JP2805015B2 - くるみ釦の脚座 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、くるみ釦を製作す
る際に、その脚座の上面にくるみ釦の布地の押え金具の
内周突縁を布地と共に容易確実に圧入止着できるように
構成されたくるみ釦の脚座に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のくるみ釦のプラスチック製の脚座
は、円形の座板の上面にリング状の溝を設けて構成され
ており、この溝にリング状の布押え金具の内周突縁の先
端を圧入して布地を被覆止着するように構成されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
脚座の場合は、座板の上面に設けた溝にリング状の布押
え金具の内周突縁を布と共に嵌入するだけの手段によ
り、座板の上面に配置した布地及び押え金具に被覆され
た布地の端縁を止着しているため、その止着力は不十分
であって、仮令、押え金具の外周突縁を座板の外周側に
カシメ着けてあっても、押え金具の内周突縁で座板の上
面に止着されていた布地は溝から離脱し易く、釦の掛
け、外しを繰返すうちに座板及び押え金具から外れて皺
が寄ったり、形崩れしたりして、くるみ釦としての外観
を著しく損うという問題があった。

【０００４】本発明は、上記の問題を解決することを課
題として開発されたものであって、くるみ釦の布地を、
くるみ釦の座板の上面に押え金具の内周突縁によって容
易確実に止着できるくるみ釦の脚座を提供することを目
的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、そ
の目的を達成する手段として、本発明は、座板の下面中
央部に縫着用の脚部を一体に突設して形成したくるみ釦
の脚座において、座板の上面周域に布押え金具の内周突
縁の先端部を嵌入するエンドレス状の溝を設けると共
に、該溝内に、座板の半径方向に山の峯を有する上辺が
尖った複数の山形状の小突起を適宜の間隔ごとに突設
し、且つ全体をプラスチックで一体に形成したことを特
徴とするくるみ釦の脚座を提供するものである。

【０００６】また、本発明は、上記のように構成したく
るみ釦の脚座において、座板を円形に形成すると共に、
溝をリング状に形成したくるみ釦の脚座を提供するもの
である。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明すれば、図１〜図５及び図８にお
いて、１はくるみ釦の脚座であって、円形の座板２と、
図２及び図３に示すように、該座板２の下面中央部に突
設した縫着孔３ａを有する脚部３とから構成されてお
り、この座板２と脚部３は比較的硬質のナイロン樹脂に
より一体に金型成形されている。

【０００８】また、上記座板２の上面周域には、その金
型成形時に、図１及び図３〜図５に示すように、後述す
るリング状の布押え金具の内輪壁の先端部を嵌入するた
めの細巾のリング状の溝４が設けられており、さらに、
該溝４内には、図１、図３及び図５に示すように、座板
２の半径方向に山の峯を有する上辺が鋭角状に尖った多
数の山形状の小突起５…５が一定の間隔ごとに突設され
ており、また、座板２の外側周面には、図２〜図４に示
すように、下方に向って次第に狭窄するテーパー面６が
形成されており、このようにして本発明の実施の形態に
係るくるみ釦の脚座１を構成したものである。

【０００９】また、図６及び図７は、上記座板２の上面
及び周面に、後述する装飾用の布地Ｃ_１，Ｃ_２を被覆す
るためのリング状の布押え金具７を示しており、この布
押え金具７は、図７に示すように、外側に布地抱持用の
外周突縁７ａから成る外輪壁を備え、内側に外周突縁７
ａよりも短い布地圧着用の内周突縁７ｂから成る内輪壁
を備えた、断面形状が異形逆Ｕ字形状のリング体で構成
されている。

【００１０】次に、前記のように構成した脚座１を用い
てくるみ釦を製作する場合について説明すれば、図８に
示すように、脚座１の円形の座板２の上面に、座板２と
略々同じ大きさの円形の上面装飾用の布地Ｃ_１を載置し
た後、周面装飾用の布地Ｃ_２により被覆された上記布押
え金具７を座板２の上面に被嵌し、まづ布押え金具７の
内周突縁７ｂの先端部を布地Ｃ_２と共に座板２のリング
状の溝４内に圧入すると、内周突縁７ｂの先端部は、座
板２の上面の布地Ｃ_１と周面の布地Ｃ_２を溝４内に押込
み、次いで溝４内の各山形状のナイロン樹脂から成る小
突起５…５の尖った上辺に確実に喰込んで、図８及び図
９に示す喰込まれた谷形の凹所８内に布地Ｃ_１，Ｃ_２を
伴って強力に圧入止着されて妄りに離脱することはな
い。

【００１１】また、布押え金具７の外周突縁７ａは、そ
の外側から内方にカシメられることにより、図８に示す
ように、座板２の外周側のテーパー面６に布地７ａの端
部を捲込んだ状態で圧着され、このようにして座板２の
上面及び布押え金具７の外面を布地Ｃ_１，Ｃ_２で被覆し
たくるみ釦を容易確実に製作できるものであって、座板
２及び布押え金具７に被覆された飾り布地Ｃ_１，Ｃ
_２は、溝５内に突設した複数のナイロン樹脂製の山形状
の小突起５の尖った上辺に形設された図８及び図９に示
す谷形の凹所８内に、布押え金具７の内周突縁７ｂの先
端部と共に圧入状態で圧着されて、強力且つ容易に取着
けられるものである。

【００１２】以上、本発明の主要な実施の形態について
説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるも
のではなく、例えば、溝４内に突設された小突起５は上
辺が尖った山形状を呈しているので、押え金具７の突縁
の加圧による喰込みは確実に行われる関係から、脚座を
構成しているプラスチックは硬質のナイロン樹脂に限定
されるものではなく、各種の硬質のプラスチックを使用
できるものであり、要するに本発明の目的を達成できる
ものであれば、要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更
が可能であることは当然である。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、座板の下面中央部に縫着用の
脚部を一体に突設して形成したくるみ釦の脚座におい
て、座板の上面周域に布押え金具の内周突縁の先端部を
嵌入するエンドレス状の溝を設けると共に、該溝内に、
座板の半径方向に山の峯を有する上辺が尖った複数の山
形状の小突起を適宜の間隔ごとに突設し、且つ全体をプ
ラスチックで一体に形成したことを特徴とするくるみ釦
の脚座に係わり、上記のようにして使用されるものであ
るから、既述した従来のくるみ釦の脚座によっては達成
できない次の効果を奏する。

【００１４】（１） 布押え金具の内周突縁の先端部
は、座板の上面に形成した溝の全底面を加圧するもので
はなく、複数の山形状の小突起の上辺を集中的に加圧す
るものであるから、金具の先端部の喰込み度合を向上で
き、布地及び金具を容易確実に脚座に圧入止着できる。

【００１５】（２） 山形状の小突起の上辺は尖ってい
るので、金具の先端部の喰込みは一層容易確実に行わ
れ、上記の効果を増大できるものであり、また硬質のプ
ラスチックの使用も可能になるため、脚座全体の強度を
向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す平面図である。

【図２】その正面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図５】上面側から見た要部の斜視図である。

【図６】布押え金具の平面図である。

【図７】図６のＣ−Ｃ線に沿う断面図である。

【図８】使用状態を示す一部省略拡大断面図である。

【図９】山形状小突起に形成される喰込み凹みの説明図
である。

【符号の説明】

１ くるみ釦の脚座 ２ 座板 ３ 脚部 ３ａ 縫着孔 ４ エンドレス状の溝 ５ 山形状の小突起 ６ テーパー面 ７ 布押え金具 ７ａ 外周突縁 ７ｂ 内周突縁 ８ 谷形の凹部 Ｃ₁ 上面装飾用布地 Ｃ₂ 周面装飾用布地

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 座板の下面中央部に縫着用の脚部を一体
   に突設して形成したくるみ釦の脚座において、座板の上
   面周域に布押え金具の内周突縁の先端部を嵌入するエン
   ドレス状の溝を設けると共に、該溝内に、座板の半径方
   向に山の峯を有する上辺が尖った複数の山形状の小突起
   を適宜の間隔ごとに突設し、且つ全体をプラスチックで
   一体に形成したことを特徴とするくるみ釦の脚座。
2. 【請求項２】 座板を円形に形成すると共に、溝をリン
   グ状に形成した請求項１に記載のくるみ釦の脚座。