JPH10335911A - バラン回路及びバランス型周波数変換器 - Google Patents
バラン回路及びバランス型周波数変換器Info
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- JPH10335911A JPH10335911A JP9161390A JP16139097A JPH10335911A JP H10335911 A JPH10335911 A JP H10335911A JP 9161390 A JP9161390 A JP 9161390A JP 16139097 A JP16139097 A JP 16139097A JP H10335911 A JPH10335911 A JP H10335911A
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Abstract
ンドバランにおいて、バラン回路を構成する結合線路の
偶モードの特性インビータンスが大きくできない,直交
モードの位相速度に差がある,損失が大きい,ことによ
って生じるバランの出力信号の振幅と位相のずれや挟帯
域化を簡易な要素の付加によって改善し、出力信号の振
幅と位相のずれが小さく、かつ広帯域化、小型化が可能
なバラン回路を実現し、それを用いたバランス型周波数
変換器を提供する。 【解決手段】 マーチャンドバランを構成する1/4波
長の長さを持つ2つの結合線路の接続部に伝送線路を挿
入したことを特徴とする。
Description
能動回路等と同時に形成され、例えば1GHz以上の高
周波信号を分配合成するバラン回路及びそのバラン回路
を利用したバランス型周波数変換器に関する。
周波信号を分配合成する電気回路として用いられる。一
般に、高出力増幅器やバランス型周波数変換器(バラン
ス型ミキサ)その他の高周波回路において、単位ユニッ
トとなる増幅器やミキサを2つ以上使用して回路を構成
し、高周波信号を各単位ユニットとなる増幅器やミキサ
に180度位相をずらして等分配または各単位ユニット
から180度位相をずらして等合成する必要がある。そ
のために、高周波信号を180度位相をずらして分配合
成する分配/合成回路を単位ユニットの入カ側または出
力側に設け、高周波回路を構成している。
価回路図である。この図23に示すマーチャンドバラン
は、位相を180度ずらして信号を合成分配するバラン
回路であり、R.Schwindtが報告しているものである(199
4 IEEE MTT-S InternationalMicrowave Symposium Dige
st,pp.389-391)。図23において、この従来のマーチ
ャンドバランは、1/4波長の長さを持つ第1の結合線
路1の第1端子Bと1/4波長の長さを持つ第2の結合
線路2の第1端子A’とを接続し、第1の結合線路1の
第1端子Bから見て当該第1の結合線路1のアイソレー
ション端子Cを接地すると共に、第2の結合線路2の第
1端子A’から見て当該第2の結合線路2のアイソレー
ション端子D’を接地し、第2の結合線路2の第1端子
A’から見て第2の結合線路2の通過端子B’を開放と
したとき、第1の結合線路1の第1端子Bから見て通過
端子A(端子1)から信号を入力し、第1の結合線路1
の第1端子Bから見て第1の結合線路1の結合端子D
(端子2)及び第2の結合線路2の第1端子A'から見て
第2の結合線路2の結合端子C'(端子3)からそれぞれ
信号を取り出すようになっている。
B')の1/2波長伝送線路上の定在波の電圧、電流波形
を模式的に示したものである。電流Iは、1/4波長の
位置である接続部B(A')で最大となり、電圧Vは、0
となる。さらに、電圧Vは、接続部B(A')の前後では
等振幅で逆位相となる。このとき、D端とC'端は、そ
れぞれ、B端とA'端から見たときの結合端子となって
いるので、B端、A'端での電圧Vは、等振幅で互いに逆
位相となる。
信号は、端子2と端子3に180度の位相差をもって等
振幅で出力される。図23に示す従来のマーチャンドバ
ランの特性は、何れも計算値であるが、図25(出力振
幅特性)、図26(位相特性)に示すようになってい
る。両図において、太い実線は、従来の構成による特性
(端子2、3からの出力振幅、位相差)を示し、細い実線
は、理想的なバランの特性を示す。計算に用いた結合線
路のパラメータは、以下に示す通りである。従来の構成
のパラメータによって求めた計算結果は、測定値と良く
一致している。
は、出力信号の振幅と位相のずれが大きく、動作帯域が
狭くなっていることがわかる。これは、上記パラメータ
の比較から理解できるように、GaAsやSiなどの半
導体基板上にFET等の能動素子と同時に受動回路を形
成するマイクロストリップ型MMlCやユニプレーナ型
MMlC、また上記半導体基板上に多層に誘電体膜を形
成し、誘電体膜上に回路を形成する多層化及び3次元M
MlCにおいては、マーチャンドバランを構成する結合
線路の偶モードの特性インピーダンスが小さく原理的に
大きくできないこと、直交モードの位相速度に差がある
こと、さらにマーチャンドバランを構成する伝送線路の
損失が導波管や同軸線路を用いて実現される高周波回路
に比較して大きい(概ね0.1dB/mm以上)こと、
等に起因するものである。
上に形成されるマーチャンドバランでは、バランを構成
する結合線路の偶モードの特性インピーダンスを大きく
できないことと直交モードの位相速度に差があることに
よって、バランの出力信号の振幅と位相のずれが大きく
なり、動作帯域が狭くなるという問題があり、さらに、
バランを構成する伝送線路の損失が大きいことも出力信
号の振幅と位相のずれの拡大や動作帯域の帯域化を生じ
る原因となっていた。
な、MMlC上に実現された改良されたマーチャンドバ
ランが提案されている。図27は、S.A.Massが提案して
いるものである(IEEE Trans.on MTT-41,No12,pp.2330-
2335,Dec.,1993)。また、図28は、Y.I.Ryuが提案し
ているものである(1995 IEEE Microwave and Millimet
er-Wave Monolithic Circuits Symposium Digest,pp.15
5-158)。
ドバランを構成する結合線路がインタディジタル型で形
成され、かつ基板厚が通常より厚い半導体基板上に形成
されている。これによって、偶モードの特性インピーダ
ンスを大きくでき、かつ両モードの位相速度を近付ける
ことができ、図23に示した従来の構成よりも良好な回
路特性を得ることができる。
は、結合線路を構成する線路数が増加し、かつ基板厚が
厚いために伝送線路幅が大きくなるので、回路の小型化
が困難であるという問題があった。
マーチャンドバランにおいて、バラン回路を構成する結
合線路の偶モードの特性インビータンスが大きくできな
い,直交モードの位相速度に差がある,損失が大きい,
ことによって生じるバランの出力信号の振幅と位相のず
れや挟帯域化を簡易な要素の付加によって改善し、出力
信号の振幅と位相のずれが小さく、かつ広帯域化、小型
化が可能なバラン回路を実現し、それを用いたバランス
型周波数変換器を提供することにある。
は、マーチャンドバランを構成する1/4波長の長さを
持つ2つの結合線路の接続部に伝送線路を挿入したこと
を特徴とする。請求項2に記載の発明は、マーチャンド
バランを構成する1/4波長の長さを持つ2つの結合線
路の接続部と接地導体との間に容量を挿入したことを特
徴とする。
ランを構成する1/4波長の長さを持つ2つの結合線路
のそれぞれにおいて結合端子とアイソレーション端子を
持つ方の伝送線路の一部に、結合線路を構成しない伝送
線路をそれぞれ挿入したことを特徴とする。請求項4に
記載の発明は、マーチャンドバランを構成する1/4波
長の長さを持つ2つの結合線路のそれぞれにおいて結合
端子とアイソレーション端子を持つ方の伝送線路の一部
に、イングクタをそれぞれ挿入したことを特徴とする。
求項4に記載のバラン回路において、マーチャンドバラ
ンを構成する1/4波長の長さを持つ2つの結合線路の
それぞれをマイクロストリップ線路で形成したことを特
徴とする。請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求
項4の何れか1項に記載のバラン回路において、マーチ
ャンドバランを構成する1/4波長の長さを持つ2つの
結合線路のそれぞれをコプレーナ線路で形成したことを
特徴とする。
求項4に記載のバラン回路において、マーチャンドバラ
ンを構成する1/4波長の長さを持つ2つの結合線路の
それぞれを多層に積層された誘電体膜上に形成したこと
を特徴とする。請求項8に記載の発明は、バランス型周
波数変換器において、180度信号分配回路が、請求項
1乃至請求項7の何れか1項に記載のバラン回路で形成
されることを特徴とする。
る1/4波長の長さを持つ2つの結合線路の直交モード
の位相速度に差がある場合には、バランの出力信号の振
幅、位相のずれが生じる。一方、偶モード/奇モードの
位相速度は、そのモードの単位長当たりの容量として求
めることができるので、何れの形式のMMICを採用す
るかによって、当該MMICにおける結合線路の偶モー
ドの位相速度と奇モードの位相速度との大小関係は特定
できる。
の位相速度が奇モードの位相速度よりも大きい場合に
は、偶モードの位相速度が小さくなるように補正する伝
送線路(請求項1)または容量(請求項2)を付加し、
逆に、結合線路の偶モードの位相速度が奇モードの位相
速度よりも小さい場合には、偶モードの位相速度が大き
くなるように補正する伝送線路(請求項3)またはイン
ダクタ(請求項4)を付加する。
位相のずれを小さくでき、位相バランスを広帯域にわた
って保つことができる。また、伝送線路、容量、インダ
クタという簡易かつ回路規模を大きくしないで済む要素
の付加によって実現できるので、小型化が可能となる。
したがって、バランス型周波数変換器において、本発明
に係るバラン回路を180度信号分配回路として用いれ
ば(請求項8)、周波数変換器に対し局発信号を等振幅
で、逆位相に分配できるので、局発信号が高周波出力端
に漏れて出力されるのを抑制できる。
を参照して説明する。 (第1実施形態)図1、図2は、本発明の請求項1、
5、7に対応する実施形態のマーチャンドバランの構成
を示す図である。図1は斜視図、図2は等価回路図であ
る。この第1実施形態は、3次元MMIC構造のマーチ
ャンドバランに関する。なお、両図において、端子1、
2、3、A〜D及びA’〜D’の符号は、対応した位置
を示している。また、これらの符号は、従来例(図2
3)で使用したものと対応している。
には接地導体10が積層され、接地導体10上には第1
の誘電体膜12が積層される。この第1の誘電体膜12
の上面には、図中左から右に向かって、第1の結合線路
1の下層配線、第1の伝送線路3、第2の結合線路2の
下層配線が、それぞれ形成される。第1の結合線路1及
び第2の結合線路2の線路長は、それぞれ1/4波長で
ある。
の一端が通過端子Aであり、他端が第1端子Bである。
通過端子Aは、信号入力の端子1に接続される。また、
第2の結合線路2の下層配線は、図中右方の一端が通過
端子B’であり、他端が第1端子A’である。この第1
実施形態では、第1の結合線路1の下層配線の他端(第
1端子)Bと第2の結合線路2の下層配線の他端(第1
端子)A’とを、第1の伝送線路3で接続する構成とし
てある。この第1の伝送線路3の線路長は、任意長L3
である。
送線路3が形成された第1の誘電体膜12上に第2の誘
電体膜13が積層される。この第3の誘電体膜13の上
面には、第1の結合線路1の上層配線、第2の結合線路
2の上層配線がそれぞれ形成される。第1の結合線路1
の上層配線は、図中左方の一端が接地されるアイソレー
ション端子Cであり、他端が結合端子Dである。この結
合端子Dには、信号出力の端子2が接続される。また、
第2の結合線路2の上層配線は、図中右方の一端が接地
されるアイソレーション端子D’であり、他端が結合端
子C’である。この結合端子C’には、信号出力の端子
3が接続される。
を伝送線路を用いて接続したバラン回路)に対応する第
1、第2実施形態の基本動作の説明図である。図3
(a)は振幅特性図(計算値)、図3(b)は位相特性
図(計算値)である。図3(a)(b)において、実線
(イ)は、マーチャンドバランを構成する第1及び第2
の結合線路の直交モードの位相速度に差がない場合、実
線(ロ)は、結合線路の直交モードの位相速度に差があ
る場合、実線(ハ)は結合線路の接続部に伝送線路を挿
入した場合の特性曲線をそれぞれ示す。なお、結合線路
及び挿入した伝送線路のパラメータは次の通りである。
路では、偶モードの特性インピーダンスZeは、Ze=
121Ω、奇モードの特性インピーダンスZoは、Zo
=21Ω、線路長L1は、L1 =1.987mmであ
り、伝送線路では、特性インピーダンスZoは、Zo=
60Ω、実効誘電率εeffは、εeff=3.3である。特
性インピーダンスZe、Zoの値は、前述した従来例の
場合と同様である。
モードの実効誘電率εe、奇モードの実効誘電率εo
は、それぞれ等しく、εe=εo=3.04である。ま
た、実線(ロ)において、結合線路の偶モードの実効誘
電率εeは、εe=3.04、奇モードの実効誘電率ε
oは、εo=4.22である。また、実線(ハ)におい
て、結合線路では、偶モードの実効誘電率εe、奇モー
ドの実効誘電率εoは、それぞれ等しくεe=εo=
3.04であり、伝送線路では、線路長L3は、L3=
0.28mmである。
度に差がある場合(ロ)の振幅,位相の変化と、伝送線
路を挿入した場合(ハ)の振幅,位相の変化とは、結合
線路の位相速度に差がない場合(イ)を中心としてほぼ
対称となっていることがわかる。従って、結合線路の偶
モードの特性インピーダンスや損失は従来と同様である
が、直交モードの位相速度に差があることに基づき生ず
るマーチャンドバランの位相,振幅のずれを、適宜線路
長L3 の第1の伝送線路3を挿入する、簡易な構成によ
って補正することができる。
ン回路は、第1の結合線路1の下層配線の第1端子Bと
第2の結合線路2の下層配線の第1端子A’との間を任
意線路長L3 の第1の伝送線路3で接続した構成によっ
て、従来例(図23)と同様に、端子1から信号を入力
すると、端子2及び端子3には等振幅で、位相が180
度異なる信号が出力されるマーチャンドバランとして機
能することがわかる。
ャンドバラン)の動作を図4〜図6を参照して説明す
る。図4は、図1、図2に示す構成のマーチャンドバラ
ンの1/4波長の長さを持つ第1の結合線路1と第2の
結合線路2を接続する第1の伝送線路3の線路長さL3
を変えたときのバランの帯域との関係を示したものであ
る(計算値)。なお、バランの動作中心周波数20GH
z帯での例を示した。
配回路がバランス型周波数変換器等に用いられる場合を
想定し、位相差10度以内、振幅差1dB以内という条
件に加えて各端子の出力信号の3dB帯域を満たす周波
数領域としている。これは、S.A.Maasがその著書Microw
ave Mixers Second Edition,Artech House,INC.,1993で
報告していることを参考にしたものである。挿入した第
1の伝送線路3のパラメータは、特性インピーダンスZ
oが、Zo=60Ω、実効誘電率εeffが、εeff=3.3
である。
域は、○印の狭い範囲であるが、結合線路を接続する伝
送線路を導入する請求項1に係る本発明の構成では、枠
で囲って示すように、バランの比帯域を1.8倍以上に
拡大することができる。図5は、挿入した伝送線路の線
路長L3を一定値(L3=0.3mm)とした場合の位相
差及び振幅差の周波数特性図である。なお、位相速度
は、偶モードの位相速度>奇モードの位相速度の関係で
ある。
3=0.3mm)の伝送線路のある第1実施形態のバラ
ンの特性であり、細い実線が伝送線路のない従来構成の
バランの特性である。図5に示すように、結合線路を接
続する伝送線路を挿入することによってバランの出力信
号の振幅及び位相のずれが小さくなっていることがわか
る。
波長の2つの結合線路間に伝送線路を挿入する簡易な構
成によって、バランの出力信号の振幅及び位相のずれを
小さくし、動作帯域を拡大することができる。図6は、
マーチャンドバランを構成する結合線路の線路長(L1)
を変えたときのバランの動作帯域を示したものである
(計算値)。図6において、縦軸は20GHzでの結合
線路の1/4波長の長さ(L10=1.987mm)で規
格化した結合線路の線路長(L1/L10)である。横軸
は周波数(GHz)である。また、○印と直線で結ばれ
た周波数範囲は、バランの動作帯域を示し、途中の●印
は結合線路の中心周波数(Center frequency of couple
r)を示している。
結合線路の中心周波数の上昇とともに高くなるが、動作
周波数の下限については微増するのみである。つまり、
結合線路の中心周波数を高く(線路長を短く)しても、
バランの動作周波数の下限をほとんど変えずに上限のみ
を高くすることができるので、広帯域化が容易に実現で
き、また結合線路長を短くできるので、回路の小型化が
容易に実現できる。
地導体を形成し、その上に誘電体膜を2層形成し、その
膜上に回路を形成する多層/3次元MMlCの構造につ
いて示したが、半導体基板裏面に接地導体を形成するマ
イクロストリップ型MMlCの構成でも同様の効果が得
られる。また、結合線路や伝送線路は一層の小型化のた
めメアンダ状やスパイラル状に折り曲げて形成しても同
様の効果が得られる。
1、6に対応する実施形態のマーチャンドバランの構成
を示す斜視図である。等価回路は、図2である。この第
2実施形態は、コプレーナ線路で構成したマーチャンド
バランに関する。なお、図7において、端子1、2、
3、A〜D及びA’〜D’の符号は、図2の対応した位
置を示している。また、これらの符号は、従来例(図2
3)で使用したものと対応している。
には、第1の結合線路1の2つの伝送線路及び第2の結
合線路2の2つの伝送線路が、それぞれ並列に配置さ
れ、それぞれの2つの伝送線路の一方が、若干幅広の第
1の伝送線路3で接続される。また、半導体基板11の
上面には、接地導体10が形成されている。したがっ
て、第1実施形態と同様にバランの出力信号の振幅及び
位相のずれを小さくし、帯域を拡大することができる。
また、結合線路長を所望の中心周波数よりも高い周波数
帯の1/4波長としても、バランの周波数帯域の劣化は
ないので、結合線路長を短くできる分回路の小型化が実
現できる。
路は直線状に形成してあるが、一層の小型化のためメア
ンダ状やスバイラル状に折り曲げて形成しても同様であ
る。 (第3実施形態)図8、図9は、本発明の請求項2、
5、7に対応する実施形態のマーチャンドバランの構成
を示す図である。図8は斜視図、図9は等価回路図であ
る。この第3実施形態は、3次元MMIC構造のマーチ
ャンドバランに関する。なお、両図において、端子1、
2、3、A〜D及びB’〜D’の符号は、対応した位置
を示している。また、これらの符号は、従来例(図2
3)で使用したものと対応している。但し、図8の符号
Bは、従来例での符号BとA’に対応している。
は接地導体10が積層されるとともに、接地導体10の
一部を削除して露出した半導体基板11上に第1の容量
4が形成される。この第1の容量4の一端は、接地導体
10に接続されている。この接地導体10上に第lの誘
電体膜12が積層される。この第1の誘電体膜12の上
面には、第1の結合線路1の下層配線と、第2の結合線
路2の下層配線とがそれぞれ形成される。第1の結合線
路1及び第2の結合線路の線路長は、それぞれ1/4波
長である。
の一端が通過端子Aであり、他端が第1端子Bである。
通過端子Aは、信号入力の端子1に接続される。また、
第2の結合線路2の下層配線は、図中右方の一端が通過
端子B’であり、他端が第1端子Bである。第1の結合
線路1の下層配線の他端(第1端子)と第2の結合線路2
の下層配線の他端(第1端子)との接続部Bは、スルーホ
ール14を介して第1の容量4の他端に接続される。
合線路1の下層配線の他端(第1端子)と第2の結合線
路2の下層配線の他端(第1端子)との接続部Bを第1
の容量4を介して接地する構成としてある。このような
結合線路の下層配線が形成された第lの誘電体膜12上
に第2の誘電体膜13が積層される。この誘電体膜13
の上面には、第1の結合線路1の上層配線及び第2の結
合線路2の上層配線がそれぞれ形成される。第1の結合
線路1の上層配線は、一端が接地されるアイソレーショ
ン端子Cであり、他端が結合端子Dである。結合端子D
には、信号出力の端子2が接続される。また、第2の結
合線路2の上層配線は、一端が接地されるアイソレーシ
ョン端子D’であり、他端が結合端子C'である。結合
端子C'には、信号出力の端子3が接続される。
路と接地導体との間に容量を形成したバラン回路)に対
応する第3、第4実施形態の基本動作の説明図である。
図10(a)は振幅特性図(計算値)、図10(b)は
位相特性図(計算値)である。図10(a)(b)におい
て、実線(イ)は、マーチャンドバランを構成する第1
及び第2の結合線路の直交モードの位相速度に差がない
場合、実線(ロ)は、結合線路の直交モードの位相速度
に差がある場合、実線(ハ)は結合線路の接続部と接地
導体との間に容量を形成した場合の特性曲線を示す。な
お、結合線路及び形成した容量のパラメータは次の通り
である。
路では、偶モードの特性インピーダンスZeは、Ze=
121Ω、奇モードの特性インピーダンスZoは、Zo
=21Ω、線路長L1は、L1 =1.987mmであ
る。これらは、第1実施形態の場合と同様である。ま
た、実線(イ)において、結合線路の偶モードの実効誘
電率εe、奇モードの実効誘電率εoは、それぞれ等し
くεe=εo=3.04である。また、実線(ロ)にお
いて、結合線路の偶モードの実効誘電率εeは、εe=
3.04、奇モードの実効誘電率εoは、εo=4.2
2である。また、実線(ハ)において、結合線路では、
偶モードの実効誘電率εe、奇モードの実効誘電率εo
は、それぞれ等しくεe=εo=3.04であり、形成
した容量の値Cは、C=0.03pFである。
速度に差がある場合(ロ)の振幅,位相の変化と、容量
を形成した場合(ハ)の振幅,位相の変化は、結合線路
の位相速度に差がない場合(イ)を中心としてほぼ対称
となっていることがわかる。従って、結合線路の偶モー
ドの特性インピーダンスや損失は従来と同様であるが、
直交モードの位相速度に差があることに基づき生ずるマ
ーチャンドバランの位相,振幅のずれを、結合線路の接
続部と接地導体との間に容量を形成する、簡易な構成に
よって補正することができる。
ン回路は、第1の結合線路1の下層配線の第1端子と第
2の結合線路2の下層配線の第1端子との接続部Bを第
1の容量4を介して接地した構成によって、第1実施形
態と同様に、端子1から信号を入力すると、端子2及び
端子3には等振幅で、位相が180度異なる信号が出力
されるマーチャンドバランとして機能することがわか
る。
ャンドバラン)の動作を図11、図12を参照して説明
する。図11は、図8、図9に示す構成のマーチャンド
バランの容量C(pF)を変えたときのバランの帯域と
の関係を示したものである(計算値)。なお、バランの
動作中心周波数は、20GHzである。
帯域は、○印の狭い範囲であるが、結合線路の接続部を
容量を介して接地する請求項2に係る本発明の構成で
は、枠で囲って示すように、バランの比帯域を1.8倍
以上に拡大することができる。図12は、挿入した容量
値Cを一定値(C=0.03pF)とした場合の位相差
及び振幅差の周波数特性図である。位相速度は、偶モー
ドの位相速度>奇モードの位相速度の関係にある。太い
実線が、容量を備える第3実施形態のバランの特性であ
り、細い実線が容量のない従来構成のバランの特性であ
る。図12に示すように、容量を挿入することによって
バランのバランス特性を改善できることがわかる。
波長の2つの結合線路の接続部と接地導体との間に容量
を挿入する簡易な構成によって、バランの出力信号の振
幅及び位相のずれを小さくし、動作帯域を拡大すること
ができる。また、結合線路長を1/4波長よりも短い値
(バランの中心周波数を所望の値よりも高く設定)とし
ても、バランの周波数帯域が狭くなったり、出力信号の
振幅及び位相のずれが大きくなることはないので、結合
線路長を短くできる分回路の小型化が実現できる。
地導体を形成し、その上に誘電体膜を2層形成し、その
膜上に回路を形成する多層/3次元MMlCの構造につ
いて示したが、半導体基板裏面に接地導体を形成するマ
イクロストリップ型MMlCの構成でも同様の効果が得
られる。また、結合線路は一層の小型化のためにメアン
ダ状やスパイラル状に折り曲げて形成しても同様の効果
が得られる。
項2、6に対応する実施形態のマーチャンドバランの構
成を示す斜視図である。等価回路は、図9である。この
第4実施形態はコプレーナ線路で構成したマーチャンド
バランに関する。なお、図11において端子1、2、
3、A〜D及びB’〜D’の符号は、図9の対応した位
置を示している。
面には、第1の結合線路1の2つの伝送線路及び第2の
結合線路2の2つの伝送線路が、それぞれ並列に配置さ
れ、また第1の容量4、接地導体10がそれぞれ形成さ
れ、2つの結合線路それぞれの2つの伝送線路の一方の
伝送線路の接続部Bが、第1の容量4を介して接地導体
10に接続される。
の出力信号の振幅及び位相のずれを小さくし、帯域を拡
大することができる。また、結合線路長を1/4波長よ
りも短い値(バランの中心周波数を所望の値よりも高く
設定)としても、バランの周波数帯域やバランス特性の
劣化はないので、結合線路長を短くできる分回路の小型
化が実現できる。
に形成してあるが、一層の小型化のためにメアンダ状や
スパイラル状に折り曲げて形成しても同様である。 (第5実施形態)図14、図15は、本発明の請求項
3、5、7に対応する実施形態のマーチャンドバランの
構成を示す図である。図14は斜視図、図15は等価回
路図である。この第5実施形態は、3次元MMIC構造
のマーチャンドバランに関する。なお、両図において、
端子1、2、3、A〜G及びB’〜G’の符号は対応し
た位置を示している。
上には接地導体10が積層され、接地導体10上には第
1の誘電体膜12が積層される。この誘電体膜12の上
面には、図中左から右に向かって、第1の結合線路31
の下層配線、第3の結合線路33の下層配線、第2の結
合線路32の下層配線、第4の結合線路34の下層配線
が、それぞれ形成される。そして、端子1が第1の結合
線路31の下層配線の通過端子Aに接続される。
と第3の結合線路33の下層配線との接続部を示し、符
号B’は、第2の結合線路32の下層配線と第4の結合
線路34の下層配線との接続部を示す。また、符号F
は、第3の結合線路33の下層配線と第2の結合線路3
2の下層配線との接続部を示す。ここに、第1の結合線
路31の線路長L11と第3の結合線路33の線路長L12
とを加えた線路長(L11+L12)、及び、第2の結合線
路32の線路長L21と第4の結合線路34の線路長L22
とを加えた線路長(L21+L22)は、それぞれ、1/4
波長である。つまり、接続部Fは、図20における接続
部B、A’に対応している。
た誘電体膜12上に第2の誘電体膜13が積層される。
この第2の誘電体膜13の上面には、図中左から右に向
かって、第1の結合線路31の上層配線、線路長L31の
第1の伝送線路35、第3の結合線路33の上層配線、
第2の結合線路32の上層配線、線路長L31の第2の伝
送線路36、第4の結合線路34の上層配線が、それぞ
れ形成される。そして、第3の結合線路33の上層配線
の結合端子Gは、端子2に接続され、第2の結合線路3
2の上層配線の結合端子C’は、端子3に接続される。
また第1の結合線路31の上層配線のアイソレーション
端子C及び第4の結合線路34の上層配線のアイソレー
ション端子G’は、それぞれ接地される。
と第1の伝送線路35との接続部を示し、符号Eは、第
3の結合線路33の上層配線と第1の伝送線路35との
接続部を示す。また、符号D’は、第2の結合線路32
の上層配線と第2の伝送線路36との接続部を示し、符
号E’は、第4の結合線路34の上層配線と第2の伝送
線路36との接続部を示す。
は、結合線路の結合端子(G、C')とアイソレーション端
子(C、G')のある方の伝送線路の一部に結合線路を構成
しない伝送線路(第1の伝送線路35、第2の伝送線路
35)を挿入したものである。図16は、請求項3に記
載の発明(結合線路の結合端子とアイソレーション端子
のある方の伝送線路の一部に結合線路を構成しない伝送
線路を挿入したバラン回路)に対応する第5、第6実施
形態の基本動作の説明図である。図16(a)は振幅特
性図(計算値)、図16(b)は位相特性図(計算値)で
ある。
は、マーチャンドバランを構成する第1〜第4の結合線
路の直交モードの位相速度に差がない場合、実線(ロ)
は、結合線路の直交モードの位相速度に差がある場合、
実線(ハ)は結合線路の接続部に伝送線路を挿入した場
合の特性曲線を示す。なお、結合線路のパラメータは次
の通りである。
の偶モードの特性インピーダンスZeは、Ze=121
Ω、奇モードの特性インピーダンスZoは、Zo=21
Ω、線路長L1 は、L1 =1.987mmである。ま
た、実線(イ)において結合線路の偶モードの実効誘電
率εe、奇モードの実効誘電率εoは、それぞれ等しく
εe=εo=3.04である。
モードの実効誘電率εeは、εe=4.22、奇モード
の実効誘電率εoは、εo=3.04である。また、実
線(ハ)において結合線路の偶モードの実効誘電率ε
e、奇モードの実効誘電率εoは、それぞれ等しく、ε
e=εo=3.04であり、挿入する伝送線路の線路長
L31は、L31=0.33mmである。
速度に差がある場合(ロ)の振幅,位相の変化と、伝送
線路を挿入した場合(ハ)の振幅,位相の変化は、結合
線路の位相速度に差がない場合(イ)を中心としてほぼ
対称となっていることがわかる。従って、結合線路の偶
モードの特性インピーダンスや損失は従来と同様である
が、直交モードの位相速度に差があることに基づき生ず
るマーチャンドバランの位相,振幅のずれを、結合線路
の結合端子とアイソレーション端子のある方の伝送線路
の一部に結合線路を構成しない伝送線路を挿入する、簡
易な構成によって補正することができる。
ン回路は、結合線路の結合端子(G、C')とアイソレー
ション端子(C、G')のある伝送線路の一部に結合線
路を構成しない伝送線路を挿入した構成によって、第1
実施形態と同様に、端子1から信号を入カすると、端子
2及び端子3には同振幅で、位相が180度異なる信号
が出力されるマーチャンドバランとして機能することが
わかる。
ャンドバラン)の動作を図17を参照して説明する。図
17は、挿入した伝送線路の線路長L31をL31=0.3
3mm、結合線路の線路長を0.75×(l/4波長)
としたときの位相差及び振幅差の周波数特性を示してい
る。太い実線が、第5実施形態のバランの特性であり、
細い実線が、従来の構成のバランの特性である。
ドの位相速度の関係であるが、図17に示すように、バ
ランの出力信号の振幅及び位相のずれを小さくすること
ができる。また、結合線路長が短くなる分回路も小型化
できる。従って、この第5実施形態の構成において、結
合線路の結合端子とアイソレーション端子を持つ方の伝
送線路の一部に結合線路を構成しない伝送線路を挿入す
ることによってバランの出力信号の振幅及び位相のずれ
を小さくし、かつ帯域を拡大することができる。
も短い値(バランの中心周波数を所望の値よりも高く設
定)とすることによってバラン回路の一層の小型化が実
現できる。この第5実施形態では、半導体基板上に接地
導体を形成し、その上に誘電体膜を2層形成し、その膜
上にバラン回路を形成する多層/3次元MMICの構造
について示したが、半導体基板裏面に接地導体を形成す
るマイクロストリップ型MMlCの構成でも同様の効果
がある。また、結合線路は一層の小型化のためにメアン
ダ状やスパイラル状に折り曲げて形成しても同様の効果
がある。
項3、6に対応する実施形態のマーチャンドバランの構
成を示す図である。図18は、斜視図である。等価回路
は、図15である。この第6実施形態は、コプレーナ線
路で構成したマーチャンドバランに関する。なお、図1
8において端子1、2、3、A〜G及びB’〜G’の符
号は、図15の対応した位置を示している。
面には、第1の結合線路31の2つの伝送線路、第3の
結合線路33の2つの伝送線路、第2の結合線路32の
2つの伝送線路、第4の結合線路34の2つの伝送線路
が、それぞれ並列に配置されると共に、第1の結合線路
31の2つの伝送線路の一方の伝送線路と、第3の結合
線路33の2つの伝送線路の一方の伝送線路との間に第
1の伝送線路35が、また第2の結合線路32の2つの
伝送線路の一方の伝送線路と、第4の結合線路34の2
つの伝送線路の一方の伝送線路との間に第2の伝送線路
36が、それぞれエアブリッジ39によって形成され、
接地導体10も形成されている。
の出力信号の振幅及び位相のずれを小さくし、帯域を拡
大することができる。また、同様に、結合線路の線路長
を1/4波長よりも短い値(バランの中心周波数を所望
の値よりも高く設定)とすることによってバラン回路の
一層の小型化が実現できる。この第6実施形態では、結
合線路や伝送線路は直線状に形成してあるが、一層の小
型化のためメアンダ状やスパイラル状に折り曲げて形成
しても同様である。
項4、5、6、7に対応する実施形態のマーチャンドバ
ランの構成を示す等価回路図である。この第7実施形態
のマーチャンドバランは、第5実施形態及び第6実施形
態の等価回路(図15)において、第1の伝送線路35
に変えて第1のインダクタ40を挿入し、第2の伝送線
路36に変えて第2のインダク41を挿入したものであ
る。その他は、図15と同様である。
路の結合端子とアイソレーション端子のある方の伝送線
路の一部にインダクタを挿入したバラン回路)対応する
第7実施形態の基本動作の説明図である。図20(a)
は振幅特性図(計算値)、図20(b)は位相特性図
(計算値)である。図20(a)(b)において、実線
(イ)は、マーチャンドバランを構成する第1〜第4の
結合線路の直交モードの位相速度に差がない場合、実線
(ロ)は、結合線路の直交モードの位相速度に差がある
場合、実線(ハ)は結合線路の接続部に伝送線路を挿入
した場合の特性曲線を示す。なお、結合線路のパラメー
タは次の通りである。
路の偶モードの特性インピーダンスZeは、Ze=12
1Ω、奇モードの特性インピーダンスZoは、Zo=2
1Ω、線路長L1は、L1 =1.987mmである。
ードの実効誘電率εe、奇モードの実効誘電率εoは、
それぞれ等しく、εe=εo=3.04である。また、
実線(ロ)において、結合線路の偶モードの実効誘電率
εeは、εe=4.22、奇モードの実効誘電率εo
は、εo=3.04である。また、実線(ハ)におい
て、結合線路の偶モードの実効誘電率εe、奇モードの
実効誘電率εoは、それぞれ等しく、εe=εo=3.
04であり、挿入するインダクタのインダクタンス値L
はL=0.11nHである。
速度に差がある場合(ロ)の振幅,位相の変化と、イン
ダクタを挿入した場合(ハ)の振幅,位相の変化は、結
合線路の位相速度に差がない場合(イ)を中心としてほ
ぼ対称となっていることがわかる。従って、接合線路の
偶モードの特性インピーダンスや損失は従来と同様であ
るが、直交モードの位相速度に差があることに基づき生
ずるマーチャンドバランの位相,振幅のずれを、結合線
路の結合端子とアイソレーション端子のある方の伝送線
路の一部にインダクタを挿入する、簡易な構成によって
補正することができる。
ン回路は、結合線路の結合端子(G、C')とアイソレー
ション端子(C、G')のある方の伝送線路の一部にイ
ンダクタを挿入した構成によって、第1実施形態と同様
に、端子1から信号を入力すると、端子2及び端子3に
は同振幅で、位相が180度異なる信号が出力されるマ
ーチャンドバランとして機能することがわかる。
ャンドバラン)の動作を図21を参照して説明する。図
21は、挿入したインダクタ(40、41)の値L40を
L40=0.11nH、結合線路の線路長を0.75×(1
/4波長)としたときの位相差及び振幅差を示してい
る。太い実線が、この第7実施形態の構成のときのバラ
ンの特性であり、細い実線が、従来の構成のバランの特
性である。
度<奇モードの位相速度の関係にある場合のものである
が、バランの出力信号の振幅及び位相のずれが小さくな
ることがわかる。また、図21は、結合線路の線路長を
1/4波長よりも短くした場合を示している。したがっ
て、結合線路の結合端子とアイソレーション端子を持つ
方の伝送線路の一部にインダクタを挿入する構成のバラ
ン回路とすることによって、バランの出力信号の振幅及
び位相のずれを小さくし、かつ帯域を拡大することがで
きる。
りも短い値(バランの中心周技数を所望の値よりも高く
設定)とすることによってバラン回路の一層の小型化が
実現できる。この第7実施形態では、等価回路のみを示
したが、前述の3次元MMlCやマイクロストリップ型
MMlCの構成、さらにはコプレーナ線路で構成しても
同様の効果がある。また、結合線路は一層の小型化のた
めにメアンダ状やスパイラル状に折り曲げて形成しても
同様の効果がある。
項8に対応する実施形態のバランス型周波数変換器の構
成図である。即ち、この第8実施形態は、以上説明した
7つの実施形態の何れか1つのマーチャンドバランを用
いたバランス型周波数変換器に関する。図22におい
て、このバランス型周波数変換器は、本発明の7つの実
施形態の何れか1つのマーチャンドバラン20、2個の
周波数変換器21、ウイルキンソンディバイダ22を備
える。マーチャンドバラン20は、LO入力端子に印加
されるLO信号(局発信号)を2個の周波数変換器21
の一方の入力端に互いに逆位相の関係で分配する。2個
の周波数変換器21は、他方のIF入力端子に印加され
るIF信号(中間周波帯信号)をマーチャンドバラン2
0からのLO信号に従って周波数変換し、ウイルキンソ
ンディバイダ22に出力する。ウイルキンソンディバイ
ダ22は、2個の周波数変換器21の出力を同位相で合
成し、RF出カ端子にRF信号(高周波帯信号)を出力
する。
器は、以上の構成によって、LO入力端子に印加される
LO信号が2つの周波数変換器に等振幅の逆位相で与え
られるので、LO信号がRF出力端子に漏れて出力され
るのが抑圧される。即ち、上記構成のバランス型周波数
変換器は、3次元MMlC構造やマイクロストリップ型
MMlC、コプレーナ型MMlCで実現できるが、本発
明の実施形態に係るマーチャンドバランを用いることに
よって、LO信号の漏れを大幅に抑圧することができ、
かつ回路を小型化、広帯域化することができる。
路は、GaAsやSiなどの半導体基板上に実現される
マーチャンドバランにおいて、結合線路の接続部に伝送
線路を挿入する、接続部と接地導体との間に容量を挿入
する、さらに結合線路の結合端子とアイソレーション端
子を持つ方の伝送線路の一部に結合線路を構成しない伝
送線路やインダクタを挿入する構成であるので、偶モー
ドの特性インピーダンスや損失は、従来と同様である
が、出力信号の振幅差及び位相差を小さくできる。
バランの出力端子間の位相差を補正することができるの
で、位相バランスを広帯域にわたって保つことができ
る。さらに、従来の改良されたマーチャンドバランのよ
うに、結合線路のインタディジタル化やMMIC基板の
厚さを増加させることが不要となるので、小型化が可能
である。したがって、本発明に係るバラン回路を180
度信号分配回路として用いるバランス型周波数変換器で
は、局発信号が高周波出力端に漏れ出すのを抑圧でき
る。
のマーチャンドバランの回路構成図(斜視図)である。
のマーチャンドバランの等価回路図である。
本動作の説明図である。(a)は振幅特性図(計算
値)、(b)位相特性図(計算値)である。
ある。
振幅差・位相差の周波数特性図である。
長に対する動作帯域の関係図(計算値)である。
ーチャンドバラン(コプレーナ線路型)の構成を示す斜
視図である。
のマーチャンドバランの回路構成図(斜視図)である。
のマーチャンドバランの等価回路図である。
成した場合の基本動作の説明図である。(a)は振幅特
性図(計算値)、(b)位相特性図(計算値)である。
波数特性図である。
マーチャンドバラン(コプレーナ線路型)の回路構成図
(斜視図)である。
態のマーチャンドバランの回路構成図(斜視図)であ
る。
態のマーチャンドバランの等価回路図である。
のある伝送線路の一部に結合線路を構成しない伝送線路
を挿入した場合の基本動作の説明図である。(a)は振
幅特性図(計算値)、(b)は位相特性図(計算値)で
ある。
定とした場合の振幅差・位相差の周波数特性図である。
マーチャンドバラン(コプレーナ線路型)の構成を示す
斜視図である。
7実施形態のマーチャンドバランの構成を示す等価回路
図である。
のある伝送線路の一部にインダクタを挿入した場合の基
本動作の説明図である。(a)は振幅特性図(計算
値)、(b)位相特性図(計算値)である。
一定とした場合の振幅差・位相差の周波数特性図であ
る。
ンス型周波数変換器の構成図である。
る。
上の定在波の電圧・電流波形の模式図である。
る。
る。
である。
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 1/4波長の長さを持つ第1の結合線路
の第1端子と1/4波長の長さを持つ第2の結合線路の
第1端子とを接続し、 前記第1の結合線路の第1端子から見て当該第1の結合
線路のアイソレーション端子と、前記第2の結合線路の
第1端子から見て当該第2の結合線路のアイソレーショ
ン端子とをそれぞれ接地し、 前記第2の結合線路の第1端子から見て当該第2の結合
線路の通過端子を開放としたとき、前記第1の結合線路
の第1端子から見て当該第1の結合線路の通過端子から
信号を入力し、前記第1の結合線路の第1端子及び第2
の結合線路の第1端子から見てそれぞれの結合線路の結
合端子から信号を取り出すバラン回路において、 前記第1の結合線路の第1端子と前記第2の結合線路の
第1端子との間に伝送線路を形成したことを特徴とする
バラン回路。 - 【請求項2】 1/4波長の長さを持つ第1の結合線路
の第1端子と1/4波長の長さを持つ第2の結合線路の
第1端子とを接続し、 前記第1の結合線路の第1端子から見て当該第1の結合
線路のアイソレーション端子と、前記第2の結合線路の
第1端子から見て当該第2の結合線路のアイソレーショ
ン端子とをそれぞれ接地し、 前記第2の結合線路の第1端子から見て当該第2の結合
線路の通過端子を開放としたとき、前記第1の結合線路
の第1端子から見て当該第1の結合線路の通過端子から
信号を入力し、前記第1の結合線路の第1端子及び第2
の結合線路の第1端子から見てそれぞれの結合線路の結
合端子から信号を取り出すバラン回路において、 前記第1の結合線路の第1端子と前記第2の結合線路の
第1端子との接続部と接地導体との間に容量を形成した
ことを特徴とするバラン回路。 - 【請求項3】 1/4波長の長さを持つ第1の結合線路
の第1端子と1/4波長の長さを持つ第2の結合線路の
第1端子とを接続し、 前記第1の結合線路の第1の端子から見て当該第1の結
合線路のアイソレーション端子と、前記第2の結合線路
の第1端子から見て当該第2の結合線路のアイソレーシ
ョン端子とをそれぞれ接地し、 前記第2の結合線路の第1端子から見て当該第2の結合
線路の通過端子を開放としたとき、前記第1の結合線路
の第1端子から見て当該第1の結合線路の通過端子から
信号を入力し、前記第1の結合線路の第1端子及び第2
の結合線路の第1端子から見てそれぞれの結合線路の結
合端子から信号を取り出すバラン回路において、 前記第1の結合線路及び第2の結合線路のそれぞれの結
合端子とアイソレーション端子とを持つ方の伝送線路の
一部に、それぞれ結合線路を構成しない伝送線路を挿入
したことを特徴とするバラン回路。 - 【請求項4】 1/4波長の長さを持つ第1の結合線路
の第1端子と1/4波長の長さを持つ第2の結合線路の
第1端子とを接続し、 前記第1の結合線路の第1端子から見て当該第1の結合
線路のアイソレーション端子と、前記第2の結合線路の
第1端子から見て当該第2の結合線路のアイソレーショ
ン端子とをそれぞれ接地し、 前記第2の結合線路の第1端子から見て当該第2の結合
線路の通過端子を開放としたとき、前記第1の結合線路
の第1端子から見て当該第1の結合線路の通過端子から
信号を入力し、前記第1の結合線路の第1端子及び第2
の結合線路の第1端子から見てそれぞれの結合線路の結
合端子から信号を取り出すバラン回路において、 前記第1の結合線路及び第2の結合線路のそれぞれの結
合端子とアイソレーション端子とを持つ方の伝送線路の
一部に、それぞれイングクタを挿入したことを特徴とす
るバラン回路。 - 【請求項5】 講求項1乃至請求項4の何れか1項に記
載のバラン回路において、 前記第1の結合線路及び第2の結合線路は、 半導体基板裏面に接地導体、表面に信号線路を形成する
マイクロストリップ線路で形成されることを特徴とする
バラン回路。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記
載のバラン回路において、 前記第1の結合線路及び第2の結合線路は、 半導体基板表面に接地導体と信号線路の両方を形成する
コプレーナ線路で形成されることを特徴とするバラン回
路。 - 【請求項7】 講求項1乃至請求項4の何れか1項に記
載のバラン回路において、 前記第1の結合線路及び第2の結合線路は、 多層に積層された誘電体膜上に形成されることを特徴と
するバラン回路。 - 【請求項8】 局発信号を180度の位相差で等分配す
る180度信号分配回路と、前記180度信号分配回路
の2出力をそれぞれ受けてIF信号の周波数を変換する
周波数変換器と、前記変換された信号を合成する信号合
成回路とで構成されるバランス型周波数変換器におい
て、 前記180度信号分配回路は、 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のバラン回路
で形成されることを特徴とするバランス型周波数変換
器。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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