JP3420518B2 - 誘電体膜 - Google Patents

誘電体膜

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体膜に関し、
特に、セラミックコンデンサの誘電体として好適な誘電
体膜に関するものである。
【0002】
【従来技術】2種以上の金属からなる複合ペロブスカイ
ト酸化物、特にPb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (以下、
PMNという)は室温で大きな比誘電率を有するため、
コンデンサ材料として有用であることが知られている。
【0003】このようなPMN焼結体として、従来、P
bO粉末とMgCO3 粉末とNb35 粉末とを一括し
て混合粉砕し、焼結する固相焼結法が知られている。し
かしながら、このような一括して混合粉砕する固相焼結
法によるPMN焼結体の作製では、ほぼペロブスカイト
単相からなる焼結体を得るのは困難であり、低温で安定
なパイロクロア相が生成し易く、また生成したパイロク
ロア相は比誘電率が低いため、結果として焼結体の比誘
電率が低くなり、コンデンサ材料として不適当であると
考えられていた。
【0004】このため、従来、固相焼結法では、MgN
b酸化物(MgNb2 6 )とPb原料、およびTi原
料を反応させるコランバイト法による合成が行われ、ほ
ぼペロブスカイト単相の焼結体を得ている。
【0005】一方、近年、電子機器の小型、薄形化に伴
い、電子部品の小型化、薄膜化が要求されている。特に
受動部品であるコンデンサの小型、薄形化は必須となっ
ている。PMN等の高誘電率材料を薄膜化し、薄膜コン
デンサに応用しようとされているが、従来の固相焼結法
では膜厚はせいぜい10μm程度であった。
【0006】また薄膜においても固相焼結法による焼結
体と同様、低温で安定なパイロクロア相が生成し易く、
上記したように、生成したパイロクロア相により比誘電
率が低下すると考えられていたため、急速昇温焼成(特
開平2−177521号公報参照)やシーディング法
(特開平6−57437号公報参照)等の種々の手法に
より、ペロブスカイト単相に近いPMN薄膜を得ること
が行われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法で作製したペロブスカイト率の高い誘電体薄膜は
比誘電率は高いものの、絶縁性の信頼性が低いという欠
点があった。例えば、150℃における10V印加下で
の電流測定では1000〜10000秒程度で劣化が始
まり、一旦劣化が始まり出すと急激に劣化が進むという
問題があった。
【0008】本発明は、比誘電率を高く維持できるとと
もに、絶縁性の信頼性を向上できる誘電体膜を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決方法を鋭意検討した結果、微粒のパイロクロア型結
晶粒子に、粗粒のペロブスカイト型結晶粒子が点在する
ような微構造を有する誘電体膜では、比誘電率が高く、
信頼性も著しく改善されることを見出し、本発明に至っ
た。
【0010】即ち、本発明の誘電体膜は、金属元素とし
てPb、Mg、NbおよびZrを含有する誘電体膜であ
って、金属元素としてPb、Mg、NbおよびZrを含
有するパイロクロア型結晶粒子と、金属元素としてP
b、Mg、NbおよびZrを含有するペロブスカイト型
結晶粒子が存在し、かつ、前記パイロクロア型結晶粒子
が全量中70〜90体積%存在するものである。
【0011】ここで、パイロクロア型結晶粒子の平均結
晶粒径が0.05μm以下であり、ペロブスカイト型結
晶粒子の平均結晶粒径が0.5μm以上であることが望
ましい。
【0012】また、本発明の誘電体膜は、金属元素酸化
物のモル比による組成式を (1−x)Pba (Mgb/3 Nb2/3 )O3 ・xPba
ZrO3 と表した時、前記x、aおよびbが 0<x≦0.30 1≦a≦1.10 1≦b≦1.15 を満足することが望ましい。
【0013】
【作用】本発明の誘電体膜によれば、金属元素としてP
b、Mg、NbおよびZrを含有するパイロクロア型結
晶粒子と、金属元素としてPb、Mg、NbおよびZr
を含有するペロブスカイト型結晶粒子が存在し、かつ、
前記パイロクロア型結晶粒子が全量中70〜90体積%
存在するため、絶縁性の信頼性を向上できるとともに、
ペロブスカイト型結晶粒子の存在により比誘電率を高く
維持できる。
【0014】また、本発明の誘電体膜では、パイロクロ
ア型結晶粒子の平均結晶粒径を0.05μm以下、ペロ
ブスカイト型結晶粒子の平均結晶粒径を0.5μm以上
とすることにより、微粒の分散したパイロクロア型結晶
粒子中に、粗粒のペロブスカイト型結晶粒子が点在する
ことになり、比誘電率を高く維持した状態で信頼性をさ
らに向上できる。
【0015】また、本発明の誘電体膜では、特に、金属
元素酸化物のモル比による組成式を(1−x)Pb
a (Mgb/3 Nb2/3 )O3 ・xPba ZrO3 と表し
た時、前記x、aおよびbが0<x≦0.30、1≦a
≦1.10、1≦b≦1.15を満足することにより、
比誘電率を最も高くでき、信頼性をさらに向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体膜は、金属元素と
してPb、Mg、NbおよびZrを含有するパイロクロ
ア型結晶粒子と、金属元素としてPb、Mg、Nbおよ
びZrを含有するペロブスカイト型結晶粒子が存在し、
かつ、前記パイロクロア型結晶粒子が全量中70〜90
体積%存在するものである。
【0017】ここで、パイロクロア型結晶粒子を70〜
90体積%含有したのは、パイロクロア型結晶粒子が7
0体積%よりも少なくなると絶縁性の信頼性が悪化する
からであり、一方、90体積%よりも多くなると比誘電
率が低下するからである。本発明の誘電体膜は、パイロ
クロア型結晶粒子を80〜90体積%含有することが望
ましい。尚、ペロブスカイト型結晶粒子は、10〜30
体積%、特には10〜20体積%含有することが望まし
い。
【0018】また、本発明の誘電体膜は、パイロクロア
型結晶粒子の平均結晶粒径が0.05μm以下であり、
ペロブスカイト型結晶粒子の平均結晶粒径が0.5μm
以上であることが望ましい。これは、パイロクロア型結
晶粒子の平均結晶粒径が0.05μmよりも大きいと信
頼性が悪化するからであり、ペロブスカイト型結晶粒子
の平均結晶粒径が0.5μmよりも小さい場合には、比
誘電率が低下するからである。誘電体膜の信頼性および
比誘電率を向上するためには、ペロブスカイト型結晶粒
子の平均結晶粒径を0.5〜1.0μm、パイロクロア
型結晶粒子の平均結晶粒径を0.03μm以下とするこ
とが望ましい。
【0019】そして、本発明の誘電体膜は、金属元素酸
化物のモル比による組成式を(1−x)Pba (Mg
b/3 Nb2/3 )O3 ・xPba ZrO3 と表した時、
x、aおよびbが、0<x≦0.30、1≦a≦1.1
0、1≦b≦1.15を満足することが望ましい。
【0020】これは、PbZrO3 量を示すxを0.3
以下としたのは、xが0.3よりも大きくなると室温で
の比誘電率が低くなるからである。比誘電率を向上する
にはxの範囲は0<x≦0.20が望ましい。
【0021】また、Pb量を示すaを1〜1.1とした
のは、aが1よりも小さい場合にはペロブスカイト結晶
粒子の割合が低下し、比誘電率が低下するからであり、
1.1よりも大きい場合にはPbOが粒界に析出し、比
誘電率が低下するからである。aは特性の再現性が良い
という理由から1.05〜1.1であることが望まし
い。
【0022】さらに、Mg量を示すbを1〜1.15と
したのは、bが1よりも小さい場合や1.15よりも大
きい場合には比誘電率が低下するからである。bは特性
の再現性が良いという理由から1〜1.1であることが
望ましい。
【0023】また、本発明の誘電体膜は、誘電体薄膜の
両面に一対の電極を対向して形成した単板型や積層型の
薄膜コンデンサの誘電体薄膜として好適に用いられる。
【0024】本発明の誘電体薄膜は、例えば、以下のよ
うにして作製される。先ず、塗布溶液としてPb、M
g、Nb、およびZrの有機金属化合物が均一に溶解し
た前駆体溶液を調製する。
【0025】具体的には、Mg、及びNbの有機酸塩、
無機塩、アルコキシドから選択される少なくとも1種の
Mg化合物、Nb化合物をMg:Nb=b:2(1≦b
≦1.15)のモル比でR1 OH、R2 OC2 4
H、R3 COOH(R1 、R2、R3 :炭素数1以上の
アルキル基)で示される溶媒に混合する。混合後、所定
の操作を行い、IRスペクトルにおいて656cm-1
近に吸収を有し、他の求核性の有機金属化合物の存在下
においても安定なMg−O−Nb結合を有するMgNb
複合アルコキシド分子を合成する。
【0026】IRスペクトルにおいて656cm-1付近
に吸収を有するMgNb複合アルコキシド分子を得るに
は、以下のような方法がある。
【0027】第1の方法として、MgおよびNbのアル
コキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点まで溶液の温
度を上昇させ、例えば酸等の触媒の共存下で還流操作を
行うことにより、分子内での脱エーテル反応を促進する
方法。
【0028】第2の方法として、上記のようにMgおよ
びNbのアルコキシド原料を溶媒に混合し、溶媒の沸点
まで溶液の温度を上昇させ、還流操作による複合化を行
った後、無水酢酸、エタノールアミン、アセチルアセト
ン等に代表される安定化剤を添加する方法。
【0029】第3の方法として、Mgのカルボン酸塩と
Nbのアルコキシドとの還流操作により、分子内での脱
エステル反応を促進する方法。
【0030】第4の方法として、Mgの水酸化物とNb
のアルコキシド、あるいはMgのアルコキシドとNbの
水酸化物の還流操作により、分子内での脱アルコール反
応を促進する方法。
【0031】第5の方法として、鉛前駆体の求核性を小
さくする為、前述の無水酢酸,エタノールアミン、アセ
チルアセトン等の安定化剤を添加する方法。
【0032】以上のいずれかの手法を用いることによ
り、他の求核性有機金属化合物の存在下においても安定
なMg−O−Nb結合を有するMgNb複合アルコキシ
ド分子を合成できる。これらのうちでも、第2の還流操
作後に安定化剤を添加する方法が最も望ましい。
【0033】また、合成した上記MgNb複合アルコキ
シド溶液に水と溶媒の混合溶液を適下し、部分加水分解
を行い、前述のMgNb複合アルコキシドが重縮合した
MgNbゾルを形成させる。部分加水分解とは、分子内
のアルコキシル基の一部を水酸基と置換し、置換された
分子内での脱水、あるいは脱アルコール反応により、重
縮合させる方法である。
【0034】次に、鉛(Pb)の有機酸塩、無機塩、ア
ルコキシドから選択される少なくとも1種の鉛化合物を
1 OH、R2 OC2 4 OH、R3 COOH(R1
2、R3 :炭素数1以上のアルキル基)で示される溶
媒に混合する。この時、鉛化合物が結晶水を含む場合に
は、作製したPb前駆体溶液中に水が存在しないように
脱水処理する。
【0035】作製したPb前駆体溶液とMgNb複合ア
ルコキシド溶液、あるいはMgNbゾルをPb:(Mg
+Nb)=a:(b+2)/3(1≦a≦1.10、1
≦b≦1.15)のモル比で混合し、PMN前駆体溶液
とする。
【0036】Zrの有機酸塩、アルコキシド等から選択
される1種のZr化合物と前述したPb前駆体溶液とを
Pb:Zr=a:1(1≦a≦1.10)のモル比で混
合した後、還流操作を行いPZ前駆体溶液を合成する。
【0037】前述のPMN前駆体溶液とPZ前駆体溶液
をモル比でPMN:PZ=(1−x):xとなる様に混
合し、(1−x)PMN−xPZ前駆体溶液とする。
【0038】または、Zrの有機酸塩、アルコキシド等
から選択される1種のZr化合物をR1 OH、R2 OC
2 4 OH、R3 COOH(R1 、R2 、R3 :炭素数
1以上のアルキル基)で示される溶媒に混合し、Zr溶
液を作製する。作製したZr溶液をMgNb複合アルコ
キシド溶液、あるいはMgNbゾルと混合した後、アセ
チルアセトン等のキレート剤をMg−Nb溶液の金属量
の0.5倍量以上加え、混合する。
【0039】作製したPb前駆体溶液もしくは酢酸Pb
・3水和物のような鉛(Pb)の有機酸塩と混合し、
(1−x)PMN−xPZ前駆体溶液とする。
【0040】作製した塗布溶液を基板上にスピンコート
法、ディップコート法、スプレー法等の手法により成膜
する。
【0041】成膜後、360〜400℃の間の温度で1
分間熱処理を行い、膜中に残留した有機物を燃焼させ、
ゲル膜とする。1回の膜厚は0.1μm以下が望まし
い。成膜−熱処理を所定の膜厚になるまで繰り返した
後、820〜860℃で焼成を行い、本発明の結晶質の
誘電体薄膜が作製される。得られた誘電体薄膜の膜厚は
2μm以下が望ましいが、これより厚くなると工程数が
増加し、また、コンデンサを構成した場合、容量が小さ
くなるからである。
【0042】特に、本発明では、金属元素としてPb、
Mg、NbおよびZrを含む複合酸化物からなるパイロ
クロア型結晶粒子を70〜90体積%生成するために
は、熱処理を360〜400℃、特には375〜385
℃、焼成温度を820〜860℃、特には840〜85
0℃とする必要がある。
【0043】
【実施例】MgエトキシドとNbエトキシドを1.0
5:2のモル比で秤量し、2−メトキシエタノール中で
還流操作(130℃で17時間)を行い、1M(mol
/l)濃度のMgNb複合アルコキシド溶液を合成し
た。IRスペクトルにおいて、656cm-1付近にMg
−O−Nb結合による吸収が見られた。
【0044】次にZrプロポキシドを2−メトキシエタ
ノールに室温で溶解し、1M濃度のZr溶液を作製し
た。この1M濃度のZr溶液を、MgNb複合アルコキ
シド溶液に、(Mg+Nb):Zr=1−x:xの比率
で混合し、その後、アセチルアセトンをMg−Nb溶液
の全金属量の1倍量添加後、室温で10分間撹拌し、安
定化させた。
【0045】酢酸鉛・3水和物と2−メトキシエタノー
ルをMg−Nb−Zr溶液にPb:(Mg+Nb+Z
r)=1.05:〔3.05/3(1−x)+x〕とな
るように混合し、1時間室温で撹拌することにより、1
M濃度のPb1.05(Mg1.05/3Nb2/3 1-x Zrx
3 (x=0.2)前駆体溶液を合成した。
【0046】電極となるPt(111)が650℃でス
パッタ蒸着されたサファイア単結晶基板上の上記Pt電
極の表面に、前記塗布溶液をスピンコーターで塗布し、
乾燥させた後、380℃で熱処理を1分間行い、ゲル膜
を作製した。塗布溶液の塗布−熱処理の操作を10回繰
り返した後、845℃で0.5分間(大気中)の急速昇
温焼成を行い、膜厚0.80μmのPb1.05(Mg
1.05/3Nb2/3 0.8 Zr0.2 3 からなる誘電体薄膜
を得た。
【0047】得られた薄膜について、X線回折測定によ
り分析した結果、パイロクロア型結晶相と、ペロブスカ
イト型結晶相が存在がしていた。さらに、パイロクロア
型結晶粒子は、X線分光分析の結果、Pb1.83Nb1.71
Mg0.296.39であった。
【0048】さらに、TEM観察結果に基いて、インタ
ーセプト法によりパイロクロア型結晶粒子と、ペロブス
カイト型結晶粒子の平均結晶粒径を求めた、また、視野
内のペロブスカイト型結晶粒子数を測定し、これに平均
結晶粒径を乗じることで、視野内のペロブスカイト型結
晶粒子の面積を求め、視野面積で割ることにより面積比
(体積比率)を求めた。
【0049】また、この試料に対して、測定周波数1K
Hzでの比誘電率を測定するとともに、150℃におけ
る10V印加下での電流値の時間変化を100000秒
測定し、電圧印加時から、最小電流値の10倍の電流が
流れた時までの時間を絶縁性劣化開始時間として求め
た。そして、100000秒測定後においても、最小電
流値の10倍の電流が流れない場合には劣化なしと判断
した。
【0050】さらに、組成式:(1−x)Pba (Mg
b/3 Nb2/3 )O3 ・xPba ZrO3 において、x、
a、bを種々変更した誘電体膜を作製し、上記と同様に
特性を測定した。これらの結果も表1に記載した。尚、
パイロクロア型結晶粒子とペロブスカイト型結晶粒子の
体積割合は、組成および焼成温度を変化させることによ
り制御した。
【0051】
【表1】
【0052】この表1から、本発明の試料では、100
000秒経過後も絶縁性の顕著な劣化は見られなかっ
た。一方、比較例の試料No.12では、パイロクロア型
結晶粒子が多いため比誘電率が低く、また、試料No.1
3、14では、パイロクロア型結晶粒子が少ないため、
比誘電率は高いものの、絶縁性劣化時間が短く、いずれ
も230秒、50秒で劣化(電流値の増加)が始まり、
絶縁性の信頼性が低いことが判る。
【0053】尚、本発明の試料No.4の組織図を図1に
示す。図1において、符号1はペロブスカイト型結晶粒
子、符号2がパイロクロア型結晶粒子である。また、図
2に試料No.4、13、14の150℃における10V
印加下での電流値の時間変化を示す。
【0054】
【発明の効果】本発明の誘電体膜は、金属元素としてP
b、Mg、NbおよびZrを含有するパイロクロア型結
晶粒子と、金属元素としてPb、Mg、NbおよびZr
を含有するペロブスカイト型結晶粒子が存在し、かつ、
前記パイロクロア型結晶粒子が全量中70〜90体積%
存在するため、絶縁性の信頼性を向上できるとともに、
ペロブスカイト型結晶粒子の存在により比誘電率を高く
維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試料No.4の組織図である。
【図2】試料No.4、13、14の150℃における1
0V印加下での電流値の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
1・・・ペロブスカイト型結晶粒子 2・・・パイロクロア型結晶粒子

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素としてPb、Mg、NbおよびZ
    rを含有する誘電体膜であって、金属元素としてPb、
    Mg、NbおよびZrを含有するパイロクロア型結晶粒
    子と、金属元素としてPb、Mg、NbおよびZrを含
    有するペロブスカイト型結晶粒子が存在し、かつ、前記
    パイロクロア型結晶粒子が全量中70〜90体積%存在
    することを特徴とする誘電体膜。
  2. 【請求項2】金属元素酸化物のモル比による組成式を (1−x)Pba (Mgb/3 Nb2/3 )O3 ・xPba
    ZrO3 と表した時、前記x、aおよびbが 0<x≦0.30 1≦a≦1.10 1≦b≦1.15 を満足することを特徴とする請求項1記載の誘電体膜。
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