JP4118884B2 - キャパシタ層形成材の製造方法 - Google Patents

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Description

本件出願に係る発明は、キャパシタ層形成材の製造方法に関する。
本件発明に言うキャパシタ層形成材は、上部電極形成に用いる第1導電層と下部電極形成に用いる第2導電層との間に誘電層を備える構成を持つものである。そして、当該第1導電層と第2導電層とは、エッチング加工等によりキャパシタ回路を形成するように加工され、特許文献1に開示されているように、プリント配線板等の電子材料を構成する材料として用いられるのが一般的である。
そして、前記誘電層は、絶縁性を有し、一定量の電荷を蓄積するためのものである。このような誘電層の形成方法には、種々の方法が採用されているが、化学的気相反応法(CVD法)、スパッタリング蒸着法、ゾル−ゲル法を用いるのが一般的である。例えば、特許文献2には、化学的気相反応法を用いるものとして、下地上に400℃より低い温度で非晶質状SrTiO系薄膜を堆積する工程と、該非晶質状SrTiO系薄膜をレーザアニールまたはラピッドサーマルアニール処理して結晶化させ、SrTiO系薄膜を得る工程とを含む製造方法が開示されている。この方法で得られた誘電層は、高い誘電率を有するSrTiO系薄膜を得ることを目的としている。
次に、特許文献3には、スパッタリング蒸着法を用いたものとして、基板上の任意の層に下部電極、高誘電率の誘電体、上部電極が積層された薄膜キャパシタにおいて、該高誘電率の誘電体が結晶粒と結晶粒界からなる多結晶であって、複数の原子価を取りうる金属イオンを不純物として含有し、該結晶粒内部よりも該結晶粒界近傍に高濃度の該不純物を含有していることを特徴とする薄膜キャパシタが開示され、その複数の原子価を取りうる金属イオンとしてMnイオンが好適であることが開示されている。この方法で得られた薄膜キャパシタは、長期信頼性が高く絶縁破壊に至る時間が長いとある。
更に、特許文献4には、ゾル−ゲル法を用いたものとして、基板表面に水酸化処理を施した後、該基板上に、金属アルコキシドを原料とする酸化物誘電 体薄膜を形成する酸化物誘電体薄膜の製造方法が開示されている。ここで、薄膜として形成できる酸化物誘電体は、誘電特性を有する金属酸化物であって、例えば、ニオブ酸リチウムLiNbO、硼酸リチウムLi、PbZrTiO、BaTiO、SrTiO、PbLaZrTiO、LiTaO、ZnO、Ta等を用いるとある。この方法で得られた、酸化物誘電体薄膜は、配向性に優れ、結晶性の良好な酸化物誘電体薄膜とある。
特表2002−539634号公報 特許第3108797号公報 特開2001−358303号公報 特開平07−294862号公報
しかしながら、上記特許文献2及び特許文献3に開示の化学的気相反応法(CVD法)若しくはスパッタリング蒸着法を用いた誘電層の形成は、真空プロセスを用いるため設備投資費用も大きく、誘電層としての金属酸化物薄膜を広い面積の基板上に形成することが困難、且つ、高価であり経済性に欠けるという問題がある。
これに対し、上記特許文献4に開示のゾル−ゲル法のメリットは、広い面積の基板上にも形成でき、且つ、塗工と加熱工程のみで製造出来るため製造コストが低いというメリットが存在する。一方、ゾル−ゲル法で製造した誘電膜の欠点としては、誘電膜と基材等との密着性が弱く、剥離が起こりやすいという点にある。この欠点を解消するため、誘電層を形成するゾル−ゲル法で得られた酸化物被膜の結晶粒を微細化することが試みられてきたが、誘電体としての電気特性であるリーク電流が大きくなる傾向にあり、絶縁破壊が早くなっていた。
一般的にキャパシタ回路は、余剰の電気を蓄電する等して電子・電気機器の省電力化等を可能にしてきたものであるから、可能な限り大きな電気容量を持つことが基本的な品質として求められる。キャパシタの容量(C)は、C=εε(A/d)の式(εは真空の誘電率)から計算される。特に、最近の電子、電気機器の軽薄短小化の流れから、プリント配線板にも同様の要求が行われることになり、一定のプリント配線板等の基板面積の中で、キャパシタ電極の面積を広く採ることは殆ど不可能であり、表面積(A)の改善に関しては限界がある事は明らかである。特に、近年の電子、電気製品に於いては、より小面積で、高容量の電荷量を蓄積するため、キャパシタ回路の面積を増大させることなくキャパシタ容量を大きくすることが求められる。
以上のことから、市場では、製造コストメリットに優れたゾル−ゲル法を用いた誘電膜であって、従来に無い高い電気容量を備え且つ長寿命のキャパシタ回路を製造出来るキャパシタ層形成材が求められてきた。
そこで、本件発明では、以下に述べるゾル−ゲル法で形成した結晶粒の大きな酸化物誘電膜を採用することで、上記課題を解決出来ることに想到したのである。
本件発明に係るキャパシタ層形成材の製造方法:本件発明に係るキャパシタ層形成材の製造方法は、上部電極形成に用いる第1導電層と下部電極形成に用いる第2導電層との間に、厚さ方向及び平面方向に粗大成長した55nm〜300nmの結晶粒径を備え、マンガンを0.01mol%〜3.00mol%含有する(Ba 1−x Sr )TiO (0≦x≦1)組成の厚さ20nm〜1μmの酸化物誘電膜を誘電層として備えるプリント配線板用のキャパシタ層形成材の製造方法であって、以下の(a)〜(d)の工程を備えることを特徴とするキャパシタ層形成材の製造方法。
(a)(Ba1−x Sr)TiO(0≦x≦1)で表される組成を備え、更にマンガンを0.01mol%〜3.00mol%含有する酸化物誘電膜を製造するためのゾル−ゲル溶液を調製するための溶液調製工程。
(b)前記ゾル−ゲル溶液を第2導電層とする金属箔の表面に塗工し、酸素含有雰囲気中で120℃〜250℃×1分〜10分の条件で乾燥し、酸素含有雰囲気中で290℃〜390℃×5分〜30分の条件で熱分解を行う工程を複数回繰り返し膜厚調整を行う塗工工程。
(c)そして、最終的に550℃〜800℃×10分〜40分の不活性ガス置換での焼成処理を行い、結晶内に粒径が55nm〜300nmの粗大化した酸化物結晶組織を含んだ厚さ20nm〜1μmの誘電層とする焼成工程。
(d)得られた誘電層の上に第1導電層を形成しキャパシタ層形成材とする第1導電層形成工程。
本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材の第1導電層と第2導電層との間に位置する誘電層を、ゾル−ゲル法で形成した粗大化した酸化物結晶粒を含む酸化物誘電膜を採用することで、このキャパシタ層形成材を用いて製造したキャパシタ回路のリーク電流を小さくし、高容量で、且つ、キャパシタ回路としての長寿命化が可能となる。更に、ここにマンガンを0.01mol%〜3.00mol%含有させることで、リーク電流を更に減少させ、キャパシタ回路としての長寿命化を可能とする。また、本件発明に係るキャパシタ層形成材の製造方法を採用することで、ゾル−ゲル法を用いての当該キャパシタ層形成材の効率の良い製造が可能となる。
(本件発明に係るキャパシタ層形成材の製造方法)
本件発明に係るキャパシタ層形成材の製造方法は、上部電極形成に用いる第1導電層と下部電極形成に用いる第2導電層との間に、厚さ方向及び平面方向に粗大成長した55nm〜300nmの結晶粒径を備え、マンガンを0.01mol%〜3.00mol%含有する(Ba 1−x Sr )TiO (0≦x≦1)組成の厚さ20nm〜1μmの酸化物誘電膜を誘電層として備えるキャパシタ層形成材の製造するものであって、以下の(a)〜(d)の工程を備えることを特徴とするものである。
(a) 所望の酸化物誘電膜を製造するためのゾル−ゲル溶液を調製するための溶液調製工程。この工程に関して、特段の制限はなく、市販の調製剤を使用しても、自らが配合しても構わない。結果として、(Ba1−x Sr)TiO(0≦x≦1)で表される組成を備え、更にマンガンを0.01mol%〜3.00mol%含有する酸化物誘電膜を得ることが出来ればよいのである。
(b) 前記ゾル−ゲル溶液を第2導電層とする金属箔の表面に塗工し、酸素含有雰囲気中で120℃〜250℃×1分〜10分の条件で乾燥し、酸素含有雰囲気中で290℃〜350℃×5分〜30分の条件で熱分解を行う工程を複数回繰り返し膜厚調整を行う塗工工程。この工程が、従来のゾル−ゲル法での製造方法と異なり、製造方法上の特徴を備えるものとなる。ここで、ゾル−ゲル溶液を第2導電層とする金属箔の表面に塗工する際の塗工手段に関しては、特に限定を要さない。しかしながら、膜厚の均一性及びゾル−ゲル溶液の特質等を考慮する限り、スピンコータを用いることが好ましい。
そして、ゾル−ゲル溶液の塗工が完了すると、酸素含有雰囲気中で120℃〜250℃×1分〜10分の条件で乾燥し、酸素含有雰囲気中で290℃〜390℃×5分〜30分の条件で熱分解を行う。このときの乾燥条件は、120℃〜250℃×1分〜10分の条件で行われ、この条件を外れると、乾燥が不十分で後の熱分解後の誘電膜表面に粗れが生じたり、乾燥が過剰になると、後の熱分解反応が不均一になり得られる誘電膜の場所的な品質バラツキを生じやすくなる。この乾燥及び熱分解を行うときには、酸素含有雰囲気で行う。即ち、還元雰囲気で行うと有機物の分解が促進されない。
上記乾燥が終了すると、酸素含有雰囲気中で290℃〜390℃×5分〜30分の条件で熱分解を行う。ここで、採用した熱分解温度が極めて特徴的である。従来の熱分解温度には450℃〜550℃の温度範囲が採用されてきた。これに対し、本件発明に係る製造方法では、第2導電層の余分な酸化を防止するため290℃〜390℃という低温域での熱分解温度を採用しているのである。ここで熱分解温度を290℃未満とすると、いかに長時間の加熱を続けても良好な熱分解が起こりにくく、生産性に欠けると共に、良好なキャパシタ特性が得られない。一方、誘電膜は、第2導電層の表面上に形成するものであり、390℃を超える加熱を行うと、誘電膜と第2導電層との界面に於いて、第2導電層の表面の酸化が顕著に見られるようになる。しかしながら、大量生産を行う上での工程のバラツキと品質の安全性を考慮すると、それ以下の温度である370℃程度を上限とする事が好ましい。そして、加熱時間は、採用する分解温度とゾル−ゲル溶液の性状によって決められるものであるが、上記の加熱温度範囲を採用することを前提に、5分未満の加熱では十分な熱分解が行えない。また、加熱時間が30分を超えると、上記温度範囲でも第2導電層表面の酸化が進行するのである。
上述した(b)の工程は、複数回繰り返され、所望の膜厚とする調整が行われる。繰り返し行うときの、乾燥及び熱分解条件に関しても、上述と同様の条件を用いることが出来る。
(c) そして、最終的に550℃〜800℃×10分〜40分の不活性ガス置換雰囲気での焼成処理を行い、結晶内に粒径が55nm〜300nmの粗大化した酸化物結晶組織を含んだ厚さ20nm〜1μmの誘電層とする焼成工程。この焼成工程を経て、最終的な誘電層となる。この焼成工程では、金属材である第2導電層の酸化劣化を防止するため、不活性ガス置換雰囲気で加熱を行う。このときの加熱温度には、550℃〜800℃×10分〜40分の条件を採用する。この温度条件未満の加熱では、焼成が困難であり、第2導電層との密着性に優れ、酸化物結晶組織が適度に肥大化した良好な誘電膜が得られないのである。そして、この温度条件を超える過剰の加熱を行うと、誘電膜の劣化及び第2導電層の物理的強度の劣化が進行し、機械的強度に優れたキャパシタ層形成材が得られないばかりか、キャパシタ特性である高い電気容量及び長寿命化が図れなくなる。
(d) 得られた誘電層の上に第1導電層を形成しキャパシタ層形成材とする第1導電層形成工程。この工程では、得られた誘電層の上に第1導電層を形成する方法としては、金属箔を用いて張り合わせる方法、メッキ法で導電層を形成する方法、スパッタリング蒸着等の方法を採用することが可能である。
(本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材の形態
本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材の基本的構成は、上部電極形成に用いる第1導電層と下部電極形成に用いる第2導電層との間に誘電層を備えるキャパシタ層形成材において、当該誘電層は、ゾル−ゲル法で形成した酸化物誘電膜であり、当該誘電層の厚さ方向及び平面方向に成長した粗大化結晶組織であり、且つ、粒径(長径)が55nm〜300nmの酸化物結晶組織を含むことを特徴としたものである。
誘電層: このキャパシタ層形成材の誘電層には、高容量に電荷を蓄えるための高い電気容量が求められ、蓄積した電荷が流出するリーク電流は小さな程好ましいものである。そこで、本件発明者等が、本件発明に係るものと同様の構成を持つキャパシタ層形成材を用いて、キャパシタ回路を形成し、リーク電流の発生の容易性及びメカニズムを検証した。その結果、ゾル−ゲル法で形成した酸化物誘電膜を誘電層とした場合のリーク電流は、酸化物誘電膜の結晶粒界及び格子欠陥を経由して流れる可能性の高いことが判明してきた。即ち、酸化物誘電膜の組織が微細で、結晶粒界の多い状態でのリーク電流は大きくなる。これに対して、酸化物誘電膜の組織が一定の範囲に粗大化し、結晶粒界の少ない状態でのリーク電流は小さく、高容量の誘電層となることが判明した。
そこで、本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材において、前記誘電層を構成する酸化物誘電膜は、その厚さ方向又は平面方向に成長し、且つ、粒径(長径)が50nm〜300nmの酸化物結晶組織を備えるものとする事が好ましいのである。ここで、上部電極2と下部電極3との間にある誘電層4の結晶組織の状態を模式的に示した図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は、本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材の誘電層のイメージを示したものである。これに対し、図2は、従来のゾル−ゲル法で得られた酸化物誘電膜の結晶状態を模式的に示したものである。
従来のゾル−ゲル法で得られた酸化物誘電膜の結晶状態は、図2に示すように微細な結晶粒が存在しているため、透過電子顕微鏡を使用しても結晶粒界が明瞭には捉えられず、上部電極2と下部電極3との間のリーク電流の流路となる結晶粒界が多くなる。この微粒化結晶部位6の結晶粒界の様子を図面上で表すことは困難であり、単一層として見えるがX線回折によれば一定の結晶性を持っていることが確認出来る。これに対し、本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材の誘電層の結晶組織は、図1に示すような粗大化結晶部位5を備えている。このような結晶組織であれば、上部電極2と下部電極3との間のリーク電流の流路となる結晶粒界が少なくなる。そこで、本件発明者等が確認すると、当該誘電層の粗大化結晶組織が厚さ方向及び平面方向に成長し、且つ、粒径(長径)が50nm〜300nmの酸化物結晶組織を含むものとした場合に、リーク電流が少なくなり、且つ高電気容量の誘電層となり、更に長期使用に耐える長寿命化が達成出来る事が判明した。ここで言う粒径とは、キャパシタ層形成材の断面を、集束イオンビーム加工し、透過型電子顕微鏡で1000000倍で観察したときの観察像から直接観察した粗大粒の長径を測定した結晶粒の大きさであり、厳密な意味での粒径とは言えないが、粗大化した結晶粒の存在を明確にする為の指標としては何ら問題はない。
ここで、酸化物結晶組織の粒径(長径)が50nm未満のものしか存在しない場合には、従来のゾル−ゲル法で得られた酸化物誘電膜と比較して、リーク電流の減少も、電気容量の増加も顕著とならない。一方、酸化物結晶組織の粒径(長径)が300nmを超えるレベルの結晶粒を得るためには、極めて特殊な製造条件を適用しなければならず、実質的な工業的規模での生産が不可能な範囲である。
そして、上記酸化物誘電膜の結晶粒界及び粒内にマンガンを含ませることが好ましい。このマンガンは、誘電膜の内部ではマンガン酸化物として存在していると考えられ、ゾル−ゲル法で得られた酸化物誘電膜の結晶粒界に偏析させることを一義とし、リーク電流の流路を遮断するために用いるのである。このとき当該酸化物誘電膜に含ませるマンガン量は0.01mol%〜3.00mol%とすることが好ましい。当該マンガン量が0.01mol%未満の場合には、ゾル−ゲル法で得られた酸化物誘電膜の結晶粒界へのマンガンの偏析が不十分であり、良好なリーク電流の減少効果が得られない。一方、当該マンガン量が3.00mol%を超える場合には、ゾル−ゲル法で得られた酸化物誘電膜の結晶粒界へのマンガンの偏析が過剰になり、誘電膜が脆く靱性が失われ、エッチング法で上部電極形状等を加工する際のエッチング液シャワー等により誘電層破壊が起こる等の不具合が生じやすくなるのである。また、マンガン量が過剰となると、以下に述べる製造方法での酸化物結晶組織の成長が抑制される傾向もある。従って、マンガンを、上述の範囲で含む組成を採用することで、キャパシタとしての電気容量を大幅に上昇させ、リーク電流をより小さくして長寿命化を達成するのである。なお、より好ましくは、当該酸化物誘電膜に含ませるマンガン量は0.25mol%〜1.50mol%である。より確実に酸化物誘電膜の品質を確保するためである。なお、酸化物誘電膜とは、ペロブスカイト構造を持つ誘電膜のことであり、この酸化物誘電膜に酸化マンガン成分が含まれているとの明示の無き限り、酸化マンガンを含まない。
また、マンガンが酸化物結晶格子内に置換配置する場合も想定される。一般に酸化物誘電膜は、低酸素分圧下での結晶化により酸素欠損を生じる。このためチタンの価数が4価から3価に還元され、この価数の異なるチタン原子間の電子ホッピングにより絶縁性が低下するとされる。しかし、適切な量のマンガンが、酸化物結晶内に置換固溶した場合、2価ないし3価の原子価配置をとり、酸素欠損を補償することができ、チタンの還元が起こらず絶縁性を向上させる効果が期待できる。
そして、本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材の前記誘電層は、厚さが20nm〜1μmであることが好ましい。この誘電層の厚さが薄いほど電気容量が向上するため、より薄いほど好ましいのであるが、誘電層の厚さが20nm未満となると、例え誘電層の酸化物結晶を大きくしても、リーク電流を小さくする効果が小さくなり、絶縁破壊が早期に起こるため長寿命化が出来ない。これに対し、電気容量が小さくても良いのであれば、誘電膜の厚さは厚くて構わない。しかしながら、市場に求められているキャパシタ回路の電気容量等の要求値を考えるに、この程度の厚さが上限と考える。
そして、本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材を構成する前記酸化物誘電膜は、Ba1−x Sr)TiO(0≦x≦1)で表される組成を備え、更にマンガンを0.01mol%〜3.00mol%含有することが好ましい。ここで、(Ba1−x Sr)TiO(0≦x≦1)膜において、x=0の場合にはBaTiO組成を意味し、x=1の場合にはSrTiO組成を意味するものとなる。しかしながら、この中間組成として、(Ba0.7 Sr0.3)TiO等が存在する。
第2導電層(下部電極): 本件発明において、ニッケル層又はニッケル合金層を第2導電層として採用したのは、次に述べる4点の理由からである。(1)金属箔としての入手が可能で、その箔状態のままで、その表面にゾル−ゲル法による誘電層の形成が可能である。(2)ゾル−ゲル法で誘電層を形成するときに負荷される過酷な熱履歴に対しての耐酸化性、抗軟化特性が優れている。(3)ニッケル合金組成を変化させることで、一定レベルで誘電層との密着性が制御出来る。(4)単一成分の金属層とすることで、エッチング法により、下部電極形状を形成するときのファインなキャパシタ回路の形成が可能となる。
ここで言うニッケル層又はニッケル合金層は、主に金属箔を用いることを意図している。従って、ニッケル層とは、所謂純度が99.9%(その他、不可避不純物)以上の純ニッケル箔で形成される層である。そして、ニッケル合金層とは、例えばニッケル−リン合金を用いて形成される層である。ここで言うニッケル−リン合金のリン含有量は0.1wt%〜11wt%である事が好ましい。ニッケル−リン合金層のリン成分は、キャパシタ層形成材の製造及び通常のプリント配線板の製造プロセスにおいて高温負荷されることがあれば、誘電層の内部に拡散し、誘電層との密着性を劣化させ、誘電率にも変化を与えていると考えられる。しかしながら、適正なリン含有量を備えたニッケル−リン合金層は、キャパシタとしての電気特性を向上させる。リン含有量が0.1wt%未満の場合には、純ニッケルを用いた場合と変わらないものとなり、合金化することの意義が失われるのである。これに対し、リン含有量が11wt%を超えると、誘電層の界面にリンが偏析し、誘電層との密着性が劣化し、剥離しやすいものとなるのである。従って、リン含有量は、0.1wt%〜11wt%の範囲が好ましい。そして、誘電層とのより安定した密着性を確保するためには、リン含有量が0.2wt%〜3wt%の範囲であれば工程に一定のバラツキがあっても安定した品質のキャパシタ回路の形成が可能となる。なお、最適な範囲を敢えて指摘するならば、リン含有量が0.25wt%〜1wt%で最も良好な誘電層との密着性を確保し、同時に良好な誘電率をも確保出来るのである。なお、本件発明におけるニッケル含有量は、[P成分重量]/[Ni成分重量]×100(wt%)として換算した値である。
本件発明に言うニッケル箔及びニッケル合金箔とは、圧延法及び電解法等で得られた物の全てを含む。そして、金属箔の最表層に、これらニッケル若しくはニッケル合金層を備えた複合箔の如きものも含む概念として記述している。例えば、第2導電層を構成する材料として、銅箔の表面にニッケル層若しくはニッケル合金層を備えた複合材を用いることもできる。
このような物性を備える限り、フッ素樹脂基板、液晶ポリマー等を基板材料としたプリント配線板での、300℃〜400℃の高温加工プロセスを経ても強度の劣化は殆ど無く、結果として、この金属箔を第2導電層に用いたキャパシタ層形成材の品質劣化も殆ど無いことになる。なお、本件発明に言うニッケル箔及びニッケル合金箔の結晶組織は、結晶粒が可能な限り細かく強度を向上させたものであることが好ましい。更に具体的に言えば、平均結晶粒径0.5μm以下のレベルに微細化され、機械的強度の高い物性を備えることが好ましいのである。
そして、ニッケル層又はニッケル合金層の厚みが10μm〜100μmであることが好ましいのである。上記厚みが10μm未満では、金属箔として見たときのハンドリング性に著しく欠け、その表面へ誘電層を形成する事が極めて困難となる。
以上に述べてきた第2導電層の構成に用いるニッケル箔又はニッケル合金箔は、電解法若しくは圧延法で製造したものを用いることが可能である。これらの製造方法に関して、特に限定はない。特に、圧延法は、インゴットの成分を冶金的プロセスで調整し、それを適当な焼鈍作業を行いつつ圧延ロールで箔状へと加工するものであり、従来からの手法を採用すれば足りるのである。
これに対し、電解法の場合には、その電解液、電解条件等により析出する金属組織が異なり、結果として物理的強度にも影響を与える。しかしながら、ニッケル層を形成する場合は、ニッケルメッキ液として知られる溶液を広く使用することが可能である。例えば、(i)硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が5〜30g/l、液温20〜50℃、pH2〜4、電流密度0.3〜10A/dmの条件、(ii)硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が5〜30g/l、ピロリン酸カリウム50〜500g/l、液温20〜50℃、pH8〜11、電流密度0.3〜10A/dmの条件、(iii)硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が10〜70g/l、ホウ酸20〜60g/l、液温20〜50℃、pH2〜4、電流密度1〜50A/dmの条件、その他一般のワット浴の条件とする等である。
そして、ニッケル−リン合金箔を電解で製造する場合には、リン酸系溶液を電解液として用いる。この場合、(i)硫酸ニッケル濃度120g/l〜180g/l、塩化ニッケル濃度35g/l〜55g/l、HPO濃度3g/l〜5g/l、HPO濃度2g/l〜4g/l、液温70℃〜95℃、pH0.5〜1.5、電流密度5A/dm〜50A/dmの条件、(ii)硫酸ニッケル濃度が180g/l〜280g/l、塩化ニッケル濃度30g/l〜50g/l、HBO濃度16g/l〜25g/l、HPO濃度1g/l〜5g/l、液温45℃〜65℃、電流密度5A/dm〜50A/dmの条件等を採用するのである。また、市販の無電解メッキ液を用いて、無電解法にてニッケル−リン合金層を形成する事も可能であるが製膜速度の点で工業的生産性を満足しない。
(当該キャパシタ層形成材を用いたプリント配線板)
本件発明に係る製造方法で得られたキャパシタ層形成材は、多層プリント配線板の内蔵キャパシタ層の形成に好適に用いることが出来る。当該キャパシタ層形成材の両面にある第1導電層と第2導電層とキャパシタ回路形状をエッチング法で形成し、多層プリント配線板の構成材料として用いるのである。また、第2導電層に上述のニッケル又はニッケル合金を用いることで、誘電層との密着性に優れた下部電極を形成することが可能となり、当該下部電極は耐熱性に優れた素材であるため、300℃〜400℃の範囲の熱間プレス加工を複数回経ても、酸化劣化も起こらず、物性変化も起こしにくいものである。この本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材を用いての内蔵キャパシタ回路を備えるプリント配線板の製造方法に関して、特段の限定はなく、あらゆる方法を採用する事が可能となる。
<第2導電層用箔の製造>
ここでは、圧延法で製造した50μm厚さのニッケル箔を使用した。なお、圧延法で製造したニッケル箔の厚さはゲージ厚さとして示したものである。
<キャパシタ層形成材の製造>
上述のニッケル箔を、キャパシタ層形成材の下部電極の形成に用いる第2導電層の形成に用いることとし、当該ニッケル箔の表面にゾル−ゲル法を用いて誘電層を形成した。ゾル−ゲル法で誘電層を形成する前のニッケル箔は、前処理として、250℃×15分の加熱を行い、紫外線の1分間照射を行った。
(a)この溶液調製工程では、ゾル−ゲル法に用いるゾル−ゲル溶液を調製した。ここでは、株式会社高純度化学研究所製のST−06(酸化ストロンチウム3wt%〜4wt%、酸化チタン(IV)2wt%〜3wt%、酢酸イソアミル65wt%〜70wt%、1−ブタノール6wt%〜10wt%、有機物系安定化剤13wt%〜15wt%、その他粘度調整剤)と、同社製のMn−03(酸化マンガン(III)2.8wt%〜3.2wt%、テレビン油44wt%〜46wt%、酢酸ブチル22wt%〜24wt%、酢酸エチル7wt%〜8wt%、有機物系安定化剤10wt%〜11wt%、その他粘度調整剤)とを用いて、所望の組成のSrTiO酸化物誘電膜を得られるように調製した。なお、マンガンを含めない場合にはMn−03を用いなかった。
(b)上記ゾル−ゲル溶液を、スピンコータを用いて、前記ニッケル箔の表面に塗工し、150℃×2分の酸素含有雰囲気(大気雰囲気)で乾燥し、330℃×15分の大気雰囲気での熱分解を行い、更にこの塗工工程を6回繰り返し膜厚調整を行った。
(c)そして、最終的に650℃×15分の不活性ガス置換(窒素置換雰囲気)での焼成処理を行い種々の組成の誘電層を形成した。この実施例では、マンガン含有量が0.01mol%〜3.00mol%の範囲で、複数の誘電層を第2導電層の表面に形成した。
(d)以上のようにして形成した誘電層の上に、スパッタリング蒸着法により2μm厚さの銅層を第1導電層として形成し、誘電層の両面に第1導電層と第2導電層とを備える8種のキャパシタ層形成材とした。この段階で、所定の電圧を負荷して、層間耐電圧測定を行ったが、第1導電層と第2導電層との間でのショート現象は見られなかった。また、これらのキャパシタ層形成材の誘電層に含まれる酸化物組織の粗大化結晶の結晶粒径は、55nm〜300nmの範囲にあった。また、図3に本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材1の断面の代表的透過型電子顕微鏡像を示す。この図で、誘電層4は上部電極2と下部電極3との間に位置し、誘電層4の酸化物組織に、粗大結晶化部位5と微細結晶化部位6とが混在しており、粗大結晶化部位5の結晶粒径が把握出来る。
そして、上部電極の電極面積を1mmとした場合の初期の平均容量密度は600nF/cm〜1600nF/cmと非常に高い電気容量を示した。また、絶縁破壊電圧は、従来のゾル−ゲル法で得られた誘電膜の場合3V〜4Vであるのに対し、6V以上という良好な絶縁破壊特性が得られたことが分かる。これらの7つのデータを表1に示す。
比較例
ここで述べる比較例は、実施例1のゾル−ゲル法による誘電層を形成する際にマンガン含有量を5mol%とした点以外、同様の方法を採用した。従って、重複した説明となるため工程に関しての説明は省略し、性能評価結果に関してのみ説明するものとする。
得られたキャパシタ層形成材の誘電層に含まれる酸化物組織の結晶粒径は、ほぼ明瞭な粗大結晶が認められなかった。図4に、この比較例で製造したキャパシタ層形成材1の断面の代表的透過型電子顕微鏡像を示す。この図で、誘電層4は上部電極2と下部電極3との間に位置し、誘電層4の酸化物組織には、粗大結晶化部位5が見られず、微細結晶化部位6のみが存在している。
そして、上部電極の電極面積を1mmとした場合の初期の平均容量密度は450nF/cmと実施例に比べて低い電気容量を示した。また、絶縁破壊電圧は4Vであり、従来レベルの絶縁破壊特性であることが分かる。このデータを表1に実施例1と共に示す。
本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材は、第1導電層と第2導電層との間に位置する誘電層を、ゾル−ゲル法で形成した粗大化した酸化物結晶粒を含む酸化物誘電膜を採用することで、このキャパシタ層形成材を用いて製造したキャパシタ回路のリーク電流を小さくし、高容量で、且つ、キャパシタ回路としての長寿命化が可能となる。更に、ここにマンガンを0.01mol%〜3.00mol%含有させることで、リーク電流を更に減少させ、キャパシタ回路としての長寿命化を可能とする。従って、このキャパシタ層形成材を用いて得られるプリント配線板等は、電子及び電気製品の省電力化に資するものとなる。また、本件発明に係るキャパシタ層形成材の製造方法を採用することで、過大な設備投資の不要なゾル−ゲル法を用いての当該キャパシタ層形成材の効率の良い製造が可能となる。従って、安価で且つ高品質の電子及び電気製品を市場に供給することが可能となる。
本件発明に係る製造方法で得られるキャパシタ層形成材のゾル−ゲル法で形成した誘電層の結晶構造を示す模式断面図である。 キャパシタ層形成材のゾル−ゲル法で形成した誘電層の結晶構造を示す模式断面図である(従来例)。 キャパシタ層形成材の断面を、集束イオンビーム加工し、透過型電子顕微鏡で1000000倍で観察したときの観察像である。 キャパシタ層形成材の断面を、集束イオンビーム加工し、透過型電子顕微鏡で1000000倍で観察したときの観察像である(従来例)。
符号の説明
1 キャパシタ層形成材
2 第1導電層
3 第2導電層
4 誘電層
5 粗大結晶化部位
6 微粒結晶化部位

Claims (1)

  1. 上部電極形成に用いる第1導電層と下部電極形成に用いる第2導電層との間に、厚さ方向及び平面方向に粗大成長した55nm〜300nmの結晶粒径を備え、マンガンを0.01mol%〜3.00mol%含有する(Ba 1−x Sr )TiO (0≦x≦1)組成の厚さ20nm〜1μmの酸化物誘電膜を誘電層として備えるプリント配線板用のキャパシタ層形成材の製造方法であって、
    以下の(a)〜(d)の工程を備えることを特徴とするキャパシタ層形成材の製造方法。
    (a)(Ba1−xSr)TiO(0≦x≦1)で表される組成を備え、更にマンガンを0.01mol%〜3.00mol%含有する酸化物誘電膜を製造するためのゾル−ゲル溶液を調製するための溶液調製工程。
    (b)前記ゾル−ゲル溶液を第2導電層とする金属箔の表面に塗工し、酸素含有雰囲気中で120℃〜250℃×1分〜10分の条件で乾燥し、酸素含有雰囲気中で290℃〜390℃×5分〜30分の条件で熱分解を行う工程を複数回繰り返し膜厚調整を行う塗工工程。
    (c)そして、最終的に550℃〜800℃×10分〜40分の不活性ガス置換での焼成処理を行い、結晶内に粒径が55nm〜300nmの粗大化した酸化物結晶組織を含んだ厚さ20nm〜1μmの誘電層とする焼成工程。
    (d)得られた誘電層の上に第1導電層を形成しキャパシタ層形成材とする第1導電層形成工程。
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