JPH10172350A - 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ - Google Patents

誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ

Info

Publication number
JPH10172350A
JPH10172350A JP33561196A JP33561196A JPH10172350A JP H10172350 A JPH10172350 A JP H10172350A JP 33561196 A JP33561196 A JP 33561196A JP 33561196 A JP33561196 A JP 33561196A JP H10172350 A JPH10172350 A JP H10172350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
dielectric constant
dielectric film
ceramic capacitor
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33561196A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyo Kamigaki
耕世 神垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP33561196A priority Critical patent/JPH10172350A/ja
Publication of JPH10172350A publication Critical patent/JPH10172350A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電体薄膜の絶縁性を向上し、高周波領域にお
いても比誘電率が1100以上の高誘電率を示し、かつ
DCバイアスに対する比誘電率の減少も小さい誘電体薄
膜およびこの誘電体薄膜を用いたセラミックコンデンサ
を提供する。 【解決手段】金属元素としてPb、Mg、Nbを含有す
るペロブスカイト型複合酸化物からなる誘電体薄膜であ
って、前記金属元素酸化物のモル比による組成式を、
(Pba-x x )(Mgb/3 Nb2/3 )O3 、ここで、
Aは、Ba、Sr、Pr、SmおよびBiのうち少なく
とも一種、と表した時、前記a、bおよびxが、1≦a
≦1.10、1≦b≦1.10を満足し、AがPrの時
0.01≦x≦0.03、AがBa、Srの時0.01
≦x≦0.05、AがSm、Biの時0.01≦x≦
0.08を満足するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電体薄膜およびこ
の誘電体薄膜を用いたセラミックコンデンサに関するも
のである。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型、薄形化に伴い、電
子部品の小型化,薄膜化が要求されている。特に受動部
品であるコンデンサの小型、薄形化は必須となってい
る。また、コンピュータ等の高速デジタル回路を用いた
電子機器は高周波化の流れにあり、数10MHzから数
100MHzの動作周波数帯域が重要になってきてい
る。これにともない、コンデンサ等の受動部品も高周波
もしくは高速デジタルパルスに対して優れた特性を示す
ことが必須になってきている。
【0003】コンデンサを小型高容量にするためには一
対の電極に挟持された誘電体を薄くし、薄膜化すること
が最も有効である。また、近年電子機器のモノリシック
化が進んでおり、電子部品を内蔵するためには薄膜化が
最も有効である。
【0004】一方で、薄膜化によりDCバイアス印加下
での特性が問題になってくる。コンデンサは数ボルト以
下のDC電圧が印加された状態で使用されるが、薄膜に
なるとバルクと同じDC電圧の印加に対して電界強度は
誘電体の厚さに逆比例して大きくなる。この為、DCバ
イアス電界に対して比誘電率の減少の小さい材料が必要
である。
【0005】また、典型的なコンデンサ材料であるBa
TiO3 (BT)や、Pb(Mg1/ 3 Nb2/3 )O
3 (PMN)のようなリラクサ材料は1KHz程度の低
周波数においては大きな比誘電率を示し、コンデンサ材
料として優れた材料であるが、周波数分散が大きいた
め、高周波領域における比誘電率の減少が大きく、高周
波領域においては高誘電率材料として使えないと考えら
れてきた(特開平6−77083号公報参照)。
【0006】この為、従来高周波用薄膜コンデンサ材料
として、比誘電率は小さいが、自発分極がなく、自発分
極に起因するDCバイアス依存性や、高周波領域での比
誘電率の減少の小さい常誘電体であるTa2 5 やSr
TiO3 が主に研究されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の薄膜材料は、測定周波数1KHzの比誘電率において
も数百程度であり、薄膜コンデンサをさらに小型、高容
量化するのは困難であった。また、これらの薄膜材料は
絶縁抵抗がバルクに比べ1桁小さく、より絶縁性の高い
ものが望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて鋭意検討した結果、PMN薄膜のPb元素をB
a、Sr、Pr、SmおよびBiのうち少なくとも一種
で所定量置換することにより、誘電体薄膜の絶縁性が向
上し、100MHzの様な高周波領域においても比誘電
率が1100以上の高誘電率を示し、かつDCバイアス
に対する比誘電率の減少も小さくなることを見出し、本
発明に至った。
【0009】即ち、本発明の誘電体薄膜は、金属元素と
してPb、Mg、Nbを含有するペロブスカイト型複合
酸化物からなる誘電体薄膜であって、前記金属元素酸化
物のモル比による組成式を、(Pba-x x )(Mg
b/3 Nb2/3 )O3 、ここで、Aは、Ba、Sr、P
r、SmおよびBiのうち少なくとも一種、と表した
時、前記a、bおよびxが、1≦a≦1.10、1≦b
≦1.10を満足し、AがPrの時0.01≦x≦0.
03、AがBa、Srの時0.01≦x≦0.05、A
がSm、Biの時0.01≦x≦0.08を満足するも
のである。
【0010】本発明の誘電体薄膜では、測定周波数10
0MHz(室温)において比誘電率が1100以上の特
性を有する。
【0011】本発明のセラミックコンデンサは、上記誘
電体薄膜の両面に一対の電極を形成してなるものであ
る。
【0012】
【作用】本発明の誘電体薄膜では、揮発性の高い2価の
Pbを、揮発性の低い2価元素、または3価元素により
置換するため、Pb抜けによる電荷を補償しキャリアを
減少させるとともに、粒成長を抑制し、緻密性を向上す
ることにより、実効的な絶縁抵抗を向上する。また、2
価元素または3価元素の置換により、比誘電率のピーク
温度が低温にシフトするため、室温においてより常誘電
的性質が支配的になり、高周波領域における比誘電率の
減少が小さくなり、高周波領域においても優れた誘電特
性を示す。
【0013】本発明の誘電体薄膜では、膜厚が2μm以
下で、3V/μmの電界に対し絶縁抵抗が1×1013
上であり、測定周波数1kHz及び100MHz(室
温)における比誘電率が1100以上であり、また3V
/μmの電界に対し、比誘電率の減少率(DCバイアス
特性)が15%以下となる。
【0014】そして、このような誘電体薄膜の両面に、
例えば、膜厚0.05μm以上の白金(Pt)、金(A
u)、パラジウム(Pd)薄膜である一対の電極を対向
してセラミックコンデンサを形成するとともに、該セラ
ミックコンデンサを、アルミナ、サファイア、MgO単
結晶、SrTiO3 単結晶、Ti被服Siもしくは、C
u、Ni、Ti、Fe薄板の基板上に形成することによ
り、高周波領域においても高誘電率で優れた薄膜コンデ
ンサを得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体薄膜では、組成式
(Pba-x x )(Mgb/3 Nb2/3 )O3と表した
時、前記a、bおよびxが、1≦a≦1.10、1≦b
≦1.10 AがPrの時、 0.01≦x≦0.03 AがBa、Srの時 0.01≦x≦0.05 AがSm、Biの時 0.01≦x≦0.08を満足す
るものである。
【0016】ここで、上記組成式においてaを1〜1.
10としたのは、aが1よりも小さい場合は低誘電率結
晶であるパイロクロアが生成し、aが1.10よりも大
きく場合には過剰のPbが粒界等に析出するため、比誘
電率が低下するからである。
【0017】また、bを1〜1.10としたのは、bが
1よりも小さい場合や1.10よりも大きい場合にはパ
イロクロアが生成し、比誘電率が低下するからである。
aおよびbは、高誘電率という観点から1.03〜1.
08であることが望ましい。
【0018】また、xを上記のように限定したのは、x
が0.01よりも小さい場合には、絶縁抵抗が低下し、
DCバイアス特性が劣化するからである。一方、AがP
rの時0.03よりも大きい場合、AがBa、Srの時
0.05より大きい場合、さらにAがSm、Biの時
0.08よりも大きい場合には、比誘電率が1100よ
りも小さくなるからである。
【0019】Aとしては、2価もしくは3価の金属を用
いることができるが、AサイトのPbの一部と置換する
という点から、イオン半径が1.03Å以上のもの、例
えば、上記したBa、Sr、Pr、Sm、Biの他に、
Ca、Nd、Eu、Gd等でも本発明と同様の効果が得
られる。
【0020】また、本発明のセラミックコンデンサは、
上記誘電体薄膜を一対の電極により挟持したものであ
る。尚、誘電体薄膜と電極とを交互に積層した積層セラ
ミックコンデンサであっても良いことは勿論である。
【0021】コンデンサの電極としては、厚さ0.05
μm以上の配向した白金(Pt)、金(Au)、パラジ
ウム(Pd)薄膜等があり、これらのうちでも配向した
白金(Pt)と金(Au)薄膜が最適である。Pt、A
uは膜との反応性が小さく、また酸化されにくい為、膜
との界面に低誘電率相が形成されにくい為である。膜厚
を0.05μm以上としたのは0.05μm未満である
と高周波領域における等価直列抵抗が大きくなるためで
ある。配向した白金(Pt)薄膜とは、配向性または単
結晶的白金(Pt)薄膜であり、配向性を有するPt薄
膜とは、3つの結晶軸のうち一つの軸が膜表面に近似的
に垂直な方向に揃った膜であり、単結晶的Pt薄膜とは
3つの結晶軸が全て揃った膜である。このような電極
は、スパッタ蒸着やレーザ蒸着法等物理的蒸着におい
て、電極が形成される基板温度を450℃以上とするこ
とにより得られるもので、これらのうちでも、基板温度
を450℃以上としたスパッタ蒸着が望ましい。
【0022】また、金属薄膜を蒸着する基板としては、
アルミナ、サファイア、MgO単結晶、SrTiO3
結晶、チタン被覆シリコン、または銅(Cu)、ニッケ
ル(Ni)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ステンレ
ススティール(Fe)薄膜もしくは薄板が望ましい。特
に、薄膜との反応性が小さく、安価で硬度が大きく、か
つ金属薄膜の結晶性という点からアルミナ、サファイア
が望ましく、高周波領域における低抵抗化の点で銅(C
u)薄板または銅(Cu)薄膜が望ましい。
【0023】本発明の誘電体薄膜作製においては、まず
塗布溶液としてPb、Mg、Nb、およびBa、Sr、
Pr、Sm、Biの有機金属化合物が均一に溶解した前
駆体溶液を調製する。
【0024】まず、Mg、及びNbの有機酸塩、無機
塩、アルコキシドから選択される少なくとも1種のMg
化合物、Nb化合物をMg:Nb=b:2(1≦b≦
1.1)のモル比でR1 OH、R2 OC2 4 OH、R
3 COOH(R1 、R2 、R3 :炭素数1以上のアルキ
ル基)で示される溶媒に混合する。混合後、所定の操作
を行い、IRスペクトルにおいて656cm-1付近に吸
収を有し、他の求核性の有機金属化合物の存在下におい
ても安定なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合ア
ルコキシド分子を合成する。
【0025】IRスペクトルにおいて656cm-1付近
に吸収を有するMgNb複合アルコキシド分子を得るに
は、以下のような方法がある。
【0026】第1の方法として、MgおよびNbのアル
コキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液の温
度を上昇させ、例えば酸等の触媒の共存下で還流操作を
行うことにより、分子内での脱エーテル反応を促進する
方法。
【0027】第2の方法として、上記のようにMgおよ
びNbのアルコキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点
まで溶液の温度を上昇させ、還流操作による複合化を行
った後、無水酢酸,エタノールアミン、アセチリアセト
ン等に代表される安定化剤を添加する方法。
【0028】第3の方法として、Mgのカルボン酸塩と
Nbのアルコキシドとの還流操作により、分子内での脱
エステル反応を促進する方法。
【0029】第4の方法として、Mgの水酸化物とNb
のアルコキシド、あるいはMgのアルコキシドとNbの
水酸化物の還流操作により、分子内での脱アルコール反
応を促進する方法。
【0030】第5の方法しとて、鉛前駆体の求核性を小
さくする為、前述の無水酢酸,エタノールアミン、アセ
チリアセトン等の安定化剤を添加する方法。
【0031】以上のいずれかの手法を用いる事により、
他の求核性有機金属化合物の存在下においても安定なM
g−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシド分
子を合成できる。これらのうちでも、第2の還流操作後
に安定化剤を添加する方法が最も望ましい。
【0032】また、合成した上記MgNb複合アルコキ
シド溶液に水と溶媒の混合溶液を適下し、部分加水分解
を行い、前述のMgNb複合アルコキシドが重縮合した
MgNbゾルを形成させる。部分加水分解とは、分子内
のアルコキシル基の一部を水酸基と置換し、置換された
分子内での脱水、あるいは脱アルコール反応により、重
縮合させる方法である。
【0033】次に、鉛(Pb)の有機酸塩、無機塩、ア
ルコキシドから選択される少なくとも1種の鉛化合物を
1 OH、R2 OC2 4 OH、R3 COOH(R1
2、R3 :炭素数1以上のアルキル基)で示される溶
媒に混合する。この時、鉛化合物が結晶水を含む場合に
は、作製したPb前駆体溶液中に水が存在しないように
脱水処理する。
【0034】Ba、Sr、Pr、Sm、Biアルコキシ
ド等のPr、Sm、Bi化合物をR1 OH、R2 OC2
4 OH、R3 COOH(R1 、R2 、R3 :炭素数1
以上のアルキル基)で示される溶媒に混合し、各溶液を
作製する。
【0035】作製した各溶液をMgNb複合アルコキシ
ド溶液、あるいはMgNbゾルと混合する。作製したP
b前駆体溶液もしくは酢酸Pb・3水和物のような鉛
(Pb)の有機酸塩を混合し、(Pba-x x )(Mg
b/3 Nb2/3 )O3 前駆体溶液とする。
【0036】作製した塗布溶液を基板上にスピンコート
法,ディップコート法,スプレー法等の手法により、成
膜する。
【0037】成膜後、300℃〜400℃の温度で1分
間熱処理を行い、膜中に残留した有機物を燃焼させ、ゲ
ル膜とする。1回の膜厚は0.1μm以下が望ましい。
【0038】成膜−熱処理を所定の膜厚になるまで繰り
返した後、750℃〜850℃で焼成を行い、本発明の
結晶質の誘電体薄膜が作製される。得られた誘電体薄膜
の膜厚は2μm以下であるが、これより厚くなると工程
数が増加し、また、コンデンサを構成した場合、容量が
小さくなるからである。誘電体薄膜の膜厚は、製造の容
易性、膜質劣化の点で2μm以下、特に1μm以下が望
ましく、さらに膜の絶縁性を考慮すると特に0.3μm
〜1μmが望ましい。
【0039】本発明の薄膜コンデンサは、例えば、P
t,Au,Pd等を基板上にスパッタ法,蒸着法,グラ
ビア印刷等の手法により成膜して下部電極を形成し、こ
の下部電極膜の表面に、上記誘電体膜を上記方法で成膜
して形成し、この後に誘電体薄膜表面に下部電極と同様
にして上部電極を成膜することにより得られる。また、
積層コンデンサは誘電体膜と電極とを交互に積層するこ
とにより得られる。
【0040】
【実施例】
実施例1 MgエトキシドとNbエトキシドを1.05:2のモル
比で秤量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(1
24℃で17時間)を行い、1M(mol/l)濃度の
MgNb複合アルコキシド溶液を合成した。
【0041】次にBa金属、Sr金属、およびPr、S
m、Biプロポキシドを2−メトキシエタノールに室温
で溶解し、1M濃度のBa、Sr、Pr、Sm、Bi溶
液を作製した。1M濃度のBa、Sr、Pr、Sm、B
i溶液と、1M濃度のMgNb複合アルコキシド溶液を
混合し、その後、アセチルアセトンをMgーNb溶液の
全金属量の1倍量添加後、室温で10分間撹拌し、安定
化させた。酢酸鉛・3水和物と2−メトキシエタノール
を、Ba、Sr、Pr、Sm、Bi含有のMg−Nb溶
液にPb:A(Ba、Sr、Pr、Sm、Bi):(M
g+Nb)=1.05−x:x:3.05/3となるよ
うに混合し、1時間室温で撹拌する事により、1M濃度
のPb1.05-xx (Mg1.05/3Nb2/3 )O3 前駆体溶
液を合成した。
【0042】電極となるPt(111)が650℃でス
パッタ蒸着されたサファイア単結晶基板上の上記Pt電
極の表面に、前記塗布溶液をスピンコーターで塗布し、
乾燥させた後、300℃で熱処理を1分間行い、ゲル膜
を作製した。塗布溶液の塗布−熱処理の操作を7回繰り
返した後、820℃で0.5分間(大気中)の急速昇温
焼成を行い、膜厚0.55μmのPb1.05-xx (Mg
1.05/3Nb2/3 )O3薄膜を得た。得られた薄膜のX線
回折結果より、ペロブスカイト生成率を計算するとB
a、Sr、Pr、Sm、Biの量によらず約98%であ
った。
【0043】作製した薄膜表面に直径0.2mmの金電
極をスパッタ蒸着により形成し、薄膜コンデンサを作製
した後、500℃で10分間熱処理した。LCRメータ
(ヒュウレットパッカード社製4284A)を用いて、
25℃、1kHz(AC100mV)の条件で比誘電
率、誘電損失を求めた。
【0044】また、インピーダンスアナライザ(ヒュウ
レットパッカード社製HP4291A,フィクスチャー
HP16092A)を用いて1MHz〜1.8GHzに
おける特性評価をおこなった。インピーダンスー周波数
特性の測定により、100MHzにおける等価直列容量
を評価し、比誘電率を求めた。
【0045】さらに、誘電体薄膜の絶縁抵抗を微小電流
計(HP4140B)を用いて1.65V印加時の漏れ
電流を測定することにより求めた。また、DCバイアス
特性を、25℃において電圧を印加しない場合の比誘電
率K0 、直流電界3V/μmの電圧を印加したときの比
誘電率K1 とした時に、(K0 −K1 )/K0 ×100
で求め、表1に記載した。
【0046】
【表1】
【0047】この表1から判るように、本発明の誘電体
薄膜は、3V/μmの電界に対し1×1013以上の絶縁
抵抗を示し、100MHzにおいて1100以上の高誘
電率を有し、また、3V/μmの電界に対する比誘電率
の変化は、15%未満の低下であるの対して、比較例で
はいずれも100MHzにおける比誘電率が1000よ
りも低いことが判る。
【0048】実施例2 MgエトキシドとNbエトキシドの比をb(0.9〜
1.2):2とし、MgNb複合アルコキシド溶液を合
成し、酢酸鉛・3水和物と2−メトキシエタノールをM
g−Nb溶液にPb:A(Ba、Sr、Pr、Sm、B
i):(Mg+Nb)=a(0.9〜1.2)−0.0
3:0.03:〔b(0.9〜1.2)+2〕/3とな
るように混合する以外は、上記実施例1と同様に誘電体
薄膜を作製し、また、上記実施例1と同様にして特性を
測定した。その結果を表2に記載する。
【0049】
【表2】
【0050】この表2から、本発明の誘電体薄膜は、3
V/μmの電界に対し1×1013以上の絶縁抵抗を示
し、100MHzにおいて1100以上の高誘電率を有
し、また、3V/μmの電界に対する比誘電率の変化
は、15%未満の低下であるの対して、比較例ではいず
れも100MHzにおける比誘電率が1100よりも低
いことが判る。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明によれば、3
V/μmの電界に対し絶縁抵抗が1×1013以上であ
り、測定周波数1kHz及び100MHzにおける比誘
電率が1100以上であり、また3V/μmの電界に対
し、比誘電率の減少率が15%以下であるペロブスカイ
ト型複合酸化物結晶からなる誘電体薄膜が得られ、この
ような薄膜の両面に一対の電極を対向形成してコンデン
サを作製することにより、絶縁性が高く、高周波領域に
おいても高誘電率なセラミックコンデンサを得ることが
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素としてPb、MgおよびNbを含
    有するペロブスカイト型複合酸化物からなる誘電体薄膜
    であって、前記金属元素酸化物のモル比による組成式
    を、 (Pba-x x )(Mgb/3 Nb2/3 )O3 ここで、Aは、Ba、Sr、Pr、SmおよびBiのう
    ち少なくとも一種と表した時、前記a、bおよびxが、 1≦a≦1.10 1≦b≦1.10 AがPrの時、 0.01≦x≦0.03 AがBa、Srの時 0.01≦x≦0.05 AがSm、Biの時 0.01≦x≦0.08 を満足することを特徴とする誘電体薄膜。
  2. 【請求項2】測定周波数100MHz(室温)において
    比誘電率が1100以上であることを特徴とする請求項
    1記載の誘電体薄膜。
  3. 【請求項3】請求項1記載の誘電体薄膜の両面に一対の
    電極を形成してなることを特徴とするセラミックコンデ
    ンサ。
JP33561196A 1996-12-16 1996-12-16 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ Pending JPH10172350A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33561196A JPH10172350A (ja) 1996-12-16 1996-12-16 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33561196A JPH10172350A (ja) 1996-12-16 1996-12-16 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10172350A true JPH10172350A (ja) 1998-06-26

Family

ID=18290529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33561196A Pending JPH10172350A (ja) 1996-12-16 1996-12-16 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10172350A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3129175B2 (ja) (Ba,Sr)TiO3薄膜コンデンサの製造方法
JP3457892B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3512601B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3652073B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3383534B2 (ja) 薄膜コンデンサ
JP3652074B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3398297B2 (ja) 誘電体薄膜および薄膜コンデンサ
JPH10172350A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3411201B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JPH11273989A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JPH1143371A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3652129B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3681844B2 (ja) 誘電体薄膜及びセラミックコンデンサ
JPH09202621A (ja) 誘電体薄膜およびその製法並びに薄膜コンデンサ
JP3389370B2 (ja) セラミックコンデンサ
JP3561123B2 (ja) 誘電体薄膜およびその製法
JPH1045469A (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JPH10302545A (ja) 誘電体薄膜および薄膜コンデンサ
JP3485417B2 (ja) 誘電体薄膜の製法
JP3146961B2 (ja) (Ba,Sr)TiO3誘電体薄膜形成用組成物及び(Ba,Sr)TiO3薄膜の形成方法
JP3631570B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP2676775B2 (ja) 薄膜状誘電体及びその製造方法
JP3481807B2 (ja) 誘電体薄膜およびセラミックコンデンサ
JP3420518B2 (ja) 誘電体膜
JPH11273988A (ja) 誘電体膜およびセラミックコンデンサ