JPH06103057B2 - 流体封入式防振ブッシュ - Google Patents

流体封入式防振ブッシュ

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JPH06103057B2
JPH06103057B2 JP62309292A JP30929287A JPH06103057B2 JP H06103057 B2 JPH06103057 B2 JP H06103057B2 JP 62309292 A JP62309292 A JP 62309292A JP 30929287 A JP30929287 A JP 30929287A JP H06103057 B2 JPH06103057 B2 JP H06103057B2
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rubber elastic
vibration
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雅之 日比
伸夫 松本
芳樹 舟橋
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/06Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/08Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper the plastics spring forming at least a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/14Units of the bushing type, i.e. loaded predominantly radially
    • F16F13/1481Units of the bushing type, i.e. loaded predominantly radially characterised by features of plastic springs, e.g. presence of cavities or stiffeners; characterised by features of flexible walls of equilibration chambers, i.e. membranes

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、主としてブッシュ径方向に入力される振動を
防振する筒形の流体封入式防振ブッシュに係り、特に低
周波数域の入力振動に対する優れた振動減衰効果と共
に、中乃至高周波数域の振動入力時における振動遮断効
果を有利に得ることのできる流体封入式防振ブッシュに
関するものである。
(背景技術) 従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、
それらを防振連結する防振ブッシュの一種として、例え
ば、自動車のサスペンションブッシュやFF(フロントエ
ンジン・フロントドライブ)車の円筒形エンジンマウン
トの如く、全体として略円筒形状を呈し、主としてその
径方向の所定の方向に入力される振動を減衰乃至は遮断
するようにしたものが知られている。
そして、そのような防振ブッシュとして、本願出願人
は、先に、実願昭61−100614号及び実願昭61−100615号
等において、互いに同心的に若しくは偏心して配された
内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装される筒状
ゴム弾性体にて連結することによって構成された連結体
に対して、該連結体の内部に、所定の非圧縮性流体が封
入され、且つオリフィス通路を通じて相互に連通された
複数の流体室を、周方向に独立した形態をもって設け、
更にそれらの流体室のうち防振すべき振動が入力される
少なくとも一つの流体室中に、前記内筒金具乃至は外筒
金具に対して直接に若しくはゴム弾性体を介して間接に
取り付けられて、該流体室の内壁面との間に狭窄部を形
成する傘部材を配してなる構造の、所謂流体封入式防振
ブッシュを明らかにした。
すなわち、かかる構造の防振ブッシュにあっては、低周
波数域の振動入力に際して、内外筒金具間に入力される
振動荷重によって、筒状ゴム弾性体が弾性変形されて、
内部に形成された複数の流体室間の容積(内圧)が相対
的に変化せしめられることにより、かかる相対的な内圧
変化に基づいて流体室相互間で惹起される、オリフィス
通路を通じての流体の流動作用乃至は液柱共振作用によ
って、入力振動に対する高減衰効果が発揮され得るので
あり、また一方、かかるオリフィス通路が実質上閉塞状
態となる、中乃至高周波数域の振動入力に際しては、流
体室中に形成された狭窄部に惹起される封入流体の流動
作用乃至は液柱共振作用によって、ブッシュ全体のばね
定数の低下、即ち振動伝達率の低減が図られ得るのであ
る。
(問題点) ところが、このような構造の防振ブッシュにあっては、
連結体内部に形成される、防振されるべき振動が入力さ
れる流体室(所謂、受圧室)の壁部、特にそのブッシュ
軸方向両側に位置する側壁部の肉厚を充分に確保するこ
とが難しく、そのために荷重入力に際して、かかる側壁
部がブッシュ軸方向に変形し易かったのである。
また、かかる受圧室は、通常、内外筒金具間において、
振動入力方向に相当する径方向部位に位置して設けられ
るために、特に、エンジンマウントの如如く、エンジン
重量等の大きな静荷重(初期荷重)が作用せしめられる
状態で配される場合には、振動荷重が及ぼされていない
状態下においても、かかる静荷重によって、該受圧室の
側壁部が、ブッシュ軸方向に変形してしまう恐れがあっ
たのである。
そして、かかる受圧室の側壁部における変形によって、
その内部に配された傘部材との間に形成された狭窄部の
大きさ、延いてはチューニング周波数が変化するため
に、該狭窄部を通じての流体の流動に基づく、中乃至高
周波数域の入力振動に対する所期の振動伝達率の低減効
果が充分に発揮され得なくなる恐れがあったのであり、
未だ、改良の余地を有していたのである。
(解決手段) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その特徴とするところは、互い
に同心的に若しくは偏心して配された内筒金具と外筒金
具とを、それらの間に介装される筒状ゴム弾性体にて連
結して、連結体を構成すると共に、該連結体の内部に、
所定の非圧縮性流体が封入され且つオリフィス通路を通
じて相互に連通された複数の流体室を、周方向に独立し
た状態で設け、更にそれらの流体室のうち防振すべき振
動が入力される少なくとも一つの流体室中に、前記内筒
金具乃至は外筒金具に対して直接に若しくはゴム弾性体
を介して間接に取り付けられて、該流体室の内壁面との
間に狭窄部を形成する傘部材を配してなる流体封入式防
振ブッシュにおいて、ブッシュ軸方向に延びる変位規制
部材を、前記筒状ゴム弾性体内で、且つ前記傘部材が配
された防振すべき振動が入力される流体室の軸方向両側
壁部の変形を実質的に規制し得る部位に、埋設乃至は貫
通状態下に一体的に配したことにある。
(実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発
明の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
るととする。
先ず、第1図及び第2図には、本発明をFF型自動車に用
いられる円筒型エンジンマウントに対して適用したもの
の一例が示されている。これらの図において、10および
12は、それぞれ、内筒金具および外筒金具であって、マ
ウント径方向に所定量偏心して配置されており、それら
の間に介装された、全体として略円筒形状を呈するゴム
弾性体14によって、弾性的に連結されている。
そして、かかるエンジンマウントにあっては、内筒金具
10及び外筒金具12において、車体側及びエンジンを含む
パワーユニット側の各一方に取り付けられて、パワーユ
ニットを車体に対して防振支持せしめるようになってお
り、かかる取付状態において、パワーユニットの負荷重
量によるゴム弾性体14の弾性変形によって、両金具10、
12が、略同心的に位置せしめられることとなる。また、
かかるエンジンマウントにあっては、内筒金具10と外筒
金具12との偏心方向(第1図中、上下方向)に入力され
る振動を主として防振するものであり、かかる防振すべ
き振動荷重の入力に際して、ゴム弾性体14は、専らそれ
ら両金具10、12の偏心方向に変形せしめられることとな
る。
ここにおいて、内筒金具10は、比較較的厚肉の円筒形状
をもって形成されており、の径方向外側には、所定距離
を隔てて、略薄肉円筒形状を呈する金属製のシールスリ
ーブ16が、所定量偏心して位置せしめられている。そし
て、第3図及び第4図に示されている如く、これら内筒
金具10とシールスリーブ16との間において、前記ゴム弾
性体14が介装されており、該内筒金具10の外周面とシー
ルスリーブ16の内周面とに、それぞれ加硫接着された一
体加硫成形品として形成されている。
また、かかるゴム弾性体14には、内筒金具10とシールス
リーブ16との偏心方向(第3図及び第4図中、上下方
向)両側の外周縁部近傍において、それぞれ、略円弧状
断面をもって軸方向に貫通するスリット18、20が形成さ
れて、かかる偏心方向におけるゴム弾性が調節されてい
ると共に、内筒金具10とシールスリーブ16との偏心方向
の離間距離が大なる側に位置する部位には、それら内筒
金具10とシールスリーブ16との偏心方向及び該ゴム弾性
体14の軸心方向との両方向に対して、略直角な方向に貫
通する状態で、貫通孔22が形成されている。
また一方、前記シールスリーブ16にあっては、軸方向の
中央部が、周方向全周に亘って凹溝状に縮径されて、小
径部24とされている。そして、特に、かかる小径部24に
おける、内筒金具10とシールスリーブ16との偏心方向の
離間距離が小なる側に位置する部位には、更に深絞り加
工されることによって凹陥状の凹所26が形成されている
と共に、かかる凹所26の周方向の両端部を接続する状態
で、小径部24を底壁とする周方向に延びる溝部28が形成
されている。また、かかる溝部28における、前記ゴム弾
性体14に形成された貫通孔22の両側開口部が位置する部
位には、それぞれ、窓部30が設けられており、かかる貫
通孔22が、それらの窓部30,30を介して外部に開口せし
められている。
そして、第1図及び第2図に示されているように、この
ような内筒金具10、シールスリーブ16及びゴム弾性体14
からなる一体加硫成形品に対して、そのシールスリーブ
16における凹所26及び溝部28内に対して、略半円筒形状
を呈する一対のオリフィス金具32,34が、それぞれ、前
記内筒金具10とシールスリーブ16との偏心方向両側か
ら、嵌入されて円筒状に組み付けられた状態下に配され
ていると共に、更にその外周面に対して、前記外筒金具
12が外嵌、固定せしめられているのである。
そして、それによって、前記ゴム弾性体14における貫通
孔22の、シールスリーブ16の窓部30を通じての両側開口
が、オリフィス金具32にて閉塞されて、窓閉されること
により、第一の流体室36が形成されているのであり、ま
た一方、前記シールスリーブ16の凹所26の開口部が、オ
リフィス金具34にて閉塞されることにより、第二の流体
室38が形成されている。
ここにおいて、かかる第一の流体室36は、前述の如き振
動入力に際して、即ちゴム弾性体14の弾性変形に基づく
内筒金具10のシールスリーブ16(外筒金具12)に対する
偏心方向の変位に伴って、その内圧が変化せしめられる
こととなり、換言すれば防振すべき振動が入力せしめら
れる受圧室として構成されているのである。
また一方、第二の流体室38にあっては、該第二の流体室
38の開口を閉塞せしめる、前記シールスリーブ16の凹所
26側に嵌入されるオリフィス形成金具34において、第5
図及び第6図に示されている如く、かかる凹所26の開口
部に略対応する形態をもって、切欠孔40が形成されてい
ると共に、該切欠孔40を内側から閉塞する状態で、該切
欠孔40の開口周縁部に対して、その外周縁部が一体加硫
接着せしめられて、弾性変形の容易なゴム弾性薄膜とし
てのダイフラム42が配設されていることによって、該ダ
イヤフラム42の弾性変形に基づいて、その容積が可変と
されているのである。なお、かかるダイヤフラム42と外
筒金具12との間の空間は、該ダイヤフラム42の変形を許
容する空気室52とされている。
そしてまた、それら第一及び第二の流体室36及び38の開
口を閉塞せしめる前記一対のオリフィス金具32,34にあ
っては、第1図及び第2図に示されている如く、上記切
欠孔40の形成部位を除く部分において、外周面に開口す
る2条の凹溝44、44が、周方向に延びる状態で互いに平
行に形成されていると共に、それらの凹溝44、44の底壁
の上記第一及び第二の流体室36、38に臨む部位に位置し
て、それぞれ、通孔50、50が形成されている。そして、
それらの凹溝44、44の開口が、外筒金具12の外嵌によっ
て閉塞せしめられることにより、前記第一の流体室36と
第二の流体室38とを相互に連通せしめる、周方向の略半
周強に亘って延びる一対のオリフィス通路46、46が形成
されているのである。
また、ここにおいて、前記ゴム弾性体14を含む加硫成形
品に対するオリフィス金具32、34の組付け及び外筒金具
12の外嵌操作が、水やポリアルキレングリコール等の所
定の非圧縮性流体中にて行なわれ、更にその後、かかる
外筒金具12に対して縮径加工が施されること等によっ
て、上記第一及び第二の流体室36、38及びオリフィス通
路46内に、所定の非圧縮性流体が封入せしめられること
となる。
そして、マウントに対する振動入力に際して、内筒金具
10と外筒金具12との偏心方向における相対移動に伴う、
第一の流体室36内の流体圧の変動に基づいて、該第一の
流体室36と第二の流体室38との間で、オリフィス通路46
を通じての流体の流動が惹起せしめられるようになって
いるのであり、以て、良く知られているように、かかる
流体の流動に基づく流動作用乃至は液柱共振作用によっ
て、かかるオリフィス通路46の流通断面積及び長さ等に
応じた所定のチューニング周波数域における所定の防振
振特性が発揮され得ることとなり、通常は、エンジンシ
ェイク等の低周波数域の振動入力時における減衰係数が
増大せしめられ、高減衰力が有利に発揮せしめられ得る
こととなるのである。
なお、かかる外筒金具12の内周面には、その略全面に亘
って薄肉状のシールゴム層48が、一体加硫接着せしめら
れており、かかるシールゴム層48が、外筒金具12の内周
面とオリフィス金具32、34及びシールスリーブ16の外周
面との間で挟圧されることにより、上記第一及び第二の
流体室34、36及びオリフィス通路46における流体密性が
確保されている。
さらに、このような構造とされたエンジンマウントにお
いて、前記第一の流体室36中には、第1図及び第2図に
示されているように、内筒金具10側の壁面から、前記貫
通孔22内に所定高さで突出する状態で、弾性支持部54
が、ゴム弾性体14にて一体的に延出形成されていると共
に、該弾性支持部54の先端部に対して、傘部材としての
矩形平板形状の傘プレート56が、固着されて支持せしめ
られている。そして、かかる傘プレート56によって、第
一の流体室36内が、その内部を内筒金具10と外筒金具12
との偏心方向に二分せしめられているのであり、且つ該
傘プレート56の周囲における、第一の流体室36の内壁面
との間に、環状の狭窄部58が形成されているのである。
なお、かかる傘プレート56の外表面は、ゴム弾性体14に
て一体的に形成された薄膜状のゴム層にて被覆されてい
る。
そして、マウントに対する振動入力に際して、内筒金具
10と外筒金具12とが、それらの偏心方向に相対移動せし
められることに伴い、第一の流体室36内に封入された流
体が、かかる狭窄部58を通じて、両金具10、12の偏心方
向に流動せしめられるようになっているのであり、以
て、良く知られているように、かかる流体の流動に基づ
く流動作用乃至は液柱共振作用によって、かかる狭窄部
58の流通断面積及び長さ等に応じた所定のチューニング
周波数域において所定の防振特性が発揮されることとな
り、通常は、こもり音やエンジン透過音等の中乃至高周
波数域の振動入力時におけるマウントばね定数が低下せ
しめられ、振動伝達率の低減が図られ得ることとなるの
である。
また、ここにおいて、かかるエンジンマウントにあって
は、そのゴム弾性体14に対して、第3図及び第4図にも
示されているように、前記スリット18と貫通孔22との間
において、略円柱形状を呈する、変位規制部材としての
規制ロッド60が、軸方向に貫通して配されており、該ゴ
ム弾性体14に対して一体的に加硫接着せしめられてい
る。なお、かかる規制ロッド60の両端部に形成された有
底穴62、62は、ゴム弾性体14の加硫成形時において、該
規制ロッド60を成形キャビティ内に位置決め保持するた
めの保持穴である。
また、特に、本実施例における規制ロッド60にあって
は、ゴム弾性体14から露出された軸方向両側端部におい
て、径方向外方に突出する外フランジ部64を有してお
り、該外フランジ部64の軸方向内側面におけるゴム弾性
体14に対する固着によって、かかる規制ロッド60のゴム
弾性体14に対する接着強度及び剪断剥離強度が高められ
ている。更に、該規制ロッド60が突出するゴム弾性体14
の軸方向両端面には、それぞれ、該規制ロッド60の周り
を略半周に亘って囲むように、円弧状の凹溝63が設けら
れて、剪断応力が逃げるようにされており、その接着強
度の更なる向上が図られている。
ところで、このような規制ロッド60にあっては、少なく
ともゴム弾性体14よりも高硬度の材料にて形成され、そ
れによってマウントに対する荷重入力時における、ゴム
弾性体14の弾性変形、なかでも特に軸方向への変形が、
該規制ロッド60によっって有効に規制され得ることとな
る。そして、該規制ロッド60は、例えば、剛性材料にて
形成されていても良いが、特に、ゴム弾性体14との界面
における剥離や亀裂の発生を抑えるために、或る程度の
弾性を有する硬質コム等によって形成されたものが、好
適に用いられることとなる。
従って、このような構造とされた円筒型エンジンマウン
トにあっては、前述の如く、エンジンユニットと車体と
の間に介装された際の、該エンジンユニットの重量によ
る静的初期荷重作用時における、ゴム弾性体14の、特に
第一の流体室36(貫通孔22)が形成された側における軸
方向への弾性変形が、規制ロッド60によって規制され得
るところから、かかる介装状態下における第一の流体室
36の軸方向両側壁部のマウント軸方向への膨出変形が効
果的に抑制され得るのであり、それによって該第一の流
体室36の内壁面と該流体室36内に配された傘プレート56
との間に形成された狭窄部58の間隙の、初期荷重の作用
に伴う変化が、有利に低減乃至は防止され得ることとな
るのである。
そして、それ故、かかる構造のエンジンマウントにあっ
ては、車両への装着に際してのエンジンユニット重量の
作用による狭窄部58の大きさの変化、換言すれば該狭窄
部58に設定されたチューニング特性の変化が効果的に抑
えられ得るところから、該狭窄部58を通じての流体の流
動作用乃至は液柱共振作用に基づく所期の防振特性、即
ち所望の中乃至高周波数域での振動伝達率の低減効果
が、有効に且つ安定して発揮され得ることとなるのであ
る。
また、このようなエンジンマウントにあっては、過大な
振動荷重が入力された際におけるゴム弾性体14の変形
も、かかる規制ロッド60によって有利に抑制され得、該
ゴム弾性体における過大な応力の発生が効果的に防止さ
れ得るところから、マウントの耐久性の向上をも、有利
に達成され得るといった効果を有しているのである。
さらに、本実施例におけるエンジンマウントにおいて
は、第二の流体室38を画成するダイヤフラム42の変形量
が、外筒金具12及びシールスリーブ16にて規制されてい
るところから、該ダイヤフラム42の耐久性が有利に確保
されているのであり、それによってもマウント全体とし
ての耐久性の向上が図られ得ることとなるのである。
以上、本発明をエンジンマウントに適用したものの一具
体例について詳述してきたが、これは文字通りの例示で
あっって、本発明は、かかる具体例にのみ限定して解釈
されるものではない。
例えば、前記実施例におけるエンジンマウントにあって
は、振動が入力される受圧室(第一の流体室36)と容積
可変の平衡室(第二の流体室38)とが、それぞれ、内筒
金具10を挟んで、振動入力方向に対向して、一室づつ形
成されていたが、その室数は限定されるものではない。
また、前述の如き平衡室(第二の流体室38)は、必ずし
も設ける必要はなく、例えば、前記実願昭61−100614号
に開示されている如き、そのような平衡室を備えないエ
ンジンマウントに対して、本考案を適用することも、勿
論可能である。
そしてまた、変位規制部材の具体的形状や配設位置及び
配設形態等は、前記実施例のものに限定されるものでは
なく、例えば、重量軽減のために中空形状とすること
や、ゴム弾性体14に対する固着強度を向上するために外
周面に凹凸を設けること等も可能であり、またかかる変
位規制部材を、流体室36内を軸方向に貫通して配し、或
いはゴム弾性体14の端面から露出することなく埋設状態
下に配することも可能である。
さらに、傘プレート56は、内筒金具10や外筒金具12に対
して直接支持せしめるようにすることが可能である。
また、本発明は、ゴム弾性体14に対して、その内部に所
定の作用を為し得る変位規制部材を一体的に配したこと
に、最も大きな特徴を有するものであって、流体室36、
38やオリフィス通路46、傘プレート56等の具体的な構造
や形態は、何等限定されるものでないことが理解される
べきである。
加えて、前記実施例においては、自動車のエンジンマウ
ントに対して、本発明を適用したものの一例を示した
が、本発明は、その他各種装置のマウント等として、有
利に適用され得るものである。
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に
基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様に
おいて実施され得るものであり、またそのような実施形
態が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも本発明の
範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないと
ころである。
(発明の効果) 上述の説明から明らかなように、このような本発明に従
う構造とされた流体封入式防振ブッシュにあっては、ゴ
ム弾性体内の所定部位に一体的に配された変位規制部材
によって、内外筒金具間への荷重作用時における、該ゴ
ム弾性体における振動が入力されるべき流体室の側壁部
の軸方向への弾性変形が有効に抑制され得ることとなる
のであり、またそれによってかかる流体室内壁面と該流
体室内に配された傘部材との間に形成された狭窄部の大
きさの、荷重作用時における変化が効果的に低減乃至は
防止され得るのである。
そして、それ故、特に、大きな静的初期荷重が作用せし
められる自動車のエンジンマウント等に対して本発明を
適用することによって、前記狭窄部の大きさ、即ち該狭
窄部を通じての流体の流動に基づく防振特性の、かかる
初期荷重による変化が有効に抑えられ得るのであり、以
て所期の目的とするところの所定周波数域の入力振動に
対する防振効果が有効に且つ安定して発揮され得ること
となるのである。
また、かかる構造の防振ブッシュにあっては、その変位
規制部材によって、大きな振動荷重入力時におけるゴム
弾性体の過大な変形が有利に抑制され得るところから、
該ゴム弾性体における過大な変形及び応力の発生が効果
的に回避され得るのであり、それによってかかるゴム弾
性体延いては防振ブッシュの耐久性が有利に向上され得
るといった利点をも有しているのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に従う構造とされた円筒型エンジンマウ
ントの一実施例を示す横断面図であり、第2図は第1図
におけるII−II断面図であり、第3図はかかるエンジン
マウントを構成する一体加硫成形品を示す第1図に対応
する横断面図であり、第4図は第3図におけるIV−IV断
面図であり、第5図はかかるエンジンマウントを構成す
るオリフィス金具の一方を取り出して示す断面図であ
り、第6図は第5図におけるVI−VI断面図である。 10……内筒金具、12……外筒金具 14……ゴム弾性体、16……シールスリーブ 22……貫通孔、32,34……オリフィス金具 36……第一の流体室、38……第二の流体室 42……ダイヤフラム、46……オリフィス通路 54……弾性支持部、56……傘プレート 58……狭窄部、60……規制ロッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに同心的に若しくは偏心して配された
    内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装される筒状
    ゴム弾性体にて連結して、連結体を構成すると共に、該
    連結体の内部に、所定の非圧縮性流体が封入され且つオ
    リフィス通路を通じて相互に連通された複数の流体室
    を、周方向に独立した状態で設け、更にそれらの流体室
    のうち防振すべき振動が入力される少なくとも一つの流
    体室中に、前記内筒金具乃至は外筒金具に対して直接に
    若しくはゴム弾性体を介して間接に取り付けられて、該
    流体室の内壁面との間に狭窄部を形成する傘部材を配し
    てなる流体封入式防振ブッシュであって、 ブッシュ軸方向に延びる変位規制部材を、前記筒状ゴム
    弾性体内で、且つ前記傘部材が配された防振すべき振動
    が入力される流体室における軸方向両側壁部の軸方向へ
    の変形を実質的に規制し得る部位に、埋設乃至は貫通状
    態下に一体的に配したことを特徴とする流体封入式防振
    ブッシュ。
  2. 【請求項2】前記変位規制部材が、少なくとも前記筒状
    ゴム弾性体よりも高硬度の弾性材料にて形成されている
    特許請求の範囲第1項記載の流体封入式防振ブッシュ。
  3. 【請求項3】前記複数の流体室の少なくとも一つが、一
    部がゴム弾性薄膜にて画成された容積可変の平衡室にて
    構成されている特許請求の範囲第1項又は第2項に記載
    の流体封入式防振ブッシュ。
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