JPH0424205Y2 - - Google Patents

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JPH0424205Y2
JPH0424205Y2 JP1986202411U JP20241186U JPH0424205Y2 JP H0424205 Y2 JPH0424205 Y2 JP H0424205Y2 JP 1986202411 U JP1986202411 U JP 1986202411U JP 20241186 U JP20241186 U JP 20241186U JP H0424205 Y2 JPH0424205 Y2 JP H0424205Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は流体封入式防振ブツシユに係り、特に
ブツシユ径方向に入力される低周波振動と高周波
振動とに対して共に良好なる防振機能を安定して
発揮することのできる流体封入式防振ブツシユに
関するものである。
(従来技術) 振動伝達系を構成する所定の取付軸と筒状部材
との間に介装されて、それら両部材を防振連結す
る防振ブツシユの一種に、主として、その径方向
の所定の方向に入力される振動を減衰乃至は遮断
することによつて、振動の伝達を抑制せしめるよ
うにしたものがある。例えば、自動車のサスペン
シヨンブツシユやFF車のエンジンマウント等が
それである。
ところで、このような、特に自動車に用いられ
る防振ブツシユにあつては、入力される振動の周
波数や振幅等が、車速や路面状況等の運転乃至は
走行状態に応じて種々変化することから、低周波
振動と高周波振動とに対して、共に優れた振動減
衰乃至は遮断性能が要求されることとなる。
このため、近年になつて、特に低周波大振幅の
入力振動に対して良好な防振効果を得るべく、ゴ
ム弾性体の弾性変形作用に加えて、流体の流動抵
抗や慣性質量効果等の流動作用を利用した、所謂
流体封入式の防振ブツシユが、特公昭48−36151
号公報や特公昭52−16554号公報等において、
種々提案されてきている。
しかしながら、このような流体封入式防振ブツ
シユにあつては、そのオリフイスの特性(形状)
を、低周波数領域において良好な防振特性が得ら
れるように設定すると、高周波数領域での振動伝
達率が大きくなるといつた問題があり、逆に高周
波領域において良好な防振特性が得られるように
オリフイスの特性を設定すると、低周波領域での
振動伝達率が大きくなるといつた問題を内在して
いたのであり、未だに充分な防振機能が得られて
いないのが実情であつた。
ところで、このような問題に対処するために
は、(a)内筒部材と、(b)該内筒部材の外側に同心的
に若しくは偏心して配置された外筒部材と、(c)そ
れら内筒部材と外筒部材との間に介装せしめられ
た、軸心を挟んで対向する部位に位置して外周面
に開口する一対のポケツト部を備えた筒状のゴム
弾性体と、(d)該ゴム弾性体の一対のポケツト部が
前記外筒部材によつてそれぞれ流体密に閉塞せし
められることによつて形成された、所定の非圧縮
性流体が封入せしめられた一対の流体室と、(e)該
一対の流体室を相互に連通せしめ、それら流体室
内に封入された所定の非圧縮性流体が相互に流動
することを許容するオリフイスと、(f)前記一対の
流体室のうち、少なくとも一方の流体室内におい
て、前記ポケツト部の底部から前記外筒部材に向
かつて延び出す状態で設けられた、所定高さのス
トツパ部材と、(g)該ストツパ部材の先端部分にお
いて、ブツシユ軸心方向および周方向に向かつて
該ストツパ部材から側方に所定寸法突出せしめら
れ、前記流体室を径方向内側部分と外側部分とに
仕切ると共に、その側方突出端面と該流体室の壁
部内面との間に、それら内側部分と外側部分とを
相互に連通する環状の狭窄部を形成するフランジ
部とを含んで構成されて、防振すべき振動が、前
記内筒部材と前記外筒部材との間における前記一
対の流体室が対向位置する軸直角方向一方向に入
力せしめられる流体封入式防振ブツシユが、考え
られる。
すなわち、このような構造とされた防振ブツシ
ユにあつては、一対の流体室を相互に連通せしめ
るオリフイスと、ストツパ部の先端部分に設けら
れたフランジ部と流体室の側壁面或いは外筒部材
内面との間に設けられた狭窄部とが、共に、それ
ら流体室の対向方向に入力される振動に対して、
封入流体の流動作用や共振作用(慣性質量効果)
に基づく防振機能を発揮するオリフイスとして、
それぞれ機能せしめられることとなるのである。
従つて、かかるオリフイスを、低周波数域の振
動に対して有効な防振効果を発揮し得るオリフイ
スとして構成する一方、かかる狭窄部を、高周波
数域の振動に対して有効な防振効果を発揮し得る
オリフイスとして構成せしめることによつて、そ
れぞれのオリフイス乃至は狭窄部内を相対的に流
動せしめられる封入流体の流動作用や慣性質量効
果に基づいて、入力される低周波数振動および高
周波数振動に対して、共に良好な防振効果を得る
ことが可能となるのである。
(問題点) しかるに、上述の如き構造の流体封入式防振ブ
ツシユにあつては、通常、その流体室が半円状乃
至は円弧状の軸直角方向断面をもつて形成され、
そしてストツパ部の先端部分に設けられたフラン
ジ部のブツシユ周方向に延びる端縁部が、外筒部
材の内周面に対向して位置せしめられて、それら
両部材間において、前記オリフイスとして機能す
る狭窄部が形成されることとなるところから、次
のような問題が内在しているのである。
すなわち、かかる防振ブツシユにて連結される
部材間に作用する初期荷重によつて、内筒部材が
外筒部材に対して偏心した状態で介装される場合
には、その初期荷重の大きさによつて、フランジ
部と外筒部材との間の距離、即ちオリフイスとし
て機能する、フランジ部におけるブツシユ周方向
に延びる端縁部と外筒部材の内周面との間に形成
された狭窄部の大きさ(共振マス)が、変化する
こととなるのであり、それによつて振動伝達率の
周波数特性が変化し、場合によつては目的とする
防振機能が殆ど発揮され得なくなる恐れがあつた
のである。
(解決手段) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背
景として為されてものであつて、その特徴とする
ところは、(a)内筒部材と、(b)該内筒部材の外側に
同心的に若しくは偏心して配置された外筒部材
と、(c)それら内筒部材と外筒部材との間に介装せ
しめられた、軸心を挟んで対向する部位に位置し
て外周面に開口する一対のポケツト部を備えた筒
状のゴム弾性体と、(d)該ゴム弾性体の一対のポケ
ツト部が前記外筒部材によつてそれぞれ流体密に
閉塞せしめられることによつて形成された、所定
の非圧縮性流体が封入せしめられた一対の流体室
と、(e)該一対の流体室を相互に連通せしめ、それ
ら流体室内に封入された所定の非圧縮性流体が相
互に流動することを許容するオリフイスと、(f)前
記一対の流体室のうち、少なくとも一方の流体室
内において、前記ポケツト部の底部から前記外筒
部材に向かつて延び出す状態で設けられた、所定
高さのストツパ部材と、(g)該ストツパ部材の先端
部分において、該ストツパ部材が位置するポケツ
ト部の周囲の内壁面に向かつて該ストツパ部材か
ら側方に所定寸法突出せしめられ、前記流体室を
径方向内側部分と外側部分とに仕切ると共に、そ
の側方突出端面と該流体室の壁部内面との間に、
それら内側部分と外側部分とを相互に連通する環
状の狭窄部を形成するフランジ部とを含んで構成
されて、防振すべき振動が、前記内筒部材と前記
外筒部材との間における前記一対の流体室が対向
位置する軸直角方向一方向に入力せしめられる流
体封入式防振ブツシユにおいて、前記一対の流体
室のうち少なくとも前記ストツパ部材が設けられ
る方の流体室を構成するゴム弾性体のポケツト部
を、振動入力方向に平行に立ち上がる内壁面をも
つて形成せしめて、振動が入力せしめられた際、
かかるストツパ部材に設けられた前記フランジ部
が、壁部内面に沿つて変位せしめられるようにし
たことにある。
(作用・効果) すなわち、このようなん本考案に従う構造とさ
れた防振ブツシユにあつては、前述の如く、一対
の流体室を相互に連通せしめるオリフイスと、少
なくとも一方の流体室に設けられたフランジ部と
それに対向する流体室側壁面(内壁面)との間に
設けられた狭窄部とが、共に、それら流体室の対
向方向に入力される振動に対して、封入流体の流
動作用や共振作用乃至は慣性質量効果に基づく防
振機能を発揮するオリフイスとして、機能せしめ
られることとなるのであり、それ故かかるオリフ
イスを、低周波数域の振動に対して有効な防振効
果を発揮し得るオリフイスとして構成する一方、
かかる狭窄部を、高周波数域の振動に対して有効
な防振効果を発揮し得るオリフイスとして構成せ
しめることによつて、それぞれのオリフイス乃至
は狭窄部内を相対的に流動せしめられる封入流体
の流動作用及び慣性質量効果に基づいて、入力さ
れる低周波数振動および高周波数振動に対して、
共に良好な防振効果を得ることが可能となるので
ある。
しかも、かかる防振ブツシユにあつては、フラ
ンジ部が設けられた側の流体室の側壁面が、振動
入力方向に平行に延びる内壁面をもつて構成され
ることから、該防振ブツシユに初期荷重が作用
し、その内筒部材が外筒部材に対して偏心せしら
れた際にも、フランジ部は、流体室の内壁面に沿
つて相対変位することとなるのであり、それ故か
かる初期荷重の大きさによる、それら両部材間の
間〓の大きさの変化、即ち振動伝達率の周波数特
性の変化が良好に防止され得、目的とする高周波
振動に対する良好な防振特性を安定して得ること
ができるのである。
また、かかる防振ブツシユにあつては、防振入
力時における流体室の側壁面とフランジ部との間
に設けられた狭窄部の大きさの変化も、効果的に
防止され得ることとなるところから、振動入力時
においても、その防振機能がより安定して且つ有
効に発揮され得るといつた効果をも有しているの
である。
(実施例) 以下、本考案を更に具体的に明らかにするため
に、本考案の一実施例について、図面を参照しつ
つ、詳細に説明することとする。
先ず、第1図及び第2図には、本考案に従う構
造とされた円筒型エンジンマウントの一例が示さ
れている。これらの図において、10は、内筒部
材としての内筒金具であり、厚肉円筒形状をもつ
て形成されている。この内筒金具10の外周面に
は、その軸心方向中央部に位置して、所定厚さの
ストツパ金具12がその中央孔14において圧
入、固定されていると共に、該ストツパ金具12
の外面に跨がつた状態で、ゴム弾性体としてのゴ
ムスリーブ16が一体加硫成形せしめられてお
り、またこのゴムスリーブ16の外周面には外筒
部材としての外筒金具18が嵌着されている。そ
して、本実施例におけるエンジンマウントは、こ
の外筒金具18の外周面において車体乃至はエン
ジン側のうち一方の部材に取り付けられる一方、
前記内筒金具10においてそれらの他方の部材に
取り付けられ、これによつてエンジンを車体に対
して防振支持せしめるようになつている。なお、
ゴムスリーブ16は、その肉厚が略一定とされて
おり、それによつて内筒金具10と外筒金具18
とが同心的に配置されている。
ここにおいて、前記ゴムスリーブ16には、第
3図及び第4図に示されているように、前記内筒
金具10を挟んで対向するように、外周面に開口
する一対のポケツト部20,20が形成されてい
る。これらのポケツト部20,20は、それぞ
れ、前記ストツパ金具12の厚さよりも大きい幅
寸法をもつて、且つ底部が内筒金具10にまで達
する深さをもつて形成されている。また、該ポケ
ツト部20における側壁面は、ポケツト部20,
20の対向方向に相当する軸直角方向に延びる壁
内面をもつて形成されており、その断面が深さ方
向において略一定となるようにされている。
また、かかるゴムスリーブ16の外周面には、
ポケツト部20,20の開口部にそれぞれ対応す
る窓部22,22を備えた薄肉の金属製の外側ス
リーブ24が、加硫接着によつて一体的に固着さ
れている。そして、第1図及び第2図に示されて
いるように、前記外筒金具18が、この外側スリ
ーブ24の外周面に対して、流体密に嵌着されて
おり、それによつて各ポケツト部20,20を流
体収容空間とする一対の流体室26,26が形成
されている。
また、それらの流体室26,26内には、例え
ば外筒金具18の嵌着操作が所定の非圧縮性流体
中で行なわれることによつて、水、アルキレング
リコール、ポリアルキレングリコール、シリコー
ン油、低分子量重合体等の所定の非圧縮性流体が
封入されている。
なお、外筒金具18の内周面には、軸心方向の
両端部にシールリツプする(図示せず)を備え
た、所定厚さのシールゴム層28一体加硫成形さ
れており、このシールゴム層28が外側スリーブ
24と外筒金具18との間で挟圧されていると共
に、かかる外筒金具18には、外側スリーブ24
への嵌着後、八方絞り加工が施され、更にその両
端部に対してロールカシメ加工が施されており、
それによつて各流体室26,26の流体密性が確
保されると共に、該外筒金具18の嵌着がより強
固に行なわれるようになつている。また、外側ス
リーブ24には、かかる外筒金具18の嵌着前に
八方絞り加工が施されることによつて、ゴムスリ
ーブ16に対する所定の予備圧縮が加えられるこ
ととなる。
一方、前記ストツパ金具12は、前記内筒金具
10と外筒金具18との、流体室26,26の対
向方向における一定量以上の相対変位を規制する
ためのものであつて、第3図及び第4図に示され
ているように、略厚肉矩形板形状を呈しており、
その対向する一対の辺部において、それぞれ略台
形形状をもつて外方に突出形成されたストツパ部
30,32を一体的に備えている。そして、かか
るストツパ金具12は、各ストツパ部30,32
が、それぞれ前記流体室26,26の略中央部に
おいて径方向外方に突出する状態で位置せしめら
れるように、且つそれらストツパ部30,32が
各流体室26内に露出せしめられた状態で、その
中央孔14において内筒金具10の外周面に嵌着
されている。即ち、それによつて内筒金具10と
外筒金具18との間に過大な変位が惹起された際
に、各ストツパ部30,32が外筒金具18の内
面に当接することにより、それら両部材間におけ
る一定量以上の相対変位が阻止されるようになつ
ているのである。
また、かかるストツパ金具12には、前記スト
ツパ部30,32を挟む部位に位置して、それぞ
れ流体室26,26を連通させる一対の連通孔3
4,34が形成されており、各流体室26,26
内に収容された非圧縮性流体が、両流体室26,
26の相対的な容積変化に伴つて、それら連通孔
34,34を通じて、相互に流動し得るようにな
つている。即ち、本実施例においては、これらの
連通孔34,34によつて、一対の流体室26,
26を相互に連通せしめるオリフイスが構成され
ているのである。
なお、ここにおいて、これらの連通孔34,3
4にあつては、その形状(断面積の和及び長さ)
が、入力される振動のうち低周波数域の振動に対
して有効な防振効果を発揮し得るように設定され
ており、それによつてシエイク乃至はバウンスや
アイドル振動の如き低周波数域の入力振動に対す
る振動伝達率が、かかる連通孔34,34を通じ
て流動する封入流体の流動作用乃至は慣性質量効
果に基づいて良好に低減せしめられるようになつ
ている。
また、前記ストツパ金具12の一方のストツパ
部30の先端面には、該ストツパ部30の各側面
からそれぞれマウント軸心方向および周方向に所
定寸法突出する状態で、周方向に円弧状に屈曲せ
しめられた矩形板状のフランジ36が、止ネジ3
8によつて固設されている。このフランジ36
は、金属プレート40と、その外周面に一体加硫
成形せしめられた緩衝ゴム層42とから構成され
ており、上述の如く、ストツパ部30の先端面に
取り付けられた状態において、その突出周縁部が
前記ゴムスリーブ16の形成されたポケツト部2
0の周囲の側壁面に対して、所定の間〓を隔てて
対向するように、流体室26内に収容、位置せし
められている。
すなわち、本実施例にあつては、一方の流体室
26が、ストツパ部30の先端部に取り付けられ
たフランジ36によつて、マウント径方向に略二
分されているのであり、そしてそれらフランジ3
6によつて隔てられたマウント径方向内外の分割
室が、該フランジ36とポケツト部20の側壁面
との間に形成された環状の狭窄部としての間〓だ
けを通じて連通せしめられていることによつて、
それぞれの分割室内部に収容された非圧縮性流体
が、それら分割室の容積の相対的な変化に伴つ
て、かかる間〓を通じて、相互に流動し得るよう
になつているのである。
そして、ここにおいて、かかる間〓の大きさ、
換言すれば間〓の全断面積および長さ(フランジ
36の厚さ)は、入力される振動のうち高周波数
域の振動に対して有効な防振効果を発揮し得るよ
うに設定されており、それによつてこもり音やエ
ンジン透過音等の発生原因となる高周波数域の入
力振動に対する振動伝達が、主としてかかる間〓
を通じて流動する乃至は共振する封入流体の慣性
質量効果に基づいて良好に低減せしめられるよう
になつている。
なお、図から明らかなように、かかるフランジ
36が取り付けられた側のストツパ部30は、前
述の如き、過大振動の入力時において、該フラン
ジ36の緩衝ゴム層42を介して、外筒金具18
内面に当接されることとなる。また、他方のスト
ツパ部32にあつては、その先端面にゴム層44
が一体的に形成されており、過大振動の入力時に
は、該ゴム層44を介して外筒金具18内面に当
接されるようになつている。
従つて、上述の如き構造とされたエンジンマウ
ントにあつては、流体室26,26の対向方向に
低周波数域の振動が入力された際には、それらの
流体室26,26間の容積の相対的な変化によつ
て、ストツパ金具12に設けられた連通孔34,
34を通じての流体流動が惹起されることとなる
のであり、そしてその際、かかる連通孔が、封入
流体の流動作用による振動減衰機能を有するオリ
フイスとして機能することによつて、入力される
低周波振動に対して良好なる振動効果が発揮され
得るのである。
また一方、かかるエンジンマウントに対して、
その流体室26,26の対向方向に高周波数域の
振動が入力された際には、連通孔34,34を通
じての流体の流動およびそれに基づく防振効果は
殆ど期待し得なくなるものの、一方の流体室26
内においてフランジ36を挟んで形成された二つ
の分割室内の流体と、フランジ36と流体室26
の側壁内面との間の間〓内に位置する流体との間
に、有効な共振が惹起され、そしてその際、かか
る間〓内の流体が共振周波数を設定するマスとし
て機能し、以て慣性質量効果が発揮せしめられる
ようにすることによつて、入力される高周波振動
に対して良好なる防振効果が発揮され得るのであ
る。
そして、ここにおいて、かかるエンジンマウン
トにあつては、フランジ36が設けられた側の流
体室26の側壁面が、振動入力方向に平行に延び
る壁内面をもつて構成されていることから、該マ
ウントに初期荷重が作用し、その内筒金具10が
外筒金具12に対して偏心せしめられた状態で配
設され、用いられる場合にあつても、フランジ3
6は流体室26の壁内面に沿つて相対変位するこ
ととなるのであり、それ故かる初期荷重の大きさ
による、それら両部材間の間〓の大きさ(共振マ
ス)の変化、即ち振動伝達率の周波数特性の変化
が良好に防止され得、以て上述の如き、目的とす
る低周波振動および高周波振動に対する防振特性
を安定して得ることができるのである。
また、かかるエンジンマウントにあつては、振
動入力時における流体室26の側壁面とフランジ
36との間の間〓の大きさの変化も、効果的に防
止され得ることとなるところから、振動入力時に
おいても、その防振特性がより安定して且つ有効
に発揮され得るといつた効果をも有しているので
ある。
以上、本考案の一実施例について詳述してきた
が、これは文字通りの例示であつて、本考案はか
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではな
い。
例えば、前記実施例にあつては、フランジ36
が、一方の流体室26内にのみ設けられていた
が、両方の流体室26,26内にそれぞれ設ける
ようにしても良い。
そして、そのようにフランジ36を双方の流体
室26,26内に設ける場合には、それぞれのフ
ランジ36によつて形成される流体室26側壁面
との間〓の大きさを、それぞれ、異なる周波数域
の振動に対して有効な防振効果を発揮し得るよう
に設定することも可能である。
また、前記実施例におけるストツパ部30,3
2は、内筒金具10と外筒金具18との、流体室
26,26の対向方向における所定量以上の相対
変位を規制するためのストツパとしても機能し得
るようにされていたが、該ストツパ部30,32
はそのように必ずしもストツパとしての機能を備
えている必要はない。
さらに、前記実施例では、内筒金具10と外筒
金具18とが同心的に配置されていたが、それら
内筒金具10と外筒金具12とは、必要に応じて
偏心させた状態で配設することも可能である。
加えて、前記実施例では、本考案をFF車のエ
ンジンマウントに適用した例について述べたが、
本考案は、その他自動車のサスペンシヨンブツシ
ユ等にも良好に適用され得るものである。
その他、一々列挙はしないが、本考案は当業者
の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた状態において実施され得るものであり、ま
たそのような実施態様が、本考案の範囲を逸脱し
ない限りにおいて、何れも本考案の範囲内に含ま
れるものであることは、言うまでもないところで
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例としてのエンジンマ
ウントを示す横断面図であり、第2図は第1図に
おける−断面図であり、第3図は第1図に示
されているエンジンマウントに用いられるゴムス
リーブの一体加硫成形品を示す横断面図であり、
第4図は第3図における−断面図である。 10……内筒金具、12……ストツパ金具、1
6……ゴムスリーブ、18……外筒金具、20…
…ポケツト部、26……流体室、30,32……
ストツパ部、34……連通孔、36……フラン
ジ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a)内筒部材と、(b)該内筒部材の外側に同心的に
    若しくは偏心して配置された外筒部材と、(c)それ
    ら内筒部材と外筒部材との間に介装せしめられ
    た、軸心を挟んで対向する部位に位置して外周面
    に開口する一対のポケツト部を備えた筒状のゴム
    弾性体と、(d)該ゴム弾性体の一対のポケツト部が
    前記外筒部材によつてそれぞれ流体密に閉塞せし
    められることによつて形成された、所定の非圧縮
    性流体が封入せしめられた一対の流体室と、(e)該
    一対の流体室を相互に連通せしめ、それら流体室
    内に封入された所定の非圧縮性流体が相互に流動
    することを許容するオリフイスと、(f)前記一対の
    流体室のうち、少なくとも一方の流体室内におい
    て、前記ポケツト部の底部から前記外筒部材に向
    かつて延び出す状態で設けられた、所定高さのス
    トツパ部材と、(g)該ストツパ部材の先端部分にお
    いて、該ストツパ部材が位置するポケツト部の周
    囲の内壁面に向かつて該ストツパ部材から側方に
    所定寸法突出せしめられ、前記流体室を径方向内
    側部分と外側部分とに仕切ると共に、その側方突
    出端面と該流体室の壁部内面との間に、それら内
    側部分と外側部分とを相互に連通する環状の狭窄
    部を形成するフランジ部とを含んで構成されて、
    防振すべき振動が、前記内筒部材と前記外筒部材
    との間における前記一対の流体室が対向位置する
    軸直角方向一方向に入力せしめられる流体封入式
    防振ブツシユにおいて、 前記一対の流体室のうち少なくとも前記ストツ
    パ部材が設けられる方の流体室を構成するゴム弾
    性体のポケツト部を、振動入力方向に平行に立ち
    上がる内壁面をもつて形成せしめて、振動が入力
    せしめられた際、かかるストツパ部材に設けられ
    た前記フランジ部が、該流体室の壁部内面に沿つ
    て変位せしめられるようにしたことを特徴とする
    流体封入式防振ブツシユ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60139940A (ja) * 1983-12-28 1985-07-24 Bridgestone Corp 防振装置

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JPS60139940A (ja) * 1983-12-28 1985-07-24 Bridgestone Corp 防振装置

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