JPH09133175A - 流体封入式筒型防振装置 - Google Patents

流体封入式筒型防振装置

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JPH09133175A
JPH09133175A JP29141395A JP29141395A JPH09133175A JP H09133175 A JPH09133175 A JP H09133175A JP 29141395 A JP29141395 A JP 29141395A JP 29141395 A JP29141395 A JP 29141395A JP H09133175 A JPH09133175 A JP H09133175A
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annular
fluid chamber
fluid
orifice
peripheral surface
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JP29141395A
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English (en)
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Katsuhisa Ikeda
勝久 池田
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム弾性体にて連結された軸部材と筒部材
の間に、オリフィス通路を通じて相互に連通された第一
の環状流体室と第二の環状流体室を、環状の隔壁ゴムを
挟んだ軸方向両側に位置して形成してなる流体封入式筒
型防振装置において、軸直角方向のストッパ機構を、簡
単な構造をもって付与すること。 【解決手段】 隔壁ゴム48の突出先端部と筒部材14
の間に、周方向に延びる環状のオリフィス部材62,6
3を配設せしめて、該オリフィス部材62,63の外周
面に設けられた周方向に延びる凹溝68を筒部材14で
覆蓋することによってオリフィス通路82を形成すると
共に、第一の環状流体室78および第二の環状流体室8
0の何れか一方において、オリフィス部材62,63の
内周面から軸直角方向内方に向かって突出し、軸部材1
2側に所定距離を隔てて対向位置するストッパ部71
を、該オリフィス部材62,63に一体形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のサスペンション用メン
バマウント等に好適に用いられる筒型防振装置に係り、
特に軸方向の入力振動に対して流体の流動作用に基づく
防振効果を発揮し得ると共に、軸直角方向のストッパ機
構を備えた流体封入式の筒型防振装置に関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて、それら両部材を防振連結する防振装置の一
種として、互いに径方向に所定距離を隔てて配された軸
金具と筒金具を、それらの間に介装されたゴム弾性体に
て連結せしめてなる構造を有し、軸部材と筒部材の間に
入力される軸方向(防振装置の軸方向であって、軸部材
および筒部材の軸方向をいう)の振動に対して有効な防
振効果を発揮する筒型防振装置が、知られている。例え
ば、自動車のサスペンション用メンバマウントやストラ
ットバークッション,サスペンション用アッパサポート
等が、それである。
【0003】また、近年では、防振性能の向上を目的と
して、内部に封入した流体の共振作用等の流動作用に基
づいて防振効果を得るようにした流体封入式の筒型防振
装置も提案されている。そして、本願出願人は、先に、
実開昭62−158236号公報において、軸部材と筒
部材の間をそれぞれ周方向に連続して延びて内部に非圧
縮性流体が封入された第一の環状流体室と第二の環状流
体室を、環状の隔壁ゴムを挟んだ軸方向両側に形成する
と共に、それら第一の環状流体室と第二の環状流体室を
相互に連通するオリフィス通路を設けてなる構造のもの
を明らかにした。
【0004】このような流体封入式筒型防振装置におい
ては、第一及び第二の環状流体室における軸方向外側の
外壁ゴムよりも隔壁ゴムの方が径方向高さが低くされ
て、該隔壁ゴムの突出先端部と筒部材の間に環状のオリ
フィス部材が固定的に配設されており、軸方向の振動入
力時に、隔壁ゴムと両外壁ゴムにおける弾性変形量の差
に基づいて第一の環状流体室と第二の環状流体室の間に
相対的な内圧変動が惹起されることにより、オリフィス
通路を通じての流体流動が生ぜしめられるのである。
【0005】ところで、かくの如き構造の筒型防振装置
を自動車のサスペンション用メンバマウント等に適用す
る場合には、軸直角方向のばね特性等も問題となり、特
に軸直角方向に大きな振動荷重が入力された際の軸部材
と筒部材の相対的変位量を制限するストッパ機構が要求
される場合が多い。
【0006】しかしながら、前記実開昭62−1582
36号公報で明らかにした筒型防振装置では、軸部材と
筒部材の軸直角方向における相対的変位量の制限が何等
考慮されておらず、軸部材と筒部材の軸直角方向におけ
る相対的変位量を制限するには装置外部に別体ストッパ
機構を設ける必要があるために、装置の大型化や、部品
点数の増加に伴う構造の複雑化および製造性の悪化等が
避けられないという不具合を有していたのである。
【0007】また、最近では、自動車の高級化等に伴
い、軸方向の入力振動に対する防振性能に関しても、更
なる向上が要求されるようになっており、要求特性を満
足するために、構造改良の必要もあったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、軸直角方向のストッパ機構が、部品点数の
増加等を伴うことなく、且つ流体の流動作用に基づいて
軸方向の入力振動に対して発揮される防振性能を阻害す
ることなく、簡単な構造をもって実現され得る、改良さ
れた構造の流体封入式筒型防振装置を提供することにあ
る。
【0009】また、本発明は、軸直角方向のストッパ機
構と共に、軸方向の入力振動に対する防振性能の更なる
向上が、特別な部品点数の増加を伴うことなく、簡単な
構造をもって実現され得る流体封入式筒型防振装置を提
供することも、解決すべき課題とするものである。
【0010】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、軸部材とその外方に
所定距離を隔てて配された筒部材をゴム弾性体にて連結
せしめて、それら軸部材と筒部材の間に、それぞれ周方
向に連続して延びて内部に非圧縮性流体が封入された第
一の環状流体室と第二の環状流体室を、環状の隔壁ゴム
を挟んだ軸方向両側に形成すると共に、それら第一の環
状流体室と第二の環状流体室を相互に連通するオリフィ
ス通路を設けた流体封入式筒型防振装置において、隔壁
ゴムの突出先端部と筒部材の間に、周方向に延びる環状
のオリフィス部材を配設せしめて、該オリフィス部材の
外周面に設けられた周方向に延びる凹溝を筒部材で覆蓋
することによってオリフィス通路を形成すると共に、第
一の環状流体室および第二の環状流体室の何れか一方に
おいて、オリフィス部材の内周面から軸直角方向内方に
向かって突出し、軸部材側に所定距離を隔てて対向位置
するストッパ部を、オリフィス部材に一体形成したこと
にある。
【0011】このような本発明に従う構造とされた流体
封入式筒型防振装置においては、ストッパ部の軸部材側
に対する当接によって、軸部材と筒部材の軸直角方向に
おける相対的変形量を制限するストッパ機能が発揮され
ることとなる。
【0012】そこにおいて、ストッパ部は、オリフィス
部材に一体形成されていることから、ストッパ機構を付
与するに際して、特別な部材が必要とされることがない
のであり、軸直角方向のストッパ機構が簡単な構造をも
って有利に実現されるのである。
【0013】しかも、ストッパ部は、第一の環状流体室
および第二の環状流体室の何れか一方の側だけに突出形
成されていることから、第一及び第二の環状流体室に封
入される流体容量が有利に確保されて、流体の流動作用
に基づく防振効果も有効に発揮され得るのである。
【0014】なお、オリフィス部材は、良好なる組付性
を得るために、周方向に分割(例えば、一対の半円環状
に二分割)された構造をもって形成することが望まし
く、また、ストッパ部を容易に一体形成するために、合
成樹脂の型成形品やアルミニウム合金のダイキャスト成
形品等が好適に採用される。
【0015】また、ストッパ部は、オリフィス部材の内
周面上において、軸直角方向の荷重入力方向に対応した
任意の位置に形成され得るが、請求項2に記載された、
本発明の好ましい態様においては、かかるストッパ部
が、オリフィス部材の軸直角方向一方向で対向する部分
に一対形成されると共に、ゴム弾性体における軸直角方
向のばね剛性が互いに直交する二方向で異ならしめられ
て、一対のストッパ部が、かかるばね剛性が低くされた
軸直角方向で対向するように位置決めされる。
【0016】このような態様の流体封入式筒型防振装置
は、例えば、自動車のサスペンション用メンバマウント
等に好適に用いられ、車両の横方向で高いばね剛性を、
車両の前後方向で柔らかいばね剛性を、それぞれ確保せ
しめて、優れた操縦安定性と乗り心地を両立して得るこ
とが可能となるのである。
【0017】また、かくの如く、互いに直交する軸直角
方向の二方向でのばね剛性を互いに異ならしめる設定
は、例えば、請求項3に記載されているように、第一の
環状流体室および前記第二の環状流体室の軸方向外側壁
部における軸直角方向一方向で対向する部分に、それぞ
れ、前記軸部材側から前記筒部材側に向かって突出する
拘束部材を配設せしめて、かかる拘束部材が対向位置す
る軸直角方向におけるゴム弾性体のばね剛性を高くする
ことにより、有利に実現され得る。
【0018】更にまた、請求項4に記載された、本発明
の好ましい態様においては、軸方向中間部分に設けられ
た小径部の軸方向両側に、それぞれ、周方向に半周弱の
長さで延びる各一対の窓部を形成した金属スリ−ブを、
ゴム弾性体の外周面に固着すると共に、該ゴム弾性体に
対してそれぞれ周方向に連続して延びる第一の環状ポケ
ット部と第二の環状ポケット部を軸方向に互いに所定距
離を隔てて形成し、それら第一の環状ポケット部および
第二の環状ポケット部をそれぞれ金属スリーブに設けら
れた各一対の窓部を通じて外周面に開口せしめる一方、
かかる金属スリーブの外周面に筒部材を嵌着固定すると
共に、金属スリーブの小径部と筒部材の間にオリフィス
部材を介装せしめて、第一の環状ポケット部および第二
の環状ポケット部の開口をそれぞれ覆蓋することによ
り、第一の環状流体室および第二の環状流体室を形成し
た構成が、採用される。
【0019】このような構成とされた流体封入式筒型防
振装置においては、第一及び第二の環状流体室における
隔壁ゴムと外壁ゴムの各外周面に固着された金属スリー
ブが筒部材に嵌着固定されることによって、第一及び第
二の環状ポケット部の開口が、筒部材により優れた流体
密性をもって覆蓋されるのであり、第一及び第二の環状
流体室の流体密性が安定して確保されるのである。しか
も、隔壁ゴムおよび外壁ゴムの各外周面に固着される金
属スリーブは一体構造とされていることから、隔壁ゴム
および外壁ゴムの外周面への接着が容易である等の利点
もある。
【0020】さらに、請求項5に記載された、本発明の
好ましい態様においては、ストッパ部が周方向全周に亘
って連続して設けられて、該ストッパ部の突出先端面と
軸部材側との対向面間に環状の狭窄流路が形成される。
【0021】このような態様の流体封入式筒型防振装置
においては、軸方向の振動入力時に、ストッパ部が配設
された環状流体室内において、狭窄流路を挟んだ軸方向
両側部分の間に、該狭窄流路を通じての流体流動が生ぜ
しめられることとなり、それによって、流体の流動作用
に基づく防振効果が発揮されるのである。それ故、スト
ッパ部の突出先端面と軸部材側との対向面間に形成され
る環状の狭窄流路の大きさ(流路断面積や長さ)等を適
当に調節することによって、該環状の狭窄流路を通じて
流動せしめられる流体の流動作用に基づき、オリフィス
通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく
防振効果が発揮される周波数域とは異なる周波数域の入
力振動に対して有効な防振効果を得ることことが可能と
なり、防振性能の向上が図られ得るのである。
【0022】なお、かくの如き態様の流体封入式防振装
置においては、好ましくは、請求項6に記載されている
ように、ゴム弾性体の外周面に、第一のリング金具,第
二のリング金具および第三のリング金具を、互いに軸方
向に所定距離を隔てて固着すると共に、ゴム弾性体に対
して、第一のリング金具と第二のリング金具の間および
第二のリング金具と第三のリング金具の間を通じてそれ
ぞれ外周面に開口する第一の環状ポケット部と第二の環
状ポケット部を形成する一方、それら第一,第二及び第
三のリング金具の外周面に筒部材を嵌着固定すると共
に、第二のリング金具と筒部材の間にオリフィス部材を
介装せしめて、第一の環状ポケット部および第二の環状
ポケット部の開口をそれぞれ覆蓋することにより、第一
の環状流体室および第二の環状流体室を形成した構成
が、採用される。
【0023】このような構成とされた流体封入式筒型防
振装置においては、第一及び第二の環状流体室における
隔壁ゴムと外壁ゴムの各外周面に固着された第一,第二
及び第三のリング金具が筒部材に嵌着固定されることに
よって、第一及び第二の環状ポケット部の開口が、筒部
材により優れた流体密性をもって覆蓋されるのであり、
それによって、第一及び第二の環状流体室の流体密性が
安定して確保されるのである。
【0024】また、請求項7に記載された、本発明の好
ましい態様においては、ストッパ部が、オリフィス部材
の軸方向端部において、凹溝の軸方向一方の側壁部の内
周面上に突出形成される。
【0025】このような態様の流体封入式筒型防振装置
においては、ストッパ部の軸部材側に対する当接による
ストッパ荷重が、筒部材によって直接支持されたオリフ
ィス部材の側壁部に対して入力されることから、オリフ
ィス部材における曲げ応力の発生が抑えられるのであ
り、軸直角方向のストッパ機構における耐荷重性および
耐久性の向上が図られ得るのである。なお、ストッパ部
は、その一部がオリフィス部材の側壁部の内周面上に突
出形成されていれば、ストッパ荷重入力時に生ぜしめら
れるオリフィス部材の曲げ応力の抑制効果が発揮される
のであり、ストッパ部の全体がオリフィス部材の側壁部
の内周面上に突出形成されている必要はない。
【0026】
【発明の実施の形態・実施例】以下、本発明を更に具体
的に明らかにするために、本発明の実施例について、図
面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0027】先ず、図1〜3には、本発明の第一の実施
例としての自動車用メンバマウント10が示されてい
る。このメンバマウント10は、互いに径方向に所定距
離を隔てて配された軸部材としての内筒金具12と筒部
材としての外筒金具14を有していると共に、それら内
筒金具12と外筒金具14の間に全体として厚肉円筒形
状を有するゴム弾性体16が介装されており、該ゴム弾
性体16によって内外筒金具12,14が弾性的に連結
された構造とされている。そして、かかるメンバマウン
ト10は、内筒金具12が自動車の本体ボデーに取り付
けられる一方、外筒金具14がサスペンションメンバに
取り付けられることにより、図1中の上下方向(マウン
ト軸方向)が車両上下方向となると共に、図2及び3中
の上下方向および左右方向がそれぞれ車両前後方向およ
び左右方向となる状態で、自動車に装着される。また、
そのような装着状態下、防振すべき主たる振動が、内外
筒金具12,14間に対して、略マウント軸方向に入力
されることとなる。
【0028】より詳細には、内筒金具12は、円筒形状
を有しており、軸方向一方の端部には外向きのフランジ
部18が一体形成されている。また、この内筒金具12
の軸方向中間部分の外周面には、少なくともゴム弾性体
16よりも硬質の合成樹脂材料によって形成された拘束
部材20が固着されている。この拘束部材20は、全体
として略円筒形状を有しており、軸方向両端部には、径
方向一方向に対向位置する両側からそれぞれ径方向外方
に向かって突出する第一の拘束突部22,22と第二の
拘束突部24,24が、それぞれ一体形成されている。
なお、この拘束部材は、例えば内筒金具12をセットし
た成形キャビティ内に所定の樹脂材料を充填することに
より、成形と同時に、内筒金具12の軸方向中間部分に
外挿状態で固着される。
【0029】また、内筒金具12の径方向外方には、所
定距離を隔てて、金属スリーブ26が、略同軸的に配設
されている。この金属スリーブ26は、図4にも示され
ているように、全体として大径の略円筒形状を有してお
り、軸方向一方の端部には、径方向外方に広がるフラン
ジ状の環状当接部28が一体形成されている。また、金
属スリーブ26は、軸方向中間部分が周方向に連続した
凹溝状に小径化されており、それによって、軸方向両端
部が大径部30,32とされていると共に、軸方向中間
部分が小径部34とされている。更に、この小径部34
の軸方向一方の側(図4中、上側)には、大径部30と
小径部34の間に跨がって、半周には僅かに至らない周
方向長さで延びる一対の第一の窓部36,36が形成さ
れている一方、小径部34の軸方向他方の側(図4中、
下側)には、大径部32と小径部34の間に跨がって、
半周には僅かに至らない周方向長さで延びる一対の第二
の窓部38,38が形成されている。即ち、金属スリー
ブ26の小径部34と大径部30,32の間には、小径
部34の軸方向両側に形成された第一の窓部36,36
の周方向両側端部間と、第二の窓部38,38の周方向
両側端部間とにおいて、それぞれ、軸方向に延びる段差
状の連結部分40,40が形成されており、軸直角方向
に対向位置するそれら各一対の連結部分40,40によ
って、小径部34が大径部30,32に対して、それぞ
れ軸方向に一体的に連結されているのである。
【0030】そして、図1及び図2に示されているよう
に、互いに径方向に所定距離を隔てて配された内筒金具
12と金属スリーブ26の間にゴム弾性体16が介装さ
れており、該ゴム弾性体16によって内筒金具12と金
属スリーブ26が弾性的に連結されている。なお、この
ゴム弾性体16は、内筒金具12と金属スリーブ26が
セットされた成形型内で加硫成形されることにより、内
外周面に内筒金具12と金属スリーブ26が加硫接着さ
れた一体加硫成形品として形成されている。また、金属
スリーブ26の環状当接部28には、軸方向外方に突出
する緩衝ゴム42が、ゴム弾性体16と一体的に形成さ
れている。
【0031】また、ゴム弾性体16には、それぞれ周方
向に連続して延びる第一の環状ポケット部44と第二の
環状ポケット部46が、軸方向に所定距離を隔てて形成
されており、第一の環状ポケット部44が第一の窓部3
6,36を通じて、第二の環状ポケット部46が第二の
窓部38,38を通じて、それぞれ、金属スリーブ26
の外周面に開口せしめられている。なお、これら第一及
び第二の環状ポケット部44,46は、金属スリーブ2
6の連結部分40では、それぞれ、トンネル構造をもっ
て周方向に連続して形成されている。
【0032】ここにおいて、第一の環状ポケット部44
と第二の環状ポケット部46を仕切る隔壁ゴム48は、
その外周面において金属スリーブ26の小径部34に加
硫接着されている。また、第一の環状ポケット部44の
軸方向外側壁を構成する外壁ゴム50および第二の環状
ポケット部46の軸方向外側壁を構成する外壁ゴム52
は、金属スリーブ26の連結部分40,40が位置する
径方向で対向位置する部分(車両左右方向に相当する、
図2中、左右方向)が、それぞれ厚肉部54,56とさ
れている一方、それに直交する径方向で対向位置する部
分(車両前後方向に相当する、図2中、上下方向)が、
それぞれ薄肉部58,60とされている。更に、薄肉部
58,60は、それぞれ、内筒金具12から金属スリー
ブ26に向かって軸方向外方に傾斜して形成されている
と共に、厚肉部54,56の内部には、第一及び第二の
拘束突部22,24がそれぞれ位置せしめられている。
これにより、厚肉部54,56が対向位置する径方向の
ばね剛性が高く、薄肉部58,60が対向位置する径方
向のばね剛性が低く設定されて、互いに直交する径方向
二方向でのばね剛性比が大きく設定されているのであ
る。
【0033】また、かかる一体加硫成形品には、図1及
び図2に示されている如く、互いに略面対象となる形状
を有する二つのオリフィス部材62,63が、組み付け
られている。これらのオリフィス部材62,63は、繊
維補強されたナイロン66等の合成樹脂材料やアルミニ
ウム合金等によって成形されたものであって、図5〜7
に示されているように、それぞれ、略半円環形状を有し
ており、周方向両端部分に、それぞれ、狭幅の嵌合片6
4,64が形成されていると共に、内周面には、周方向
に延びる嵌合凹部66が形成されている。なお、図5〜
7は、一方のオリフィス部材62だけを示すものであ
り、他方のオリフィス部材63は、該オリフィス部材6
2と面対象の略同一形状とされていることから、図示を
省略する。
【0034】また、オリフィス部材62,63の外周面
には、周方向一方の端部から周方向他方の端部近くにま
で連続して延びる凹溝68が形成されている。更に、こ
れらのオリフィス部材62,63における凹溝68の周
方向略中央部分には、互いに幅方向で反対側となる端縁
部が切り欠かれて、それぞれ連通孔70が形成されてお
り、この連通孔70によって凹溝68が内周面側に開口
せしめられている。
【0035】更にまた、各オリフィス部材62,63の
内周面には、凹溝68に対して幅方向一方の側に位置す
る部分において、径方向内方に向かって所定高さで突出
するストッパ部71が、周方向両端部を除く中央部分を
周方向に延びる凸条形態をもって、一体的に突設されて
いる。また、このストッパ部71は、突出先端側に向か
って小幅化する台形断面形状を有していると共に、その
断面において幅方向の略半分が、凹溝68の側壁部69
の内周面上に位置せしめられている。
【0036】そして、このような二つのオリフィス部材
62,63は、金属スリーブ26の小径部34に対し
て、第一及び第二の窓部36,38の開口方向両側から
嵌め込まれ、嵌合片64および嵌合凹部66において金
属スリーブ26の小径部34に嵌合されることにより位
置決めされて組み付けられている。これにより、二つの
オリフィス部材62,63の凹溝68が周方向に接続さ
れ、以て、周方向に一周弱の長さで延び、連通孔70,
70を通じて、第一の環状ポケット部44と第二の環状
ポケット部46とにそれぞれ連通された周溝72が形成
されていると共に、各ストッパ部71,71が、金属ス
リーブ26における第一の窓部36,36から第一の環
状ポケット部44,44内に、それぞれ突出して位置せ
しめられている。
【0037】さらに、このように二つのオリフィス部材
62,63が組み付けられた一体加硫成形品に対して、
外筒金具14が外挿され、八方絞り等によって金属スリ
ーブ26の外周面に嵌着固定されている。この外筒金具
14は、薄肉大径の円筒形状を有しており、内周面に
は、略全面に亘って薄肉のシールゴム層73が形成され
ている。また、外筒金具14の軸方向一方の端部(図1
中、下端部)には、径方向内方に広がる内フランジ状の
環状当接部74が一体形成されていると共に、該環状当
接部74から軸方向外方に突出する緩衝ゴム76が、シ
ールゴム層73と一体的に形成されている。
【0038】そして、外筒金具14が一体加硫成形品に
組み付けられることにより、第一及び第二の環状ポケッ
ト部44,46の開口が流体密に覆蓋されていると共
に、オリフィス部材62,63によって形成された周溝
72が流体密に覆蓋されている。これにより、それぞれ
内部に所定の非圧縮性流体が封入された第一の環状流体
室78および第二の環状流体室80と、それら第一の環
状流体室78と第二の環状流体室80を相互に連通する
オリフィス通路82とが、形成されている。なお、封入
流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキ
レングリコール,シリコーン油等が採用され得、特に、
流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るために
は、0.1Pa・s以下の粘度を有する低粘性流体が好
適に採用される。また、流体の封入は、例えば、一体加
硫成形品に対する外筒金具14の組み付けを流体中で行
うこと等によって、有利に為され得る。
【0039】また、オリフィス部材62,63に突設さ
れたストッパ部71,71は、それぞれ、外筒金具14
側から径方向内方に向かって第一の環状流体室78内に
突出位置せしめられており、各ストッパ部71の突出先
端面が、ばね剛性が低く設定された径方向(図2中、上
下方向)において、内筒金具12側に対して所定距離を
隔てて対向位置せしめられている。これにより、ストッ
パ部71の突出先端面が内筒金具12側に当接すること
によって内筒金具12と外筒金具14の径方向での相対
的変位量を制限するストッパ機構が構成されている。な
お、内筒金具12の外周面には、緩衝ゴム層83が、ゴ
ム弾性体16と一体的に形成されている。また、各スト
ッパ部71は、台形断面形状とされていることにより、
第一の環状流体室78の側壁ゴム48,50から離隔し
て配設されている。
【0040】このような構造とされたメンバマウント1
0においては、内筒金具12と外筒金具14の間に軸方
向の振動荷重が及ぼされると、隔壁ゴム48および外壁
ゴム50,52の弾性変形に基づいて第一の環状流体室
78と第二の環状流体室80の間で相対的な内圧変動が
惹起されることにより、それら第一の環状流体室78と
第二の環状流体室80の間でオリフィス通路82を通じ
ての流体流動が生ぜしめられることとなり、以て、かか
る流体の共振作用に基づいて防振効果が発揮され得るの
である。
【0041】なお、流体の共振作用に基づく防振効果
は、オリフィス通路82の長さや断面積等を調節するこ
とによって、適当にチューニングすることが可能であ
る。特に、本実施例のメンバマウント10においては、
オリフィス部材62,63が、隔壁ゴム48の外周面上
に配設されていることに加えて、隔壁ゴム48から軸方
向両側に突出して配設されていることにより、オリフィ
ス通路82の断面積と流路長さを、共に大きく設定する
ことが出来、オリフィス通路82、延いてはマウント防
振特性のチューニング自由度が大きく確保され得る。
【0042】また、かかるメンバマウント10において
は、車両前後方向に相当する径方向のばね剛性が低く設
定されていることから、優れた乗り心地が実現されると
共に、段差乗り越え等に際して車両前後方向に大きな振
動荷重が入力された場合には、ストッパ部71の内筒金
具12側への当接によって内外筒金具12,14の相対
的変位量が制限されることから、ゴム弾性体16の過大
な変形が防止されて良好なる耐久性が発揮され得、また
サスペンションメンバの車体に対する過大な変位が防止
されて車両安定性も有利に確保され得るのである。
【0043】しかも、ストッパ部71は、オリフィス部
材62,63に一体形成されていることから、特別な部
材の増加を伴うことなく、目的とする径方向のストッパ
機構が、簡単な構造をもって実現されるのであり、優れ
た製作性およびコスト性が発揮されるのである。
【0044】加えて、ストッパ部71は、第一の環状流
体室78内にだけ位置するように形成されており、第二
の環状流体室80内には配設されていないことから、ス
トッパ部71の形成に起因する封入流体量の減少が有利
に抑えられるのであり、流体の流動作用に基づく防振効
果も十分に発揮され得る。また、ストッパ部の突出高さ
を一定とすると、ストッパ部を第一の環状流体室78と
第二の環状流体室80とに二分割した場合に比べて、一
方の環状流体室78内だけにストッパ部71を設ける方
が、ストッパ部の全体積(即ち、ストッパ部の形成に起
因する封入流体の減少量)を同一とした場合のストッパ
部の形状的強度を大きく確保することが可能であり、ス
トッパ機構の耐荷重強度の向上も達成されるのである。
更にまた、ストッパ部を両方の環状流体室78,80に
設けた場合に比して、一方の環状流体室78だけに設け
た場合には、ストッパ部が環状流体室78,80の側壁
ゴム48,50,52に接触する機会も、構造的に1/
2とされることから、それだけ側壁ゴム48,50,5
2の耐久性確保も容易となるのである。
【0045】さらに、本実施例では、ストッパ部71の
幅方向略半分に亘る部分が、オリフィス部材62,63
における凹溝68の側壁部69の内周面上に位置せしめ
られており、ストッパ部71の内筒金具12側への当接
時に入力されるストッパ荷重が、径方向の入力方向で、
直接に、側壁部69を通じて外筒金具14に及ぼされ
て、オリフィス部材62,63における曲げ応力の発生
が抑えられることから、ストッパ機構における耐荷重強
度が有利に確保されるのである。
【0046】さらに、本実施例のメンバマウント10に
おいては、単一部材である金属スリーブ26によって、
隔壁ゴム48および外壁ゴム50,52の外周面と外筒
金具14乃至はオリフィス部材62,63との間の流体
密性が確保されていると共に、それら各壁ゴム48,5
0,52の外周面を外筒金具14乃至はオリフィス部材
62,63に対して固着されていることから、第一及び
第二の環状流体室78,80等における流体密性が、高
度に、しかも容易に且つ安定して確保されるといった利
点もある。
【0047】また、本実施例のメンバマウント10にお
いては、外壁ゴム50,52の内周部分の変形が第一及
び第二の拘束突部22,24によって拘束されることか
ら、軸方向の振動入力時に、隔壁ゴム48が外壁ゴム5
0,52に対して有利に接近/離隔変位せしめられるこ
ととなり、それによって第一の環状流体室78と第二の
環状流体室80の間に惹起される相対的な内圧差、延い
てはオリフィス通路82を通じての流体流動量が一層有
利に確保されて、流体の共振作用に基づく防振効果がよ
り有効に発揮されるのである。
【0048】更にまた、本実施例のメンバマウント10
では、外壁ゴム50,52が、それぞれ、互いに直交す
る径方向両側部分において厚肉部54,56と薄肉部5
8,60とされていると共に、厚肉部54,56の内部
に第一及び第二の拘束突部22,24が配設されている
ことにより、車両左右方向と前後方向に相当する径方向
のばね比が大きく設定されていることから、車両左右方
向における硬いばね特性によって良好なる操縦安定性を
確保しつつ、車両前後方向における柔らかいばね特性に
よってハーシュネス等に対して有効な防振効果を得るこ
とが可能であり、一層優れた乗り心地が実現され得るの
である。
【0049】次に、図8及び図9には、本発明の別の実
施例としての自動車用メンバマウント90が示されてい
る。なお、本実施例では、前記第一の実施例と同様な構
造とされた部材および部位について、それぞれ、図中
に、第一の実施例と同一の符号を付することにより、そ
れらの詳細な説明を省略する。
【0050】すなわち、本実施例のメンバマウント90
においては、前記第一の実施例における金属スリーブ2
6の代わりに、該金属スリーブ26を大径部30と小径
部34および大径部32に3分割した形態を有する、第
一のリング金具92と第二のリング金具94および第三
のリング金具96が用いられており、第一のリング金具
92が外壁ゴム50の外周面上に、第二のリング金具9
4が隔壁ゴム48の外周面上に、第三のリング金具94
が外壁ゴム52の外周面上に、それぞれ加硫接着されて
いる。
【0051】そして、これにより、第一の環状ポケット
部44および第二の環状ポケット部46が、何れも、周
方向の全周に亘って、外周面上に開口せしめられてい
る。換言すれば、第一のリング金具92と第二のリング
金具94の間に第一の環状ポケット部44が開口する第
一の窓部36が、また第二のリング金具94と第三のリ
ング金具96の間に第二の環状ポケット部46が開口す
る第二の窓部38が、それぞれ周方向に連続した円環状
形態をもって形成されているのである。
【0052】さらに、第二のリング金具94と外筒金具
14の間に配設されたオリフィス部材62,63には、
それぞれ、径方向に内方に突出するストッパ部71が、
周方向全周に亘って連続して形成されている。そして、
両オリフィス部材62,63が組み付けられた際、これ
らのストッパ部71,71は、第一のリング金具92と
第二のリング金具94の間を通じて第一の環状流体室7
8内に突出せしめられることにより、全体として周方向
に連続した環状ストッパ98を構成するようになってい
る。
【0053】また、この環状ストッパ98は、第一の環
状流体室78の内周面形状に略対応し、且つ第一の環状
流体室78よりも一回り大径の内周面形状をもって形成
されており、それによって、第一の環状流体室78が、
該環状ストッパ98を挟んだ軸方向両側に位置する一対
の環状の分割室102,104に仕切られていると共
に、環状ストッパ98の突出先端部と内筒金具12側と
の径方向対向面間において、それら両分割室102,1
04を相互に連通する円環形状の狭窄流路100が形成
されている。
【0054】従って、本実施例のメンバマウント90に
おいては、環状ストッパ98の内筒金具12側への当接
によって、あらゆるマウント径方向において内外筒金具
12,14の相対的変位量を制限し得るストッパ機能が
発揮されるのである。
【0055】しかも、本実施例のメンバマウント90で
は、軸方向の振動入力時に、第一の環状流体室78内に
おいて、環状ストッパ98が側壁ゴム48,50に対し
て軸方向に相対変位せしめられることにより、両分割室
102,104間に相対的な内圧変動が生ぜしめられて
狭窄流路100を通じての流体流動が惹起されることか
ら、この狭窄流路100を通じて流動せしめられる流体
の流動作用を利用して所定の防振効果を得ることも出来
るのである。
【0056】例えば、環状ストッパ98の大きさを調節
して狭窄流路100の流路断面積や長さを適用に設定す
ることにより、狭窄流路100を通じて流動する流体の
共振作用に基づいて、オリフィス通路82による防振効
果が発揮される周波数域よりも高周波数域の入力振動に
対する防振効果が発揮されるようにチューニングするこ
とが可能であり、それによって、第一実施例のメンバマ
ウントよりも広い周波数域の入力振動に対して有効な防
振効果を得ることが出来るのである。
【0057】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例によって限定的に解釈されるものではない。
【0058】例えば、前記実施例では、オリフィス部材
62,63によって、周方向に直線的に延びるオリフィ
ス通路82が形成されていたが、周方向に螺旋状や屈曲
状等の形態をもって延びるオリフィス通路を形成するこ
とも可能であり、オリフィス通路の具体的形状は、要求
される防振特性に応じて適宜に変更,設定されるもので
ある。
【0059】また、前記実施例では、互いに直交する二
つの径方向で外壁ゴム50,52の厚さを異ならせるこ
と等によって、大きなばね比を得るチューニングがされ
ていたが、何れの径方向においてもばね特性を同一に設
定することも、勿論可能である。
【0060】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
のサスペンションメンバマウントに適用したものの一具
体例を示したが、本発明は、その他、自動車用ボデーマ
ウントやストラットバークッション,サスペンション用
アッパサポート、或いは自動車以外の各種装置における
筒型防振装置に対して、何れも、適用可能である。
【0061】その他、一々列挙はしないが,本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0062】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式筒型防振装置において
は、第一の環状流体室と第二の環状流体室を仕切る隔壁
ゴムの突出先端部と筒部材の間に配設された環状のオリ
フィス部材によって、周方向に延びるオリフィス通路が
形成されていることから、オリフィス通路の長さや断面
積を有利に確保されて大きなチューニング自由度が得ら
れることに加えて、該オリフィス部材に対してストッパ
部が一体形成されていることから、特別な部材を必要と
することなく、軸直角方向のストッパ機構が、簡単な構
造をもって付与され得るのである。
【0063】しかも、ストッパ部は、第一及び第二の環
状流体室の何れか一方の側だけに突出形成されているこ
とから、大きな封入流体容量が確保されるのであり、流
体の流動作用に基づく防振効果が、ストッパ部の形成に
よって大きく阻害されるようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのメンバマウントを示
す縦断面図であって、図2におけるI−I断面に相当す
る図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されたメンバマウントの平面図であ
る。
【図4】図1に示されたメンバマウントを構成する金属
スリーブを示す正面図である。
【図5】図1に示されたメンバマウントを構成するオリ
フィス部材を示す平面図である。
【図6】図5における上面図である。
【図7】図5における下面図である。
【図8】本発明の別の実施例としてのメンバマウントを
示す縦断面図であって、図9におけるVIII−VIII断面に
相当する図である。
【図9】図8におけるIX−IX断面図である。
【符号の説明】
10 メンバマウント 12 内筒金具 14 外筒金具 16 ゴム弾性体 44 第一の環状ポケット部 46 第二の環状ポケット部 48 隔壁ゴム 50,52 外壁ゴム 62,63 オリフィス部材 71 ストッパ部 78 第一の環状流体室 80 第二の環状流体室 82 オリフィス通路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部材とその外方に所定距離を隔てて配
    された筒部材をゴム弾性体にて連結せしめて、それら軸
    部材と筒部材の間に、それぞれ周方向に連続して延びて
    内部に非圧縮性流体が封入された第一の環状流体室と第
    二の環状流体室を、環状の隔壁ゴムを挟んだ軸方向両側
    に形成すると共に、それら第一の環状流体室と第二の環
    状流体室を相互に連通するオリフィス通路を設けた流体
    封入式筒型防振装置において、 前記隔壁ゴムの突出先端部と前記筒部材の間に、周方向
    に延びる環状のオリフィス部材を配設せしめて、該オリ
    フィス部材の外周面に設けられた周方向に延びる凹溝を
    該筒部材で覆蓋することによって前記オリフィス通路を
    形成すると共に、前記第一の環状流体室および第二の環
    状流体室の何れか一方において、前記オリフィス部材の
    内周面から軸直角方向内方に向かって突出し、前記軸部
    材側に所定距離を隔てて対向位置するストッパ部を、該
    オリフィス部材に一体形成したことを特徴とする流体封
    入式筒型防振装置。
  2. 【請求項2】 前記ストッパ部が、前記オリフィス部材
    の軸直角方向一方向で対向する部分に一対形成されてい
    ると共に、前記ゴム弾性体における軸直角方向のばね剛
    性が互いに直交する二方向で異ならしめられており、前
    記一対のストッパ部が、かかるばね剛性が低くされた軸
    直角方向で対向するように位置決めされている請求項1
    に記載の流体封入式筒型防振装置。
  3. 【請求項3】 前記第一の環状流体室および前記第二の
    環状流体室の軸方向外側壁部における軸直角方向一方向
    で対向する部分に、それぞれ、前記軸部材側から前記筒
    部材側に向かって突出する拘束部材が配設されることに
    より、かかる拘束部材が対向位置する軸直角方向におけ
    る前記ゴム弾性体のばね剛性が高く設定されている請求
    項2に記載の流体封入式筒型防振装置。
  4. 【請求項4】 軸方向中間部分に小径部を有し、該小径
    部の軸方向両側に、それぞれ、周方向に半周弱の長さで
    延びる各一対の窓部が設けられた金属スリ−ブを、前記
    ゴム弾性体の外周面に固着すると共に、該ゴム弾性体に
    対してそれぞれ周方向に連続して延びる第一の環状ポケ
    ット部と第二の環状ポケット部を軸方向に互いに所定距
    離を隔てて形成し、それら第一の環状ポケット部および
    第二の環状ポケット部をそれぞれ前記金属スリーブに設
    けられた各一対の窓部を通じて外周面に開口せしめる一
    方、かかる金属スリーブの外周面に前記筒部材を嵌着固
    定すると共に、該金属スリーブの小径部と該筒部材の間
    に前記オリフィス部材を介装せしめて、前記第一の環状
    ポケット部および第二の環状ポケット部の開口をそれぞ
    れ覆蓋することにより、前記第一の環状流体室および第
    二の環状流体室を形成した請求項1乃至3の何れかに記
    載の流体封入式筒型防振装置。
  5. 【請求項5】 前記ストッパ部が周方向全周に亘って連
    続して設けられており、該ストッパ部の突出先端面と前
    記軸部材側との対向面間に環状の狭窄流路が形成されて
    いる請求項1に記載の流体封入式筒型防振装置。
  6. 【請求項6】 前記ゴム弾性体の外周面に、第一のリン
    グ金具,第二のリング金具および第三のリング金具を、
    互いに軸方向に所定距離を隔てて固着すると共に、該ゴ
    ム弾性体に対して、該第一のリング金具と該第二のリン
    グ金具の間および該第二のリング金具と該第三のリング
    金具の間を通じてそれぞれ外周面に開口する第一の環状
    ポケット部と第二の環状ポケット部を形成する一方、そ
    れら第一,第二及び第三のリング金具の外周面に前記筒
    部材を嵌着固定すると共に、該第二のリング金具と該筒
    部材の間に前記オリフィス部材を介装せしめて、前記第
    一の環状ポケット部および第二の環状ポケット部の開口
    をそれぞれ覆蓋することにより、前記第一の環状流体室
    および第二の環状流体室を形成した請求項5に記載の流
    体封入式筒型防振装置。
  7. 【請求項7】 前記ストッパ部が、前記オリフィス部材
    の軸方向端部において、前記凹溝の軸方向一方の側壁部
    の内周面上に突出形成されている請求項1乃至6の何れ
    かに記載の流体封入式筒型防振装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107076253A (zh) * 2014-10-03 2017-08-18 株式会社普利司通 防振装置
KR20210084659A (ko) * 2019-01-31 2021-07-07 더풀맨캄파니 유체-트랙을 갖는 유압 마운트

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