JP4331495B2 - 防振装置 - Google Patents

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JP4331495B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用エンジンマウント等に使用して好適な円筒ブッシュ型防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような防振装置として円筒ブッシュ型エンジンマウントが公知であり、内部に液体を封入することにより、入力振動に対する液柱共振を利用して動特性を向上させた液封式のものも公知である。図15〜17はこの一例であり、図15は内筒の軸方向から示した正面図、図16は図15の16−16線断面、図17は図15の17−17線断面である。
【0003】
これらの図に示すように、この円筒ブッシュ型エンジンマウントは内筒1とこれを囲む外筒2及びこれらを連結する防振ゴム3を備える。防振ゴム3は内筒1の軸方向両端に一対の側壁4を備える。この側壁4は図15に明らかなように、外周へ向かって肉厚が次第に薄くなるよう全体が一様の肉厚変化をしている。
【0004】
また防振ゴム3を軸方向へ貫通するすぐり6が設けられ、このすぐり6を挟んでアーム部5とダイアフラム7が設けられ、半径方向外方に位置するそれぞれの外方端部5a及び7aは別々に外筒2側へ固定されている。アーム部5は内筒1と外筒2間を連結し主液室8aを形成する。ダイアフラム7は副液室8bを形成し、主液室8aと副液室8bはオリフィス通路9を介して連通される。アーム部5は比較的肉厚であり、一方ダイアフラム7の肉厚は動特性上でバネ弾性を無視できる程度に薄い。なお側壁4を周方向にて局部的に肉厚変化させたようなものは存在しない。
【0005】
【特許文献1】
特許第2889850号公報
【特許文献2】
特開平8−93539号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにアーム部5が厚肉であると、内筒1の軸方向を一つの軸とする直交3軸方向において、バネが大きく異なる方向性が生じる。したがってバネの方向性を変化させたい場合はアーム部5の肉厚を薄くしたい場合がある。しかしアーム部5は防振装置に加わるエンジンの荷重等を支持するための部分であるから、耐久性等の点から無制限に薄くすることはできない。そこで本願は耐久性等の必要性能を満足しつつアーム部5を可及的に薄くすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の防振装置に係る請求項1は、内筒とその周囲を囲む外筒と、これら内筒及び外筒を連結する防振ゴムとを備え、この防振ゴムにすぐり部を挟んで主液室と副液室を設けて互いをオリフィス通路で連通するとともに、主液室を構成して内筒及び外筒間を連結するアーム部と副液室を構成するダイアフラムとをそれぞれすぐり部に臨んで設け、外筒に固定されている中間スリーブに防振ゴムの外周部を一体化した防振装置において、
前記アーム部(25)とダイアフラム(17)とを同じ防振ゴムにより連続一体に形成し、
前記ダイアフラムの外方側端部(17a)を、前記アーム部の径方向外方側端部へ延びる連結部(25a)へ接続させ、
この連結部(25a)の外周部を前記中間スリーブの外周部へ軸方向に設けられている横ステー(26)に固定させて外筒側固定部とし、
前記ダイアフラムの外方側端部(17a)を前記横ステー(26)へ直接接続させずに前記連結部(25a)を介して接続させるとともに、
前記ダイアフラムの外方側端部(17a)及び前記アーム部(25)の連結部(25a)へ接続する部分の各肉厚はそれぞれ前記連結部(25a)の肉厚よりも薄くなっていることを特徴とする。
【0008】
請求項2は上記請求項1において、前記アーム部(25)とダイアフラム(17)のうち前記すぐり部(16)に臨む部分は連続アールをなしていることを特徴とする。
【0009】
請求項3は上記請求項1において、前記アーム部(25)とダイアフラム(17)との接続部は、前記外筒側固定部よりも前記内筒(11)側へ位置することを特徴とする。
請求項4は上記請求項1において、前記アーム部(25)の中間部における下部を、前記内筒(11)及び横ステー(26)の各下端部を結んだ仮想線よりも上方へ入り込ませたことを特徴とする。
【0010】
なお、本願においては上下・左右及び前後方向は図1及び図2における図示状態を基準とし、Z矢示と平行する方向が上下方向、X矢示方向が前後方向、Y矢示方向が左右方向に相当する。左右方向(Y方向)は内筒の軸方向(以下、単に軸方向といい、これと直交する方向を軸直交方向という)に相当する。
【0011】
【発明の効果】
請求項1によれば、アーム部とダイアフラムとを同じ防振ゴムにより連続一体に形成するとともに、アーム部の中間部へ前記ダイアフラムの外方側端部を接続させたので、アーム部は実質的にダイアフラムにまで延び、アーム部が弾性変形するときはダイアフラム部分を同時に変形させる。したがってアーム部の支持スパンが実質的に長くなるので、その分だけ耐久性を一定レベルに維持したままアーム部をより薄肉化できる。その結果、軸直交する方向にてアーム部の延出方向におけるバネを弱くすることができ、バネ特性に特殊な方向性を得ることができる。
請求項2によれば、アーム部とダイアフラムとの接続部のうちすぐり部に臨む部分が連続アールをなしているので、アーム部とダイアフラム間における応力分散がスムーズになり、耐久性をより向上させることができる。
【0012】
請求項3によれば、アーム部とダイアフラムとの接続部が、主たる振動の入力方向において、アーム部の外方側端部に対する外筒側固定部よりも入力側へ位置するので、主たる振動が入力すると、接続部が容易に弾性変形する。このため主たる振動の入力方向をより低バネとし、かつ耐久性を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて自動車用として構成された液封式円筒ブッシュ型エンジンマウントを説明する。図1〜図4はこのエンジンマウント全体を示し、図1はこのエンジンマウント全体を軸方から示す正面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図1の4−4線断面図である。図5〜7は内筒と防振ゴムを一体化した小組体を示し、図5は斜視図、図6は図2に対応する部位の断面図、図7は図3に対応する部位の断面図である。図8〜12は中間スリーブを示し、図8は斜視図、図9は正面図、図10は側面図、図11は底面図、図12は図10の12−12線断面図である。図13は図1の13−13線断面図、図14は動バネ特性を示すグラフである。
【0014】
まず図1〜4において、このエンジンマウント10は、内筒11、その周囲を囲む外筒12及びこれらの間を連結する防振ゴム13を備える。内筒11は金属等の適宜剛性材料よりなるパイプ状部材であり、この中空部に通されたボルト等の図示しない連結部材により振動源である図示しないエンジンへ取付けられる。内筒11は第1の取付部材をなす。
【0015】
外筒12は金属等の適宜剛性材料よりなる円筒状部材であり、偏心位置に内筒11を内包するとともに、適当なブラケットにより図示しない振動受け側の車体へ取付けられる。外筒12は第2の取付部材をなす。
【0016】
本実施例における前後・上下・左右等の各方向と車体装着時における車体との関係は、図1に示す状態にてエンジンマウント10の上下方向を車体の上下方向とし、この方向を主たる振動の入力方向Zとする。また、左右方向を車体の前後方向Xとし、仮に図の左方を車体前方、右方を車体後方とする。なお、内筒11の軸方向をY方向とする。Y方向は車体の左右方向であり、仮に図2の左方を車体左方、右方を車体右とする。
【0017】
防振ゴム13は天然又は合成等公知の適宜ゴム材料よりなり、内筒11を外筒12に対して浮動支持し、所定のバネ弾性を発揮するようになっている。図2に示すように、防振ゴム13のうち内筒11の上方には、内筒11の軸方向へ貫通するすぐり16が形成され、このすぐり16を挟んで内筒11に対面する外筒12の内面にダイアフラム17が形成されている。
【0018】
防振ゴム13の外周部には中間スリーブ18が一体化されている。外筒12は軸方向端部にて周方向等間隔に設けられた爪12aを折り曲げることにより防振ゴムを介して中間スリーブ18の軸方向端部を固定している。なお図2では爪12aが軸方向の一端側(右側)のみに現れているが、左側にも異なる位相で形成されている。
【0019】
すぐり16より下方は左右の側壁14をなし、そのうちZ方向に沿って内筒11から外筒12を直線状に連結する部分が厚肉のリブ15となっている。図1においてリブ15の上下部はアール状部15a及び15bにて内筒11及び中間スリーブ18の外周部へ連続して接続している。図2に示すように、リブ15はそれ以外の破線で示す側壁部分(以下、一般部という)の内外へ張り出し、その平均的な肉厚Tはこの側壁14の一般部における平均的な肉厚tよりもかなり厚くなっている。リブ15と側壁の一般部とは斜面状の段部14a(図1)を介して連続している。左右の側壁14間でアーム部25に囲まれた空間は主液室20を形成し、ここに被圧縮性の公知液体が封入されている。
【0020】
主液室20内には図3の断面内にて略Y字形をなすストッパ19が外筒12から内筒11側へ突出して設けられ、内筒11が過大な下方変位したとき、これを受け止めるようになっている。ダイアフラム17は、すぐり16より上方の外筒12内面との間に副液室21を区画し、すぐり16内へ伸縮して副液室21の体積変化を補償するようになっており、防振ゴム13と連続一体に形成される可撓性部材であるが、エンジンマウント10を構成するゴムバネとしては無視できる程度に小さなバネ弾性が与えられている。
【0021】
副液室21はオリフィス通路22を介して主液室20と連通し、内筒11の上下動等に伴う主液室20の容積変化により液体が主液室20と副液室21の間を流動することにより、オリフィス通路22において所定の振動周波数で液柱共振するようになっている。このオリフィス通路22は低周波数域に共振点を有する公知の減衰オリフィス通路である。
【0022】
図3に明らかなように、オリフィス通路22はストッパ19の一部で、外筒12の内面に沿って周方向へ延びる外周部の外面に形成された溝23及び防振ゴム13の外周部に形成された溝24により外筒12の内周面との間に形成される。
【0023】
防振ゴム13は、図3に示す断面内において内筒11から互いに反対方向へ延出するアーム部25を備える。このアーム部25の上面はすぐり16に臨み、ダイアフラム17と同様に伸縮するが、ダイアフラム17と異なり動特性上無視できない程度の所定のゴムバネを有する。下面は主液室20に臨む。また、アーム部25の左右両端部は側壁14へ連続し、アーム部25と側壁14により主液室20の弾性の壁部を形成している。
【0024】
アーム部25は主としてせん断方向の弾性変形により荷重を受ける防振ゴムとしての主体的部分であり、その図3における径方向外周側端部は中間スリーブ18に形成された前後一対の横ステー26に連続し、この部分でダイアフラム17へ連続している。
【0025】
図7に示すように、アーム部25の外周部は連結部25aをなし、その下部が横ステー26の周囲を覆う横ステー被覆部26aの上端とアール状をなして連続している。連結部25aには上方からダイアフラム17の外周部17aがアール状をなして連続している。外周部17aのすぐり16に臨む面17bはアール状をなし、アーム部25のすぐり16に臨む面と滑らかにアール状をなして連続している。
【0026】
ダイアフラム17の外周部17aは横ステー26の上方に位置し、直接横ステー26へ連続していない。したがってダイアフラム17が伸縮等変形するとその動きはアーム部25へ伝わり、アーム部25も一体に変形する。逆にアーム部25が弾性変形するとその動きはダイアフラム17へ伝わり、ダイアフラム17も一体に変形する。
【0027】
したがって、ダイアフラム17とアーム部25が連続して互いに相手の一部として機能する。このため、ダイアフラム17とアーム部25の肉厚はあまり相違せず、特にアーム部25の肉厚は従来と比べて著しく薄肉化しており、最も薄い中間部はダイアフラム17の略2倍程度になっている。図7中の仮想線は内筒11と横ステー26の各下端部間を結んだ線であり、この線が従来のアーム部における肉厚の下端部側と近似したものになる。
【0028】
図13に示すように、側壁14とアーム部25はアール状部25bを介して連続している。また側壁14はアール状部25bに対して段部14cを介して滑らかに連続している。この図に明らかなようにアーム部25の平均肉厚t1は側壁14の一般部肉厚Tよりかなり薄く、本実施例では略1/3程度になっている。
【0029】
図3等に示すように、ダイアフラム17は内筒11の直上位置で前後に分断され、この分断部に中間スリーブ18の上ステー27が位置している。上ステー27は内筒11の周囲からZ方向に沿って直上方向へ突出する突出部28と対向する。突出部28は防振ゴム13と一体に形成され、上ステー27は内筒11が上方変位したときのストッパを兼ねる。
【0030】
防振ゴム13には、ダイアフラム17,側壁14及びアーム部25が連続一体に形成されている。溝24は横ステー26を覆う部分の外周に形成される。
また、図2、6に示すように、中間スリーブ18の周囲には側壁14,ダイアフラム17と連続する被覆部29が形成され、この部分が外筒12の内周面へ密接するシールになっている。
【0031】
ストッパ19は主液室20内にて、図2及び3に示す初期状態のとき、内筒11並びに側壁14と所定の間隔を形成するように配置される。但し、エンジン側から内筒11へ大荷重の入力があり、内筒11が下方変位して大きく沈み込んだときは、ストッパ19が内筒11と接触してこれを受け止める。
【0032】
ストッパ19は6−6ナイロン等の適当な剛性のある材料からなるストッパ本体部30を備える。ストッパ本体部30の上面であって内筒11を受け止めるための受け面31は、図3の断面において、内筒11の外周へ沿うような湾曲面をなし、本体部30の左右に周方向に張り出している。
【0033】
外筒12の内周面と対面する部分は円弧状外周部32をなし、オリフィス通路22部分を除いて外筒12の内周面へ密着嵌合するとともに、その周方向両端は、横ステー26の周囲部分へ密着して防振ゴム13の外周部と連結する。
【0034】
円弧状外周部32の外周中央部には、図4に示すように外方へ開放された略コ字状断面の溝23が形成され、その長手方向中央側はストッパ本体部30との基部に形成された貫通穴33(図3)に接続し、この貫通穴33を介して主液室20と連通し、かつ周方向両端は溝24へ連通することによりオリフィス通路22の一部をなす。
【0035】
図5〜7により外筒2を取付ける前の小組体を説明する。この小組体34は内筒11,防振ゴム13及び中間スリーブ18を一体化したものであり、主液室20及び副液室21は外方へ開放されている。リブ15は側壁14の他の部分より厚肉であり、図7に示すように直線状に半径方向へ延びている。また、その厚さは内筒11との接続部近傍から先端までほぼ同じ程度である。但し、内筒11周囲を覆う部分との接続はアール状になっている。
【0036】
図6に示すように、小組体34の外周部におけるY方向両端側にシール突起35がリング状をなして全周に形成されている。小組体34を外筒12へ嵌合すると、このシール突起35が外筒12の内周面へ密着してシールするようになっている。なお図6はステー27と内筒11の軸心を通る平面で内筒の軸方向と平行に切った断面であり、この図において上端側のステー27の軸方向両端に防振ゴム13の一部が回り込んでいる張り出し部13aが設けられ、この部分が中間スリーブ18の軸方向端部における防振ゴム13の外縁になっている。
【0037】
図8〜12により、中間スリーブ18を説明する。図8に示すように、中間スリーブ18は合成樹脂やアルミなどの軽合金等適宜材料よりなり一対のリング36を有し、双方を3ヶ所のステー26,27で連結することにより一体化している。
【0038】
上ステー27は比較的幅広であり、軸方向における突出部28の頂部長さよりもやや幅広である(図6)。横ステー26は縦長であり、内側はほぼ垂直であり、外側はリング36の外周に略沿う曲線になっており、全体として略くさび状断面をなしている。
【0039】
図10に示す状態で左右一対をなす各リング36の幅は、側壁14の一般部すなわちリブ15以外部分である比較的薄肉部分の肉厚と略同程度である。また左右のリング36のうち、中心を挟んで上ステー27の対極となる最下部には、それぞれ内方へ張り出す幅広の受け部37が一体に形成されている。この幅広の受け部37はリング36の幅を部分的に拡大したものであり、内側へ寸法d1だけ長く突出し、一般の厚みDよりも厚くなっている。
【0040】
このようにしてなる受け部37は、図6に示すように厚肉になっているリブ15の下端部の肉厚と略同幅をなし、圧縮時におけるリブ15を確実に受け止めるようになっている。なお、これらステー26,27及び幅広の受け部37を含めリング36の周囲は防振ゴム13でくるまれている。
【0041】
次に、本実施例の作用を説明する。図1、図3及び図7において、アーム部25とダイアフラム17とを同じ防振ゴム13により連続一体に形成するとともに、アーム部25の中間部である連結部25aへダイアフラム17の外方側端部である外周部17aを連続して接続させたので、アーム部25は実質的にダイアフラム17にまで延びる。
【0042】
そこで、Z方向から振動が入力すると、主液室20の容積変化によりアーム部25が弾性変形する。このとき連続する外周部17aが固定されていないから、ダイアフラム17部分を同時に変形させる。したがってアーム部25の支持スパンが上ステー27まで実質的に長くなるので、その分だけ耐久性を一定レベルに維持したままアーム部25をより薄肉化できる。その結果、X方向におけるエンジンマウント10のバネを弱くすることができ、バネ特性に特殊な方向性を得ることができる。
【0043】
なお、ダイアフラム17にとっても同様であり、ダイアフラム17の伸縮等に伴う変形は外周部17a、連結部25aを介してアーム部25へ伝えられるので、アーム部25を一体に弾性変形させる。したがって、ダイアフラム17の支持スパンは内筒11まで実質的に長くなるので、その分だけ耐久性を一定
【0044】
また、アーム部25とダイアフラム17との接続部のうちすぐり16に臨む部分が連続アールをなしているので、アーム部25とダイアフラム17間における応力分散がスムーズになり、耐久性をより向上させることができる。
【0045】
さらに、アーム部25とダイアフラム17との接続部である連結部25aが、主たる振動の入力方向Zにおいて、アーム部25の外方側端部に対する外筒側固定部である横ステー26よりも入力側、すなわち図の上方側へ位置するので、主たる振動が入力すると、連結部25aが容易に弾性変形する。このため主たる振動の入力方向をより低バネとし、かつ耐久性を向上させることができる。
【0046】
しかも、側壁14にリブ15を設けたことにより、Z方向におけるバネを下げなくても済むので、この点でもアームB25の薄肉化が可能になる。しかも従来のアーム部が分担していたZ方向のバネを側壁14が分担することになるが、リブ15によって側壁14の一般部における肉厚を可及的に薄くできる。
【0047】
また、エンジンマウント10へZ方向に荷重がかかると、側壁4は主たる振動の入力方向Zへ向かって圧縮されるが、この方向に沿って内筒11と外筒12を結ぶリブ15を厚肉化によりリ一体に形成したので、このリブ15が内筒11の変位方向に対する側壁14のバネを部分的に高めるので、大荷重入力時の耐座屈性を向上でき、かつクリープ特性も向上する。しかも、側壁14においてリブ15の形成を部分的にできるので、側壁14全体の厚肉化を不要とし、全体の高バネ化及び重量増大を阻止できる。
【0048】
また、リブ15が内筒11の軸方向において側壁14の一般部よりもエンジンマウント10の内外へ張り出しているので、リブ15を厚肉にしても、軸方向外方への張り出し量を少なくでき、その結果、エンジンマウント10をコンパクト化できる。
【0049】
さらに、側壁14の外周部へ埋設一体化される中間スリーブ18の一部に軸方向内方へ張り出す受け部37を設けたので、この受け部37にてリブ15の外周側端部15cを支持でき、しかも内方へ張り出すことにより、軸方向外方への張り出し量を少なくでき、その結果、エンジンマウント10をコンパクト化できる。
【0050】
そのうえ図1に明らかなように、軸方向から見たときリブ15の上下両端部が内筒11及び外筒12に対してそれぞれアール状部15a、15bにて接続しているため、接続部における応力集中を緩和できる。同様に、アーム部25の軸方向端部が一対の側壁14のそれぞれとアール状部25a、25aにて接続しているため、接続部における応力集中を緩和でき、アーム部25と側壁部14の耐久性を高めることができるので、これらを薄肉化できる。
【0051】
また、側壁14を一対で設け、アーム部25とともに主液室20を形成し、この主液室20を副液室21をオリフィス通路22を介して連通して液封式防振装置としたので、液柱共振を利用して動特性向上を図ることができる。しかも、側壁14は、厚肉のリブ15と、それ以外の相対的に薄肉部分とを有するため、これらが異なる周波数で膜共振することになり、この異なる膜共振の連成により広範囲で低バネ化を実現できる。したがって側壁自体をリブにより高バネにできるにもかかわらず、全体としては低バネ化が可能になる。
【0052】
すなわち図14に示すように、実線の曲線は本願発明に係るものであって、トータルの動バネ定数を示し、広範囲の周波数域で低動バネ化する。これは、アーム部25による膜共振(破線)と、リブ15以外の側壁14の薄肉部による膜共振(一点鎖線)及びリブ15による膜共振(点線)がグラフ中に示すようにそれぞれ異なっているため、これらを連成した結果、ブロードな低動バネを実現できるためである。なお、仮想線はリブ15を欠く従来例であって、これと比較すれば明らかに本願発明の方が低動バネ化している。
【0053】
このとき各部における共振点は、各肉厚の設定によりそれぞれチューニングでき、その組合せにより低動バネ域の周波数帯並びにブロード幅をチューニングできる。また、リブ15の数を増やせばさらに共振点を増大させて低動バネのブロード化を実現することができる。
【0054】
そのうえステー27を内筒11が図3の上方へ移動したときのストッパとして利用できるから、別にストッパを設けなくても済むため、構造が簡単になる。また、ステー26を略くさび状断面にしたので、型抜き方向に影響せずに必要な断面係数を確保できる。さらに幅広の受け部37を設けたので、厚肉をなすリブ15の下端部ほぼ全体を支持でき、圧縮時におけるリブ15を確実に受け止めることができる。
【0055】
なお、本願発明は上記実施例に限定されず種々に変形や応用が可能であり、例えば、適用可能な防振装置としては、液封式及び非液封式を問わない。また用途は、エンジンマウントのみならずサスペンション用等各種用途が可能であり、さらには自動車用以外の各種用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンマウント全体における軸方から示す正面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 図2の3−3線断面図
【図4】 図1の4−4線断面図
【図5】 内筒と防振ゴムを一体化した小組体の斜視図
【図6】 図2に対応する部位の断面図
【図7】 図3に対応する部位の断面図
【図8】 中間スリーブの斜視図
【図9】 中間スリーブの正面図
【図10】中間スリーブの側面図
【図11】中間スリーブの底面図
【図12】図10の12−12線断面図
【図13】図1の13−13線断面図
【図14】実施例に係る動バネ特性を示すグラフ
【図15】従来例の軸方向から示した正面図
【図16】図15の16−16線断面図
【図17】図16の17−17線断面図
【符号の説明】
10:エンジンマウント、11:内筒、12:外筒、13:防振ゴム、14:側壁、15:リブ、17:ダイヤフラム、18:中間スリーブ、20:主液室、21:副液室、22:オリフィス通路

Claims (4)

  1. 内筒とその周囲を囲む外筒と、これら内筒及び外筒を連結する防振ゴムとを備え、この防振ゴムにすぐり部を挟んで主液室と副液室を設けて互いをオリフィス通路で連通するとともに、主液室を構成して内筒及び外筒間を連結するアーム部と副液室を構成するダイアフラムとをそれぞれすぐり部に臨んで設け、外筒に固定されている中間スリーブに防振ゴムの外周部を一体化した防振装置において、
    前記アーム部(25)とダイアフラム(17)とを同じ防振ゴムにより連続一体に形成し、
    前記ダイアフラムの外方側端部(17a)を、前記アーム部の径方向外方側端部へ延びる連結部(25a)へ接続させ、
    この連結部(25a)の外周部を前記中間スリーブの外周部へ軸方向に設けられている横ステー(26)に固定させて外筒側固定部とし、
    前記ダイアフラムの外方側端部(17a)を前記横ステー(26)へ直接接続させずに前記連結部(25a)を介して接続させるとともに、
    前記内筒(11)の軸直交方向断面において、前記ダイアフラムの外方側端部(17a)及び前記アーム部(25)の連結部(25a)へ接続する部分の各肉厚はそれぞれ前記連結部(25a)の肉厚よりも薄くなっていることを特徴とする防振装置。
  2. 前記アーム部(25)とダイアフラム(17)のうち前記すぐり部(16)に臨む部分は連続アールをなしていることを特徴とする請求項1に記載した防振装置。
  3. 前記アーム部(25)とダイアフラム(17)との接続部は、前記外筒側固定部よりも前記内筒(11)側へ位置することを特徴とする請求項1に記載した防振装置。
  4. 前記アーム部(25)の中間部における下部を、前記内筒(11)及び横ステー(26)の各下端部を結んだ仮想線よりも上方へ入り込ませたことを特徴とする請求項1に記載した防振装置。
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