JPH10304908A - ボタン等の取付用止め具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生地に取付けたボタンが回動しないよう
に、かつ取付部材がボタンに強固に取付けられるように
したボタン等の取付用止め具を得ること。 【解決手段】 キャップ本体１の収納部内に埋込んだ取
付部材１０のフランジ部１１を、収納部の周縁に形成し
た加締部６によりフランジ部１１のほぼ全面にわたって
加締めると共に、加締部６の表面に回動防止用の突部７
をフランジ部１１の基部より周縁に放射状に突出して形
成して、回動の防止と、取付部材の引張強度を高めるよ
うにしたボタン等の取付用止め具である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、被服、袋物等に用
いるボタン等の取付用止め具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のスナップボタンの止め具として例
えば特開昭６１−１５４５０５号公報に示すように、ボ
タン本体の裏面にハトメ部材を埋込む凹所を設け、その
外周縁部分に外方に突出した周条隆起部を設けて、凹所
に埋込んだハトメ部材の埋込基部を、周条隆起部を加熱
加圧することにより折曲融着してボタン本体に取付ける
ようにしたものが知られており、また実公平７−４８０
８７号公報に示すようにボタンキャップ本体の裏面の凹
所に加締部材を取付けるインサート部材を接着し、この
インサート部材の凹所に加締部材を埋込み、インサート
部材の凹所周縁に起立形成した加締め突起を内方に折曲
変形してインサート部材に加締部材を加締め固定したも
のが知られていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のボタンの止め具
において、前者はハトメ部材の埋込基部の周縁のみを加
締めて固着しているため、ボタン本体とハトメ部材との
引張強度が弱く、また加締部の表面は平滑であって、ボ
タン本体の裏面より凹んだ位置にあるため、ボタンが取
付け生地に対して回動し易くボタンの装飾性を損うこと
があり、特に女性用の薄生地用のボタンの止め具として
は問題があった。また後者のものはインサート部材の凹
所周縁に設けた４個の起立爪によって加締めているため
加締部は凹凸があってボタンは生地に対して回動しにく
いが、ボタン本体と加締部材との引張強度が弱く問題と
なっていた。そこで本発明は従来の問題点を解消して、
生地に取付けたボタンが回動しないようにすると共に取
付部材をボタンに強固に取付けられるようにしたボタン
等の取付用止め具を提供することを目的としたものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、ボタンキャップ本体の裏面中央に形成した
収納部に嵌合した取付部材のフランジ部が、ボタンキャ
ップ本体の収納部の外周縁に形成した加締部によってほ
ぼ全面にわたって加締められていて、その加締部の表面
には回動防止用の突部が形成されているボタン等の取付
用止め具に構成したものである。また回動防止用の突部
に、その裏面に突部と対応した凹部を形成することによ
り回動防止効果を一層高めることができる。さらに回動
防止用の突部の頂部を、ボタンキャップ本体の裏面より
突出して形成することにより回動防止効果を一層高める
ことができる。そして回動防止用の突部は、取付部材の
フランジ部の基部より放射状に形成されているものであ
ってもよい。さらにまた回動防止用の突部が、円錐形に
形成されているものでもよい。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
示す実施例に基いて説明する。図１乃至図７は本発明の
ボタン等の取付用止め具（以下単に止め具と呼ぶ）を示
したもので、実施例として取付部材にスナップ部材を取
付けたものが例示されている。止め具は図２に示すよう
にボタンキャップ本体（以下単にキャップ本体と呼ぶ）
１と取付部材１０からなり、キャップ本体１に取付部材
１０を取付け、その取付部材１０に図７に示すように被
服、袋物等の生地２０に筒状脚部１２を挿通し、裏側よ
りスナップ部材２１または生地取付用座金等の押え部材
を取付けるようにしたものである。キャップ本体１は、
硬質または軟質等の熱加塑性合成樹脂より成形されたも
ので、表面はボタンの装飾部２であり、裏面は取付部材
１０を取付ける取付部３となっている。そして取付部３
は外周近くに環状の凹部４が形成され、中心部には取付
部材１０を取付ける円形の凹部よりなる収納部５が設け
られている。また収納部５の外周縁には図２に示すよう
に上部がキャップ本体１の裏面より突出した筒状の加締
部６が設けられている。取付部材１０は、通常アイレッ
トと呼ばれるもので薄い金属板より構成されていて、図
２に示すように下端には外方に拡ったフランジ部１１が
形成されており、上方は筒状の脚部１２となっていて、
その先端を外方に拡げて、図７に示すようにスナップ部
材２１や生地取付用座金に加締めて生地２０を挟持して
取付けるようにしたものである。図１、図３、図４、図
５はキャップ本体１に取付部材１０を取付けた止め具を
示したもので、取付部材１０のフランジ部１１を加締め
た部分には後記の加締用金型２２によって加締めと同時
に成形した回動防止用の突部７が設けられていて、止め
具を生地２０に取付けた時に止め具が回動しないように
構成されている。この実施例においては突部７はフラン
ジ部１１の基部１４より周縁１３に放射状にのびた８本
の突条が設けられており、その突部７の頂部はキャップ
本体１の裏面よりわずかに突出して形成され、また突部
７の裏面は図６に示すように突部７に対応した凹部８が
形成されていて、回動防止効果を一段と高めるようにな
っている。なお突部７の頂部はキャップ本体１の裏面よ
り突出させなくとも、キャップ本体１の裏面の周縁に設
けた環状の凹部４により、突部７は生地を挟持した時に
生地に食込むために回動防止効果が生ずる。また突部７
の裏面に凹部８がなくとも、加締部６の表面に設けた突
部７によって回動防止作用が働くことには変りがない。
そして加締部６は取付部材１０のフランジ部１１のほぼ
全面を周縁１３から基部１４まで蔽うように加締めてい
るため引張強度が高くキャップ本体１から取付部材１０
が引抜かれて外れることはない。

【０００６】次にキャップ本体１に取付部材１０を取付
ける方法について説明すると、図２に示すようにキャッ
プ本体１の裏面中央に設けた収納部５に取付部材１０の
フランジ部１１を嵌合し、収納部５の外周縁に突出して
いる筒状の加締部６を加締用金型２２により上方より中
心方向に加熱加圧して折曲し、図４に示すように取付部
材１０のフランジ部１１のほぼ全面を蔽うように加締め
て固定するようにしたものである。加締用金型２２は図
８に示すように押圧面２３には中心に取付部材１０の筒
状脚部１２の挿通孔２５が、またその周囲には成形用の
溝部２４が中心より放射状に形成されていて、筒状の加
締部６を加締めると同時に図３に示すように加締部６の
表面に放射状の突部７を形成するようになっている。こ
の放射状の突部７は、生地２０に取付けてボタンとして
使用する時にボタンが回動して表面の装飾部２が見苦し
くならないように回動を防止するように設けたものであ
る。そしてこの突部７の頂部はキャップ本体１の裏面よ
りわずかに突出させて、取付けた生地２０に食い込むよ
うにして一層回動しにくくするようになっている。また
加締工程は、加締用金型２２の成形用溝部２４の深さの
異なるものを、浅いものから深いものと順に数個用いて
キャップ本体１の材料の熱可塑性合成樹脂の融点よりも
低い温度で徐々に成形が行われ、加締部６が徐々に折り
曲げられて突部７が成形されると同時に、図１０に示す
ように突部７の裏側の部分に、矢印Ｄの方向の塑性流動
によって突部７の形状に対応して凹んだ凹部８が形成さ
れるように加締作業が行われる。この突部７の裏側に凹
部８を形成することにより加締部６は一段と弾性力に富
み、キャップを取付けた時に生地２０を弾圧して回動防
止効果が一層良好となる。

【０００７】図１１乃至図１３はキャップ本体１の加締
部６に形成される回動防止用の突部７の他の実施例を示
したもので、図１１は６方向に放射した位置に、突部７
ａの長さと配置位置が異なるように形成したものであ
る。なお突部７ａの夫々の長さ、配置位置は、同種類を
組合せて形成するようにしてもよい。図１２の突部７ｂ
はその形状を円錐形としたものである。図１３は突部７
ｃを放射状に配置する代りに平行になるように配置した
ものである。なお２点鎖線で示した突部７ｄを加えて格
子状に配置して形成してもよい。以上の突部の各実施例
にあっては、突部の裏側は突部の形状に対応した凹部が
形成されている。なお加締部に形成する回動防止用の突
部は、キャップを取付ける生地の種類、キャップの合成
樹脂の種類等によって配置位置、大きさ、形状等を適宜
選択して形成することができるものである。また突部の
裏側の凹部８の形成の有無、および突部７の頂部のキャ
ップ本体の裏面よりの突出の程度、有無も、キャップを
取付ける生地の種類、キャップの合成樹脂の種類等によ
って適宜選択して採用することができるものである。

【０００８】

【発明の効果】本発明は以上のような構成であって、キ
ャップ本体の収納部に嵌合した取付部材のフランジ部
を、加締部によってほぼ全面を蔽って加締めると共に加
締部の表面に回動防止用の突部を形成したため、取付部
材はキャップ本体に強固に取付けられて抜けることがな
く引張強度が高く、またボタンを生地に取付けた時にも
加締部の回動防止用の突部によってボタンの回動が防止
されてボタンの外観を損うことがない。特に簡単な構成
によって高い引張強度と回動防止効果を発揮することが
できるため、薄い生地に取付けるボタンの止め具として
最適である。また回動防止用の突部の裏面に突部と対応
した凹部を設けることにより加締部に弾力性が付加され
て生地を十分押えることができ、突部による回動防止効
果を一層強化できる。さらに回動防止用の突部の頂部を
キャップ本体の裏面より突出して形成することにより突
部による回動防止効果を更に高めることができる。さら
にまた回動防止用の突部をフランジ部の基部より周縁に
放射状に形成したため、加締部の表面の回動方向に対す
る抵抗が大きくなり、突部による高い回動防止効果を発
揮することができる。そして回動防止用の突部を円錐形
に形成することにより、その円錐形の頂部が取付けた生
地に食込み、突部による回動防止効果を高めることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の止め具の斜視図である。

【図２】同じく組立て図である。

【図３】同じく平面図である。

【図４】図３のＡ−Ａ線の断面図である。

【図５】図３のＢ−Ｂ線の断面図である。

【図６】図３のＣ−Ｃ線の断面図である。

【図７】止め具に生地とスナップ部材を取付けた状態の
断面図である。

【図８】加締用金型の断面図である。

【図９】加締用金型による加締直前の要部の断面図であ
る。

【図１０】加締時における凹部形成の説明図である。

【図１１】加締部の回動防止用突部の他の実施例の平面
図である。

【図１２】同じく突部を円錐形とした加締部の平面図で
ある。

【図１３】同じく突部を平行状に、および格子状に形成
した加締部の平面図である。

【符号の説明】 １ キャップ本体 ５ 収納部 ６ 加締部 ７，７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ 突部 ８ 凹部 １０ 取付部材 １１ フランジ部 ２０ 生地 ２２ 加締用金型

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボタンキャップ本体の裏面中央に形成し
   た収納部に嵌合した取付部材のフランジ部が、ボタンキ
   ャップ本体の収納部の外周縁に形成した加締部によって
   ほぼ全面にわたって加締められていて、その加締部の表
   面には回動防止用の突部が形成されているボタン等の取
   付用止め具。
2. 【請求項２】 前記回動防止用の突部の裏面に、突部と
   対応した凹部が形成されている請求項１記載のボタン等
   の取付用止め具。
3. 【請求項３】 前記回動防止用の突部の頂部が、ボタン
   キャップ本体の裏面より突出して形成してある請求項１
   または１、２記載のボタン等の取付用止め具。
4. 【請求項４】 前記回動防止用の突部が、取付部材のフ
   ランジ部の基部より放射状に形成されている請求項１ま
   たは１、２、３記載のボタン等の取付用止め具。
5. 【請求項５】 前記回動防止用の突部が円錐形に形成さ
   れている請求項１または１、２、３記載のボタン等の取
   付用止め具。