JPH106453A - パラアラミド系多孔質フィルムおよびそれを使用した電池用セパレーター - Google Patents
パラアラミド系多孔質フィルムおよびそれを使用した電池用セパレーターInfo
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- JPH106453A JPH106453A JP16154096A JP16154096A JPH106453A JP H106453 A JPH106453 A JP H106453A JP 16154096 A JP16154096 A JP 16154096A JP 16154096 A JP16154096 A JP 16154096A JP H106453 A JPH106453 A JP H106453A
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Abstract
温時に加熱溶融する熱可塑性ポリマーとからなるパラア
ラミド系多孔質フィルムおよびかかる多孔質フィルムを
使用するシャットダウン機能を備えた電池用セパレータ
ーを提供する。 【解決手段】パラ配向芳香族ポリアミドからなる空隙を
有する樹脂層と、熱可塑性ポリマーからなる空隙を有す
る樹脂層との少なくとも2層以上からなる多孔質フィル
ムであって、温度上昇時に、該熱可塑性ポリマーからな
る樹脂層の樹脂が溶融し、パラ配向芳香族ポリアミドか
らなる樹脂層の空隙中に入り込んで、該空隙を閉塞し、
しかもパラ配向芳香族ポリアミドからなる樹脂層がフィ
ルム形状を保つパラアラミド系多孔質フィルム、並びに
かかるフィルムを使用してなる電池用セパレーター。
Description
アミド(以下、パラアラミドということがある。)の多
孔質の樹脂層と、昇温時に加熱溶融する熱可塑性ポリマ
ーとからなるパラアラミド系多孔質フィルムに関する。
また、かかる多孔質フィルムの用途であるシャットダウ
ン機能を備えた、安全性、耐熱性と機械的特性に優れた
電池用セパレーターに関するものである。
るいはリチウム二次電池は、その高電圧、高エネルギー
密度が得られるといった特性から大いに期待されている
が、同時に内在する問題点、例えば電池内外での短絡に
よる電池温度の上昇に伴う内容物の噴出の為に種々の安
全策を講じる必要がある。これらの電池は、正・負極間
に多孔質フィルムからなるセパレーターを介在させ、フ
ィルムの空隙内にリチウム塩を溶解した電解液を含浸し
た構造が主であり、かかる問題点を解決する為に、セパ
レーターに種々の工夫を加える試みがなされている。
与できる安全対策としては、シャットダウンとショート
特性が注目されている。ここにシャットダウン(ヒュー
ズともいう。)とは、過充電、外部短絡などのトラブル
により電池温度が上がり、多孔質のフィルムが溶融して
穴がふさがり、電流が遮断されることをいい、さらに温
度が上がり、フィルムに大きく穴があき、再び短絡する
ことをショート、その温度をショ−ト温度という。シャ
ットダウン温度を低くし、ショ−ト温度を高くすること
が電池用セパレーターに求められている。
性、耐薬品性等にすぐれた全芳香族ポリアミド重合体を
使用することが検討されている。例えば、特公昭59−
36939号公報、特公昭59−14494号公報に多
孔質フィルムの製造方法が記載されており、電池用セパ
レーターとして使用できることが示唆されている。ま
た、特開平5−335005号公報にはアラミド繊維か
らなる不織布、具体的には、du Pont社製のノー
メックス(登録商標)紙(メタアラミド紙)をリチウム
二次電池のセパレーターとして使用することが記載され
ている。同じく、特開平7−78608号公報と特開平
7−37571号公報にもメタアラミドからなる不織布
または紙状シートを電池用セパレーターに使用すること
が提案されている。
たは紙状シートのみではシャットダウン機能を有せず、
また特公昭59−36939号公報等の方法では工業的
にパラアラミド多孔質フィルムを得ることができず、特
開平7−78608号公報等に開示されているメタアラ
ミドからなる不織布や紙状シートでは、実質的に50μ
m以下の薄い厚みでかつ十分な強度を有するものを工業
的に製造することは困難であり、電気的特性に優れたセ
パレーターを得ることができていない。そこで従来、リ
チウム二次電池のセパレーターとしては薄い膜厚の可能
な多孔質フィルムが使用されており、例えば、ヘキスト
社製のCelgard(登録商標)がリチウム二次電池
のセパレーターとして好適に用いられている。しかし、
ポリエチレン製やポリプロピレン製のCelgard
(登録商標)は耐熱性に乏しく、耐熱性が良好で機械的
特性の優れた多孔質フィルムが望まれていた。
の問題解決の点では、特開平3−291848号公報、
特公平4−1692号公報に熱可塑性樹脂の多孔質フィ
ルムに、加熱溶融可能な閉塞材を付設し、この閉塞材が
加熱溶融されることにより微多孔膜表面を覆うことによ
り、電池用セパレーターにシャットダウン機能を持たせ
ることが提案されている。また、特開昭60−52号公
報、特開昭60−136161号公報にはポリプロピレ
ン不織布にポリエチレン系樹脂粉末を付着させ、該粉末
を加熱溶融させて不織布の穴を塞いで、電池用セパレー
ターにシャットダウン機能を持たせることが提案されて
いる。しかし、これらはいずれも熱可塑性樹脂を基材に
用いており、ヒュ−ズ温度が低く安全性の面で用途が限
定されるという問題点を有していた。
熱、高剛性、高強度、さらに電気絶縁性というパラアラ
ミド本来の特長を生かし、かつ微細孔を有する多孔質の
パラアラミドと、昇温時に加熱溶融する熱可塑性ポリマ
ーとの、少なくとも2つ以上の材料からなるパラアラミ
ド系多孔質フィルムを提供することにある。また、本発
明の他の目的は、かかるパラアラミド系多孔質フィルム
を使用するシャットダウン機能を備えた、安全性、耐熱
性と機械的特性に優れた電池用セパレーター、特に二次
電池用セパレーターを提供することにある。
族ポリアミドからなる空隙を有する樹脂層と、熱可塑性
ポリマーからなる空隙を構成する樹脂との少なくとも2
種以上の樹脂材料からなる多孔質フィルムであって、温
度上昇時に、該熱可塑性ポリマーからなる樹脂が溶融
し、パラ配向芳香族ポリアミドからなる樹脂層の空隙中
に入り込んで、該空隙を閉塞し、しかもパラ配向芳香族
ポリアミドからなる樹脂層がフィルム形状を保つパラア
ラミド系多孔質フィルムに係るものである。また、本発
明は、パラ配向芳香族ポリアミドからなる空隙を有する
樹脂層と、熱可塑性ポリマーからなる空隙を有する樹脂
層との少なくとも2層以上からなる多孔質フィルムであ
って、温度上昇時に、該熱可塑性ポリマーからなる樹脂
層の樹脂が溶融し、パラ配向芳香族ポリアミドからなる
樹脂層の空隙中に入り込んで、該空隙を閉塞し、しかも
パラ配向芳香族ポリアミドからなる樹脂層がフィルム形
状を保つパラアラミド系多孔質フィルムに係るものであ
る。
質フィルムが、熱可塑性ポリマーを溶媒中に分散させた
熱可塑性ポリマー溶液からなる層と、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の塩化物を溶解した極性アミド系溶
媒または極性尿素系溶媒中で、パラ配向芳香族ジアミン
とパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを縮合重合して
製造されるパラ配向芳香族ポリアミド重合液のドープか
らなる層との、少なくとも2層を製膜し、ついで乾燥し
て得られる多孔質フィルムに係るものである。また、上
記パラアラミド系多孔質フィルムが、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の塩化物を溶解した極性アミド系溶
媒または極性尿素系溶媒中で、パラ配向芳香族ジアミン
とパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを縮合重合して
製造されるパラ配向芳香族ポリアミド重合液中に、熱可
塑性ポリマー粒子を分散させたド−プを製膜し、ついで
乾燥して得られる多孔質フィルムに係るものである。
孔質フィルムを使用してなる電池用セパレーターに係る
ものである。以下、本発明について詳しく説明する。
一つであるパラ配向芳香族ポリアミド(パラアラミド)
からなる空隙を有する樹脂層とは、網目状、粒子状また
は多孔状の空隙を有する、いわゆる多孔質のパラアラミ
ド樹脂からなる層をいう。ここに、パラアラミドとは、
パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸
ハライドの縮合重合により得られるものであり、アミド
結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位(例
えば、4、4’−ビフェニレン、1、5−ナフタレン、
2、6−ナフタレン等のような反対方向に同軸または平
行に延びる配向位)で結合される繰り返し単位から実質
的になるものである。
タルアミド)、ポリ(パラベンズアミド、ポリ(4、
4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラ
フェニレン−4、4’−ビフェニレンジカルボン酸アミ
ド)、ポリ(パラフェニレン−2、6−ナフタレンジカ
ルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレン
テレフタルアミド)、パラフェニレンジアミン/2、6
−ジクロロパラフェニレンジアミン/テレフタル酸ジク
ロライド共重合体等のパラ配向型またはパラ配向型に準
じた構造を有するパラアラミドが例示される。
ポリマーからなる樹脂とは、網目状、粒子状または多孔
状の空隙、いわゆる多孔質を構成する樹脂をいう。熱可
塑性ポリマーとしては、ポリオレフィン樹脂、アクリル
樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等が例示される。
特に、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状
ポリエチレン等のポリエチレン、ホモ、ランダムおよび
ブロックポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテン樹
脂等のポリオレフィン樹脂が好適に用いられる。熱可塑
性ポリマーからなる樹脂としては、本発明の用途である
電池用セパレーターに使用する場合に、昇温時に溶融す
るものであれば良い。リチウム電池のセパレーターとし
て使用する場合、250℃以下で溶融するポリマーであ
ることがシャットダウン機能の点からより好ましい。こ
れらは単体、又は2種類以上混合して使用することがで
きる。そして、これらの熱可塑性ポリマーは後述の粒径
を有する粉末を使用することにより容易に多孔質とする
ことができる。
平均粒径は20μm以下、好ましくは10μm以下、更
に好ましくは6μm以下である。粒子の形状は特に限定
はなく球状でもランダムな形状でも使用することができ
る。ポリマー粒子は、多孔質フィルム内で均一に分散し
ておりパラアラミドのフィブリルに絡まって捕捉・固定
された状態で空隙を形成している。
ドからなる空隙を有する樹脂層と、熱可塑性ポリマーか
らなる空隙を構成する樹脂との少なくとも2種以上の樹
脂材料からなる多孔質フィルムとは、例えば、フィブリ
ル状の多孔質パラアミドの樹脂層の少なくとも片面に、
熱可塑性ポリマーからなる樹脂が当該フィブリル状のパ
ラアラミドと絡まって捕捉され、パラアラミド樹脂層の
全体に粒子状に配置して空隙を形成しているものをい
う。
は、多孔質の層を構成していてもよい。即ち、パラ配向
芳香族ポリアミドからなる空隙を有する樹脂層と、熱可
塑性ポリマーからなる空隙を有する樹脂層との少なくと
も2層以上からなる多孔質フィルムとは、例えば、フィ
ブリル状の多孔質パラアミドの樹脂層の少なくとも片面
に、熱可塑性ポリマーからなる樹脂層が当該フィブリル
状のパラアラミドと絡まって捕捉され空隙を形成してい
て、パラアラミド樹脂層の全体に層状に配置しているも
のをいう。
温度上昇時に、該熱可塑性ポリマーからなる樹脂または
樹脂層が溶融し、パラ配向芳香族ポリアミドからなる樹
脂層の空隙中に入り込んで、該空隙を閉塞し、しかもパ
ラ配向芳香族ポリアミドからなる樹脂層が溶融すること
なくフィルム形状を保つ特徴を有し、本発明のパラアラ
ミド系多孔質フィルムを構成する。
ィルムおよびそれを使用する電池用セパレーター、特に
二次電池用セパレーターについてより具体的に説明す
る。前述のように二次電池においては、シャットダウン
とショート特性が重要であり、シャットダウン温度を低
くし、ショ−ト温度を高くすることが電池用セパレータ
ーに求められている。
度200℃程度まで強度劣化が殆ど無く、耐熱性に優れ
ていることが知られている。また自己消火性で、500
℃程度まで熱溶融せずに形態を保ち、それ以上の温度で
熱分解する。従って、アラミドの熱分解温度は、電池に
使用されている他の部材の熱分解温度より高いので、電
池のショート温度は、他の部材の熱分解温度又は熱溶融
温度で決まる。
セパレ−タ−において熱可塑性ポリマーの粒子は、パラ
アラミドのフィブリル状ポリマーと絡まって捕捉され、
フィルムの少なくとも片面に層状に、またはフィルムの
全体に粒子状に分散して配置している。電池が局部的
に、または全体的に温度上昇した時に、該熱可塑性ポリ
マーが溶融し、毛細管現象でパラアラミド多孔層の微細
孔の中に入り込んで微細孔を封じ、電流が流れないよう
にする。さらに温度が上昇した時にも、表面ではなく微
細孔の中に入り込んでいるので流れ出ない。このように
して、電池のシャットダウンが行なわれる。さらに融点
の異なる2種類以上の熱可塑性ポリマーの粒子を用いる
と、電池のシャットダウンが行なわれる温度範囲を広く
することができる。
池用セパレーターでは、空隙率が高く、孔径が小さいこ
とが好ましい。例えば、正極の主成分であるリチウムと
遷移金属の酸化物小片が脱落しても、セパレーター孔径
(空隙)が十分に小さければ内部ショートなどの問題を
回避できる。本発明の多孔質セパレーターでは孔径が5
μm〜0.01μm程度、平均的には1〜0.01μm
程度であり、リチウム二次電池用に特に好ましい。孔径
が5μmを越える場合には、不織布、紙状シートなどの
形態でも代替できるので、多孔質フィルムとしての重要
性が薄れる。
は、厚みが5〜200μmである。厚みが5μm未満で
はフィルムとして強度が不足し取り扱いが難しい。フィ
ルムとしては、厚いほど取り扱いが容易であるが、ニッ
ケル・カドニウム電池ではあまり制約はないが、リチウ
ム二次電池では内部抵抗をできるだけ小さくするため
に、短絡しない範囲で厚みが小さいセパレ−タ−が望ま
しい。即ち、リチウム二次電池用セパレーターでは厚み
としては5〜50μm、さらに好ましくは5〜30μm
である。
は、電解液の浸透性、保液性、およびイオン透過性の面
より、空隙率は20〜90%が好ましい。さらに好まし
くは、30〜90%である。20%未満では、イオンの
移動が不十分となり電池としての性能が低下する。一
方、90%を越えるとフィルムとしての強度が不足し取
り扱いが困難となる。
は、熱溶融しないパラアラミド多孔質フィルムの層が、
強度を負担する。この多孔質フィルムの少なくとも1方
向の引張強度は10〜20kg/mm2 程度であり、通
常のアラミド系不織布と同等以上の性能を有する。因
に、メタアラミド紙の強度は5〜12kg/mm2 程度
であるが、パラアラミドの場合にはメタアラミドの様に
フィブリル間での膠着が得られないので、市販のパラア
ラミド紙の強度は約0.1〜3kg/mm2 程度であ
り、セパレーターとしては実用的ではない。一方、本発
明のセパレーターの主な部材はパラアラミドからなり、
パラアラミドの粒子状、フィブリル状のポリマ−からな
る微視的には不織布状であるにもかかわらず、メタアラ
ミド紙同等以上の強度を有するという優れた特長を有す
る。これにより、空隙率が高くてもセパレーターとして
実用的な引張強度、引裂き強度を維持することができて
いる。
は、例えば、下記の(a)〜(e)の工程から製造する
ことができる。即ち、熱可塑性ポリマーを分散させた溶
液と、アラミド単体の重合液を多層に製膜して製造する
ことができる。
せ、この熱可塑性ポリマー溶液を製膜する。溶媒は特に
限定されないが、水または水系溶液、あるいはアラミド
重合液が工業的に使用できる。
属の塩化物を2〜10重量%溶解した極性アミド系溶媒
または極性尿素系溶媒中で、パラ配向芳香族ジアミン
1.00モルに対してパラ配向芳香族ジカルボン酸ハラ
イド0.94〜0.99モルを添加して、温度―20℃
〜50℃で縮合重合して製造されるパラ配向芳香族ポリ
アミド濃度が1〜10%で、固有粘度が1.0〜2.8
dl/gであるパラ配向芳香族ポリアミド重合液のドー
プを、前述の熱可塑性膜上に製膜し膜状物を形成する。
上記の工程(a)、(b)は、順序が逆でも製造可能で
ある。また(a)、(b)、(a)の3層としても、ま
たは(b)、(a)、(b)の3層とすることもでき
る。
定湿度に保持し、パラアラミドを析出させ、その後凝固
液中に浸漬させる。または、凝固液中に浸漬し、パラア
ラミドの析出・凝固を同時に行ない、湿潤膜状物を得
る。凝固液は、水系溶液またはアルコール系溶液などで
特に限定されないが、アラミド重合溶液に使用される溶
媒からなる、水系溶液またはアルコール系溶液を使用す
る方が、工業的には溶媒回収工程が簡素化されるので有
利である。具体的には、極性アミド系溶媒または極性尿
素系溶媒の水溶液である。これらの溶媒として、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す
ことがある。)、もしくはテトラメチルウレアが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
から、溶媒とアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩
化物を洗浄、除去する。除去方法には、膜状物を溶液に
浸漬して溶媒と塩化物を溶出させる方法、膜状物から溶
媒を蒸発により留去してから塩化物を溶出させる方法な
どが採用される。溶媒または塩化物を溶出させるときの
溶液としては、水、水系溶液、またはアルコール系溶液
が溶媒と塩化物を共に溶解できるので好ましい。
は、加熱溶融するポリマ−の溶融温度以下で定長乾燥
し、目的とする多孔質フィルムが製造できる。乾燥時に
は、フィルムが収縮しようとするので、均一に加圧して
収縮を制御して乾燥すると、平滑できれいなフィルムが
得られる。
カリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物量は、後述の
ようにパラアラミド量(さらに正確には、パラアラミド
中のアミド基)に対して範囲が決められる。一般には、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物が2重量
%未満では、パラアラミドの溶解性が不十分であり、1
0重量%を越えてはアルカリ金属またはアルカリ土類金
属の塩化物は極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒に
溶解しない。パラアラミド濃度が1重量%未満では、生
産性が著しく低下し工業的に不利となる。パラアラミド
が10重量%を越えるとパラアラミドが析出し安定なパ
ラアラミド溶液とならない。
(本発明において固有粘度とは、後に定義するものをい
う。)で表して、1.0〜2.8dl/g、好ましくは
1.7〜2.5dl/gの値を示すパラアラミドを言
う。固有粘度が1.0dl/g以下では十分なフィルム
強度が得られない。固有粘度が2.8dl/gを越える
と安定なパラアラミド溶液となりにくく、パラアラミド
が析出しフィルム化が困難となる。
合に用いられるパラ配向芳香族ジアミンを例示すると、
パラフェニレンジアミン、4、4’−ジアミノビフェニ
ル、2−メチル−パラフェニレンジアミン、2-クロロ−
パラフェニレンジアミン、2、6−ジクロロ−パラフェ
ニレンジアミン、2、6−ナフタレンジアミン、1、5
−ナフタレンジアミン、4、4’−ジアミノベンズアニ
リド、3、4’−ジアミノジフェニルエーテル等を挙げ
ることができる。パラ配向芳香族ジアミンは1種または
2種を混合して縮合重合に供することができる。
合に用いられるパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを
例示すると、テレフタル酸ジクロライド、ビフェニル−
4、4’−ジカルボン酸クロライド、2-クロロテレフタ
ル酸ジクロライド、2、5−ジクロロテレフタル酸ジク
ロライド、2-メチルテレフタル酸ジクロライド、2、6
−ナフタレンジカルボン酸クロライド、1、5−ナフタ
レンジカルボン酸クロライド等を挙げることができる。
パラ配向芳香族ジアミンは1種または2種を混合して縮
合重合に供することができる。
合は、極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒において
行われる。これらの溶媒として、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、もしくはテトラメチルウレアが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
への溶解性を改善する目的で、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属の塩化物が好適に使用される。具体例とし
ては、塩化リチウムまたは塩化カルシウムが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
で生成するアミド基1.0モル当たり0.5〜6.0モ
ルの範囲が好ましく、1.0〜4.0モルの範囲がより
好ましい。塩化物が0.5モル未満では生成するパラア
ラミドの溶解性が不十分となる。6.0モルを越えると
実質的に塩化物の溶媒への溶解量を越えるので好ましく
ない。
性ポリマー分散液とアラミドの重合液のドープを別々に
製膜するのではなく、上記(b)のアラミド重合液中
に、熱可塑性ポリマ−を分散させたド−プを製膜して、
上記(c)〜(e)の工程を同様に行うことによっても
製造することができる。この場合シャットダウン機能を
有効に作用させる為には、アラミドポリマーに対して、
30〜300重量部の熱可塑性ポリマーを分散させるこ
とが好ましい。30重量部未満であるとシャットダウン
機能十分に働かないことがあり、300重量部を超える
とフィルムの強度が低くなり取扱が困難になる。
系多孔質フィルムは、高耐熱、高剛性、高強度、さらに
電気絶縁性というパラアラミドの特長を有し、かつ微細
孔を有する為に電池用セパレターに好適であり、また昇
温時に加熱溶融する熱可塑性ポリマーからなる複合材料
であることからシャットダウン機能を備え、かつショー
ト温度が高いことから安全性にすぐれた電池用セパレー
ターとして使用できる。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例及び比較例における試験・評価方法または判
定基準は次に示すとおりである。
ち、96〜98%硫酸100mlにパラアラミド重合体
0.5gを溶解した溶液及び96〜98%硫酸につい
て、それぞれ毛細管粘度計により30℃にて流動時間を
測定し、求められた流動時間の比から次式により固有粘
度を求めた。 固有粘度=In(T/T0 )/C 〔単位:dl/
g〕 ここでTおよびT0 はそれぞれパラアラミド硫酸溶液及
び硫酸の流動時間であり、Cはパラアラミド硫酸溶液中
のパラアラミド濃度(dl/g)を示す。
を打ち抜き、インストロンジャパン社製インストロン万
能引張試験機モデル4301を用い、JIS K-7127に準じて引
張強度を求めた。
重量(Wg)、厚み(Dcm)を測定した。パラアラミ
ドの真比重を1.45g/cm3 と仮定して、次式より
空隙率(体積%)を求めた。 100−(W/1.45)/(L2 ×D)
孔測定システム、Perm-Porometer(製造元、米国、Poro
us Materials Inc. )を用いて、以下の様に測定した。
ステンレス製のメッシュ・サポ−ト板の間に、測定する
フィルムを鋏み、流体が通過する直径20mmの測定部
分に固定する。空気圧を0気圧からゆっくりに6気圧ま
で上げ、3気圧の時の空気の透過量をcc/secで表
示した。
きさに切り取り、エチレンカーボネートとジメチルカー
ボネートの1対1の混合溶媒に、LiBF4 を溶解(1
モル/L濃度)させた電解液を含浸した。厚さ0.2m
m、直径17.3mmの白金円盤2枚を各々正、負極と
し、セパレーターを電極間に鋏み、周波数1kHzにお
ける、白金円盤の電極間の内部電気抵抗を測定した。
る、5リットル(l)のセパラブルフラスコを使用し
て、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)(以後P
PTAと略す。)の重合を行った。フラスコを十分乾燥
し,N−メチル−2−ピロリドン(以後NMPと略
す。)4200gを仕込み、200℃で2時間乾燥した
塩化カルシウム粉末272.7gを添加して100℃に
昇温し、完全に溶解させた。室温に戻して、パラフェニ
レンジアミン、132.9gを添加し完全に溶解させ
た。この溶液を20℃±2℃に保ったまま、テレフタル酸
ジクロライド243.3gを10分割して約5分おきに
添加した。その後も撹拌しながら、溶液を20℃±2℃
に保ったまま1時間熟成した。得られた重合液(以後P
PTAドープと略す。)は、PPTA濃度6%の液晶相
で、光学的異方性を示した。一部をサンプリングして水
で再沈してポリマーとして取り出し、得られたPPTA
の固有粘度を測定したところ2.01dl/gであっ
た。
素流入管および液体添加口を有する、500mlのセパ
ラブルフラスコに秤取し、150mlのNMPを徐々に
添加した。最終的に、PPTA濃度が2.4重量%の等
方相の溶液に調製し、減圧下で脱泡し塗工用ドープとし
た。
性ディスパージョン(三井石油化学(株)製、ケミパー
ル、M−200)100gを500mlのセパラブルフ
ラスコに入れ、攪拌しながら、アルギン酸ナトリウム
(和光純薬(株)製)1.5wt%の水溶液を100g
添加し、さらにイソプロピルアルコールを5g添加し、
塗工用熱可塑性ポリマー溶液とした。
株式会社製バーコーターにより、塗工速度0.2m/m
inで厚み0.1mmのPETフィルム上に、膜厚0.
07mmで塗工した。次に、上記2.の塗工用ドープ
を、上記の熱可塑性ポリマー膜の上に、膜厚0.35m
mで塗工し膜状物を形成した。次いで40℃の加熱オー
ブンに約20分間保持した。この間に、PPTAが析出
して膜状物は白化した。これをイオン交換水に浸漬し、
凝固させた後に、イオン交換水の流水で、4時間洗浄し
た。洗浄後の湿潤した膜状物を、両面からメタ・アラミ
ド製のフェルトに挟んで、厚さ3mmのアルミ板の上に
置き、真空バッグに包んでその回りをシーリング剤でシ
ールし、真空に引きながら、70℃で4時間乾燥しフィ
ルムを得た。
子顕微鏡でフィルムを観察したところ、片側は厚みが約
15μmで約0.1μm以下のフィブリル状、層状のP
PTA樹脂からなる、孔径0.01〜0.2μmの空隙
を有する多孔質層と、もう一方の片側は、厚みが約15
μmの低密度ポリオレフィンの粒子(ケミパールMー2
00)が多孔質のPPTA樹脂で捕捉、固定された層の
2層になっていた。このフィルムは、PPTA樹脂が約
60重量%、低密度ポリオレフィンが約40重量%から
なっていた。そして、得られたフィルムの透気度は5.
3cc/sec、内部抵抗は11Ωであった。次に得ら
れたフィルムを熱風オーブン中で150℃で5分間加熱
した後の透気度は0cc/sec、内部抵抗は100Ω
以上であった。
およびポリフッ化ビニリデンを重量比87:10:3で
混合したペースト(NMP溶媒)を、20μmのアルミ
ニウム箔に塗布し、乾燥、プレスして厚さ92μmのシ
ート(充填密度は3.0g/cc)を用いた。負極は、
黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデンを重量比90:10で
混合したペースト(Nメチルピロリドン溶媒)を、10
μmの銅箔に塗布し、乾燥、プレスして厚さ110μm
のシートを用いた。電解液は、エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネート
の混合溶媒に、6フッ化リン酸リチウムを溶解(1モル
/L濃度)した液を用いた。セパレーターは前項4で作
製した多孔質フィルムを用いた。電池は、正極面積が
2.34平方cmの平板型構造とし、上記で準備したもの
をアルゴン雰囲気ボックス内で、負極シート、セパレー
ター、正極シートの順に重ねた後、セパレーターに電解
液を充分に含浸させた。作製した電池を充電電圧4.2
V、放電電圧2.75Vで8サイクル繰り返したとこ
ろ、8サイクル目の放電容量は7.3mAH(放電電流
1.5mA)でありサイクル劣化もなく正常に動作し
た。次に得られたフィルムを熱風オーブン中で150℃
で5分間加熱した後、上記の方法で電池用セパレーター
としての評価を行ったが、電池として作動しなかった。
即ちシャットダウン機能を有するものであった。
温度計、窒素流入管、および液体添加口を有する500
mlのセパラブルフラスコに秤取し、20mlのNMP
を徐々に添加した。最終的に、PPTA濃度が5.0重
量%の液晶相の溶液に調製し、減圧下で脱泡し塗工用ド
ープとした。
性ディスパージョン(三井石油化学(株)製、ケミパー
ル、M−200)100gを、500mlのセパラブル
フラスコに入れ、攪拌しながら、アルギン酸ナトリウム
(和光純薬(株)製)の1.5wt%水溶液を100g
添加し、さらにイソプロピルアルコールを5g添加し、
塗工用熱可塑性ポリマー溶液とした。
業株式会社製バーコーターにより、塗工速度0.2m/
minで厚み0.1mmのPETフィルム上に膜厚0.
07mmで塗工した。上記1.の塗工用ドープを、上記の
熱可塑性ポリマー膜の上に、膜厚0.15mmで塗工し
膜状物を形成した。次いで、40℃の加熱オーブンに約
20分間保持した。この間に、PPTAが析出して膜状
物は白化した。これをイオン交換水に浸漬し、凝固させ
た後に、イオン交換水を流しながら、4時間洗浄した。
洗浄後の湿潤状態の膜状物を、両面からメタ・アラミド
製のフェルトに挟んで、厚さ3mmのアルミ板の上に置
き、真空バッグに包んでその回りをシーリング剤でシー
ルし、真空に引きながら、70℃で4時間乾燥し多孔質
フィルムを得た。
子顕微鏡でフィルムを観察したところ、片側は厚みが約
15μmで約0.1μm以下のフィブリル状、層状のPPTA
樹脂からなり、孔径0.05〜0.2μmの空隙を有す
る多孔質層と、もう一方の片側は厚みが約15μmの低
密度ポリオレフィンの粒子(ケミパール、M−200)
が多孔質のPPTA樹脂で捕捉、固定された層の2層に
なっていた。得られたフィルムの透気度は4.7cc/
sec、内部抵抗は10Ωであった。次に得られたフィ
ルムを、熱風オーブン中で150℃、5分間加熱した後
の透気度は、0cc/sec、内部抵抗は100Ω以上
であった。
温度計、窒素流入管、および液体添加口を有する500
mlのセパラブルフラスコに秤取し、150mlのNM
Pを徐々に添加した。最終的に、PPTA濃度が2.4
重量%の等方相の溶液に調製し、減圧下で脱泡し塗工用
ドープとした。
性ディスパージョン(三井石油化学(株)製、ケミパー
ル、M−200)を100gを、500mlのセパラブ
ルフラスコに入れ、攪拌しながら、アルギン酸ナトリウ
ム(和光純薬(株)製)の1.5wt%の水溶液を10
0g添加し、さらにイソプロピルアルコールを5g添加
し、塗工用熱可塑性ポリマー溶液とした。
業株式会社製バーコーターにより、塗工速度0.2m/
minで、厚み0.1mmのPETフィルム上に、膜厚
0.07mmで塗工した後、50℃のオーブンに120
分間入れて乾燥した。上記1.の塗工用ドープを、上記
の乾燥した熱可塑性ポリマ−膜の上に、膜厚0.35m
mで塗工し膜状物とした。次いで40℃の加熱オーブン
に約20分間保持した。この間に、PPTAが析出して
膜状物は白化した。これをイオン交換水に浸漬し、凝固
させた後に、イオン交換水を流しながら、4時間洗浄し
た。洗浄後の湿潤した膜状物を、両面からメタ・アラミ
ド製のフェルトに挟んで、厚さ3mmのアルミ板の上に
置き、真空バッグに包んでその回りをシーリング剤でシ
ールし、真空に引きながら、70℃で4時間乾燥し多孔
質フィルムを得た。
子顕微鏡でフィルムを観察したところ、片側は厚みが約
15μmで約0.1μm以下のフィブリル状、層状のP
PTA樹脂からなり、孔径0.05〜0.2μmの空隙
を有する多孔質層であった。もう一方の片側は厚みが約
15μmの低密度ポリオレフィンの粒子(ケミパール、
M−200)が多孔質のPPTA樹脂で捕捉、固定され
た層の2層になっていた。得られたフィルムの透気度は
4.3cc/sec、内部抵抗は10Ωであった。次に
得られたフィルムを熱風オーブン中で150℃で5分間
加熱した後の透気度は0cc/sec、内部抵抗は10
0Ω以上であった。
温度計、窒素流入管、および液体添加口を有する500
mlのセパラブルフラスコに秤取し、150mlのNM
Pを徐々に添加した。最終的に、PPTA濃度が2.4
重量%の等方相の溶液に調製し、減圧下で脱泡し、塗工
用ドープとした。
調製 平均粒径2.5μmの低分子量ポリオレフィン40wt
%の水性ディスパージョン(三井石油化学(株)製、ケ
ミパール、W−500)100mlをポリエチレン製の
バットに入れ、50℃のオーブンに4時間乾燥した後、
電動コーヒーミルで粉末にする。得られた低分子量ポリ
オレフィンの粉末を500mlのセパラブルフラスコに
15g入れ、攪拌しながら、NMPを100g添加し、
さらに実施例1の1.のPPTAドープを、50g添加
し、塗工用熱可塑性ポリマ−粒子分散液とした。
ター産業株式会社製バーコーターにより、塗工速度0.
2m/minで、厚み0.1mmのPETフィルム上
に、膜厚0.1mmで塗工した。上記1.の塗工用ド−
プを、上記の熱可塑性ポリマ−粒子分散膜の上に、膜厚
0.35mmで塗工した。40℃の加熱オーブンに約2
0分間保持した。この間に、PPTAが析出して膜状物
は白化した。このフィルムをイオン交換水に浸漬し、凝
固させた後に、イオン交換水を流しながら、4時間洗浄
した。洗浄後の湿潤した膜状物を、両面からメタ・アラ
ミド製のフェルトに挟んで、厚さ3mmのアルミ板の上
に置き、真空バッグに包んでその回りをシーリング剤で
シールし、真空に引きながら、50℃で7時間乾燥し多
孔質フィルムを得た。
子顕微鏡でフィルムを観察したところ、片側は厚みが約
15μmで約0.1μm以下のフィブリル状、層状のP
PTA樹脂からなり、孔径0.05m〜0.2μmの空
隙を有する多孔質層と、もう一方の片側は厚みが約15
μmで低分子量ポリオレフィンの粒子(ケミパール、W
−500)が多孔質のPPTA樹脂で捕捉、固定された
層の2層になっていた。得られたフィルムの透気度は
4.7cc/sec、内部抵抗は10Ωであった。次に
得られたフィルムを熱風オーブン中で150℃で5分間
加熱した後の透気度は0cc/sec、内部抵抗は10
0Ω以上であった。
温度計、窒素流入管、および液体添加口を有する500
mlのセパラブルフラスコに秤取し、150mlのNM
Pを徐々に添加した。最終的に、PPTA濃度が2.4
重量%の等方相の溶液に調製し、減圧下で脱泡し塗工用
ド−プとした。
水性ディスパ−ジョン(三井石油化学(株)製、ケミパ
−ル、WPー100)100gを、500mlのセパラ
ブルフラスコに入れ、攪拌しながら、アルギン酸ナトリ
ウム(和光純薬(株)製)1.5wt%の水溶液を10
0g添加し、さらにイソプロピルアルコールを5g添加
し、塗工用熱可塑性ポリマ−溶液とした。
ター産業株式会社製バーコーターにより、塗工速度0.
2m/minで、厚み0.1mmのPETフィルム上
に、膜厚0.07mmで塗工した。上記1.の塗工用ド
−プを、上記の熱可塑性ポリマ−粒子分散膜の上に、膜
厚0.35mmで塗工し膜状物を形成した。次いで40
℃の加熱オーブンに約20分間保持した。この間に、P
PTAが析出して膜状物は白化した。イオン交換水に浸
漬し、凝固させ、その後に、イオン交換水を流しなが
ら、4時間洗浄した。洗浄後の湿潤した膜状物を、両面
からメタ・アラミド製のフェルトに挟んで、厚さ3mm
のアルミ板の上に置き、真空バッグに包んでその回りを
シーリング剤でシールし、真空に引きながら、70℃で
4時間乾燥し多孔質フィルムを得た。
子顕微鏡でフィルムを観察したところ、片側は厚みが約
15μmで約0.1μm以下のフィブリル状、層状のP
PTA樹脂からなり、孔径0.05〜0.2μmの空隙
を有する多孔質層と、もう一方の片側は厚みが約15μ
mの低分子量ポリオレフィンの粒子(ケミパール、W−
100)が多孔質のPPTA樹脂で捕捉、固定された層
の2層になっていた。得られたフィルムの透気度は4.
7cc/sec、内部抵抗は10Ωであった。次に得ら
れたフィルムを熱風オーブン中で190℃、5分間加熱
した後の透気度は、0 cc/sec、内部抵抗は100
Ω以上であった。
のを使用し、またセパレーターは前項3.で作製した多
孔質フィルムを用いた。電池は、正極面積を2.34平
方cmとした平板型構造とし、アルゴン雰囲気ボックス
内で、負極シート、セパレーター、正極シートの順に重
ねた後、セパレーターに電解液を充分に含浸させた。作
製した電池を充電電圧4.2V、放電電圧2.75Vで
8サイクル繰り返したところ、8サイクル目の放電容量
は7.3mAH(放電電流1.5mA)でありサイクル
劣化もなく正常に動作した。
調製 平均粒径2.5μmの低分子量ポリオレフィン40wt
%の水性ディスパージョン(三井石油化学(株)製、ケ
ミパール、W−500)100mlをポリエチレン製の
バットに入れ、50℃のオーブンに4時間乾燥した後、
電動コーヒーミルで粉末にする。得られた低分子量ポリ
オレフィンの粉末4.5gを撹拌翼、温度計、窒素流入
管および液体添加口を有する500mlのセパラブルフ
ラスコに秤取し、225mlのNMPを徐々に添加し、
さらに撹拌しながら実施例1の1.のPPTAドープ
を、75g添加し、熱可塑性ポリマ−粒子混合PPTA
ド−プの調製、減圧下で脱泡し塗工用ド−プとした。本
塗工用ドープのPPTA樹脂と熱可塑性ポリマ−の割合
は等量(重量比)であった。
−プを、テスター産業株式会社製バーコーターにより、
塗工速度0.2m/minで、厚み0.1mmのPET
フィルム上に、膜厚0.30mmで塗工し膜状物を形成
した。40℃の加熱オーブンに約20分間保持した。こ
の間に、PPTAが析出して膜状物は白化した。この膜
状物をイオン交換水に浸漬し、凝固させた後に、イオン
交換水を流しながら、4時間洗浄した。洗浄後の湿潤し
た膜状物を、両面からメタ・アラミド製のフェルトに挟
んで、厚さ3mmのアルミ板の上に置き、真空バッグに
包んでその回りをシーリング剤でシールし、真空に引き
ながら、50℃で7時間乾燥し多孔質フィルムを得た。
子顕微鏡でフィルムを観察したところ、約0.1μm以
下のフィブリル状、層状のPPTA樹脂からなり、孔径
0.05〜0.2μmの空隙を有する多孔質層の中に、
低分子量ポリオレフィンの粒子(ケミパール、W−50
0)が分散していた。得られたフィルムの透気度は4.
7cc/sec、内部抵抗は10Ωであった。次に得ら
れたフィルムを熱風オーブン中で150℃で5分間加熱
した後の透気度は0cc/sec、内部抵抗は100Ω
以上であった。
のを使用し、またセパレーターは前項3.で作製した多
孔質フィルムを用いた。電池は、正極面積を2.34平
方cmとした平板型構造とし、アルゴン雰囲気ボックス
内で、負極シート、セパレーター、正極シートの順に重
ねた後、セパレーターに電解液を充分に含浸させた。作
製した電池を充電電圧4.2V、放電電圧2.75Vで
8サイクル繰り返したところ、8サイクル目の放電容量
は7.3mAH(放電電流1.5mA)でありサイクル
劣化もなく正常に動作した。次に得られたフィルムを熱
風オーブン中で150℃で5分間加熱した後、上記の方
法で電池用セパレーターとしての評価を行ったが、電池
として作動しなかった。
調製 平均粒径1μmの低分子量ポリオレフィン40wt%の
水性ディスパージョン(三井石油化学(株)製、ケミパ
ール、W−700)を、100mlのポリエチレン製バ
ットに入れ、50℃のオーブンに4時間乾燥した後、電
動コーヒーミルで粉末にした。得られた低分子量ポリオ
レフィンの粉末4.5gを撹拌翼、温度計、窒素流入管
および液体添加口を有する500mlのセパラブルフラ
スコに秤取し、225mlのNMPを徐々に添加し、さ
らに撹拌しながら実施例1の1.のPPTAドープを、
75g添加し、熱可塑性ポリマ−粒子混合PPTAド−
プを調製し、減圧下で脱泡し塗工用ド−プとした。本塗
工用ドープのPPTA樹脂と熱可塑性ポリマ−の割合は
等量(重量比)であった。
−プを、テスター産業株式会社製バーコーターにより、
塗工速度0.2m/minで、厚み0.1mmのPET
フィルム上に、膜厚0.30mmで塗工し膜状物を形成
した。40℃の加熱オーブンに約20分間保持した。こ
の間に、PPTAが析出して膜状物は白化した。この膜
状物をイオン交換水に浸漬し、凝固させた後に、イオン
交換水を流しながら、4時間洗浄した。洗浄後の湿潤し
た膜状物を、両面からメタ・アラミド製のフェルトに挟
んで、厚さ3mmのアルミ板の上に置き、真空バッグに
包んでその回りをシーリング剤でシールし、真空に引き
ながら、50℃で7時間乾燥し多孔質フィルムを得た。
子顕微鏡でフィルムを観察したところ、約0.1μm以
下のフィブリル状、層状のPPTA樹脂からなり、孔径
0.05〜0.2μmの空隙を有する多孔質層の中に、
低分子量ポリオレフィンの粒子(ケミパール、W−70
0)が分散していた。得られたフィルムの透気度は4.
7cc/sec、内部抵抗は10Ωであった。次に得ら
れたフィルムを熱風オーブン中で190℃で5分間加熱
した後の透気度は0cc/sec、内部抵抗は100Ω
以上であった。
温度計、窒素流入管、および液体添加口を有する500
mlのセパラブルフラスコに秤取し、150mlのNM
P液を徐々に添加した。最終的に、PPTA濃度が2.
4重量%に調製し、減圧下で脱泡し塗工用ド−プとし
た。
ーコーターにより、塗工速度0.2m/minでガラス
板上に膜厚0.30mmで塗工し膜状物を形成した。次
いで40℃の加熱オーブンに約20分間保持した。この
間に、PPTAが析出して膜状物は白化した。このフィ
ルムをイオン交換水に浸漬し凝固させ、その後、イオン
交換水を流しながら約4時間洗浄した。洗浄後の湿潤フ
ィルムを、両面からメタ・アラミド製のフェルトに挟ん
で、厚さ3mmのアルミ板の上に置き、真空バッグに包ん
でその回りをシーリング剤でシールし、真空に引きなが
ら、120℃で2時間乾燥した。
%であった。走査型電子顕微鏡でフィルムを観察したと
ころ、約0.1μm以下のフィブリル状、層状のPPT
A樹脂からなり、孔径0.05〜0.2μmの空隙を有
する多孔質フィルムであった。得られたフィルムの透気
度を測定したところ、6.7cc/secであった。次
にフィルムを熱風オーブン中で170℃で5分間加熱し
た後、透気度を測定したところ、6.7cc/secで
透気性には変化が無かった。
のを使用し、またセパレーターは前項3.で作製した多
孔質フィルムを用いた。電池は、正極面積を2.34平
方cmとした平板型構造とし、アルゴン雰囲気ボックス
内で、負極シート、セパレーター、正極シートの順に重
ねた後、セパレーターに電解液を充分に含浸させた。作
製した電池を充電電圧4.2V、放電電圧2.75Vで
8サイクル繰り返したところ、8サイクル目の放電容量
は7.3mAH(放電電流1.5mA)でありサイクル
劣化もなく正常に動作した。次に、本多孔質フィルムを
熱風オーブン中で、190℃、5分間加熱した後、上記
と同じ方法で平板電池に本セパレーターを組み込み、電
池として充放電サイクルテストを行なった所、正常に作
動した。即ちシャットダウン機構が働かなかった。
(ケミパール、M−200)ドープを0.01mm、P
PTAドープを0.35mmの厚さに塗工し、実施例1
と同じ手順でフィルムを得た。
子顕微鏡でフィルムを観察したところ、片側は厚みが約
15μmで約0.1μm以下のフィブリル状、層状のP
PTA樹脂からなる、孔径0.01〜0.2μmの空隙
を有する多孔質層と、もう一方の片側は、厚みが約6μ
mの低密度ポリオレフィンの粒子がPPTAのフィブリ
ルで捕捉、固定された層の2層になっていた。本フィル
ムは、PPTA樹脂が約80重量%、低密度ポリオレフ
ィンが約20重量%からなっていた。得られたフィルム
の透気度は5.3cc/sec、内部抵抗は11Ωであ
った。次に得られたフィルムを、熱風オーブン中で15
0℃、5分間加熱した後の透気度は2cc/sec、内
部抵抗は15Ωであった。即ちシャットダウン機能が不
十分であった。
調製 平均粒径2.5μmの低分子量ポリオレフィン40wt
%の水性ディスパージョン(三井石油化学(株)製、ケ
ミパール、W−500)100mlを、ポリエチレン製
バットに入れ、50℃のオーブンで、4時間乾燥した
後、電動コーヒーミルで粉末にした。得られた低分子量
ポリオレフィンの粉末1gを撹拌翼、温度計、窒素流入
管および液体添加口を有する500mlのセパラブルフ
ラスコに秤取し、225mlのNMPを徐々に添加し、
さらに撹拌しながら実施例1の1.のPPTAドープ
を、75g添加し、熱可塑性ポリマ−粒子混合PPTA
ド−プを調製し、減圧下で脱泡して塗工用ド−プとし
た。本ドープのPPTA樹脂と低密度ポリオレフィンの
割合はPPTA樹脂が約80重量%、低密度ポリオレフ
ィンが約20重量%であった。
プを、テスター産業株式会社製バーコーターにより、塗
工速度0.2m/minで、厚み.1mmのPETフィ
ルム上に、膜厚0.30mmで塗工し膜状物を形成し
た。次いで40℃の加熱オーブンに約20分間保持し
た。この間に、PPTAが析出して膜状物は白化した。
この膜状物をイオン交換水に浸漬し、凝固させた後に、
イオン交換水を流しながら、4時間洗浄した。洗浄後の
湿潤した膜状物を、両面からメタ・アラミド製のフェル
トに挟んで、厚さ3mmのアルミ板の上に置き、真空バ
ッグに包んでその回りをシーリング剤でシールし、真空
に引きながら、50℃で7時間乾燥した。
子顕微鏡でフィルムを観察したところ、約0.1μm以
下のフィブリル状、層状のPPTA樹脂からなり、孔径
0.05〜0.2μmの空隙を有する多孔質層の中に、
低分子量ポリオレフィンの粒子(ケミパール、W−50
0)が分散していた。得られたフィルムの透気度は4.
7cc/sec、内部抵抗は10Ωであった。次に得ら
れたフィルムを、熱風オーブン中で150℃、5分間加
熱した後の透気度は2cc/sec、内部抵抗は20Ω
であった。即ちシャットダウン機能が不十分であった。
さらに電気絶縁性というパラアラミドの特長を生かし且
つ微細孔を有する多孔質のパラアラミドと、昇温時に加
熱溶融する熱可塑性ポリマーとの、少なくとも2つ以上
の材料からなるパラアラミド系多孔質フィルムが提供さ
れる。かかるパラアラミド系多孔質フィルムはシャット
ダウン機能を備えた、安全性、耐熱性と機械的特性に優
れた電池用セパレーター、特に二次電池用セパレーター
として好適に使用できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 パラ配向芳香族ポリアミドからなる空隙
を有する樹脂層と、熱可塑性ポリマーからなる空隙を構
成する樹脂との少なくとも2種以上の樹脂材料からなる
多孔質フィルムであって、温度上昇時に、該熱可塑性ポ
リマーからなる樹脂が溶融し、パラ配向芳香族ポリアミ
ドからなる樹脂層の空隙を閉塞し、しかもパラ配向芳香
族ポリアミドからなる樹脂層がフィルム形状を保つこと
を特徴とするパラアラミド系多孔質フィルム。 - 【請求項2】 パラ配向芳香族ポリアミドからなる空隙
を有する樹脂層と、熱可塑性ポリマーからなる空隙を有
する樹脂層との少なくとも2層以上からなる多孔質フィ
ルムであって、温度上昇時に、該熱可塑性ポリマーから
なる樹脂層の樹脂が溶融し、パラ配向芳香族ポリアミド
からなる樹脂層の空隙を閉塞し、しかもパラ配向芳香族
ポリアミドからなる樹脂層がフィルム形状を保つことを
特徴とするパラアラミド系多孔質フィルム。 - 【請求項3】 熱可塑性ポリマーからなる樹脂が、25
0℃以下で溶融するポリマーであることを特徴とする請
求項1または2記載のパラアラミド系多孔質フィルム。 - 【請求項4】 熱可塑性ポリマーを溶媒中に分散させた
熱可塑性ポリマー溶液からなる層と、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の塩化物を溶解した極性アミド系溶
媒または極性尿素系溶媒中で、パラ配向芳香族ジアミン
とパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを縮合重合して
製造されるパラ配向芳香族ポリアミド重合液のドープか
らなる層との、少なくとも2層を製膜し、ついで乾燥し
て得られることを特徴とする請求項1から3のいずれか
に記載のパラアラミド系多孔質フィルム。 - 【請求項5】 アルカリ金属またはアルカリ土類金属の
塩化物を溶解した極性アミド系溶媒または極性尿素系溶
媒中で、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカ
ルボン酸ハライドを縮合重合して製造されるパラ配向芳
香族ポリアミド重合液中に、熱可塑性ポリマー粒子を分
散させたド−プを製膜し、ついで乾燥して得られること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパラア
ラミド系多孔質フィルム。 - 【請求項6】 パラ配向芳香族ポリアミド重合液が、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を2〜10
重量%溶解した極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒
中で、パラ配向芳香族ジアミン1.00モルに対してパ
ラ配向芳香族ジカルボン酸ハライド0.94〜0.99
モルを添加して、温度−20℃〜50℃で縮合重合して
製造されるパラ配向芳香族ポリアミド濃度が1〜10%
であるパラ配向芳香族ポリアミド重合液であることを特
徴とする請求項4または5記載のパラアラミド系多孔質
フィルム。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の多孔質
フィルムを使用してなることを特徴とする電池用セパレ
ーター。
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