JPH09202621A - 誘電体薄膜およびその製法並びに薄膜コンデンサ - Google Patents
誘電体薄膜およびその製法並びに薄膜コンデンサInfo
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- JPH09202621A JPH09202621A JP8310389A JP31038996A JPH09202621A JP H09202621 A JPH09202621 A JP H09202621A JP 8310389 A JP8310389 A JP 8310389A JP 31038996 A JP31038996 A JP 31038996A JP H09202621 A JPH09202621 A JP H09202621A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2
500以上、100MHz(室温)での比誘電率が20
00以上の誘電体薄膜を提供する。 【解決手段】金属元素としてPb、Mg、NbおよびT
iを含むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚
2μm以下の誘電体薄膜であって、測定周波数1KHz
(室温)での比誘電率が3000以上の誘電体薄膜であ
り、ペロブスカイト型複合酸化物結晶の組成が(1−
x)Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO
3 (0<x≦0.35)で表され、測定周波数100M
Hz(室温)での比誘電率が2500以上である。
500以上、100MHz(室温)での比誘電率が20
00以上の誘電体薄膜を提供する。 【解決手段】金属元素としてPb、Mg、NbおよびT
iを含むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚
2μm以下の誘電体薄膜であって、測定周波数1KHz
(室温)での比誘電率が3000以上の誘電体薄膜であ
り、ペロブスカイト型複合酸化物結晶の組成が(1−
x)Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO
3 (0<x≦0.35)で表され、測定周波数100M
Hz(室温)での比誘電率が2500以上である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電体薄膜およびそ
の製法並びにこの誘電体薄膜を用いた薄膜コンデンサに
関するものである。
の製法並びにこの誘電体薄膜を用いた薄膜コンデンサに
関するものである。
【0002】
【従来技術】2種以上の金属からなる複合ペロブスカイ
ト酸化物、特にPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (以下、
PMNという)は室温で大きな比誘電率を有するため、
コンデンサ材料として有用であることが知られている。
また、PMNにPbTiO3(以下、PTという)を固
溶させる事により、比誘電率が大きくなり、キュリー温
度が高温側にシフトする事が知られている。例えば、P
MNに10mol%のPTを固溶させる事により、比誘
電率の最大値が16000から20000に向上し、キ
ュリー温度が−15℃から+40℃に変化する事が報告
されている。
ト酸化物、特にPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (以下、
PMNという)は室温で大きな比誘電率を有するため、
コンデンサ材料として有用であることが知られている。
また、PMNにPbTiO3(以下、PTという)を固
溶させる事により、比誘電率が大きくなり、キュリー温
度が高温側にシフトする事が知られている。例えば、P
MNに10mol%のPTを固溶させる事により、比誘
電率の最大値が16000から20000に向上し、キ
ュリー温度が−15℃から+40℃に変化する事が報告
されている。
【0003】このようなPMNまたはPMN−PT焼結
体として、従来、PbO粉末とMgCO3 粉末とNb2
O5 粉末、またはこれらの粉末とTiO2 粉末とを一括
して混合粉砕し、焼結する固相焼結法が知られている。
しかしながら、このような一括して混合粉砕する固相焼
結によるPMN、およびPMN−PT焼結体の作製で
は、ほぼペロブスカイト単相からなる焼結体を得るのは
困難であり、低温で安定なパイロクロア相が生成し易
く、また生成したパイロクロア相は誘電率が低いため、
結果として焼結体の比誘電率が低くなり、コンデンサ材
料として不適当な場合が多い。
体として、従来、PbO粉末とMgCO3 粉末とNb2
O5 粉末、またはこれらの粉末とTiO2 粉末とを一括
して混合粉砕し、焼結する固相焼結法が知られている。
しかしながら、このような一括して混合粉砕する固相焼
結によるPMN、およびPMN−PT焼結体の作製で
は、ほぼペロブスカイト単相からなる焼結体を得るのは
困難であり、低温で安定なパイロクロア相が生成し易
く、また生成したパイロクロア相は誘電率が低いため、
結果として焼結体の比誘電率が低くなり、コンデンサ材
料として不適当な場合が多い。
【0004】このため、固相焼結法では、MgNb酸化
物(MgNb2 O6 )とPb原料、およびTi原料を反
応させるコランバイト法による合成が行われている。こ
の方法によれば、ほぼペロブスカイト単相の焼結体を得
ることが可能となり、比誘電率を15000以上とする
ことができる。しかしながら、従来、これらバルク材料
は比誘電率の周波数分散が大きく、1MHz以上の高周
波では比誘電率が小さくなり、コンデンサとして機能し
なくなると考えられていた。
物(MgNb2 O6 )とPb原料、およびTi原料を反
応させるコランバイト法による合成が行われている。こ
の方法によれば、ほぼペロブスカイト単相の焼結体を得
ることが可能となり、比誘電率を15000以上とする
ことができる。しかしながら、従来、これらバルク材料
は比誘電率の周波数分散が大きく、1MHz以上の高周
波では比誘電率が小さくなり、コンデンサとして機能し
なくなると考えられていた。
【0005】一方、近年、電子機器の小型化に伴い、電
子部品の小型化,薄膜化が要求されており、PMN等の
高誘電率材料を薄膜化し、薄膜コンデンサに応用しよう
とされているが、従来の固相焼結法では膜厚はせいぜい
10μm程度であった。また薄膜においても固相焼結法
による焼結体と同様、低温で安定なパイロクロア相が生
成し易く、ほぼペロブスカイト単相からなる膜を得るの
が困難となり、コンデンサ材料として不適当な場合が多
い。特に薄膜化する場合、下部電極との格子の不整合お
よび化学結合の相違等でパイロクロア相が生成し易いと
いう問題がある言われており(例えば、特開平6−57
437号公報参照)、パイロクロア相の少ないペロブス
カイト単相のPMN薄膜、およびPMN−PT薄膜を得
るのが困難であった。
子部品の小型化,薄膜化が要求されており、PMN等の
高誘電率材料を薄膜化し、薄膜コンデンサに応用しよう
とされているが、従来の固相焼結法では膜厚はせいぜい
10μm程度であった。また薄膜においても固相焼結法
による焼結体と同様、低温で安定なパイロクロア相が生
成し易く、ほぼペロブスカイト単相からなる膜を得るの
が困難となり、コンデンサ材料として不適当な場合が多
い。特に薄膜化する場合、下部電極との格子の不整合お
よび化学結合の相違等でパイロクロア相が生成し易いと
いう問題がある言われており(例えば、特開平6−57
437号公報参照)、パイロクロア相の少ないペロブス
カイト単相のPMN薄膜、およびPMN−PT薄膜を得
るのが困難であった。
【0006】これらのパイロクロア相生成の問題を解決
する手法として、ゾルゲル法で作製されたPMN薄膜、
およびPMN−PT薄膜においては、急速昇温焼成(特
開平2−177521号公報)やシーディング法(特開
平6−57437号公報)等の種々の手法が提案されて
おり、ペロブスカイト単相に近いPMN薄膜、およびP
MN−PT薄膜が得られている。
する手法として、ゾルゲル法で作製されたPMN薄膜、
およびPMN−PT薄膜においては、急速昇温焼成(特
開平2−177521号公報)やシーディング法(特開
平6−57437号公報)等の種々の手法が提案されて
おり、ペロブスカイト単相に近いPMN薄膜、およびP
MN−PT薄膜が得られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、急速昇
温焼成法,シーディング法によるPMN薄膜、およびP
MN−PT薄膜では、ほぼペロブスカイト単相からなる
膜が得られているが、未だ室温における比誘電率がせい
ぜい2000程度と低く、PMN系材料本来の特性が発
揮されていないのが現状であった。
温焼成法,シーディング法によるPMN薄膜、およびP
MN−PT薄膜では、ほぼペロブスカイト単相からなる
膜が得られているが、未だ室温における比誘電率がせい
ぜい2000程度と低く、PMN系材料本来の特性が発
揮されていないのが現状であった。
【0008】また、上記したように、1MHz以上の高
周波領域では比誘電率が小さく、高周波特性が低いと考
えられていたため、PMN薄膜、およびPMNーPT薄
膜の高周波分野への応用は考えられていなかった(特開
平6−77083参照)。
周波領域では比誘電率が小さく、高周波特性が低いと考
えられていたため、PMN薄膜、およびPMNーPT薄
膜の高周波分野への応用は考えられていなかった(特開
平6−77083参照)。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
の解決方法を鋭意検討した結果、ゾルゲル法によるPM
N薄膜、およびPMN−PT薄膜の合成の際、他の求核
性を有する有機金属化合物の存在下においても安定なM
g−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分
子、或いはMgNb複合アルコキシド分子を部分的に加
水分解したゾルをMgNb前駆体として用いて合成した
PMN前駆体溶液を用いることにより、PMN薄膜の場
合には、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2
500以上、100MHz(室温)での比誘電率が20
00以上にでき、PMN−PT薄膜の場合には、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が3000以上、ま
た100MHz(室温)での比誘電率が2500以上に
でき、さらにこれを用いて低周波および高周波において
も使用可能な薄膜コンデンサが得られることを見い出し
た。
の解決方法を鋭意検討した結果、ゾルゲル法によるPM
N薄膜、およびPMN−PT薄膜の合成の際、他の求核
性を有する有機金属化合物の存在下においても安定なM
g−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分
子、或いはMgNb複合アルコキシド分子を部分的に加
水分解したゾルをMgNb前駆体として用いて合成した
PMN前駆体溶液を用いることにより、PMN薄膜の場
合には、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2
500以上、100MHz(室温)での比誘電率が20
00以上にでき、PMN−PT薄膜の場合には、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が3000以上、ま
た100MHz(室温)での比誘電率が2500以上に
でき、さらにこれを用いて低周波および高周波において
も使用可能な薄膜コンデンサが得られることを見い出し
た。
【0010】即ち、本発明の誘電体薄膜は、金属元素と
してPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト
型複合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下の誘電体薄膜
であって、測定周波数1KHz(室温)での比誘電率が
3000以上であることを特徴とする。ここで、ペロブ
スカイト型複合酸化物結晶の組成が(1−x)Pb(M
g1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO3 (0<x≦0.
35)で表されるものである。また、測定周波数100
MHz(室温)での比誘電率が2500以上である。
してPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト
型複合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下の誘電体薄膜
であって、測定周波数1KHz(室温)での比誘電率が
3000以上であることを特徴とする。ここで、ペロブ
スカイト型複合酸化物結晶の組成が(1−x)Pb(M
g1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO3 (0<x≦0.
35)で表されるものである。また、測定周波数100
MHz(室温)での比誘電率が2500以上である。
【0011】本発明の誘電体薄膜の製造方法は、赤外吸
収スペクトルにおいて656cm-1付近に吸収を有する
MgNb複合アルコキシドを用いて作製したPb(Mg
1/3Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、PbTiO3 前駆体溶
液とを混合して、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −Pb
TiO3 前駆体溶液を調製し、該Pb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を基板に塗布し、
焼成することにより得られる。
収スペクトルにおいて656cm-1付近に吸収を有する
MgNb複合アルコキシドを用いて作製したPb(Mg
1/3Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、PbTiO3 前駆体溶
液とを混合して、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −Pb
TiO3 前駆体溶液を調製し、該Pb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を基板に塗布し、
焼成することにより得られる。
【0012】また、赤外吸収スペクトルにおいて656
cm-1付近に吸収を有するMgNb複合アルコキシドを
部分的に加水分解し、得られたMgNbゾルを用いて合
成したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、P
bTiO3 前駆体溶液とを混合して、Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を調製し、該P
b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液
を基板に塗布し、焼成することにより得られる。
cm-1付近に吸収を有するMgNb複合アルコキシドを
部分的に加水分解し、得られたMgNbゾルを用いて合
成したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、P
bTiO3 前駆体溶液とを混合して、Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を調製し、該P
b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液
を基板に塗布し、焼成することにより得られる。
【0013】さらに、本発明の誘電体薄膜は、金属元素
としてPb、MgおよびNbを含むペロブスカイト型複
合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下の誘電体薄膜であ
って、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が25
00以上、100MHz(室温)での比誘電率が200
0以上であり、かつ比誘電率の温度特性が±15%以内
(−40℃〜85℃)であり、直流電界5V/μm印加
時の比誘電率の減少率が40%以内である。
としてPb、MgおよびNbを含むペロブスカイト型複
合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下の誘電体薄膜であ
って、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が25
00以上、100MHz(室温)での比誘電率が200
0以上であり、かつ比誘電率の温度特性が±15%以内
(−40℃〜85℃)であり、直流電界5V/μm印加
時の比誘電率の減少率が40%以内である。
【0014】本発明の薄膜コンデンサは、金属元素とし
てPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト型
複合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下の誘電体薄膜で
あって、室温での比誘電率が3000以上の誘電体薄膜
の両面に、一対の電極を対向して形成してなるものであ
る。
てPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト型
複合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下の誘電体薄膜で
あって、室温での比誘電率が3000以上の誘電体薄膜
の両面に、一対の電極を対向して形成してなるものであ
る。
【0015】
【作用】従来より、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 の合
成において用いられるMgNb複合アルコキシド分子
は、Mg〔Nb(OR)6 〕2 で示され、MgとNbの
複合化はアルコキシ基の配位結合によることが知られて
いる。しかしながら、配位結合によるMgNb複合アル
コキシド分子に酢酸鉛等の求核性有機金属化合物を混合
すると、複合化が崩れ不安定であることが報告されてい
る(日本セラミックス協会誌,102〔4〕P393〜
396(1994))。
成において用いられるMgNb複合アルコキシド分子
は、Mg〔Nb(OR)6 〕2 で示され、MgとNbの
複合化はアルコキシ基の配位結合によることが知られて
いる。しかしながら、配位結合によるMgNb複合アル
コキシド分子に酢酸鉛等の求核性有機金属化合物を混合
すると、複合化が崩れ不安定であることが報告されてい
る(日本セラミックス協会誌,102〔4〕P393〜
396(1994))。
【0016】本発明では、MgNb複合アルコキシド分
子を合成する際、Mg及びNbの金属化合物間の反応促
進、及び複合アルコキシド分子を安定化する手法を用
い、他の求核性有機金属化合物の存在下においても、安
定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキ
シドを合成させ、このMgNb複合アルコキシド分子を
含む溶液とPb前駆体溶液とを混合してPb(Mg1/3
Nb2/3 )O3 前駆体溶液を合成する点、さらにこれに
PbTiO3 前駆体溶液を混合し、Pb(Mg1/ 3 Nb
2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を合成する点に特
徴がある。
子を合成する際、Mg及びNbの金属化合物間の反応促
進、及び複合アルコキシド分子を安定化する手法を用
い、他の求核性有機金属化合物の存在下においても、安
定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキ
シドを合成させ、このMgNb複合アルコキシド分子を
含む溶液とPb前駆体溶液とを混合してPb(Mg1/3
Nb2/3 )O3 前駆体溶液を合成する点、さらにこれに
PbTiO3 前駆体溶液を混合し、Pb(Mg1/ 3 Nb
2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を合成する点に特
徴がある。
【0017】この様な手法で得られたMgNb前駆体溶
液は、赤外吸収スペクトル(以下、IRスペクトル)に
おいて、656cm-1付近に吸収を有し、溶液の段階で
既にコランバイト(MgNb2 O6 )に近い構造を持
つ、強固なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合ア
ルコキシド分子が形成されている。このため、他の求核
性有機金属化合物(例えば酢酸鉛)に対して安定であ
り、Mg−O−Nb結合が破壊されることなく、Pb
(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体が形成される。
液は、赤外吸収スペクトル(以下、IRスペクトル)に
おいて、656cm-1付近に吸収を有し、溶液の段階で
既にコランバイト(MgNb2 O6 )に近い構造を持
つ、強固なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合ア
ルコキシド分子が形成されている。このため、他の求核
性有機金属化合物(例えば酢酸鉛)に対して安定であ
り、Mg−O−Nb結合が破壊されることなく、Pb
(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体が形成される。
【0018】このPMN前駆体溶液、またはこれにPb
TiO3 前駆体溶液を混合したPMN−PT前駆体溶液
を塗布し、焼成することにより、本発明の誘電体薄膜が
得られる。これにより、PMN薄膜の場合には、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、1
00MHz(室温)での比誘電率が2000以上、比誘
電率の温度特性が±15%以内(−40℃〜85℃)、
直流電界5V/μm印加時の比誘電率の減少率が40%
以内となる。また、PMN−PT薄膜の場合には、比誘
電率の増大、及びキュリー温度が高温側へシフトし、膜
厚が2μm以下で、測定周波数1kHz(室温)での比
誘電率が3000以上、測定周波数100MHz(室
温)での比誘電率が2500以上となり、また温度変化
率が±10%以内(−40〜+85℃)の優れた特性を
有する。
TiO3 前駆体溶液を混合したPMN−PT前駆体溶液
を塗布し、焼成することにより、本発明の誘電体薄膜が
得られる。これにより、PMN薄膜の場合には、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、1
00MHz(室温)での比誘電率が2000以上、比誘
電率の温度特性が±15%以内(−40℃〜85℃)、
直流電界5V/μm印加時の比誘電率の減少率が40%
以内となる。また、PMN−PT薄膜の場合には、比誘
電率の増大、及びキュリー温度が高温側へシフトし、膜
厚が2μm以下で、測定周波数1kHz(室温)での比
誘電率が3000以上、測定周波数100MHz(室
温)での比誘電率が2500以上となり、また温度変化
率が±10%以内(−40〜+85℃)の優れた特性を
有する。
【0019】また、上記のMgNb複合アルコキシド分
子を部分的に加水分解処理することにより数nmオーダ
ーのMgNbゾルが形成され、この数nmオーダーのM
gNbゾルを含むPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体
が形成される。このPMN前駆体溶液、またはこれにP
bTiO3 前駆体溶液を混合したPMN−PT前駆体溶
液を塗布し、焼成することにより、本発明の誘電体薄膜
が得られる。これにより、上記と同様の特性が得られ
る。
子を部分的に加水分解処理することにより数nmオーダ
ーのMgNbゾルが形成され、この数nmオーダーのM
gNbゾルを含むPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体
が形成される。このPMN前駆体溶液、またはこれにP
bTiO3 前駆体溶液を混合したPMN−PT前駆体溶
液を塗布し、焼成することにより、本発明の誘電体薄膜
が得られる。これにより、上記と同様の特性が得られ
る。
【0020】本発明の誘電体薄膜では、特に、金属元素
としてPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイ
ト型複合酸化物結晶の組成が(1−x)Pb(Mg1/3
Nb2/3 )O3 −xPbTiO3 (0<x≦0.35)
で表されるものが望ましく、このような組成にすること
により優れた特性が得られる。
としてPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイ
ト型複合酸化物結晶の組成が(1−x)Pb(Mg1/3
Nb2/3 )O3 −xPbTiO3 (0<x≦0.35)
で表されるものが望ましく、このような組成にすること
により優れた特性が得られる。
【0021】そして、膜厚が2μm以下で、測定周波数
1kHzでの比誘電率が3000以上、100MHzで
の比誘電率が2500以上と高く、かつ温度特性の良好
なペロブスカイト型複合酸化物からなる誘電体薄膜を一
対の電極により挟持することにより、高誘電率の薄膜コ
ンデンサを得ることができる。
1kHzでの比誘電率が3000以上、100MHzで
の比誘電率が2500以上と高く、かつ温度特性の良好
なペロブスカイト型複合酸化物からなる誘電体薄膜を一
対の電極により挟持することにより、高誘電率の薄膜コ
ンデンサを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体薄膜作製において
は、まず塗布溶液としてPb、MgおよびNb、または
これらとTiの有機金属化合物が均一に溶解した前駆体
溶液を調製する。
は、まず塗布溶液としてPb、MgおよびNb、または
これらとTiの有機金属化合物が均一に溶解した前駆体
溶液を調製する。
【0023】まず鉛(Pb)の有機酸塩、無機塩、アル
コキシドから選択される少なくとも1種の鉛化合物をR
1 OH、R2 OC2 H4 OH、R3 COOH(R1 、R
2 、R3 :炭素数1以上のアルキル基)で示される溶媒
に混合する。この時、鉛化合物が結晶水を含む場合に
は、作製したPb前駆体溶液中に水が存在しないように
脱水処理する。
コキシドから選択される少なくとも1種の鉛化合物をR
1 OH、R2 OC2 H4 OH、R3 COOH(R1 、R
2 、R3 :炭素数1以上のアルキル基)で示される溶媒
に混合する。この時、鉛化合物が結晶水を含む場合に
は、作製したPb前駆体溶液中に水が存在しないように
脱水処理する。
【0024】次にMg、及びNbの有機酸塩、無機塩、
アルコキシドから選択される少なくとも1種のMg化合
物、Nb化合物をMg:Nb=1:2のモル比でR1 O
H、R2 OC2 H4 OH、R3 COOH(R1 、R2 、
R3 :炭素数1以上のアルキル基)で示される溶媒に混
合する。混合後、所定の操作を行い、IRスペクトルに
おいて656cm-1付近に吸収を有し、他の求核性の有
機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−Nb
結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を合成す
る。
アルコキシドから選択される少なくとも1種のMg化合
物、Nb化合物をMg:Nb=1:2のモル比でR1 O
H、R2 OC2 H4 OH、R3 COOH(R1 、R2 、
R3 :炭素数1以上のアルキル基)で示される溶媒に混
合する。混合後、所定の操作を行い、IRスペクトルに
おいて656cm-1付近に吸収を有し、他の求核性の有
機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−Nb
結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を合成す
る。
【0025】IRスペクトルにおいて656cm-1付近
に吸収を有するMgNb複合アルコキシド分子を得るに
は、以下のような方法がある。(1)MgおよびNbの
アルコキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液
の温度を上昇させ、例えば酸等の触媒の共存下で還流操
作を行うことにより、分子内での脱エーテル反応を促進
する方法。(2)上記のようにMgおよびNbのアルコ
キシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液の温度
を上昇させ、還流操作による複合化を行った後、無水酢
酸,エタノールアミン等に代表される安定化剤を添加す
る方法。(3)Mgのカルボン酸塩とNbのアルコキシ
ドとの還流操作により、分子内での脱エステル反応を促
進する方法。(4)Mgの水酸化物とNbのアルコキシ
ド、あるいはMgのアルコキシドとNbの水酸化物の還
流操作により、分子内での脱アルコール反応を促進す
る。(5)鉛前駆体の求核性を小さくする為、前述の無
水酢酸,エタノールアミン等の安定化剤を添加する方
法。以上のいずれかの手法を用いる事により、他の求核
性有機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−
Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を合成
できる。これらのうちでも、安定なMg−O−Nb結合
を有するという点から、(2)および(3)の方法が望
ましい。
に吸収を有するMgNb複合アルコキシド分子を得るに
は、以下のような方法がある。(1)MgおよびNbの
アルコキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液
の温度を上昇させ、例えば酸等の触媒の共存下で還流操
作を行うことにより、分子内での脱エーテル反応を促進
する方法。(2)上記のようにMgおよびNbのアルコ
キシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液の温度
を上昇させ、還流操作による複合化を行った後、無水酢
酸,エタノールアミン等に代表される安定化剤を添加す
る方法。(3)Mgのカルボン酸塩とNbのアルコキシ
ドとの還流操作により、分子内での脱エステル反応を促
進する方法。(4)Mgの水酸化物とNbのアルコキシ
ド、あるいはMgのアルコキシドとNbの水酸化物の還
流操作により、分子内での脱アルコール反応を促進す
る。(5)鉛前駆体の求核性を小さくする為、前述の無
水酢酸,エタノールアミン等の安定化剤を添加する方
法。以上のいずれかの手法を用いる事により、他の求核
性有機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−
Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を合成
できる。これらのうちでも、安定なMg−O−Nb結合
を有するという点から、(2)および(3)の方法が望
ましい。
【0026】また、合成した上記MgNb複合アルコキ
シド溶液に水と溶媒の混合溶液を適下し、部分加水分解
を行い、前述のMgNb複合アルコキシドが重縮合した
MgNbゾルを形成させる。部分加水分解とは、分子内
のアルコキシル基の一部を水酸基と置換し、置換された
分子内での脱水、あるいは脱アルコール反応により、重
縮合させる方法である。
シド溶液に水と溶媒の混合溶液を適下し、部分加水分解
を行い、前述のMgNb複合アルコキシドが重縮合した
MgNbゾルを形成させる。部分加水分解とは、分子内
のアルコキシル基の一部を水酸基と置換し、置換された
分子内での脱水、あるいは脱アルコール反応により、重
縮合させる方法である。
【0027】作製したPb前駆体溶液とMgNb複合ア
ルコキシド溶液、あるいはMgNbゾルをPb:(Mg
+Nb)=1:1のモル比で混合し、PMN前駆体溶液
とする。
ルコキシド溶液、あるいはMgNbゾルをPb:(Mg
+Nb)=1:1のモル比で混合し、PMN前駆体溶液
とする。
【0028】Tiの有機酸塩、アルコキシド等から選択
される1種のTi化合物と前述したPb前駆体溶液とを
Pb:Ti=1:1のモル比で混合した後、還流操作を
行いPT前駆体溶液を合成する。
される1種のTi化合物と前述したPb前駆体溶液とを
Pb:Ti=1:1のモル比で混合した後、還流操作を
行いPT前駆体溶液を合成する。
【0029】前述のPMN前駆体溶液とPT前駆体溶液
をモル比でPMN:PT=(1−x):xとなる様に混
合し、(1−x)PMN−xPT前駆体溶液とする。測
定周波数1kHz(室温)での比誘電率が3000以上
となる為にはxの範囲は0<x≦0.35が望ましい。
をモル比でPMN:PT=(1−x):xとなる様に混
合し、(1−x)PMN−xPT前駆体溶液とする。測
定周波数1kHz(室温)での比誘電率が3000以上
となる為にはxの範囲は0<x≦0.35が望ましい。
【0030】作製したPMN前駆体溶液、PMN−PT
前駆体溶液を基板上にスピンコート法,ディップコート
法,スプレー法等の手法により成膜する。
前駆体溶液を基板上にスピンコート法,ディップコート
法,スプレー法等の手法により成膜する。
【0031】成膜後、300℃〜400℃の温度で1分
間熱処理を行い、膜中に残留した有機物を燃焼させ、ゲ
ル膜とする。1回の膜厚は0.1μm以下が望ましい。
間熱処理を行い、膜中に残留した有機物を燃焼させ、ゲ
ル膜とする。1回の膜厚は0.1μm以下が望ましい。
【0032】成膜−熱処理を所定の膜厚になるまで繰り
返した後、750℃〜850℃で焼成を行い、本発明の
結晶質の誘電体薄膜が作製される。得られた誘電体薄膜
の膜厚は2μm以下であるが、これより厚くなると工程
数が増加し、また、コンデンサを構成した場合、容量が
小さくなるからである。誘電体薄膜の膜厚は、製造の容
易性、膜質劣化の点で1μm以下が望ましく、さらに膜
の絶縁性を考慮すると特に0.3μm〜1μmが望まし
い。
返した後、750℃〜850℃で焼成を行い、本発明の
結晶質の誘電体薄膜が作製される。得られた誘電体薄膜
の膜厚は2μm以下であるが、これより厚くなると工程
数が増加し、また、コンデンサを構成した場合、容量が
小さくなるからである。誘電体薄膜の膜厚は、製造の容
易性、膜質劣化の点で1μm以下が望ましく、さらに膜
の絶縁性を考慮すると特に0.3μm〜1μmが望まし
い。
【0033】本発明の薄膜コンデンサは、例えば、P
t,Au,Cr等を基板上にスパッタ法,蒸着法,グラ
ビア印刷等の手法により成膜して下部電極を形成し、こ
の下部電極膜の表面に、上記誘電体膜を上記方法で成膜
して形成し、この後に誘電体薄膜表面に下部電極と同様
にして上部電極を成膜することにより得られる。また、
誘電体膜と電極とを交互に複数積層することにより、積
層コンデンサを作製することもできる。
t,Au,Cr等を基板上にスパッタ法,蒸着法,グラ
ビア印刷等の手法により成膜して下部電極を形成し、こ
の下部電極膜の表面に、上記誘電体膜を上記方法で成膜
して形成し、この後に誘電体薄膜表面に下部電極と同様
にして上部電極を成膜することにより得られる。また、
誘電体膜と電極とを交互に複数積層することにより、積
層コンデンサを作製することもできる。
【0034】本発明での低周波領域とは100Hz以上
1MHz以下の範囲であり、高周波領域とは1MHz以
上であり、特に1MHz以上1GHz以下の範囲であ
る。
1MHz以下の範囲であり、高周波領域とは1MHz以
上であり、特に1MHz以上1GHz以下の範囲であ
る。
【0035】
実施例1 MgエトキシドとNbエトキシドを1:2のモル比で秤
量し、2−メトキシエタノ−ル中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=4.95mmol、Nb=10.05mmo
l、2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。その後、無水酢酸を7.50mmol添加し、安定
化させた。図1にこの溶液のIRスペクトルを示す。6
56cm-1付近にMg−O−Nb結合による吸収が見ら
れた。次に酢酸鉛(無水物)15mmolと150mm
olの2−メトキシエタノールを混合し、120℃での
蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
量し、2−メトキシエタノ−ル中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=4.95mmol、Nb=10.05mmo
l、2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。その後、無水酢酸を7.50mmol添加し、安定
化させた。図1にこの溶液のIRスペクトルを示す。6
56cm-1付近にMg−O−Nb結合による吸収が見ら
れた。次に酢酸鉛(無水物)15mmolと150mm
olの2−メトキシエタノールを混合し、120℃での
蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0036】MgNb前駆体溶液とPb前駆体溶液をモ
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (P
MN)前駆体溶液を合成した。
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (P
MN)前駆体溶液を合成した。
【0037】イソプロポキシTi(15mmol)と前
述のPb前駆体溶液をモル比Pb:Ti=1:1になる
よう混合し、還流操作(124℃24時間)を行い、P
bTiO3 (PT)前駆体溶液を合成した。
述のPb前駆体溶液をモル比Pb:Ti=1:1になる
よう混合し、還流操作(124℃24時間)を行い、P
bTiO3 (PT)前駆体溶液を合成した。
【0038】合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体溶
液とをモル比がPMN:PT=0.95:0.05にな
るよう混合し、0.95PMN−0.05PT前駆体溶
液とした。
液とをモル比がPMN:PT=0.95:0.05にな
るよう混合し、0.95PMN−0.05PT前駆体溶
液とした。
【0039】この溶液の濃度を2−メトキシエタノール
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。電極となるPt
(111)が650℃でスパッタ蒸着されたサファイア
単結晶基板上の上記Pt電極の表面に、前記塗布溶液を
スピンコーターで塗布し、乾燥させた後、300℃で熱
処理を1分間行い、ゲル膜を作製した。塗布溶液の塗布
−熱処理の操作を繰り返した後、830℃で1分間(大
気中)の焼成を行い、膜厚0.5μm、1.0μm、
2.0μmの3種類の0.95Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 −0.05PbTiO3 薄膜を得た。得ら
れた薄膜のX線回折結果より、ペロブスカイト生成率を
計算するとそれぞれ約95%であった。
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。電極となるPt
(111)が650℃でスパッタ蒸着されたサファイア
単結晶基板上の上記Pt電極の表面に、前記塗布溶液を
スピンコーターで塗布し、乾燥させた後、300℃で熱
処理を1分間行い、ゲル膜を作製した。塗布溶液の塗布
−熱処理の操作を繰り返した後、830℃で1分間(大
気中)の焼成を行い、膜厚0.5μm、1.0μm、
2.0μmの3種類の0.95Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 −0.05PbTiO3 薄膜を得た。得ら
れた薄膜のX線回折結果より、ペロブスカイト生成率を
計算するとそれぞれ約95%であった。
【0040】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、LCRメータ(ヒュウレットパッカード社製
4284A)を用いて、25℃、1kHz(Ac100
mV)の条件で比誘電率、誘電損失を求めた結果、それ
ぞれ比誘電率が3060、誘電損失が0.015であっ
た。また、図2に−40℃から+85℃の温度範囲での
比誘電率の温度特性評価結果を示す。全ての膜におい
て、キュリー温度は−10℃付近にシフトしていた。比
誘電率kの温度変化率(Δk/k(25℃))は−9.
89%から+3.5%と±10%以内であった。尚、Δ
kは−40℃から+85℃の比誘電率の変化量、k(2
5℃)は25℃における比誘電率である。
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、LCRメータ(ヒュウレットパッカード社製
4284A)を用いて、25℃、1kHz(Ac100
mV)の条件で比誘電率、誘電損失を求めた結果、それ
ぞれ比誘電率が3060、誘電損失が0.015であっ
た。また、図2に−40℃から+85℃の温度範囲での
比誘電率の温度特性評価結果を示す。全ての膜におい
て、キュリー温度は−10℃付近にシフトしていた。比
誘電率kの温度変化率(Δk/k(25℃))は−9.
89%から+3.5%と±10%以内であった。尚、Δ
kは−40℃から+85℃の比誘電率の変化量、k(2
5℃)は25℃における比誘電率である。
【0041】図3に比誘電率の直流電界依存性を示す。
直流電界5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内
であった。
直流電界5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内
であった。
【0042】上記の薄膜コンデンサの1MHzから1.
8GHzでのインピーダンス特性を、インピーダンスア
ナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP4291
A)を用いて測定した。薄膜コンデンサの自己共振点が
300MHz以上になるよう、電極面積および電極厚み
を変更し、薄膜コンデンサの容量CとインダクタンスL
を調整した。測定周波数100MHzでのインピーダン
スから容量を算出し、比誘電率を求めると、2980で
あった。図4に比誘電率の周波数特性の結果を示す。ま
た、100MHzにおける温度特性および直流電界依存
性は1kHzでの結果と同様であった。
8GHzでのインピーダンス特性を、インピーダンスア
ナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP4291
A)を用いて測定した。薄膜コンデンサの自己共振点が
300MHz以上になるよう、電極面積および電極厚み
を変更し、薄膜コンデンサの容量CとインダクタンスL
を調整した。測定周波数100MHzでのインピーダン
スから容量を算出し、比誘電率を求めると、2980で
あった。図4に比誘電率の周波数特性の結果を示す。ま
た、100MHzにおける温度特性および直流電界依存
性は1kHzでの結果と同様であった。
【0043】実施例2 MgエトキシドとNbエトキシドを1:2のモル比で秤
量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=4.95mmol、Nb=10.05mmo
l、2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。
量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=4.95mmol、Nb=10.05mmo
l、2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。
【0044】この溶液に全金属量(Mg+Nb)に対
し、2倍量の水と2−メトキシエタノール、及び無水酢
酸7.5mmolの均一混合溶液を攪拌しながら滴下
し、部分加水分解を行い、MgNbゾル溶液を合成し
た。この溶液のIRスペクトルを測定した結果、656
cm-1付近にMg−O−Nb結合による吸収が見られ
た。次に酢酸鉛(無水物)15mmolと150mmo
lの2−メトキシエタノールを混合し、120℃での蒸
留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
し、2倍量の水と2−メトキシエタノール、及び無水酢
酸7.5mmolの均一混合溶液を攪拌しながら滴下
し、部分加水分解を行い、MgNbゾル溶液を合成し
た。この溶液のIRスペクトルを測定した結果、656
cm-1付近にMg−O−Nb結合による吸収が見られ
た。次に酢酸鉛(無水物)15mmolと150mmo
lの2−メトキシエタノールを混合し、120℃での蒸
留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0045】そして、実施例1と同様にしてPMN前駆
体溶液を合成し、PT前駆体溶液を合成した。
体溶液を合成し、PT前駆体溶液を合成した。
【0046】合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体溶
液とをモル比がPMN:PT=0.9:0.1になるよ
う混合し、0.9PMN−0.1PT前駆体溶液とし
た。
液とをモル比がPMN:PT=0.9:0.1になるよ
う混合し、0.9PMN−0.1PT前駆体溶液とし
た。
【0047】この前駆体溶液を実施例1と同様にして、
塗布、熱処理操作を繰り返した後、焼成を行い、膜厚
0.5μm、1.0μm、2.0μmの3種類の0.9
Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.1PbTiO3 薄
膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果よりペロブスカ
イト生成率を計算するとそれぞれ約95%であった。
塗布、熱処理操作を繰り返した後、焼成を行い、膜厚
0.5μm、1.0μm、2.0μmの3種類の0.9
Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.1PbTiO3 薄
膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果よりペロブスカ
イト生成率を計算するとそれぞれ約95%であった。
【0048】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、実施例1と同様にして1kHz(室温)での
比誘電率、誘電損失を求めた結果、それぞれ比誘電率が
3100、誘電損失が0.026であった。また、図2
に−40℃から+85℃の温度範囲での比誘電率の温度
特性評価結果を示す。全ての膜において、キュリー温度
は40℃付近にシフトしていた。比誘電率kの温度変化
率(Δk/k(25℃))は−9.34%から+2.4
4%と±10%以内であった。
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、実施例1と同様にして1kHz(室温)での
比誘電率、誘電損失を求めた結果、それぞれ比誘電率が
3100、誘電損失が0.026であった。また、図2
に−40℃から+85℃の温度範囲での比誘電率の温度
特性評価結果を示す。全ての膜において、キュリー温度
は40℃付近にシフトしていた。比誘電率kの温度変化
率(Δk/k(25℃))は−9.34%から+2.4
4%と±10%以内であった。
【0049】図3に直流電界依存性を示した。直流電界
5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内であっ
た。
5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内であっ
た。
【0050】実施例1と同様に、高周波領域でのインピ
ーダンス特性から求めた100MHzでの比誘電率は2
700であった。図4に比誘電率の周波数特性の結果を
示す。温度特性および直流電界依存性も1kHzでの結
果と同様であった。
ーダンス特性から求めた100MHzでの比誘電率は2
700であった。図4に比誘電率の周波数特性の結果を
示す。温度特性および直流電界依存性も1kHzでの結
果と同様であった。
【0051】実施例3 実施例2と同様にしてPMN前駆体溶液とPT前駆体溶
液を合成した。合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体
溶液とをモル比PMN:PT=0.65:0.35にな
るよう混合し、0.65PMN−0.35PT前駆体溶
液とした。
液を合成した。合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体
溶液とをモル比PMN:PT=0.65:0.35にな
るよう混合し、0.65PMN−0.35PT前駆体溶
液とした。
【0052】この前駆体溶液を実施例1,2と同様にし
て、塗布熱処理操作を繰り返した後、焼成を行い、膜厚
0.5μm、1.0μm、2.0μmの3種類の0.6
5Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.35PbTiO
3 薄膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果よりペロブ
スカイト生成率を計算するとそれぞれ約95%であっ
た。
て、塗布熱処理操作を繰り返した後、焼成を行い、膜厚
0.5μm、1.0μm、2.0μmの3種類の0.6
5Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.35PbTiO
3 薄膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果よりペロブ
スカイト生成率を計算するとそれぞれ約95%であっ
た。
【0053】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、実施例1および2と同様にして、1kHz
(室温)での比誘電率、誘電損失を求めた結果、それぞ
れ比誘電率が約3000、誘電損失が0.035であっ
た。全ての膜において、キュリー温度は150℃付近に
シフトしていた。図2に−40℃から+85℃の温度範
囲での比誘電率の温度特性評価結果を示す。比誘電率k
の温度変化率(Δk/k(25℃))は−8.66%か
ら+9.5%と±10%以内であった。
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、実施例1および2と同様にして、1kHz
(室温)での比誘電率、誘電損失を求めた結果、それぞ
れ比誘電率が約3000、誘電損失が0.035であっ
た。全ての膜において、キュリー温度は150℃付近に
シフトしていた。図2に−40℃から+85℃の温度範
囲での比誘電率の温度特性評価結果を示す。比誘電率k
の温度変化率(Δk/k(25℃))は−8.66%か
ら+9.5%と±10%以内であった。
【0054】図3に直流電界依存性を示した。直流電界
5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内であっ
た。
5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内であっ
た。
【0055】実施例1と同様に、高周波領域でのインピ
ーダンス特性から求めた100MHzでの比誘電率は2
650であった。図4に比誘電率の周波数特性の結果を
示す。温度特性および直流電界依存性も1kHzでの結
果と同様であった。
ーダンス特性から求めた100MHzでの比誘電率は2
650であった。図4に比誘電率の周波数特性の結果を
示す。温度特性および直流電界依存性も1kHzでの結
果と同様であった。
【0056】比較例 MgエトキシドとNbエトキシドを1:2のモル比で秤
量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=4.95mmol、Nb=10.05mmo
l、2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。このMgNb複合アルコキシド溶液のIRスペクト
ルを測定した結果、656cm-1付近の吸収は見られな
かった。
量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=4.95mmol、Nb=10.05mmo
l、2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。このMgNb複合アルコキシド溶液のIRスペクト
ルを測定した結果、656cm-1付近の吸収は見られな
かった。
【0057】次に酢酸鉛(無水物)15mmolと15
0mmolの2−メトキシエタノールを混合し、120
℃での蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
0mmolの2−メトキシエタノールを混合し、120
℃での蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0058】MgNbゾル溶液とPb前駆体溶液とをモ
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆
体溶液を合成した。
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆
体溶液を合成した。
【0059】実施例1、2および3と同様にしてこのP
MN前駆体溶液にPT前駆体溶液を混合し、モル比がP
MN:PT=0.95:0.05となるように混合し、
0.95PMN−0.05PT前駆体溶液を合成した。
MN前駆体溶液にPT前駆体溶液を混合し、モル比がP
MN:PT=0.95:0.05となるように混合し、
0.95PMN−0.05PT前駆体溶液を合成した。
【0060】この前駆体溶液を実施例1、2、3と同様
にして、塗布熱処理操作を繰り返した後、焼成を行い、
膜厚0.50μm、1.0μm、2.0μmの3種類の
0.95Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.05Pb
TiO3 薄膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果よ
り、ペロブスカイト生成率を計算すると約95%であっ
た。
にして、塗布熱処理操作を繰り返した後、焼成を行い、
膜厚0.50μm、1.0μm、2.0μmの3種類の
0.95Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.05Pb
TiO3 薄膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果よ
り、ペロブスカイト生成率を計算すると約95%であっ
た。
【0061】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、実施例1、2および3と同様にして、1kH
z(室温)での比誘電率、誘電損失を求めた結果、それ
ぞれ比誘電率が約1850、誘電損失が0.015であ
り、比誘電率が実施例1に比べ小さかった。キュリー点
は約−10℃付近に存在した。また、実施例と同じ条件
で行った比誘電率の温度特性評価結果を図2に示す。比
誘電率kの温度変化率(Δk/k(25℃))は−4
3.5%から+30.0%であった。図2に示す。従来
法では比誘電率、温度特性共に悪化した。
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、実施例1、2および3と同様にして、1kH
z(室温)での比誘電率、誘電損失を求めた結果、それ
ぞれ比誘電率が約1850、誘電損失が0.015であ
り、比誘電率が実施例1に比べ小さかった。キュリー点
は約−10℃付近に存在した。また、実施例と同じ条件
で行った比誘電率の温度特性評価結果を図2に示す。比
誘電率kの温度変化率(Δk/k(25℃))は−4
3.5%から+30.0%であった。図2に示す。従来
法では比誘電率、温度特性共に悪化した。
【0062】尚、実施例1と同様に、高周波領域でのイ
ンピーダンス特性から求めた100MHzでの比誘電率
は1250であった。
ンピーダンス特性から求めた100MHzでの比誘電率
は1250であった。
【0063】実施例4 酢酸MgとNbエトキシドを1:2のモル比で秤量し、
2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃で24
時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液(Mg=
4.95mmol、Nb=10.05mmol、2−メ
トキシエタノール150mmol)を合成した。次に酢
酸鉛(無水物)15mmolと150mmolの2−メ
トキシエタノールを混合し、120℃での蒸留操作によ
り、Pb前駆体溶液を合成した。
2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃で24
時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液(Mg=
4.95mmol、Nb=10.05mmol、2−メ
トキシエタノール150mmol)を合成した。次に酢
酸鉛(無水物)15mmolと150mmolの2−メ
トキシエタノールを混合し、120℃での蒸留操作によ
り、Pb前駆体溶液を合成した。
【0064】MgNb前駆体溶液とPb前駆体溶液をモ
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (P
MN)前駆体溶液を合成した。
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (P
MN)前駆体溶液を合成した。
【0065】この溶液の濃度を2−メトキシエタノール
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。電極となるPt
(111)が650℃でスパッタ蒸着されたサファイア
単結晶基板上の上記Pt電極の表面に、前記塗布溶液を
スピンコーターで塗布し、乾燥させた後、300℃で熱
処理を1分間行い、ゲル膜を作製した。塗布溶液の塗布
−熱処理の操作を繰り返した後、830℃で1分間(大
気中)の焼成を行い、膜厚0.5μm、1.0μm、
2.0μmの3種類のPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 薄
膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果より、ペロブス
カイト生成率を計算するとそれぞれ約95%であった。
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。電極となるPt
(111)が650℃でスパッタ蒸着されたサファイア
単結晶基板上の上記Pt電極の表面に、前記塗布溶液を
スピンコーターで塗布し、乾燥させた後、300℃で熱
処理を1分間行い、ゲル膜を作製した。塗布溶液の塗布
−熱処理の操作を繰り返した後、830℃で1分間(大
気中)の焼成を行い、膜厚0.5μm、1.0μm、
2.0μmの3種類のPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 薄
膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果より、ペロブス
カイト生成率を計算するとそれぞれ約95%であった。
【0066】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、LCRメータ(ヒュウレットパッカード社製
4284A)を用いて、25℃、1kHz(Ac100
mV)の条件で比誘電率、誘電損失を求めた結果、それ
ぞれ比誘電率が2620、誘電損失が0.036であっ
た。また、図5に−40℃から+85℃の温度範囲での
比誘電率の温度特性評価結果を示す。比誘電率kの温度
変化率(Δk/k(25℃))は−9.6%から+6.
0%と±15%以内であった。尚、Δkは−40℃から
+85℃の比誘電率の変化量、k(25℃)は25℃に
おける比誘電率である。
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、LCRメータ(ヒュウレットパッカード社製
4284A)を用いて、25℃、1kHz(Ac100
mV)の条件で比誘電率、誘電損失を求めた結果、それ
ぞれ比誘電率が2620、誘電損失が0.036であっ
た。また、図5に−40℃から+85℃の温度範囲での
比誘電率の温度特性評価結果を示す。比誘電率kの温度
変化率(Δk/k(25℃))は−9.6%から+6.
0%と±15%以内であった。尚、Δkは−40℃から
+85℃の比誘電率の変化量、k(25℃)は25℃に
おける比誘電率である。
【0067】図6に比誘電率の直流電界依存性を示す。
直流電界5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内
であった。
直流電界5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内
であった。
【0068】上記の薄膜コンデンサの1MHzから1.
8GHzでのインピーダンス特性を、インピーダンスア
ナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP4291
A)を用いて測定した。薄膜コンデンサの共振周波数が
300MHz以上になるよう、電極面積および電極厚み
を変更し、薄膜コンデンサの容量CとインダクタンスL
を調整した。測定周波数100MHzでのインピーダン
スから容量を算出し、比誘電率を求めると、2040で
あった。図7に比誘電率の周波数特性を示す。
8GHzでのインピーダンス特性を、インピーダンスア
ナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP4291
A)を用いて測定した。薄膜コンデンサの共振周波数が
300MHz以上になるよう、電極面積および電極厚み
を変更し、薄膜コンデンサの容量CとインダクタンスL
を調整した。測定周波数100MHzでのインピーダン
スから容量を算出し、比誘電率を求めると、2040で
あった。図7に比誘電率の周波数特性を示す。
【0069】また、温度特性および直流電界依存性は1
kHzでの結果と同様であった。
kHzでの結果と同様であった。
【0070】実施例5 酢酸MgとNbエトキシドを1:2のモル比で秤量し、
2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃で24
時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液(Mg=
4.95mmol、Nb=10.05mmol、2−メ
トキシエタノール150mmol)を合成した。
2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃で24
時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液(Mg=
4.95mmol、Nb=10.05mmol、2−メ
トキシエタノール150mmol)を合成した。
【0071】この溶液に全金属量(Mg+Nb)に対
し、2倍量の水と2−メトキシエタノール、および無水
酢酸7.5mmolの均一混合溶液を撹拌しながら滴下
し、部分加水分解を行い、MgNbゾルを合成した。
し、2倍量の水と2−メトキシエタノール、および無水
酢酸7.5mmolの均一混合溶液を撹拌しながら滴下
し、部分加水分解を行い、MgNbゾルを合成した。
【0072】次に酢酸鉛(無水物)15mmolと15
0mmolの2−メトキシエタノールを混合し、120
℃での蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
0mmolの2−メトキシエタノールを混合し、120
℃での蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0073】MgNbゾル溶液とPb前駆体溶液をモル
比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、室
温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (PM
N)前駆体溶液を合成した。
比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、室
温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (PM
N)前駆体溶液を合成した。
【0074】この溶液の濃度を2−メトキシエタノール
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。実施例1と同様
に、電極となるPt(111)が650℃でスパッタ蒸
着されたサファイア単結晶基板上の上記Pt電極の表面
に成膜し、830℃で1分間(大気中)の焼成を行い、
膜厚0.5μm、1.0μm、2.0μmの3種類のP
b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 薄膜を得た。得られた薄膜
のX線回折結果より、ペロブスカイト生成率を計算する
とそれぞれ約95%であった。
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。実施例1と同様
に、電極となるPt(111)が650℃でスパッタ蒸
着されたサファイア単結晶基板上の上記Pt電極の表面
に成膜し、830℃で1分間(大気中)の焼成を行い、
膜厚0.5μm、1.0μm、2.0μmの3種類のP
b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 薄膜を得た。得られた薄膜
のX線回折結果より、ペロブスカイト生成率を計算する
とそれぞれ約95%であった。
【0075】実施例1と同様に、薄膜コンデンサを作製
し、LCRメータ(ヒュウレットパッカード社製428
4A)を用いて、25℃、1kHz(Ac100mV)
の条件で比誘電率、誘電損失を求めた結果、それぞれ比
誘電率が2900、誘電損失が0.023であった。ま
た、図5に−40℃から+85℃の温度範囲での比誘電
率の温度特性評価結果を示す。比誘電率kの温度変化率
(Δk/k(25℃))は−14.9%から+7.5%
と±15%以内であった。尚、Δkは−40℃から+8
5℃の比誘電率の変化量、k(25℃)は25℃におけ
る比誘電率である。
し、LCRメータ(ヒュウレットパッカード社製428
4A)を用いて、25℃、1kHz(Ac100mV)
の条件で比誘電率、誘電損失を求めた結果、それぞれ比
誘電率が2900、誘電損失が0.023であった。ま
た、図5に−40℃から+85℃の温度範囲での比誘電
率の温度特性評価結果を示す。比誘電率kの温度変化率
(Δk/k(25℃))は−14.9%から+7.5%
と±15%以内であった。尚、Δkは−40℃から+8
5℃の比誘電率の変化量、k(25℃)は25℃におけ
る比誘電率である。
【0076】図6に比誘電率の直流電界依存性を示す。
直流電界5V/μm での比誘電率の減少率は40%以内
であった。
直流電界5V/μm での比誘電率の減少率は40%以内
であった。
【0077】上記実施例4と同様にして測定周波数10
0MHzでのインピーダンスから容量を算出し、比誘電
率を求めると、2400であった。図7に比誘電率の周
波数特性を示す。また、温度特性および直流電界依存性
は1kHzでの結果と同様であった。
0MHzでのインピーダンスから容量を算出し、比誘電
率を求めると、2400であった。図7に比誘電率の周
波数特性を示す。また、温度特性および直流電界依存性
は1kHzでの結果と同様であった。
【0078】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明によれば、ペ
ロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下
の誘電体薄膜であって、PMN薄膜の場合には、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、1
00MHz(室温)での比誘電率が2000以上、比誘
電率の温度特性が±15%以内(−40℃〜85℃)、
直流電界5V/μm印加時の比誘電率の減少率が40%
以内、また、PMN−PT薄膜の場合には、測定周波数
1kHz(室温)での比誘電率が3000以上、測定周
波数100MHz(室温)での比誘電率が2500以上
となり、また温度変化率が±10%以内(−40〜+8
5℃)の薄膜が得られ、このような薄膜の両面に一対の
電極を対向形成してコンデンサを作製することにより、
測定周波数によらず、高誘電率で温度特性の良好な薄膜
コンデンサを得ることができる。
ロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下
の誘電体薄膜であって、PMN薄膜の場合には、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、1
00MHz(室温)での比誘電率が2000以上、比誘
電率の温度特性が±15%以内(−40℃〜85℃)、
直流電界5V/μm印加時の比誘電率の減少率が40%
以内、また、PMN−PT薄膜の場合には、測定周波数
1kHz(室温)での比誘電率が3000以上、測定周
波数100MHz(室温)での比誘電率が2500以上
となり、また温度変化率が±10%以内(−40〜+8
5℃)の薄膜が得られ、このような薄膜の両面に一対の
電極を対向形成してコンデンサを作製することにより、
測定周波数によらず、高誘電率で温度特性の良好な薄膜
コンデンサを得ることができる。
【図1】実施例1で使用したMgNb複合アルコキシド
のIRスペクトルを示す図である。
のIRスペクトルを示す図である。
【図2】実施例で作製した(1−x)Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 −xPbTiO3薄膜(x=0.05,
0.1,0.35)、および比較例で作製した(1−
x)Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO3 薄
膜(x=0.05)の比誘電率の温度特性を示す図であ
る。
b2/3 )O3 −xPbTiO3薄膜(x=0.05,
0.1,0.35)、および比較例で作製した(1−
x)Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO3 薄
膜(x=0.05)の比誘電率の温度特性を示す図であ
る。
【図3】実施例で作製した(1−x)Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 −xPbTiO3薄膜(x=0.05,
0.1,0.35)の比誘電率の直流電界依存性を示す
図である。
b2/3 )O3 −xPbTiO3薄膜(x=0.05,
0.1,0.35)の比誘電率の直流電界依存性を示す
図である。
【図4】実施例で作製した(1−x)Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 −xPbTiO3薄膜(x=0.05,
0.1,0.35)の比誘電率の周波数特性を示す図で
ある。
b2/3 )O3 −xPbTiO3薄膜(x=0.05,
0.1,0.35)の比誘電率の周波数特性を示す図で
ある。
【図5】実施例で作製したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 薄膜の測定周波数1kHzにおける比誘電率の温度特
性を示す図である。
3 薄膜の測定周波数1kHzにおける比誘電率の温度特
性を示す図である。
【図6】実施例で作製したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 薄膜の測定周波数1kHzにおける比誘電率の直流電
界依存性を示す図である。
3 薄膜の測定周波数1kHzにおける比誘電率の直流電
界依存性を示す図である。
【図7】実施例で作製したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 薄膜の比誘電率の周波数特性を示す図である。
3 薄膜の比誘電率の周波数特性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01G 4/12 400 H01G 4/06 102
Claims (7)
- 【請求項1】金属元素としてPb、Mg、NbおよびT
iを含むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚
2μm以下の誘電体薄膜であって、測定周波数1KHz
(室温)での比誘電率が3000以上であることを特徴
とする誘電体薄膜。 - 【請求項2】ペロブスカイト型複合酸化物結晶の組成が
(1−x)Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTi
O3 (0<x≦0.35)で表されることを特徴とする
請求項1記載の誘電体薄膜。 - 【請求項3】測定周波数100MHz(室温)での比誘
電率が2500以上であることを特徴とする請求項1ま
たは2記載の誘電体薄膜。 - 【請求項4】赤外吸収スペクトルにおいて656cm-1
付近に吸収を有するMgNb複合アルコキシドを用いて
作製したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、
PbTiO3 前駆体溶液とを混合して、Pb(Mg1/3
Nb2/3 )O3−PbTiO3 前駆体溶液を調製し、該
Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶
液を基板に塗布し、焼成することを特徴とする誘電体薄
膜の製法。 - 【請求項5】赤外吸収スペクトルにおいて656cm-1
付近に吸収を有するMgNb複合アルコキシドを部分的
に加水分解し、得られたMgNbゾルを用いて合成した
Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、PbTi
O3 前駆体溶液とを混合して、Pb(Mg1/3 N
b2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を調製し、該P
b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液
を基板に塗布し、焼成することを特徴とする誘電体薄膜
の製法。 - 【請求項6】金属元素としてPb、Mg、NbおよびT
iを含むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚
2μm以下の誘電体薄膜であって、室温での比誘電率が
3000以上の誘電体薄膜の両面に、一対の電極を対向
して形成してなることを特徴とする薄膜コンデンサ。 - 【請求項7】金属元素としてPb、MgおよびNbを含
むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚2μm
以下の誘電体薄膜であって、測定周波数1kHz(室
温)での比誘電率が2500以上、100MHz(室
温)での比誘電率が2000以上であり、かつ比誘電率
の温度特性が±15%以内(−40℃〜85℃)であ
り、直流電界5V/μm印加時の比誘電率の減少率が4
0%以内であることを特徴とする誘電体薄膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8310389A JPH09202621A (ja) | 1995-11-21 | 1996-11-21 | 誘電体薄膜およびその製法並びに薄膜コンデンサ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-302640 | 1995-11-21 | ||
JP30264095 | 1995-11-21 | ||
JP8310389A JPH09202621A (ja) | 1995-11-21 | 1996-11-21 | 誘電体薄膜およびその製法並びに薄膜コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09202621A true JPH09202621A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=26563211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8310389A Pending JPH09202621A (ja) | 1995-11-21 | 1996-11-21 | 誘電体薄膜およびその製法並びに薄膜コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09202621A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008047000A2 (fr) * | 2006-10-19 | 2008-04-24 | Commissariat A L'energie Atomique | Condensateur a films minces a stabilite elevee et procede de fabrication |
FR2907593A1 (fr) * | 2007-02-26 | 2008-04-25 | Commissariat Energie Atomique | Procede de fabrication d'un condensateur a stabilite elevee. |
JP2014036022A (ja) * | 2012-08-07 | 2014-02-24 | Nagoya Institute Of Technology | チューナブルキャパシタ |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06333772A (ja) * | 1993-03-25 | 1994-12-02 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 薄膜コンデンサ及びその製造方法 |
JPH07283069A (ja) * | 1994-04-07 | 1995-10-27 | Murata Mfg Co Ltd | 誘電体薄膜およびその製造方法 |
-
1996
- 1996-11-21 JP JP8310389A patent/JPH09202621A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH06333772A (ja) * | 1993-03-25 | 1994-12-02 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 薄膜コンデンサ及びその製造方法 |
JPH07283069A (ja) * | 1994-04-07 | 1995-10-27 | Murata Mfg Co Ltd | 誘電体薄膜およびその製造方法 |
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WO2008047000A2 (fr) * | 2006-10-19 | 2008-04-24 | Commissariat A L'energie Atomique | Condensateur a films minces a stabilite elevee et procede de fabrication |
WO2008047000A3 (fr) * | 2006-10-19 | 2008-06-19 | Commissariat Energie Atomique | Condensateur a films minces a stabilite elevee et procede de fabrication |
US8169771B2 (en) | 2006-10-19 | 2012-05-01 | Commissariat A L'energie Atomique | High-stability thin-film capacitor and method for making the same |
FR2907593A1 (fr) * | 2007-02-26 | 2008-04-25 | Commissariat Energie Atomique | Procede de fabrication d'un condensateur a stabilite elevee. |
JP2014036022A (ja) * | 2012-08-07 | 2014-02-24 | Nagoya Institute Of Technology | チューナブルキャパシタ |
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