JPH11103022A - 誘電体薄膜およびその製法 - Google Patents

誘電体薄膜およびその製法

Info

Publication number
JPH11103022A
JPH11103022A JP9264562A JP26456297A JPH11103022A JP H11103022 A JPH11103022 A JP H11103022A JP 9264562 A JP9264562 A JP 9264562A JP 26456297 A JP26456297 A JP 26456297A JP H11103022 A JPH11103022 A JP H11103022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thin film
thickness
dielectric
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9264562A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3561123B2 (ja
Inventor
Hisanori Nagakari
尚謙 永仮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP26456297A priority Critical patent/JP3561123B2/ja
Publication of JPH11103022A publication Critical patent/JPH11103022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3561123B2 publication Critical patent/JP3561123B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • H01G4/1209Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高い比誘電率と高い絶縁性を兼ね備えた誘電体
薄膜およびその製法を提供する。 【解決手段】金属元素としてPb、Mg、NbおよびT
iを含むペロブスカイト型結晶粒子3からなる膜厚0.
3〜2μmの誘電体薄膜2であって、ペロブスカイト型
結晶粒子3が、その平均粒径dが膜厚tよりも大きい偏
平粒子3からなるものである。ここで、誘電体薄膜2
は、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が250
0以上、絶縁破壊電圧が60V/μm以上であることが
望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電体薄膜およびそ
の製法に関し、特にDRAM、デカップリングコンデン
サに利用可能な薄層コンデンサの誘電体薄膜並びにその
製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型化に伴い、電子部品
の小型化、薄膜化が要求されている。なかでも、コンデ
ンサの小型大容量化は必要不可欠となっている。
【0003】従来、薄膜コンデンサ材料としてゾルゲル
法、スパッタ法、CVD法等の成膜法を用いてTa2
5 やSrTiO3 、(Ba、Sr)TiO3 が主に研究
されているが、これら材料の比誘電率は小さいため、小
型大容量の薄膜コンデンサを実現するのは困難であっ
た。そこで、これら小型大容量の薄膜コンデンサを実現
する為に、大きな比誘電率および良好な温度特性を有す
るPb(Mg1/3 Nb2/ 3 )O3 (以下PMNというこ
ともある。)等に代表されるペロブスカイト型複合酸化
物の薄膜化が試みられているが、室温での比誘電率が2
000以上の薄膜材料は得られていないのが現状であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、誘電体
薄膜の絶縁性は比誘電率の増大とともに、小さくなる傾
向があり、高い比誘電率を示す誘電体膜の絶縁性は一般
的に小さいと考えられていた。つまり、高い比誘電率と
高い絶縁性を兼ね備えた誘電体薄膜材料は得難いもので
あった。
【0005】また、上記薄膜形成方法ではクラック発生
等の問題で、薄膜コンデンサを作製する手法としては成
膜効率が低いため実用性に乏しいという問題点があっ
た。
【0006】本発明は、高い比誘電率と高い絶縁性を兼
ね備えた誘電体薄膜およびその様な誘電体薄膜を容易に
得ることができる製法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体薄膜は、
金属元素としてPb、Mg、NbおよびTiを含むペロ
ブスカイト型結晶粒子からなる膜厚0.3〜2μmの誘
電体薄膜であって、前記ペロブスカイト型結晶粒子が、
その平均粒径dが膜厚tよりも大きい偏平粒子からなる
ものである。誘電体薄膜は、測定周波数1kHz(室
温)での比誘電率が2500以上、絶縁破壊電圧が60
V/μm以上であることが望ましい。
【0008】また、本発明の誘電体薄膜は、溶媒として
2価アルコールを用い、かつ他の求核性を有する有機金
属化合物の存在下においても安定なMg−O−Nb結合
を有するMgNb複合アルコキシド分子を用いて、P
b、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト型複合
酸化物の前駆体溶液を作製し、この前駆体溶液を基板上
に0.3〜0.75μmの厚みで塗布し、熱処理し、焼
成することにより作製される。ここで、2価アルコール
は、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、2,4−ペンタンジオールであることが望ましい。
【0009】
【作用】本発明の誘電体薄膜では、測定周波数1kHz
(室温)での比誘電率が2500以上、絶縁破壊電圧が
60V/μm 以上の特性を達成できる。これは、誘電
体層を構成する結晶粒子が、平均粒径(d)と膜厚
(t)の比がd/t>1.0となるような偏平粒子形状
になるため、粒径の大きいバルク体の特徴である高い比
誘電率を発現すると同時に、薄膜面内において粒界の数
が減少するため、膜絶縁性を向上できるためである。ま
た、本発明の誘電体薄膜は、測定周波数100MHzに
おいても、比誘電率が2000以上の特性を有し、高周
波領域においても比誘電率が高いものである。
【0010】そして、本発明の誘電体薄膜は、MgNb
複合アルコキシド分子を合成する際、2価アルコール溶
媒中において、Mg及びNbの金属化合物間の反応促
進、及び複合アルコキシド分子を安定化する手法を用
い、他の求核性有機金属化合物の存在下においても、安
定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキ
シドを合成させ、このMgNb複合アルコキシド分子を
含む粘度の高い溶液を用い、粘度の高いPb(Mg1/3
Nb2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を合成し、こ
の前駆体溶液を0.3〜0.75μmの厚みで基板上に
塗布し、熱処理した後、焼成することにより、本発明の
誘電体薄膜を容易に得ることができる。
【0011】本発明の誘電体薄膜における高い比誘電率
は、結晶粒子の偏平構造による因子の他に、塗布溶液中
の前駆体分子の構造にも起因する。
【0012】溶液の段階で既にコランバイト(MgNb
2 6 )に近い構造を持つ、強固なMg−O−Nb結合
を有するMgNb複合アルコキシド分子が形成されてい
るため、他の求核性有機金属化合物(例えば酢酸鉛)に
対して安定であり、Mg−O−Nb結合が破壊されるこ
となく、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3
前駆体が形成されるため、高い比誘電率が実現される。
【0013】また、本発明の誘電体薄膜における偏平粒
子は、塗布溶液の粘度増加により成膜1回当りの膜厚が
増大した為、生成する。これは、塗布膜厚の増大のため
に、その膜中に存在する前駆体の濃度が高くなり、成膜
1回当り0.3〜0.75μmの膜厚が形成可能となる
と同時に、結晶化後の粒成長が膜面内で発生し、上記に
示した膜厚に対して粒径の大きい偏平粒子として成長す
るからである。また、偏平粒子の生成により、結晶粒界
の数が減少するため、絶縁破壊電圧60V/μmという
高い絶縁性を有する誘電体薄膜を得ることが可能とな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体薄膜は、偏平粒子
から構成されることを特徴とする。図1は、基板1上に
誘電体薄膜2を形成した状態を示す断面図、図2はその
平面図を示しており、膜厚tの誘電体薄膜2に粒径Dの
粒子3が存在している。ここで、平均粒径(d)と膜厚
(t)の比d/tが1.0より大きい場合を偏平粒子3
として定義した。本発明の誘電体薄膜では、比誘電率お
よび絶縁抵抗向上のためには、d/tが2以上、特に4
以上の偏平粒子3からなることが望ましい。
【0015】本発明の誘電体薄膜作製においては、まず
塗布溶液としてPb、Mg、Nb、Tiの有機金属化合
物が均一に溶解した前駆体溶液を調製する。
【0016】まずMg、及びNbの有機酸塩、無機塩、
アルコキシドから選択される少なくとも1種のMg化合
物、Nb化合物を、Mg:Nb=1:2のモル比でR
(OH)2 、R:炭素数3以上のアルキル基)で示され
る2価のアルコール溶媒に混合する。
【0017】混合後、還流操作を行い、他の求核性の有
機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−Nb
結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を合成す
る。
【0018】この時、炭素数2のエチレングリコールを
溶媒として用いると、溶媒の架橋効果が促進され、白濁
・ゲル化が生じてしまう。塗布溶液の安定性を重視する
ためには2価アルコール溶媒分子の分子構造が重要であ
り、分子内において、1,3および2,4位置に水酸基
を有し、合成したMgNb複合アルコキシド分子とのア
ルコール交換反応により、6員環構造をとり、安定化効
果を有するような、1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール等の溶媒
を選択する事が望ましい。
【0019】また安定なMg−O−Nb結合を有するM
gNb複合アルコキシド分子を得るには、以下のような
方法がある。(1)Mgのカルボン酸塩とNbのアルコ
キシドとの還流操作により、分子内での脱エステル反応
を促進する方法。(2)MgおよびNbのアルコキシド
原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液の温度を上昇
させ、還流操作による複合化を行った後、無水酢酸、エ
タノールアミン、アセチルアセトン等に代表される安定
化剤を添加する方法。(3)Mgの水酸化物とNbのア
ルコキシド、あるいはMgのアルコキシドとNbの水酸
化物の還流操作により、分子内での脱アルコール反応を
促進する。
【0020】以上のいずれかの手法を用いる事により、
他の求核性有機金属化合物の存在下においても安定なM
g−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分
子を合成できるが、これらのうちでも、(1)の方法が
特に望ましい。
【0021】次に鉛(Pb)の有機酸塩、無機塩、アル
コキシドから選択される少なくとも1種の鉛化合物を上
記Mg−Nb複合溶液に混合し、Pb:(Mg+Nb)
=1:1のモル比からなるPMN塗布溶液とする。この
時、Pbを数%過剰にしても良い。
【0022】さらに溶液の粘度を上げる場合は、90℃
から100℃での加熱重合操作を行ってもよい。この加
熱重合により、数100cP以上の高い溶液粘度を有す
る塗布溶液を得る事ができる。
【0023】PbTiO3 (PT)前駆体溶液は鉛(P
b)の有機酸塩、無機塩、アルコキシドから選ばれる少
なくとも1種の鉛化合物とチタン(Ti)の有機酸塩、
無機塩、アルコキシドから選ばれる少なくとも1種のチ
タン化合物と、2価アルコール溶媒とを混合し、還流操
作を行う事によって得られる。この場合、溶液粘度は5
0cP〜100cPの溶液を得ることができる。
【0024】PMN−PT前駆体溶液は先に合成したP
MN前駆体溶液とPT前駆体溶液を混合する事によって
得られる。混合した後の溶液粘度はPMN溶液の粘度に
もよるが、溶液粘度70cPから約1200cPであ
る。
【0025】これら作製したPMN−PT塗布溶液を用
いて、下部電極の形成された基板上にスピンコート法、
ディップコート法、スプレー法等の手法により成膜す
る。
【0026】成膜後、100℃以下の温度で乾燥を行っ
た後、300℃〜400℃の温度で熱処理を行い、膜中
に残留した有機物を燃焼させ、ゲル膜とする。100℃
以下の乾燥工程はゲル膜の段階でクラック発生を防止す
る為に必要である。
【0027】得られたクラックのないゲル膜を750℃
〜850℃で焼成を行い、結晶質の誘電体薄膜が作製さ
れる。得られた誘電体薄膜の膜厚は使用した溶液の粘度
および成膜条件にもよるが、成膜1回当り0.3〜0.
75μmである。さらに層厚みを大きくする場合は成膜
操作を繰り返す。しかし、焼成後のクラック発生を抑制
するために、焼成後膜厚が2.0μm以下であることが
必要である。また、絶縁特性を考慮すると、誘電体層内
の結晶粒子は、粒径が0.5〜2μmの偏平粒子から構
成される組織の方が望ましい。
【0028】本発明の薄膜コンデンサは、例えば、P
t、Au、Cr、Ni、Cu等をアルミナ、サファイ
ア、Si等から選ばれる基板上にスパッタ法、蒸着法、
グラビア印刷等の手法により成膜して下部電極を形成す
る。この時、基板の表面粗さには特に制限はないが、電
極−基板界面での膨れによる膜のクラック発生を防止す
る為に、電極−基板間の密着性を向上させる事が重要で
ある。
【0029】この下部電極膜の表面に、上記誘電体膜を
上記方法で成膜して形成し、この後に誘電体薄膜表面に
下部電極と同様にして上部電極を成膜することにより得
られる。また、積層コンデンサは誘電体層と電極とを交
互に積層することにより得られる。
【0030】
【実施例】
実施例1 酢酸MgとNbエトキシドを1:2のモル比で秤量し、
1,3−プロパンジオール中で還流操作(124℃で6
時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液(Mg=
5mmol、Nb10mmol、1,3−プロパンジオ
ール150mmol)を合成した。次に酢酸鉛3水和物
15mmolをモル比Pb:(Mg+Nb)=1:1に
なるよう混合し、60℃で25分加熱する事により溶解
させ、PMN溶液を合成した。
【0031】イソプロポキシTi(15mmol)と酢
酸Pb(無水物)をモル比Pb:Ti=1:1になるよ
うに1,3−プロパンジオールに混合し、還流操作を行
い、PbTiO3 (PT)溶液を合成した。
【0032】合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体溶
液とモル比がPMN:PT=0.9:0.1になるよう
混合し、溶液粘度130cPのPMN−PT塗布溶液
(溶液A)とした。
【0033】塗布溶液Aを90℃で加熱重合させ、溶液
粘度300cP(溶液B)、溶液粘度560cP(溶液
C)をそれぞれ合成した。
【0034】電極となるPt(111)が650℃でス
パッタ蒸着されたサファイア単結晶基板およびアルミナ
基板上の上記Pt電極の表面に、前記3種の塗布溶液
(溶液A、B、C)をスピンコーターで、2500rp
m.、3300rpm.、5000rpm.の成膜条件
でそれぞれ塗布し、乾燥させた後、300℃で熱処理を
行い、クラックのないゲル膜を作製した。その後、83
0℃で3分間(大気中)の焼成を行った。また、成膜1
回後、クラックが発生しなかった試料に限り、2回およ
び3回、前述の操作を繰り返し、膜厚を厚くした試料も
作製した。
【0035】この後、LCRメーター(ヒュウレットパ
ッカード社製HP4284A)を用いて、薄膜コンデン
サの静電容量を測定し、比誘電率を求めた。絶縁破壊電
圧はピコアンペアメーター(ヒュウレットパッカード社
製HP4140B)を用いて、0Vから100Vの直流
電圧を印加して、リーク電流値が1×10-3A以上とな
った時点を絶縁破壊として評価した。平均粒径(d)は
薄膜表面のSEM観察写真より、インターセプト法を用
いて算出した。また、膜厚(t)は薄膜の断面SEM観
察写真より算出した。これらの結果を表1に記載した。
【0036】
【表1】
【0037】この表1から、本発明の試料では、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、絶
縁破壊電圧が60V/μm 以上の特性を達成できる。
また、成膜1回当り0.3〜0.75μmの膜厚で薄膜
を作製できることがわかる。
【0038】比較例1 MgエトキシドとNbエトキシドを1:2のモル比で秤
量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=5mmol、Nb10mmol、2−メトキシ
エタノール150mmol)を合成した。
【0039】次に酢酸鉛(無水物)15mmolと15
0mmolの2−メトキシエタノールを混合し、120
℃での蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0040】MgNb溶液とPb前駆体溶液をモル比P
b:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、室温で
十分撹拌し、PMN前駆体溶液を合成した。
【0041】イソプロポキシTi(15mmol)と酢
酸Pb(無水物)をモル比Pb:Ti=1:1になるよ
うに2−メトキシエタノールに混合し、還流操作を行
い、PbTiO3 (PT)溶液を合成した。
【0042】合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体溶
液とモル比がPMN:PT=0.9:0.1になるよう
混合し、溶液粘度6cPのPMNーPT塗布溶液(溶液
D)とした。また、さらに溶媒にて3倍に希釈し粘度2
cPの溶液Eを合成した。
【0043】実施例1と同様に、電極となるPt(11
1)が650℃でスパッタ蒸着されたサファイア単結晶
基板上の上記Pt電極の表面に、溶液D、Eそれぞれを
用いて、スピンコーターで3300rpm.の成膜条件
で成膜し、830℃で1分間(大気中)の焼成を行い、
膜厚0.9μm、0.8μmの2種類の薄膜を得た。
【0044】これらの溶液では、成膜1回当り、それぞ
れ0.09μm、0.04μmしか作製することができ
ず、誘電体層厚み約1.0μmの誘電体膜を得るには、
それぞれ10回、20回程度の成膜を必要とし、成膜効
率の低いプロセスであることがわかる。得られた薄膜の
X線回折結果より、ペロブスカイト生成率を計算すると
それぞれ約95%であった。
【0045】表1の試料No.22〜25に各条件で作製
した膜厚、平均粒径、平均粒径と膜厚の比、比誘電率お
よび絶縁破壊電圧を示す。本発明の実施例と比較して、
比誘電率、絶縁破壊電圧ともに劣っていることがわか
る。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明によれば、平
均粒径(d)と膜厚(t)の比d/tが1.0より大き
い偏平粒子から構成されるPMN−PT誘電体薄膜を形
成することによって、測定周波数1kHz(室温)での
比誘電率が2500以上、絶縁破壊電圧が60V/μm
以上のペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる誘電体
層厚み0.3〜2μmの誘電体膜が得ることができる。
これら誘電体薄膜は成膜1回当り0.3〜0.75μm
の膜厚で形成可能な成膜効率の高いプロセスを用いるこ
とにより実現できる。このような薄膜の両面に一対の電
極を対向形成してコンデンサを作製することにより、測
定周波数によらず高い誘電率を示し、かつ絶縁特性の良
好な薄層コンデンサを実用的なプロセスで得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】得られた誘電体薄膜を構成する結晶粒子を模式
的に示した断面図である。
【図2】図1の誘電体薄膜の平面図である。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・誘電体薄膜 3・・・偏平粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01G 4/10 H01G 4/10 4/12 358 H01L 27/10 651 H01L 27/108 21/8242

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素としてPb、Mg、NbおよびT
    iを含むペロブスカイト型結晶粒子からなる膜厚0.3
    〜2μmの誘電体薄膜であって、前記ペロブスカイト型
    結晶粒子が、その平均粒径dが膜厚tよりも大きい偏平
    粒子からなることを特徴とする誘電体薄膜。
  2. 【請求項2】測定周波数1kHz(室温)での比誘電率
    が2500以上、絶縁破壊電圧が60V/μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の誘電体薄膜。
  3. 【請求項3】溶媒として2価アルコールを用い、かつ他
    の求核性を有する有機金属化合物の存在下においても安
    定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキ
    シド分子を用いて、Pb、Mg、NbおよびTiを含む
    ペロブスカイト型複合酸化物の前駆体溶液を作製し、こ
    の前駆体溶液を基板上に0.3〜0.75μmの厚みで
    塗布し、熱処理し、焼成することを特徴とする誘電体薄
    膜の製法。
  4. 【請求項4】2価アルコールは、1,3−プロパンジオ
    ール、1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオ
    ールであることを特徴とする請求項3記載の誘電体薄膜
    の製法。
JP26456297A 1997-09-29 1997-09-29 誘電体薄膜およびその製法 Expired - Fee Related JP3561123B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26456297A JP3561123B2 (ja) 1997-09-29 1997-09-29 誘電体薄膜およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26456297A JP3561123B2 (ja) 1997-09-29 1997-09-29 誘電体薄膜およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11103022A true JPH11103022A (ja) 1999-04-13
JP3561123B2 JP3561123B2 (ja) 2004-09-02

Family

ID=17405015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26456297A Expired - Fee Related JP3561123B2 (ja) 1997-09-29 1997-09-29 誘電体薄膜およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3561123B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6785121B2 (en) 2000-05-30 2004-08-31 Tdk Corporation Multilayer ceramic capacitor and production method thereof
JP2010212503A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミックコンデンサ
JP2012009800A (ja) * 2010-05-24 2012-01-12 Mitsubishi Materials Corp 強誘電体薄膜及び該強誘電体薄膜を用いた薄膜キャパシタ
US20170025222A1 (en) * 2015-07-22 2017-01-26 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic electronic component

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6785121B2 (en) 2000-05-30 2004-08-31 Tdk Corporation Multilayer ceramic capacitor and production method thereof
US7335329B2 (en) 2000-05-30 2008-02-26 Tdk Corporation Method of making a multilayer ceramic capacitor
JP2010212503A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミックコンデンサ
JP2012009800A (ja) * 2010-05-24 2012-01-12 Mitsubishi Materials Corp 強誘電体薄膜及び該強誘電体薄膜を用いた薄膜キャパシタ
US20170025222A1 (en) * 2015-07-22 2017-01-26 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic electronic component
CN106373779A (zh) * 2015-07-22 2017-02-01 三星电机株式会社 多层陶瓷电子组件
KR20170012686A (ko) * 2015-07-22 2017-02-03 삼성전기주식회사 적층 세라믹 전자부품
US10607776B2 (en) * 2015-07-22 2020-03-31 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic electronic component

Also Published As

Publication number Publication date
JP3561123B2 (ja) 2004-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3129175B2 (ja) (Ba,Sr)TiO3薄膜コンデンサの製造方法
JP2008258555A (ja) 薄膜複合材料、薄膜複合材料の製造法及びこの薄膜複合材料を用いた電子部品用材料、電子部品用材料の製造法、電子部品、電子部品の製造法
JP3561123B2 (ja) 誘電体薄膜およびその製法
KR100638890B1 (ko) 고유전성 박막용 코팅용액 및 이를 이용한 유전박막의제조방법
JP3389370B2 (ja) セラミックコンデンサ
JP2000114093A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3446461B2 (ja) Ba1−xSrxTiyO3薄膜形成用組成物、Ba1−xSrxTiyO3薄膜の形成方法及び薄膜コンデンサの製造方法
JP3398297B2 (ja) 誘電体薄膜および薄膜コンデンサ
JP2676775B2 (ja) 薄膜状誘電体及びその製造方法
JP3116428B2 (ja) 薄膜誘電体およびその製造方法
JP3512601B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3652073B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3411201B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3652074B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JPH1045469A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3652129B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3485417B2 (ja) 誘電体薄膜の製法
JP3631570B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JPH11273989A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP2004253294A (ja) 誘電体薄膜と薄膜コンデンサおよびそれを用いた電子回路部品
JP3383534B2 (ja) 薄膜コンデンサ
JPH09202621A (ja) 誘電体薄膜およびその製法並びに薄膜コンデンサ
JPH0547213A (ja) 薄膜状誘電体及びその製造法
JPH1143371A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JPH09208305A (ja) 誘電体薄膜及びセラミックコンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090604

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090604

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100604

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees