JP3561123B2 - 誘電体薄膜およびその製法 - Google Patents

誘電体薄膜およびその製法 Download PDF

Info

Publication number
JP3561123B2
JP3561123B2 JP26456297A JP26456297A JP3561123B2 JP 3561123 B2 JP3561123 B2 JP 3561123B2 JP 26456297 A JP26456297 A JP 26456297A JP 26456297 A JP26456297 A JP 26456297A JP 3561123 B2 JP3561123 B2 JP 3561123B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
film
dielectric
dielectric thin
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26456297A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11103022A (ja
Inventor
尚謙 永仮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP26456297A priority Critical patent/JP3561123B2/ja
Publication of JPH11103022A publication Critical patent/JPH11103022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3561123B2 publication Critical patent/JP3561123B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • H01G4/1209Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は誘電体薄膜およびその製法に関し、特にDRAM、デカップリングコンデンサに利用可能な薄層コンデンサの誘電体薄膜並びにその製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、電子機器の小型化に伴い、電子部品の小型化、薄膜化が要求されている。なかでも、コンデンサの小型大容量化は必要不可欠となっている。
【0003】
従来、薄膜コンデンサ材料としてゾルゲル法、スパッタ法、CVD法等の成膜法を用いてTaやSrTiO、(Ba、Sr)TiOが主に研究されているが、これら材料の比誘電率は小さいため、小型大容量の薄膜コンデンサを実現するのは困難であった。そこで、これら小型大容量の薄膜コンデンサを実現する為に、大きな比誘電率および良好な温度特性を有するPb(Mg1/3 Nb2/3 )O(以下PMNということもある。)等に代表されるペロブスカイト型複合酸化物の薄膜化が試みられているが、室温での比誘電率が2000以上の薄膜材料は得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、誘電体薄膜の絶縁性は比誘電率の増大とともに、小さくなる傾向があり、高い比誘電率を示す誘電体膜の絶縁性は一般的に小さいと考えられていた。つまり、高い比誘電率と高い絶縁性を兼ね備えた誘電体薄膜材料は得難いものであった。
【0005】
また、上記薄膜形成方法ではクラック発生等の問題で、薄膜コンデンサを作製する手法としては成膜効率が低いため実用性に乏しいという問題点があった。
【0006】
本発明は、高い比誘電率と高い絶縁性を兼ね備えた誘電体薄膜およびその様な誘電体薄膜を容易に得ることができる製法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘電体薄膜は、金属元素としてPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト型結晶粒子からなる膜厚0.3〜2μmの誘電体薄膜であって、前記ペロブスカイト型結晶粒子が、その平均粒径dが膜厚tよりも大きい偏平粒子からなるものである。誘電体薄膜は、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、絶縁破壊電圧が60V/μm以上であることが望ましい。
【0008】
また、本発明の誘電体薄膜は、溶媒として2価アルコールを用い、かつ他の求核性を有する有機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を用いて、Pb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト型複合酸化物の前駆体溶液を作製し、この前駆体溶液を基板上に0.3〜0.75μmの厚みで塗布し、熱処理し、焼成することにより作製される。ここで、2価アルコールは、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオールであることが望ましい。
【0009】
【作用】
本発明の誘電体薄膜では、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、絶縁破壊電圧が60V/μm 以上の特性を達成できる。これは、誘電体層を構成する結晶粒子が、平均粒径(d)と膜厚(t)の比がd/t>1.0となるような偏平粒子形状になるため、粒径の大きいバルク体の特徴である高い比誘電率を発現すると同時に、薄膜面内において粒界の数が減少するため、膜絶縁性を向上できるためである。また、本発明の誘電体薄膜は、測定周波数100MHzにおいても、比誘電率が2000以上の特性を有し、高周波領域においても比誘電率が高いものである。
【0010】
そして、本発明の誘電体薄膜は、MgNb複合アルコキシド分子を合成する際、2価アルコール溶媒中において、Mg及びNbの金属化合物間の反応促進、及び複合アルコキシド分子を安定化する手法を用い、他の求核性有機金属化合物の存在下においても、安定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシドを合成させ、このMgNb複合アルコキシド分子を含む粘度の高い溶液を用い、粘度の高いPb(Mg1/3 Nb2/3 )O−PbTiO前駆体溶液を合成し、この前駆体溶液を0.3〜0.75μmの厚みで基板上に塗布し、熱処理した後、焼成することにより、本発明の誘電体薄膜を容易に得ることができる。
【0011】
本発明の誘電体薄膜における高い比誘電率は、結晶粒子の偏平構造による因子の他に、塗布溶液中の前駆体分子の構造にも起因する。
【0012】
溶液の段階で既にコランバイト(MgNb)に近い構造を持つ、強固なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分子が形成されているため、他の求核性有機金属化合物(例えば酢酸鉛)に対して安定であり、Mg−O−Nb結合が破壊されることなく、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O−PbTiO前駆体が形成されるため、高い比誘電率が実現される。
【0013】
また、本発明の誘電体薄膜における偏平粒子は、塗布溶液の粘度増加により成膜1回当りの膜厚が増大した為、生成する。これは、塗布膜厚の増大のために、その膜中に存在する前駆体の濃度が高くなり、成膜1回当り0.3〜0.75μmの膜厚が形成可能となると同時に、結晶化後の粒成長が膜面内で発生し、上記に示した膜厚に対して粒径の大きい偏平粒子として成長するからである。また、偏平粒子の生成により、結晶粒界の数が減少するため、絶縁破壊電圧60V/μmという高い絶縁性を有する誘電体薄膜を得ることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の誘電体薄膜は、偏平粒子から構成されることを特徴とする。図1は、基板1上に誘電体薄膜2を形成した状態を示す断面図、図2はその平面図を示しており、膜厚tの誘電体薄膜2に粒径Dの粒子3が存在している。ここで、平均粒径(d)と膜厚(t)の比d/tが1.0より大きい場合を偏平粒子3として定義した。本発明の誘電体薄膜では、比誘電率および絶縁抵抗向上のためには、d/tが2以上、特に4以上の偏平粒子3からなることが望ましい。
【0015】
本発明の誘電体薄膜作製においては、まず塗布溶液としてPb、Mg、Nb、Tiの有機金属化合物が均一に溶解した前駆体溶液を調製する。
【0016】
まずMg、及びNbの有機酸塩、無機塩、アルコキシドから選択される少なくとも1種のMg化合物、Nb化合物を、Mg:Nb=1:2のモル比でR(OH)、R:炭素数3以上のアルキル基)で示される2価のアルコール溶媒に混合する。
【0017】
混合後、還流操作を行い、他の求核性の有機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を合成する。
【0018】
この時、炭素数2のエチレングリコールを溶媒として用いると、溶媒の架橋効果が促進され、白濁・ゲル化が生じてしまう。塗布溶液の安定性を重視するためには2価アルコール溶媒分子の分子構造が重要であり、分子内において、1,3および2,4位置に水酸基を有し、合成したMgNb複合アルコキシド分子とのアルコール交換反応により、6員環構造をとり、安定化効果を有するような、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール等の溶媒を選択する事が望ましい。
【0019】
また安定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を得るには、以下のような方法がある。(1)Mgのカルボン酸塩とNbのアルコキシドとの還流操作により、分子内での脱エステル反応を促進する方法。(2)MgおよびNbのアルコキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液の温度を上昇させ、還流操作による複合化を行った後、無水酢酸、エタノールアミン、アセチルアセトン等に代表される安定化剤を添加する方法。(3)Mgの水酸化物とNbのアルコキシド、あるいはMgのアルコキシドとNbの水酸化物の還流操作により、分子内での脱アルコール反応を促進する。
【0020】
以上のいずれかの手法を用いる事により、他の求核性有機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を合成できるが、これらのうちでも、(1)の方法が特に望ましい。
【0021】
次に鉛(Pb)の有機酸塩、無機塩、アルコキシドから選択される少なくとも1種の鉛化合物を上記Mg−Nb複合溶液に混合し、Pb:(Mg+Nb)=1:1のモル比からなるPMN塗布溶液とする。この時、Pbを数%過剰にしても良い。
【0022】
さらに溶液の粘度を上げる場合は、90℃から100℃での加熱重合操作を行ってもよい。この加熱重合により、数100cP以上の高い溶液粘度を有する塗布溶液を得る事ができる。
【0023】
PbTiO(PT)前駆体溶液は鉛(Pb)の有機酸塩、無機塩、アルコキシドから選ばれる少なくとも1種の鉛化合物とチタン(Ti)の有機酸塩、無機塩、アルコキシドから選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と、2価アルコール溶媒とを混合し、還流操作を行う事によって得られる。この場合、溶液粘度は50cP〜100cPの溶液を得ることができる。
【0024】
PMN−PT前駆体溶液は先に合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体溶液を混合する事によって得られる。混合した後の溶液粘度はPMN溶液の粘度にもよるが、溶液粘度70cPから約1200cPである。
【0025】
これら作製したPMN−PT塗布溶液を用いて、下部電極の形成された基板上にスピンコート法、ディップコート法、スプレー法等の手法により成膜する。
【0026】
成膜後、100℃以下の温度で乾燥を行った後、300℃〜400℃の温度で熱処理を行い、膜中に残留した有機物を燃焼させ、ゲル膜とする。100℃以下の乾燥工程はゲル膜の段階でクラック発生を防止する為に必要である。
【0027】
得られたクラックのないゲル膜を750℃〜850℃で焼成を行い、結晶質の誘電体薄膜が作製される。得られた誘電体薄膜の膜厚は使用した溶液の粘度および成膜条件にもよるが、成膜1回当り0.3〜0.75μmである。さらに層厚みを大きくする場合は成膜操作を繰り返す。しかし、焼成後のクラック発生を抑制するために、焼成後膜厚が2.0μm以下であることが必要である。また、絶縁特性を考慮すると、誘電体層内の結晶粒子は、粒径が0.5〜2μmの偏平粒子から構成される組織の方が望ましい。
【0028】
本発明の薄膜コンデンサは、例えば、Pt、Au、Cr、Ni、Cu等をアルミナ、サファイア、Si等から選ばれる基板上にスパッタ法、蒸着法、グラビア印刷等の手法により成膜して下部電極を形成する。この時、基板の表面粗さには特に制限はないが、電極−基板界面での膨れによる膜のクラック発生を防止する為に、電極−基板間の密着性を向上させる事が重要である。
【0029】
この下部電極膜の表面に、上記誘電体膜を上記方法で成膜して形成し、この後に誘電体薄膜表面に下部電極と同様にして上部電極を成膜することにより得られる。また、積層コンデンサは誘電体層と電極とを交互に積層することにより得られる。
【0030】
【実施例】
実施例1
酢酸MgとNbエトキシドを1:2のモル比で秤量し、1,3−プロパンジオール中で還流操作(124℃で6時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液(Mg=5mmol、Nb10mmol、1,3−プロパンジオール150mmol)を合成した。次に酢酸鉛3水和物15mmolをモル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、60℃で25分加熱する事により溶解させ、PMN溶液を合成した。
【0031】
イソプロポキシTi(15mmol)と酢酸Pb(無水物)をモル比Pb:Ti=1:1になるように1,3−プロパンジオールに混合し、還流操作を行い、PbTiO(PT)溶液を合成した。
【0032】
合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体溶液とモル比がPMN:PT=0.9:0.1になるよう混合し、溶液粘度130cPのPMN−PT塗布溶液(溶液A)とした。
【0033】
塗布溶液Aを90℃で加熱重合させ、溶液粘度300cP(溶液B)、溶液粘度560cP(溶液C)をそれぞれ合成した。
【0034】
電極となるPt(111)が650℃でスパッタ蒸着されたサファイア単結晶基板およびアルミナ基板上の上記Pt電極の表面に、前記3種の塗布溶液(溶液A、B、C)をスピンコーターで、2500rpm.、3300rpm.、5000rpm.の成膜条件でそれぞれ塗布し、乾燥させた後、300℃で熱処理を行い、クラックのないゲル膜を作製した。その後、830℃で3分間(大気中)の焼成を行った。また、成膜1回後、クラックが発生しなかった試料に限り、2回および3回、前述の操作を繰り返し、膜厚を厚くした試料も作製した。
【0035】
この後、LCRメーター(ヒュウレットパッカード社製HP4284A)を用いて、薄膜コンデンサの静電容量を測定し、比誘電率を求めた。絶縁破壊電圧はピコアンペアメーター(ヒュウレットパッカード社製HP4140B)を用いて、0Vから100Vの直流電圧を印加して、リーク電流値が1×10−3A以上となった時点を絶縁破壊として評価した。平均粒径(d)は薄膜表面のSEM観察写真より、インターセプト法を用いて算出した。また、膜厚(t)は薄膜の断面SEM観察写真より算出した。これらの結果を表1に記載した。
【0036】
【表1】
Figure 0003561123
【0037】
この表1から、本発明の試料では、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、絶縁破壊電圧が60V/μm 以上の特性を達成できる。また、成膜1回当り0.3〜0.75μmの膜厚で薄膜を作製できることがわかる。
【0038】
比較例1 MgエトキシドとNbエトキシドを1:2のモル比で秤量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液(Mg=5mmol、Nb10mmol、2−メトキシエタノール150mmol)を合成した。
【0039】
次に酢酸鉛(無水物)15mmolと150mmolの2−メトキシエタノールを混合し、120℃での蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0040】
MgNb溶液とPb前駆体溶液をモル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、室温で十分撹拌し、PMN前駆体溶液を合成した。
【0041】
イソプロポキシTi(15mmol)と酢酸Pb(無水物)をモル比Pb:Ti=1:1になるように2−メトキシエタノールに混合し、還流操作を行い、PbTiO(PT)溶液を合成した。
【0042】
合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体溶液とモル比がPMN:PT=0.9:0.1になるよう混合し、溶液粘度6cPのPMNーPT塗布溶液(溶液D)とした。また、さらに溶媒にて3倍に希釈し粘度2cPの溶液Eを合成した。
【0043】
実施例1と同様に、電極となるPt(111)が650℃でスパッタ蒸着されたサファイア単結晶基板上の上記Pt電極の表面に、溶液D、Eそれぞれを用いて、スピンコーターで3300rpm.の成膜条件で成膜し、830℃で1分間(大気中)の焼成を行い、膜厚0.9μm、0.8μmの2種類の薄膜を得た。
【0044】
これらの溶液では、成膜1回当り、それぞれ0.09μm、0.04μmしか作製することができず、誘電体層厚み約1.0μmの誘電体膜を得るには、それぞれ10回、20回程度の成膜を必要とし、成膜効率の低いプロセスであることがわかる。得られた薄膜のX線回折結果より、ペロブスカイト生成率を計算するとそれぞれ約95%であった。
【0045】
表1の試料No.22〜25に各条件で作製した膜厚、平均粒径、平均粒径と膜厚の比、比誘電率および絶縁破壊電圧を示す。本発明の実施例と比較して、比誘電率、絶縁破壊電圧ともに劣っていることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述した様に、本発明によれば、平均粒径(d)と膜厚(t)の比d/tが1.0より大きい偏平粒子から構成されるPMN−PT誘電体薄膜を形成することによって、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、絶縁破壊電圧が60V/μm以上のペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる誘電体層厚み0.3〜2μmの誘電体膜が得ることができる。これら誘電体薄膜は成膜1回当り0.3〜0.75μmの膜厚で形成可能な成膜効率の高いプロセスを用いることにより実現できる。このような薄膜の両面に一対の電極を対向形成してコンデンサを作製することにより、測定周波数によらず高い誘電率を示し、かつ絶縁特性の良好な薄層コンデンサを実用的なプロセスで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】得られた誘電体薄膜を構成する結晶粒子を模式的に示した断面図である。
【図2】図1の誘電体薄膜の平面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・誘電体薄膜
3・・・偏平粒子

Claims (4)

  1. 金属元素としてPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト型結晶粒子からなる膜厚0.3〜2μmの誘電体薄膜であって、前記ペロブスカイト型結晶粒子が、その平均粒径dが膜厚tよりも大きい偏平粒子からなることを特徴とする誘電体薄膜。
  2. 測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、絶縁破壊電圧が60V/μm以上であることを特徴とする請求項1記載の誘電体薄膜。
  3. 溶媒として2価アルコールを用い、かつ他の求核性を有する有機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を用いて、Pb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト型複合酸化物の前駆体溶液を作製し、この前駆体溶液を基板上に0.3〜0.75μmの厚みで塗布し、熱処理し、焼成することを特徴とする誘電体薄膜の製法。
  4. 2価アルコールは、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオールであることを特徴とする請求項3記載の誘電体薄膜の製法。
JP26456297A 1997-09-29 1997-09-29 誘電体薄膜およびその製法 Expired - Fee Related JP3561123B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26456297A JP3561123B2 (ja) 1997-09-29 1997-09-29 誘電体薄膜およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26456297A JP3561123B2 (ja) 1997-09-29 1997-09-29 誘電体薄膜およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11103022A JPH11103022A (ja) 1999-04-13
JP3561123B2 true JP3561123B2 (ja) 2004-09-02

Family

ID=17405015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26456297A Expired - Fee Related JP3561123B2 (ja) 1997-09-29 1997-09-29 誘電体薄膜およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3561123B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10126099B4 (de) 2000-05-30 2008-11-13 Tdk Corp. Keramischer Vielschichtkondensator und Verfahren zu seiner Herstellung
JP2010212503A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミックコンデンサ
JP5521957B2 (ja) * 2010-05-24 2014-06-18 三菱マテリアル株式会社 強誘電体薄膜及び該強誘電体薄膜を用いた薄膜キャパシタ
KR102183425B1 (ko) * 2015-07-22 2020-11-27 삼성전기주식회사 적층 세라믹 전자부품

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11103022A (ja) 1999-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2005083726A1 (en) Thin film ferroelectric composites, method of making and capacitor comprising the same
JP3146967B2 (ja) 非還元性誘電体セラミック及びそれを用いた積層セラミック電子部品
WO2005085496A2 (en) Ferroelectric thin film composites with improved top contact adhesion and devices containing the same
JP3129175B2 (ja) (Ba,Sr)TiO3薄膜コンデンサの製造方法
JP3561123B2 (ja) 誘電体薄膜およびその製法
JP2002047011A (ja) 緻密質ペロブスカイト型金属酸化物薄膜の形成方法及び緻密質ペロブスカイト型金属酸化物薄膜
KR100638890B1 (ko) 고유전성 박막용 코팅용액 및 이를 이용한 유전박막의제조방법
JP4042276B2 (ja) Pb系ペロブスカイト型金属酸化物薄膜の形成方法
JP3389370B2 (ja) セラミックコンデンサ
JP2000114093A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP2676775B2 (ja) 薄膜状誘電体及びその製造方法
JP3116428B2 (ja) 薄膜誘電体およびその製造方法
JP3411201B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
TW201442309A (zh) Pzt系強介電體薄膜及其形成方法
JP3398297B2 (ja) 誘電体薄膜および薄膜コンデンサ
JP2001338839A (ja) 可変容量コンデンサ
JPH1045469A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3631570B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3652073B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3652074B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3512601B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3652129B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JPH09208305A (ja) 誘電体薄膜及びセラミックコンデンサ
JPH0547213A (ja) 薄膜状誘電体及びその製造法
JPH06215630A (ja) 薄膜状誘電体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090604

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090604

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100604

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees