JPH0313203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、釦主体の軸部に鋲の柱部を挿入して
衣服の生地等に加締め装着する釦に関し、特に釦
主体のキヤツプに文字、マーク等の方向性を有す
る模様がある釦に関する。

従来の技術 第５図においてＡは釦主体であり、Ｂは鋲であ
る。釦主体Ａは、軸部材１と、平板からなるイン
サート部材２と、前記軸部材１と嵌合するアイレ
ツト部材３と、前記インサート部材２を収納する
本体４と、該本体４及びインサート部材２を覆う
キヤツプ５とを有し、キヤツプ５はインサート部
材２及び本体４に対して加締め取付けされてい
る。そして、インサート部材２、本体４及びキヤ
ツプ５が生地Ｃに対して傾動可能となつていると
共に、軸部材１に形成されている溝６内にインサ
ート部材２の下面より延出する脚部７が嵌り込ん
でいることによつて、インサート部材２、本体４
及びキヤツプ５が軸部材１に対して回転しないよ
うになつており、従つて、キヤツプ５に施された
方向性を有する模様が一定の方向に保たれるよう
になつている。

考案が解決しようとする問題点 しかし、このような釦をジーンズ等の衣服に取
付けて、衣服の色落ちをさせるためストーンウオ
ツシユという水洗いをした際に、小石等が釦に当
たり、その結果、単にインサート部材２に対して
本体４と共にキヤツプ５が加締められているに過
ぎないので、本体４及びキヤツプ５がインサート
部材２に対して回転してしまい、せつかくキヤツ
プ５に施された方向性のある模様が衣服に対して
ゆがんでしまうということがあり、また、小石等
によりキヤツプ５の加締め圧が弱くなり、キヤツ
プ５及び本体４がインサート部材２対して弱い力
でも回転してしまうという問題点を有している。

本考案は上述の点に着目してなされたものであ
つて、釦を取付けた衣服をストーンウオツシユし
た際にも、方向性のある模様を有するキヤツプの
回転を防止するようにした釦を提供することを目
的とするものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点は本考案によれば、インサート部材
の周縁に複数の係止突起を設けて、前記インサー
ト部材に対して本体及びキヤツプが回転しないよ
うにすることにより解決される。

実施例 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図は、本考案に係る釦をそれぞれの部品に
分解した分解断面図であり、Ａは釦主体であつ
て、Ｂは該釦主体Ａを衣服等の生地Ｃに取付ける
ための鋲である。

釦主体Ａは、軸部材１と、平板状のインサート
部材２と、前記軸部材１と嵌合するアイレツト部
材３と、前記インサート部材２を収納する本体４
と、該本体４及びインサート部材２に加締めて嵌
着されるキヤツプ５とからなつており、キヤツプ
５の表面には文字や図柄等の方向性のある模様が
施されている。

前記軸部材１は略キノコ状をしており、中心部
に上下に貫通する孔１０を有していると共に、係
止突縁部１１の外周側の対面する２個所に上下方
向に延びる溝６，６が形成されている。前記孔１
０は、上部が下部よりも径大となつており、鋲Ｂ
の先端部が加圧され膨大となつたとき係止するよ
うになつている。

前記インサート部材２は、互いに対面して下方
に延びる２個の脚部７，７を有し、該脚部７，７
は前記軸部材１の溝６，６に各々遊嵌するように
なつており、軸部材１に対してインサート部材２
が回転しないようになつている。また、インサー
ト部材２の周縁には下方向に傾斜する斜面２ａが
形成され、かつ該周縁には、本体４及びキヤツプ
５をインサート部材２に対して加締め固着した際
（第３図）、インサート部材２に対して本体４及び
キヤツプ５が回転しないように係止突起１２，１
２が複数個形成されている（第２図参照）。なお
前記脚部７，７は、図示の例では２個であるが、
１個であつても軸部材１に対してインサート部材
２が回転しないという目的は達成される。前記ア
イレツト部材３は、筒部１３の下端に生地Ｃに装
着された状態において、生地Ｃと接触する外向き
の接触フランジ１４を有しており、筒部１３に軸
部材１の係止突縁部１１よりも下方の部分が上部
から嵌入するようになつている。

前記本体４は、筒状部１５の下端に、軸部材１
の係止突縁部１１の下面に係止する内向きの係止
フランジ１６を有し、筒状部１５の上部には、前
記インサート部材２を収納する外向きの収納フラ
ンジ１７が形成されている。該収納フランジ１７
は、その外周縁部１８が斜め上方に屈曲されて皿
状になつている。

キヤツプ５は、前記収納フランジ１７との間に
インサート部材２を挾圧した状態に、本体４の収
納フランジ１７の外周縁部１８に嵌着されて、本
体４と一体化されている。この収納フランジ１７
の外周縁部１８は前記インサート部材２の斜面２
ａとフイツトするよう上方に拡大する傾斜面１８
ｂとなつている。１９は、生地Ｃへの釦の取付け
時に方向決めをするための舌片である。

なお、軸部材１、インサート部材２、アイレツ
ト部材３、本体４及びキヤツプ５は黄銅や鉄等の
金属で作られており、特にインサート部材２は本
体４及びキヤツプ５より厚く作られており非弾性
体である。

作 用 この釦主体Ａは、軸部材をその係止突縁部１１
が上方となる状態に本体４の筒状部１５に上方か
ら挿通し、インサート部材２をその脚部７，７が
軸部材１の溝６，６に遊嵌した状態に本体４の収
納フランジ１７に収納し、キヤツプ５を本体４に
被せて収納フランジ１７の外周縁部１８に加締め
嵌着し、アイレツト部材３を本体４に下部から挿
入して軸部材１の下部をアイレツト部材３に嵌入
することにより組み立てられる。

この組み立てにおいて、キヤツプ５を収納フラ
ンジ１７の外周縁部１８に加締め嵌着する際、イ
ンサート部材２の周縁に複数の係止突起１２，１
２を有しているので、この係止突起１２，１２に
より収納フランジ１７の外周縁部１８が第３図に
示されるように係止突起１２，１２の形状に対応
した形状に喰い込まれて係止突部１８ａ，１８ａ
が形成され、さらに該係止突部１８ａ，１８ａに
よりキヤツプ５が喰い込まれることによつて、本
体４とキヤツプ５とはインサート部材２に対して
回転不能に一体的に加締め嵌着されることとな
る。この加締作業の際、インサート部材２の斜面
２ａと本体４の傾斜面１８ｂとがフイツトし、か
つインサート部材２が非弾性であるためインサー
ト部材２が支持台としての役目を果すのでインサ
ート部材２に対して本体とキヤツプ５とは安定か
つ確実に加締め付けられる。

なお、第４図に示されるように、インサート部
材２の周縁に設けた係止突起１２，１２が直接キ
ヤツプ５に喰い込むようにしてもよく、この場合
においても方向性のある模様を有するキヤツプ５
はインサート部材２に対して回転しないように嵌
着される。

考案の効果 以上のように本考案によれば、インサート部材
の周縁を斜面とし、該周縁に複数の係止突起を設
け、本体フランジの外周縁部を前記インサート部
材の周縁の斜面とフイツトするよう傾斜面とし、
該インサート部材に対して本体とキヤツプとを一
体的に加締め嵌着するようにしたので、インサー
ト部材に対して本体とキヤツプとが完全に回転が
防止されると共に、インサート部材に対する加締
め固定が確実かつ安定に取付けられ、このような
釦を取付けた衣服をストーンウオツシユしたとし
ても、方向性のある模様を施されたキヤツプは一
定の方向性を保ち、見苦しいものとはならないと
いう実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る釦の分解断面図、第２
図は、第１図における−線視図、第３図は、
本考案に係る釦を組み立てて生地に取付けた状態
を示す断面図、第４図は、本考案の要部に係る他
の例を示す要部拡大断面図、第５図は、従来にお
ける釦の断面図である。 Ａ……釦主体、Ｂ……鋲、１……軸部材、２…
…インサート部材、３……アイレツト部材、４…
…本体、５………キヤツプ、１２……係止突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 釦主体Ａと、該釦主体Ａの孔１０に挿入する鋲
   Ｂとからなり、前記釦主体Ａが軸部材１と、該軸
   部材１に回転不能に係止される平板からなるイン
   サート部材２と、前記軸部材１と嵌合するアイレ
   ツト部材３と、前記インサート部材２を収納する
   本体４と、該本体４及びインサート部材２を加締
   め覆うキヤツプ５とからなる釦において、 前記インサート部材２を金属製からなる非弾性
   体としその周縁には下方に傾斜する斜面２ａを形
   成し、該周縁に複数の係止突起１２，１２を設け
   ると共に、前記本体４の収納フランジ１７の外周
   縁部１８に前記斜面２ａと対応する傾斜面１８ｂ
   を形成し、インサート部材２に対して本体４及び
   キヤツプ５が回転しないよう加締め取付けしたこ
   とを特徴とする釦。