JP4216101B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用エンジンマウント等に使用して好適な円筒ブッシュ型防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような円筒ブッシュ型エンジンマウントは公知であり、内部に液体を封入することにより、入力振動に対する液柱共振を利用して動特性を向上させた液封式のものも公知である。図17,18はこの一例であり、図17は内筒の軸方向から示した正面図、図18は図17の18−18線断面である。
【0003】
これらの図に示すように、この円筒ブッシュ型エンジンマウントは内筒1とこれを囲む外筒2及びこれらを連結する防振ゴム3を備える。防振ゴム3は内筒1の軸方向両端に一対の側壁4を備える。この側壁4は図17に明らかなように、外周へ向かって肉厚が次第に薄くなるよう全体が一様の肉厚変化をしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように側壁4の肉厚が全体で一様にであると、主たる振動の入力方向Z(図17)から内筒1へ振動が入力し、内筒1が図の下方へ変位するとき、その加重が大きくなるにしたがって、内筒1の下方における側壁4は圧縮され、やがては図14に仮想線で示すように、荷重に対して変位が急速に増大して座屈状態となる。
【0005】
このような耐座屈性を向上させるには、側壁の肉厚を厚くしてバネを高くすればよいが、このようにすると、全体が高バネ化し、かつ重量増大を招くため側壁を単純に厚肉化するには自ずから制約がある。また、図15に仮想線で示すように、変位とそれに要する時間の関係を示すクリープ特性も次第に悪化する。したがって、耐座屈性及びクリープ特性の向上が望まれており、本願はこの要請の実現を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の防振装置に係る請求項1は、内筒とその周囲を囲む外筒と、これら内筒及び外筒を連結する防振ゴムとを備えた防振装置において、前記防振ゴムは、前記内筒の軸方向両端側へ一対で設けられかつ前記軸直交方向へ広がって外筒と内筒を連結する側壁と、この一対の側壁を前記軸方向で一体に連結しかつ前記軸直交断面において外筒と内筒を連結するアーム部とを備え、これら一対の側壁とアーム部を一体に形成するとともに、前記側壁の半径方向かつ主たる振動の入力方向に沿って前記内筒と外筒を結ぶように厚肉化したリブを設けたことを特徴とする。
た、このリブが前記軸方向において内外へ張り出していることを特徴とする。
さらに、このリブの外周側端部に対する受け部を、前記側壁の外周部へ埋設一体化される中間スリーブの一部に軸方向内方へ張り出して設けたことを特徴とする
【0007】
なお、本願においては上下・左右及び前後方向は図1及び図2における図示状態を基準とし、Z矢示と平行する方向が上下方向、X矢示方向が前後方向、Y矢示方向が左右方向に相当する。左右方向(Y方向)は内筒の軸方向(以下、単に軸方向といい、これと直交する方向を軸直交方向という)に相当する。
【0010】
請求項上記請求項1において、前記リブは前記軸方向から見たときその両端部が前記内筒及び外筒に対してそれぞれアール状に接続していることを特徴とする。
【0011】
請求項は上記請求項1において、前記アーム部の軸方向端部が前記一対の側壁とそれぞれアール状に接続していることを特徴とする。
【0012】
請求項は上記請求項1〜のいずれかにおいて、前記アーム部と一対の側壁間に外方へ開放された主液室を形成し、この主液室と隔てられた副液室とをオリフィス通路にて連結し、これら主液室及び副液室内へ非圧縮性液体を封入したことを特徴とする。
【0013】
請求項は上記請求項において、前記側壁における前記リブ及びそれ以外の部分の各肉厚並びに前記アーム部の肉厚がそれぞれ異なることにより、複数の場所にて異なる共振周波数で膜共振することを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】
請求項1によれば、側壁に主たる振動の入力方向に沿って内筒と外筒を結ぶリブを厚肉化したので、このリブが内筒の変位方向に対する耐座屈性を向上でき、かつクリープ特性も向上する。しかも、リブの形成を部分的にできるので側壁全体の厚肉化を不要とし、全体の高バネ化及び重量増大を阻止できる。
【0015】
また、リブが軸方向において防振装置の内外へ張り出しているので、リブを厚肉にしても、軸方向外方への張り出し量を少なくでき、その結果、防振装置をコンパクト化できる。
【0016】
さらに、側壁の外周部へ埋設一体化される中間スリーブの一部に軸方向内方へ張り出す受け部を設けたので、この受け部にてリブの外周側端部を支持でき、しかもリブの一部を内方へ張り出すことにより、軸方向外方への張り出し量を少なくでき、その結果、防振装置をコンパクト化できる。
【0017】
請求項によれば、軸方向から見たときリブの両端部が内筒及び外筒に対してそれぞれアール状に接続しているため、接続部における応力集中を緩和できる。
【0018】
請求項によれば、アーム部の軸方向端部が一対の側壁のそれぞれとアール状に接続しているため、接続部における応力集中を緩和でき、アーム部と側壁部の耐久性を高めることができるので、これらを薄肉化できる。
【0019】
請求項によれば、側壁を一対で設け、アーム部とともに主液室を形成することにより、防振装置を液封式としたので、液柱共振を利用して動特性向上を図ることができる。しかも、側壁は、厚肉のリブと、それ以外の相対的に薄肉部分とを有するため、複数の場所にて異なる周波数で膜共振することになり、この共振周波数が異なる複数の膜共振の連成により広範囲で低バネ化を実現できる。したがって側壁自体をリブにより高バネにできるにもかかわらず、全体としては低バネ化が可能になる。
【0020】
請求項によれば、側壁のリブとそれ以外の部分における肉厚変化に加えてアーム部の肉厚も異ならせたため、側壁における膜共振に加えてさらにアーム部の膜共振も加わり、これら複数の場所にて発生する異なる周波数の膜共振が連成してより広範囲の周波数域で低バネ化が可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて自動車用として構成された液封式円筒ブッシュ型エンジンマウントを説明する。図1〜図4はこのエンジンマウント全体を示し、図1はこのエンジンマウント全体を軸方から示す正面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3−3線断面図、図4は図1の4−4線断面図である。図5〜7は内筒と防振ゴムを一体化した小組体を示し、図5は斜視図、図6は図2に対応する部位の断面図、図7は図3に対応する部位の断面図である。図8〜12は中間スリーブを示し、図8は斜視図、図9は正面図、図10は側面図、図11は底面図、図12は図10の12−12線断面図である。図13は図1の13−13線断面図、図14は座屈特性を示すグラフ、図15はクリープ特性を示すグラフ、図16は動バネ特性を示すグラフである。
【0022】
まず図1〜4において、このエンジンマウント10は、内筒11、その周囲を囲む外筒12及びこれらの間を連結する防振ゴム13を備える。内筒11は金属等の適宜剛性材料よりなるパイプ状部材であり、この中空部に通されたボルト等の図示しない連結部材により振動源である図示しないエンジンへ取付けられる。内筒11は第1の取付部材をなす。
【0023】
外筒12は金属等の適宜剛性材料よりなる円筒状部材であり、偏心位置に内筒11を内包するとともに、適当なブラケットにより図示しない振動受け側の車体へ取付けられる。外筒12は第2の取付部材をなす。
【0024】
本実施例における前後・上下・左右等の各方向と車体装着時における車体との関係は、図1に示す状態にてエンジンマウント10の上下方向を車体の上下方向とし、この方向を主たる振動の入力方向Zとする。また、左右方向を車体の前後方向Xとし、仮に図の左方を車体前方、右方を車体後方とする。なお、内筒11の軸方向をY方向とする。Y方向は車体の左右方向であり、仮に図2の左方を車体左方、右方を車体右とする。
【0025】
防振ゴム13は天然又は合成等公知の適宜ゴム材料よりなり、内筒11を外筒12に対して浮動支持し、所定のバネ弾性を発揮するようになっている。防振ゴム13のうち内筒11の上方には、内筒11の軸方向へ貫通するすぐり16が形成され、このすぐり16を挟んで内筒11に対面する外筒12の内面にダイアフラム17が形成されている。
【0026】
防振ゴム13の外周部には中間スリーブ18が一体化されている。図2に示すように、外筒12は軸方向端部にて周方向等間隔に設けられた爪12aを折り曲げることにより防振ゴムを介して中間スリーブ18の軸方向端部を固定している。なお図2では爪12aが軸方向の一端側(右側)のみに現れているが、左側にも異なる位相で形成されている。
【0027】
すぐり16より下方は左右の側壁14をなし、そのうちZ方向に沿って内筒11から外筒12を直線状に連結する部分が厚肉のリブ15となっている。図1においてリブ15の上下部はアール状部15a及び15bにて内筒11及び中間スリーブ18の外周部へ連続して接続している。図2に示すように、リブ15はそれ以外の破線で示す側壁部分(以下、一般部という)の内外へ張り出し、その平均的な肉厚Tはこの側壁14の一般部における平均的な肉厚tよりもかなり厚くなっている。リブ15と側壁の一般部とは斜面状の段部14a(図1)を介して連続している。左右の側壁14間でアーム部25に囲まれた空間は主液室20を形成し、ここに被圧縮性の公知液体が封入されている。
【0028】
主液室20内には図3のX軸方向断面にて略Y字形をなすストッパ19が外筒12から内筒11側へ突出して設けられ、内筒11が過大な下方変位したとき、これを受け止めるようになっている。ダイアフラム17は、すぐり16より上方の外筒12内面との間に副液室21を区画し、すぐり16内へ伸縮して副液室21の体積変化を補償するようになっており、防振ゴム13と連続一体に形成される可撓性部材であるが、エンジンマウント10を構成するゴムバネとしては無視できる程度に小さなバネ弾性が与えられている。
【0029】
副液室21はオリフィス通路22を介して主液室20と連通し、内筒11の上下動等に伴う主液室20の容積変化により液体が主液室20と副液室21の間を流動することにより、オリフィス通路22において所定の振動周波数で液柱共振するようになっている。このオリフィス通路22は低周波数域に共振点を有する公知の減衰オリフィス通路である。
【0030】
図3に明らかなように、オリフィス通路22はストッパ19の外周部に形成された溝23及び防振ゴム13の外周部に形成された溝24により外筒12の内周面との間に形成される。
【0031】
防振ゴム13は、図3に示す内筒11の軸線と直交する断面内において内筒11から互いに反対方向へ延出するアーム部25を備える。このアーム部25の上面はすぐり16に臨み、ダイアフラム17と同様に伸縮するが、ダイアフラム17と異なり動特性上無視できない程度の所定のバネを有する。下面は主液室20に臨む。また、アーム部25の左右両端部は側壁14へ連続し、アーム部25と側壁14により主液室20の弾性の壁部を形成している。
【0032】
アーム部25は主としてせん断方向の弾性変形により荷重を受ける防振ゴムとしての主体的部分であり、その図3における径方向外周側端部は中間スリーブ18に形成された前後一対の横ステー26に連続し、この部分でダイアフラム17へ連続している。
【0033】
図7に示すように、アーム部25の外周部は連結部25aをなし、その下部が横ステー26の周囲を覆う横ステー被覆部26aの上端とアール状をなして連続している。連結部25aには上方からダイアフラム17の外周部17aがアール状をなして連続している。外周部17aのすぐり16に臨む面17bはアール状をなし、アーム部25のすぐり16に臨む面と滑らかにアール状をなして連続している。
【0034】
ダイアフラム17の外周部17aは横ステー26の上方に位置し、直接横ステー26へ連続していない。したがってダイアフラム17が伸縮等変形するとその動きはアーム部25へ伝わり、アーム部25も一体に変形する。逆にアーム部25だ弾性変形するとその動きはダイアフラム17へ伝わり、ダイアフラム17も一体に変形する。
【0035】
したがって、ダイアフラム17とアーム部25が連続して互いに相手の一部として機能する。このため、ダイアフラム17とアーム部25の肉厚はあまり相違せず、特にアームB25の肉厚は従来と比べて著しく薄肉化して最も薄い中間部はダイアフラム17の略2倍程度になっている。図7中の仮想線は内筒11と横ステー26の各下端部間を結んだ線であり、この線が従来のアーム部における肉厚の下端部側と近似したものになる。
【0036】
図13に示すように、側壁14とアーム部25はアール状部25bをなして側壁14に連続している。側壁14はアール状部25bに対して段部14cを介して滑らかに連続している。この図に明らかなようにアーム部25の平均肉厚t1は側壁14の一般部肉厚tよりかなり薄く、本実施例では略1/3になっている。
【0037】
ダイアフラム17は内筒11の直上位置で前後に分断され、この分断部に中間スリーブ18の上ステー27が位置している。上ステー27は内筒11の周囲からZ方向に沿って直上方向へ突出する突出部28と対向する。突出部28は防振ゴム13と一体に形成され、上ステー27は内筒11が上方変位したときのストッパを兼ねる。
防振ゴム13には、ダイアフラム17,側壁14及びアーム部25が連続一体に形成されている。溝24は横ステー26を覆う部分の外周に形成される。
【0038】
また、中間スリーブ18の周囲には側壁14,ダイアフラム17と連続する被覆部29が形成され、この部分が外筒12の内周面へ密接するシールになっている。
【0039】
ストッパ19は主液室20内にて、図2及び3に示す初期状態のとき、内筒11並びに側壁14と所定の間隔を形成するように配置される。但し、エンジン側から内筒11へ大荷重の入力があり、内筒11が下方変位して大きく沈み込んだときは、ストッパ19が内筒11へ接触してこれを受け止める。
【0040】
ストッパ19は6−6ナイロン等の適当な剛性のある材料からなるストッパ本体部30を備える。ストッパ本体部30の上面であって内筒11を受け止めるための受け面31は、図3のY方向と直交する断面において、内筒11の外周へ沿うような湾曲面をなし、本体部30の左右に周方向に張り出している。
【0041】
外筒12の内周面と対面する部分は円弧状外周部32をなし、その周方向両端は、外筒12の内周面へ密着嵌合することにより、横ステー26の周囲部分へ密着して防振ゴム13の外周部と連結する。
【0042】
円弧状外周部32の外周中央部には、図4に示すように外方へ開放された略コ字状断面の溝23が形成され、その長手方向中央側はストッパ本体部30との基部に形成された貫通穴33(図3)に接続し、この貫通穴33を介して主液室20と連通し、かつ長手方向両端は溝24へ連通することによりオリフィス通路22の一部をなす。
【0043】
図5〜7により小組体を説明する。この小組体34は内筒11,防振ゴム13及び中間スリーブ18を一体化したものであり、主液室20及び副液室21は外方へ開放されている。リブ15は側壁14の他の部分より厚肉であり、図7に示すように直線状に半径方向へ延びている。また、その厚さは内筒11との接続部近傍から先端までほぼ同じ程度である。但し、内筒11周囲を覆う部分との接続はアール状になっている。
【0044】
図6に示すように、小組体34の外周部におけるY方向両端側にシール突起36がリング状をなして全周に形成されている。小組体34を外筒12へ嵌合すると、このシール突起36が外筒12の内周面へ密着してシールするようになっている。なお図6はステー27と内筒11の軸心を通る平面で内筒の軸方向と平行に切った断面であり、この図において上端側のステー27の軸方向両端に防振ゴム13の一部が回り込んでいる張り出し部13aが設けられ、この部分が中間スリーブ18の軸方向端部における防振ゴム13の外縁になっている。
【0045】
図8〜12により、中間スリーブ18を説明する。図8に示すように、中間スリーブ18は合成樹脂やアルミなどの軽合金等適宜材料よりなり一対のリング36を有し、双方を3ヶ所のステー26,27で連結することにより一体化している。
【0046】
上ステー27は比較的幅広であり、軸方向における突出部28の頂部長さよりもやや幅広である(図6)。横ステー26は縦長であり、内側はほぼ垂直であり、外側はリング36の外周に略沿う曲線になっており、全体として略くさび状断面をなしている。
【0047】
図10に示す状態で左右一対をなす各リング36の幅は、側壁14の一般部すなわちリブ15以外部分である比較的薄肉部分の肉厚と右同程度である。また左右のリング36のうち、中心を挟んで上ステー27の対極とな最下部には、それぞれ内外方へ張り出す幅広の受け部37が一体に形成されている。この幅広の受け部37はリング36の幅を部分的に拡大したものであり、外側へ寸法d1だけ上ステー27よりも長く突出している。また一般の厚みDよりも内方へd2だけ突出している。
【0048】
このようにしてなる受け部37は、図6に示すように厚肉になっているリブ15の下端部の肉厚と略同幅をなし、圧縮時におけるリブ15を確実に受け止めるようになっている。なお、これらステー26,27及び幅広の受け部37を含めリング36の周囲は防振ゴム13でくるまれている。
【0049】
次に、本実施例の作用を説明する。図1及び図3において、内筒11へエンジンの荷重がかかると、側壁14及びアーム部25を弾性変形させてZ方向に沿って下方変位する。
【0050】
このとき側壁14は主たる振動の入力方向Zへ向かって圧縮されるが、この方向に沿って内筒11と外筒12を結ぶリブ15を厚肉化によりリ一体に形成したので、このリブ15が内筒11の変位方向に対する側壁14のバネを部分的に高めるので、大荷重入力時の耐座屈性を向上でき、かつクリープ特性も向上する。しかも、側壁14においてリブ15の形成を部分的にできるので、側壁14全体の厚肉化を不要とし、全体の高バネ化及び重量増大を阻止できる。
【0051】
また、リブ15が内筒11の軸方向において側壁14の一般部よりもエンジンマウント10の内外へ張り出しているので、リブ15を厚肉にしても、軸方向外方への張り出し量を少なくでき、その結果、エンジンマウント10をコンパクト化できる。
【0052】
さらに、側壁14の外周部へ埋設一体化される中間スリーブ18の一部に軸方向内方へ張り出す受け部37を設けたので、この受け部37にてリブ15の外周側端部15cを支持でき、しかも内方へ張り出すことにより、軸方向外方への張り出し量を少なくでき、その結果、エンジンマウント10をコンパクト化できる。
【0053】
そのうえ図1に明らかなように、軸方向から見たときリブ15の上下両端部が内筒11及び外筒12に対してそれぞれアール状部15a、15bにて接続しているため、接続部における応力集中を緩和できる。同様に、アーム部25の軸方向端部が一対の側壁14のそれぞれとアール状部25a、25aにて接続しているため、接続部における応力集中を緩和でき、アーム部25と側壁部14の耐久性を高めることができるので、これらを薄肉化できる。
【0054】
図14は1G状態、すなわちエンジン支持上端における静荷重時の荷重と変位を示し、この状態から振動入力によってさらに荷重が増大すると、荷重に応じて変位が増大する。この変化は略直線状を維持する。これはリブ15の存在による耐座屈性の向上を意味する。また、図15に示すように、クリープ特性も向上する。これもリブ15による高バネ化により実現される。
【0055】
また、側壁14を一対で設け、アーム部25とともに主液室20を形成し、この主液室20を副液室21をオリフィス通路22を介して連通して液封式防振装置としたので、液柱共振を利用して動特性向上を図ることができる。しかも、側壁14は、厚肉のリブ15と、それ以外の相対的に薄肉部分とを有するため、これらが異なる周波数で膜共振することになり、この異なる膜共振の連成により広範囲で低バネ化を実現できる。したがって側壁自体をリブにより高バネにできるにもかかわらず、全体としては低バネ化が可能になる。
【0056】
すなわち図16に示すように、実線で示すトータルの動バネ定数は広範囲の周波数域で低動バネ化する。これは、リブ15以外の側壁14の薄肉部、リブ15並びにアーム部25による各膜共振がグラフ中に示すようにそれぞれ異なっているため、これらを連成した結果、ブロードな低動バネを実現できるためである。
【0057】
このとき各部における共振点は、各肉厚の設定によりそれぞれチューニングでき、その組合せにより低動バネ域の周波数帯並びにブロード幅をチューニングできる。また、リブ15の数を増やせばさらに共振点を増大させて低動バネのブロード化を実現することができる。
【0058】
そのうえステー27を内筒11が図3の上方へ移動したときのストッパとして利用できるから、別にストッパを設けなくても済むため、構造が簡単になる。また、ステー26を略くさび状断面にしたので、型抜き方向に影響せずに必要な断面係数を確保できる。さらに幅広の受け部37を設けたので、厚肉をなすリブ15の下端部ほぼ全体を支持でき、圧縮時におけるリブ15を確実に受け止めることができる。
【0059】
なお、本願発明は上記実施例に限定されず種々に変形や応用が可能であり、例えば、適用可能な防振装置としては、液封式及び非液封式を問わない。また用途は、エンジンマウントのみならずサスペンション用等各種用途が可能であり、さらには自動車用以外の各種用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンマウント全体における軸方から示す正面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 図1の3−3線断面図
【図4】 図1の4−4線断面図
【図5】 内筒と防振ゴムを一体化した小組体の斜視図
【図6】 図2に対応する部位の断面図
【図7】 図3に対応する部位の断面図
【図8】 中間スリーブの斜視図
【図9】 中間スリーブの正面図
【図10】中間スリーブの側面図
【図11】中間スリーブの底面図
【図12】図10の12−12線断面図
【図13】 図1の13−13線断面図
【図14】座屈特性を示すグラフ
【図15】クリープ特性を示すグラフ
【図16】動バネ特性を示すグラフ
【図17】従来例の軸方向から示した正面図
【図18】図17の18−18線断面
【符号の説明】
10:エンジンマウント、11:内筒、12:外筒、13:防振ゴム、14:側壁、15:リブ、17:ダイアフラム、18:中間スリーブ、20:主液室、21:副液室、22:オリフィス通路

Claims (5)

  1. 内筒とその周囲を囲む外筒と、これら内筒及び外筒を連結する防振ゴムとを備えた防振装置において、
    前記防振ゴムは、前記内筒の軸方向両端側へ一対で設けられかつ前記内筒の軸直交方向へ広がって外筒と内筒を連結する側壁と、この一対の側壁を前記軸方向で一体に連結しかつ前記軸直交方向にて外筒と内筒を連結するアーム部とを備え、これら一対の側壁とアーム部を一体に形成するとともに、前記側壁の半径方向かつ主たる振動の入力方向に沿って前記内筒と外筒を結ぶように厚肉化したリブを設け、
    このリブを前記内筒の軸方向において内外へ張り出させ、
    さらにこのリブの外周側端部に対する受け部を、前記側壁の外周部へ埋設一体化される中間スリーブの一部に軸方向内方へ張り出して設けたことを特徴とする防振装置。
  2. 前記リブは前記内筒の軸方向から見たときその両端部が前記内筒及び外筒に対してそれぞれアール状に接続していることを特徴とする請求項1に記載した防振装置。
  3. 前記アーム部の軸方向端部が前記一対の側壁とそれぞれアール状に接続していることを特徴とする請求項1に記載した防振装置。
  4. 前記アーム部と一対の側壁間に外方へ開放された主液室を形成し、この主液室と隔てられた副液室とをオリフィス通路にて連結し、これら主液室及び副液室内へ非圧縮性液体を封入したことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載した防振装置。
  5. 前記側壁における前記リブ及びそれ以外の部分の各肉厚並びに前記アーム部の肉厚がそれぞれ異なることにより、複数の場所にて異なる共振周波数で膜共振することを特徴とする請求項に記載した防振装置。
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