JP2510911B2 - 流体封入式筒型マウント - Google Patents

流体封入式筒型マウント

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JP2510911B2
JP2510911B2 JP27666691A JP27666691A JP2510911B2 JP 2510911 B2 JP2510911 B2 JP 2510911B2 JP 27666691 A JP27666691 A JP 27666691A JP 27666691 A JP27666691 A JP 27666691A JP 2510911 B2 JP2510911 B2 JP 2510911B2
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metal fitting
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rubber elastic
fitting
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勝久 矢野
聡 尾毛川
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ストッパ機能を備えた流体封入
式筒型マウントに関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、防振連結乃至は支持装置の一種
として、特開昭59−164428号公報等に示されて
いる如く、互いに所定距離を隔てて配された内筒金具と
外筒金具とを、それらの間に介装されたゴム弾性体にて
連結すると共に、それら内外筒金具間に、所定の非圧縮
性流体が封入された流体室を形成し、流体の流動作用に
基づいて、主にマウント軸直角方向の入力振動に対する
防振効果を得るようにした構造の、所謂流体封入式筒型
マウントが、知られている。このようなマウントでは、
ゴム弾性体のみでは得られない優れた防振効果を容易に
得ることができ、自動車用サスペンション・ブッシュや
エンジンマウント等として、好適に用いられている。
【0003】また、このような流体封入式筒型マウント
には、一般に、大きな振動荷重が入力された際の、ゴム
弾性体の過大な変形を防止すると共に、被連結部材の相
対的変位量を規制するために、内外筒金具の相対的変位
量を規制するストッパ機構が設けられる。かかるストッ
パ機構は、通常、流体室内に配設されて、内筒金具側か
ら外筒金具側に向かって突出し、外筒金具に対して所定
距離を隔てて対向位置するストッパブロックにて構成さ
れ、該ストッパブロックの外筒金具に対する当接によ
り、内筒金具と外筒金具との相対的変位量を規制するよ
うになっている。
【0004】さらに、かかるストッパブロックの外筒金
具に対する当接面上には、通常、緩衝ゴムが設けられ
る。そして、この緩衝ゴムによって、ストッパブロック
の外筒金具に対する当接時の衝撃を吸収し、変位規制時
における衝撃的な振動や打音の発生を抑えるようになっ
ている。
【0005】しかしながら、このようにストッパブロッ
クと緩衝ゴムによって構成されて成る、従来のストッパ
機構では、未だ、十分な衝撃吸収効果を得ることが難し
かった。
【0006】すなわち、優れた衝撃吸収効果を得るため
には、ストッパブロックの外筒金具に対する当接後、大
きなストロークでばね定数が増大することが望ましい
が、前述の如きストッパ機構では、緩衝ゴムを厚肉化す
ると耐久性が低下してしまうために、当接後のストロー
クを十分に確保することが難しかったのである。
【0007】特に、かかるストッパ機構では、ストッパ
ブロックと外筒金具との限られた対向面間にしか、緩衝
ゴムを設けることができないために、該緩衝ゴムに対し
て、応力および変形の集中が惹起され易く、厚肉化によ
る耐久性の低下が大きな問題となる。
【0008】また、優れた衝撃吸収効果を得るために
は、ストッパブロックの外筒金具に対する当接後におけ
るばね定数の増大が、ストローク量(内外筒金具の相対
的変位量)に対して非直線的であることが望ましいが、
前述の如きストッパ機構では、ばね定数の増大が略直線
的となるために、満足できる衝撃吸収効果を得ることが
難しかったのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、ばね特性が大きなストロークで非直線的に
変化せしめられるストッパ機構を備えた流体封入式筒型
マウントを提供することにある。
【0010】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、(a)軸方向中間部分における、振動
が入力される少なくとも軸直角方向一方向での対向部位
に、開口部が設けられた中間筒金具と、(b)該中間筒
金具を挟んだ内側および外側に、それぞれ所定距離を隔
てて配された内側筒金具および外側筒金具と、(c)前
記中間筒金具と前記内側筒金具との間および前記中間筒
金具と前記外側筒金具との間のうち、何れか一方の筒金
具間に介装されて、それら両筒金具を連結する第一のゴ
ム弾性体と、(d)前記中間筒金具と前記内側筒金具と
の間および前記中間筒金具と前記外側筒金具との間のう
ち、何れか他方の筒金具間に介装されて、それら両筒金
具を連結する、前記第一のゴム弾性体よりもマウント軸
直角方向のばね定数が大きい第二のゴム弾性体と、
(e)前記第一のゴム弾性体が介装された前記筒金具間
に形成された、内部に所定の非圧縮性流体が封入される
と共に、内面に前記中間筒金具の開口部を通じて前記第
二のゴム弾性体が露呈せしめられた流体室と、(f)該
流体室に収容配置された、前記中間筒金具に対してマウ
ント軸直角方向に所定距離を隔てて対向位置する当接部
と、前記第二のゴム弾性体が露呈された前記中間筒金具
の開口部に向かって突出し、該開口部に露呈された前記
第二のゴム弾性体に対して、該当接部の該中間筒金具に
対する対向面間距離よりも小さな距離を隔てて対向位置
する当接凸部とを有するストッパブロックとを、含んで
構成された流体封入式筒型マウントを、その特徴とする
ものである。
【0011】また、本発明は、そのような構造の流体封
入式筒型マウントにおいて、前記ストッパブロックにお
ける前記当接部および該当接部に対向位置する前記中間
筒金具のうち、少なくとも何れか一方の側の対向面に、
ゴム層を設けて成る流体封入式筒型マウントをも、その
特徴とするものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0013】先ず、図1及び図2には、本発明の一実施
例としてのサスペンションブッシュ10が示されてい
る。これらの図において、12,14,16は、それぞ
れ内筒金具,中間筒金具,外筒金具であって、内側から
外側に向かって順次、互いに所定距離を隔てて同心的に
配されている。また、内筒金具12と中間筒金具14と
の間には、第一のゴム弾性体18が介装されて、それら
両金具12,14が弾性的に連結されていると共に、中
間筒金具14と外筒金具16との間には、第二のゴム弾
性体20が介装されて、それら両金具14,16が弾性
的に連結されている。そして、かかるブッシュ10は、
内筒金具12および外筒金具16が、互いに防振連結さ
れるべき被連結部材に対して取り付けられることによ
り、それらの連結部位に介装される。また、そのような
装着状態下、防振すべき主たる振動荷重が、図2中の上
下方向に相当するブッシュ軸直角方向一方向に入力され
る。
【0014】より詳細には、内筒金具12は、円筒形状
を呈している。また、その径方向外方には、円筒形状の
金属スリーブ22が、径方向に所定距離を隔てて、同心
的に配置されている。そして、これら内筒金具12と金
属スリーブ22との間に、第一のゴム弾性体18が介装
されており、該第一のゴム弾性体18の内周面に内筒金
具12が、外周面に金属スリーブ22が、それぞれ固着
された第一の一体加硫成形品23として形成されてい
る。
【0015】また、かかる第一の一体加硫成形品23を
構成する金属スリーブ22には、軸方向中央部分で径方
向一方向に対向位置する部位に、それぞれ、略矩形の窓
部24,24が設けられている。更に、第一のゴム弾性
体18には、それら窓部24,24に対応する部位に、
それぞれ、ポケット部26,26が形成されており、窓
部24,24を通じて開口せしめられている。
【0016】さらに、内筒金具12の軸方向中央部分に
は、ストッパブロックとしてのストッパ金具28が固設
されている。このストッパ金具28は、全体として略厚
肉の円環形状を呈しており、内筒金具12に外嵌固定さ
れることにより、ポケット部26,26の軸方向中央部
分において、それぞれ、底部側から径方向外方に向かっ
て所定高さで突出して位置せしめられている。
【0017】また、かかるストッパ金具28における各
ポケット部26内での突出部分は、その軸方向中央部分
の突出高さが、軸方向両側よりも高くされている。それ
によって、該ストッパ金具28の軸方向中央部分に、当
接凸部30が形成されていると共に、この当接凸部30
を挟んで軸方向両側に位置する部分が、それぞれ、当接
凸部30よりも高さの低い当接部32とされている。
【0018】更にまた、このストッパ金具28には、内
周面上を周方向に連続して延びる環状溝34が設けられ
ていると共に、径方向一方向に対向位置する部分におい
て、径方向に貫通して延び、該環状溝34を外周面上に
開口、連通せしめる連通孔36,36が設けられてい
る。そして、内筒金具12に外嵌されて、環状溝34が
覆蓋されることにより、前記一対のポケット部26,2
6を、連通孔36,36を通じて相互に連通せしめるオ
リフィス通路38が形成されているのである。
【0019】さらに、かくの如き、第一のゴム弾性体1
8から成る第一の一体加硫成形品23には、その外周面
上に、第二のゴム弾性体20から成る第二の一体加硫成
形品40が、外挿されて、一体的に組み付けられてい
る。
【0020】かかる第二の一体加硫成形品40は、互い
に径方向に所定距離を隔てて同軸的に配された、それぞ
れ円筒形状を呈する中間筒金具14と外筒金具16と
を、備えている。そして、それら中間筒金具14と外筒
金具16との間に、第二のゴム弾性体20が介装されて
おり、該第二のゴム弾性体20の内周面に中間筒金具1
4が、外周面に外筒金具16が、それぞれ固着されて成
る構造とされている。
【0021】そこにおいて、かかる第二の一体加硫成形
品40にあっては、その径方向のばね定数が、前記第一
の一体加硫成形品23における径方向のばね定数より
も、大きくなるようにチューニングされている。
【0022】また、中間筒金具14には、軸方向中央部
分で径方向一方向に対向位置する部位に、それぞれ、略
矩形の開口部42,42が設けられている。そして、こ
れら各開口部42,42を通じて、第二のゴム弾性体2
0が、中間筒金具14の内周面に露呈されている。
【0023】更にまた、中間筒金具14の内周面には、
その略全面に亘って、薄肉の内面ゴム層44が、形成さ
れている。なお、この内面ゴム層44は、第二のゴム弾
性体20と一体的に形成されている。
【0024】そして、このような構造とされた第二の一
体加硫成形品40は、前記第一の一体加硫成形品23に
外挿され、中間筒金具14が、金属スリーブ22に外挿
されて、軸方向両端部をかしめ固定されることにより、
一体的に組み付けられている。また、かかる組付けに際
しては、第一の一体加硫成形品23における各ポケット
部26,26の開口部上に、第二の一体加硫成形品40
における中間筒金具14の開口部42,42が位置する
ように、位置決めされている。
【0025】そうして、このような組付けにより、第一
の一体加硫成形品23に形成されたポケット部26,2
6の開口が、それぞれ、第二の一体加硫成形品40に
て、流体密に覆蓋されている。それによって、それらポ
ケット部26,26により、オリフィス通路38を通じ
て相互に連通された、それぞれ所定の非圧縮性流体が封
入されて成る流体室46,46が、形成されている。
【0026】なお、それら各流体室46に封入される非
圧縮性流体としては、例えば、水やアルキレングリコー
ル、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が、好
適に用いられる。また、かかる非圧縮性流体の流体室4
6への充填は、例えば、第一の一体加硫成形品23に対
する第二の一体加硫成形品40の組付けを、かかる流体
中で行なうこと等によって、有利に為され得る。
【0027】すなわち、上述の如く構成された、本実施
例のサスペンションブッシュ10にあっては、内筒金具
12と中間筒金具14とが第一のゴム弾性体18にて連
結されることにより構成された内側ブッシュと、中間筒
金具14と外筒金具16とが第二のゴム弾性体20にて
連結されることにより構成された外側ブッシュとから成
る、二重ブッシュ構造を有している。そして、小荷重の
振動入力時には、内側ブッシュによって、優れた防振効
果が発揮されると共に、大荷重の振動入力時には、外側
ブッシュにより、内外筒金具12,16の相対的変位量
を規制するストッパ機能が、優れた衝撃吸収性をもって
発揮され得るのである。
【0028】具体的には、第一のゴム弾性体18におけ
る、内筒金具12と中間筒金具14との間に入力される
径方向の荷重に対するばね定数をK1とし、第二のゴム
弾性体20における、中間筒金具14と外筒金具16と
の間に入力される径方向の荷重に対するばね定数をK2
a とすると、入力される振動荷重が小さく、内外筒金具
12,16の相対的変位量が小さい場合には、ブッシュ
全体として、下記(式1)にて示されるばね定数:KA
が、発揮される。 (1/KA )=(1/K1)+(1/K2a ) ・・・(式1)
【0029】すなわち、小荷重の振動入力時には、全体
として十分に柔らかいばね定数が確保され得ると共に、
第二のゴム弾性体20のばね定数:K2a よりも第一の
ゴム弾性体18のばね定数:K1の方が小さいことか
ら、主に第一のゴム弾性体18に弾性変形が惹起され
て、流体室46,46間の相対的な内圧変化が有効に生
ぜしめられることにより、オリフィス通路38を通じて
流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が、
有利に発揮され得るのである。
【0030】一方、入力される振動荷重が大きく、内外
筒金具12,16の相対的変位量が大きい場合には、先
ず、ストッパ金具28の当接凸部30が、中間筒金具1
4の開口部42を通じて露呈された第二のゴム弾性体2
0に対して、直接に当接せしめられる。そこにおいて、
第二のゴム弾性体20における、ストッパ金具28の当
接凸部30と外筒金具16との間に入力される径方向の
荷重に対するばね定数をK2b とすると、かかる当接凸
部30の第二のゴム弾性体20への当接状態下では、ブ
ッシュ全体として、下記(式2)にて示されるばね定
数:KB が、発揮される。 KB = KA + K2b ・・・(式2)
【0031】すなわち、或る程度大きな振動荷重の入力
時には、ストッパ金具28の当接凸部30が第二のゴム
弾性体20に当接せしめられることにより、小荷重の振
動入力時に発揮されるばね定数:KA よりも、該第二の
ゴム弾性体20にて発揮されるばね定数:K2b だけ大
きなばね定数が、全体として発揮され、それによって、
衝撃吸収効果と変位規制効果が発揮されるのである。
【0032】更にまた、入力される振動荷重がより大き
く、内外筒金具12,16の相対的変位量が極めて大き
い場合には、ストッパ金具28の当接部32が、中間筒
金具14における開口部42の周囲に対して、当接せし
められる。また、その際、本実施例では、かかる当接部
32の中間筒金具14への当接が、該中間筒金具14の
内周面に設けられた内面ゴム層44を介して、為される
こととなる。それ故、この内面ゴム層44におけるばね
定数をK3とすると、かかる当接部32の中間筒金具1
4への当接状態下では、ブッシュ全体として、下記(式
3)にて示されるばね定数:KC が、発揮される。 KC = 1/〔(1/(K1+K3))+(1/K2a )〕+K2b ・・・(式3)
【0033】すなわち、より大きな振動荷重の入力時に
は、ストッパ金具28の当接部32が、内面ゴム層44
を介して、中間筒金具14に当接せしめられることによ
り、第二のゴム弾性体20の硬いばね特性が、より効果
的に発揮され、それによって、有効な変位規制効果が発
揮されるのである。
【0034】また、そこにおいて、内面ゴム層44は、
当接部32の中間筒金具14への当接時に、有効な衝撃
吸収効果を発揮し得るが、当接部32の当接面積が比較
的小さく薄肉であることから、入力される振動荷重が大
きいと、実質的に有効な弾性特性を発揮しなくなり、そ
の結果、ブッシュ全体として、下記(式3′)で示され
るばね定数:KC ′が、発揮される。 KC ′= K2a + K2b ・・・(式3′)
【0035】それによって、かかる(式3′)から明ら
かなように、ブッシュ全体として、第二のゴム弾性体2
0の硬いばね特性が、有効に発揮され得て、より一層優
れた変位量規制効果が発揮され得るのである。しかも、
そのような状態下では、第一のゴム弾性体18の弾性変
形が、略完全に防止されることから、該第一のゴム弾性
体18における過大な変形が防止され得て、優れた耐久
性が発揮され得るのである。
【0036】従って、上述の如き構造とされたサスペン
ションブッシュ10においては、大きな振動荷重が入力
されると、図3に示されている如く、KA からKB ,K
C ,KC ′へと、次第に変化する非線形のばね特性が発
揮され得るのであり、それにより、優れた衝撃吸収性を
もって、良好なるストッパ機能が発揮され得るのであ
る。
【0037】また、かかるサスペンションブッシュ10
にあっては、内外筒金具12,16の相対的変位量の規
制時に、第二のゴム弾性体20における振動荷重の入力
面積を十分に確保することができるのであり、応力や変
形の集中が効果的に防止され得て、その耐久性が有利に
確保され得るのである。
【0038】しかも、かかるサスペンションブッシュ1
0においては、内側ブッシュと外側ブッシュとから成る
略二重ブッシュ構造を採用し、ばね定数の小さい第一の
ゴム弾性体18にて構成された内側ブッシュに流体室を
形成して防振機能をもたせる一方、ばね定数の大きい第
二のゴム弾性体にて構成された外側ブッシュにストッパ
機能をもたせたことにより、流体の流動作用乃至は共振
作用に基づいて発揮される防振効果を十分に確保しつ
つ、上述の如き、優れたストッパ機能が、有利に発揮さ
れ得ることとなったのである。
【0039】以上、本発明の一実施例について詳述して
きたが、これは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0040】例えば、図4に示されている如く、ストッ
パブロックとして、各流体室46内において、内筒金具
12に支持されることなく、自由に変位可能に収容配置
されたストッパ部材50を採用することも可能である。
なお、図4においては、その理解を容易とするために、
前記第一の実施例と同様な構造とされた部材および部位
に対して、それぞれ、同一の符号を付しておくこととす
る。また、このような構造のストッパ部材50を採用し
た場合、両流体室46,46を相互に連通するオリフィ
ス通路は、図示はされていないが、例えば、両流体室4
6,46を仕切る隔壁部分を貫通する構造等をもって、
適宜に形成されることとなる。
【0041】また、前記実施例では、周方向に独立した
二つの流体室46,46を有するブッシュに対して、本
発明を適用したものの具体例を示したが、流体室の数
は、限定されるものではなく、要求される防振特性等に
応じて、適宜に決定されるものである。
【0042】例えば、図5及び図6に示されている如
く、内筒金具12と中間筒金具14との間に、周方向に
連続した環状の流体室58を形成し、かかる流体室58
に、高粘性流体を封入すると共に、環状のストッパ部材
54を変位可能に収容配置せしめることにより、振動入
力時に、流体の流動にて惹起されるずり剪断作用に基づ
いて防振効果を得るようにすることも可能である。な
お、かかるブッシュにあっては、高粘性流体の封入を容
易とするために、第一のゴム弾性体18のうち、流体室
58の軸方向一方の側の壁部を構成する部分60が、内
外周面に筒状の取付金具62,64を備えた別体構造と
されており、流体の充填後に、内筒金具12と中間筒金
具14との間に圧入されて組み付けられるようになって
いる。
【0043】さらに、前記実施例では、内側ブッシュに
流体室が形成される一方、外側ブッシュにおけるばね定
数が、該内側ブッシュよりも大きく設定されていたが、
それとは逆に、外側ブッシュに流体室を形成する一方、
内側ブッシュにおけるばね定数を、該外側ブッシュより
も大きく設定するようにしても良い。
【0044】また、前記実施例では、ストッパ金具28
の当接部32が当接せしめられる中間筒金具14の内周
面に内面ゴム層44が設けられていたが、該内面ゴム層
44の代わりに、ストッパ金具28の当接部32の表面
にゴム層を形成しても良い。尤も、そのようなストッパ
金具の当接部と中間筒金具との当接面間におけるゴム層
は、本発明において必須のものではない。
【0045】加えて、前記実施例では、本発明をサスペ
ンションブッシュに対して適用したものの具体例を示し
たが、その他、本発明は、自動車用エンジンマウント
等、各種の筒型マウントに対して、適用可能であること
は、勿論である。
【0046】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0047】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式筒型マウントにあって
は、入力振動荷重が小さい場合には、第一のゴム弾性体
における柔らかいばね特性に基づいて、封入流体の流動
作用に基づく防振効果が有効に発揮され得る一方、入力
振動荷重が大きくなり、ストッパブロックの当接により
変位量が規制された際には、第二のゴム弾性体の硬いば
ね特性に基づいて、良好なるストッパ機能が発揮され得
るのである。
【0048】しかも、かかるストッパブロックは、先
ず、その当接凸部が、中間筒金具の開口部に露呈された
第二のゴム弾性体に当接せしめられ、次いで、その当接
部が、中間筒金具を介して第二のゴム弾性体に当接せし
められることとなり、それによって、変位量規制時にお
けるマウントばね定数が、非線形的に増大せしめられる
ことから、極めて優れた衝撃吸収効果をもって、ストッ
パ機能が発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのサスペンションブッ
シュを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されているサスペンションブッシュに
おける荷重−撓み特性を示すグラフである。
【図4】本発明の別の具体例としてのサスペンションブ
ッシュを示す、図1に対応する縦断面図である。
【図5】本発明の更に別の具体例としてのサスペンショ
ンブッシュを示す、図1に対応する縦断面図である。
【図6】図5におけるVI−VI断面図である。
【符号の簡単な説明】
10,56 サスペンションブッシュ 12 内筒金具 14 中間筒金具 16 外筒金具 18 第一のゴム弾性体 23 第一の一体加硫成形品 28 ストッパ金具 30 当接凸部 32 当接部 38 オリフィス通路 40 第二の一体加硫成形品 42 開口部 44 内面ゴム層 46,58 流体室 50,54 ストッパ部材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向中間部分における、振動が入力さ
    れる少なくとも軸直角方向一方向での対向部位に、開口
    部が設けられた中間筒金具と、 該中間筒金具を挟んだ内側および外側に、それぞれ所定
    距離を隔てて配された内側筒金具および外側筒金具と、 前記中間筒金具と前記内側筒金具との間および前記中間
    筒金具と前記外側筒金具との間のうち、何れか一方の筒
    金具間に介装されて、それら両筒金具を連結する第一の
    ゴム弾性体と、 前記中間筒金具と前記内側筒金具との間および前記中間
    筒金具と前記外側筒金具との間のうち、何れか他方の筒
    金具間に介装されて、それら両筒金具を連結する、前記
    第一のゴム弾性体よりもマウント軸直角方向のばね定数
    が大きい第二のゴム弾性体と、 前記第一のゴム弾性体が介装された前記筒金具間に形成
    された、内部に所定の非圧縮性流体が封入されると共
    に、内面に前記中間筒金具の開口部を通じて前記第二の
    ゴム弾性体が露呈せしめられた流体室と、 該流体室に収容配置された、前記中間筒金具に対してマ
    ウント軸直角方向に所定距離を隔てて対向位置する当接
    部と、前記第二のゴム弾性体が露呈された前記中間筒金
    具の開口部に向かって突出し、該開口部に露呈された前
    記第二のゴム弾性体に対して、該当接部の該中間筒金具
    に対する対向面間距離よりも小さな距離を隔てて対向位
    置する当接凸部とを有するストッパブロックとを、含ん
    で構成されていることを特徴とする流体封入式筒型マウ
    ント。
  2. 【請求項2】 前記ストッパブロックにおける前記当接
    部および該当接部に対向位置する前記中間筒金具のう
    ち、少なくとも何れか一方の側の対向面に、ゴム層が設
    けられている請求項1記載の流体封入式筒型マウント。
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