JP2008258555A - 薄膜複合材料、薄膜複合材料の製造法及びこの薄膜複合材料を用いた電子部品用材料、電子部品用材料の製造法、電子部品、電子部品の製造法 - Google Patents

薄膜複合材料、薄膜複合材料の製造法及びこの薄膜複合材料を用いた電子部品用材料、電子部品用材料の製造法、電子部品、電子部品の製造法 Download PDF

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善毅 平田
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Abstract

【課題】従来のように高い温度で処理することなく、高容量で、かつ容量温度係数が所望の範囲に調整されたキャパシタを形成することが可能な薄膜複合材料、薄膜複合材料の製造法、並びにこの薄膜複合材料を用いた電子部品用材料、電子部品用材料の製造法、電子部品、及び電子部品の製造法を提供することを目的とする。
【解決手段】銅箔、前記銅箔の一方の表面に形成され、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層、ならびに前記金属薄膜層表面に形成され、構成元素としてBaおよび/またはSrと、Tiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層、を有する薄膜複合材料、薄膜複合材料の製造法、並びにこの薄膜複合材料を用いた電子部品用材料、電子部品用材料の製造法、電子部品、及び電子部品の製造法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャパシタなどの電子部品に好適に用いられる薄膜複合材料、薄膜複合材料の製造法及びこの薄膜複合材料を用いた電子部品用材料、電子部品用材料の製造法、電子部品、電子部品の製造法に関する。
携帯電話を始めとする情報産業分野のデバイスでは、今後ますます高速化、薄型化、高機能化が要求され、それを実現するための手段として、高機能な電子部品の開発が広範囲で精力的に進められている。その中でも、キャパシタはデバイスの高機能化を支える重要な電子部品として、数多く使用されている。
デバイスが所望の高機能を発現するためには、キャパシタの高容量化とともに、高精度化すなわち容量温度係数を所望の範囲に設計することが重要である。ここで、容量温度係数とは、25℃でのキャパシタの容量と85℃でのキャパシタの容量との差を、25℃でのキャパシタの容量で除した値である。例えば、特許文献1には、キャパシタを構成する複合材料の組成を調整して、所望の容量温度係数の範囲を持つ複合材料を製造しうることが記載されている。
一方、チタン酸バリウムやチタン酸バリウムストロンチウムのような高誘電率を示す金属酸化物は、キャパシタやメモリを始めとする電子デバイス分野において誘電体として広く利用されている。デバイスの更なる薄型化、高性能化のためには誘電体の薄膜化が不可欠であり、そのためには高機能、高品質の高誘電率金属酸化物薄膜を製造できる技術の確立が鍵となっている。
現在、薄膜の製造方法としては、スパッタリングなどのPVD法や有機金属化合物を用いたCVD法に代表される気相法と、ゾル―ゲル法や塗布熱分解法に代表される液相法とが主に用いられている。チタン酸バリウムやチタン酸バリウムストロンチウムの薄膜合成では、組成制御の容易さや製造コストの観点から気相法よりも液相法に期待が寄せられ、ゾル―ゲル法や塗布熱分解法による薄膜の合成研究が活発に行われている。例えば、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載されているように、特定の金属アルコキシドの有機溶媒溶液を複数混合し、基板上に塗布してゲル化させ、熱処理して、金属酸化物薄膜を形成することが知られている。なお、ゾル―ゲル法とは、金属アルコキシドの前駆体溶液を出発原料として、加水分解と重縮合反応によってゾル状態からゲル状態を経由し、最終的には金属酸化物に至るまでの合成プロセスを指し、ゾル―ゲル法による薄膜形成は、PVD法やCVD法などの他の薄膜形成方法と比較して、薄膜形成の対象となる基板の形状やサイズに制約を受けにくく、また薄膜形成に高価な装置や高真空、高エネルギーを必要としないなどの利点を有する。
ところで、容量温度係数を所望の範囲に調整した複合材料を得るに当たって、例えば、特許文献1に記載の方法では、誘電体セラミックスの粒子を用いた複合材料であるため、誘電体の薄膜化が難しく、高容量のキャパシタが得られないという課題があった。
ゾル−ゲル法に代表される液相法を用いた場合、薄膜化は比較的容易である。しかしながら液相法では、例えばバリウム、チタン、ストロンチウムの各元素を含む前駆体溶液をスピンコーティング法、ディップコーティング法等によって基板上に塗布してゲル化させて非晶質の被膜層を形成し、この被膜層を結晶化させるために高温で熱処理を行っている。例えば、特許文献2に記載の方法では、450℃で熱処理を行って結晶化させている。また、特許文献3に記載の方法では、500〜700℃で熱処理を行って結晶化させている。さらに、特許文献4に記載の方法では、600℃で熱処理を行って結晶化させている。このため、高温で熱処理を行う時に基板の変質や変形が生じたり又は基板と薄膜との界面で反応が生じたりして、基板に使用する材料に種々の制約が生じていた。
特開2006−260895号公報 特開平8−245263号公報 特表2003−526880号公報 特許第3816508号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、製造時において従来のように高い温度で処理する必要がなく、また、高容量で、かつ容量温度係数が所望の範囲に調整されたキャパシタを形成することが可能な薄膜複合材料、薄膜複合材料の製造法、並びにこの薄膜複合材料を用いた電子部品用材料、電子部品用材料の製造法、電子部品、及び電子部品の製造法に関する。
すなわち、本発明は、以下(1)〜(32)に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)銅箔、前記銅箔の一方の表面に形成され、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層、ならびに前記金属薄膜層表面に形成され、構成元素としてBaおよび/またはSrと、Tiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層、を有する薄膜複合材料。
(2)前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である上記(1)に記載の薄膜複合材料。
(3)前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である上記(1)または(2)に記載の薄膜複合材料。
(4)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の薄膜複合材料。
(5)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の薄膜複合材料。
(6)銅箔、前記銅箔の一方の表面に形成され、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層、前記金属薄膜層表面に形成され、構成元素としてBaおよび/またはSrと、Tiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層、ならびに前記複合金属酸化物薄膜層表面に形成された導体層、を有する電子部品用材料。
(7)前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である上記(6)記載の電子部品用材料。
(8)前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である上記(6)または(7)記載の電子部品用材料。
(9)前記銅箔、前記金属薄膜層、前記複合金属酸化物薄膜層及び前記導体層の厚さの総和が10〜100μmの範囲である上記(6)〜(8)のいずれかに記載の電子部品用材料。
(10)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である上記(6)〜(9)のいずれかに記載の電子部品用材料。
(11)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である上記(6)〜(10)のいずれかに記載の電子部品用材料。
(12)銅箔、前記銅箔の一方の表面に形成され、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層、前記金属薄膜層表面に形成され、構成元素としてBaおよび/またはSrと、Tiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層、ならびに前記複合金属酸化物薄膜層表面に形成された電極、を有する電子部品。
(13)前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である上記(12)記載の電子部品。
(14)前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である上記(12)または(13)記載の電子部品。
(15)前記銅箔、前記金属薄膜層、前記複合金属酸化物薄膜層及び前記電極の厚さの総和が10μm〜100μmの範囲である上記(12)〜(14)のいずれかに記載の電子部品。
(16)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である上記(12)〜(15)のいずれかに記載の電子部品。
(17)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である上記(12)〜(16)のいずれかに記載の電子部品。
(18)銅箔の一方の表面に、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層を形成する工程、ならびに前記金属薄膜層表面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を形成する工程、を有し、少なくとも前記複合金属酸化物薄膜層を形成する際、400℃以下の温度で熱処理する薄膜複合材料の製造法。
(19)前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である上記(18)記載の薄膜複合材料の製造法。
(20)前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である上記(18)または(19)記載の薄膜複合材料の製造法。
(21)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である上記(18)〜(20)のいずれかに記載の薄膜複合材料の製造法。
(22)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲であることを特徴とする上記(18)〜(21)のいずれかに記載の薄膜複合材料の製造法。
(23)銅箔の一方の表面に、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層を形成する工程、前記金属薄膜層表面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を形成する工程、ならびに前記複合金属酸化物薄膜層表面に導体層を形成する工程、を有し、少なくとも前記複合金属酸化物薄膜層を形成する際、400℃以下の温度で熱処理する電子部品用材料の製造法。
(24)前記形成する金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である上記(23)記載の電子部品用材料の製造法。
(25)前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である上記(23)または(24)記載の電子部品用材料の製造法。
(26)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である上記(23)〜(25)のいずれかに記載の電子部品用材料の製造法。
(27)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である上記(23)〜(26)のいずれかに記載の電子部品用材料の製造法。
(28)銅箔の一方の表面に、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層を形成する工程、前記金属薄膜層表面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を形成する工程、前記複合金属酸化物薄膜層表面に導体層を形成する工程、ならびに前記導体層の不要な箇所をエッチング除去して電極を形成する工程、を有し、少なくとも前記複合金属酸化物薄膜層を形成する際、400℃以下の温度で熱処理する電子部品の製造法。
(29)前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である上記(28)記載の電子部品の製造法。
(30)前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である上記(28)またはは(29)記載の電子部品の製造法。
(31)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である上記(28)〜(30)のいずれかに記載の電子部品の製造法。
(32)前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である上記(28)〜(31)のいずれかに記載の電子部品の製造法。
本発明によれば、製造時において従来のように高い温度で処理する必要がなく、また、高容量で、かつ容量温度係数が所望範囲に調整されたキャパシタを形成することが可能な薄膜複合材料を提供することができる。また、本発明の薄膜複合材料を用いて、電子部品用材料、さらに、高容量で、かつ容量温度係数が所望範囲に調整されたキャパシタ等の電子部品を提供することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明の薄膜複合材料は、銅箔、当該銅箔の一方の表面に形成され、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層、ならびに当該金属薄膜層表面に形成され、構成元素としてBaおよび/またはSrと、Tiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層、を有することをその特徴とするものである。
構成元素としてBa及び/又はSrとTiとを必須に含むアモルファス複合金属酸化物は、アモルファスセラミックスの中でも比較的高誘電率(例えば、チタン酸バリウムで17程度)であり、キャパシタの誘電体材料として好適に用いることができる。もちろんその他の元素や金属酸化物を添加した複合金属酸化物、例えばLaを添加してさらに高誘電率化を図った複合金属酸化物や、例えばチタン酸カルシウムを添加して特性を調整した複合金属酸化物も好適に用いることができる。
本発明における上記アモルファス複合金属酸化物薄膜層は、上記のようなアモルファス複合金属酸化物からなり、互いに組成が異なるアモルファス複合金属酸化物薄膜層の複数層から形成されていてもよい。金属薄膜層と接する界面の複合金属酸化物薄膜層をアモルファスとすることで、金属薄膜層の格子定数と複合金属酸化物の格子定数の不一致による欠陥が少なくなり、絶縁性を確保することができる。金属薄膜層との界面が結晶領域である場合は、金属薄膜層の格子定数と複合金属酸化物の格子定数の不一致により複合金属酸化物薄膜層の形成時に加わった熱による熱ひずみ欠陥が金属薄膜層との界面に多く発生し、絶縁性が著しく低下する。また、金属薄膜層の格子定数に合わせて複合金属酸化物薄膜層をエピタキシャルに結晶化するためには高い温度での熱処理が必要となり、銅箔の酸化を招いて不都合である。アモルファス複合金属酸化物には、結晶粒界がないため、絶縁性の確保にはさらに有利である。
上記アモルファス複合金属酸化物薄膜層の形成方法には、例えば、ゾル−ゲル法、スパッタ法、化学的気相堆積法(CVD)等が好適に用いられる。アモルファス複合金属酸化物を所望の組成に調整しやすい点でゾル−ゲル法がより好ましい。また、アモルファス複合金属酸化物薄膜層の形成時における銅箔の酸化を抑制するために、熱処理温度は400℃以下とすることが好ましく、350℃以下とすることがより好ましい。
上記アモルファス複合金属酸化物薄膜層の厚さは、100nm〜700nmの範囲が好ましく、150nm〜600nmの範囲がより好ましい。この厚さが100nm未満では、耐電界強度が低く、キャパシタの適用可能用途が限られるおそれがある。また厚さが700nmより大きいと、薄膜が割れやすくなったり、キャパシタの静電容量が小さくなるおそれがある。
上記アモルファス複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比は、100:0〜75:25の範囲が好ましく、95:5〜80:20の範囲がより好ましい。Srのモル比が25より大きいと、容量温度係数が負の方向に大きくなり、キャパシタの適用可能用途が限られるおそれがある。BaとSrのモル比を100:0〜75:25の範囲にすることによって、容量温度係数を+250ppm/℃〜−250ppm/℃の範囲に調整することができる。
上記アモルファス複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比は、45:55〜15:85の範囲が好ましく、40:60〜20:80の範囲がより好ましい。Tiのモル比が55より小さいと、誘電体の比誘電率が小さくなり、高容量のキャパシタが得られないおそれがある。またTiのモル比が85より大きいと、誘電体の比誘電率は大きくなるが漏れ電流も大きくなり、キャパシタの絶縁性が悪化するおそれがある。
上記銅箔上に形成される上記金属薄膜層は、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含み、これら金属の合金が含まれていてもよい。コストの点からCr及び/又はNiがより好ましく、環境汚染性の点からNiがさらに好ましい。CrとNiはそれら自身が安定な酸化皮膜を形成するために、またAuとAgはそれら自身が酸化されにくいために、上記アモルファス複合金属酸化物薄膜層の形成時における銅箔の酸化を抑制し、キャパシタの絶縁性の確保に寄与する。一方、上記以外の金属、例えばSiO基板において酸化の抑制に多く使われているPt、Ti、Pdは、本発明のように銅箔上に形成した場合、上記アモルファス複合金属酸化物薄膜層に割れが生じやすくなり、信頼性の高いキャパシタを得ることが難しい。
また、上記合金としては、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の成分を合金中に80重量%以上含むものが好ましい。このような合金には、例えば、Ni−P合金、Ni−B合金、Ni−P−B合金、Ni−Co合金、Ni−Cr合金、Ni−Cr−Al合金、Ni−Cr−Si合金、Ag−Nd合金などがある。Cr、Ni、AuまたはAgから選ばれる一種以上の成分の含有率が80重量%未満の場合は、キャパシタの絶縁性を確保する効果が低くなるおそれがある。コストの点と形成の容易さの点からNi−P合金がより好ましい。
また、上記銅箔上への上記金属薄膜層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、めっき法、蒸着法、スパッタ法等の方法が好適に用いられる。
上記銅箔は、一般に用いられる銅箔であれば特に制限はなく、例えば、耐熱や防錆の目的で表面にZnやクロメートによる処理が施されているものや、接着性を向上するために表面が粗化されているものや、特性改善の目的でその他の元素、例えばSnを微量添加したものもまた好適に使用できる。銅箔の厚さは特に限定しないが、取り扱い性の点から5μm〜100μmの厚さがより好ましい。
また、上記金属薄膜層の厚さは、50nm〜1μmの範囲が好ましく、100nm〜800nmの範囲がより好ましい。厚さが50nm未満では、絶縁性が低下し好ましくない。なお、厚さが1μmを超えてさらに厚くすることは、コストの面で一般に不利である。薄膜層の厚さは薄膜層を集束イオンビーム加工装置(FIB)で掘削し、得られた断面を走査型イオン顕微鏡(SIM)で観察して測長することで計測できる。
図1は、本発明の薄膜複合材料の一実施形態を模式的に示した断面図である。なお、本発明で用いられる断面図は、あくまでも模式図であり、層構成が明確に把握できるように記載しているのであり、図中の各層の厚さが現実の製品に対応したものではない。薄膜複合材料1は、構成元素としてBa/又はSrとTiとを必須に含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層2と、Cr、Ni、AuおよびAgの一種以上を含む金属薄膜層3と、銅箔4とを含んでいる。
図2は、本発明の薄膜複合材料の他の実施形態を模式的に示した断面図である。ここで、アモルファス複合金属酸化物薄膜層5は、構成元素としてBa/又はSrとTiとを必須に含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層5aと、構成元素としてBa/又はSrとTiとを含み、組成がアモルファス複合金属酸化物薄膜層5aと異なるアモルファス複合金属酸化物薄膜層5bとが積層されている。
本発明の電子部品用材料は、本発明の薄膜複合材料のアモルファス複合金属酸化物薄膜層表面に、例えば、めっき法、蒸着法、スパッタ法等の方法で形成された導体層を有するものである。この導体層と本発明の薄膜複合材料(すなわち銅箔、金属薄膜層及び複合金属酸化物薄膜層)との厚さの総和は、10μm〜100μmの範囲が好ましく、15μm〜80μmの範囲がより好ましい。この厚さの総和が10μm未満では、取り扱いが難しく、例えば折れたりして材料が破壊するおそれがある。一方、厚さの総和が100μmを超えると、銅箔や導体層をエッチング除去する時に時間がかかり、コスト的に不利となる。
図3は、本発明の電子部品用材料の一実施形態を模式的に示した断面図である。電子部品用材料6は、導体層7と、構成元素としてBa/又はSrとTiとを必須に含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層2と、Cr、Ni、AuおよびAgの一種以上を含む金属薄膜層3と、銅箔4とを含んでいる。導体層を形成する金属としては、例えば、Cu、Au、Ag、Al等の良導体金属を用いることができる。また、導体層と複合金属酸化物薄膜層との接着を向上させるために、これらの層間に、例えば、Ni、Cr、Ti等の金属層やそれらの合金層(例えば、Ni−PやNi−Cr等)を形成してもよい。
本発明の電子部品は、本発明の薄膜複合材料のアモルファス複合金属酸化物薄膜層表面に電極を有するものであり、例えば、当該複合金属酸化物薄膜層表面に金属のめっきや蒸着等により所定形状の電極を形成する、本発明の電子部品材料の導体層の不要な箇所をエッチング除去して所定形状の電極を形成することで製造可能である。また、当該電極を複数形成した後、例えば、ダイサー、カッター、打ち抜き機等を用いて個片に分割して複数の電子部品(例えば、キャパシタ)を製造することもできる。また、電極と本発明の薄膜複合材料(すなわち銅箔、金属薄膜層及び複合金属酸化物薄膜層)との厚さの総和は、10μm〜100μmの範囲が好ましく、15μm〜80μmの範囲がより好ましい。この厚さの総和が10μm未満では、取り扱いが難しく、例えば折れたりして電子部品が破壊するおそれがある。一方、厚さの総和が100μmを超えると、電子部品を搭載したデバイスの薄型化に不利となる。電極を形成する金属としては、上記導体層に用いうる金属と同様、例えば、Cu、Au、Ag、Al等の良導体金属を用いることができる。また、電極と複合金属酸化物薄膜層との接着を向上させるために、これらの層間に、例えば、Ni、Cr、Ti等の金属層やそれらの合金層(例えば、Ni−PやNi−Cr等)を形成してもよい。
また、本発明の電子部品を、接着剤、接着シート、プリプレグ等を用いて他の基板と積層多層化することで、例えば、キャパシタ機能を備えた配線板や多機能電子部品を提供することも可能であり、さらに積層を繰り返すことで、キャパシタが内層に埋め込まれた多層配線板を提供することも可能である。
図4は、本発明の電子部品の一実施形態を模式的に示した断面図である。電子部品8は、電極9と、個片に分割された構成元素としてBa/又はSrとTiとを必須に含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層10と、個片に分割されたCr、Ni、AuおよびAgの一種以上を含む金属薄膜層11と、個片に分割された銅箔12とを含んでいる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら記載に制限されるものではない。
<薄膜複合材料の作製>
(実施例1)
窒素雰囲気下、モレキュラー・シーブで脱水した2−メトキシエタノール1000mlに、Sr0.88g(0.01モル)を溶解させた。Srが完全に溶解した後、さらにBa12.36g(0.09モル)を加えて溶解させた。Baが完全に溶解した後、この溶液を撹拌しながら120℃で5時間還流させた。放冷して20℃に冷却し、BaとSrの複合金属アルコキシドの溶液Aを得た。
次いで、溶液Aにオルトチタン酸エチル54.0g(0.3モル)を加え、撹拌しながら50℃で1時間還流させた。放冷して20℃に冷却し、BaとSrとTiの複合金属アルコキシドの溶液Bを得た。
一方、10cm×10cmの大きさで、厚さ35μmの銅箔(例えば、三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP−35)の光沢面側に、スパッタ法により厚さ500nmのNi薄膜を形成して、金属層薄膜付きの銅箔を得た。
この金属層薄膜付の銅箔のNi薄膜側に、溶液Bを回転数2000min−1でスピンコートした。350℃のホットプレート上で4分間乾燥後、再び溶液Bをスピンコートし、同様に乾燥した。さらに、溶液Bをスピンコートし乾燥する操作を10回繰り返した(合計12回のスピンコート)後、350℃のホットプレート上で2時間焼成し、アモルファス複合金属酸化物薄膜層とし、薄膜複合材料1を得た。
(比較例1)
銅箔の表面に形成した金属薄膜層の種類をNiからPtに変更した以外は、実施例1と同様にして薄膜複合材料2を得た。
(比較例2)
銅箔の表面にNi薄膜を形成しないで直接溶液Bをスピンコートした以外は、実施例1と同様にして薄膜複合材料3を得た。
(比較例3)
焼成時のホットプレートの温度を350℃から450℃に変更した以外は、実施例1と同様にして薄膜複合材料4を得た。なお、ここで形成された複合金属酸化物薄膜層は、その一部が結晶化していた。
(実施例2)
銅箔の表面に、Ni薄膜の代わりに、スパッタ法により厚さ50nmのCr薄膜を形成した以外は、実施例1と同様にして薄膜複合材料5を得た。
(実施例3)
銅箔の表面に、Ni薄膜の代わりに、めっき法(例えば、奥野製薬工業(株)製、ICPニコロンUを用いた無電解めっき)により厚さ600nmのNi−P薄膜(Ni含有率93重量%)を形成した以外は、実施例1と同様にして薄膜複合材料6を得た。
(実施例4)
溶液Bのスピンコート回数を12回から4回に変更した以外は、実施例1と同様にして薄膜複合材料7を得た。
(実施例5)
溶液Bのスピンコート回数を12回から20回に変更した以外は、実施例1と同様にして薄膜複合材料8を得た。
(実施例6)
溶液Bのスピンコート回数を12回から2回に変更した以外は、実施例1と同様にして薄膜複合材料9を得た。
(実施例7)
溶液Bのスピンコート回数を12回から24回に変更した以外は、実施例1と同様にして薄膜複合材料10を得た。
(実施例8〜13)
Ba、Sr、オルトチタン酸エチルの配合量をそれぞれ下記表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ薄膜複合材料11〜16を得た。
Figure 2008258555
上記のようにして得られた薄膜複合材料1〜16について、それぞれの金属箔膜層の厚み、複合金属酸化物層の厚み、ならびに複合金属酸化物層中のBa、SrおよびTiのモル比を表2に示す。なお、各層の厚みは以下のとおり測定した。
・厚み測定:薄膜複合材料1〜16を各々集束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて掘削し、露出した断面を走査型イオン顕微鏡(SIM)により観察して、複合金属酸化物薄膜層及び金属薄膜層の厚さを測長した。
<薄膜複合材料の評価>
(キャパシタの作製)
上記で得た薄膜複合材料1〜16のそれぞれの複合金属酸化物薄膜層側の表面に、1mm×1mmの大きさの上部電極をAuの蒸着により形成した(電極厚み0.1μm)。ついで、上部電極近傍の複合金属酸化物薄膜層および金属薄膜層をダイヤモンドペンで削って銅箔を露出させることで、各薄膜複合材料について30個のキャパシタを作製した。
(評価)
上記で得られたキャパシタの歩留まり、静電容量、容量温度係数を以下のとおり測定した。結果を表2に示す。なお、静電容量と容量温度係数は測定が可能だったキャパシタの平均値を示す。
・歩留まり:30個作成したキャパシタのうち、静電容量の測定が可能であったものの数をカウントした。
・静電容量:コンデンサの上部電極と露出させた銅箔(下部電極)との間の静電容量をキャパシタの静電容量とみなし、アジレント・テクノロジー社製4285A型プレシジョン・LCRメータを用いて、25℃と85℃における周波数1MHzでの値を測定した。
・容量温度係数:25℃でのキャパシタの静電容量と85℃でのキャパシタの静電容量との差を、25℃でのキャパシタの容量で除して算出した。
Figure 2008258555
表2に示されるように、実施例1〜11、13(薄膜複合材料1、5〜14、16)ではいずれも静電容量が大きいキャパシタが歩留まり良く得られたことが明らかであり、容量温度係数は+250ppm/℃〜−250ppm/℃に調整することができた。
これに対し、比較例1(薄膜複合材料2)では、複合金属酸化物薄膜層に割れが発生し、キャパシタを形成することができなかった。また、比較例2(薄膜複合材料3)では、金属薄膜層を形成しなかったために、絶縁性が低く静電容量を測定することができなかった。
また、比較例3(薄膜複合材料4)では銅箔の変質が起こり、絶縁性が低く歩留まりが著しく低かった。
<電子部品用材料の作製>
(実施例14)
実施例1で作製した薄膜複合材料1のアモルファス複合金属酸化物薄膜層側の表面に、無電解Ni−Pめっきにより厚さ0.5μmのNi−P薄膜を形成し、さらに当該Ni−P薄膜を給電層として電気Cuめっきにより厚さ9.5μmのCu厚膜を形成することで、厚さ10μmの導体層を形成し、電子部品用材料1を得た。なお、電子部品用材料1の厚さは45.9μmであり、取り扱い性が良好だった。
(実施例15)
厚さ35μmの銅箔の代わりに、厚さ70μmの銅箔を用い、実施例1と同様にして薄膜複合材料を作製し、ついで、この薄膜複合材料のアモルファス複合金属酸化物薄膜層側の表面に、実施例14と同様にして厚さ20μmの導体層(Ni−P薄膜の厚み1μm、Cu厚膜の厚み19μm)を形成して、電子部品用材料2を得た。電子部品用材料2の厚さは90.9μmであり、取り扱い性は良好だった。
(実施例16)
厚さ35μmの銅箔の代わりに、厚さ18μmの銅箔を用い、実施例5と同様にして薄膜複合材料を作製し、ついで、この薄膜複合材料のアモルファス複合金属酸化物薄膜層側の表面に、実施例14と同様にして厚さ5μmの導体層(Ni−P薄膜の厚み0.3μm、Cu厚膜の厚み4.7μm)を形成して、電子部品用材料3を得た。電子部品用材料3の厚さは23.9μmであり、取り扱い性は良好だった。
<電子部品用材料の評価>
(実施例17)
(キャパシタの作製)
実施例14で作製した電子部品用材料1の導体層上に、フォトリソグラフ法によりアルカリ現像型レジスト(例えば、日立化成工業(株)製、H−9040)を形成した後、10重量%塩化第二鉄水溶液によりCu厚膜及びNi−P薄膜をエッチングすることで、5mm×5mmの大きさの電極を8行8列(64個)形成した。ついで、レジストを5重量%水酸化ナトリウム水溶液により剥離した後、電極が形成された電子部品用材料1をダイサーで64個の個片に分割して、5mm×5mmの大きさの上部電極を備えたキャパシタを64個得た。キャパシタの厚さは45.9μmであった。
(評価)
上記で得たキャパシタの静電容量および容量温度係数を、前述と同様に測定、算出したところ、静電容量(64個の平均値、25℃)は9.48nFであり、容量温度係数36ppm/℃であった。
(実施例18)
(キャパシタの作製)
実施例16で作製した電子部品用材料3の導体層上に、フォトリソグラフ法によりアルカリ現像型レジスト(例えば、日立化成工業(株)製、H−9040)を形成し、10重量%塩化第二鉄水溶液によりCu厚膜及びNi−P薄膜をエッチングして、10mm×10mmの大きさの電極を7行7列(49個)形成した。ついで、レジストを5重量%水酸化ナトリウム水溶液により剥離した後、電極が形成された電子部品用材料3をダイサーで49個の個片に分割して、10mm×10mmの大きさの上部電極を備えたキャパシタを49個得た。キャパシタの厚さは23.9μmであった。
(評価)
上記で得たキャパシタの静電容量および容量温度係数を、前述と同様に測定、算出したところ、静電容量(49個の平均値、25℃)は23.07nFであり、容量温度係数は29ppm/℃であった。
本発明の薄膜複合材料の一実施形態を示す断面模式図である。 本発明の薄膜複合材料の他の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の電子部品用材料の一実施形態を示す断面模式図である。 本発明の電子部品の一実施形態を示す断面模式図である。
符号の説明
1 薄膜複合材料
2 アモルファス複合金属酸化物薄膜層
3 金属薄膜層
4 銅箔
5 アモルファス複合金属酸化物薄膜層
5a アモルファス複合金属酸化物薄膜層
5b 5aと組成の異なるアモルファス複合金属酸化物薄膜層
6 電子部品用材料
7 導体層
8 電子部品
9 電極
10 個片に分割されたアモルファス複合金属酸化物層
11 個片に分割された金属薄膜層
12 個片に分割された銅箔

Claims (32)

  1. 銅箔、
    前記銅箔の一方の表面に形成され、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層、ならびに
    前記金属薄膜層表面に形成され、構成元素としてBaおよび/またはSrと、Tiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層、
    を有する薄膜複合材料。
  2. 前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である請求項1に記載の薄膜複合材料。
  3. 前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である請求項1または2に記載の薄膜複合材料。
  4. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜複合材料。
  5. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜複合材料。
  6. 銅箔、
    前記銅箔の一方の表面に形成され、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層、
    前記金属薄膜層表面に形成され、構成元素としてBaおよび/またはSrと、Tiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層、ならびに
    前記複合金属酸化物薄膜層表面に形成された導体層、
    を有する電子部品用材料。
  7. 前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である請求項6記載の電子部品用材料。
  8. 前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である請求項6または7記載の電子部品用材料。
  9. 前記銅箔、前記金属薄膜層、前記複合金属酸化物薄膜層及び前記導体層の厚さの総和が10〜100μmの範囲である請求項6〜8のいずれかに記載の電子部品用材料。
  10. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である請求項6〜9のいずれかに記載の電子部品用材料。
  11. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である請求項6〜10のいずれかに記載の電子部品用材料。
  12. 銅箔、
    前記銅箔の一方の表面に形成され、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層、
    前記金属薄膜層表面に形成され、構成元素としてBaおよび/またはSrと、Tiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層、ならびに
    前記複合金属酸化物薄膜層表面に形成された電極、
    を有する電子部品。
  13. 前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である請求項12記載の電子部品。
  14. 前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である請求項12または13記載の電子部品。
  15. 前記銅箔、前記金属薄膜層、前記複合金属酸化物薄膜層及び前記電極の厚さの総和が10μm〜100μmの範囲である請求項12〜14のいずれかに記載の電子部品。
  16. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である請求項12〜15のいずれかに記載の電子部品。
  17. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である請求項12〜16のいずれかに記載の電子部品。
  18. 銅箔の一方の表面に、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層を形成する工程、ならびに
    前記金属薄膜層表面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を形成する工程、
    を有し、少なくとも前記複合金属酸化物薄膜層を形成する際、400℃以下の温度で熱処理する薄膜複合材料の製造法。
  19. 前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である請求項18記載の薄膜複合材料の製造法。
  20. 前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である請求項18または19記載の薄膜複合材料の製造法。
  21. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である請求項18〜20のいずれかに記載の薄膜複合材料の製造法。
  22. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲であることを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載の薄膜複合材料の製造法。
  23. 銅箔の一方の表面に、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層を形成する工程、
    前記金属薄膜層表面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を形成する工程、ならびに
    前記複合金属酸化物薄膜層表面に導体層を形成する工程、
    を有し、少なくとも前記複合金属酸化物薄膜層を形成する際、400℃以下の温度で熱処理する電子部品用材料の製造法。
  24. 前記形成する金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である請求項23記載の電子部品用材料の製造法。
  25. 前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である請求項23または24記載の電子部品用材料の製造法。
  26. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である請求項23〜25のいずれかに記載の電子部品用材料の製造法。
  27. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である請求項23〜26のいずれかに記載の電子部品用材料の製造法。
  28. 銅箔の一方の表面に、Cr、Ni、AuおよびAgから選ばれる一種以上の金属を含む金属薄膜層を形成する工程、
    前記金属薄膜層表面に、構成元素としてBaおよび/またはSrとTiとを含むアモルファス複合金属酸化物薄膜層を形成する工程、
    前記複合金属酸化物薄膜層表面に導体層を形成する工程、ならびに
    前記導体層の不要な箇所をエッチング除去して電極を形成する工程、
    を有し、少なくとも前記複合金属酸化物薄膜層を形成する際、400℃以下の温度で熱処理する電子部品の製造法。
  29. 前記金属薄膜層の厚さが50nm〜1μmの範囲である請求項28記載の電子部品の製造法。
  30. 前記複合金属酸化物薄膜層の厚さが100nm〜700nmの範囲である請求項28またはは29記載の電子部品の製造法。
  31. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれるBaとSrとのモル比が、100:0〜75:25の範囲である請求項28〜30のいずれかに記載の電子部品の製造法。
  32. 前記複合金属酸化物薄膜層に含まれる(Ba+Sr)とTiとのモル比が、45:55〜15:85の範囲である請求項28〜31のいずれかに記載の電子部品の製造法。
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