JPH09202621A - 誘電体薄膜およびその製法並びに薄膜コンデンサ - Google Patents

誘電体薄膜およびその製法並びに薄膜コンデンサ

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JPH09202621A
JPH09202621A JP8310389A JP31038996A JPH09202621A JP H09202621 A JPH09202621 A JP H09202621A JP 8310389 A JP8310389 A JP 8310389A JP 31038996 A JP31038996 A JP 31038996A JP H09202621 A JPH09202621 A JP H09202621A
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thin film
precursor solution
dielectric constant
room temperature
dielectric thin
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JP8310389A
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Hisanori Nagakari
尚謙 永仮
Yasuyo Kamigaki
耕世 神垣
Shinji Nanbu
信次 南部
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2
500以上、100MHz(室温)での比誘電率が20
00以上の誘電体薄膜を提供する。 【解決手段】金属元素としてPb、Mg、NbおよびT
iを含むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚
2μm以下の誘電体薄膜であって、測定周波数1KHz
(室温)での比誘電率が3000以上の誘電体薄膜であ
り、ペロブスカイト型複合酸化物結晶の組成が(1−
x)Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO
3 (0<x≦0.35)で表され、測定周波数100M
Hz(室温)での比誘電率が2500以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電体薄膜およびそ
の製法並びにこの誘電体薄膜を用いた薄膜コンデンサに
関するものである。
【0002】
【従来技術】2種以上の金属からなる複合ペロブスカイ
ト酸化物、特にPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (以下、
PMNという)は室温で大きな比誘電率を有するため、
コンデンサ材料として有用であることが知られている。
また、PMNにPbTiO3(以下、PTという)を固
溶させる事により、比誘電率が大きくなり、キュリー温
度が高温側にシフトする事が知られている。例えば、P
MNに10mol%のPTを固溶させる事により、比誘
電率の最大値が16000から20000に向上し、キ
ュリー温度が−15℃から+40℃に変化する事が報告
されている。
【0003】このようなPMNまたはPMN−PT焼結
体として、従来、PbO粉末とMgCO3 粉末とNb2
5 粉末、またはこれらの粉末とTiO2 粉末とを一括
して混合粉砕し、焼結する固相焼結法が知られている。
しかしながら、このような一括して混合粉砕する固相焼
結によるPMN、およびPMN−PT焼結体の作製で
は、ほぼペロブスカイト単相からなる焼結体を得るのは
困難であり、低温で安定なパイロクロア相が生成し易
く、また生成したパイロクロア相は誘電率が低いため、
結果として焼結体の比誘電率が低くなり、コンデンサ材
料として不適当な場合が多い。
【0004】このため、固相焼結法では、MgNb酸化
物(MgNb2 6 )とPb原料、およびTi原料を反
応させるコランバイト法による合成が行われている。こ
の方法によれば、ほぼペロブスカイト単相の焼結体を得
ることが可能となり、比誘電率を15000以上とする
ことができる。しかしながら、従来、これらバルク材料
は比誘電率の周波数分散が大きく、1MHz以上の高周
波では比誘電率が小さくなり、コンデンサとして機能し
なくなると考えられていた。
【0005】一方、近年、電子機器の小型化に伴い、電
子部品の小型化,薄膜化が要求されており、PMN等の
高誘電率材料を薄膜化し、薄膜コンデンサに応用しよう
とされているが、従来の固相焼結法では膜厚はせいぜい
10μm程度であった。また薄膜においても固相焼結法
による焼結体と同様、低温で安定なパイロクロア相が生
成し易く、ほぼペロブスカイト単相からなる膜を得るの
が困難となり、コンデンサ材料として不適当な場合が多
い。特に薄膜化する場合、下部電極との格子の不整合お
よび化学結合の相違等でパイロクロア相が生成し易いと
いう問題がある言われており(例えば、特開平6−57
437号公報参照)、パイロクロア相の少ないペロブス
カイト単相のPMN薄膜、およびPMN−PT薄膜を得
るのが困難であった。
【0006】これらのパイロクロア相生成の問題を解決
する手法として、ゾルゲル法で作製されたPMN薄膜、
およびPMN−PT薄膜においては、急速昇温焼成(特
開平2−177521号公報)やシーディング法(特開
平6−57437号公報)等の種々の手法が提案されて
おり、ペロブスカイト単相に近いPMN薄膜、およびP
MN−PT薄膜が得られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、急速昇
温焼成法,シーディング法によるPMN薄膜、およびP
MN−PT薄膜では、ほぼペロブスカイト単相からなる
膜が得られているが、未だ室温における比誘電率がせい
ぜい2000程度と低く、PMN系材料本来の特性が発
揮されていないのが現状であった。
【0008】また、上記したように、1MHz以上の高
周波領域では比誘電率が小さく、高周波特性が低いと考
えられていたため、PMN薄膜、およびPMNーPT薄
膜の高周波分野への応用は考えられていなかった(特開
平6−77083参照)。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
の解決方法を鋭意検討した結果、ゾルゲル法によるPM
N薄膜、およびPMN−PT薄膜の合成の際、他の求核
性を有する有機金属化合物の存在下においても安定なM
g−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分
子、或いはMgNb複合アルコキシド分子を部分的に加
水分解したゾルをMgNb前駆体として用いて合成した
PMN前駆体溶液を用いることにより、PMN薄膜の場
合には、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が2
500以上、100MHz(室温)での比誘電率が20
00以上にでき、PMN−PT薄膜の場合には、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が3000以上、ま
た100MHz(室温)での比誘電率が2500以上に
でき、さらにこれを用いて低周波および高周波において
も使用可能な薄膜コンデンサが得られることを見い出し
た。
【0010】即ち、本発明の誘電体薄膜は、金属元素と
してPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト
型複合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下の誘電体薄膜
であって、測定周波数1KHz(室温)での比誘電率が
3000以上であることを特徴とする。ここで、ペロブ
スカイト型複合酸化物結晶の組成が(1−x)Pb(M
1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO3 (0<x≦0.
35)で表されるものである。また、測定周波数100
MHz(室温)での比誘電率が2500以上である。
【0011】本発明の誘電体薄膜の製造方法は、赤外吸
収スペクトルにおいて656cm-1付近に吸収を有する
MgNb複合アルコキシドを用いて作製したPb(Mg
1/3Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、PbTiO3 前駆体溶
液とを混合して、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −Pb
TiO3 前駆体溶液を調製し、該Pb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を基板に塗布し、
焼成することにより得られる。
【0012】また、赤外吸収スペクトルにおいて656
cm-1付近に吸収を有するMgNb複合アルコキシドを
部分的に加水分解し、得られたMgNbゾルを用いて合
成したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、P
bTiO3 前駆体溶液とを混合して、Pb(Mg1/3
2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を調製し、該P
b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液
を基板に塗布し、焼成することにより得られる。
【0013】さらに、本発明の誘電体薄膜は、金属元素
としてPb、MgおよびNbを含むペロブスカイト型複
合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下の誘電体薄膜であ
って、測定周波数1kHz(室温)での比誘電率が25
00以上、100MHz(室温)での比誘電率が200
0以上であり、かつ比誘電率の温度特性が±15%以内
(−40℃〜85℃)であり、直流電界5V/μm印加
時の比誘電率の減少率が40%以内である。
【0014】本発明の薄膜コンデンサは、金属元素とし
てPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイト型
複合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下の誘電体薄膜で
あって、室温での比誘電率が3000以上の誘電体薄膜
の両面に、一対の電極を対向して形成してなるものであ
る。
【0015】
【作用】従来より、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 の合
成において用いられるMgNb複合アルコキシド分子
は、Mg〔Nb(OR)6 2 で示され、MgとNbの
複合化はアルコキシ基の配位結合によることが知られて
いる。しかしながら、配位結合によるMgNb複合アル
コキシド分子に酢酸鉛等の求核性有機金属化合物を混合
すると、複合化が崩れ不安定であることが報告されてい
る(日本セラミックス協会誌,102〔4〕P393〜
396(1994))。
【0016】本発明では、MgNb複合アルコキシド分
子を合成する際、Mg及びNbの金属化合物間の反応促
進、及び複合アルコキシド分子を安定化する手法を用
い、他の求核性有機金属化合物の存在下においても、安
定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキ
シドを合成させ、このMgNb複合アルコキシド分子を
含む溶液とPb前駆体溶液とを混合してPb(Mg1/3
Nb2/3 )O3 前駆体溶液を合成する点、さらにこれに
PbTiO3 前駆体溶液を混合し、Pb(Mg1/ 3 Nb
2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を合成する点に特
徴がある。
【0017】この様な手法で得られたMgNb前駆体溶
液は、赤外吸収スペクトル(以下、IRスペクトル)に
おいて、656cm-1付近に吸収を有し、溶液の段階で
既にコランバイト(MgNb2 6 )に近い構造を持
つ、強固なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合ア
ルコキシド分子が形成されている。このため、他の求核
性有機金属化合物(例えば酢酸鉛)に対して安定であ
り、Mg−O−Nb結合が破壊されることなく、Pb
(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体が形成される。
【0018】このPMN前駆体溶液、またはこれにPb
TiO3 前駆体溶液を混合したPMN−PT前駆体溶液
を塗布し、焼成することにより、本発明の誘電体薄膜が
得られる。これにより、PMN薄膜の場合には、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、1
00MHz(室温)での比誘電率が2000以上、比誘
電率の温度特性が±15%以内(−40℃〜85℃)、
直流電界5V/μm印加時の比誘電率の減少率が40%
以内となる。また、PMN−PT薄膜の場合には、比誘
電率の増大、及びキュリー温度が高温側へシフトし、膜
厚が2μm以下で、測定周波数1kHz(室温)での比
誘電率が3000以上、測定周波数100MHz(室
温)での比誘電率が2500以上となり、また温度変化
率が±10%以内(−40〜+85℃)の優れた特性を
有する。
【0019】また、上記のMgNb複合アルコキシド分
子を部分的に加水分解処理することにより数nmオーダ
ーのMgNbゾルが形成され、この数nmオーダーのM
gNbゾルを含むPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体
が形成される。このPMN前駆体溶液、またはこれにP
bTiO3 前駆体溶液を混合したPMN−PT前駆体溶
液を塗布し、焼成することにより、本発明の誘電体薄膜
が得られる。これにより、上記と同様の特性が得られ
る。
【0020】本発明の誘電体薄膜では、特に、金属元素
としてPb、Mg、NbおよびTiを含むペロブスカイ
ト型複合酸化物結晶の組成が(1−x)Pb(Mg1/3
Nb2/3 )O3 −xPbTiO3 (0<x≦0.35)
で表されるものが望ましく、このような組成にすること
により優れた特性が得られる。
【0021】そして、膜厚が2μm以下で、測定周波数
1kHzでの比誘電率が3000以上、100MHzで
の比誘電率が2500以上と高く、かつ温度特性の良好
なペロブスカイト型複合酸化物からなる誘電体薄膜を一
対の電極により挟持することにより、高誘電率の薄膜コ
ンデンサを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体薄膜作製において
は、まず塗布溶液としてPb、MgおよびNb、または
これらとTiの有機金属化合物が均一に溶解した前駆体
溶液を調製する。
【0023】まず鉛(Pb)の有機酸塩、無機塩、アル
コキシドから選択される少なくとも1種の鉛化合物をR
1 OH、R2 OC2 4 OH、R3 COOH(R1 、R
2 、R3 :炭素数1以上のアルキル基)で示される溶媒
に混合する。この時、鉛化合物が結晶水を含む場合に
は、作製したPb前駆体溶液中に水が存在しないように
脱水処理する。
【0024】次にMg、及びNbの有機酸塩、無機塩、
アルコキシドから選択される少なくとも1種のMg化合
物、Nb化合物をMg:Nb=1:2のモル比でR1
H、R2 OC2 4 OH、R3 COOH(R1 、R2
3 :炭素数1以上のアルキル基)で示される溶媒に混
合する。混合後、所定の操作を行い、IRスペクトルに
おいて656cm-1付近に吸収を有し、他の求核性の有
機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−Nb
結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を合成す
る。
【0025】IRスペクトルにおいて656cm-1付近
に吸収を有するMgNb複合アルコキシド分子を得るに
は、以下のような方法がある。(1)MgおよびNbの
アルコキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液
の温度を上昇させ、例えば酸等の触媒の共存下で還流操
作を行うことにより、分子内での脱エーテル反応を促進
する方法。(2)上記のようにMgおよびNbのアルコ
キシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液の温度
を上昇させ、還流操作による複合化を行った後、無水酢
酸,エタノールアミン等に代表される安定化剤を添加す
る方法。(3)Mgのカルボン酸塩とNbのアルコキシ
ドとの還流操作により、分子内での脱エステル反応を促
進する方法。(4)Mgの水酸化物とNbのアルコキシ
ド、あるいはMgのアルコキシドとNbの水酸化物の還
流操作により、分子内での脱アルコール反応を促進す
る。(5)鉛前駆体の求核性を小さくする為、前述の無
水酢酸,エタノールアミン等の安定化剤を添加する方
法。以上のいずれかの手法を用いる事により、他の求核
性有機金属化合物の存在下においても安定なMg−O−
Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分子を合成
できる。これらのうちでも、安定なMg−O−Nb結合
を有するという点から、(2)および(3)の方法が望
ましい。
【0026】また、合成した上記MgNb複合アルコキ
シド溶液に水と溶媒の混合溶液を適下し、部分加水分解
を行い、前述のMgNb複合アルコキシドが重縮合した
MgNbゾルを形成させる。部分加水分解とは、分子内
のアルコキシル基の一部を水酸基と置換し、置換された
分子内での脱水、あるいは脱アルコール反応により、重
縮合させる方法である。
【0027】作製したPb前駆体溶液とMgNb複合ア
ルコキシド溶液、あるいはMgNbゾルをPb:(Mg
+Nb)=1:1のモル比で混合し、PMN前駆体溶液
とする。
【0028】Tiの有機酸塩、アルコキシド等から選択
される1種のTi化合物と前述したPb前駆体溶液とを
Pb:Ti=1:1のモル比で混合した後、還流操作を
行いPT前駆体溶液を合成する。
【0029】前述のPMN前駆体溶液とPT前駆体溶液
をモル比でPMN:PT=(1−x):xとなる様に混
合し、(1−x)PMN−xPT前駆体溶液とする。測
定周波数1kHz(室温)での比誘電率が3000以上
となる為にはxの範囲は0<x≦0.35が望ましい。
【0030】作製したPMN前駆体溶液、PMN−PT
前駆体溶液を基板上にスピンコート法,ディップコート
法,スプレー法等の手法により成膜する。
【0031】成膜後、300℃〜400℃の温度で1分
間熱処理を行い、膜中に残留した有機物を燃焼させ、ゲ
ル膜とする。1回の膜厚は0.1μm以下が望ましい。
【0032】成膜−熱処理を所定の膜厚になるまで繰り
返した後、750℃〜850℃で焼成を行い、本発明の
結晶質の誘電体薄膜が作製される。得られた誘電体薄膜
の膜厚は2μm以下であるが、これより厚くなると工程
数が増加し、また、コンデンサを構成した場合、容量が
小さくなるからである。誘電体薄膜の膜厚は、製造の容
易性、膜質劣化の点で1μm以下が望ましく、さらに膜
の絶縁性を考慮すると特に0.3μm〜1μmが望まし
い。
【0033】本発明の薄膜コンデンサは、例えば、P
t,Au,Cr等を基板上にスパッタ法,蒸着法,グラ
ビア印刷等の手法により成膜して下部電極を形成し、こ
の下部電極膜の表面に、上記誘電体膜を上記方法で成膜
して形成し、この後に誘電体薄膜表面に下部電極と同様
にして上部電極を成膜することにより得られる。また、
誘電体膜と電極とを交互に複数積層することにより、積
層コンデンサを作製することもできる。
【0034】本発明での低周波領域とは100Hz以上
1MHz以下の範囲であり、高周波領域とは1MHz以
上であり、特に1MHz以上1GHz以下の範囲であ
る。
【0035】
【実施例】
実施例1 MgエトキシドとNbエトキシドを1:2のモル比で秤
量し、2−メトキシエタノ−ル中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=4.95mmol、Nb=10.05mmo
l、2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。その後、無水酢酸を7.50mmol添加し、安定
化させた。図1にこの溶液のIRスペクトルを示す。6
56cm-1付近にMg−O−Nb結合による吸収が見ら
れた。次に酢酸鉛(無水物)15mmolと150mm
olの2−メトキシエタノールを混合し、120℃での
蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0036】MgNb前駆体溶液とPb前駆体溶液をモ
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (P
MN)前駆体溶液を合成した。
【0037】イソプロポキシTi(15mmol)と前
述のPb前駆体溶液をモル比Pb:Ti=1:1になる
よう混合し、還流操作(124℃24時間)を行い、P
bTiO3 (PT)前駆体溶液を合成した。
【0038】合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体溶
液とをモル比がPMN:PT=0.95:0.05にな
るよう混合し、0.95PMN−0.05PT前駆体溶
液とした。
【0039】この溶液の濃度を2−メトキシエタノール
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。電極となるPt
(111)が650℃でスパッタ蒸着されたサファイア
単結晶基板上の上記Pt電極の表面に、前記塗布溶液を
スピンコーターで塗布し、乾燥させた後、300℃で熱
処理を1分間行い、ゲル膜を作製した。塗布溶液の塗布
−熱処理の操作を繰り返した後、830℃で1分間(大
気中)の焼成を行い、膜厚0.5μm、1.0μm、
2.0μmの3種類の0.95Pb(Mg1/3
2/3 )O3 −0.05PbTiO3 薄膜を得た。得ら
れた薄膜のX線回折結果より、ペロブスカイト生成率を
計算するとそれぞれ約95%であった。
【0040】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、LCRメータ(ヒュウレットパッカード社製
4284A)を用いて、25℃、1kHz(Ac100
mV)の条件で比誘電率、誘電損失を求めた結果、それ
ぞれ比誘電率が3060、誘電損失が0.015であっ
た。また、図2に−40℃から+85℃の温度範囲での
比誘電率の温度特性評価結果を示す。全ての膜におい
て、キュリー温度は−10℃付近にシフトしていた。比
誘電率kの温度変化率(Δk/k(25℃))は−9.
89%から+3.5%と±10%以内であった。尚、Δ
kは−40℃から+85℃の比誘電率の変化量、k(2
5℃)は25℃における比誘電率である。
【0041】図3に比誘電率の直流電界依存性を示す。
直流電界5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内
であった。
【0042】上記の薄膜コンデンサの1MHzから1.
8GHzでのインピーダンス特性を、インピーダンスア
ナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP4291
A)を用いて測定した。薄膜コンデンサの自己共振点が
300MHz以上になるよう、電極面積および電極厚み
を変更し、薄膜コンデンサの容量CとインダクタンスL
を調整した。測定周波数100MHzでのインピーダン
スから容量を算出し、比誘電率を求めると、2980で
あった。図4に比誘電率の周波数特性の結果を示す。ま
た、100MHzにおける温度特性および直流電界依存
性は1kHzでの結果と同様であった。
【0043】実施例2 MgエトキシドとNbエトキシドを1:2のモル比で秤
量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=4.95mmol、Nb=10.05mmo
l、2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。
【0044】この溶液に全金属量(Mg+Nb)に対
し、2倍量の水と2−メトキシエタノール、及び無水酢
酸7.5mmolの均一混合溶液を攪拌しながら滴下
し、部分加水分解を行い、MgNbゾル溶液を合成し
た。この溶液のIRスペクトルを測定した結果、656
cm-1付近にMg−O−Nb結合による吸収が見られ
た。次に酢酸鉛(無水物)15mmolと150mmo
lの2−メトキシエタノールを混合し、120℃での蒸
留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0045】そして、実施例1と同様にしてPMN前駆
体溶液を合成し、PT前駆体溶液を合成した。
【0046】合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体溶
液とをモル比がPMN:PT=0.9:0.1になるよ
う混合し、0.9PMN−0.1PT前駆体溶液とし
た。
【0047】この前駆体溶液を実施例1と同様にして、
塗布、熱処理操作を繰り返した後、焼成を行い、膜厚
0.5μm、1.0μm、2.0μmの3種類の0.9
Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.1PbTiO3
膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果よりペロブスカ
イト生成率を計算するとそれぞれ約95%であった。
【0048】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、実施例1と同様にして1kHz(室温)での
比誘電率、誘電損失を求めた結果、それぞれ比誘電率が
3100、誘電損失が0.026であった。また、図2
に−40℃から+85℃の温度範囲での比誘電率の温度
特性評価結果を示す。全ての膜において、キュリー温度
は40℃付近にシフトしていた。比誘電率kの温度変化
率(Δk/k(25℃))は−9.34%から+2.4
4%と±10%以内であった。
【0049】図3に直流電界依存性を示した。直流電界
5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内であっ
た。
【0050】実施例1と同様に、高周波領域でのインピ
ーダンス特性から求めた100MHzでの比誘電率は2
700であった。図4に比誘電率の周波数特性の結果を
示す。温度特性および直流電界依存性も1kHzでの結
果と同様であった。
【0051】実施例3 実施例2と同様にしてPMN前駆体溶液とPT前駆体溶
液を合成した。合成したPMN前駆体溶液とPT前駆体
溶液とをモル比PMN:PT=0.65:0.35にな
るよう混合し、0.65PMN−0.35PT前駆体溶
液とした。
【0052】この前駆体溶液を実施例1,2と同様にし
て、塗布熱処理操作を繰り返した後、焼成を行い、膜厚
0.5μm、1.0μm、2.0μmの3種類の0.6
5Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.35PbTiO
3 薄膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果よりペロブ
スカイト生成率を計算するとそれぞれ約95%であっ
た。
【0053】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、実施例1および2と同様にして、1kHz
(室温)での比誘電率、誘電損失を求めた結果、それぞ
れ比誘電率が約3000、誘電損失が0.035であっ
た。全ての膜において、キュリー温度は150℃付近に
シフトしていた。図2に−40℃から+85℃の温度範
囲での比誘電率の温度特性評価結果を示す。比誘電率k
の温度変化率(Δk/k(25℃))は−8.66%か
ら+9.5%と±10%以内であった。
【0054】図3に直流電界依存性を示した。直流電界
5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内であっ
た。
【0055】実施例1と同様に、高周波領域でのインピ
ーダンス特性から求めた100MHzでの比誘電率は2
650であった。図4に比誘電率の周波数特性の結果を
示す。温度特性および直流電界依存性も1kHzでの結
果と同様であった。
【0056】比較例 MgエトキシドとNbエトキシドを1:2のモル比で秤
量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃
で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=4.95mmol、Nb=10.05mmo
l、2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。このMgNb複合アルコキシド溶液のIRスペクト
ルを測定した結果、656cm-1付近の吸収は見られな
かった。
【0057】次に酢酸鉛(無水物)15mmolと15
0mmolの2−メトキシエタノールを混合し、120
℃での蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0058】MgNbゾル溶液とPb前駆体溶液とをモ
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆
体溶液を合成した。
【0059】実施例1、2および3と同様にしてこのP
MN前駆体溶液にPT前駆体溶液を混合し、モル比がP
MN:PT=0.95:0.05となるように混合し、
0.95PMN−0.05PT前駆体溶液を合成した。
【0060】この前駆体溶液を実施例1、2、3と同様
にして、塗布熱処理操作を繰り返した後、焼成を行い、
膜厚0.50μm、1.0μm、2.0μmの3種類の
0.95Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.05Pb
TiO3 薄膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果よ
り、ペロブスカイト生成率を計算すると約95%であっ
た。
【0061】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、実施例1、2および3と同様にして、1kH
z(室温)での比誘電率、誘電損失を求めた結果、それ
ぞれ比誘電率が約1850、誘電損失が0.015であ
り、比誘電率が実施例1に比べ小さかった。キュリー点
は約−10℃付近に存在した。また、実施例と同じ条件
で行った比誘電率の温度特性評価結果を図2に示す。比
誘電率kの温度変化率(Δk/k(25℃))は−4
3.5%から+30.0%であった。図2に示す。従来
法では比誘電率、温度特性共に悪化した。
【0062】尚、実施例1と同様に、高周波領域でのイ
ンピーダンス特性から求めた100MHzでの比誘電率
は1250であった。
【0063】実施例4 酢酸MgとNbエトキシドを1:2のモル比で秤量し、
2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃で24
時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液(Mg=
4.95mmol、Nb=10.05mmol、2−メ
トキシエタノール150mmol)を合成した。次に酢
酸鉛(無水物)15mmolと150mmolの2−メ
トキシエタノールを混合し、120℃での蒸留操作によ
り、Pb前駆体溶液を合成した。
【0064】MgNb前駆体溶液とPb前駆体溶液をモ
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (P
MN)前駆体溶液を合成した。
【0065】この溶液の濃度を2−メトキシエタノール
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。電極となるPt
(111)が650℃でスパッタ蒸着されたサファイア
単結晶基板上の上記Pt電極の表面に、前記塗布溶液を
スピンコーターで塗布し、乾燥させた後、300℃で熱
処理を1分間行い、ゲル膜を作製した。塗布溶液の塗布
−熱処理の操作を繰り返した後、830℃で1分間(大
気中)の焼成を行い、膜厚0.5μm、1.0μm、
2.0μmの3種類のPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3
膜を得た。得られた薄膜のX線回折結果より、ペロブス
カイト生成率を計算するとそれぞれ約95%であった。
【0066】作製した全ての薄膜表面に直径0.2mm
の金電極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサ
を作製し、LCRメータ(ヒュウレットパッカード社製
4284A)を用いて、25℃、1kHz(Ac100
mV)の条件で比誘電率、誘電損失を求めた結果、それ
ぞれ比誘電率が2620、誘電損失が0.036であっ
た。また、図5に−40℃から+85℃の温度範囲での
比誘電率の温度特性評価結果を示す。比誘電率kの温度
変化率(Δk/k(25℃))は−9.6%から+6.
0%と±15%以内であった。尚、Δkは−40℃から
+85℃の比誘電率の変化量、k(25℃)は25℃に
おける比誘電率である。
【0067】図6に比誘電率の直流電界依存性を示す。
直流電界5V/μmでの比誘電率の減少率は40%以内
であった。
【0068】上記の薄膜コンデンサの1MHzから1.
8GHzでのインピーダンス特性を、インピーダンスア
ナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP4291
A)を用いて測定した。薄膜コンデンサの共振周波数が
300MHz以上になるよう、電極面積および電極厚み
を変更し、薄膜コンデンサの容量CとインダクタンスL
を調整した。測定周波数100MHzでのインピーダン
スから容量を算出し、比誘電率を求めると、2040で
あった。図7に比誘電率の周波数特性を示す。
【0069】また、温度特性および直流電界依存性は1
kHzでの結果と同様であった。
【0070】実施例5 酢酸MgとNbエトキシドを1:2のモル比で秤量し、
2−メトキシエタノール中で還流操作(124℃で24
時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液(Mg=
4.95mmol、Nb=10.05mmol、2−メ
トキシエタノール150mmol)を合成した。
【0071】この溶液に全金属量(Mg+Nb)に対
し、2倍量の水と2−メトキシエタノール、および無水
酢酸7.5mmolの均一混合溶液を撹拌しながら滴下
し、部分加水分解を行い、MgNbゾルを合成した。
【0072】次に酢酸鉛(無水物)15mmolと15
0mmolの2−メトキシエタノールを混合し、120
℃での蒸留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0073】MgNbゾル溶液とPb前駆体溶液をモル
比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、室
温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (PM
N)前駆体溶液を合成した。
【0074】この溶液の濃度を2−メトキシエタノール
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。実施例1と同様
に、電極となるPt(111)が650℃でスパッタ蒸
着されたサファイア単結晶基板上の上記Pt電極の表面
に成膜し、830℃で1分間(大気中)の焼成を行い、
膜厚0.5μm、1.0μm、2.0μmの3種類のP
b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 薄膜を得た。得られた薄膜
のX線回折結果より、ペロブスカイト生成率を計算する
とそれぞれ約95%であった。
【0075】実施例1と同様に、薄膜コンデンサを作製
し、LCRメータ(ヒュウレットパッカード社製428
4A)を用いて、25℃、1kHz(Ac100mV)
の条件で比誘電率、誘電損失を求めた結果、それぞれ比
誘電率が2900、誘電損失が0.023であった。ま
た、図5に−40℃から+85℃の温度範囲での比誘電
率の温度特性評価結果を示す。比誘電率kの温度変化率
(Δk/k(25℃))は−14.9%から+7.5%
と±15%以内であった。尚、Δkは−40℃から+8
5℃の比誘電率の変化量、k(25℃)は25℃におけ
る比誘電率である。
【0076】図6に比誘電率の直流電界依存性を示す。
直流電界5V/μm での比誘電率の減少率は40%以内
であった。
【0077】上記実施例4と同様にして測定周波数10
0MHzでのインピーダンスから容量を算出し、比誘電
率を求めると、2400であった。図7に比誘電率の周
波数特性を示す。また、温度特性および直流電界依存性
は1kHzでの結果と同様であった。
【0078】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明によれば、ペ
ロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚2μm以下
の誘電体薄膜であって、PMN薄膜の場合には、測定周
波数1kHz(室温)での比誘電率が2500以上、1
00MHz(室温)での比誘電率が2000以上、比誘
電率の温度特性が±15%以内(−40℃〜85℃)、
直流電界5V/μm印加時の比誘電率の減少率が40%
以内、また、PMN−PT薄膜の場合には、測定周波数
1kHz(室温)での比誘電率が3000以上、測定周
波数100MHz(室温)での比誘電率が2500以上
となり、また温度変化率が±10%以内(−40〜+8
5℃)の薄膜が得られ、このような薄膜の両面に一対の
電極を対向形成してコンデンサを作製することにより、
測定周波数によらず、高誘電率で温度特性の良好な薄膜
コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用したMgNb複合アルコキシド
のIRスペクトルを示す図である。
【図2】実施例で作製した(1−x)Pb(Mg1/3
2/3 )O3 −xPbTiO3薄膜(x=0.05,
0.1,0.35)、および比較例で作製した(1−
x)Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTiO3
膜(x=0.05)の比誘電率の温度特性を示す図であ
る。
【図3】実施例で作製した(1−x)Pb(Mg1/3
2/3 )O3 −xPbTiO3薄膜(x=0.05,
0.1,0.35)の比誘電率の直流電界依存性を示す
図である。
【図4】実施例で作製した(1−x)Pb(Mg1/3
2/3 )O3 −xPbTiO3薄膜(x=0.05,
0.1,0.35)の比誘電率の周波数特性を示す図で
ある。
【図5】実施例で作製したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 薄膜の測定周波数1kHzにおける比誘電率の温度特
性を示す図である。
【図6】実施例で作製したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 薄膜の測定周波数1kHzにおける比誘電率の直流電
界依存性を示す図である。
【図7】実施例で作製したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 薄膜の比誘電率の周波数特性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01G 4/12 400 H01G 4/06 102

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素としてPb、Mg、NbおよびT
    iを含むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚
    2μm以下の誘電体薄膜であって、測定周波数1KHz
    (室温)での比誘電率が3000以上であることを特徴
    とする誘電体薄膜。
  2. 【請求項2】ペロブスカイト型複合酸化物結晶の組成が
    (1−x)Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −xPbTi
    3 (0<x≦0.35)で表されることを特徴とする
    請求項1記載の誘電体薄膜。
  3. 【請求項3】測定周波数100MHz(室温)での比誘
    電率が2500以上であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の誘電体薄膜。
  4. 【請求項4】赤外吸収スペクトルにおいて656cm-1
    付近に吸収を有するMgNb複合アルコキシドを用いて
    作製したPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、
    PbTiO3 前駆体溶液とを混合して、Pb(Mg1/3
    Nb2/3 )O3−PbTiO3 前駆体溶液を調製し、該
    Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶
    液を基板に塗布し、焼成することを特徴とする誘電体薄
    膜の製法。
  5. 【請求項5】赤外吸収スペクトルにおいて656cm-1
    付近に吸収を有するMgNb複合アルコキシドを部分的
    に加水分解し、得られたMgNbゾルを用いて合成した
    Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 前駆体溶液と、PbTi
    3 前駆体溶液とを混合して、Pb(Mg1/3
    2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液を調製し、該P
    b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 前駆体溶液
    を基板に塗布し、焼成することを特徴とする誘電体薄膜
    の製法。
  6. 【請求項6】金属元素としてPb、Mg、NbおよびT
    iを含むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚
    2μm以下の誘電体薄膜であって、室温での比誘電率が
    3000以上の誘電体薄膜の両面に、一対の電極を対向
    して形成してなることを特徴とする薄膜コンデンサ。
  7. 【請求項7】金属元素としてPb、MgおよびNbを含
    むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる膜厚2μm
    以下の誘電体薄膜であって、測定周波数1kHz(室
    温)での比誘電率が2500以上、100MHz(室
    温)での比誘電率が2000以上であり、かつ比誘電率
    の温度特性が±15%以内(−40℃〜85℃)であ
    り、直流電界5V/μm印加時の比誘電率の減少率が4
    0%以内であることを特徴とする誘電体薄膜。
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