JPH1046112A - 粘着剤表面官能基修飾法 - Google Patents

粘着剤表面官能基修飾法

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JPH1046112A
JPH1046112A JP8289563A JP28956396A JPH1046112A JP H1046112 A JPH1046112 A JP H1046112A JP 8289563 A JP8289563 A JP 8289563A JP 28956396 A JP28956396 A JP 28956396A JP H1046112 A JPH1046112 A JP H1046112A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性の改良、調節に有効な官能基を粘着剤
表面に高密度に安定して導入できる粘着剤表面官能基修
飾法を提供する。 【解決手段】 粘着剤相と官能基含有化合物を含む相と
の界面接触反応で粘着剤表面への官能基の固定を行うよ
うにした粘着剤表面官能基修飾法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着性の改良、調
節に有効な官能基を粘着剤表面に高密度に安定して導入
できる粘着剤表面官能基修飾法に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤は、金属、ガラス、木材、紙、ダ
ンボ─ル、プラスチツク材料などの種々の被着体面への
接着に広く使用されている。粘着剤の代表例としては、
ブチルアクリレ―ト、2−エチルヘキシルアクリレ―ト
などのアクリル系モノマ―を主構成成分とするポリマ―
をベ─スポリマ―としたアクリル系粘着剤、天然ゴム、
スチレン−イソプレン−スチレンブロツクポリマ―など
のゴム系ポリマ―をベ─スポリマ―としたゴム系粘着剤
が挙げられる。
【0003】これらの粘着剤において、特定の被着体に
対する接着強度を高めるため、カルボキシル基やアミノ
基などの官能基を導入することが行われている。たとえ
ば、アクリル系粘着剤では、アクリル酸、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレ─トのような主モノマ―と共重合可
能な官能基含有モノマ―を共重合させたり、ゴム系粘着
剤では、官能基を含有する粘着付与樹脂のような添加剤
を用いたり、官能性モノマ―をゴム分子鎖にグラフトさ
せたりしている。
【0004】また、これとは逆に、被着体への接着強度
を弱め、再剥離性を付与するため、長鎖アルキル基のよ
うな非接着性の官能基を有するモノマ―を共重合させた
り、グラフトさせたり、あるいは非接着性の官能基を有
する添加剤を配合したりしている。さらにまた、このよ
うに被着体への接着強度を高めたり弱めたりするための
粘着剤表面の官能基修飾方法として、官能基含有化合物
の希薄溶液を粘着剤表面に塗布する方法なども知られて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
技術では、粘着剤表面の官能基修飾が十分に行われにく
いという欠点があつた。これは、粘着剤相中に官能基を
導入しても、粘着剤表面での官能基濃度が不十分なため
に十分な効果を発現できなかつたり、官能基を含有する
分子鎖セグメントが相分離してしまい表面に均一に存在
しなくなつたりすることが多いためである。また、とく
に、アミノ基、カルボキシル基のような極性官能基の場
合は粘着剤表面に存在しにくく、経時的に内部に拡散し
て行き、粘着剤表面の官能基濃度が低下してしまう傾向
がある。
【0006】このような欠点を克服し、粘着剤表面の官
能基濃度を高めるために、粘着剤中に官能基を導入しす
ぎると、粘着剤の流動特性や接着特性を阻害するおそれ
がある。また、粘着剤表面にブリ─ドアウトした官能基
含有添加剤により、粘着剤を貼り付けた被着体の表面を
汚染するなどの問題も起こりやすい。
【0007】また、官能基含有化合物の希薄溶液を粘着
剤表面に塗布する方法では、塗布後溶媒を蒸発させて粘
着剤表面に官能基含有化合物の薄層を形成するが、その
際、官能基含有化合物がはじいてムラ状に塗布された
り、官能基含有化合物を溶解している溶媒により粘着剤
表面が溶解または膨潤してしまい、官能基含有化合物の
薄層をうまく形成できなかつたりすることがある。
【0008】しかも、上記の希薄溶液の塗布法による
と、官能基含有化合物の固定強度が不十分となりがちで
あり、摩擦などにより官能基含有化合物の薄層がダメ─
ジを受けやすい。なお、粘着分野以外の一般の官能基修
飾法として、コロナ放電処理、プラズマ処理、放射線処
理、光グラフト重合などのプラスチツクフイルム表面に
用いられる表面官能基修飾法が知られているが、この種
の方法は粘着剤のような柔軟組成物に対してはあまり効
果がない。
【0009】本発明は、このような従来技術の問題点を
克服し、接着性の改良、調節に有効な官能基を粘着剤表
面に高密度に安定して導入できる粘着剤表面官能基修飾
法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対し、鋭意検討した結果、粘着剤相と官能基含有化
合物を含む相との間で界面接触反応を起こさせることに
より、粘着剤表面への官能基の固定を行うようにしたと
きには、従来技術にみられたような欠点が回避され、粘
着剤表面に所望の官能基を高密度に安定して導入できる
とともに、この導入に際して、粘着剤の流動特性や接着
特性を損なつたり、ブリ─ドアウトおよび転写による被
着体表面の汚染といつた問題を生じることがなく、また
粘着剤表面への官能基の固定強度が大きいため、上記官
能基が摩擦などで簡単に離脱するという問題も生じない
ことを知り、本発明を完成するに至つた。
【0011】すなわち、本発明は、粘着剤相と官能基含
有化合物を含む相との界面接触反応で粘着剤表面への官
能基の固定を行う粘着剤表面官能基修飾法(請求項1)
に係るものであり、上記の界面接触反応が粘着剤相に含
まれる反応性官能基を有する化合物とその反応性官能基
と反応する反応性官能基を有する官能基含有化合物との
間で起こり(請求項2)、また上記の官能基含有化合物
がポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニル
アミン、ポリアクリル酸のうちの少なくとも1種である
(請求項3)を、好ましい態様としている。さらに、本
発明は、このような界面接触反応により粘着剤表面に官
能基を固定したのち、この官能基にさらに別の官能基含
有化合物を界面接触反応させて、別の官能基を導入する
粘着剤表面官能基修飾法(請求項4)をも提供できるも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における粘着剤は、アクリ
ル系粘着剤、ゴム系粘着剤などの公知のいかなるもので
あつてもよい。これらの粘着剤には、ロジン系、テルペ
ン系、スチレン系、脂肪族石油系、芳香族石油系、キシ
レン系、フエノ―ル系、クマロインデン系、それらの水
素添加物などの粘着付与樹脂や、液状樹脂、液状ゴム、
ポリブテン、プロセスオイル、ジオクチルフタレ─トな
どの軟化剤、酸化防止剤、充填剤、顔料、架橋剤などの
添加剤を、適宜配合することができる。
【0013】アクリル系粘着剤は、ブチルアクリレ―
ト、2−エチルヘキシルアクリレ―ト、イソオクチルア
クリレ―ト、イソノニルアクリレ―ト、エチルアクリレ
―トなどを主モノマ―とし、これにアクリロニトリル、
酢酸ビニル、スチレン、メチルメタクリレ―ト、アクリ
ル酸、無水マレイン酸、ビニルピロリドン、グリシジル
メタクリレ―ト、ジメチルアミノエチルメタクリレ―
ト、ヒドロキシエチルアクリレ―ト、アクリルアミドな
どの改質用モノマ―を加えた単量体混合物の共重合体を
ベ─スポリマ―としたものである。
【0014】ゴム系粘着剤は、天然ゴム、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロツク共重合体、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロツク共重合体、スチレン−エチレ
ン・ブチレン−スチレンブロツク共重合体、スチレンブ
タジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ
イソブチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シリコ
―ンゴムなどのゴム系ポリマ―をベ─スポリマ―とした
ものである。
【0015】本発明においては、粘着テ―プ、粘着シ―
ト、粘着ラベルなどの形態とした粘着剤層を形成する。
たとえば、上記の粘着剤を溶液または水分散液としてプ
ラスチツクフイルム、紙、布、金属箔、セパレ―タなど
の基材上に塗工したのち、溶剤や水を乾燥除去するか、
ホツトメルト塗工やカレンダ─塗工のような手段を用い
て、粘着剤層を形成する。また、基材上に、モノマ―、
オリゴマ―を塗工後、紫外線を照射して光重合させるこ
とにより、粘着剤層を形成する。
【0016】本発明の粘着剤表面官能基修飾法は、通
常、このような粘着剤層に対して適用され、具体的な態
様としては、上記粘着剤層からなる固体相または液体相
と、官能基含有化合物を含む液体相または気体相との間
で、界面接触反応を行わせて、粘着剤表面への官能基の
固定を行うものである。ところで、粘着剤相に含まれる
反応性官能基を有する化合物は、たとえば、粘着テ―プ
の形態に粘着剤層を形成したのちに長期間放置すると、
上記の反応性官能基は空気中の水分や粘着剤層中の他の
成分と反応して、反応性官能基は消滅して反応活性を失
う(失活する)。この反応性官能基の失活に至る期間
は、官能基の種類により異なるが、通常1日〜3カ月程
度である。たとえば、官能基がイソシアネ―ト基やカル
ボニルクロライド基の場合は、比較的早期に失活し、2
〜20日程度である。したがつて、本発明における界面
接触反応とは、粘着剤相に含まれる反応性官能基がその
表面において反応活性を有している状態(すなわち、反
応性官能基が失活していない状態)で、他の反応性官能
基を有する官能基含有化合物と界面接触させて反応させ
ることを意味する。
【0017】ここで、官能基含有化合物を含む液体相を
界面接触反応させるときは、デイツピング、浸漬により
行うのが好ましいが、キスコ─タ、ロ─ルコ─タ、スク
イズコ─タ、スピンコ─タなどで塗工したのち、余分に
付着した塗布物を洗浄により除去するようにしてもよ
い。また、官能基含有化合物を含む気体相を界面接触反
応させるときは、官能基含有化合物を気体として存在さ
せたチヤンバ─内に粘着剤相(固体相または液体相)を
投入して行えばよい。
【0018】これらの方法により粘着剤表面に高密度に
官能基を導入するためには、上記の界面接触反応を行う
際に、粘着剤表面が溶解したり、また大きく膨潤したり
するのは好ましくない。このため、官能基含有化合物を
含む液体相では、適切な溶媒を選択するのが望ましく、
また官能基含有化合物を含む気体相では、気体(官能基
含有化合物)として適切なものを選択するのが望まし
い。
【0019】本発明において、上記の界面接触反応によ
り粘着剤表面に官能基含有化合物を固定するには、粘着
剤相に含まれる反応性官能基を有する化合物と、その反
応性官能基と反応する反応性官能基を有する官能基含有
化合物との間で、界面接触反応を起こさせるようにすれ
ばよい。これにより、粘着剤表面と官能基含有化合物と
が、共有結合、配位結合、水素結合、イオン結合または
金属結合などの化学結合によつて、強固に結合した状態
となる。
【0020】このような界面接触反応は、短時間で進行
するのが好ましい。この観点より、粘着剤相の反応性官
能基と官能基含有化合物を含む相の反応性官能基との組
み合わせは、たとえば、1級または2級のアミノ基とイ
ソシアネ―ト基、酸クロライド基、エポキシ基または無
水酸基との間の反応、カルボキシル基とアジリジン基と
の間の反応、ヒドロシリル基と水酸基またはビニル基と
の間の反応、エポキシ基と無水酸基との間の反応、酸ク
ロライド基と水酸基またはメルカプト基との間の反応な
どが、好ましい例として挙げられる。
【0021】このような界面接触反応を行うために、粘
着剤相中に反応性官能基を有する化合物を含ませるに
は、粘着剤のベ―スポリマ―に共重合、グラフト反応、
側鎖変性反応などにより1分子中に1個以上の反応性官
能基を結合させるか、粘着剤中に上記同様の反応性官能
基を有する化合物を添加すればよい。また、希釈溶液の
塗工法、スクイズコ─タ、スピンコ─タなどの塗工法に
より粘着剤表面に上記同様の反応性官能基を有する化合
物の薄層を形成してもよい。
【0022】一方、これと反応させる官能基含有化合物
は、粘着剤相に含まれる反応性官能基と反応する反応性
官能基を1分子中に1個以上有するものであればよく、
粘着剤表面と結合を形成するための反応性官能基と、粘
着剤表面に最終的に導入したい官能基とが、同一であつ
ても異なる基であつてもよい。なお、官能基含有化合物
のとくに好ましい例としては、ポリエチレンイミン、ポ
リアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリアクリル酸な
どが挙げられる。
【0023】本発明において、このようにして粘着剤表
面に形成される官能基修飾相の厚さとしては、通常、
1,000nm以下、好ましくは100nm以下である
のがよい。この官能基修飾相が厚くなりすぎると、粘着
剤相の流動性や接着特性などを阻害するようになるた
め、好ましくない。
【0024】また、本発明においては、上記のようにし
て粘着剤表面に固定した官能基の反応性を利用して、こ
れにさらに別の官能基含有化合物を界面接触反応させ
て、別の官能基を導入することもできる。たとえば、粘
着剤表面に固定した官能基が反応性の高い1級または2
級のアミノ基である場合(つまり、官能基含有化合物と
して前記したポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、
ポリビニルアミンなどを用いた場合)に、このアミノ基
と反応するエポキシ基、酸クロライド基、イソシアネ―
ト基などの官能基とともに、別の官能基としてアルコキ
シシリル基、ビニル基、ポリジメチルシロキサン基、長
鎖アルキル基などを有する官能基含有化合物を界面接触
反応させて、粘着剤表面に上記別の官能基を導入するこ
とにより、被着体の種類に応じて接着強度を高めたり、
再剥離性(軽剥離性)を付与したりすることが可能であ
る。
【0025】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。以下、部とあるのは重量部を意味す
る。また、以下の各例で用いたアクリル系粘着剤溶液
と、SIS系粘着剤溶液(スチレン−イソプレン−スチ
レンブロツク共重合体を用いた粘着剤溶液)は、つぎの
方法で調製したものである。
【0026】<アクリル系粘着剤溶液>攪拌羽根、温度
計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロ─トを備えた1,
000mlの四つ口フラスコに、ブチルアクリレ―ト19
0g、アクリル酸10g、重合開始剤としてアゾビスイ
ソブチロニトリル0.4g、溶剤として酢酸エチル30
0.6gを仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導
入し、フラスコ内の液温を60℃に上げた。数分後、発
熱が始まり、フラスコの外浴温度をコントロ―ルして、
フラスコ内の液温を60℃付近に保つた。
【0027】重合開始約3時間後に、液の粘度が上昇し
てきたので、83.5gの酢酸エチルをフラスコ内に滴
下して、約3時間重合を続けた。その後、さらに83.
5gの酢酸エチルをフラスコ内に滴下してから、フラス
コ内の液温を80℃まで上げ、2時間重合を続けて、固
形分30重量%のアクリル系粘着剤溶液を調製した。G
PC(ゲルパ─ミエ─シヨンクロマトグラフイ)による
測定で、生成ポリマ―のポリスチレン換算による重量平
均分子量は130万であつた。
【0028】<SIS系粘着剤溶液>500mlのビ─カ
―に、SISブロツク共重合体〔日本ゼオン(株)製の
「SISクインタツク3421」〕100g、テルペン
系粘着付与樹脂〔安原油脂工業(株)製の「YSレジン
Px1150」〕50gを仕込み、トルエン150gを
加えて溶解し、固形分50重量%のSIS系粘着剤溶液
を調製した。
【0029】参考例1 アクリル系粘着剤溶液に対し、その固形分100部あた
り、3官能性イソシアネ―ト化合物〔日本ポリウレタン
工業(株)製の「コロネ─トL」(トリメチロ─ルプロ
パン1モルと2,4−トリレンジイソシアネ―ト3モル
との付加反応物の固形分75重量%の酢酸エチル溶
液)〕を、その固形分が3部となるように、配合した。
これを厚さが25μmのポリエステルフイルムに乾燥後
の厚さが40μmとなるようにアプリケ─タで塗布し、
乾燥器中70℃の熱風で5分間乾燥し、溶剤を揮散して
粘着テ―プを作製した。この粘着テ―プを、粘着剤面が
他の物体に触れないようにして、室温で放置した。
【0030】このように作製した粘着テ―プは、これを
室温で4日間放置すると、粘着剤中のイソシアネ―ト基
が粘着剤中に含まれているカルボキシル基や水分と反応
し、またイソシアネ―ト基自体の環化反応(多量体化反
応)も起こり、イソシアネ―ト基が自然に消滅して失活
することが、赤外吸収の経時的測定で確認された。
【0031】実施例1 参考例1で得た粘着テ―プを、粘着剤中のイソシアネ―
ト基が失活しないうちに(6時間以内に)、ポリエチレ
ンイミン〔(株)日本触媒製の「エポミンP−100
0」(分子量:7万)〕を1,000ml中に0.2g含
む水溶液に、浸漬したのち、4cm/分の速度で垂直方向
に引き上げた。粘着テ―プに付着した水分を乾燥したの
ち、粘着剤面が他の物体に触れないように室温で放置し
た。このようにして、粘着剤表面の官能基修飾を行つ
た。
【0032】実施例2 ポリエチレンイミン水溶液に代えて、ポリアリルアミン
〔日東紡績(株)製の「PAA−10L−10C」(分
子量:10万)〕水溶液を用いた以外は、実施例1と同
様に粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0033】実施例3 ポリエチレンイミン水溶液に代えて、ポリビニルアミン
〔三菱化学(株)製の「PVAM0595B」(分子
量:6万)」〕水溶液を用いた以外は、実施例1と同様
に粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0034】比較例1 参考例1で得た粘着テ―プを、室温で4日間以上放置
し、粘着剤中のイソシアネ―ト基の失活を確認したの
ち、実施例1と同様にポリエチレンイミン水溶液に浸漬
し、引き上げた。実施例1と同様に水分を乾燥したの
ち、粘着剤面が他の物体に触れないように室温で放置し
て、粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0035】比較例2 ポリエチレンイミン水溶液に代えて、実施例2と同様の
ポリアリルアミン水溶液を用いた以外は、比較例1と同
様に粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0036】比較例3 ポリエチレンイミン水溶液に代えて、実施例3と同様の
ポリビニルアミン水溶液を用いた以外は、比較例1と同
様に粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0037】実施例4 アクリル系粘着剤溶液に対し、その固形分100部あた
り、3官能性酸クロライド化合物〔アルドリツチ社製の
「トリメソイルクロライド」〕を、その固形分が1.2
8部となるように、配合した。これを参考例1と同様に
ポリエステルフイルム上に塗布、乾燥して、粘着テ―プ
を作製した。この粘着テ―プを、カルボニルクロライド
基が失活しないうちに、実施例2と同様のポリアリルア
ミン水溶液中に浸漬し、4cm/分の速度で垂直方向に引
き上げた。粘着テ―プに付着した水分を乾燥したのち、
粘着剤面が他の物体に触れないように室温で放置して、
粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0038】実施例5 ポリアリルアミン水溶液に代えて、実施例3と同様のポ
リビニルアミン水溶液を用いた以外は、実施例4と同様
に粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0039】上記の参考例1、実施例1〜5および比較
例1〜3の各粘着テ―プを試料とし、下記の条件で、X
PS(X−ray Photoelectron Sp
ectroscopy)により、粘着剤表面の構成元素
比率を分析した。結果は、下記の表1に示されるとおり
であつた。
【0040】 <XPS分析条件> 装 置 :Simadzu/Kratos AXIS−HSi X線源 :Al−Kα線(モノクロメ─タ使用) 出力150W(加速電圧15KV) 光電子取り出し角:試料面に対し90度 分析面積:300μm×700μm
【0041】
【0042】また、上記の実施例1〜5および比較例1
の粘着テ―プを試料とし、下記の方法にしたがつて、T
EM(Transmission Electron
Microscopy)により、粘着剤層の表面に近い
部分の断面観察を行つた。結果は、図1〜6に示される
とおりであつた。
【0043】<TEMによる粘着剤層の表面に近い部分
の断面観察>電子線照射による試料損傷の軽減と相構造
の存在を明瞭にする目的で、ルテニウム酸による染色処
理を施した(2重量%のルテニウム酸水溶液上に粘着テ
―プ試料を1〜1.5時間さらした)のち、エポキシ樹
脂中に包埋し、超薄切片法にて断面TEM観察(装置:
Hitach,H−800、加速電圧:100KV)を
行つた。この観察では、アミノ基のような極性官能基の
濃度の高い部分は強く染色されるため、上記官能基の存
在を確認することができる。
【0044】つぎに、上記の実施例1〜3および参考例
1の粘着テ―プを試料とし、下記の方法により、不飽和
ポリエステルワニス塗装板表面に対する180度剥離強
度を測定した。結果は、表2に示されるとおりであつ
た。なお、この試験では、粘着剤中に配合したイソシア
ネ―ト化合物の影響を避けるために、粘着テ―プ試料は
作製後4日以上室温に放置し、イソシアネ―ト基が消滅
し失活したのを赤外吸収で確認したのち、塗装板表面に
貼り付けるようにした。
【0045】<塗装板表面に対する180度剥離強度の
測定方法>スズメツキ鉄板表面に、日東電工(株)製の
「ポリエステルワニスNV−543液」を塗装し、12
0℃のオ─ブン中で1.5時間加熱し、硬化させた。こ
の塗装板表面に、幅20mmに切り出した粘着テ―プ試料
を貼り付け、2Kg重のゴムロ─ラを用いて1往復圧着し
た。50℃の恒温器に5日間投入後、取り出し、23℃
の恒温室に30分間以上放置したのち、シヨツパで30
0mm/分の引き剥がし速度で180度剥離強度を測定し
た。なお、表2中、※は、塗装板表面に対する接着力が
強すぎて、2,000g/20mm幅の値を示した時点で
粘着テ―プ基材であるポリエステルフイルムと粘着剤層
との界面で投錨破壊が生じたことを示している。
【0046】
【0047】以上の表1および図1〜6の結果から明ら
かなように、本発明の方法により粘着剤表面の官能基修
飾を行つた実施例1〜5の各粘着テ―プは、構成元素の
N原子の比率が非常に高くなつており(表1)、またT
EMによる断面観察でアミノ基の存在に基づく染色層を
明瞭に確認することができ(図1〜5)、これらの結果
から、上記実施例1〜5の各粘着テ―プは、粘着剤表面
にアミノ基が高密度に固定されているものであることが
わかる。また、このように粘着剤表面にアミノ基が高密
度に固定されている結果、表2の剥離強度試験から明ら
かなように、実施例1〜3の本発明の粘着テ―プは、不
飽和ポリエステルワニス塗装板表面に対する接着強度が
大きく改良されていることがわかる。
【0048】参考例2 SIS系粘着剤溶液に、その固形分100部に対し、3
官能性アジリジン化合物〔2,2−ビスヒドロキシメチ
ルブタノ―ル−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロ
ピオネ―ト〕〔(株)日本触媒製の「ケミタイトPZ−
33」〕を、その固形分が2部となるように、配合し、
これを参考例1と同様にポリエステルフイルム上に塗
布、乾燥して、粘着テ―プを作製した。この粘着テ―プ
を、粘着剤面が他の物体に触れないようにして、室温で
放置した。
【0049】実施例6 参考例2で得た粘着テ―プを、粘着剤に含まれるアジリ
ジニル基が失活しないうちに、ポリアクリル酸〔和光純
薬(株)製〕を1,000ml中に1g含む水溶液に浸漬
し、10分間放置後、引き上げた。粘着テ―プに付着し
た水分を乾燥したのち、粘着剤面が他の物体に触れない
ように室温で放置して、粘着剤表面の官能基修飾を行つ
た。
【0050】上記の参考例2および実施例6の両粘着テ
―プを試料とし、C1sスペクトルの波形解析〔G.B
eamson and D.Briggs,“High
Resolution XPS of Organi
c Polymers”,John Wiley &
Sons,New York(1992)〕により、 この結果は、下記の表3に示されるとおりであつた。な
お、表中、〔 〕内の数値は各ピ―クの結合エネルギ―
値(eV)を示したものである。
【0051】
【0052】上記の表3の結果から明らかなように、本
発明の方法により粘着剤表面の官能基修飾を行つた実施
例6の粘着テ―プは、粘着剤表面でのカルボキシル基の
分子構造に帰属するピ―クの構成比が高い値となつてお
り、これより、粘着剤表面にカルボキシル基が高密度に
固定されていることがわかる。
【0053】実施例7 参考例1で得た粘着テ―プを、粘着剤中のイソシアネ―
ト基が失活しないうちに(6時間以内に)、ポリアリル
アミン〔日東紡績(株)製の「PAA−10C」(分子
量:1万)〕を1,000ml中に0.2g含む水溶液
に、浸漬したのち、4cm/分の速度で垂直方向に引き上
げた。粘着テ―プに付着した水分を乾燥したのち、粘着
剤面が他の物体に触れないように室温で放置した。
【0054】このようにして、粘着剤表面に官能基とし
てアミノ基を固定した粘着テ―プについて、XPSによ
り、実施例1〜5と同様の方法および条件で、粘着剤表
面の構成元素比率を分析したところ、Cは71.5原子
%、Oは17.1%、Nは10.6%であり、構成元素
のN原子の比率が非常に高くなつていた。また、TEM
により、実施例1〜5と同様の方法および条件で、粘着
剤層の表面に近い部分の断面観察を行つたところ、図2
(実施例2)にほぼ近い結果で、アミノ基の存在に基づ
く染色層を確認できた。これらの結果から、上記の粘着
テ―プは、粘着剤表面にアミノ基が高密度に固定されて
いることがわかつた。
【0055】つぎに、上記の粘着剤表面に官能基として
アミノ基を固定した粘着テ―プを、室温で4日間放置
(アミノ基は活性維持)したのち、つぎの化学式; で表されるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン〔信越化学工業(株)製のシランカツプリング剤「K
BM−403」〕を1,000ml中に2g含む水溶液
に、30分間浸漬したのち、引き上げ、水で洗浄した。
粘着テ―プに付着した水分を乾燥したのち、粘着剤面が
他の物体に触れないように室温で放置した。このように
して、粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0056】比較例4 参考例1で得た粘着テ―プを、室温で4日間以上放置
し、粘着剤中のイソシアネ―ト基の失活を確認したの
ち、実施例7と同様にγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランを含む水溶液に浸漬し、引き上げて、水で
洗浄した。実施例7と同様に水分を乾燥したのち、粘着
剤面が他の物体に触れないように室温で放置して、粘着
剤表面の官能基修飾を行つた。
【0057】比較例5 参考例1で得た粘着テ―プを、室温で4日間以上放置
し、粘着剤中のイソシアネ―ト基の失活を確認したの
ち、つぎの化学式; (CH3O)3SiC36NHC24NH2 で表されるN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン〔信越化学工業(株)製のシランカ
ツプリング剤「KBM−603」〕を1,000ml中に
2g含む水溶液に、30分間浸漬した。その後、引き上
げて、水で洗浄した。粘着テ―プに付着した水分を乾燥
したのち、粘着剤面が他の物体に触れないように室温で
放置して、粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0058】上記の実施例7および比較例4,5の粘着
テ―プと、さらに前記の参考例1の粘着テ―プを試料と
し、下記の方法により、ガラス板表面に対する180度
剥離強度を測定した。結果は、表4に示されるとおりで
あつた。なお、この試験では、粘着剤中に配合したイソ
シアネ―ト化合物の影響を避けるために、参考例1の粘
着テ―プ試料は作製後4日以上室温に放置し、イソシア
ネ―ト基が消滅し失活したのを赤外吸収で確認したの
ち、ガラス板表面に貼り付けるようにした。
【0059】<ガラス板表面に対する180度剥離強度
の測定方法>ガラス板表面に、幅20mmに切り出した粘
着テ―プ試料を室温で貼り付け、2Kg重のゴムロ─ラを
用いて1往復圧着した。50℃の恒温器に5日間投入
後、取り出し、23℃の恒温室に30分間以上放置した
のち、シヨツパで300mm/分の引き剥がし速度で18
0度剥離強度を測定した。なお、表4中、※は、ガラス
板表面に対する接着力が強すぎて、2,500g/20
mm幅の値を示した時点で粘着テ―プ基材であるポリエス
テルフイルムと粘着剤層との界面で投錨破壊が生じてし
まつたことを示している。
【0060】
【0061】上記の表4の結果から明らかなように、粘
着剤表面にあらかじめ官能基としてアミノ基を固定し、
このアミノ基との反応により粘着剤表面にアルコキシシ
リル基を導入,固定するようにした実施例7の粘着テ―
プは、前記の参考例1の粘着テ―プならびに上記実施例
7とは異なる方法でアルコキシシリル基を導入,固定す
るように試みた比較例4,5の粘着テ―プに比べて、粘
着剤表面がアルコキシシリル基により有効に改質されて
いることにより、ガラス板表面に対する接着強度が大き
く改善されているものであることがわかる。
【0062】実施例8 実施例7の方法に準じて粘着剤表面に官能基としてアミ
ノ基を固定した粘着テ―プを、室温で4日間放置(アミ
ノ基は活性維持)したのち、化学式;H2C=C(C
3)COClで表されるメタクリロイルクロライド
(AldrichChemical社製)を1,000
ml中に2g含むn−ヘキサン溶液に、20分間浸漬し
た。その後、引き上げて、n−ヘキサンで洗浄した。粘
着テ―プに付着したn−ヘキサンを乾燥したのち、粘着
剤面が他の物体に触れないように室温で放置した。この
ようにして、粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0063】比較例6 参考例1で得た粘着テ―プを、室温で4日間以上放置
し、粘着剤中のイソシアネ―ト基の失活を確認したの
ち、実施例8と同様にメタクリロイルクロライドを含む
n−ヘキサン溶液に浸漬し、引き上げて、n−ヘキサン
で洗浄した。実施例8と同様にn−ヘキサンを乾燥した
のち、粘着剤面が他の物体に触れないように室温で放置
して、粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0064】上記の実施例8および比較例6の粘着テ―
プと、前記の参考例1の粘着テ―プを試料とし、下記の
方法により、不飽和ポリエステルワニス塗装板表面に対
する180度剥離強度を測定した。結果は、表5に示さ
れるとおりであつた。なお、この試験では、粘着剤中に
配合したイソシアネ―ト化合物の影響を避けるために、
参考例1の粘着テ―プ試料は作製後4日以上室温に放置
し、イソシアネ―ト基が消滅し失活したのを赤外吸収で
確認したのち、塗装板表面に貼り付けた。
【0065】<塗装板表面に対する180度剥離強度の
測定方法>スズメツキ鉄板表面に、日東電工(株)製の
「ポリエステルワニスNV−543液」を塗装し、11
0℃のオ─ブン中で1時間加熱し、硬化させた。この塗
装板表面に、幅20mmに切り出した粘着テ―プ試料を貼
り付け、2Kg重のゴムロ─ラを用いて1往復圧着した。
110℃の恒温器に1時間投入後、取り出し、23℃の
恒温室に30分間以上放置したのち、シヨツパで300
mm/分の引き剥がし速度で180度剥離強度を測定し
た。なお、表5中、※は、塗装板表面に対する接着力が
強すぎて、2,500g/20mm幅の値を示した時点で
粘着テ―プ基材であるポリエステルフイルムと粘着剤層
との界面で投錨破壊が生じたことを示している。
【0066】
【0067】上記の表5の結果から明らかなように、粘
着剤表面にあらかじめ官能基としてアミノ基を固定し、
このアミノ基との反応により粘着剤表面にビニル基を導
入,固定するようにした実施例7の粘着テ―プは、前記
の参考例1の粘着テ―プならびに上記実施例8とは異な
る方法でビニル基を導入,固定するように試みた比較例
6の粘着テ―プに比べて、粘着剤表面がビニル基により
有効に改質されていることにより、不飽和ポリエステル
ワニス塗装板表面に対する接着強度が大きく改善されて
いるものであることがわかる。
【0068】実施例9 実施例7の方法に準じて粘着剤表面に官能基としてアミ
ノ基を固定した粘着テ―プを、室温で4日間放置したの
ち、つぎの化学式; で表される片末端にエポキシ基を含有するポリジメチル
シロキサン[信越化学工業(株)製の「X−22−17
3DX」、分子量:4,500]を1,000ml中に2
g含むn−ヘキサン溶液に、30分間浸漬した。その
後、引き上げて、n−ヘキサンで洗浄した。粘着テ―プ
に付着したn−ヘキサンを乾燥したのち、粘着剤面が他
の物体に触れないように室温で放置した。このようにし
て、粘着剤表面の官能基修飾を行つた。
【0069】比較例7 参考例1で得た粘着テ―プを、室温で4日間以上放置
し、粘着剤中のイソシアネ―ト基の失活を確認したの
ち、実施例9と同様にして片末端にエポキシ基を含有す
るポリジメチルシロキサンを含むn−ヘキサン溶液に浸
漬し、引き上げて、n−ヘキサンで洗浄した。実施例9
と同様にしてn−ヘキサンを乾燥したのち、粘着剤面が
他の物体に触れないように室温で放置して、粘着剤表面
の官能基修飾を行つた。
【0070】実施例10 実施例7の方法に準じて粘着剤表面に官能基としてアミ
ノ基を固定した粘着テ―プを、室温で4日間放置したの
ち、つぎの化学式; H3C(CH217−N=C=O で表されるオクタデシルイソシアネ―ト(Aldric
h Chemical社製)を1,000ml中に1g含
むn−ヘキサン溶液に、5分間浸漬した。その後、引き
上げて、n−ヘキサンで洗浄した。粘着テ―プに付着し
たn−ヘキサンを乾燥したのち、粘着剤面が他の物体に
触れないように室温で放置した。このようにして、粘着
剤表面の官能基修飾を行つた。
【0071】上記の実施例9,10および比較例7の粘
着テ―プと、さらに前記の参考例1の粘着テ―プを試料
とし、下記の方法により、ステンレス板表面に対する1
80度剥離強度を測定した。結果は、表6に示されると
おりであつた。なお、この試験では、粘着剤中に配合し
たイソシアネ―ト化合物の影響を避けるために、参考例
1の粘着テ―プ試料は作製後4日以上室温に放置し、イ
ソシアネ―ト基が消滅し失活したのを赤外吸収で確認し
たのち、ステンレス板表面に貼り付けた。
【0072】<ステンレス板表面に対する180度剥離
強度の測定方法>ステンレス板(SUS304BA板)
表面に、幅20mmに切り出した粘着テ―プ試料を23℃
の恒温室内で貼り付け、2Kg重のゴムロ─ラを用いて1
往復圧着した。30分間以上放置したのち、シヨツパで
300mm/分の引き剥がし速度で180度剥離強度を測
定した。
【0073】
【0074】上記の表6の結果から明らかなように、粘
着剤表面にあらかじめ官能基としてアミノ基を固定し、
このアミノ基との反応により粘着剤表面にポリジメチル
シロキサン基または長鎖アルキル基を導入,固定するよ
うにした実施例9,10の粘着テ―プは、前記の参考例
1の粘着テ―プならびに上記実施例9,10とは異なる
方法でポリジメチルシロキサン基を導入,固定するよう
に試みた比較例7の粘着テ―プに比べて、粘着剤表面が
ポリジメチルシロキサン基または長鎖アルキル基により
有効に改質されていることにより、ステンレス板表面に
対する再剥離性(軽剥離性)が大きく改善されているこ
とがわかる。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明は、粘着剤相と官
能基含有化合物を含む相との間の界面接触反応で粘着剤
表面への官能基の固定を行うようにしたことにより、粘
着剤表面に所望の官能基を高密度に安定して導入でき、
この方法によれば、従来のように粘着剤の流動特性や接
着特性を損なつたり、ブリ─ドアウトによる被着体表面
の汚染といつた問題を生じず、また粘着剤表面への官能
基の固定強度が大きく、上記官能基が摩擦などで簡単に
離脱する心配もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の粘着テ―プについて、粘着剤層の表
面に近い部分のTEMによる断面構造を示す写真(倍率
250,000倍)である。
【図2】実施例2の粘着テ―プについて、粘着剤層の表
面に近い部分のTEMによる断面構造を示す写真(倍率
250,000倍)である。
【図3】実施例3の粘着テ―プについて、粘着剤層の表
面に近い部分のTEMによる断面構造を示す写真(倍率
250,000倍)である。
【図4】実施例4の粘着テ―プについて、粘着剤層の表
面に近い部分のTEMによる断面構造を示す写真(倍率
250,000倍)である。
【図5】実施例5の粘着テ―プについて、粘着剤層の表
面に近い部分のTEMによる断面構造を示す写真(倍率
250,000倍)である。
【図6】比較例1の粘着テ―プについて、粘着剤層の表
面に近い部分のTEMによる断面構造を示す写真(倍率
250,000倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥井 利泰 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 株式 会社日東技術情報センタ―内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着剤相と官能基含有化合物を含む相と
    の界面接触反応で粘着剤表面への官能基の固定を行う粘
    着剤表面官能基修飾法。
  2. 【請求項2】 界面接触反応が粘着剤相に含まれる反応
    性官能基を有する化合物とその反応性官能基と反応する
    反応性官能基を有する官能基含有化合物との間で起こる
    請求項1に記載の粘着剤表面官能基修飾法。
  3. 【請求項3】 官能基含有化合物がポリエチレンイミ
    ン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリアクリ
    ル酸のうちの少なくとも1種である請求項1または2に
    記載の粘着剤表面官能基修飾法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの方法で粘着剤
    表面に官能基を固定したのち、この官能基にさらに別の
    官能基含有化合物を界面接触反応させて、別の官能基を
    導入する粘着剤表面官能基修飾法。
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