JP3547542B2 - 流体封入型防振支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のエンジンマウント等に使用する流体封入型防振支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内筒と外筒とを振動入力方向である中央縦線の上下方向に偏心させて又は同心にして平行に配置し、内筒と外筒との間に、筒軸に直角な二枚の側壁と、筒軸と平行に内筒を含んで外筒に至る面で両側壁間に架橋する隔壁とを有するゴム弾性筒を張装するとともに、この構成によって側壁と隔壁とで隔成される二つの空間部に非圧縮性流体を封入して下方の空間部を主流体室、上方の空間部を従流体室とする他、主従流体室間をオリフィス通路で連通した流体封入型防振支持装置は既に知られている。
【0003】
このような流体封入型防振支持装置では、自動車が障害物に乗り上げたとき等に発生する内外筒間の相対的な過大振幅を抑えるために何らかのストッパ機構が施されている。ストッパ機構の多くは、中央縦線上下の外筒側の流体室内にストッパ体を取り付け、内筒をこれに当ててそれ以上の変位を規制する構造をしている(例えば、実公平6−043555号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構造をとると、ストッパ体によって流体室が分断されてしまい、この結果、流体室の容積が小さくなって十分な流体の移動が果たせず、減衰性が低下する。特に、従流体室はその底壁が薄層に形成されて流体移動をより容易にするダイアフラムとなっていることが多いから、その途中に変形しないストッパ体等が存在すると、可撓性が減殺されて十分なダイアフラム機能を発揮しない。
本発明は、このような課題を解決するものであり、ストッパ機能や耐久性を低下させず、しかも、ダイアフラム機能を阻害しないストッパ体を設けたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題の下、本発明は、内筒と外筒とを振動入力方向である中央縦線の上下方向に偏心させて又は同心にして平行に配置し、内筒と外筒との間に、筒軸に直角な二枚の側壁と、内筒を囲包して筒軸と平行に両側壁間に架橋する隔壁とを有するゴム弾性筒を張装するとともに、この構成によって側壁と隔壁とで隔成される二つの空間部に非圧縮性流体を封入して下方の空間部を主流体室、上方の空間部を従流体室とする他、主従流体室間をオリフィス通路で連通した流体封入型防振支持装置において、ゴム弾性筒に、両側壁中に環状に存在する環状部と、少なくとも従流体室内の中央縦線上において外筒と隔壁との間にそれぞれ隙間を保って両環状部間を架橋する架橋部とを有する剛体の補強リングを埋装し、従流体室の底壁を内筒との間に間隙が保たれた薄層のダイアフラムとするとともに、架橋部を底壁の過大変位に対するストッパを兼ねるものにしたことを特徴とする流体封入型防振支持装置を提供する。
【0006】
本発明が以上の手段をとることにより、従流体室内には補強リングの架橋部が挿通しているものの、外筒側と隔壁(内筒)側とにはそれぞれ隙間が確保されているので、流体の十分な移動を確保する。又、この架橋部はストッパ体ともなるものであるが、この架橋部は剛体で構成されるので、その機能も阻害しない。更に、従流体室の底壁をダイアフラムとしたので、架橋部と隔壁側との隙間によってダイアフラムは全長に亘って連続したものになり、十分なダイアフラム機能を発揮する。
【0007】
【実施の実施の態様】
以下、本発明の実施の態様を図面を参照して説明する。図1は本発明の一例を示す流体封入型防振支持装置の横断面図、図2は縦断面図、図3は外筒及びオリフィス通路を構成するオリフィス構造体を外したものの側面図であるが、この流体封入型防振支持装置は、振動入力方向である中央縦線の上下方向に偏心させて又は同心で平行に配置した金属製の内筒10と外筒12との間に、筒軸に直角な二枚の側壁14と、内筒10を囲包して筒軸と平行に両側壁14間に架橋する隔壁16とを有するゴム弾性筒18を張装したものである。
【0008】
これにより、側壁14と隔壁16とで外筒12内に上下二つに空間部20、22が形成されるから、これに非圧縮性流体を封入して下方のものを主流体室20、上方のものを従流体室22とする。そして、これら主流体室20と従流体室22とはオリフィス通路26で連通するが、これについては後述する。
【0009】
ゴム弾性筒18には、両側壁14中に環状に存在する環状部24aと、少なくとも従流体室22内の中央縦線上において外筒12と内筒10との間にそれぞれ隙間32a、32bを保って両環状部24a間を架橋する架橋部24bとを有する剛体の補強リング24が埋装される。尚、本例における補強リング24は、主流体室20内の中央縦線上及び両隔壁16中にも架橋部24bを有している。この補強リング24はゴム弾性筒18の剛性を高めるとともに、その架橋部24bの一部は後述するストッパ体となるものである。
【0010】
又、本例における隔壁16は、中央縦線を頂部として従流体室22側に張り出す断面山形に形成されているとともに、内筒10との間に両側壁14間を貫通する山形の貫通孔、すなわち、間隙30が形成されている。従って、従流体室22の底壁28は全長に亘って薄層のダイアフラムに形成される。底壁28の変形を容易にし、従流体室22の容積変化を大にするためである。
【0011】
この他、主流体室20内の中央部の中程には両側壁14を連結するゴム弾性材の連結帯36が筒軸と平行に設けられており、この連結帯36の中には金属体等の質量体38が封設されている。この連結帯36は、主流体室20の圧縮時、側壁14が外方へ膨らむのを防止するとともに、中に封設する質量体38をダイナミックダンパとして機能させ、防振性能の向上に寄与させるためのものである。
【0012】
このような防振支持装置は、振動入力に対して内外筒10、12が相対的に変位して減衰及び吸振を果たすのであるが、このとき、過大変位が入力されることもあるから、これを規制する必要がある。このため、何らかのストッパ機構を必要とするが、本発明では、内筒10が上方に過大変位すると、従流体室22の底壁28を介して補強リング24の上方の架橋部24bに当たって規制され、下方に過大変位すると、連結帯36を介して下方の架橋部24bに当たって規制されるようにしている。
【0013】
主流体室20と従流体室22とはオリフィス通路26で連通されるのは前述したとおりであるが、本例のオリフィス通路26は別体のオリフィス構造体40に形成される。図4はオリフィス構造体40の底面図、図5は側面図、図6はオリフィス構造体40をゴム弾性筒18に装着する状態を示す横断面図、図7は装着後の側面図であるが、このオリフィス構造体40は、主流体室20の外周に被せられる金属又は樹脂とゴム弾性材の複合体からなる半円形をしたものであり、外周にオリフィス通路26が形成されるものである。
【0014】
本例におけるオリフィス通路26は一端から出て他端で折り返して再度一端側に戻る往復路からなるもので、流路を長くとって流動抵抗を増し、減衰性能を高める工夫がしてある。尚、一端側の戻り路の最終端には孔42が形成されており、主流体室20と連通している。更に、隔壁16には往き路のオリフィス通路26と連絡する溝44が形成されており、従流体室22と連通している。
【0015】
オリフィス構造体40には、主流体室20において、連結帯36の両側にゴム弾性材の塊状体46を加硫接着等で一体的に取り付けてある。この塊状体46は連結帯36よりはやや背が高いものであり、連結帯36との間に一定の間隙48が確保される。尚、塊状体46の作用については後述する。
【0016】
以上により、外筒12を固定部材に固定し、内筒10で振動部材を支持すると、振動入力によって内筒10は外筒12に対して相対的に変位(振動)するが、これに伴って主従流体室20、22に容積変化が起こり、流体は移動し、振動は減衰される。尚、従流体室22内では、補強リング24の架橋部24bが存在するものの、その上下には隙間32a、32bが確保されているから、流体の移動は阻害されず、減衰性の低下を来さない。
【0017】
この場合、従流体室22の底壁28を前記したような薄層に構成すれば、底壁28は全長に亘ってダイアフラムとなり、同時に、主流体室20内に連結帯36を設けることにより、その側壁14の外方への膨満が規制されるから(流体を従流体室22へ押し出す力が高まる)、結局、これらの両作用が相まって全体のポンプ作用は一層高まり、流体移動は更に促進される。
【0018】
同時に、ゴム弾性筒18によって振動伝達も遮断される。このとき、主流体室20内の連結帯36と塊状体46との間には間隙48が設けられているから、この間隙48が流体の逃げ場となって流体に共振を発生させ、ばね定数の上昇を抑制し、高周波域まで吸振性を持続する。尚、この間隙48を調整することにより、周波数に対するばね定数のピーク位置を変えることができる。更に、この塊状体46はストッパの機能を補助する補助的なストッパの役割も果たす。
【0019】
【発明の効果】
以上、本発明は前記したものであるから、即ち、従流体室内には補強リングの架橋部が挿通しているものの、外筒側と隔壁側とにはそれぞれ隙間が確保されているので、流体の十分な移動を確保する。このとき、従流体室の底壁を薄層にしてダイアフラムとしたので、架橋部と隔壁側との隙間によってダイアフラムは全長に亘って形成されることになり、ダイアフラム機能を十分に発揮する。又、この架橋部はストッパ体ともなるものであるが、この架橋部は剛体で構成されるので、その機能も阻害しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】流体封入型防振支持装置の横断面図である。
【図2】流体封入型防振支持装置の縦断面図である。
【図3】外筒及びオリフィス構造体を外した状態の流体封入型防振支持装置の側面図図である。
【図4】オリフィス構造体の底面図である。
【図5】オリフィス構造体の側面図である。
【図6】オリフィス構造体をゴム弾性筒に組み付ける状態を示す横断面である。
【図7】オリフィス構造体をゴム弾性筒に組み付けた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 内筒
12 外筒
14 側壁
16 隔壁
18 ゴム弾性筒
20 主流体室(空間部)
22 従流体室(空間部)
24 補強リング
24a環状部
24b架橋部
26 オリフィス通路
28 底壁
30 間隙
32a隙間
32b隙間
Claims (2)
- 内筒と外筒とを振動入力方向である中央縦線の上下方向に偏心させて又は同心にして平行に配置し、内筒と外筒との間に、筒軸に直角な二枚の側壁と、内筒を囲包して筒軸と平行に両側壁間に架橋する隔壁とを有するゴム弾性筒を張装するとともに、この構成によって側壁と隔壁とで隔成される二つの空間部に非圧縮性流体を封入して下方の空間部を主流体室、上方の空間部を従流体室とする他、主従流体室間をオリフィス通路で連通した流体封入型防振支持装置において、ゴム弾性筒に、両側壁中に環状に存在する環状部と、少なくとも従流体室内の中央縦線上において外筒と隔壁との間にそれぞれ隙間を保って両環状部間を架橋する架橋部とを有する剛体の補強リングを埋装し、従流体室の底壁を内筒との間に間隙が保たれた薄層のダイアフラムとするとともに、架橋部を底壁の過大変位に対するストッパを兼ねるものにしたことを特徴とする流体封入型防振支持装置。
- 補強リングが主流体室内の中央縦線上及び隔壁中にも架橋部を有する請求項1記載の流体封入型防振支持装置。
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JP31360295A JP3547542B2 (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | 流体封入型防振支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31360295A JP3547542B2 (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | 流体封入型防振支持装置 |
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JPH09133176A JPH09133176A (ja) | 1997-05-20 |
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ID=18043297
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JP31360295A Expired - Fee Related JP3547542B2 (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | 流体封入型防振支持装置 |
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- 1995-11-06 JP JP31360295A patent/JP3547542B2/ja not_active Expired - Fee Related
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