JP2005194482A - 剥離剤組成物、剥離シートおよび粘着体 - Google Patents

剥離剤組成物、剥離シートおよび粘着体 Download PDF

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Abstract

【課題】 放射線を照射しても重剥離化が起こりにくい剥離シートおよび該剥離シートを用いた粘着体を提供すること。
【解決手段】 本発明の剥離剤組成物は、放射線滅菌に供される剥離シートの製造に用いられ、主としてシリコーン樹脂で構成され、シリコーン樹脂は、下記式(I)
【化1】
Figure 2005194482

で表される部分構造と下記式(II)
【化2】
Figure 2005194482

で表される部分構造とを有し、シリコーン樹脂中における式(I)で表される部分構造の占める割合をa[mol%]、式(II)で表される部分構造の占める割合をb[mol%]としたとき、10≦a/b≦40の関係を満足することを特徴とする。シリコーン樹脂は、下記式(III)
【化3】
Figure 2005194482

で表される部分構造を有し、シリコーン樹脂中における式(II)の占める割合をb[mol%]、前記式(III)の占める割合をc[mol%]としたとき、c/b>1の関係を満足する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、剥離剤組成物、剥離シートおよび粘着体に関するものである。
従来より、剥離シートと粘着シートとを有する粘着体は、様々な用途に用いられている。中でも、医療用途に用いられる場合、通常、滅菌処理を施されるのが一般的である。このような滅菌処理としては、オートクレーブを用いた滅菌処理、エチレンオキサイドガスによる滅菌処理(EOG滅菌)、電子線やγ線等の放射線滅菌処理等が行われている。
しかし、オートクレーブで滅菌する場合、高温高圧の蒸気を用いるため、その過酷な条件に耐え得る材料に限定されるという問題があり、EOG滅菌の場合、発癌性や遺伝的障害といった残存ガスの影響の問題があった。
このようなことから、近年、放射線滅菌が盛んに行われるようになってきている。
ところで、一般に、剥離シートを構成する材料として、シリコーン樹脂を用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような剥離シートは、滅菌のために放射線を照射すると、粘着シートから剥離しにくくなり、いわゆる重剥離化が発生するという問題があった。
特開平6−336574号公報(特許請求の範囲)
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討を行った結果、放射線、特に電子線を照射しても重剥離化が起こりにくい剥離シートを使用すれば、これを使用した粘着体においても、剥離シートの剥離力の上昇(重剥離化)を効果的に抑制することができることを知見した。
本発明の目的は、放射線を照射しても重剥離化が起こりにくい剥離剤組成物、剥離シートおよび該剥離シートを使用した粘着体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) 放射線滅菌に供される剥離シートの製造に用いられ、主としてシリコーン樹脂で構成される剥離剤組成物であって、
前記シリコーン樹脂は、下記式(I)で表される部分構造と下記式(II)で表される部分構造とを有し、
前記シリコーン樹脂中における前記式(I)で表される部分構造の占める割合をa[mol%]、前記式(II)で表される部分構造の占める割合をb[mol%]としたとき、10≦a/b≦40の関係を満足することを特徴とする剥離剤組成物。
Figure 2005194482
Figure 2005194482
(2) 前記シリコーン樹脂は、下記式(III)で表される部分構造を有し、前記シリコーン樹脂中における前記式(II)の占める割合をb[mol%]、前記式(III)の占める割合をc[mol%]としたとき、c/b>1の関係を満足する上記(1)に記載の剥離剤組成物。
Figure 2005194482
(3) 前記シリコーン樹脂の重量平均分子量が、5.0×10〜1.5×10である上記(1)または(2)に記載の剥離剤組成物。
(4) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の剥離剤組成物を用いて形成された剥離剤層を有することを特徴とする剥離シート。
(5) 基材上に、前記剥離剤組成物を付与した後、加熱による硬化処理を施すことにより得られる上記(4)に記載の剥離シート。
(6) 前記剥離剤層の貯蔵弾性率が、2.0×10〜1.0×10Paである上記(4)または(5)に記載の剥離シート。
(7) 前記剥離剤層の厚みは、0.01〜3.0μmである上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の剥離シート。
(8) 上記(4)ないし(7)のいずれかに記載の剥離シートと、粘着剤層を有する粘着シートとを有することを特徴とする粘着体。
本発明によれば、放射線を照射しても重剥離化が起こりにくい剥離剤組成物、剥離シートおよび粘着体を得ることができる。
よって、本発明によれば、放射線滅菌を施した後に置いても、粘着シートから剥離シートを簡便、確実に剥離することができる。
本発明の剥離剤組成物、剥離シートおよび粘着体の好適な実施形態について、以下詳細に説明する。
本発明の粘着体は、剥離剤層と基材(剥離シート基材)とで構成された剥離シートに、粘着剤層と粘着シート基材とで構成された粘着シートが、貼着された構成となっており、かかる粘着体では、剥離剤層に粘着剤層が接している。
粘着体では、粘着シートが剥離シートから剥離可能であり、剥離後、粘着シートは、被着体に貼着される。
本発明の剥離剤層は、主として、後に詳述する剥離剤組成物を用いて形成されたものである。
以下、本発明の剥離剤組成物について説明する。
<剥離剤組成物>
剥離剤組成物は、剥離シートの剥離剤層を形成するものとして用いられ、主として、シリコーン樹脂で構成されるものである。
ところで、従来でも、剥離シートの剥離剤層を形成する剥離剤組成物として、シリコーン樹脂が広く用いられてきた。このようなシリコーン樹脂は、優れた剥離性を有している。
剥離シート(または、該剥離シートに粘着された粘着シート)が、例えば、医療用に用いられるもののように滅菌が必要となる場合には、当該剥離シートに放射線を照射することがあった。このような滅菌に用いる放射線としては、例えば、電子線、γ線、紫外線等が挙げられる。
しかしながら、従来の剥離剤組成物(シリコーン樹脂)を用いた場合、放射線の照射により、重剥離化を起こすということがあった。特に、上述した放射線の中でも、電子線を用いた場合において、重剥離化が顕著であった。この重剥離化は、剥離シートの剥離剤層を構成する剥離剤組成物が、空気その他剥離剤層の表面に存在する物質と反応が起こるためであると考えられる。そこで本発明者らは、このような重剥離化を防止するということについて、詳細に検討したところ、剥離剤組成物を構成するシリコーン樹脂の構成モノマーの種類およびこれらの比率を規定することにより、上述したような問題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明では、剥離剤組成物を構成するシリコーン樹脂が、下記式(I)で表される部分構造と、下記式(II)で表される部分構造とを有し、
Figure 2005194482
Figure 2005194482
シリコーン樹脂中における式(I)で表される部分構造の占める割合をa[mol%]、式(II)で表される部分構造の占める割合をb[mol%]としたとき、10≦a/b≦40の関係を満足することを特徴とする。このような関係を満足することにより、このような剥離剤組成物を用いて形成される剥離剤層は、十分に緻密な架橋構造を有するものとすることができ、その結果、前述のような放射線の照射に伴ってラジカルが発生した場合においても、例えば、立体障害等により、前述のようなラジカルによる反応を抑制することができる。また、照射前の剥離力に対する照射後での剥離力の上昇率を抑制することができ、結果として、重剥離化を効果的に防止することができる。また、これにより、放射線滅菌した後であっても、十分な剥離性を確保することができる。さらに、たとえ放射線を比較的多量に照射しても、剥離剤としての特性が変化しにくいものとなる。これに対して、a/bが前記下限値未満であると、後述するような硬化処理を施した場合であっても、硬化処理後に、式(II)で示される部分構造中の不飽和結合が比較的多く残存し、放射線照射した時に、前述のようなラジカルによる反応が起こりやすくなり、重剥離化を十分に防止することができない。一方、a/bが前記上限値を超えると、十分緻密な架橋構造を形成するのが困難となり、前述のようなラジカルによる反応が起こりやすくなる。
このように本発明では、剥離剤組成物を構成するシリコーン樹脂中における式(I)で表される部分構造の占める割合aと、式(II)で表される部分構造の占める割合bとが、前述のような関係を満足するものであるが、15≦a/b≦35の関係を満足するのが好ましい。これにより、前述の効果がより顕著なものとなる。
また、剥離剤組成物を構成するシリコーン樹脂は、下記式(III)で表される部分構造を有し、かつ、シリコーン樹脂中における前述した式(II)で表される部分構造の占める割合をb[mol%]、式(III)で表される部分構造の占める割合をc[mol%]としたとき、c/b>1の関係を満足するのが好ましく、1<c/b≦4の関係を満足するのがより好ましく、1.5≦c/b≦3の関係を満足するのがさらに好ましい。
Figure 2005194482
これにより、本発明の効果がより顕著なものとなる。これに対し、c/bが前記下限値未満であると、形成される剥離剤層を、十分に緻密な架橋構造を有するものとすることができない。また、不飽和結合が比較的多く残ってしまうため、放射線の照射による重剥離化を十分に防止することができない。
なお、シリコーン樹脂は、前述したような式(I)〜(III)で表される部分構造以外の部分構造を有しているものを含んでいてもよい。
前述したような剥離剤組成物を構成するシリコーン樹脂としては、特に限定されず、例えば、分子末端、または側鎖にアクリロイル基、メタクリロイル基、アルケニル基、ビニルアミド基、ヒドロシリル基、シラノール基、ジアゾ基、アセチレン基、チオール基、ヒドロキシル基、等の官能基を有するポリオルガノシロキサンおよびこれらの混合物等が挙げられる。
また、シリコーン樹脂の重量平均分子量は、5.0×10〜1.5×10であるのが好ましく、1.0×10〜5.0×10であるのがより好ましい。
剥離シート用シリコーン樹脂は、単独または触媒を併用し、基材上に塗布後、熱、光、電子線等により架橋し剥離剤層を形成する。
前記触媒としては、公知の触媒が使用でき、例えば、白金触媒や錫触媒等が挙げられる。中でも、白金触媒を用いるのが好ましい。
なお、本発明の剥離剤組成物は、前述したようなシリコーン樹脂の他に、他の樹脂成分や、可塑剤、安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
次に、本発明の剥離シートについて説明する。
<剥離シート>
本発明の剥離シートは、基材上に剥離剤層が形成された構成となっている。
基材を構成する材料としては、特に限定されず、従来より剥離シートにおいて基材として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、グラシン紙、上質紙、コート紙、含浸紙、合成紙等の紙基材、これら紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートした紙等で構成されている。
基材の厚さは、特に限定されないが、5〜300μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。
基材上に剥離剤層を設けることにより、粘着シートを剥離シートから剥離することが可能となる。
剥離剤層は、前記基材上に、前述した剥離剤組成物を付与することにより形成される。
剥離剤を基材上に付与する方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の既存の方法が挙げられる。
なお、剥離剤組成物を付与した後に、加熱による硬化処理等を施してもよい。これにより、より緻密な架橋構造とすることができる。また、放射線を照射した際に、ラジカルによる反応をし得る反応点の数を、熱処理を施すことによって、少なくすることができ、剥離シートの剥離剤層を構成する剥離剤組成物と、粘着シートの粘着剤層を構成する成分との間等でのラジカルによる反応をより効果的に防止することができる。
熱処理の条件は、例えば、100〜150℃で、1〜2分程度とすることができる。
このようにして形成される剥離剤層の厚さは、特に限定されないが、0.01〜3.0μmであるのが好ましく、0.01〜1.5μmであるのがより好ましい。剥離剤層の厚さが前記下限値未満であると、剥離性能が不安定となる場合がある。一方、剥離剤層の厚さが前記上限値を超えると、剥離シートをロール状に巻き取ったときのシリコーン塗工面が、剥離シート背面とブロッキングし易くなり、シリコーン塗工面の剥離性能がブロッキングにより、低下する場合がある。
また、剥離剤層の貯蔵弾性率は、2.0×10〜1.0×10Paであるのが好ましく、4.0×10〜8.0×10Paであるのがより好ましい。貯蔵弾性率が前記下限値未満であると、放射線照射による重剥離化を十分に防止することができない場合がある。これに対して、貯蔵弾性率が前記上限値を超えると、皮膜硬度が高くなりすぎるため、初期剥離力が高くなり、十分な剥離性が得られない場合がある。
以下、粘着シートについて説明する。
<粘着シート>
粘着シートは、粘着シート基材上に粘着剤層が形成された構成となっている。
粘着シート基材は、粘着剤層を支持する機能を有しており、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、上質紙、コート紙、無塵紙、合成紙等の紙等の単体もしくは複合物で構成されている。
粘着シート基材の厚さは、特に限定されないが、5〜300μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。
粘着シート基材は、その表面(粘着剤層が積層する面と反対側の面)に印刷や印字が施されていてもよい。また、印刷や印字の密着をよくする等の目的で、粘着シート基材は、その表面に、表面処理が施されていてもよい。また、粘着シートは、ラベルとして機能してもよい。
粘着剤層は、粘着剤を主剤とした粘着剤組成物で構成されている。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤が挙げられる。
例えば、粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、粘着性を与える主モノマー成分、接着性や凝集力を与えるコモノマー成分、架橋点や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体から構成することができる。
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸メトキシエチル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
コモノマー成分としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
これらの各成分を含むことにより、粘着剤組成物の粘着力、凝集力が向上する。また、このようなアクリル系樹脂は、通常、分子中に不飽和結合を有しないため、光や酸素に対する安定性の向上を図ることができる。さらに、モノマーの種類や分子量を適宜選択することにより、用途に応じた品質、特性を備える粘着剤組成物を得ることができる。
このような粘着剤組成物には、架橋処理を施す架橋型および架橋処理を施さない非架橋型のいずれのものを用いてもよいが、架橋型のものがより好ましい。架橋型のものを用いる場合、凝集力のより優れた粘着剤層を形成することができる。
架橋型粘着剤組成物に用いる架橋剤としては、エポキシ系化合物、イソシアナート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物等が挙げられる。
また、本発明に用いられる粘着剤組成物中には、必要に応じて、可塑剤、粘着付与剤、安定剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、5〜200μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがより好ましい。
前記剥離シートは、基材を用意し、この基材上に剥離剤を塗工等して剥離剤層を形成することにより、作製することができる。
前記粘着シートは、粘着シート基材を用意し、この粘着シート基材上に粘着剤組成物を塗工して粘着剤層を形成することにより、作成することができる。
粘着剤組成物を粘着シート基材上に塗工する方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の既存の方法が使用できる。
この場合の粘着剤組成物の形態としては、溶剤型、エマルション型、ホットメルト型等が挙げられる。
<粘着体>
その後、粘着剤層が剥離剤層に接するように、剥離シートと粘着シートを貼り合わせることにより、粘着体を得ることができる。
このような製造方法によれば、製造途中で剥離シートを高温に晒さなくても粘着体を製造することができる。さらに、例えば、粘着剤層を形成する際に用いられる溶剤の影響も受けにくくなる。
なお、剥離シートの剥離剤層上に、粘着剤層を形成し、次いで、粘着剤層上に粘着シート基材を接合することにより粘着体を製造してもよい。
以上、本発明の剥離シートおよび粘着体の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、粘着体は、粘着シート基材の両面に粘着剤層が形成され、さらに、これら両粘着剤層の表面に、それぞれ剥離シートが形成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、剥離シートが、剥離剤層と基材とで構成されたものとして説明したが、少なくとも剥離剤層を有するものであればよく、基材はなくてもよい。
また、前述した実施形態では、粘着体が、剥離シートと粘着シートを貼着させた構成のものについて説明したが、基材の一方の面側に剥離剤層が形成されていて、他方の面側に粘着剤層が形成されたものであってもよい。すなわち、粘着シートと剥離シートとが、一体的に形成されたものであってもよい。
次に、本発明の剥離シートの具体的実施例について説明する。
1.剥離シートの作製
基材の片面に剥離剤層を形成し、剥離シートを作製した。
各層の構成は、以下の通りである。
(実施例1)
既存の方法により、シリコーン樹脂を合成し、樹脂中における下記式(I)〜(III)で表される部分構造の占める割合のモル比が、30:1:3((I):(II):(III))となるように調製した。このシリコーン樹脂(重量平均分子量が1.89×10のポリオルガノシロキサン)100重量部、白金触媒(信越化学社製、商品名「PL−50T」)1重量部をトルエンに溶解して、剥離剤組成物1wt%の溶液を調製した。
Figure 2005194482
Figure 2005194482
Figure 2005194482
次いで、基材として厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱ポリエステル社製、商品名「T−100」)に、前記剥離剤組成物をマイヤーバー♯4にて塗工した後、130℃で加熱処理して硬化させ、厚さ0.1μmの剥離剤層を形成することにより剥離シートを作製した。
(実施例2)
モノマー成分の配合比を調整することにより、シリコーン樹脂(重量平均分子量が8.90×10のポリオルガノシロキサン)中の式(I)〜(III)で表される部分構造の占める割合の比が、15:1:3となるよう調製した以外は、実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
(比較例1)
モノマー成分の配合比を調整することにより、シリコーン樹脂(重量平均分子量が7.50×10のポリオルガノシロキサン)中の式(I)〜(III)で表される部分構造の占める割合の比が、200:1:3となるよう調製した以外は、実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
(比較例2)
モノマー成分の配合比を調整することにより、シリコーン樹脂(重量平均分子量が2.50×10のポリオルガノシロキサン)中の式(I)〜(III)で表される部分構造の占める割合の比が、700:1:3となるよう調製した以外は、実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
(比較例3)
モノマー成分の配合比を調整することにより、シリコーン樹脂(重量平均分子量が2.10×10のポリオルガノシロキサン)中の式(I)〜(III)で表される部分構造の占める割合の比が、7:1:3となるよう調製した以外は、実施例1と同様にして剥離シートを作製した。
2.粘着体の作製
上記各実施例および比較例で作製した各剥離シートに、電子線を、照射量が0、0.6、1.2、1.8、3.6Mradとなるように照射した。その後、室温で24時間放置した後、アクリル系粘着剤(東洋インキ社製:商品名「オリバインBPS−5127」)を乾燥後の厚さが50μmとなるようにアプリケータロール(5mil)で塗工し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:50μm)を貼り合わせて粘着体を作製した。
3.評価
それぞれの粘着体について、作製から1日経過後の剥離シートの剥離力を測定した。
剥離力の上昇率は、粘着体を20mm巾に裁断し、引っ張り試験機を用いて、剥離シートを固定し、基材を300mm/分の速度で180°方向に引っ張ることにより、剥離力を測定し、下記式(IV)により求めた。
上昇率=(電子線照射後の剥離シートの剥離力)/(電子線照射前の剥離シートの剥離力) ・・・(IV)
なお、比較例3の剥離シートを用いた粘着体は、電子線照を照射する前から、剥離力が高く、剥離力を測定することができなかった。
また、各実施例および各比較例において形成された剥離剤層の貯蔵弾性率を、DYNAMIC ANALYZER RDA-II(Rheometrics社製)により、23℃、周波数1Hzの条件にて測定した。
これらの結果を表1に示した。
Figure 2005194482
表1から明らかなように、比較例の剥離シートは、電子線照射による剥離力の上昇率が大きく、剥離しにくくなるのに対して、各実施例の剥離シートは、電子線照射による剥離力の上昇率は小さく、重剥離化を十分に抑えたものであった。

Claims (8)

  1. 放射線滅菌に供される剥離シートの製造に用いられ、主としてシリコーン樹脂で構成される剥離剤組成物であって、
    前記シリコーン樹脂は、下記式(I)で表される部分構造と下記式(II)で表される部分構造とを有し、
    前記シリコーン樹脂中における前記式(I)で表される部分構造の占める割合をa[mol%]、前記式(II)で表される部分構造の占める割合をb[mol%]としたとき、10≦a/b≦40の関係を満足することを特徴とする剥離剤組成物。
    Figure 2005194482
    Figure 2005194482
  2. 前記シリコーン樹脂は、下記式(III)で表される部分構造を有し、前記シリコーン樹脂中における前記式(II)の占める割合をb[mol%]、前記式(III)の占める割合をc[mol%]としたとき、c/b>1の関係を満足する請求項1に記載の剥離剤組成物。
    Figure 2005194482
  3. 前記シリコーン樹脂の重量平均分子量が、5.0×10〜1.5×10である請求項1または2に記載の剥離剤組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の剥離剤組成物を用いて形成された剥離剤層を有することを特徴とする剥離シート。
  5. 基材上に、前記剥離剤組成物を付与した後、加熱による硬化処理を施すことにより得られる請求項4に記載の剥離シート。
  6. 前記剥離剤層の貯蔵弾性率が、2.0×10〜1.0×10Paである請求項4または5に記載の剥離シート。
  7. 前記剥離剤層の厚みは、0.01〜3.0μmである請求項4ないし6のいずれかに記載の剥離シート。
  8. 請求項4ないし7のいずれかに記載の剥離シートと、粘着剤層を有する粘着シートとを有することを特徴とする粘着体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013122051A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Xerox Corp 着色したポリシロキサン
JP2017149048A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 リンテック株式会社 剥離シートおよび剥離シートの製造方法

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