JPH0439482Y2 - - Google Patents

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JPH0439482Y2
JPH0439482Y2 JP1987123016U JP12301687U JPH0439482Y2 JP H0439482 Y2 JPH0439482 Y2 JP H0439482Y2 JP 1987123016 U JP1987123016 U JP 1987123016U JP 12301687 U JP12301687 U JP 12301687U JP H0439482 Y2 JPH0439482 Y2 JP H0439482Y2
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fluid
vibration
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rubber elastic
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は流体封入式防振ブツシユに係り、特に
径方向に入力される低周波数域の振動に対して、
優れた減衰効果を発揮せしめ得る流体封入式防振
ブツシユに関するものである。
(背景技術) 従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装
されて、それらを防振連結する防振ブツシユの一
種として、例えば、自動車のサスペンシヨンブツ
シユやFF(フロントエンジン・フロントドライ
ブ)車の円筒形エンジンマウントの如く、主とし
てその径方向の所定の方向に入力される振動を減
衰乃至は遮断するようにしたものが知られてい
る。
そして、そのような防振ブツシユとし、本願出
願人は、先に、実開昭63−6247号及び実開昭63−
6248号として、互いに同心的に若しくは偏心して
配された内筒金具と外筒金具とを、それらの間に
介装される筒状ゴム弾性体にて連結することによ
つて構成された連結体に対して、該連結体の内部
に、所定の非圧縮性流体が封入され、且つオリフ
イス通路を通じて相互に連通された複数の流体室
を、周方向に分断された状態で設け、更にそれら
の流体室のうち防振すべき振動が入力される少な
くとも一つの流体室中に、前記内筒金具乃至は外
筒金具に一体的に取り付けられて、該流体室の内
壁面との間に狭窄部を形成する傘部材を配してな
る構造の、所謂流体封入式防振ブツシユを明らか
にした。
すなわち、かかる構造の防振ブツシユにあつて
は、低周波数域の振動入力に際して、内外筒金具
間に入力される振動荷重によつて、筒状ゴム弾性
体が弾性変形されて、内部に形成された流体室の
容積(内圧)が変化せしめられることにより、か
かかる内圧変化に基づいて流体室相互間で惹起さ
れる、オリフイス通路を通じての流体の流動に基
づいて、入力振動に対する高減衰効果が発揮され
得るのであり、また一方、かかるオリフイス通路
が実質上閉塞状態となる、高周波数域の振動入力
に際しては、流体室中に形成された狭窄部に惹起
される封入流体の液柱共振によつて、ブツシユ全
体のバネ定数の低減、即ち振動伝達率の低下が有
効に図られ得るのである。
ところが、このような防振ブツシユにおいて
は、振動が入力される流体室の軸方向側壁部が、
ゴム弾性体にて構成されているために、該流体室
内の容積を減少せしめる方向の振動荷重が入力せ
しめられた際、かか側壁部に、ブツシユ軸方向外
方に膨らむ弾性変形が惹起され易く、それによつ
て流体室内の容積(内圧)変化が有効に生ぜしめ
られなくなり、充分なるオリフイス効果を得るこ
とができなくなる虞があつたのであり、より大き
な振動減衰力を得るために、未だ改良の余地があ
つたのである。
しかも、かかる防振ブツシユにあつては、振動
入力時に流体室の壁部が軸方向外方に膨出変形せ
しめられることにより、傘部材と流体室の内壁面
との間に形成された狭窄部の大きさが変化してし
まうために、該狭窄部を通じて流動せしめられる
流体の共振周波数が安定せず、所期の防振効果が
充分に得られ難いという問題をも、内在していた
のである。
(解決手段) ここにおいて、本考案は、上述の如き実情を背
景として為されたものであつて、その特徴とする
ところは、互いに同心的に若しくは偏心して配さ
れた内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装
される筒状ゴム弾性体にて連結して、連結体を構
成すると共に、該連結体の内部に、所定の非圧縮
性流体が封入され且つオリフイス通路を通じて相
互に連通された複数の流体室を、周方向に分断さ
れた状態で設け、更にそれらの流体室のうち防振
すべき振動が入力される少なくとも一つの流体室
中に、前記内筒金具乃至は外筒金具に一体的に取
り付けられて、該流体室の内壁面との間に狭窄部
を形成する傘部材を配しなる流体封入式防振ブツ
シユにおいて、前記内筒金具の軸方向両端部に取
り付けられて、前記筒状ゴム弾性体の軸方向両側
に配され、前記傘部材に対して、該筒状ゴム弾性
体にて構成された前記流体室の壁部を挟んで、軸
方向に対向位置せしめられることにより、かかる
流体室の壁部の軸方向外方への膨出を規制する規
制プレートを設けたことにある。
(考案の効果) すなわち、このような本考案に従う構造とされ
た流体封入式防振ブツシユにあつては、振動が入
力される流体室の軸方向側壁部を構成するゴム弾
性体における、ブツシユ軸方向外方への膨出が、
規制プレートによつて規制され得るところから、
振動荷重入力時における、そのようなゴム弾性体
の膨出による流体室内の液圧の逃げが効果的に防
止され得、以てかかるゴム弾性体の弾性変形に基
づいて、流体室内の液圧変化が極めて有効に生ぜ
しめられ得るのであり、それによつてオリフイス
通路を通じての流体室間での流体の流動量の増加
が図られ得、入力振動に対するより優れた減衰力
が発揮され得ることとなるのである。
しかも、そのように流体室の壁部の軸方向外方
への膨出変形が規制されることによつて、傘部材
と流体室の内壁面との間に形成された狭窄部の大
きさの変化が抑えられることから、かかる狭窄部
を通じて流動せしめられる流体の共振周波数の安
定化が図られ得るのえあり、以て、該狭窄部を通
じて流動せしめられる流体による所期の防振効果
も、有効に発揮され得るのである。
(実施例) 以下、本考案をより一層具体的に明らかにする
ために、本考案の実施例について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。なお、ここで
は、本考案をFF車用の円筒型エンジンマウント
に適用したものの一実施例について説明する。
先ず、第1図乃至第3図には、本考案に従う構
造とされたFF車用円筒形エンジンマウントが示
されている。これらの図において、10及び12
は、それぞれ、内筒金具及び外筒金具であり、マ
ウント径方向に所定距離偏心して配置されてい
る。また、それら内筒金具10と外筒金具12と
の間には、ゴム弾性体14が介装されており、該
ゴム弾性体14によつて、内筒金具10及び外筒
金具12が、一体的に且つ弾性的に連結されてい
る。
そして、かかるエンジンマウントは、内筒金具
10において車体側又はエンジンを含むパワーユ
ニツト側の取付軸に外挿されて取り付けられる一
方、外筒金具12において車体側又はパワーユニ
ツト側の筒状保持部に挿入されて取り付けられ、
それによつてパワーユニツトを車体に対して防振
支持せしめるようになつている。なお、本実施例
におけるマウントにあつては、実車装着の際、内
外筒金具10,12間にエンジン荷重が及ぼされ
ることにより、それら両金具10,12が略防振
的に位置せしめられることになる。
より詳細には、前記ゴム弾性体14は、内外筒
金具10,12の偏心方向の離間距離の小さい側
において、マウント軸心方向に貫通する略円弧状
断面の空所20を備えた、円筒形状をもつて形成
されており、第4図乃至第6図に示されているよ
うに、その内周面において、内筒金具10の外周
面に一体加硫接着せしめられていると共に、その
外周面には、略円筒形状のシールスリーブ16
が、一体に架硫接着されている。このシールスリ
ーブ16には、内外筒金具10,12の偏心方向
に対向する位置に、それぞれ、略矩形状の窓部1
8,18が設けられていると共に、それらの窓部
18,18間には、それぞれの窓部18,18の
周方向端部を、相互に連通させるように、外周側
に開口する溝部22,22が形成されている。
また、ゴム弾性体14には、かかるシールスリ
ーブ16における、内外筒金具10,12間の距
離が大なる方向の窓部18に対応する部位に、該
窓部18を通じて外周面上に開口する状態で、所
定深さのポケツト部24が形成されている。また
一方、かかるシールスリーブ16における他方の
窓部18に対応する部位には、該窓部18を内側
から閉塞するように、薄膜状の弾性袋部26が、
前記空所20内に突出して、ゴム弾性体14にて
一体に成形されており、かかる袋部26にて、窓
部18を開口部とする容積可変の凹所28が形成
されている。
そして、第1図乃至第3図に示されている如
く、このようなポケツト部24及び凹所28を備
えたゴム弾性体14の一体加硫成形品に対し、そ
の外周面に配されたシールスリーブ16の溝部2
2内に一部を収容された状態で、半円筒形状の一
対のオリフイス分割体30,30が、全体として
円筒状を呈する形態をもつて、外周面上に一体的
に組み付けられ、該オリフイス分割体30,30
にて、かかるポケツト部24及び凹所28の開口
が閉塞されることによつて、二つの流体室、即ち
受圧室36及び平衡室38が形成されている。
また、これらのオリフイス分割体30,30
は、その外周面において、組み合わされた状態
で、周方向に略一周半強の長さで延びる螺旋状の
オリフイス溝34を備えいおり、かかるオリフイ
ス溝34は、その長さ方向両側端部において、底
部に設けられた連通孔40を通じて、それぞれ、
前記受圧室36及び平衡室38内に連通せしめら
れいる。
さらに、このようにオリフイス分割体30,3
0が組み付けられた一体加硫成形品には、内周面
にシールゴム42を一体的に備えた外筒金具12
が外嵌させ、縮径加工が施されることより、かか
るオリフイス分割体30,30におけるオリフイ
ス溝34の開口が覆蓋されているのであり、それ
によつて該オリフイス分割体30,30と外筒金
具12との間に、前記受圧室36及び平衡室38
を、所定流通断面積をもつて相互に連通せしめる
オリフイス通路44が形成されている。
また、これらの受圧室36,平衡室38及びオ
リフイス通路44内には、かかる一体加硫成形品
に対する外筒金具12の外嵌操作が、所定の非圧
縮性流体中にて行なわれることにより、水やポリ
アルキレングリコール、シリコーン油等の所定の
非圧縮性流体が封入されている。
そして、それによつて、内外筒金具10,12
間に、それらの偏心方向の振動荷重が入力された
際、ゴム弾性体14の弾性変形にて、受圧室36
内に生ぜしめられる容積(液圧)変化に基づい
て、平衡室38との間で、オリフイス通路44を
通じての流体の流動が惹起され、以てかかるオリ
フイス通路44を通じての流体の流動にて、入力
振動に対する減衰力を及ぼし得る、流体流動機構
が構成されているのである。なお、かかる流体流
動機構による振動減衰効果が有効に発揮され得る
振動周波数域は、オリフイス通路44の長さ及び
断面積等によつて決定されることとなるが、特
に、本実施例においては、10Hz程度にチユーニン
グされており、エンジンシエイク等の低周波大振
幅の振動に対して、振動減衰力が有効に作用せし
められ得るように設定されている。
また一方、前記内筒金具10の軸方向中央部に
は、第4図及び第5図に示されている如く、略長
手矩形断面のストツパブロツク46が、その中央
孔48において一体に嵌着されており、両側突出
端部50,52が、前記受圧室36及び空所20
内に、それぞれ所定高さをもつて突出せしめられ
ている。
そして、かかるストツパブロツク46によつ
て、内外筒金具10,12の偏心方向に過大な振
動荷重が入力された際、それら受圧室36及び空
所20内に突出せしめられたストツパブロツク4
6の突出端部50,52が、オリフイス分割体3
0の内周面に当接することに基づいて、それら内
筒金具10と外筒金具12との偏心方向における
過大な変位が規制され得るようになつているので
ある。
さらに、かかるストツパブロツク46におけ
る、受圧室36内に突出された突出端部50の先
端面には、該突出端部50の各側面から周縁部が
それぞれ所定寸法突出する状態で、外周面にゴム
ブロツク57が一体的に固着された矩形板状の傘
プレート54が、ボルト56にて一体的に固定さ
れている。
そして、この傘プレート54(ゴムブロツク5
7)を介して、前記ストツパブロツク46の突出
端部50におけるオリフイス分割体30の内周面
に対する当接が為されるようになつていると共
に、かかる傘プレート54に固着されたゴムブロ
ツク57の周縁部と受圧室36の対応する内壁面
との間に、所定断面積の矩形環状の狭窄部58が
形成されて、内筒金具10と外筒金具12とが、
振動入力に際して、それらの偏心方向に相対移動
せしめられた際、受圧室36内に封入された非圧
縮性流体が、かかる狭窄部58を通じて、マウン
ト径方向に流動(振動)せしめられるようになつ
ており、この狭窄部58内での封入流体の振動に
よる液柱共振によつて、所定の周波数域の入力振
動に対する吸振効果が発揮され得るようになつて
いる。
すなわち、本実施例のマウントにあつては、入
力振動周波数が高くなると、前記オリフイス通路
44が実質上、閉塞状態となるために、マウント
全体のバネ定数が著しく上昇し、高周波数域の入
力振動に対する防振機能が劣ることとなるが、か
かる狭窄部58内の流体を等価マスとする振動系
に設定された共振周波数域の入力振動に対して
は、その液柱共振によつてマウント全体のバネ定
数の上昇が回避され、柔らかいばね特性が発揮さ
れ得ることとなるのである。そして、特に、本実
施例においては、かかる狭窄部58における液柱
共振周波数が、200Hz以上に設定され、それによ
つてエンジン透過音等の防止が図られ得るように
なつている。
そして、ここにおいて、本実施例におけるマウ
ントにあつては、更に、第1図及び第3図に示さ
れている如く、内筒金具10の軸方向両側端部に
対して、それぞれ、規制プレート60が外嵌、固
定されている。この規制プレート60は、内筒金
具10に外嵌される取付筒部62と、該取付筒部
62から、略扇形形状をもつて軸直角方向に延び
る板状部64とから構成されている。そして、内
筒金具10に取り付けられることにより、その板
状部64が、前記ゴム弾性体14のうち、受圧室
36の軸方向側壁部を構成する部位の、軸方向外
側に対して、所定間隙を隔てて略平行に対向して
位置せしめられている。
なお、このゴム弾性体14と規制プレート60
との間に設定された間隙は、かかるマウントの装
着状態下においては、エンジンの荷重にてゴム弾
性体14が弾性変形されることにより消滅し、以
て規制プレート60は、ゴム弾性体14に対する
当接状態下に、該ゴム弾性体14の軸方向外方へ
の膨出を規制し得る状態で、装着されることとな
る。
また一方、そのような規制プレート60にて膨
出が規制された、ゴム弾性体14における受圧室
36の軸方両側の側壁部を構成する部位には、第
1図乃び第3図に示されているように、それぞ
れ、その外側面上に略三角形状の肉欠部66が形
成されており、それによつてその弾性変形によつ
て受圧室36内における小振幅の液圧変動を吸収
する薄肉部68が形成されている。
従つて、上述の如き構造とされたマウントにあ
つては、受圧室36の軸方側壁部を構成するゴム
弾性体14の外方への膨らみが、規制プレート6
0にて規制され得ることから、内外筒金具10,
12間に、それら両金具10,12が受圧室36
を挟んで接近する方向の振動荷重が入力せしめら
れた際における、該受圧室36の側壁部の膨出お
よびそれによる受圧室36内の液圧の逃げが有効
に防止され得るのである。
そして、それによつて内外筒金具10,12間
への振動入力時に、受圧室36内に封入された流
体に対して、それら両金具10,12間に入力さ
れる振動荷重の大きさに応じた液圧の変動が有効
に惹起せしめられ得るのであり、以てかかる液圧
変動にて生ぜしめられる、前記オリフイス通路4
4を通じて流動される流体の流動量の増加が図ら
れ得、それに伴う振動減衰力の向上が極めて効果
的に達成され得ることとなるのである。
因みに、第7図には、本実施例におけるマウン
トに対して、振幅:1mmの振動を入力せしめた際
における、減衰力の周波数特性が、比較例として
の、規制プレート60を備えていないマウントに
おける同様な周波数特性と共に、示されている。
この図からも、本実施例におけるマウントが、オ
リフイス通路44に設定された低周波数域(10Hz
程度)の大振幅の入力振動に対して、極めて優れ
た減衰力を発揮し得るころが、容易に理解される
ところである。
ところで、このようなオリフイス通路44を通
じての流体の流動抵抗は、前述の如く、入力振動
が高周波数域になるに従つて大きくなり、終には
閉塞状態となるために、高周波振動の入力時にお
いてマウント全体としての振動遮断特性が著しく
低下するといつた問題が惹起されることとなる
が、本実施例におけるマウントにあつては、受圧
室36の側壁部に、その弾性変形によつて受圧室
36内における小振幅の液圧変動を吸収する薄肉
部68が形成されているところから、該薄肉部6
8の弾性変形によつて、高周波振動の入力時にお
ける受圧室36内の液圧上昇が回避され、以て振
動遮断特性の向上、即ち振動伝達率の低減が極め
て有効に図られ得ることとなるのである。
なお、かかる薄肉部68の弾性変形量は、通
常、その肉厚や面積等によつて、目的とする高周
波小振幅振動の入力時における受圧室36内の液
圧の上昇を吸収し得るだけの最小量に設定される
こととなり、それによつて低周波大振幅の振動入
力時における、該薄肉部68の弾性変形による受
圧室36内の液圧の逃げが防止されることとな
る。即ち、前記オリフイス通路44を通じての流
体の流動による減衰力を及ぼしめるべき、目的と
する入力振動は大振幅であり、一方かかる薄肉部
68の弾性変形にて振動入力時における液圧変動
を吸収すべき、目的とする入力振動は、小振幅で
あることから、そのように薄肉部68の変形量を
規制することによつて、該薄肉部68にて、前記
オリフイス通路44による振動減衰特性に大きな
影響を与えることなく、高周波振動の入力時にお
ける受圧室36内の液圧の上昇が有効に回避され
得ることとなるのである。
尤も、このような薄肉部68による受圧室36
内の液圧変動の吸収効果が発揮され得る周波数域
は、一般に、200Hz以下に制限されることとなり、
それ以上の高周波振動の入力時における、マウン
トばね定数の低下は、前記傘プレート54と受圧
室36の内壁面との間に形成された狭窄部58内
での液柱共振によつて達成されることとなる。
また、そこにおいて、かかる狭窄部58を形成
する受圧室36の壁部にあつては、前述の如く、
外方への膨出変形が規制プレート60にて規制さ
れていることから、振動入力時における狭窄部5
8の断面積の大きな変化が防止されることとな
る。それ故、かかる狭窄部58を通じて流動せし
められる流体の共振作用により、前述の如き、高
周波振動に対する防振効果が、有効に且つ安定し
て発揮され得るのである。
因みに、第8図には、本実施例におけるマウン
トに対して、振幅:0.05mmの振動を入力せしめた
際における、振動伝達率の周波数特性が、比較例
としての、薄肉部68を備えていないマウントに
おける同様な周波数特性と共に、示されている。
この図からも、本実施例におけるマウントが、オ
リフイス通路44が閉塞状態となる高周波数域の
小振幅の入力振動に対する。極めて優れた振動遮
断特性を有していることが、容易に理解されると
ころである。
以上、本考案の一実施例について詳述してきた
が、これは文字通りの例示であつて、本考案は、
かかる具体例にのみ限定して解釈されるものでは
ない。
例えば、前記実施例においては、振動が入力さ
れる受圧室36と、容積可変の平衡室38とから
なる二つの流体室を備えたマウントに対して、本
考案を適用したものの一具体例を示したが、その
他、例えば、前記実願昭61−100614号に示されて
いる如き、振動が入力される受圧室を、内筒金具
を挟んで径方向に対向して二つ備えてなる構造の
マウントや、更には3つ以上の流体室を備えたマ
ウントに対しても、本考案は良好に適用され得る
ものである。
また、規制プレート60の形状としても、その
ようなマウント構造に応じて適宜変更されるもの
であり、その板状部64が、受圧室の軸方向両側
の側壁部の外側に配されるように設定されること
となる。
さらに、オリフイス通路44の構造等も、かか
る具体例によつて限定されるものではない。
更にまた、受圧室36の軸方向側壁部における
薄肉部68の形状や肉厚等は、マウントばね定数
の低減を図る目的とする振動周波数に応じて適宜
設定されるものであり、その数や配設位置等も限
定されるものではない。
また、かかる薄肉部68の変形量を規制するた
めに、その内部に帆布等の変位規制部材を埋設す
るようにしても良い。
尤も、このような薄肉部68は、本考案におい
て必須のものではなく、必ずしも設ける必要はな
い。
加えて、前記実施例では、本考案をFF車の円
筒形エンジンマウントに適用した例について述べ
たが、本考案は、自動車用のサスペンシヨンブツ
シユ等の防振ブツシユや防振マウントなどにも、
好適に適用され得るものである。
その他、一々列挙はしないが、本考案は当業者
の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、ま
たそのような実施態様が、本考案の趣旨を逸脱し
ない限り、何れも本考案の範囲内に含まれるもの
であることは、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例たるエンジンマウン
トを示す縦断面図であり、第2図は第1図におけ
る−断面図であり、第3図は第1図における
右側面図である。第4図はかかるエンジンマウン
トにおけるゴム弾性体の一体加硫成形品を示す第
1図に対応する図であり、第5図は第4図におけ
るV−V断面図であり、第6図は第5図における
−断面図である。また、第7図はかかるエン
ジンマウントの減衰特性を示すグラフであり、第
8図はかかるエンジンマウントの振動伝達率特性
を示すグラフである。 10……内筒金具、12……外筒金具、14…
…ゴム弾性体、36……受圧室、38……平行
室、44……オリフイス通路、46……ストツパ
ブロツク、50,52……突出端部、54……傘
プレート、58……狭窄部、60……規制プレー
ト、62……取付筒部、64……板状部、68…
…薄肉部。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 互いに同心的に若しくは偏心して配された内
    筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装され
    る筒状ゴム弾性体にて連結して、連結体を構成
    すると共に、該連結体の内部に、所定の非圧縮
    性流体が封入され且つオリフイス通路を通じて
    相互に連通された複数の流体室を、周方向に分
    断された状態で設け、更にそれらの流体室のう
    ち防振すべき振動が入力される少なくとも一つ
    の流体室中に、前記内筒金具乃至は外筒金具に
    一体的に取り付けられて、該流体室の内壁面と
    の間に狭窄部を形成する傘部材を配しなる流体
    封入式防振ブツシユにおいて、 前記内筒金具の軸方向両端部に取り付けられ
    て、前記筒状ゴム弾性体の軸方向両側に配さ
    れ、前記傘部材に対して、該筒状ゴム弾性体に
    て構成された前記流体室の壁部を挟んで、軸方
    向に対向位置せしめられることにより、かかる
    流体室の壁部の軸方向外方への膨出を規制する
    規制プレートを設けたことを特徴とする流体封
    入式防振ブツシユ。 (2) 前記筒状ゴム弾性体が、前記防振すべき振動
    が入力される流体室の軸方向側壁部において、
    該流体室内の振動入力時における液圧上昇を、
    外方への所定量の膨出により回避し得る薄肉部
    を備えている実用新案登録請求の範囲第1項記
    載の流体封入式防振ブツシユ。
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Citations (1)

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JPS586030B2 (ja) * 1978-12-20 1983-02-02 中村 香取 モ−テイスロック式錠装置のラッチボルト操作機構

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