筒形状を呈しており、合成樹脂や金属等の硬質材により形成されている。また、筒状オリフィス部材94の内径寸法が中間筒金具26における小径筒部28の外径寸法よりも僅かに大きくされている一方、筒状オリフィス部材94の外径寸法が中間筒金具26における大径筒部32の外径寸法と略同じとされている。更にまた、筒状オリフィス部材94は、中間筒金具26における大径筒部32と反対側の軸方向端部から軸方向上側に向かって外挿されて組み付けられており、該筒状オリフィス部材94における軸方向一方の端部としての上端部分96が窓部36に延び出して該窓部36の軸方向中間部分に位置決めされている一方、軸方向他方の端部としての下端部分98が、アウタ筒金具14の底壁部52に当接されて位置決めされつつ、中間筒金具26における小径筒部28の開口側端縁部とアウタ筒金具14の周壁部54の間で全周に亘って挟持固定されて組み付けられている。
【0039】
さらに、筒状オリフィス部材94には、周方向に往復乃至は蛇行等して延びる凹溝100が、外周面に開口して形成されており、この凹溝100の一方の端部が、凹溝100の底壁部に貫設された通孔102を通じて一方の作用液室92に接続されていると共に、凹溝100の周方向他方の端部が、凹溝100の底壁部に貫設された通孔104を通じて他方の作用液室92に接続されている。そして、この凹溝100がアウタ筒金具14の周壁部54で流体密に覆蓋されることにより、一対の作用液室92,92を相互に連通するオリフィス通路106が形成されている。なお、本実施形態では、オリフィス通路106を通じて一対の作用液室92,92間を流動せしめられる流体の共振作用等に基づいて、エンジンシェイク等の低周波振動に対して高減衰効果が発揮されるように、オリフィス通路106の長さや断面積等が調節されている。また、本実施形態において、筒状オリフィス部材94には、適宜の形状や大きさを備える肉抜き穴108が必要に応じて形成されている。
【0040】
また、本実施形態では、筒状オリフィス部材94において、軸方向上端面に開口する矩形状の位置決め用切欠部107,107が形成されている一方、この筒状オリフィス部材94が外嵌される中間筒金具26の外周面には、小径筒部28における一対の窓部36,36の間で大径筒部32から軸方向に突出する係合凸部109,109がゴム弾性体によって固設されている。そして、これら係合凸部109,109に対して筒状オリフィス部材94の位置決め用切欠部107,107が嵌合されることによって、筒状オリフィス部材94が一体加硫成形品38に対して周方向で位置決めされるようになっている。
【0041】
また、特に本実施形態では、筒状オリフィス部材94の中間筒金具26への外挿に際して、予め中間筒金具26に八方絞り等の縮径加工が施されており、中間筒金具26が縮径されることによって、本体ゴム弾性体16に予圧縮が加えられている。即ち、本体ゴム弾性体16に予圧縮を加えることにより、本体ゴム弾性体16の加硫成形に際して本体ゴム弾性体16に惹起される引張応力が軽減乃至は解消されて、耐荷重性能や耐久性の向上が図られているのである。
【0042】
更にまた、中間筒金具26の縮径加工により本体ゴム弾性体16の外周面に縮径力が及ぼされて本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられることにより、本体ゴム弾性体16と一体形成されて窓部36の開口縁部の略全周に亘って被着形成された突条予定部50が、図10にも示されているように、中間筒金具26に対して相対的に径方向外方に突出せしめられることとなる。それにより、窓部36の開口縁部には、該開口縁部よりも窓内方に張り出して、中間筒金具26の外周面よりも径方向外方に突出せしめられた略半円断面のシール突条110が形成されている。そして、かかるシール突条110は、筒状オリフィス部材94が中間筒金具26に外挿されることにより、筒状オリフィス部材94の内周面に圧接されており、それによって、窓部36の開口縁部と筒状オリフィス部材94の嵌着面間の流体密性が高度に確保されるようになっている。
【0043】
更にまた、本実施形態では、窓部36の軸方向上側に位置する開口縁部にもシール突条110が突出形成されており、アウタ筒金具14の中間筒金具26への外嵌固定に際して、シール突条110がアウタ筒金具14の内周面に圧接されることにより、アウタ筒金具14の周壁部54の開口側端縁部と中間筒金具26の大径筒部32の嵌着面間のシール性の向上も図られている。なお、上述の説明からも明らかなように、本実施形態では、シール突条110が窓部36の周方向の実質的に全長に亘って形成されている。
【0044】
そして、このような構造とされたエンジンマウント10は、インナ軸金具12の取付固定部18が、取付孔111に挿通されるボルト(図示せず)によって図示しないパワーユニットに固定される一方、アウタ筒金具14が、外嵌固定された筒形ブラケット112を介して自動車のボデーに固定されることとなり、それによって、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようにされる。なお、インナ軸金具12には、逆カップ状の防塵カバー114が被せられて大径部24に嵌着されており、この防塵カバー114によって筒型ブラケット112の上側開口部が全体に亘って覆われている。
【0045】
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10にあっては、車両への装着状態において、インナ軸金具12とアウタ筒金具14の間に略鉛直方向の振動荷重が入力されると、主液室72と副液室74の間に相対的な圧力差が生ぜしめられることとなる。そして、入力振動がエンジンシェイク等の低周波大振幅振動の場合には、流体流路82を通じて流動する流体の共振作用に基づいて高減衰効果が発揮されると共に、入力振動がこもり音等の高周波小振幅振動の場合には、可動ゴム板86の弾性変形に基づいて主液室72の圧力変動が吸収乃至は軽減されて低動ばね作用による振動絶縁効果が発揮されるのである。
【0046】
また一方、車両装着状態下でインナ軸金具12とアウタ筒金具14の間に略水平方向の振動荷重が入力されると、一対の作用液室98,98間に相対的な圧力差が生ぜしめられることとなり、オリフィス通路106を通じて流動する流体の共振作用に基づいて、かかる振動に対する有効な防振効果が発揮されるのである。
【0047】
そこにおいて、かかるエンジンマウント10にあっては、周方向に半周以上の長さで延びる形状をもって一体形成された筒状オリフィス部材94を、中間筒金具26の軸方向下端部から外挿するだけで、一体加硫成形品38に対して容易に組み付けることが出来るのであり、その結果、エンジンマウント10の製造に際して、筒状オリフィス部材94を分割構造とすることなく組み付けることが出来ることから、部材点数が抑えられて構造が簡略化され得ると共に、組み付け作業性が有利に向上され得るのである。
【0048】
しかも、本実施形態では、筒状オリフィス部材94の上端部分96が窓部36の軸方向中間部分まで延び出して位置せしめられていることから、筒状オリフィス部材94において、オリフィス通路106を十分な長さで設定することが可能とされて、オリフィス通路106のチューニング自由度が一層有利に確保され得るのである。
【0049】
また、筒状オリフィス部材94が外嵌される中間筒金具26には、窓部36,36の各開口縁部にシール突条110が突出形成されており、このシール突条110が筒状オリフィス部材94の内周面に圧接されていることから、筒状オリフィス部材94に八方絞り等の特別な加工を施さなくても、中間筒金具26と筒状オリフィス部材94の嵌着面間の流体密性を高度に確保することが可能となる。それ故、筒状オリフィス部材94と中間筒金具26の嵌着面間を通じてのオリフィス通路106の短絡や封入流体のリーク等が効果的に防止され得て、目的とする防振効果を安定して得ることが出来ると共に、製品の信頼性も高度に確保され得るのである。
【0050】
特に、本実施形態では、シール突条110が、本体ゴム弾性体16に一体形成された突条予定部50を、中間筒金具26に絞り加工を施すことによって中間筒金具26から径方向外方に膨出変形させて形成されるようになっていることから、本体ゴム弾性体16の加硫成形型に対して、シール突条110を成形するための細かな加工を施す必要がなく、加硫成形型の構造や製造が容易とされる。また、本体ゴム弾性体16の加硫成形型に対して、シール突条110を成形するための細かな加工を施す必要がないことから、本体ゴム弾性体16の成形に際しての中間筒金具26の窓部36でのゴム材料の端部噛み切りを確実に行うことが可能となり、本体ゴム弾性体16が中間筒金具26の窓部36から中間筒金具26の外周面に不必要に回り込んで、作用液室92の流体密性を悪化させるような不具合も有利に抑えられ得る。
【0051】
更にまた、本実施形態のエンジンマウント10においては、軸方向振動入力時に相対的な圧力変動が生ぜしめられる主液室72と副液室74が形成されているが、これら主液室72および副液室74における一対の作用液室92,92からの流体密性も、窓部36の開口縁部に突設されたシール突条110が筒状オリフィス部材94に当接されることによって有利に確保され得るのである。
【0052】
次に、図11〜12には、本発明の第二の実施形態としての自動車用エンジンマウント140が示されている。なお、本実施形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0053】
本実施形態のエンジンマウント140では、アウタ筒金具14の底壁部52の中央部分に形成された透孔56に可動ゴム板148が展張状態で配設されている。可動ゴム板148は、所定厚さの円板形状を有しており、外周縁部が透孔56の周縁部に加硫接着されることによって、透孔56が流体密に覆蓋されている。そして、かくの如き配設状態下において、軸方向端部流体室144の内圧と大気圧が可動ゴム板148の上面と下面に及ぼされるようになっており、軸方向の振動荷重の入力によって軸方向端部流体室144に圧力変動が生ぜしめられることに伴い、可動ゴム板148が弾性変形せしめられて軸方向端部流体室144の圧力変動が吸収軽減されるようになっている。なお、可動ゴム板148は、それ自体の弾性に基づいて弾性変形量が制限されることにより、第一の実施形態の可動ゴム板(86)と同様に、高周波小振幅振動の入力時には軸方向端部流体室144の圧力変動を有効に吸収軽減し得るが、低周波大振幅振動の入力時には軸方向端部流体室144に有効な圧力変動が生ぜしめられるようになっている。
【0054】
さらに、本実施形態の筒状オリフィス部材94の軸方向下端部には、図13〜14にも示される如き環状突部150が一体形成されている。この環状突部150は、筒状オリフィス部材94の軸方向下側の開口周縁部から径方向内方に向かって所定長さで突出する内フランジ形状を有しており、その内周縁部が、アウタ筒金具14の底壁部52に形成された透孔56の近くにまで達している。そして、かかる環状突部150は、アウタ筒金具14の底壁部52に密接状態で重ね合わせられており、環状突部150の外周縁部が、中間筒金具26および本体ゴム弾性体16の軸方向下端部とアウタ筒金具14の底壁部52の間で軸方向に挟持されて、アウタ筒金具14に対して固定されていると共に、環状突部150の内周縁部が、軸方向端部流体室144の内部にまで延び出して位置せしめられている。
【0055】
また、筒状オリフィス部材94には、軸方向中間部分を周方向に一周弱の長さで延びるように形成された凹溝152が形成されていると共に、凹溝152の周方向両端部が底壁部に貫設された連通孔154,154を通じて各別の作用液室92,92に連通されている。また、凹溝152の軸方向下方に離隔した位置に、それぞれ周方向に半周弱の長さで延びる一対の分割凹溝156,156が形成されている。これら一対の分割凹溝156,156は、それぞれ、周方向一方の端部において軸方向下方に延び、環状突部150に形成された径方向溝158を通じて、環状突部150の内周縁部に開口せしめられていると共に、周方向他方の端部において底壁部に貫設された連通孔160を通じて筒状オリフィス部材94の内周面に開口せしめられている。
【0056】
そして、筒状オリフィス部材94の筒壁部の外周面と環状突部150の下端面に対してアウタ筒金具14の周壁部54と底壁部52が密接状態で重ね合わせられて、凹溝152が流体密に覆蓋されることにより、一対の作用液室92,92を相互に連通する本実施形態のオリフィス通路106が形成されていると共に、分割凹溝156,156と径方向溝158,158が流体密に覆蓋されることにより、各作用液室92,92をそれぞれ独立して軸方向端部流体室144に連通せしめる二つの第二オリフィス通路162,162が互いに独立して形成されている。
【0057】
また、図面上に明示されていないが、本実施形態の窓部36の開口縁部には、第一の実施形態と同様なシール突条110が被着形成されており、筒状オリフィス部材94を中間筒金具26の軸方向下側から外挿させることに伴い、筒状オリフィス部材94の内周面と中間筒金具26の嵌着面において、シール突条110が筒状オリフィス部材94の内周面に当接されることによって良好なシール性が発揮されるようになっている。
【0058】
なお、本実施形態のエンジンマウント140においては、本体ゴム弾性体16によって形成された軸方向端部流体室144の壁部に対して、インナ軸金具12を一対の作用液室92,92が対向する径方向で挟んだ両側に位置して一対のポケット状の凹所164,164が形成されており、これらの凹所164,164で作用液室92,92の軸方向下壁部の一部が薄肉化されることによって、互いに直交する径方向でのばね比が大きく設定されていると共に、軸方向のばね定数が調節されている。
【0059】
このような構造とされた本実施形態のエンジンマウント140において、軸直角方向の振動荷重が入力された場合には、第一の実施形態のエンジンマウントと同様に、オリフィス通路106を通じての流体流動作用に基づく防振効果が有効に発揮される一方、軸方向の振動荷重が入力された場合には、軸方向端部流体室144と両作用液室92,92の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動に基づいて、第二オリフィス通路162,162を通じての流体流動が生ぜしめられて、これら第二オリフィス通路162,162を流動せしめられる流体の共振作用等に基づく防振効果(高減衰効果)が発揮されることとなる。なお、第二オリフィス通路162のチューニング周波数よりも高周波数域の軸方向振動の入力時には、可動ゴム板148の弾性変形に基づく軸方向端部流体室144の圧力変動の吸収軽減作用が発揮されることとなる。
【0060】
ここにおいて、本実施形態のエンジンマウント140においても、前記第一の実施形態のエンジンマウント(10)と同様に、中間筒金具26の窓部36,36の開口周縁部には、窓内に延び出して中間筒金具26の縮径加工により中間筒金具26の外周面よりも径方向外方に突出せしめられたシール突条110が形成されている。
【0061】
そして、かくの如く窓部36の開口縁部の全周に亘って突設されたシール突条110が、筒状オリフィス部材94の内周面と中間筒金具26の嵌着部位において筒状オリフィス部材94の内周面に当接されているのであり、それによって、第一の実施形態と同様に、一対の作用液室92,92および軸方向端部流体室144において、良好な流体密性が有利に発揮され得るのである。
【0062】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、これら実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0063】
例えば、前記実施形態では、シール突条が、中間筒金具に絞り加工をすることによって窓部の開口縁部に突出形成されていたが、これに限定されるものでなく、本体ゴム弾性体の加硫成形時に突出形成しても良い。或いはまた、本体ゴム弾性体の加硫成形時に僅かに突出形成したシール突条を、その後の中間筒金具の縮径加工によって、一層大きく外方に突出させることも可能である。
【0064】
また、流体流路やオリフィス通路等の具体的構造や、通路長さ,通路断面積などは、要求される防振特性に応じて適宜に決定されるものであって、何等限定されるものでない。そこにおいて、流体流路やオリフィス通路等を、要求特性に応じて、アイドリング振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングすることも可能である。
【0065】
また、前記実施形態では、主液室や軸方向端部流体室の壁部の一部が、高周波数域の圧力変動を吸収する可動ゴム板で構成されていたが、かかる可動ゴム板は、要求される防振特性や製作性等に応じて適宜に配設されるものであり、本発明において、必ずしも必要でない。
【0066】
更にまた、前記実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウントに適用したものについて説明したが、本発明は、例えば、実公平4−43636号公報に記載の如き流体封入式ブッシュや、或いは各種構造のエンジンマウントや、ボデーマウント、デフマウント、更には自動車以外の各種振動体の防振装置に対して、何れも、適用可能であることは、言うまでもない。
【0067】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、筒状オリフィス部材の中間スリーブへの組み付けに際して中間スリーブの開口窓の開口縁部に突設されたシール突条が筒状オリフィス部材の内周面に当接せしめられることから、筒状オリフィス部材と中間スリーブの嵌着面間のシール性を高度に確保しつつ、周方向に半周以上の長さで延びる筒状オリフィス部材を中間スリーブに対して軸方向に外挿して容易に組み付けることが可能となり、構造の簡略化や製作性の向上が効果的に達成され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面説明図であって、図2におけるI−I断面に相当する図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示された自動車用エンジンマウントの一部を構成する一体加硫成形品を示す縦断面説明図であって、図4におけるIII −III 断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】図3における一体加硫成形品を示す平面説明図である。
【図6】図1に示された自動車用エンジンマウントの一部を構成する筒状オリフィス部材を示す平面説明図である。
【図7】図6における筒状オリフィス部材を示す正面説明図である。
【図8】図6における筒状オリフィス部材を示す右側面説明図である。
【図9】図6における筒状オリフィス部材を示す左側面説明図である。
【図10】図1に示された自動車用エンジンマウントの要部を拡大して示す縦断面説明図である。
【図11】本発明の第二の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面説明図であって、図12におけるXI−XI断面に相当する図である。
【図12】図11におけるXII −XII 断面図である。
【図13】図11に示された自動車用エンジンマウントの一部を構成する筒状オリフィス部材の正面説明図である。
【図14】図13におけるXIV −XIV 断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 インナ軸金具
14 アウタ筒金具
16 本体ゴム弾性体
26 中間筒金具
32 大径筒部
36 窓部
42 ポケット部
92 作用液室
94 筒状オリフィス部材
96 上端部分
98 下端部分
106 オリフィス通路
110 シール突条

Claims (7)

  1. インナ軸部材と、
    軸方向一方の端部に大径の嵌着筒部が一体形成されると共に、軸方向中間部分において周方向に所定長さで延びる開口窓が周方向に離隔位置して複数形成されて、前記インナ軸部材の外周側に離隔配置された中間スリーブと、
    前記インナ軸部材と前記中間スリーブの軸直角方向対向面間に配設されてそれらインナ軸部材と中間スリーブを弾性的に連結せしめると共に、該中間スリーブの前記各開口窓を通じて外周面に開口する複数のポケット部が形成された本体ゴム弾性体と、
    軸方向一方の端部が前記中間スリーブの前記嵌着筒部に外嵌固定されて該中間スリーブに外挿状態で組み付けられることにより、前記本体ゴム弾性体における前記複数のポケット部を覆蓋せしめてそれぞれ非圧縮性流体が封入された複数の流体室を形成するアウタ筒部材と、
    半周以上の周方向長さを有する略筒形状とされて前記中間スリーブに外挿せしめられることにより軸方向一方の端部が前記開口窓にまで延び出して配設されると共に、軸方向他方の端部が前記中間スリーブにおける前記嵌着筒部と反対側の軸方向端部と前記アウタ筒部材の間で全周に亘って挟持固定されて組み付けられ、前記複数の流体室を相互に連通せしめるオリフィス通路を形成する筒状オリフィス部材と、
    前記中間スリーブにおける前記開口窓の開口縁部において前記本体ゴム弾性体を該中間スリーブの内周側から外周側にまで延び出させて該中間スリーブの外周面よりも径方向外方に突出させることによって形成された、前記筒状オリフィス部材の内周面に圧接されるシール突条とを、
    有することを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記中間スリーブにおける前記開口窓の周方向の全長に亘って前記シール突条を形成した請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記筒状オリフィス部材の前記軸方向一方の端部を、前記開口窓の軸方向中間部分に位置せしめた請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記アウタ筒部材を略有底円筒形状として、前記インナ軸部材を該アウタ筒部材の開口部から軸方向に入り込むように配設せしめ、該アウタ筒部材の開口端縁部を前記中間スリーブの前記嵌着筒部に外嵌固定すると共に、該アウタ筒部材の底壁部に対して前記筒状オリフィス部材の前記軸方向他方の端部を軸方向に当接させて位置決め支持せしめる一方、前記本体ゴム弾性体と該アウタ筒部材の底壁部の対向面間において非圧縮性流体が封入されて振動入力時に前記複数の流体室との間で相対的な圧力変動が生ぜしめられる軸方向端部流体室を形成し、更に該軸方向端部流体室を複数の流体室の少なくとも一つに連通せしめる第二オリフィス通路を形成した請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記アウタ筒部材を略有底円筒形状として、前記インナ軸部材を該アウタ筒部材の開口部から入り込むように配設せしめ、該アウタ筒部材の開口端縁部を前記中間スリーブの前記嵌着筒部に外嵌固定すると共に、該アウタ筒部材の底壁部に対して前記筒状オリフィス部材の前記軸方向他方の端部を軸方向に当接させて位置決め支持せしめる一方、該アウタ筒部材の底壁部の少なくとも一部を可撓性膜で構成すると共に、前記本体ゴム弾性体と該アウタ筒部材の底壁部の対向面間に仕切部材を配設して、該仕切部材の一方の側に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室を形成すると共に、該仕切部材の他方の側に壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通せしめる流体流路を形成した請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記本体ゴム弾性体が、前記インナ軸部材と前記中間スリーブを備えた一体加硫成形品として形成されており、該一体加硫成形品において該中間スリーブの外周面よりも前記シール突条が径方向外方に突出して加硫成形されている請求項1乃至5の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記本体ゴム弾性体が、前記インナ軸部材と前記中間スリーブを備えた一体加硫成形品として形成されており、該中間スリーブを縮径させて該本体ゴム弾性体に径方向の予圧縮を加えて、該中間スリーブの外周面を前記シール突条に対して径方向内方に変形位置せしめることにより、該シール突条を該中間スリーブに対して相対的に径方向外方に突出させた請求項1乃至6の何れかに記載の流体封入式防振装置。
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