JPH0349317Y2 - - Google Patents

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JPH0349317Y2
JPH0349317Y2 JP1987198483U JP19848387U JPH0349317Y2 JP H0349317 Y2 JPH0349317 Y2 JP H0349317Y2 JP 1987198483 U JP1987198483 U JP 1987198483U JP 19848387 U JP19848387 U JP 19848387U JP H0349317 Y2 JPH0349317 Y2 JP H0349317Y2
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fluid
fitting
vibration
metal fitting
pressure receiving
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は、主としてブツシユ径方向に入力され
る振動を防振する筒形の流体封入式防振ブツシユ
に係り、特に低周波数域の入力振動に対する優れ
た振動減衰効果と共に、中乃至高周波数域の振動
入力時における振動絶縁効果を有利に得ることの
できる流体封入式防振ブツシユに関するものであ
る。
(背景技術) 従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装
されて、それらを防振連結する防振ブツシユの一
種として、例えば、自動車のサスペンシヨンブツ
シユやFF(フロントエンジン・フロントドライ
ブ)車の円筒系エンジンマウントの如く、全体と
して略円筒形状を呈し、主としてその径方向の所
定の方向に入力される振動を減衰乃至は遮断する
ようにしたものが知られている。
そして、そのような防振ブツシユの一種とし
て、本願出願人は、先に、実願昭61−100615号に
おいて、互いに同心的に若しくは偏心して配され
た内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装さ
れるゴム弾性体にて連結することによつて構成さ
れた連結体に対して、該連結体の内部に、防振す
べき振動が入力せしめられる受圧室と、壁部を構
成する可撓性膜の弾性変形に基づいて容積可変と
された平衡室とを、周方向に独立されて且つオリ
フイス通路にて相互に連通せしめられた形態をも
つて設けると共に、それらの受圧室及び平衡室内
に所定の非圧縮性流体を封入せしめ、更にかかる
受圧室中に、前記内筒金具に取り付けられて、該
受圧室の内壁面との間に狭窄部を形成する傘部材
を配してなる構造の、所謂流体封入式防振ブツシ
ユを明らかにした。
すなわち、かかる構造の防振ブツシユにあつて
は、低周波数域の振動入力に際して、内外筒金具
間に入力される振動荷重によつて、ゴム弾性体が
弾性変形されて、内部に形成された流体室の容積
(内圧)が変化せしめられることにより、かかる
内圧変化に基づいて受圧室と平衡室との間で惹起
される、オリフイス通路を通じての流体の流動、
即ち液柱共振によつて、入力振動に対する高減衰
効果が発揮され得るのであり、また一方、かかる
オリフイス通路が実質上閉塞状態となる、中乃至
高周波数域の振動入力に際しては、受圧室中に形
成された狭窄部に惹起される封入流体の液柱共振
によつて、ブツシユ全体のバネ定数の低減、即ち
振動伝達率の低下が図られ得るのである。
ところが、このような構造の防振ブツシユにお
いても、狭窄部における封入流体の液柱共振作用
による振動伝達率の低減効果が有効に発揮され得
る周波数域が狭いために、中乃至高周波数域の複
数の乃至は広い領域において、振動伝達率を充分
に低減することは、極めて困難であつたのであ
る。そして、そのために、例えば、かかる構造を
FF車のエンジンマウントに適用した場合に、オ
リフイス通路による振動減衰効果が有利に発揮さ
れ得る周波数域を10Hz程度に設定して、エンジン
シエイク等の低周波大振幅の振動の減衰を図る一
方、狭窄部における封入流体の液柱共振作用によ
る低動ばね化が有利に発揮され得る周波数域を
200〜300Hzに設定して、エンジン透過音等のこも
り音を防止しようとした場合には、50〜150Hz程
度の中周波数域の振動入力時における振動伝達率
が極めて大きくなり、中速こもり音やビート音の
発生が問題となるのであり、それ故、特に、この
ような中乃至高周波数域の広い周波数域におい
て、入力振動に対する低動ばね特性が要求される
エンジンマウント等としては、未だ改良の余地を
有していたのである。
(解決手段) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背
景として為されたものであつて、その特徴とする
ところは、振動伝達系を構成する二つの部材間に
介装されて、それらを防振連結せしめる流体封入
式防振ブツシユであつて、(a)内筒金具と、(b)該内
筒金具の外側に所定距離を隔てて配された外筒金
具と、(c)それら内筒金具と外筒金具との間に介装
されて、それらを弾性的に連結するゴム弾性体
と、(d)該ゴム弾性体に設けられた、外周面に開口
するポケツト部の開口部位に配されて、かかるポ
ケツト部の開口を閉塞せしめることにより流体収
容空間を画成する、少なくとも一部が可撓性膜に
て構成された閉塞部材と、(e)かかる流体収容空間
内に封入された所定の非圧縮性流体と、(f)前記流
体収容空間内に配されて、該流体収容空間を、振
動の入力によつて内圧変化を生ぜしめられる受圧
室と、前記閉塞部材における可撓性膜の弾性変形
に基づいて容積変化が許容される平衡室とに仕切
る隔壁部材と、(g)かかる受圧室の内部において、
前記内筒金具にて支持されて、該受圧室の内壁面
との間に狭窄部を形成すると共に、かかる受圧室
内を該狭窄部を挟んでマウント径方向において内
外に分割する傘部材と、(h)前記隔壁部材に取り付
けられることにより、前記受圧室と平衡室との間
の流体圧差を吸収する方向に所定距離変位乃至は
変形可能に配された可動部材と、(i)前記受圧室と
平衡室との間に設けられて、両流体室を相互に連
通せしめるオリフイス通路とを、含んで構成せし
めたことにある。
(実施例) 以下、本考案を更に具体的に明らかにするため
に、本考案の実施例について、図面を参照しつ
つ、詳細に説明することとする。なお、ここで
は、本考案をFF車用の円筒形エンジンマウント
に適用したものの一実施例について説明する。
先ず、第1図及び第2図には、本考案に従う構
造とされたFF車用円筒形エンジンマウントが示
されている。これらの図において、10及び12
は、それぞれ、内筒金具及び外筒金具であつて、
マウント径方向に所定量偏心して配置されてお
り、それらの間に介装された、全体として略円筒
形状を呈するゴム弾性体14によつて、弾性的に
連結されている。
そして、かかるエンジンマウントにあつては、
内筒金具10及び外筒金具12において、車体側
及びエンジンを含むパワーユニツト側の各一方に
取り付けられて、パワーユニツトを車体に対して
防振支持せしめるようになつており、かかる取付
状態において、パワーユニツトの負荷重量が、そ
れら両金具10,12の偏心方向(第1図中、上
下方向)に及ぼされ、ゴム弾性体14が弾性変形
せしめられることによつて、それら両金具10,
12が、略同心的に位置せしめられることとな
る。また、かかるエンジンマウントにあつては、
内筒金具10と外筒金具12との偏心方向に入力
される振動を主として防振するものであり、かか
る防振すべき振動の入力に際して、ゴム弾性体1
4は、専らそれら両金具10,12の偏心方向に
変形せしめられることとなる。
ここにおいて、内筒金具10は、比較的厚肉の
円筒形状をもつて形成されており、その径方向外
側には、所定距離を隔てて、略薄肉円筒形状を呈
する金属製のシールスリーブ16が、所定量偏心
して位置せしめられている。そして、第3図及び
第4図に示されている如く、これら内筒金具10
とシールスリーブ16との間において、前記ゴム
弾性体14が介装されており、該ゴム弾性体14
が、内筒金具10の外周面とシールスリーブ16
の内周面とに、それぞれ加硫接着された一体加硫
成形品として形成されている。
また、かかるゴム弾性体14には、内筒金具1
0とシールスリーブ16との偏心方向における離
間距離の小なる側において、シールスリーブ16
の内周面に略沿うようにして、周方向に所定長さ
で延びる貫通空所18が、軸方向に貫通して形成
されている。そして、それによつて前述の如き、
接着状態下に及ぼされるパワーユニツトの負荷重
量による、ゴム弾性体14の弾性変形時における
引張応力の発生が低減され得るようになつてい
る。
なお、かかる貫通空所18内には、ゴム弾性体
14によつて、内筒金具10側からシールスリー
ブ16側に向かつて、偏心方向に所定高さで突出
するストツパ部20が形成されており、該ストツ
パ部20の貫通空所18内面に対する当接によつ
て、かかる内筒金具10の貫通空所18側への過
大な変位が規制され得るようになつている。
さらに、該ゴム弾性体14の軸方向中央部に
は、上記貫通空所18に対して内筒金具10を挟
んで径方向に対向する位置において、換言すれば
内筒金具10とシールスリーブ16との偏心方向
における離間距離に大なる側において、径方向略
中央部にまで至る略半円断面形状をもつて刳り抜
かれた、外周面上に開口するポケツト部22が形
成されている。
また、かかるポケツト部22内には、内筒金具
10に外嵌された取付スリーブ24に取り付けら
れることにより、傘部材としての傘プレート26
が、収容状態下に配されている。かかる傘プレー
ト26は、二枚の板金具28,28間にゴム層3
0が介在されてなる、全体として矩形平板形状を
もつて形成されており、ポケツト部22内に所定
高さで突出する取付スリーブ24に対してボルト
25にて固定されることにより、該取付スリーブ
24を介して内筒金具10にて支持されて、該内
筒金具10の偏心方向に対して略直角な平面をも
つて広がる状態で配されている。
一方、このようなゴム弾性体14の外周面に固
着された、前記シールスリーブ16にあつては、
前記ポケツト部22の形成部位において窓部32
が設けられており、かかる窓32を介して、ポケ
ツト部22が外周面上に開口せしめられている。
さらに、かかるシールスリーブ16における上
記窓部32の形成部位を除く部分には、その軸方
向の中央部が縮径されて、外周面に開口する幅広
の周溝34が、周方向に形成されている。
そして、第1図及び第2図に示されている如
く、このような内筒金具10が内周面上に、シー
ルスリーブ16が外周面上に、それぞれ固着せし
められた筒状のゴム弾性体14からなる一体加硫
成形品に対して、そのシールスリーブ16におけ
る周溝34内に、略半円筒形状のオリフイス金具
36,38が、それぞれ、前記内筒金具10とシ
ールスリーブ16との偏心方向両側から嵌入され
て、全体として円筒状に組み付けられている。な
お、これらのオリフイス金具36,38は、それ
ぞれ、シールスリーブ16に形成された周溝34
内に嵌入されることによつて、その組付位置が規
定されている。
ここにおいて、かかる一対のオリフイス金具の
うち、内筒金具10とシールスリーブ16との離
間距離が大なる側の偏心方向から組み付けられる
オリフイス金具36にあつては、第5図及び第6
図にも示されているように、その周方向中央部分
において、径方向内方に凹陥せしめられた凹陥部
40が形成されていることにより、該凹陥部40
の内部に、外周面上に開口する凹所42が形成さ
れている。そして、上述の如き、かかるオリフイ
ス金具36の一体加硫成形品に対する組付けの
際、該凹陥部40が、前記ポケツト部22内に嵌
め込まれた状態で、組み付けられている。
また、かかるオリフイス金具36には、凹所4
0の形成部位を除く部分において、他方のオリフ
イス金具38には、その周方向全周に亘つて、そ
れぞれ、外周面上に開口する凹溝44が、周方向
に形成されており、上述の如き組付けによつて、
それらの凹溝44が周方向に相互に連続されるよ
うになつていると共に、該周方向に連続せしめら
れた凹溝44の一端側が、連通孔46を通じて、
前記ポケツト部22内に連通せしめられている一
方、他端側が、凹所42内に開口、連通されてい
る。
また一方、オリフイス金具36に形成された凹
所42内には、内壁金具48が嵌め込まれて一体
的に組み付けられている。かかる内壁金具48
は、第7図及び第8図にも示されているように、
オリフイス金具36の凹所42の内面に略対応し
た形状をもつて形成されており、該凹所42内に
対して、その内面を全面に亘つて覆うように密接
された状態で、嵌入されて組み付けられている。
そして、それによつて前記ポケツト部22内
が、オリフイス金具36及び内壁金具48によつ
て、二つの空間に仕切られているのである。な
お、このことから明らかなように、本実施例にお
いては、かかるオリフイス金具36及び内壁金具
48によつて、隔壁部材が構成されている。
また、該内壁金具48には、上記オリフイス金
具36,38に形成された凹溝44の一端側に接
続される通孔50が設けられていることによつ
て、かかる凹溝44が、該内壁金具48の内部空
間に連通されている。一方、該内壁金具48とオ
リフイス金具36との間には、それらの重合面に
沿つて広がる空所52が形成されていると共に、
該空所52内において、可動部材としての薄肉プ
レート状の可動板54が、それら両金具の重合方
向に所定量変位可能に収容、配置されている。更
にまた、それらオリフイス金具36及び内壁金具
48には、それぞれ、第5図乃至第8図に示され
ている如く、上記可動板54が収容された空所5
2内を、外部に連通せしめる所定大きさの連通孔
56が、複数個設けられている。
そして、このようにオリフイス金具36,38
及び内壁金具48が組み付けられた一体加硫成形
品にあつては、第1図及び第2図に示されている
ように、その外周面上に、前記外筒金具12が外
嵌、固定されることとなるが、かかる外筒金具1
2の外嵌に際して、内壁金具48の開口部分に対
して、その開口を閉塞するように、薄肉ゴムにて
形成された可撓性膜たるダイヤフラム58が配さ
れ、その周縁部が、該内壁金具48と外筒金具1
2との間で流体密に挟持されることによつて取り
付けられることとなる。
すなわち、かかるダイヤフラム58の組付け及
び外筒金具12の外嵌によつて、前記ゴム弾性体
14におけるポケツト部22の開口が閉塞せしめ
られて、そこに外部空間に対して密閉された流体
収容空間59が画成されているのである。なお、
このことから明らかなように、本実施例にあつて
は、かかるダイヤフラム58と外筒金具12とに
よつて、ポケツト部22の開口を閉塞する閉塞部
材が構成されている。
そして、ここにおいて、かかる流体収容空間5
9は、前述の如く、オリフイス金具36と内壁金
具48とによつて、二つの空間に仕切られている
のであり、それによつて、該オリフイス金具36
とゴム弾性体14との間に、その外周部開口が外
筒金具12にて閉塞された第一の流体室60が、
また、内壁金具48の内部に、その外周部開口が
ダイヤフラム58にて閉塞された第二の流体室6
2が、それぞれ形成されている。また、かかる外
筒金具12の外嵌によつて、前記オリフイス金具
36,38の凹溝44の開口が、該外筒金具12
にて閉塞、密閉されることにより、上記第一の流
体室60と第二の流体室62とを相互に連通せし
めるオリフイス通路64が形成されている。
なお、かかる第二の流体室62を画成するダイ
ヤフラム58は、内方に凹陥せしめられた状態で
組み付けられており、それによつて外筒金具12
との間において、該ダイヤフラム58の膨出変形
を許容する空間68が形成されていると共に、外
筒金具12には、かかる空間68を外部空間に連
通せしめる通気孔70が設けられて、該空間68
内におけるダイヤフラム58の変形に伴う圧発生
が回避され得るようになつている。
そして、このような構造のエンジンマウントに
あつては、内外筒金具10,12間への振動入力
に際して、第一の流体室60が、ゴム弾性体14
の弾性変形に基づいて内圧が変化せしめられる流
体室、即ち防振すべき振動が入力される受圧室と
して、また第二の流体室62が、ダイヤフラム5
8の弾性変形に基づいて、その容積が可変とされ
た平衡室として、それぞれ構成されているのであ
る。また、ここにおいて、かかる第一の流体室6
0内は、その内部に配された前記傘プレート26
によつて、マウント径方向の内側と外側に位置す
る二つの空間に分割されていると共に、該傘プレ
ート26の外周縁部と第一の流体室60の壁部内
面との間には、環状の狭窄部72が形成されてお
り、それら二つの空間が、該狭窄部72を通じて
相互に連通せしめられている。
また一方、これらの第一及び第二の流体室60
及び62内には、上記外筒金具12の外嵌操作
が、水やポリアルキレングリコール等の所定の非
圧縮性流体中で行なわれること等によつて、それ
ぞれ、所定の非圧縮性流体が充填されて封入せし
められていると共に、更にその後、該外筒金具1
2に対して八方絞り加工等の縮径加工が施される
ことによつて、それら第一及び第二の流体室6
0,62における液密性の確保が為されているの
である。なお、特に、本実施例における外筒金具
12にあつては、その内周面の略全面に亘つてシ
ールゴム層66が一体的に設けられていることに
よつて、そのシール性の向上が図られている。
ところで、このようなエンジンマウントにあつ
ては、前述の如く、その装着状態下において、パ
ワーユニツトの重量が及ぼされるために、かかる
負荷重量によつて第一の流体室60の内圧が上昇
することに伴い、第二の流体室62の容積がダイ
ヤフラム58の膨出変形によつて増大されること
となるが、該第二の流体室62の容積の増大量に
は限界があるために、かかる装着状態下での容積
増大によつて、過大な振動荷重入力時における可
変容量(容積)が不足することとなり、所期の防
振効果が充分に発揮され得なくなる虞がある。
そこで、好ましくは、上述の如き、所定の流体
中での外筒金具12の外嵌による非圧縮性流体の
封入が、内外筒金具10,12間に対して、エン
ジンユニツトの負荷重量に相当する荷重を作用せ
しめた状態下において、例えばゴム弾性体14の
貫通空所18内に所定の治具を圧入せしめた状態
下において行われることとなり、それによつて前
記装着状態下に及ぼされる初期荷重による防振機
能の低下が、有利に回避され得ることとなる。
従つて、上述の如き構造とされたエンジンマウ
ントにあつては、その振動入力に際して、第一の
流体室60内の流体圧の変動に基づく、オリフイ
ス通路64乃至は連通孔56を通じての、第一の
流体室60と第二の流体室62との間における流
体の流動、或いは第一の流体室62内における傘
プレート26の変位に基づく、狭窄部72を通じ
ての流体の流動が惹起せしめられることとなるの
であり、そしてそれらオリフイス通路64、連通
孔56及び狭窄部72に対してそれぞれ設定され
た所定の周波数域の振動入力時において、それら
の各部における流体の流動作用乃至は液柱共振作
用に基づく所定の防振効果が発揮され得ることと
なるのである。
より具体的には、例えば、10〜20Hz前後の低周
波大振幅の振動入力時に、オリフイス通路64を
通じての流体の流動に基づいて、優れた振動減衰
力が発揮され得るように、また該オリフイス通路
64が実質上に閉塞状態となる150〜200Hz程度の
中周波小振幅の振動入力時に、可動板54の変位
に伴う連通孔56を通じての流体の流動に基づい
て、第一の流体室60内の液圧上昇の回避及びそ
れに伴う低動ばね効果が発揮され得るように、更
にかかる連通孔56も機能し得ない200〜500Hz程
度の高周波小振幅の振動入力時に、狭窄部72を
通じての流体の流動に基づいて、低動ばね効果が
発揮され得るように、それらのオリフイス通路6
4、連通孔56及び狭窄部72の流通断面積や長
さ等がチユーニングせしめられることとなるので
ある。なお、かかる連通孔56にあつては、低周
波大振幅の振動が入力された際、可動板54によ
つて、その開口が閉塞せしめられることとなり、
それによつて第一の流体室60内の液圧変動を確
保して、オリフイス通路64における振動減衰機
能が充分に発揮され得るようになつている。
すなわち、かかるエンジンマウントにあつて
は、低周波数域の入力振動に対する高減衰特性と
共に、中乃至高周波数域の入力振動に対する低動
ばね特性が、より広い周波数域に亘つて有利に実
現され得るのであり、それによつてエンジンシエ
イク等の低周波数域の入力振動の防振と共に、中
速こもり音やビート音、エンジン透過音等のこも
り音などの原因となる、中乃至高周波数域の入力
振動の防振が、極めて効果的に達成され得ること
となるのである。
また、このようなエンジンマウントにあつて
は、前述の如き、外周部分において周方向に延び
るオリフイス通路64を設定することによつて、
該オリフイス通路64の長さを有利に確保するこ
とができるのであり、それによつてその流通断面
積を充分に大きく設定できることから、その内部
を通じて流動される流体による振動減衰効果が、
より有効に発揮され得ることとなるといつた利点
をも有しているのである。
さらに、本実施例におけるエンジンマウントに
おいては、ダイヤフラム58の膨出変形量が、外
筒金具12によつて規制され得るところから、過
大な変形に伴う亀裂等の発生が有効に防止され
て、その耐久性の向上が達成され得ることとなる
のである。
以上、本考案の一実施例について詳述してきた
が、これは文字通りの例示であつて、本考案は、
かかる具体例にのみ限定して解釈されるものでは
ない。
例えば、流体収容空間を構成するポケツト部の
具体的形態およびかかる流体収容空間内に形成さ
れる受圧室と平衡室との配置形態等は、前記実施
例に限定されるものではなく、例えば第9図に示
されている如き形態をとることも可能である。な
お、かかる第9図においては、前記実施例と同様
な構造とされた部材に対して、それぞれ、同一の
符号を付することにより、その詳細な説明は省略
することとする。
また、平衡室の容積変化を許容する可撓性膜と
しても、上記第9図に示されている如く、外筒金
具12のシールゴム層66と一体的に形成せしめ
ることも可能である。
さらに、受圧室と平衡室との間に配されて、そ
れらの間の流体圧差を吸収する可動部材として
も、前記実施例の如き、第一及び第二の流体室6
0,62に対して連通された空所52内に可動板
54を収容せしめてなる構造の他、公知の種々な
る機構を適用することが可能であり、例えば、帆
布等の補強材が埋設されることによつて弾性変形
量が規制された弾性薄膜を、受圧室と平衡室との
間に形成された連通孔に対して、それを閉塞する
ように配すること等によつて構成することも可能
である。
加えて、前記実施例では、本考案をFF車の円
筒形エンジンマウントに適用した例について述べ
たが、本考案は、自動車のサスペンシヨンブツシ
ユ等の防振ブツシユや各種装置の防振マウント等
にも、好適に適用され得るものであることは、勿
論である。
その他、一々列挙はしないが、本考案は当業者
の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、ま
たそのような実施態様が、本考案の趣旨を逸脱し
ない限り、何れも本考案の範囲内に含まれるもの
であることは、言うまでもないところである。
(考案の効果) 上述の説明から明らかなように、このような本
考案に従う構造とされた防振ブツシユにあつて
は、所定の中乃至高周波数域の入力振動に対する
防振効果が、傘部材にて形成された狭窄部におけ
る流体の流動乃至は液柱共振による振動伝達率の
低減作用と、受圧室と平衡室との間に配された可
動部材の変形乃至は変位に基づく液圧吸収乃至は
液柱共振による振動伝達率の低減作用とによつ
て、それぞれ有効に発揮され得ることとなるので
ある。
そして、それ故、かかる防振ブツシユにおい
て、それらの狭窄部及び可動部材に対して、防振
効果が有効に発揮される周波数域として、それぞ
れ、異なる領域を設定せしめることにより、オリ
フイス通路を通じての流体の流動に基づく、低周
波数域の入力振動に対する高減衰効果を確保しつ
つ、中乃至高周波数域における振動伝達率の低
減、即ち防振効果の向上が、より広い周波数域に
亘つて有利に達成され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例たるエンジンマウン
トを示す横断面図であり、第2図は第1図におけ
る−断面図であり、第3図はかかるエンジン
マウントを構成するゴム弾性体の一体加硫成形品
を示す、第1図に対応する横断面図であり、第4
図は第3図における−断面図であり、第5図
はかかるエンジンマウントを構成するオリフイス
金具の一方を示す平面図であり、第6図は第5図
における−断面図であり、第7図はかかるエ
ンジンマウントを構成する内壁金具を示す平面図
であり、第8図は第7図における−断面図で
ある。また、第9図は本考案に従う構造とされた
エンジンマウントの別と実施例を示す、第1図に
対応する横断面図である。 10:内筒金具、12:外筒金具、14:ゴム
弾性体、22:ポケツト部、26:傘プレート、
54:可動板、56:連通孔、58:ダイヤフラ
ム、59:流体収容空間、60:第一の流体室
(受圧室)、62:第二の流体室(平衡室)、6
4:オリフイス通路、72:狭窄部。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 内筒金具と、 該内筒金具の外側に所定距離を隔てて配された
    外筒金具と、 それら内筒金具と外筒金具との間に介装され
    て、それらを弾性的に連結するゴム弾性体と、 該ゴム弾性体に設けられた、外周面に開口する
    ポケツト部の開口部位に配されて、かかるポケツ
    ト部の開口を閉塞せしめることにより流体収容空
    間を画成する、少なくとも一部が可撓性膜にて構
    成された閉塞部材と、 かかる流体収容空間内に封入された所定の非圧
    縮性流体と、 前記流体収容空間内に配されて、該流体収容空
    間を、振動の入力によつて内圧変化が生ぜしめら
    れる受圧室と、前記閉塞部材における可撓性膜の
    弾性変形に基づいて容積変化が許容される平衡室
    とに仕切る隔壁部材と、 かかる受圧室の内部において、前記内筒金具に
    て支持されて、該受圧室の内壁面との間に狭窄部
    を形成すると共に、かかる受圧室内を該狭窄部を
    挟んでマウント径方向において内外に分割する傘
    部材と、 前記隔壁部材に取り付けられることにより、前
    記受圧室と平衡室との間の流体圧差を吸収する方
    向に所定距離変位乃至は変形可能に配された可動
    部材と、 前記受圧室と平衡室との間に設けられて、両流
    体室を相互に連通せしめるオリフイス通路とを、
    有することを特徴とする流体封入式防振ブツシ
    ユ。
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