JPH0625732Y2 - 流体封入式筒型マウント装置 - Google Patents

流体封入式筒型マウント装置

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JPH0625732Y2
JPH0625732Y2 JP3537489U JP3537489U JPH0625732Y2 JP H0625732 Y2 JPH0625732 Y2 JP H0625732Y2 JP 3537489 U JP3537489 U JP 3537489U JP 3537489 U JP3537489 U JP 3537489U JP H0625732 Y2 JPH0625732 Y2 JP H0625732Y2
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JP
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fluid
vibration
metal fitting
umbrella
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錬太郎 加藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は、内部に封入された流体の流動に基づいて入力
振動を防振する筒型の流体封入式マウント装置に係り、
特にかかる流体の流動に基づく優れた防振性能が、広い
周波数域の入力振動に対して有利に発揮され得る流体封
入式筒型マウント装置の構造に関するものである。
(背景技術) 従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、
それら両部材を防振連結せしめ、或いは一方の部材を他
方の部材に対して防振支持せしめるマウント装置の一種
として、内筒金具と、該内筒金具の外側に所定距離を隔
てて配された外筒金具とを、それらの間に介装されたゴ
ム弾性体にて一体的に連結せしめてなる構造を有し、主
として内外筒金具間に入力される所定径方向の振動を防
振するようにした、所謂筒型マウント装置が知られてい
る。そして、このような筒型マウント装置にあっては、
コンパクトなマウントサイズを有利に実現することがで
きると共に、過大な振動荷重入力時における内外筒金具
の相対的変位量を規制するストッパ機能が容易に付与さ
れ得ることなどから、例えば、横置きエンジンのFF型
自動車用のエンジンマウント等として、好適に用いられ
てきている。
また、近年では、特開昭56−164242号公報や特
開昭61−270533号公報等に示されているよう
に、かかる筒型マウント装置における内筒金具と外筒金
具との間に、オリフィス通路を通じて互いに連通された
複数の流体室を形成せしめて、それら内外筒金具間への
振動入力時に、かかるオリフィス通路を通じて、流体室
間での流体の流動が生ぜしめられるようにした構造の、
所謂流体封入式筒型マウント装置が提案されており、オ
リフィス通路内を流動せしめられる流体の共振作用に基
づいて、ゴム弾性体のみでは得られない、優れた防振効
果が得られることから、その採用が増加してきている。
しかしながら、このような流体封入式の筒型マウント装
置においては、流体の共振作用による防振性能の向上効
果が、そのオリフィス通路に設定された、限られた周波
数領域でしか有効には発揮され得ず、そのために、例え
ば、低周波数域の振動入力時に高減衰効果が発揮され得
るように、そのオリフィス通路をチューニングした場合
には、かかるチューニング周波数よりも高い周波数域の
振動入力時に、該オリフィス通路が実質的に閉塞状態と
なるために、マウントの高動ばね化が惹起されて、防振
性能が著しく低下するといった不具合を有していたので
ある。
そこで、本願出願人は、先に、特開昭63−6247号
公報及び特開昭63−289349号公報において、前
記流体室のうち振動が入力せしめられる流体室内に、内
筒金具にて一体的に支持せしめられて、振動入力方向に
対して直角な方向に拡がる傘部材を配し、該流体室内を
内筒金具側に位置する内側液室と外筒金具側に位置する
外側液室とに仕切ると共に、該傘部材の外周面と流体室
内面との間に、それら内側液室と外側液室とを互いに連
通する環状の狭窄部を形成せしめてなる構造のものを提
案した。かかる構造のマウント装置にあっては、前記オ
リフィス通路が実質的に閉塞状態となる高い周波数域の
振動入力時において、受圧室中に形成された狭窄部に生
ぜしめられる封入流体の共振作用によって、マウントば
ね定数の低減が図られ得るのである。
ところが、このような構造のマウント装置においても、
狭窄部における封入流体の共振作用によって低動ばね効
果が発揮され得る周波数域が比較的狭いために、特に自
動車用エンジンマウントの如く、中乃至高周波数領域の
極めて広い範囲に亘って低動ばね特性が要求されるマウ
ント装置に適用するに際しては、なおその要求特性が充
分には満足され難く、それ故、中乃至高周波数域におけ
る一層広い領域に亘ってマウントの低動ばね化を達成す
るために、未だ改良の余地を有していたのである。
(解決課題) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その解決課題とするところは、
内部に封入された流体の共振作用に基づく防振効果が、
より広い周波数領域に亘る入力振動に対して有効に発揮
され得る流体封入式筒型マウント装置を提供することに
ある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決するために、本考案の特徴と
するところは、径方向に所定距離を隔てて互いに同心的
に若しくは偏心して配された内筒金具と外筒金具とを、
それらの間に介装されたゴム弾性体にて一体的に連結す
ると共に、それら内外筒金具の主たる振動入力方向にお
ける一方の径方向対向面間に、所定の非圧縮性流体が封
入された、振動が入力される主液室を形成し、また該主
液室に対して周方向に所定距離を隔てた前記内外筒金具
間に、所定の非圧縮性流体が封入されて、振動入力時に
かかる主液室との間に相対的な内圧変動が生ぜしめられ
る副液室を少なくとも一つ形成せしめ、更にそれら主液
室と副液室とを相互に連通して、それら両液室間での流
体の流動を許容するオリフィス通路を設ける一方、前記
主液室内において、前記内筒金具にて支持されて前記振
動入力方向とは直角な方向に拡がる傘部材を配すること
により、かかる主液室内を前記内筒金具側に位置する内
側液室と前記外筒金具側に位置する外側液室とに仕切る
と共に、該傘部材の外周面とかかる主液室内面との間
に、それら内側液室と外側液室とを互いに連通する環状
の狭窄部を形成せしめてなる流体封入式筒型マウント装
置において、前記傘部材に、前記外側液室側に開口する
凹所を設けると共に、該凹所の開口部位に、所定質量を
有するマス部材を弾性部材を介して配設、支持せしめ、
更に前記傘部材に対して、かかる凹所内を前記内側液室
内に連通せしめる第一の通孔を、また前記マス部材に対
して、かかる凹所内を前記外側液室内に連通せしめる第
二の通孔を、それぞれ形成することにより、それら第一
の通孔と第二の通孔および凹所内を通じて、前記内側液
室と前記外側液室との間で流体が流動せしめられるよう
にしたことにある。
(実施例) 以下、本考案をより具体的に明らかにするために、本考
案の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
ることとする。
先ず、第1図乃至第3図には、本考案をFF型自動車用
エンジンマウントに適用したものの一具体例が示されて
いる。これらの図において、10は、内筒金具であっ
て、その外側には、外筒金具12が所定量偏心して配さ
れており、それらの間に介装されたゴム弾性体14によ
って、一体的に連結されている。そして、かかるエンジ
ンマウントにあっては、内筒金具10および外筒金具1
2が、車体側若しくはエンジンユニット側の何れか一方
に取り付けられ、それによって該エンジンユニットを車
体に対して防振支持せしめるようになっているのであ
る。なお、本実施例におけるエンジンマウントにあって
は、エンジンユニットと車体との間に装着された際、該
エンジンユニットの重量が及ぼされることによって、内
筒金具10が、外筒金具12に対して略同心的に位置せ
しめられることとなると共に、かかる装着状態下、主た
る振動が、第1図中、上下方向に入力されることとな
る。
より詳細には、前記内筒金具10は、厚肉円筒形状をも
って形成されており、且つその軸方向中央部の外周面上
には、前記振動入力方向において対向する径方向両側に
それぞれ所定高さで突出する状態で、ストッパ金具15
と支持金具17とが、それぞれ一体的に固着せしめられ
ている。
また、かかる内筒金具10の径方向外方には、薄肉円筒
形状を呈する金属スリーブ16が、径方向に所定量偏心
して配されている。そして、第4図及び第5図に示され
ているように、これら内筒金具10と金属スリーブ16
との間に、ゴム弾性体14が介装されており、該ゴム弾
性体14が、内筒金具10の外周面と金属スリーブ16
の内周面とに、それぞれ加硫接着された一体加硫成形品
18として形成されている。
そして、この一体加硫成形品18を構成するゴム弾性体
14には、内筒金具10と金属スリーブ16との偏心方
向における離間距離の小なる側において、軸方向に貫通
する肉抜部20が、それら内筒金具10と金属スリーブ
16との間を周方向に略半周に亘って延びるようにして
設けられている。即ち、この肉抜部20が設けられてい
ることによって、かかるゴム弾性体14が、実質上、内
筒金具10と金属スリーブ16とを、それらの離間距離
の大なる側においてのみ連結するように位置せしめられ
ており、それによってマウント装着時に及ぼされるエン
ジンユニット重量にて、かかるゴム弾性体14に生ぜし
められる引張応力が可及的に防止され、その耐久性の向
上が図られ得るようになっている。なお、かかる肉抜部
20内には、前記ストッパ金具15によって、内筒金具
10側から径方向外方に所定高さで突出するストッパ部
21が形成されている。
また、かかるゴム弾性体14における内筒金具10と金
属スリーブ16との離間距離の大なる側には、第一のポ
ケット部24が形成されており、金属スリーブ16に設
けられた第一の窓部22を通じて、外周面に開口せしめ
られている。なお、かかる第一のポケット部24の周り
には、環状の規制金具26が、ゴム弾性体14内に埋設
されており、該第一のポケット部24周りのゴム弾性体
14における座屈等の不規則な変形が規制され得るよう
になっている。
また一方、かかる第一のポケット部24に対して、内筒
金具10を挟んで径方向に対向する、内筒金具10と金
属スリーブ16との離間距離の小なる側には、第二のポ
ケット部32と第三のポケット部34とが、周方向に互
いに所定距離を隔てて独立して形成されており、それぞ
れ金属スリーブ16に設けられた第二の窓部36と第三
の窓部38を通じて、外周面に開口せしめられている。
そこにおいて、かかる第二及び第三のポケット部32、
34にあっては、それぞれの底壁部43、45を構成す
るゴム弾性体14が、前記肉抜部20によって薄肉化さ
れており、弾性変形が容易な可撓性膜として形成されて
いる。また、特に、第二のポケット部32は、第三のポ
ケット部34よりも大きな容積をもって形成されている
と共に、その底壁部43が、第三のポケット部34の底
壁部45よりも薄肉で変形容易とされている。
さらに、前記金属スリーブ16の外周面には、ゴム弾性
体14が一体的に回されて、その略全面に亘ってシール
ゴム層44が形成されていると共に、該金属スリーブ1
6における第一の窓部22と第二の窓部36との間およ
び第一の窓部22と第三の窓部38との間には、それぞ
れ周方向に延びる幅広凹状の周溝40、42(第3図参
照)が形成されており、それらの周溝40,42内のシ
ールゴム層44が厚肉化されている。
また、かかる周溝40内に位置する厚肉化されたシール
ゴム層44には、第6図に示されている如く、蛇行した
流路形態をもって周方向に延びて、第一のポケット部2
4の開口部と第二のポケット部32の開口部とを繋ぐ第
一の凹溝46が形成されている一方、周溝42内に位置
する厚肉化されたシールゴム層44には、第7図に示さ
れている如く、直線状の流路形態をもって周方向に延び
て、第一のポケット部24の開口部と第三のポケット部
34の開口部とを繋ぐ第二の凹溝48が形成されてい
る。
更にまた、このような構造とされた一体加硫成形品18
にあっては、前記第一のポケット部24内において、傘
金具60が収容せしめられ、該第一のポケット部24内
に突出せしめられた前記支持金具17にて支持せしめら
れることにより、内筒金具10に対して固定的に取り付
けられている。
かかる傘金具60は、全体として有底の矩形筒体形状を
もって形成されており、その底部中央に設けられた取付
孔62において、前記支持金具17の突出先端部に外挿
され、一体的に固着されることによって、第一のポケッ
ト部24内において、かかる底部が振動入力方向に対し
て直角な方向に拡がり、該第一のポケット部24内を仕
切るようにして、且つその内部空所66が径方向外方に
向かって開口する状態で配設せしめられている。なお、
図中、64は、取付孔62を閉塞する閉塞板である。
また、かかる傘金具60の開口部位には、略平板形状の
弾性支持体68が、その外周縁部を該傘金具60の開口
周縁部に対して固着せしめられることにより、内部空所
66の開口を閉塞するようにして配設されていると共
に、この弾性支持体68の中央部には、マス部材として
のリング金具70が、埋設状態下に一体的に取り付けら
れている。即ち、このリング金具70は、弾性支持体6
8によって、傘金具60に対して弾性的に支持せしめら
れているのである。
更にまた、かかる傘金具60には、その底部において、
第一の通孔としての連通孔74が複数個設けられてお
り、それらの連通孔74を通じて、傘金具60の内部空
所66が、第一のポケット部24内における径方向内側
部分に連通せしめられている一方、かかる内部空所66
は、また、前記リング金具70に設けられた第二の通孔
としての内孔72を通じて、第一のポケット部24内に
おける径方向外側部分に連通せしめられている。
そして、このような傘金具60を備えた一体加硫成形品
18にあっては、更に、必要に応じて、金属スリーブ1
6に縮径加工が施され、ゴム弾性体14に予備圧縮が加
えられた後、外筒金具12が外挿、嵌着せしめられるこ
ととなり、それによって、第1図乃至第3図に示されて
いる如き、目的とするエンジンマウントが構成されてい
るのである。
すなわち、かかる外筒金具12が、一体加硫成形品18
に対して外嵌固定されることにより、第一のポケット部
24、第二のポケット部32および第三のポケット部3
4の開口が、それぞれ閉塞せしめられ、以てかかる第一
のポケット部24の内部に、内外筒金具10、12間に
入力される振動が入力される主液室としての受圧室50
が形成されている一方、第二のポケット部32および第
三のポケット部34の内部には、底壁部43、45の弾
性変形によって容積可変とされた、副液室としての第一
の平衡室52および第二の平衡室54が、それぞれ形成
されているのである。更に、かかる外筒金具12の外装
によって、第一の凹溝46および第二の凹溝48の開口
が、それぞれ閉塞せしめられることとなり、それによっ
てかかる第一の凹溝46内において、受圧室50と第一
の平衡室52とを相互に連通する第一のオリフィス通路
56が、また第二の凹溝48内において、受圧室50と
第二の平衡室54とを相互に連通する第二のオリフィス
通路58が、それぞれ形成されている。
また、これら受圧室50、第一及び第二の平衡室52、
54内には、それぞれ、水やアルキレングリコール、ポ
リアルキレングリコール、シリコーン油等の所定の非圧
縮性流体が充填され、封入せしめられている。なお、か
かる流体の封入は、例えば、一体加硫成形品18に対す
る外筒金具12の外挿操作を、所定の流体中にて行なう
こと等によって、有利に為され得ることとなる。更に、
これらの受圧室50、第一及び第二の平衡室52、5
4、更には第一及び第二のオリフィス通路56、58に
あっては、金属スリーブ16と外筒金具12との間で、
シールゴム層44が挟圧されることによって、充分な流
体密性が確保され得るようになっている。
そして、このような構造とされたエンジンマウントにあ
っては、内筒金具10と外筒金具12との間に振動が入
力された際、受圧室50内に惹起される液圧変動に基づ
いて、該受圧室50と第一及び第二の平衡室52,54
との間で、第一及び第二のオリフィス通路56、58を
通じての流体の流動が生ぜしめられることとなるのであ
り、それ故、それら第一及び第二のオリフィス通路5
6、58を通じて流動する流体の共振作用に基づく防振
効果が、かかる第一及び第二のオリフィス通路56、5
8にそれぞれチューニングされた所定周波数域の入力振
動に対して、発揮され得ることとなるのである。
より具体的には、本実施例においては、第一のオリフィ
ス通路56が、蛇行して延びる長い流路長さをもって形
成されていることにより、シェイクやバウンス等に相当
する10Hz前後の低周波数域の振動入力時に高減衰効果
を発揮し得るようにチューニングされている一方、第二
のオリフィス通路58が、直線状に延びる短い流路長さ
をもって形成されていることにより、アイドル振動等に
相当する20〜30Hz程度の中周波数域の振動入力時に
低動ばね効果を発揮し得るようにチューニングされてい
る。
なお、そこにおいて、第一のオリフィス通路56は第二
のオリフィス通路58よりも長く、その流通抵抗が大き
いために、低周波数域の振動入力時における第一のオリ
フィス通路56を通じての流体の流動の、第二のオリフ
ィス通路58による阻害が懸念されることとなるが、前
述の如く、かかる第一のオリフィス通路56にて受圧室
50に連通される第一の平衡室52の底壁部43が、第
二のオリフィス通路58にて受圧室50に連通される第
二の平衡室54の底壁部45よりも、薄肉化されて弾性
変形が容易とされていることにより、低周波数域の振動
入力時における第一のオリフィス通路56を通じての流
体の流動量が、充分に確保され得ることとなる。また一
方、中周波数域の振動入力時には、かかる第一のオリフ
ィス通路56が、実質的に閉塞状態となるために、第二
のオリフィス通路58を通じての流体の流動が、該第一
のオリフィス通路56にて阻害されるようなことはな
い。
更にまた、かかるエンジンマウントにあっては、その受
圧室50が、内部に配された傘金具60により、該傘金
具60を挟んで内筒金具10側に位置する内側液室76
と外筒金具12側に位置する外側液室78とに仕切られ
ており、更に該傘金具60の外周面と受圧室50の内周
面との間には、それら内側液室76と外側液室78とを
連通する環状の狭窄部80が形成されている。
そして、内外筒金具10、12間への振動入力時に、か
かる傘金具60が受圧室50内を変位せしめられること
によって、狭窄部80を通じての流体の流動が生ぜしめ
られることとなるのであり、以てかかる狭窄部80を通
じて流動する流体の共振作用に基づく防振効果が、該狭
窄部80が予めチューニングされた所定周波数域の入力
振動に対して、発揮され得ることとなるのである。な
お、特に、本実施例においては、前記第一及び第二のオ
リフィス通路56、58が、何れも実質的に閉塞状態と
なる、250Hz程度の高周波振動の入力時に、狭窄部8
0内における流体の共振作用に基づく低動ばね効果が発
揮され得るように、該狭窄部80の流通断面積や長さ等
がチューニングされている。
さらに、このように受圧室50内を仕切る傘金具60に
あっては、前述の如く、その内部空所66が、該傘金具
60の底部に設けられた連通孔74を通じて内側液室7
6内に、またリング金具70の内孔72を通じて外側液
室78内に、それぞれ連通されており、それによって該
傘金具60の内部において、内側液室76と外側液室7
8とを連通し、内外筒金具10、12間への振動入力に
際しての傘金具60の変位に基づいて、そこに流体の流
動が生ぜしめられる連通流路として、前記狭窄部80と
は独立した別の流路が形成されている。
そして、それ故、かかる傘金具60内に形成された流路
に対して、前記狭窄部80とは異なるチューニングを施
すことにより、該流路を通じて流動される流体の共振作
用に基づいて、狭窄部80を通じての流体の流動にて発
現されるのとは異なった、更に別の防振効果が発揮され
得ることとなるのである。
また、そこにおいて、かかる傘金具60内の流体流路を
構成するリング金具70にあっては、弾性支持体68を
介して傘金具60に支持せしめられていることにより、
一振動系を構成していることから、該リング金具70と
弾性支持体68とからなる振動系の共振現象を利用する
ことによって、かかるリング金具70の内孔72内を流
動せしめられる流体の共振作用と相乗的な効果として、
優れた防振効果を得ることができるのである。
そして、それ故、かかるリング金具70における内孔7
2の断面積や長さ、及び該リング金具70と弾性支持体
68とからなる振動系の固有振動数等を適宜チューニン
グすることによって、上記傘金具60内に形成された流
体流路内における流体の共振作用に基づき、前記狭窄部
80内を流動せしめられる流体の共振作用による低動ば
ね効果が発揮される周波数域とは、更に異なる周波数域
の振動入力時において、良好なる低動ばね効果を得るこ
とができるのである。なお、特に、本実施例において
は、前記狭窄部80内における流体の共振作用による低
動ばね効果が充分に発揮され得ない、150Hz程度の高
周波振動の入力時に、かかる傘金具60の内部を通じて
流動せしめられる流体の共振作用に基づく低動ばね効果
が発揮され得るように、リング金具70の質量や弾性支
持体68のばね特性および該リング金具70における内
孔72の断面積や長さ等が、チューニングされている。
従って、上述の如き構造とされたエンジンマウントにあ
っては、第一のオリフィス通路56内を流動せしめられ
る流体の共振作用による、低周波振動に対する高減衰効
果を充分に確保しつつ、それよりも高い周波数域の振動
入力時におけるマウントの低動ばね化が、第二のオリフ
ィス通路58と狭窄部80、更に傘金具60の内部に形
成された流体流路を通じて、それぞれ流動せしめられる
流体の共振作用によって有利に達成され得るのであり、
以て広い周波数域に亘る入力振動に対して優れた防振性
能が安定して発揮され得ることとなるのである。
また、本実施例におけるエンジンマウントにあっては、
傘金具60が、外筒金具12に対する当接によって、内
外筒金具10、12の相対的変位量を規定するストッパ
部としても機能せしめられ得るところから、マウントに
対するストッパ機能の付与が有利に為され得るといった
利点をも有しているのである。
以上、本考案の実施例について詳述してきたが、これは
文字通りの例示であって、本考案は、かかる具体例にの
み限定して解釈されるものではない。
例えば、オリフィス通路(56、58)の数やそのチュ
ーニング周波数は、マウントに要求される防振特性に応
じて適宜決定されるものであって、限定されるものでは
決してなく、一つ或いは三つ以上のオリフィス通路を形
成することも可能である。
また、前記実施例では、副液室が、容積可変の平衡室に
て構成されていたが、本考案は、特公昭48−3615
1号公報等に開示されている如く、主液室および副液室
が、何れも振動入力に際して内圧変動が生ぜしめられる
受圧室として構成されてなる筒型マウント装置に対して
も適用され得るものである。
更にまた、前記実施例においては、円筒型のマウント装
置に対して、本考案を適用したものの一具体例を示した
が、例えば、外筒金具12が四角筒体形状をもって形成
された矩形筒型のマウント装置等にも、本考案は有利に
適用され得るものである。
加えて、本考案は、例示の如き自動車用エンジンマウン
トの他、自動車用サスペンションブッシュやセンタベア
リングマウント、或いは自動車以外の各種装置における
マウント装置に対しても、良好に適用され得ることとな
る。
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識
に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において実施され得るものであり、またそのような実施
態様が本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも本考案の
範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないと
ころである。
(考案の効果) 上述の説明から明らかなように、本考案に従う構造とさ
れた流体封入式筒型マウント装置にあっては、オリフィ
ス通路が実質的に閉塞状態となる高い周波数域の振動入
力時における高動ばね化が、傘部材の外側に形成された
狭窄部を通じて流動せしめられる流体の共振作用のみな
らず、傘部材の内部に形成された流体流路を通じて流動
せしめられる流体の共振作用によっても、有利に緩和乃
至は解消せしめられ得るところから、前記オリフィス通
路内を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効
果を充分に確保しつつ、それよりも高い周波数域におけ
るより広い周波数領域の入力振動に対して、極めて優れ
た防振性能が発揮され得ることとなるのである。
また、そこにおいて、かかるマウント装置にあっては、
傘部材の内部の流体流路を形成するマス部材が、傘部材
に対して弾性的に支持せしめられているところから、傘
部材の内部に形成された流体流路内を流動せしめられる
流体の共振作用と該マス部材自体の共振現象とによっ
て、マウントの低動ばね化が、それらの相乗的効果とし
てより一層有利に達成され得るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に従う構造とされたエンジンマンウト
の一具体例を示す横断面図であり、第2図は、第1図に
おけるII−II断面図であり、第3図は、第1図における
III−III断面図である。また、第4図は、第1図に示さ
れているエンジンマウントを構成する一体加硫成形品を
示す横断面図であり、第5図は、第4図におけるV−V
断面図であり、第6図は、第4図におけるa矢視図であ
り、第7図は、第4図におけるb矢視図である。 10:内筒金具、12:外筒金具 14:ゴム弾性体、16:金属スリーブ 18:一体加硫成形品、50:受圧室(主液室) 52:第一の平衡室(副液室) 54:第二の平衡室(副液室) 56:第一のオリフィス通路 58:第二のオリフィス通路 60:傘金具、66:内部空所 68:弾性支持体、70:リング金具 72:内孔(第二の通孔) 74:連通孔(第一の通孔) 76:内側液室、78:外側液室 80:狭窄部

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】径方向に所定距離を隔てて互いに同心的に
    若しくは偏心して配された内筒金具と外筒金具とを、そ
    れらの間に介装されたゴム弾性体にて一体的に連結する
    と共に、それら内外筒金具の主たる振動入力方向におけ
    る一方の径方向対向面間に、所定の非圧縮性流体が封入
    された、振動が入力される主液室を形成し、また該主液
    室に対して周方向に所定距離を隔てた前記内外筒金具間
    に、所定の非圧縮性流体が封入されて、振動入力時にか
    かる主液室との間に相対的な内圧変動が生ぜしめられる
    副液室を少なくとも一つ形成せしめ、更にそれら主液室
    と副液室とを相互に連通して、それら両液室間での流体
    の流動を許容するオリフィス通路を設ける一方、前記主
    液室内において、前記内筒金具にて支持されて前記振動
    入力方向とは直角な方向に拡がる傘部材を配することに
    より、かかる主液室内を前記内筒金具側に位置する内側
    液室と前記外筒金具側に位置する外側液室とに仕切ると
    共に、該傘部材の外周面とかかる主液室内面との間に、
    それら内側液室と外側液室とを互いに連通する環状の狭
    窄部を形成せしめてなる流体封入式筒型マウント装置に
    おいて、 前記傘部材に、前記外側液室側に開口する凹所を設ける
    と共に、該凹所の開口部位に、所定質量を有するマス部
    材を弾性部材を介して配設、支持せしめ、更に前記傘部
    材に対して、かかる凹所内を前記内側液室内に連通せし
    める第一の通孔を、また前記マス部材に対して、かかる
    凹所内を前記外側液室内に連通せしめる第二の通孔を、
    それぞれ形成することにより、それら第一の通孔と第二
    の通孔および凹所内を通じて、前記内側液室と前記外側
    液室との間で流体が流動せしめられるようにしたことを
    特徴とする流体封入式筒型マウント装置。
JP3537489U 1989-03-28 1989-03-28 流体封入式筒型マウント装置 Expired - Lifetime JPH0625732Y2 (ja)

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