JP4905555B2 - 平衡不平衡変換素子 - Google Patents

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Description

この発明は平衡端子と不平衡端子を備える平衡不平衡変換素子に関する。
誘電体基板に1つの1/2波長共振器と2つの1/4波長共振器とを形成して、平衡不平衡変換を行う平衡不平衡変換素子が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
図1に平衡不平衡変換素子としてバランを構成した従来例を示す。バラン101は、複数の誘電体基板を積層したものである。このバラン101は上側面Aと下側面Bに接地電極(不図示)を備え、左側面Cに不平衡端子(不図示)を備え、右側面Dに2つの平衡端子(不図示)を備える。基板105の図示する上面には不平衡パターン102が設けられている。不平衡パターン102は1/2波長共振器を構成する電極である。また、この誘電体基板105の背面に積層される誘電体基板には平衡パターン103Aと平衡パターン103Bが設けられている。平衡パターン103Aと平衡パターン103Bは、それぞれ異なる1/4波長共振器を構成する電極である。
不平衡パターン102は平行に配置された線路部分102A,102Bと、線路部分102A,102Bを接続する線路部分102Cと、接地電極との接続用の引出電極102Dと、不平衡端子との結合用の引出電極102Eと、を含む略U字型形状の電極である。平衡パターン103A,103Bは夫々略I字型形状の電極パターンである。不平衡パターン102の線路部分102A,102Bは、それぞれ第1の誘電体基板を介して平衡パターン103Aまたは平衡パターン103Bに対向する。
このバラン101では、不平衡端子に不平衡信号が入力されると、不平衡信号を平衡信号に変換し、一方の平衡端子から第1の平衡信号を出力し、前記第1の平衡信号と略逆位相の関係にある第2の平衡信号を他方の平衡端子から出力する。
また逆に、2つの平衡端子から平衡信号が入力されると、平衡信号を不平衡信号に変換し、不平衡端子から不平衡信号を出力する。
特開平10−290107号公報
一般に平衡不平衡変換素子の平衡特性は、2つの平衡信号の位相差と振幅差が所望の範囲に収まる周波数帯域の広さによって評価される。
ところが従来例のバラン101では、不平衡パターン102の形状と、平衡パターン103A,103Bの配置が非対称であるため、適正な平衡特性が得られる周波数帯域が狭いという問題があった。
そこでこの発明の目的は、不平衡パターンの形状の設定によって、広い周波数帯域にわたって適正な平衡特性が得られる平衡不平衡変換素子を提供することにある。
この発明の平衡不平衡変換素子は、第1の1/4波長共振線路と第2の1/4波長共振線路と1/2波長共振線路とを、誘電体基板の上面に備える。第1の1/4波長共振線路は、第1の平衡端子に結合する。第2の1/4波長共振線路は、第2の平衡端子に結合する。1/2波長共振線路は、第1の開放端側線路と第2の開放端側線路とを備えて、1/2波長共振器を構成する。第1の開放端側線路は、不平衡端子および第1の1/4波長共振器に結合する。第2の開放端側線路は、第2の1/4波長共振器に結合する。
平衡不平衡変換素子では、電極パターン形状などに非対称性があると、平衡不平衡変換素子における電磁界分布も非対称となり、適正な平衡特性が得られる周波数帯域が狭まる。この構成では、不平衡端子が第2の開放端側線路には結合せずに、第1の開放端側線路にだけ結合するので、電磁界分布の非対称性が生じる。
そこで、この発明では、第1の開放端側線路および第1の1/4波長共振線路の線路間隔と、第2の開放端側線路および第2の1/4波長共振線路の線路間隔と、を相違させる。各線路の線路間隔によって、それらの線路間の容量値は非対称になる。また、各共振器間の結合度が非対称になる。これらの線路間隔のバランスを適切に調整することによって、上記電磁界分布の非対称性を補正できる。したがって、平衡不平衡変換素子における2つの平衡信号の位相差と振幅差を適切にバランスさせて、平衡不平衡変換素子により広い周波数帯域にわたって、位相差と振幅差が一定範囲内に収まる2つの平衡信号を得ることが可能になる。
また、この発明では、第1の開放端側線路の線路幅と、第2の開放端側線路の線路幅と、を相違させる。これらの線路幅によって、1/2波長共振線路はステップ構造となり、共振器長が変化する。また、それにともない、1/2波長共振線路の等価的な短絡端の位置が変化する。各線路幅を適切にバランスさせることによって、上記電磁界分布の非対称性を補正できる。したがって、平衡不平衡変換素子における2つの平衡信号の位相差と振幅差を適切にバランスさせて、平衡不平衡変換素子により広い周波数帯域にわたって、位相差と振幅差が一定範囲内に収まる2つの平衡信号を得ることが可能になる。
1/2波長共振線路の側方に先端が対向し、基端が接地電極に導通する平衡特性調整電極をさらに備えてもよい。平衡特性調整電極を設けることで、1/2波長共振線路の側方に容量が付与され、これにより等価的な短絡端の位置が変化する。平衡特性調整電極により付与する容量の大きさと付与位置とを適切に設定することによって、上記電磁界分布の非対称性を補正できる。したがって、平衡不平衡変換素子における2つの平衡信号の位相差と振幅差を適切にバランスさせて、平衡不平衡変換素子により広い周波数帯域にわたって、位相差と振幅差が一定範囲内に収まる2つの平衡信号を得ることが可能になる。
この発明の平衡不平衡変換素子によれば、2つの平衡信号の位相差と振幅差とを適切に設定して、広い周波数帯域にわたって逆位相の2つの平衡信号を得ることが可能になる。
平衡不平衡変換素子の従来例を説明する図である。 平衡不平衡変換素子の構成例を説明する斜視図である。 シミュレーション結果を示すグラフである。 シミュレーション結果を示すグラフである。
符号の説明
1…平衡不平衡変換素子
2A,2B…ガラス層
10…誘電体基板
11A〜11C…短絡用側面電極
12A〜12C…引出用側面電極
13A,13B,14…共振線路
14A〜14C…線路部
15…接地電極
16C…不平衡端子
16A,16B…平衡端子
17…引出電極
19…平衡特性調整電極
図2は、平衡不平衡変換素子の構成を説明する図であり、同図(A)は、平衡不平衡変換素子の上面側斜視図である。図中の左手前面が平衡不平衡変換素子の正面であり、図中の右手前面が平衡不平衡変換素子の右側面である。
平衡不平衡変換素子1は、UWB(Ultra Wide Band)通信に用いる小型直方体状のバラン素子である。この平衡不平衡変換素子1は、矩形平板状の誘電体基板10の上面側を、ガラス層2A,2Bで被覆した構成である。ガラス層2Bは透光性ガラス層であり、ガラス層2Aは、遮光性ガラス層である。
誘電体基板10は、基板厚みが500μmであり、ガラス層2A,2Bそれぞれは厚みが15μmである。平衡不平衡変換素子1の外形寸法は、正面−背面間が約2.5mm、右側面−左側面間が約2.0mm、上面−下面間が約0.56mmである。
誘電体基板10は、酸化チタン等のセラミックの誘電体からなり、比誘電率が約110の基板である。また、ガラス層2A,2Bは、結晶性SiOまたは硼珪酸ガラス等の絶縁体からなるガラスペーストのスクリーン印刷および焼成により形成した層である。
透光性ガラス層2Bは、誘電体基板10に接するように設けられる。透光性ガラス層2Bは、誘電体基板10に対して強い密着強度を発現して誘電体基板10上の回路パターンの剥離を防ぎ、平衡不平衡変換素子1の耐環境性能を高める。
遮光性ガラス層2Aは、上記透光性ガラス層2Bの上層に無機顔料を含有させガラスを積層したものである。透光性ガラス層2Aは、平衡不平衡変換素子1表面への印字を可能にするとともに、内部の回路パターンの機密保持を実現する。
なお、ガラス層を2層構造にする必要は必ずしも無く、単層構造としてもよい。また、ガラス層を設けないようにしてもよい。誘電体基板10、ガラス層2A,2Bそれぞれの組成および寸法は、誘電体基板10とガラス層2A,2Bとの密着度や耐環境性、周波数特性などを考慮して適宜設定すればよい。
後述する側面電極の印刷時の印刷条件によっては、平衡不平衡変換素子1の上面、即ちガラス層2Aの上面には電極ペーストがはみだすことがある。誘電体基板10の上面側にガラス層2A,2Bを積層しているため、このように電極がはみ出しても、共振線路の接続不要部分が短絡してしまうことを防げる。平衡不平衡変換素子1の下面にも、側面電極の印刷時に電極がはみ出すことがあるが、下面にはみ出した電極は接地電極15や平衡端子16A,16B、不平衡端子16Cに一体化するので問題にはならない。
同図(B)は、誘電体基板10の上面側斜視図である。
誘電体基板10の上面には、共振線路13A,13B,14と引出電極17と平衡特性調整電極19を設けている。共振線路13Bが本発明の第2の1/4波長共振線路に相当する。また、共振線路13Aが本発明の第1の1/4波長共振線路に相当する。これらの電極は、フォトリソグラフィプロセスや焼成プロセスなどにより電極厚みが約6μmの銀電極となるように形成されている。
共振線路13Aは、左側面に平行に延びる長方形状である。共振線路13Aは、誘電体基板10の左側面から一定の間隔だけ離れた位置に設けられている。共振線路13Aは、誘電体基板10の正面側で引出用側面電極12Aに連続し、誘電体基板10の背面側で短絡用側面電極11Aに連続する。
共振線路13Bは、右側面に平行に延びる長方形状である。共振線路13Bは、誘電体基板10の右側面から一定の間隔だけ離れた位置に設けられている。共振線路13Bは、誘電体基板10の正面側で引出用側面電極12Bに連続し、誘電体基板10の背面側で短絡用側面電極11Bに連続する。
共振線路14は、線路部14Aと線路部14Bと線路部14Cとを備える。共振線路14は、本発明の1/2波長共振線路に相当する。線路部14Aは本発明の第1の開放端側線路に相当し、線路部14Bは本発明の第2の開放端側線路に相当する。線路部14Aは共振線路13Aに並行する。線路部14Bは共振線路13Bに並行する。線路部14Cは誘電体基板10の正面に平行に伸び、線路部14Aと線路部14Bとの間をつなぐ。線路部14Cは、正面から一定の間隔だけ離れた位置に設けられている。線路部14Bは、背面側の端で終端している。線路部14Aは、背面側で引出電極17に連続している。共振線路14は線路部14A〜14Cにより湾曲する形状としているので、限られた基板面積内に共振器長の長い1/2波長共振器を構成できる。
引出電極17は、誘電体基板10の背面に沿って延びる。引出電極17は、背面から一定の間隔だけ離れて位置に設けられている。引出電極17は、一端が共振線路14に連続し、他端が誘電体基板の背面側で引出用側面電極12Cに連続する。
平衡特性調整電極19は、誘電体基板10の正面に沿って設けられた電極であり、一端が短絡用側面電極11Cに連続し、他端が線路部14Cに近接する位置で終端されている。
また、誘電体基板10の正面には、引出用側面電極12A,12Bと短絡用側面電極11Cとを設けている。これらの電極は、スクリーン印刷プロセスや焼成プロセスなどにより電極厚みが約15μmの銀電極となるように形成されている。なお、各側面電極は、誘電体基板10の正面だけではなくガラス層2A,2Bの正面にも形成される。
引出用側面電極12Aは、誘電体基板10の左側面から一定の間隔だけ離れて延びる長方形状の電極であり、誘電体基板10の上面側で共振線路13Aに連続し、誘電体基板10の下面側で平衡端子16Aに連続する。
引出用側面電極12Bは、誘電体基板10の右側面から一定の間隔だけ離れて延びる長方形状の電極であり、誘電体基板10の上面側で共振線路13Bに連続し、誘電体基板10の下面側で平衡端子16Bに連続する。
短絡用側面電極11Cは、線路幅の中心が、誘電体基板10の正面における中心(図中の一点鎖線で示す。)と一致して、下面側から上面側に延びる長方形状の電極であり、誘電体基板10の上面側で平衡特性調整電極19に連続し、誘電体基板10の下面側で接地電極15に連続する。
同図(C)は、誘電体基板10の下面側斜視図である。図中の左手前面が平衡不平衡変換素子1の背面であり、図中の右手前面が平衡不平衡変換素子1の右側面である。
誘電体基板10の下面には、接地電極15と平衡端子16A,16Bと不平衡端子16Cとを設けている。これらの電極は、スクリーン印刷プロセスや焼成プロセスなどにより電極厚みが約15μmの銀電極となるように形成されている。
平衡端子16Aは、誘電体基板10の正面側かつ左側面側に設けられた矩形状の電極であり、平衡不平衡変換素子1を実装基板に実装する際に平衡信号の入出力端子の一方に接続される。平衡端子16Aは誘電体基板10の正面側で引出用側面電極12Aに連続する。
平衡端子16Bは、誘電体基板10の正面側かつ右側面側に設けられた矩形状の電極であり、平衡不平衡変換素子1を実装基板に実装する際に平衡信号の入出力端子の他方に接続される。平衡端子16Bは誘電体基板10の正面側で引出用側面電極12Bに連続する。
不平衡端子16Cは、誘電体基板10の背面側の中央に設けられた矩形状の電極であり、平衡不平衡変換素子1を実装基板に実装する際に不平衡信号の入出力端子に接続される。不平衡端子16Cは誘電体基板10の背面側で引出用側面電極12Cに連続する。
接地電極15は、誘電体基板10の下面の、平衡端子16A,16Bと不平衡端子16Cとの近傍を除く略全面に設けられた、ストリップライン共振器の接地電極であり、平衡不平衡変換素子1を実装基板に実装する電極を兼ねるものである。接地電極15は、誘電体基板10の正面側の中央で短絡用側面電極11Cに連続し、誘電体基板10の背面側かつ左側面側で短絡用側面電極11Aに連続し、誘電体基板10の背面側かつ右側面側で短絡用側面電極11Bに連続する。なお、この接地電極15には共振線路14が対向し、引出電極17は対向しない。したがって、共振線路14の線路部14Aと線路部14Bの背面側端部が、共振線路14の開放端となる。
また、誘電体基板10の背面には、引出用側面電極12Cと短絡用側面電極11A,11Bとを設けている。これらの電極は、スクリーン印刷プロセスや焼成プロセスなどにより電極厚みが約15μmの銀電極となるように形成されている。なお、各側面電極は、誘電体基板10の背面だけではなくガラス層2A,2Bの背面にも形成される。
短絡用側面電極11Aは、誘電体基板10の左側面から一定の間隔だけ離れて延びる長方形状の電極であり、誘電体基板10の上面側で共振線路13Aに連続し、誘電体基板10の下面側で接地電極15に連続する。
短絡用側面電極11Bは、誘電体基板10の右側面から一定の間隔だけ離れて延びる長方形状の電極であり、誘電体基板10の上面側で共振線路13Bに連続し、誘電体基板10の下面側で接地電極15に連続する。
引出用側面電極12Cは、線路幅の中心が、誘電体基板10の背面における中心(図中に一点鎖線で示す。)と一致して、下面側から上面側に延びる長方形状の電極であり、誘電体基板10の上面側で引出電極17に連続し、誘電体基板10の下面側で不平衡端子16Cに連続する。
なお、短絡用側面電極11A〜11Cおよび引出用側面電極12A〜12Cは、それぞれ線路幅を等しくしている。また、共振線路13A,13Bの線路幅を等しくしている。これらの線路幅は、平衡不平衡変換素子の必要とする各共振器の周波数特性を実現するために調整すると好適である。
このように平衡不平衡変換素子1を構成することにより、共振線路13Aと共振線路13Bとは、それぞれ接地電極15とともに一端開放、一端短絡の1/4波長共振器を構成する。共振線路14は、接地電極15とともに両端開放の1/2波長共振器を構成する。共振線路13Aと共振線路14とのそれぞれを含んで構成される1/4波長共振器と1/2波長共振器とは互いにインターディジタル結合し、共振線路13Bと共振線路14とのそれぞれを含んで構成される1/4波長共振器と1/2波長共振器とは互いにインターディジタル結合する。また、共振線路13Aを含んで構成される1/4波長共振器は平衡端子16Aに対してタップ結合する。共振線路13Bを含んで構成される1/4波長共振器は平衡端子16Bに対してタップ結合する。共振線路14を含んで構成される1/2波長共振器は不平衡端子16Cに対してタップ結合する。
従ってこの平衡不平衡変換素子1は、平衡端子16A,16Bに入力される平衡信号を、不平衡信号に変換して不平衡端子16Cから出力する。または不平衡端子16Cに入力される不平衡信号を平衡信号に変換して平衡端子16A,16Bから出力する。この平衡不平衡変換素子では、共振線路間をインターディジタル結合によって強く結合させて、周波数帯域の広帯域化を実現している。
また、共振線路13A,13Bの電極厚みを約6μmにしているのに対して、各側面電極の電極厚みを約15μmにしているので、一般に電流集中が生じる共振線路13A,13Bの短絡端側の電流を分散させ、導体ロスを低減させている。この構成によって、平衡不平衡変換素子1は挿入損失が小さい素子になっている。
また、誘電体基板10の正面と背面とでは、各側面電極が合同に形成されている。これにより、各側面電極の印刷時に、誘電体基板10の正面と背面とを区別する必要がなくなり、誘電体基板の向きを完全にそろえなくても、各側面電極を印刷できる。そのため印刷工程を簡易化できる。
さて、この平衡不平衡変換素子1では、共振線路14を誘電体基板10の上面で非対称になるように形成している。具体的には、線路部14Aの線路幅と線路部14Bの線路幅とを相違させ、線路部14Bの線路幅を線路部14Aの線路幅の1.5倍にしている。また、線路部14Aおよび共振線路13Aの線路間隔と線路部14Bおよび共振線路13Bの線路間隔とを相違させ、線路部14Bおよび共振線路13Bの線路間隔を、線路部14Aおよび共振線路13Aの線路間隔の1.5倍にしている。なお、線路部14Cの線路幅については任意の値でよいが、ここでは線路部14Aの線路幅と等しくしている。
線路部14Aの線路幅と線路部14Bの線路幅とを相違させているので、共振線路14はステップ構造になり、その共振器長に比べて線路長が短縮化される。また、その等価的な短絡端の位置が変化している。線路部14Aの線路幅と線路部14Bの線路幅とを適切にバランスさせることによって、平衡不平衡変換素子1の電磁界分布の非対称性を補正できる。
線路部14Aおよび共振線路13Aの線路間隔と線路部14Bおよび共振線路13Bの線路間隔とを相違させているので、線路部14Aと共振線路13Aとの間の結合容量と、線路部14Bと共振線路13Bとの間の結合容量と、が非対称になる。これらの線路間隔を適切にバランスさせることによって、平衡不平衡変換素子1の電磁界分布の非対称性を補正できる。
また、平衡特性調整電極19を誘電体基板10の上面の正面側に設けているので、平衡特性調整電極19の先端付近と、共振線路14の線路部14Cとの間には容量が生じる。共振線路14による1/2波長共振器の等価的な短絡端の位置は、平衡特性調整電極19から付与される容量により、平衡特性調整電極19を設けない場合の位置からずれる。したがって、付与する容量の位置と大きさによって、1/2波長共振器の等価的な短絡端の位置を調整でき、平衡不平衡変換素子1の電磁界分布の非対称性を補正できる。
以上のように、電磁界分布の非対称性を補正することで、平衡端子16Aおよび平衡端子16Bの平衡信号の平衡特性が調整可能になり、広い周波数帯域にわたって2つの平衡信号を所望の範囲以内の位相差と振幅差にできる。
次に、線路部14Aと線路部14Bとの模式的な形状の設定による平衡特性の調整効果を図るためにシミュレーション実験を行った結果例を説明する。
図3(A)は上面電極パターンの模式的な上面図であり、線路部14Aと線路部14Bの線路幅が等しく、線路部14Bと共振線路13Bとの線路間隔L2が、線路部14Aと共振線路13Aとの線路間隔L1の約1.5倍である構成例を示している。
同図(B)に示すグラフは、線路間隔の調整により2つの平衡信号の振幅差(振幅バランス)をシミュレーションした結果を示していて、横軸が周波数を表し、縦軸が2つの平衡信号の振幅差を表している。
図中の実線は、線路部14Bと共振線路13Bとの線路間隔L2を、線路部14Aと共振線路13Aとの線路間隔L1の約1.5倍に調整することにより、振幅バランスを平準化できた本構成例を示す。一方、図中の破線は、線路部14Bと共振線路13Bとの線路間隔L2と、線路部14Aと共振線路13Aとの線路間隔L1とが等しい状態での、振幅バランスの比較例を示す。
シミュレーションの結果によれば、本構成では、比較構成に対して、所定の周波数帯(この例では3.17GHz〜4.75GHz)に亘って2つの平衡信号の振幅差を低減し、所定の周波数帯に亘って振幅差を平坦化できている。このように本実施形態の構成では、線路間隔を適切に設定することにより、平坦な振幅特性を得ている。このように、線路間隔を相違させることで、平衡不平衡変換素子1における2つの平衡信号の振幅差を平坦化でき、広い周波数帯域にわたって、一定範囲内に振幅差が収まる2つの平衡信号が得られる。
同図(C)に示すグラフは、線路間隔の調整により2つの平衡信号の位相差(位相バランス)をシミュレーションした結果を示していて、横軸が周波数を表し、縦軸が2つの平衡信号の位相差を表している。図中の実線は、本構成例を示す。一方、図中の破線は、比較構成例を示す。
シミュレーションの結果によれば、本構成では、比較構成に対して、所定の周波数帯(この例では3.17GHz〜4.75GHz)に亘って2つの平衡信号の位相差を低減し、所定の周波数帯に亘って位相差を平坦化できている。このように本実施形態の構成では、線路間隔を適切に設定することにより、平坦な位相差特性を得ている。このように、線路間隔を相違させることで、平衡不平衡変換素子1における2つの平衡信号の位相差を平坦化でき、広い周波数帯域にわたって、一定範囲内に位相差が収まる2つの平衡信号が得られる。
図4(A)は上面電極パターンの模式的な上面図であり、線路部14Bと共振線路13Bとの線路間隔と、線路部14Aと共振線路13Aとの線路間隔とが等しく、線路部14Aの線路幅L3に比べて、線路部14Bの線路幅L4が約1.5倍である構成例を示している。
同図(B)に示すグラフは、線路幅の調整により2つの平衡信号の振幅差(振幅バランス)をシミュレーションした結果を示していて、横軸が周波数を表し、縦軸が2つの平衡信号の振幅差を表している。
図中の実線は、線路部14B線路幅L4を、線路部14Aの線路幅L3の約1.5倍に調整することにより、振幅バランスを平準化できた本構成例を示す。一方、図中の破線は、線路部14Bの線路幅L4と、線路部14Aの線路幅L3とが等しい状態での、振幅バランスの比較例を示す。
シミュレーションの結果によれば、本構成では、比較構成に対して、所定の周波数帯(この例では3.17GHz〜4.75GHz)に亘って2つの平衡信号の振幅差を低減し、所定の周波数帯に亘って振幅差を平坦化できている。このように本実施形態の構成では、線路幅を適切に設定することにより、平坦な振幅特性を得ている。このように、線路幅を相違させることで、平衡不平衡変換素子1における2つの平衡信号の振幅差を平坦化でき、広い周波数帯域にわたって、一定範囲内に振幅差が収まる2つの平衡信号が得られる。
同図(C)に示すグラフは、線路幅の調整により2つの平衡信号の位相差(位相バランス)をシミュレーションした結果を示していて、横軸が周波数を表し、縦軸が2つの平衡信号の位相差を表している。図中の実線は、本構成例を示す。一方、図中の破線は、比較構成例を示す。
シミュレーションの結果によれば、本構成では、比較構成に対して、所定の周波数帯(この例では3.17GHz〜4.75GHz)に亘って2つの平衡信号の位相差を低減し、所定の周波数帯に亘って位相差を平坦化できている。このように本実施形態の構成では、線路幅を適切に設定することにより、平坦な位相差特性を得ている。このように、線路幅を相違させることで、平衡不平衡変換素子1における2つの平衡信号の位相差を平坦化でき、広い周波数帯域にわたって、一定範囲内に位相差が収まる2つの平衡信号が得られる。
なお、上記した構成例での共振線路や短絡用側面電極の配置構成は製品仕様に応じたものであり、製品仕様に応じたどのような形状であっても良い。本発明は上記構成以外であっても適用でき、多様な平衡不平衡変換素子のパターン形状に採用できる。また、この平衡不平衡変換素子に、他の構成(高周波回路)を配しても良い。

Claims (4)

  1. 第1の平衡端子に結合する第1の1/4波長共振器を構成する第1の1/4波長共振線路と、
    第2の平衡端子に結合する第2の1/4波長共振器を構成する第2の1/4波長共振線路と、
    不平衡端子および第1の1/4波長共振器に結合する第1の開放端側線路と、第2の1/4波長共振器に結合する第2の開放端側線路とを備えて、1/2波長共振器を構成する1/2波長共振線路と、
    を誘電体基板の上面に備える平衡不平衡変換素子であって、
    前記第1の開放端側線路と前記第1の1/4波長共振線路との線路間隔と、前記第2の開放端側線路と前記第2の1/4波長共振線路との線路間隔と、を相違させ
    前記第1の1/4波長共振線路に隣接する前記1/2波長共振線路の開放端側線路の線路幅と、前記第2の1/4波長共振線路に隣接する前記1/2波長共振線路の開放端側線路の線路幅と、を相違させたことを特徴とする平衡不平衡変換素子。
  2. 前記1/2波長共振線路の側方に先端が対向し、基端が接地電極に導通する平衡特性調整電極を備える請求項1に記載の平衡不平衡変換素子。
  3. 第1の平衡端子に結合する第1の1/4波長共振器を構成する第1の1/4波長共振線路と、
    第2の平衡端子に結合する第2の1/4波長共振器を構成する第2の1/4波長共振線路と、
    不平衡端子および第1の1/4波長共振器に結合する第1の開放端側線路と、第2の1/4波長共振器に結合する第2の開放端側線路とを備えて、1/2波長共振器を構成する1/2波長共振線路と、
    を誘電体基板の上面に備える平衡不平衡変換素子であって、
    前記第1の開放端側線路の線路幅と、前記第2の開放端側線路の線路幅と、を相違させたことを特徴とする平衡不平衡変換素子。
  4. 前記1/2波長共振線路の側方に先端が対向し、基端が接地電極に導通する平衡特性調整電極をさらに備える請求項3に記載の平衡不平衡変換素子。
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