JP4929973B2 - 樹脂基板内蔵用キャパシタ材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板に内蔵される誘電体薄膜キャパシタ材料およびその製造方法、ならびに前記キャパシタ材料が搭載された電子機器に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、プリント配線板の高密度化への要求が強まっている。そこで、プリント配線板に電子部品を搭載する際に、実装効率を高めるためにインダクタ、キャパシタ、レジスタ等の受動部品を基板内に内蔵する受動素子内蔵基板が開発されている。基板内蔵用のキャパシタ材料には、既存のチップ部品を埋め込む方法と、キャパシタを作り込む方法がある。このうち、キャパシタを作り込む方法は、内蔵基板を薄く成型できることから、小型化に有利とされる。
このようなキャパシタ材料の基本構造は、誘電率が高い絶縁材料(以下、誘電体と称す)が上部電極と下部電極に挟まれた構造であり、誘電体の構成としては、樹脂中に誘電率が高いセラミックス粒子を分散させた、膜厚が数μm以上のセラミックス分散樹脂厚膜や、誘電率が高く、膜厚が1μm以下のセラミックス薄膜などがある。セラミックス分散樹脂厚膜の作製方法としては、樹脂が溶解した溶剤中にチタン酸バリウムなどの高誘電率セラミックスを分散させたワニスを、下部電極上にスクリーン印刷して乾燥・硬化する方法、セラミックス薄膜の作製方法としては、スパッタ法、CVD法やゾル-ゲル法などを利用して下部電極上に誘電体セラミックス膜を形成する方法が一般的である(例えば、非特許文献1参照)。
このうち、誘電体セラミックス膜を形成する方法の一つであるゾル-ゲル法では、金属アルコキシドや金属塩を有機溶媒に溶かした前駆体溶液を、スピンコート法やディップ法などの手法を用いて下部電極上に塗布し、有機溶媒を除去するために数100℃で仮焼する。これにより、下部電極上に誘電体膜を形成する。通常はこの誘電体膜上に再度前駆体溶液を塗布して仮焼し、塗布と仮焼の操作を繰り返すことにより、所望の膜厚を持つ誘電体膜を形成する。このようにして形成した誘電体膜は通常アモルファスであり、最後に誘電体の結晶化温度よりも高い温度で焼成することにより、結晶化した誘電体膜とすることもできる。以上がゾル-ゲル法による誘電体膜の一般的な作製方法であるが、クラックの発生を防止するため1層あたりの膜厚は通常100nm以下であり、100nm以上の膜厚を得るには塗布と乾燥を繰り返す必要があるため、効率的ではないという問題点がある。
一方、CVDなどの気相法では、下部電極となる基材を加熱しながら、誘電体の構成成分となる金属イオンなどを下部電極上に堆積させる。このとき、少量の酸素プラズマを注入しながら誘電体を堆積させる場合もある。誘電体膜の膜厚は堆積速度をコントロールすることにより制御し、誘電体の結晶性は下部電極の加熱温度により制御する。このような気相法は、装置が高価な上、真空装置を必要とするため、ロール上への塗工など連続生産や量産化には不向きである。
上述の方法により誘電体を形成した後、上部電極として誘電体表面に金属などの導電性材料を形成してキャパシタとした場合には、以下のような問題点がある。
まず、ゾル-ゲル法により誘電体膜を形成する場合、前駆体溶液を下部電極上に塗布するので、前駆体溶液の粘性が下部電極表面の凹凸に追従できないと、他の部分よりも膜厚が薄い部分が形成され、この状態で仮焼により溶媒を蒸発させると、膜厚が薄い部分(膜薄部)が形成される。このような膜薄部が誘電体膜中に含まれると、上部電極を形成してキャパシタとしたときに、膜薄部にかかる電場強度が他の部位よりも高くなり、漏れ電流の原因となり得る。また、下部電極表面に突起物や窪みが存在した場合も同様に膜薄部が形成し、漏れ電流の原因となる。
また、気相法により誘電体膜を形成する場合にも、下部電極上に突起物や窪みが存在すると付き回り不足により膜薄部が形成され、漏れ電流の原因となる。
上記問題を解決する手法として、電気的な作用を利用して誘電体膜を形成する方法が考えられている。その方法として、例えば特許文献1では、シリカ粒子、メチルトリエトキシシラン、アンモニア水、エタノールを含む電着浴中で電極間に電場を印加することにより、ステンレス基板上にシリカ膜を形成できることが開示されている。しかしこの方法では、誘電体膜がアノード基板上に形成されるため、基板の酸化防止の観点から使用できる基板が限定される。また、平滑化および緻密化するために、成膜後に1000℃以上の熱処理が必要であるため、使用できる基板がAuやPtなどの高融点材料に限られる。
また、特許文献2では、バリウムエトキシド、チタニウムイソプロポキシドをメタノール/エチレングリコールモノメチルエーテルの混合溶媒に溶解し、0℃以下の低温で加水分解処理してクラスタ粒子を生成し、-20℃の電着槽中で電着処理し、得られるゲル膜を一定期間熟成させることにより、結晶性チタン酸バリウム膜を形成できることを開示しているが、極低温プロセスである上、プロセス時間を3日以上要し、効率的ではない。
さらに、特許文献3では、イソプロピルアルコールにガラス粉末を超音波分散させ、金属塩を添加して、堆積速度を向上させる方法について開示されているが、この方法では、形成される誘電体膜中に金属イオンが含まれるため、誘電体膜の絶縁性が悪化する恐れがあり、またガラス粉末の粒子径が0.1μm以下では粒子凝集が起こるため、均一な膜が形成できないことが記載されている。
Journal of Materials Science, vol. 19, No. 10, p2841-2848(2004) 特開平8−170193号公報 特開2003−272444号公報 特開2004−221110号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、高い絶縁性を有する高容量の誘電体薄膜キャパシタ材料であって、誘電体が電極表面の突起物や凹凸に追従して均一な膜厚を有し、漏れ電流が小さい誘電体薄膜キャパシタ材料、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、金属アルコキシドオリゴマー、金属酸化物粒子、エーテル基を有するアルコールおよびアセトンなどの低級ケトンを含む電着液を用い、下部電極となるカソード基板上に電着を行うことにより、金属酸化物粒子が分散した金属酸化物アモルファス膜を誘電体とする誘電体薄膜キャパシタ材料を提供するものである。
また、本発明は、カチオン性樹脂、金属酸化物粒子および低級ケトンを含む電着液を用い、下部電極となるカソード基板上に電着を行うことにより、金属酸化物粒子が分散したカチオン性樹脂膜を誘電体とする誘電体薄膜キャパシタ材料を提供するものである。
本発明によれば、金属酸化物粒子間の空隙に金属アルコキシドオリゴマーあるいはカチオン性樹脂が埋め込まれ、誘電体が電極表面の突起物や凹凸に追従した構造となる。したがって、誘電体の膜厚が均一で漏れ電流が小さく、また表面積が大きいため高い容量を持つ誘電体薄膜キャパシタ材料が得られる。
このような誘電体薄膜キャパシタ材料を用いた基板は、キャパシタが内蔵されているため、はんだ接合点数の削減や短い配線長での配置が可能であり、信頼性の向上や寄生容量低減による電気特性の向上が期待できる。したがって、小型化や高機能化が求められる携帯電話などの情報端末機器に好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1および図2は、本発明に係る誘電体薄膜キャパシタ材料の断面を模式的に示したものである。誘電体薄膜キャパシタ材料1は、上部電極10、誘電体20および下部電極30で構成されており、誘電体20が対向する2つの電極で挟まれた構造である。誘電体20は、下部電極30をカソードとして下部電極30上に電着により形成されている。なお、「上部」あるいは「下部」とは、電着させる側の電極を区別するため便宜的に用いた語であり、例えばキャパシタ内蔵基板として用いる場合の実際の上下を表すものでないことは無論である。
誘電体20は、図1および図2に示すように、金属酸化物アモルファス21と金属酸化物粒子22との混合物で構成され、金属酸化物粒子22が金属酸化物アモルファス21中に分散した状態(粒子分散金属酸化物アモルファス膜)になっている。電着により、図1に示すように、異物や0.5μm以上の高さを持つ突起物31などの不連続構造を有する下部電極30上で、その突起物31に追従するように誘電体20が形成されており、これにより膜厚が均一で、漏れ電流が低く、絶縁性が高い誘電体膜を得ることができる。なお、ここで「追従する」とは、誘電体膜が下部電極表面の突起物の形状に沿って形成されている状態をいい、具体的には突起物の頂上における誘電体の膜厚が、誘電体の平均膜厚の±20%の範囲内である状態をいう。
また、図2に示すように、表面を粗化したような凹凸が大きい下部電極30上へも追従性良く誘電体20が成膜されるため、誘電体に接触する電極の表面積が大きくなり、その結果高い容量の誘電体薄膜キャパシタ材料が得られる。具体的には、下部電極の表面粗さ(Ra1)が0.1〜2μmであるとき、誘電体の表面粗さ(Ra2)はRa1の±50%の範囲内である。
上記の粒子分散金属酸化物アモルファス膜は、主に金属アルコキシドオリゴマーおよび金属酸化物粒子を含む電着液を用いて、カソードである下部電極上に電着することにより形成される。以下、この電着液の各成分について説明する。
まず、金属アルコキシドオリゴマーは、焼成により金属酸化物アモルファスを形成する成分であり、以下のように合成される。金属アルコキシドを適当な無水でないアルコールに溶解し、アルコールの沸点以下で加熱する。このとき、金属アルコキシドは溶媒に含まれる微量の水分と加水分解・縮合重合反応し、金属アルコキシドオリゴマーとなる。金属アルコキシドオリゴマーは粒子よりも重合度が小さいため、溶液に溶解した状態で存在する。金属アルコキシドオリゴマーは10000個程度の金属アルコキシドが重合したもの、すなわち重合度は10000以下であり、そのサイズは5nm以下であるため溶液は無色透明である。
このような金属アルコキシド(すなわち金属酸化物アモルファスに対応する)には、Ba、Sr、Ti、Si、Ca、Mg、Ta、Nb、Pb、Zr、Bi、Al、La、Cu、Fe、W、Co、Zn、Ni、Li、K、Sn、Sm、などの各種アルコキシドが挙げられるが、高い誘電率を得られる観点から、バリウム、ストロンチウム、チタニウム、シリコン、カルシウム、マグネシウム、タンタル、ニオブ、鉛、ジルコニウム、ビスマス、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含むことが望ましい。
金属アルコキシドの溶媒となるアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、2-メトキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、2-[2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ]エタノールなどが挙げられるが、この中で2-メトキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、2-[2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ]エタノール等のエーテル基を有するアルコール類が、金属アルコキシドの溶解性、あるいは金属アルコキシドオリゴマー溶液の保存性の観点から適当である。また、金属アルコキシドオリゴマー溶液には、オリゴマーの生成を促進させるために、少量の水を加えても構わない。また、加水分解・縮合重合反応を促進するために、室温から溶媒の沸点の間で数時間加熱しても構わない。以上の工程を経て、金属アルコキシドオリゴマー溶液を合成する。
次に、金属酸化物粒子として用いる材料は、Ba、Sr、Ti、Si、Ca、Mg、Ta、Nb、Pb、Zr、Bi、Alから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含むことが適当であり、高容量の薄膜キャパシタを得る観点から、酸化チタンや、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコニウム、チタン酸ストロンチウムなどのペロブスカイト型金属酸化物が特に望ましいが、これに限定されるものではない。
以下、上記の金属酸化物粒子の合成方法について説明する。まず、金属アルコキシド等の金属原料を適当なアルコールに溶解する。このとき、溶解を促進するためにアルコールの沸点以下で加熱しても構わない。アルコールに溶解する金属原料は単体金属、金属アルコキシド、金属錯体、金属カルボン酸塩があるが、アルコールに溶解する限りにおいては、いずれの化合物でも構わない。例えば、金属アルコキシドとしてはBa、Sr、Ti、Si、Ca、Mg、Ta、Nb、Pb、Zr、Bi、Al、La、Cu、Fe、W、Co、Zn、Ni、Li、K、Sn、Sm、などのアルコキシドが挙げられる。金属錯体化合物には、前記金属のアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、ベンゾイルジフルオロアセトン、ベンゾイルフルオロアセトンの錯体などが挙げられる。金属カルボン酸塩には酢酸バリウム、酢酸銅(II)、酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、酢酸鉛、酢酸ストロンチウム、シュウ酸バリウム、シュウ酸カルシウム、シュウ酸銅(II)、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸スズ(II)などがある。溶媒となるアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、2-メトキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、2-[2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ]エタノールなどが挙げられるが、この中でメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノールなどのアルコール類が、粒径が均一で結晶性が高い粒子を合成できる観点から望ましい。これらのアルコールは単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても構わない。こうして金属アルコキシド溶液を合成する。
次いで、金属アルコキシド溶液に反応開始液となる水を含むアルコール水溶液を添加し、加水分解・縮合重合反応を開始する。反応開始液となるアルコール水溶液には、触媒として、酢酸や塩酸などの酸や、アンモニアなどの塩基が含まれていても良い。加水分解・縮合重合反応は、室温から溶媒の沸点までの任意の温度で行うことができるが、結晶性が高く粒径が小さい粒子を得るには、高温ほど望ましい。また、反応時間は、十分な結晶性を有する粒子を効率良く製造する観点から、10分から5時間程度が望ましい。以上の方法で、金属酸化物粒子を得る。この金属酸化物粒子の粒径は0.001〜1μmである。
続いて、金属酸化物粒子を含む反応溶液を遠心分離により溶媒除去し、有機溶剤を加えて超音波処理することにより粒子を洗浄する。このとき、遠心分離と超音波処理は、必要に応じて数回繰り返すことが望ましい。また、粒子洗浄に用いる有機溶剤にはエタノールやメタノールなどの低級アルコールが望ましい。
以上のようにして得られた金属酸化物粒子をアルコールなどの有機溶媒に分散し、金属アルコキシドオリゴマー溶液、ケトン系溶剤を加える。このとき、ケトン系溶剤は、金属アルコキシドオリゴマーおよび金属酸化物粒子を、カソード側へ電着させる目的で加えられる。そのケトン系溶剤としては、アセトンやアセチルアセトンなどの低級ケトンが、電着を効率よく行う観点から望ましい。このとき、粒子の分散性を向上させるために、分散剤として非イオン性界面活性剤や、1-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの有機溶剤を混合してもよい。また、溶媒との親和性を向上させる目的で、シラン系、チタネート系あるいはアルミ系カップリング剤で粒子の表面処理を施しても構わない。
以上で合成した電着液の組成は、金属アルコキシドオリゴマーを0.1〜2.0重量部、金属酸化物粒子を0.01〜1.0重量部、エーテル基を有するアルコールを5〜40重量部、低級ケトンを60〜95重量部含むことが望ましい。低級ケトンを60重量部以上とすることにより、電着したゲル膜の膜質が均一となり、また、95重量部以下にすることでゲル膜におけるクラックの発生が防止されるため好ましい。
なお、上記電着液には、金属アルコキシドオリゴマー、金属酸化物粒子、エーテル基を有するアルコールおよび低級ケトンに加え、必要に応じてシラン系、チタネート系あるいはアルミ系のカップリング剤、非イオン性界面活性剤、NMPなどのその他の成分を加えることができる。その他の成分の含有量は、電着液全体の5重量%以下とすることが好ましい。
次に、合成した電着液を用いて誘電体膜を形成する。その形成方法の模式図を図3に示す。電着液23中に下部電極30と、対極としてPtワイヤ40を浸漬し、下部電極30の基板をカソード、Ptワイヤ40をアノードとして直流電圧を印加し、金属酸化物粒子と金属アルコキシドオリゴマーを同時に下部電極30上に電着させることにより、粒子分散金属酸化物ゲル膜24を作製する。電着制御には定電流制御、あるいは定電圧制御が挙げられるが、定電圧制御の場合、設定電圧は1〜200V、電着時間は1分〜10分が望ましい。下部電極となる基板材料は、前駆体溶液との濡れ性、熱膨張率、耐熱性などを考慮して決める必要があるが、電気伝導度が高い材料が望ましく、例えば、白金、金、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、パラジウム、コバルトが好ましく、その他タングステン、モリブデン、鉄、ニオブ、チタン、ニッケル/クロム合金、鉄/ニッケル/クロム合金、チッ化タンタル、酸化インジウム、酸化スズなどが挙げられる。
電着後、カソードである下部電極30を電着液23から引き上げ、粒子分散金属酸化物ゲル膜24を所定の温度で焼成し、溶媒を除去する。焼成温度は下部電極30の耐熱性や溶媒の沸点に応じて決めれば良いが、600℃以下、好ましくは200℃から600℃である。
こうして、金属酸化物の粒子間の空隙が高い絶縁性を持つ金属アルコキシドオリゴマーで埋め込まれた粒子分散金属酸化物アモルファス膜の誘電体が得られる。この誘電体の膜厚は、電着液の組成や電着条件によって制御することができ、通常は0.01〜20μmである。
以上の方法で作製した誘電体膜表面にPt、Au、Ag、Ni、Cu、Al、Pd、Coなどの上部電極を形成することにより誘電体薄膜キャパシタ材料が得られる。上部電極の形成方法は、蒸着法、スパッタ法、電気めっき法、無電解めっき法などが挙げられ、これらを組み合わせて作製することも可能である。
上記の粒子分散金属酸化物アモルファス膜からなる誘電体は、以下の方法を用いても作製できる。
まず、金属酸化物粒子にケトン系溶剤を加えて粒子電着液を合成する。この電着液の組成は、金属酸化物粒子を0.01〜1.0重量部、低級ケトンを60〜100重量部含むことが望ましい。また、金属酸化物粒子は、エーテル基を有するアルコールに分散させた上で低級ケトンを加えることが好ましく、その場合のアルコールの量は、少な過ぎると粒子が凝集し易く、逆に多過ぎると粒子の電着量が減少するため、5〜40重量部が適当である。なお、上記の粒子電着液には、金属酸化物粒子、ケトン系溶剤およびエーテル基を有するアルコールに加え、シラン系、チタネート系あるいはアルミ系のカップリング剤、非イオン性界面活性剤、NMPなどのその他の成分を加えることができる。その他の成分の含有量は、電着液全体の5重量%以下とすることが好ましい。次に、この電着液中で、カソード基板である下部電極上へ金属酸化物粒子を電着し、金属酸化物粒子堆積膜を作製する。
別途、金属アルコキシドオリゴマーが溶解したエーテル基を有するアルコールの溶液にケトン系溶剤を加えて、金属アルコキシドオリゴマー電着液を合成する。この電着液の組成は、金属アルコキシドオリゴマーが0.01〜2.0重量部、エーテル基を有するアルコールが5〜40重量部、低級ケトンが60〜95重量部含まれることが望ましい。なお、上記の電着液には、金属アルコキシドオリゴマー、エーテル基を有するアルコールおよび低級ケトンに加え、シラン系、チタネート系あるいはアルミ系のカップリング剤、非イオン性界面活性剤、NMPなどのその他の成分を含有することができる。その他の成分の含有量は、電着液全体の5重量%以下とすることが好ましい。そして、この電着液中に、カソードとして上述の金属酸化物粒子堆積膜を、アノードとしてPtワイヤを浸漬して電着処理すると、粒子間の空隙に金属アルコキシドオリゴマーが電着され、粒子分散金属酸化物ゲル膜が形成される。次いで、この粒子分散金属酸化物ゲル膜を所定の温度で焼成することにより、粒子分散金属酸化物アモルファス膜からなる誘電体が得られる。この誘電体膜は、基板となる下部電極表面の突起物や表面凹凸に追従した構造となる。
図4は、本発明に係る誘電体薄膜キャパシタ材料の別の実施形態を示すものである。この例では、上述した誘電体膜において、金属アルコキシドオリゴマーの代わりに、絶縁性のカチオン性樹脂を用いている。以下にその方法を示す。
カチオン性樹脂を含む電着液中で、カソードとして上述の金属酸化物粒子堆積膜を、アノードとしてPtワイヤを浸漬し、電着を行って粒子分散カチオン性樹脂ゲル膜を形成する。電着制御には定電流制御、あるいは定電圧制御が挙げられるが、定電圧制御の場合、設定電圧は1〜20V、電着時間は1分〜10分が望ましい。カチオン性樹脂の例としては、アミノ基やヒドロキシル基、エステル基を有し、カルボン酸などで中和して溶液に溶解するものであれば特に限定されることはなく、耐熱性を有するものが好ましい。例えばアクリル系樹脂やポリアミドで変性されたエポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、あるいはこれらの混合物が挙げられる。また、上記の電着液中のカチオン性樹脂の含有量は、樹脂の種類や分子量にもよるが、電着液中0.01〜20重量%とすることが好ましい。
そして、最後に所定の温度で乾燥・硬化処理することにより、金属酸化物粒子22間の空隙がカチオン性樹脂25で埋め込まれた粒子分散カチオン性樹脂膜からなる誘電体20Aが得られる。乾燥・硬化温度は樹脂の種類により適宜決めれば良いが、100℃から300℃の間が望ましい。この誘電体膜は基板となる下部電極30の表面の突起物や表面凹凸に追従した構造となる。
この誘電体膜表面に上述の方法で上部電極10を形成することにより誘電体薄膜キャパシタ材料1Aが得られる。
こうして作製された誘電体薄膜キャパシタ材料は、誘電体が電極表面の突起物や凹凸に追従した構造であるため、漏れ電流が小さく、高容量のキャパシタ材料となる。
以上のような誘電体薄膜キャパシタ材料は、樹脂基板と組み合わせることにより、キャパシタ内蔵基板とすることができる。例えば、回路を適宜形成した樹脂基板に対し、接着剤を介してプレス成型する等して誘電体薄膜キャパシタ材料を積層させ、さらにその誘電体薄膜キャパシタ材料の電極部分をエッチング等により回路加工することにより、表面にキャパシタが内蔵された基板を作製することができる。また、回路加工したキャパシタの上にさらに導電体付きの基板を積層させ、上記キャパシタが完全に内蔵された多層のキャパシタ内蔵基板としても良い。
上記のキャパシタ内蔵基板は、素子を実装した場合にはんだ接合点数の削減や短い配線長での配置が可能であり、したがって小型化や高機能化が求められる情報端末機器に搭載するプリント配線板として好適である。
次に、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
金属バリウム3.373gとチタニウムテトラエトキシド2.281gをモル比1:1の割合で2-メトキシエタノール46.0gに溶解し、窒素雰囲気中120℃で3時間加熱した。さらに、常温で12時間熟成させて、金属アルコキシドオリゴマー溶液を合成した。
別途、金属バリウム2.474gとチタニウムテトラエトキシド4.562gをモル比1:1の割合でエタノール35.9gに溶解し、窒素雰囲気中70℃で3時間加熱した。この溶液に水18gとエタノール25.3gを混合したエタノール水溶液を加え、70℃で5時間保持してチタン酸バリウム粒子を合成した。次いで、溶媒置換と超音波分散を数回繰り返してチタン酸バリウム粒子を洗浄した。
洗浄したチタン酸バリウム粒子0.4gと、金属アルコキシドオリゴマー溶液16g、アセトン144gを混合し、金属アルコキシドを0.9重量部、チタン酸バリウム粒子を0.3重量部、2-メトキシエタノールを11.2重量部、アセトンを87.6重量部含む電着液を作製した。
この電着液中に、カソードとして5cm角の銅箔、アノードとしてPtワイヤを浸漬し、50Vで3分間電圧を印加して、銅箔上にチタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムゲル膜を作製した。使用した銅箔は、膜厚が50μm、表面粗さ(Ra1)が90nmの圧延銅箔であった。
次いで、ホットプレート上で350℃、30min熱処理し、チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜を得た。得られた膜にはクラックやボイドは見られず、平均膜厚が500nm、表面粗さ(Ra2)は75nmであった。
更に、膜表面に蒸着法により電極面積1cm2、平均膜厚200nmのAu上部電極を形成し、NF回路設計ブロック社製LCZメータを用いて誘電率を測定したところ、100kHzにおける静電容量は105nFであり、ケースレー社製半導体評価システムにより漏れ電流を測定したところ、4V、60秒後の漏れ電流密度は0.5nA/mm2であった。
このとき、Au電極上には1.8μmサイズの凸部形状が、3箇所観察された。そこで、凸部形状の断面をSEM観察したところ、銅箔上の突起物が、チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス層により被覆されていることが確認された。この凸部形状頂上の膜厚は、480nmであった。
(実施例2)
実施例1で合成した電着液中に、カソードとして5cm角の銅箔、アノードとしてPtワイヤを浸漬し、50Vで3分間電圧を印加して、銅箔上にチタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムゲル膜を作製した。使用した銅箔は予め表面粗化した銅箔であり、膜厚が50μm、表面粗さ(Ra1)が300nmであった。次いで、ホットプレート上で350℃、30分間熱処理し、チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜を得た。得られた膜にはクラックやボイドは見られず、平均膜厚300nm、表面粗さ(Ra2)は280nmであった。
次いで、膜表面に蒸着法により電極面積1cm2、膜厚200nmのAu上部電極を形成し、NF回路設計ブロック社製LCZメータを用いて誘電率を測定したところ、100kHzにおける容量密度は150nFであった。また、ケースレー社製半導体評価システムにより漏れ電流を測定したところ、4V、60秒後の漏れ電流密度は0.7nA/mm2であった。
チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜を断面SEM観察したところ、凹凸の凹部底辺の平均膜厚は310nm、凸部頂点の平均膜厚は290nmであり、銅箔表面の凹凸に追従した構造であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法でチタン酸バリウム粒子の合成と洗浄を行い、この粒子0.4gを2-メトキシエタノール7.2gおよびアセトン136.8gを含む混合溶媒中に分散し、粒子を0.27重量部、2-メトキシエタノールを5重量部、アセトンを95重量部含む粒子電着液を調製した。この電着液中に、カソードとして5cm角の銅箔、アノードとしてPtワイヤを漬し、50Vで3分間電圧を印加して銅箔上にチタン酸バリウム粒子を堆積させ、ホットプレート上で350℃、30分間熱処理した。使用した銅箔は圧延銅箔であり、膜厚が50μm、表面粗さ(Ra1)が85nmであった。
次いで、実施例1の金属アルコキシドオリゴマー溶液4gとアセトン28.8gを混合して合成した電着液中に、カソードとしてPtワイヤ、アノードとして上記の粒子堆積膜付き銅箔を浸漬し、50V、5分間電圧を印加した。最後に、ホットプレート上で350℃、30分間熱処理して、チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜を得た。得られた膜にはクラックやボイドは見られず、平均膜厚は700nm、表面粗さ(Ra2)は100nmであった。
作製した膜表面に、蒸着法により電極面積1cm2、平均膜厚200nmのAu上部電極を形成し、NF回路設計ブロック社製LCZメータを用いて誘電率を測定したところ、100kHzにおける静電容量は80nFであり、ケースレー社製半導体評価システムにより漏れ電流を測定したところ、4V、60秒後の漏れ電流密度は0.5nA/mm2であった。
このとき、Au電極上には2.5μmサイズの凸部形状が3箇所観察された。そこで、凸部形状の断面をSEM観察したところ、銅箔上の突起物が、チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜により被覆された構造であった。この凸部形状頂上の膜厚は、650nmであった。
(実施例4)
実施例1と同様の方法でチタン酸バリウム粒子の合成と洗浄を行い、この粒子0.4gをアセトン144gに分散して、粒子を0.27重量部、アセトンを99.73重量部含む粒子電着液を調製した。この電着液中に、カソードとして5cm角の銅箔、アノードとしてPtワイヤを浸漬し、50Vで3分間電圧を印加して銅箔上にチタン酸バリウム粒子を堆積させ、ホットプレート上で350℃、30分間熱処理した。使用した銅箔は圧延銅箔であり、膜厚が50μm、表面粗さ(Ra1)が85nmであった。
シミズ製ポリイミド電着液(エレコートPI)中に、アノードとしてPtワイヤ、カソードとして上記の粒子堆積膜付き銅箔を浸漬し、4V、5分間電圧を印加した。最後に、ホットプレート上で180℃、30分間熱処理して、チタン酸バリウム粒子分散ポリイミド膜を得た。得られた膜にはクラックやボイドは見られず、平均膜厚は850nm、表面粗さ(Ra2)は80nmであった。
作製した膜表面に、蒸着法により電極面積1cm2、平均膜厚200nmのAu上部電極を形成し、NF回路設計ブロック社製LCZメータを用いて誘電率を測定したところ、100kHzにおける静電容量は20nFであり、ケースレー社製半導体評価システムにより漏れ電流を測定したところ、4V、60秒後の漏れ電流密度は0.1nA/mm2であった。
このとき、Au電極上には2.5μmサイズの凸部形状が、4箇所観察された。そこで、凸部形状の断面をSEM観察したところ、銅箔上の突起物が、チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜で被覆されていることが確認された。この凸部形状頂上の膜厚は、800nmであった。
(実施例5)
実施例1のチタン酸バリウム粒子0.4gと、実施例1の金属アルコキシドオリゴマー溶液56g、アセトン76.8gを混合し、金属アルコキシドオリゴマーを3.3重量部、チタン酸バリウム粒子を0.28重量部、2-メトキシエタノールを41.8重量部、アセトンを54.6重量部含む電着液を作製した。
この電着液中に、カソードとして5cm角の銅箔、アノードとしてPtワイヤを浸漬し、50Vで3分間電圧を印加して、銅箔上にチタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムゲル膜を作製した。使用した銅箔は圧延銅箔であり、膜厚が50μm、表面粗さ(Ra1)は90nmであった。次いで、ホットプレート上で350℃、30分間熱処理し、チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜を得た。得られた膜にはクラックやボイドは見られなかった。平均膜厚は200nm、表面粗さ(Ra2)は95nmであった。
作製した膜表面に、蒸着法により電極面積1cm2、平均膜厚200nmのAu上部電極を形成し、誘電体薄膜キャパシタ材料を得た。
このとき、Au電極上には1.8μmサイズの凸部形状が、1箇所観察された。そこで、凸部形状の断面をSEM観察したところ、銅箔上の突起物が、チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス層により被覆されていることが確認された。
(実施例6)
本発明で作製した誘電体薄膜キャパシタ材料を用いてキャパシタ内蔵基板を作製した。そのプロセス工程の概略を図5に示す。実施例1の方法で厚さ50μmの銅箔上に誘電体膜を形成し、誘電体膜表面にめっき法により厚さ30μmの銅電極を形成し誘電体薄膜キャパシタ材料を作製した。この誘電体薄膜キャパシタ材料1を、表面に導体51が形成された2層基板50の両面に接着層60を介して張り合わせ、6層基板を作製した。表面の電極上にレジスト70を形成してエッチングすることにより、1mm2サイズから100mm2サイズのキャパシタを作製して容量を評価した結果、1〜100nFで漏れ電流密度が0.1〜0.4nA/mm2の特性を有するキャパシタを基板に内蔵することができた。
(比較例1)
実施例1で合成した電着液を5cm角の銅箔上に滴下し、2000rpmで30秒間スピンコートした。次いで、ホットプレート上で350℃、30分間熱処理し、スピンコートと熱処理を10回繰り返して、チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜を得た。使用した銅箔は圧延銅箔であり、膜厚50μm、表面粗さ(Ra1)は80nmであった。作製した膜にはクラックやボイドは見られず、平均膜厚600nm、表面粗さ(Ra2)は20nmであった。
次いで、膜表面に蒸着法により電極面積1cm2、膜厚200nmのAu上部電極を形成し、NF回路設計ブロック社製LCZメータを用いて誘電率を測定したところ、絶縁性が不十分のため測定不可能であった。ケースレー社製半導体評価システムにより漏れ電流を測定したところ、4V、60秒後の漏れ電流密度は7mA/mm2であった。このとき、Au電極上には1.2μmサイズの凸状形状が、1箇所観察された。そこで、この凸状形状部の断面をSEM観察したところ、銅箔表面の突起物がチタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜で被覆されており、突起物の頂点部分の膜厚は15nmであった。
(比較例2)
実施例1で合成した電着液を5cm角の銅箔上に滴下し、2000rpmで30秒間スピンコートした。次いで、ホットプレート上で350℃、30分間熱処理し、スピンコートと熱処理を5回繰り返してチタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜を得た。使用した銅箔は予め表面粗化した銅箔であり、平均膜厚が50μm、表面粗さ(Ra1)が280nmであった。得られたチタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜にはクラックやボイドは見られず、平均膜厚は300nm、表面粗さ(Ra2)は50nmであった。
次いで、膜表面に蒸着法により電極面積1cm2、膜厚200nmのAu上部電極を形成し、NF回路設計ブロック社製LCZメータを用いて誘電率を測定したところ、100kHzにおける容量密度は90nFであった。また、ケースレー社製半導体評価システムにより漏れ電流を測定したところ、4V、60秒後の漏れ電流密度は85μA/mm2であった。
チタン酸バリウム粒子分散チタン酸バリウムアモルファス膜を断面SEM観察したところ、凹凸の凹部の平均膜厚は1μm、凸部の膜厚は150nmであり、銅箔表面凹凸への追従が不十分であった。
(比較例3)
実施例1と同様の方法でチタン酸バリウム粒子の合成と洗浄を行い、この粒子0.4gを2-メトキシエタノール7.2gおよびアセトン136.8gを含む混合溶媒中に分散し、粒子を0.27重量部、2-メトキシエタノールを5重量部、アセトンを95重量部含む粒子電着液を調製した。この電着液中に、カソードとして5cm角の銅箔、アノードとしてPtワイヤを浸漬し、100Vで1分間電圧を印加して銅箔上にチタン酸バリウム粒子を堆積させ、ホットプレート上で350℃、30分間熱処理した。使用した銅箔は圧延銅箔であり、膜厚が50μm、表面粗さ(Ra1)が80nmであった。
得られた粒子堆積膜表面にはクラックは観察されなかったが、粒子間に空隙が見られ、平均膜厚は800nm、表面粗さ(Ra2)は200nmであった。
作製した膜表面に、蒸着法により電極面積1cm2、平均膜厚200nmのAu上部電極を形成し、NF回路設計ブロック社製LCZメータを用いて誘電率を測定したところ、絶縁性が不十分のため測定困難であった。ケースレー社製半導体評価システムにより漏れ電流を測定したところ、4V、60秒後の漏れ電流密度は600mA/mm2であった。
本発明に係る誘電体薄膜キャパシタ材料の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る誘電体薄膜キャパシタ材料の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る誘電体薄膜キャパシタ材料の誘電体形成工程を示す図である。 本発明に係る誘電体薄膜キャパシタ材料の別の実施形態を示す断面図である。 本発明の実施例6におけるキャパシタ内蔵基板の作製工程を示す図である。
符号の説明
1、1A 誘電体薄膜キャパシタ材料
10 上部電極
20、20A 誘電体
21 金属酸化物アモルファス
22 金属酸化物粒子
23 電着液
24 粒子分散金属酸化物ゲル膜
25 カチオン性樹脂
30 下部電極
31 突起物
40 Ptワイヤ
50 2層基板
51 導体
60 接着層
70 レジスト

Claims (21)

  1. 上部電極、誘電体および下部電極から構成される誘電体薄膜キャパシタ材料において、前記下部電極をカソードとして前記誘電体が前記下部電極上に電着により形成され、前記誘電体が、金属酸化物アモルファスと金属酸化物粒子との混合物で構成され、前記下部電極の表面粗さ(Ra1)が0.1〜2μmであり、前記誘電体の表面粗さ(Ra2)がRa1の±50%の範囲内であり、前記誘電体が、金属アルコキシドオリゴマー、金属酸化物粒子、エーテル基を有するアルコールおよび低級ケトンを含む電着液Aを用いて、電着により下部電極上に形成されることを特徴とする誘電体薄膜キャパシタ材料。
  2. 上部電極、誘電体および下部電極から構成される誘電体薄膜キャパシタ材料において、前記下部電極をカソードとして前記誘電体が前記下部電極上に電着により形成され、前記誘電体が、金属酸化物アモルファスと金属酸化物粒子との混合物で構成され、前記誘電体が、金属アルコキシドオリゴマー、金属酸化物粒子、エーテル基を有するアルコールおよび低級ケトンを含む電着液Aを用いて、電着により下部電極上に形成されることを特徴とする誘電体薄膜キャパシタ材料。
  3. 金属酸化物アモルファスが、Ba、Sr、Ti、Si、Ca、Mg、Ta、Nb、Pb、Zr、Bi、Alから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体薄膜キャパシタ材料。
  4. 上部電極、誘電体および下部電極から構成される誘電体薄膜キャパシタ材料において、前記下部電極をカソードとして前記誘電体が前記下部電極上に電着により形成され、前記誘電体が、金属酸化物アモルファスと金属酸化物粒子との混合物で構成され、前記誘電体が、金属酸化物粒子および低級ケトンを含む電着液B、ならびに金属アルコキシドオリゴマー、エーテル基を有するアルコールおよび低級ケトンを含む電着液Cを用いて、電着により下部電極上に形成されることを特徴とする電体薄膜キャパシタ材料。
  5. 金属アルコキシドオリゴマーが、Ba、Sr、Ti、Si、Ca、Mg、Ta、Nb、Pb、Zr、Bi、Alから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体薄膜キャパシタ材料。
  6. 誘電体の膜厚が、0.01μm〜20μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体薄膜キャパシタ材料。
  7. 上部電極および下部電極がPt、Au、Ag、Ni、Cu、Al、Pd、Coから選ばれる少なくとも1種以上で構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体薄膜キャパシタ材料。
  8. 金属酸化物粒子が、Ba、Sr、Ti、Si、Ca、Mg、Ta、Nb、Pb、Zr、Bi、Alから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含み、かつ、前記金属酸化物粒子の粒径が0.001〜1μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の誘電体薄膜キャパシタ材料。
  9. 電着液Aが、金属アルコキシドオリゴマーを0.1〜2.0重量部、金属酸化物粒子を0.01〜1.0重量部、エーテル基を有するアルコールを5〜40重量部、低級ケトンを60〜95重量部含むことを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体薄膜キャパシタ材料。
  10. 電着液Bが、金属酸化物粒子を0.01〜1.0重量部、低級ケトンを60〜100重量部含むことを特徴とする請求項4に記載の誘電体薄膜キャパシタ材料。
  11. 電着液Bが、さらにエーテル基を有するアルコールを5〜40重量部含むことを特徴とする請求項10に記載の誘電体薄膜キャパシタ材料。
  12. 電着液Cが、金属アルコキシドオリゴマーを0.01〜2.0重量部、エーテル基を有するアルコールを5〜40重量部、低級ケトンを60〜95重量部含むことを特徴とする請求項4に記載の誘電体薄膜キャパシタ材料。
  13. 金属アルコキシドオリゴマー、金属酸化物粒子、エーテル基を有するアルコールおよび低級ケトンを含む電着液中に、アノードとしてPt、カソードとして下部電極を浸漬し、直流電圧を印加して前記下部電極上へ粒子分散金属酸化物ゲル膜を形成し、次いで、焼成して粒子分散金属酸化物アモルファス膜を形成し、前記粒子分散金属酸化物アモルファス膜上に上部電極を形成することを特徴とする誘電体薄膜キャパシタ材料の製造方法。
  14. 金属酸化物粒子および低級ケトンを含む電着液中に、アノードとしてPt、カソードとして下部電極を浸漬し、直流電圧を印加して前記下部電極上へ金属酸化物粒子堆積膜を形成し、金属アルコキシドオリゴマー、エーテル基を有するアルコールおよび低級ケトンを含む電着液中に、アノードとしてPt、カソードとして前記金属酸化物粒子堆積膜を浸漬し、直流電圧を印加して粒子分散金属酸化物ゲル膜を形成し、次いで、焼成して粒子分散金属酸化物アモルファス膜を形成し、前記粒子分散金属酸化物アモルファス膜上に上部電極を形成することを特徴とする誘電体薄膜キャパシタ材料の製造方法。
  15. 金属酸化物粒子および低級ケトンを含む電着液が、さらにエーテル基を有するアルコールを含むことを特徴とする請求項14に記載の誘電体薄膜キャパシタ材料の製造方法。
  16. 焼成する温度が600℃以下であることを特徴とする請求項13または14に記載の誘電体薄膜キャパシタ材料の製造方法。
  17. 上部電極、誘電体および下部電極から構成され、前記下部電極をカソードとして前記誘電体が前記下部電極上に電着により形成される誘電体薄膜キャパシタ材料において用いられる誘電体電着用の電着液であって、金属アルコキシドオリゴマーを0.1〜2.0重量部、金属酸化物粒子を0.01〜1.0重量部、エーテル基を有するアルコールを5〜40重量部、低級ケトンを60〜95重量部含むことを特徴とする誘電体電着用の電着液。
  18. 金属アルコキシドオリゴマーが、Ba、Sr、Ti、Si、Ca、Mg、Ta、Nb、Pb、Zr、Bi、Alから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含むことを特徴とする請求項17に記載の電着液。
  19. 金属酸化物粒子が、Ba、Sr、Ti、Si、Ca、Mg、Ta、Nb、Pb、Zr、Bi、Alから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含み、かつ、前記金属酸化物粒子の粒径が0.001〜1μmであることを特徴とする請求項17または18に記載の電着液。
  20. 樹脂基板に、請求項1〜12のいずれかに記載の誘電体薄膜キャパシタ材料を組み合わせたことを特徴とするキャパシタ内蔵基板。
  21. 請求項20に記載のキャパシタ内蔵基板を搭載したことを特徴とする情報端末機器。
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