JPH10141480A - 自動変速機の潤滑油制御装置 - Google Patents

自動変速機の潤滑油制御装置

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JPH10141480A
JPH10141480A JP8309893A JP30989396A JPH10141480A JP H10141480 A JPH10141480 A JP H10141480A JP 8309893 A JP8309893 A JP 8309893A JP 30989396 A JP30989396 A JP 30989396A JP H10141480 A JPH10141480 A JP H10141480A
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pressure
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孝之 久野
Kazumasa Tsukamoto
一雅 塚本
Masahiro Hayabuchi
正宏 早渕
Satoru Kasuya
悟 糟谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動変速機の変速機構部での発熱量を算出
し、それに基づく潤滑油量の供給で、伝動効率の低下と
摩擦係合要素の温度上昇を防止する。 【解決手段】 自動変速機は、変速機構Mの各部に潤滑
油を供給し、変速機構部で発生する熱を潤滑油に吸収さ
せて回収する潤滑装置を備える。潤滑油制御装置は、変
速機構Mの作動状態を検出する検出手段41〜46と、
検出された変速機構Mの作動状態から、変速機構部での
発熱量を算出し、算出された発熱量に基づいて必要潤滑
油量を決定する決定手段3と、決定された必要潤滑油量
に基づいて変速機構部に潤滑油を供給する供給手段5と
を有し、変速機構部の作動状態に応じた最適な潤滑油量
を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の潤滑
油制御装置に関し、特に、変速機構部の状況に応じて潤
滑油量を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機には、その変速のため
の摩擦係合要素を係合解放操作するために、摩擦係合要
素の油圧サーボを制御するライン圧を電子制御装置から
出力されるソレノイド信号に基づいて供給する油圧制御
装置が設けられているが、この油圧制御装置は、トルク
コンバータ内での動力伝達のためのセカンダリ圧と、変
速機構各部の潤滑のための潤滑圧の供給手段も兼ねてい
る。したがって、通常、油圧制御装置には、ポンプ吐出
圧をライン圧に調圧するプライマリレギュレータ弁と、
その余剰圧をセカンダリ圧に調圧するセカンダリレギュ
レータ弁とが設けられ、セカンダリレギュレータ弁の調
圧動作による余剰圧が潤滑圧として機構各部に供給され
る。
【0003】こうしたセカンダリレギュレータ弁の調圧
動作を制御する1つの方式として、セカンダリレギュレ
ータ弁にスロットル圧を印加する特開昭58−2210
60号公報(従来技術1)に開示の技術があり、この技
術では、潤滑圧は、スロットル開度に応じて調圧される
ことになるので、機構各部に供給される潤滑油量は、実
質的に変速機への入力トルクに応じた、すなわち車両走
行負荷に応じたものとなる。
【0004】他方、セカンダリレギュレータ弁をガバナ
圧の印加で調圧動作させる特開昭58−221060号
公報(従来技術2)に開示の技術もあり、この技術で
は、潤滑圧は、車速に応じて変化することになるので、
潤滑油量も車速に応じたものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、潤滑油は、
その大部分が変速機構の歯車の噛み合い部や摩擦係合要
素での発熱を冷却するために用いられる。そのため従来
技術1では、負荷条件の指標を入力トルクに置いて、ス
ロットル開度に応じた量の潤滑油を供給し、従来技術2
では、負荷条件の指標を回転速度において、車速に応じ
た量の潤滑油を供給しているわけであるが、上記のよう
な発熱量は、更に詳しくみると、機構の各部分ごとに異
なり、必ずしもスロットル開度や車速の大小に応じて一
律に決まるものではない。
【0006】すなわち、変速が生じない定常走行時につ
いてみると、発熱量は、動力ロスに依存しており、この
ロス分は変速機構が達成する変速段ごとで異なる。この
点に関して、従来の方法では、変速段を考慮していない
ために、どの変速段でも十分な潤滑による冷却を行ない
得るように、ロスの大きな変速段に合わせて潤滑油量を
設定する必要があり、ロスの小さな変速段の達成時では
潤滑油量が過多となり、その必要以上の潤滑油が変速機
構の回転部材により攪拌されて引きずり抵抗となり、変
速機の効率低下を招く。
【0007】また、変速時についてみると、変速中は、
係合解放動作に伴い摩擦係合要素で発熱が生じるので、
この発熱を速やかに冷却するには、変速時に潤滑油量を
増す必要があるが、従来の技術では、変速時に特に潤滑
油量を増大させるといった制御を行なうことはできな
い。そのため、摩擦係合要素の冷却速度は遅く、例え
ば、変速が頻繁に生じるビジーシフト時には、摩擦係合
要素の温度が上昇し、変速特性を悪化させる可能性があ
る。そこで、こうした変速時の冷却も考慮して、定常走
行時の油量を増加させることで摩擦係合要素の温度上昇
の問題を解決することになるが、こうした潤滑油量の設
定は、上述の伝動効率の低下を一層助長する。
【0008】そこで、本発明は、変速機構部での発熱量
を算出して、それに基づいた潤滑油量を供給することに
より、伝動効率の低下と摩擦係合要素の温度上昇を防止
する自動変速機の潤滑油制御装置を提供することを第1
の目的とする。
【0009】更に、本発明は、各変速段に応じた発熱量
を算出することで、供給油量を変速段ごとの駆動ロスに
より対応させたものとすることを第2の目的とする。
【0010】更に、本発明は、変速機構の作動状態を複
数の情報から総合的に検知して、より正確に発熱量を算
出することを第3の目的とする。
【0011】更に、本発明は、変速時の摩擦係合要素で
の発熱量を算出することで、供給油量を、摩擦係合要素
の係合解放動作に伴う発熱量に対応したものとすること
を第4の目的とする。
【0012】ところで、変速に際して係合される側の摩
擦係合要素は、係合過程の潤滑油量を増加させても、係
合終了までの間に必ずしも十分に冷却されるとは限ら
ず、しかも、係合後は解放時に比べて冷却が困難にな
る。そこで、本発明は、潤滑油の増加供給を変速終了後
も適宜継続することで、確実に摩擦係合要素の冷却を行
なうことを第5の目的とする。
【0013】更に、本発明は、上記の変速終了後の増加
供給を潤滑油温度が高いときに延長することで、より確
実に摩擦係合要素の冷却を行なうことを第6の目的とす
る。
【0014】ところで、個々の変速時には、摩擦係合要
素を冷却するに足る潤滑油量の供給を行なったとして
も、変速が頻繁に行なわれて変速間隔が短くなると、摩
擦係合要素に熱が蓄積する可能性がある。そこで、本発
明は、こうしたビジーシフト時への対応も可能な潤滑油
の供給を行なうことを第7の目的とする。
【0015】更に、本発明は、上記第1〜第7の目的に
沿った潤滑油量の制御を、従来のように摩擦係合要素を
係合解放操作するためのライン圧制御に拘束されること
なく、独立して行なうことを第8の目的とする。
【0016】次に、本発明は、変速機構部での発熱量が
各変速段ごとの駆動ロスにより異なるのに合わせて、各
変速段に応じた潤滑油量を決定することで、それぞれの
変速段において、潤滑油量を必要以上に増加させないよ
うにして伝動効率の低下を防ぐ自動変速機の潤滑油制御
装置を提供することを第9の目的とする。
【0017】更に、本発明は、上記第9の目的に沿った
潤滑油量の決定を、変速機構の作動状態を表す複数の情
報に基づいて行い、より実情に合わせたものとすること
を第10の目的とする。
【0018】更に、本発明は、上記第9及び第10の目
的を達成するために、変速機構の作動状態として、摩擦
係合要素の作動を考慮して、供給油量を決定すること
で、より発熱量に対応したものとすることを第11の目
的とする。
【0019】更に、本発明は、上記第9及び第10の目
的を達成するために、変速時に供給油量を増量すること
で、発熱量への対応を簡単にすることを第12の目的と
する。
【0020】更に、本発明は、上記第9〜第12の目的
を達成するために、潤滑油の増加供給を変速終了後も適
宜継続することで、確実に摩擦係合要素の冷却を行なう
ことを第13の目的とする。
【0021】更に、本発明は、上記第9〜第13の目的
を達成するために、変速終了後の増加供給を潤滑油温度
が高いときに延長することで、より確実に摩擦係合要素
の冷却を行なうことを第14の目的とする。
【0022】更に、本発明は、上記第9〜第14の目的
を達成したうえで、ビジーシフト時への対応も可能な潤
滑油の供給を行なうことを第15の目的とする。
【0023】更に、本発明は、上記第9〜第15の目的
に沿った潤滑油量の制御を、摩擦係合要素を係合解放操
作するためのライン圧制御に拘束されることなく、独立
して行なうことを第16の目的とする。
【0024】次に、本発明は、変速中は摩擦係合要素で
の発熱量が大きくなるのに合わせて、潤滑油量を増加さ
せ、変速時の摩擦係合要素部での発熱を速やかに低下さ
せる自動変速機の潤滑油制御装置を提供することを第1
7の目的とする。
【0025】更に、本発明は、上記第17の目的を達成
するために、変速機構の作動状態として、摩擦係合要素
の作動を考慮することで、供給油量を、より発熱量に対
応したものとすることを第18の目的とする。
【0026】更に、本発明は、上記第17及び第18の
目的を達成するために、潤滑油の増加供給を変速終了後
も適宜継続することで、確実に摩擦係合要素の冷却を行
なうことを第19の目的とする。
【0027】更に、本発明は、上記第17、第18及び
第19の目的を達成するために、変速終了後の増加供給
を潤滑油温度が高いときに延長することで、より確実に
摩擦係合要素の冷却を行なうことを第20の目的とす
る。
【0028】更に、本発明は、上記第17〜第20の目
的を達成したうえで、ビジーシフト時への対応も可能な
潤滑油の供給を行なうことを第21の目的とする。
【0029】更に、本発明は、上記第17〜第21の目
的に沿った潤滑油量の制御を、摩擦係合要素を係合解放
操作するためのライン圧制御に拘束されることなく、独
立して行なうことを第22の目的とする。
【0030】更に、本発明は、上記第17の目的を達成
するために、潤滑油の増加供給を変速終了後も適宜継続
することで、確実に摩擦係合要素の冷却を行なうことを
第23の目的とする。
【0031】更に、本発明は、上記第17及び第23の
目的を達成するために、変速終了後の増加供給を潤滑油
温度が高いときに延長することで、より確実に摩擦係合
要素の冷却を行なうことを第24の目的とする。
【0032】更に、本発明は、上記第17、第23及び
第24の目的に沿った潤滑油量の制御を、摩擦係合要素
を係合解放操作するためのライン圧制御に拘束されるこ
となく、簡単な構成で独立して行なうことを第25の目
的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するため、本発明は、変速機構の各部に潤滑油を供給
し、変速機構部で発生する熱を潤滑油に吸収させて回収
する潤滑装置を備える自動変速機の潤滑油制御装置にお
いて、変速機構の作動状態を検出する検出手段と、検出
された変速機構の作動状態から、変速機構部での発熱量
を算出し、算出された発熱量に基づいて必要潤滑油量を
決定する決定手段と、決定された必要潤滑油量に基づい
て変速機構部に潤滑油を供給する供給手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0034】上記の第2の目的を達成するため、前記決
定手段は、変速機構により達成される各変速段に基づい
て変速機構部の発熱量を算出する構成とされる。
【0035】上記の第3の目的を達成するため、前記決
定手段は、変速機構により達成される各変速段と、変速
機構への入力トルクと、変速機構への入力回転数に基づ
いて変速機構部の発熱量を算出する構成とされる。
【0036】上記の第4の目的を達成するため、変速中
か否かを判断する判断手段を有し、前記決定手段は、判
断が変速中のときに、該変速中に係合及び/又は解放さ
れる摩擦係合要素での発熱量に基づいて発熱量を算出す
る構成とされる。
【0037】上記の第5の目的を達成するため、前記決
定手段は、変速終了後所定時間の間、発熱量に基づく潤
滑油量に所定量を加えて必要潤滑油量とする構成とされ
る。
【0038】上記の第6の目的を達成するため、前記所
定時間は、潤滑油の温度が高いときには長く設定され
る。
【0039】上記の第7の目的を達成するため、変速の
間隔を検出する間隔検出手段を有し、前記決定手段は、
変速の間隔が短いときには、変速終了後の前記所定時間
の間、必要潤滑油量を増加補正する構成とされる。
【0040】上記の第8の目的を達成するため、前記供
給手段は、油圧源と、該油圧源からの油圧をライン圧に
調圧する第1の調圧弁と、ライン圧を基圧として信号圧
に応じて潤滑油圧を出力する第2の調圧弁と、該第2の
調圧弁からの潤滑油をオリフィスを介して変速機構部に
供給する油路と、第2の調圧弁に信号圧を印加するソレ
ノイド弁と、オリフィスを通る油量が必要潤滑油量とな
る潤滑油圧となるように、前記ソレノイド弁に電気信号
を出力する出力手段とを有する構成とされる。
【0041】上記の第9の目的を達成するため、本発明
は、変速機構の各部に潤滑油を供給し、変速機構部で発
生する熱を潤滑油に吸収させて回収する潤滑装置を備え
る自動変速機の潤滑油制御装置において、少なくとも変
速段を含む変速機構の作動状態を検出する検出手段と、
検出された変速段に基づいて必要潤滑油量を決定する決
定手段と、決定された必要潤滑油量に基づいて変速機構
部に潤滑油を供給する供給手段を有することを特徴とす
る。
【0042】上記の第10の目的を達成するため、前記
決定手段は、変速機構の変速段に加え、変速機構への入
力トルクと、変速機構への入力回転数に基づいて必要潤
滑油量を決定する構成とされる。
【0043】上記の第11の目的を達成するため、変速
中か否かを判断する判断手段を有し、前記決定手段は、
判断が変速中のときに、該変速中に係合及び/又は解放
される摩擦係合要素の発熱量に基づいて必要潤滑油量を
決定する構成とされる。
【0044】上記の第12の目的を達成するため、変速
中か否かを判断する判断手段を有し、前記決定手段は、
判断が変速中のときに、必要潤滑油量を増加させる構成
とされる。
【0045】上記の第13の目的を達成するため、前記
決定手段は、変速終了後所定時間の間、必要潤滑油量を
増加させる構成とされる。
【0046】上記の第14の目的を達成するため、前記
所定時間は、潤滑油の温度が高いときには長く設定され
る。
【0047】上記の第15の目的を達成するため、変速
の間隔を検出する間隔検出手段を有し、前記決定手段
は、変速の間隔が短いときには、変速終了後の前記所定
時間の間、必要潤滑油量を増加補正する構成とされる。
【0048】上記の第16の目的を達成するため、前記
供給手段は、油圧源と、該油圧源からの油圧をライン圧
に調圧する第1の調圧弁と、ライン圧を基圧として信号
圧に応じて潤滑油圧を出力する第2の調圧弁と、該第2
の調圧弁からの潤滑油をオリフィスを介して変速機構部
に供給する油路と、第2の調圧弁に信号圧を印加するソ
レノイド弁と、オリフィスを通る油量が必要潤滑油量と
なる潤滑油圧となるように、前記ソレノイド弁に電気信
号を出力する出力手段とを有する構成とされる。
【0049】上記の第17の目的を達成するため、本発
明は、変速機構の各部に潤滑油を供給し、変速機構部で
発生する熱を潤滑油に吸収させて回収する潤滑装置を備
える自動変速機の潤滑油制御装置において、変速機構の
作動状態を検出する検出手段と、検出された作動状態か
ら変速中か否かを判断する判断手段と、判断が変速中の
ときに、変速機構部への潤滑油量を増加させる増加手段
を有することを特徴とする。
【0050】上記の第18の目的を達成するため、前記
増加手段は、変速中に係合及び/又は解放される摩擦係
合要素での発熱量に基づいて潤滑油量を増加させる構成
とされる。
【0051】上記の第19の目的を達成するため、前記
増加手段は、変速終了後所定時間の間、潤滑油量を増加
させる構成とされる。
【0052】上記の第20の目的を達成するため、前記
所定時間は、潤滑油の温度が高いときには長く設定され
る。
【0053】上記の第21の目的を達成するため、変速
の間隔を検出する間隔検出手段を有し、前記決定手段
は、変速の間隔が短いときには、変速終了後の前記所定
時間の間、潤滑油量を増加補正する構成とされる。
【0054】上記の第22の目的を達成するため、前記
供給手段は、油圧源と、該油圧源からの油圧をライン圧
に調圧する第1の調圧弁と、ライン圧を基圧として信号
圧に応じて潤滑油圧を出力する第2の調圧弁と、該第2
の調圧弁からの潤滑油をオリフィスを介して変速機構部
に供給する油路と、第2の調圧弁に信号圧を印加するソ
レノイド弁と、潤滑油量を増加させるための潤滑油圧と
なるように、前記ソレノイド弁に電気信号を出力する出
力手段とを有する構成とされる。
【0055】上記の第23の目的を達成するため、前記
増加手段は、変速終了後所定時間の間、変速機構部への
潤滑油量を増加させる構成とされる。
【0056】上記の第24の目的を達成するため、前記
所定時間は、潤滑油の温度が高いときには長く設定され
る。
【0057】上記の第25の目的を達成するため、前記
増加手段は、油圧源からの潤滑油を変速機構部に供給す
る油路に設けられ、オリフィスの開口面積を増大させる
手段とされる。
【0058】
【発明の作用及び効果】上記請求項1記載の構成では、
変速機構部での発熱量を算出して必要潤滑油量を決定し
ているので、潤滑油量を必要以上に増加させる必要がな
く、油の攪拌による変速機の伝達効率の低下を防止する
ことができるとともに、摩擦係合要素の温度上昇を防止
することができる。
【0059】更に、請求項2記載の構成では、必要潤滑
油量を変速段ごとに異なる駆動ロス、すなわち発熱量に
応じた潤滑油量とすることができる。
【0060】更に、請求項3記載の構成では、必要潤滑
油量を変速段ごとに異なる駆動ロスと、入力トルク、回
転数により、負荷変化も加味して決定することで、正確
に発熱量に応じた潤滑油量とすることができる。
【0061】更に、請求項4記載の構成では、必要潤滑
油量を摩擦係合要素の発熱量に応じて算出しているの
で、変速時の摩擦係合要素の発熱を速やかに低下させる
ことができ、ビジーシフト時に温度が上昇することをな
くすことができる。
【0062】更に、請求項5記載の構成では、摩擦係合
要素が係合する場合には、隙間が小さくなり、増加させ
た潤滑油によって、発熱量すべてを冷却できていない場
合があるので、変速終了後に必要潤滑油量を発熱量に対
応する潤滑油量よりも増加させることにより、確実に摩
擦係合要素の冷却を行なうことができる。
【0063】更に、請求項6記載の構成では、潤滑油の
温度が高いときには、冷却効率も低下するので、その温
度に応じて必要潤滑油量を算出し、変速終了後の油量の
増加時間を決定することで、確実に摩擦係合要素の冷却
を行なうことができる。
【0064】更に、請求項7記載の構成では、変速間隔
が短いとき、すなわちビジーシフト時には、摩擦係合要
素に熱がたまりやすい状況となるのに対応して、変速間
隔が短いときには、必要潤滑油量を増加させることによ
り、確実に冷却することができる。
【0065】更に、請求項8記載の構成では、ライン圧
の制御とは独立して潤滑油圧の制御を行なえるので、ラ
イン圧制御に拘束されることなく、算出した必要潤滑油
量に応じて潤滑油圧制御を適切に行なうことができる。
【0066】次に、請求項9記載の構成では、変速段ご
とに異なる駆動ロス、すなわち発熱に関連した潤滑油量
とすることができるので、それぞれの変速段において、
潤滑油量を必要以上に増加させることが必要なく、油の
攪拌による変速機の伝達効率の低下を防止できる。
【0067】更に、請求項10記載の構成では、変速段
ごとに異なる駆動ロスと、入力トルク、回転数により、
正確に発熱量に応じた潤滑油量とすることができる。
【0068】更に、請求項11記載の構成では、変速時
の摩擦係合要素の発熱を速やかに低下させることがで
き、ビジーシフト時に温度が上昇することをなくすこと
ができる。
【0069】更に、請求項12記載の構成では、変速中
は潤滑油量を増加させているので、変速時の摩擦係合要
素の発熱を速やかに低下させることができ、ビジーシフ
ト時に温度が上昇することをなくすことができる。ま
た、定常走行時などの変速時以外のときに潤滑油量を変
速に合わせて増加させる必要がないので、伝達効率の低
下を防止できる。
【0070】更に、請求項13記載の構成では、摩擦係
合要素が係合する場合には、隙間が小さくなり、増加さ
せた潤滑油によって、発熱量すべてを冷却できていない
場合があるので、変速終了後に潤滑油を発熱量に対応す
る潤滑油量よりも増加させることにより、確実に摩擦係
合用の冷却を行なうことができる。
【0071】更に、請求項14記載の構成では、潤滑油
の温度が高いときには、冷却効率も低下するので、その
温度によって、変速終了後の油量の増加時間を決定すれ
ば、確実に摩擦係合要素の冷却を行なうことができる。
【0072】更に、請求項15記載の構成では、変速間
隔が短いとき、すなわちビジーシフト時には、摩擦係合
要素に熱がたまりやすい状況となるので、変速間隔が短
いときには、潤滑油量を増加させることにより、確実に
冷却することができる。
【0073】更に、請求項16記載の構成では、ライン
圧とは独立して潤滑油圧の制御を行ないうるので、ライ
ン圧制御に拘束されることなく、潤滑油圧制御を行なう
ことができる。
【0074】次に、請求項17記載の構成では、変速中
は潤滑油量を増加させているので、変速時の摩擦係合要
素の発熱を速やかに低下させることができ、ビジーシフ
ト時に温度が上昇することをなくすことができる。ま
た、定常走行時などの変速時以外のときに潤滑油量を変
速に合わせて増加させる必要がないので、伝達効率の低
下を防止できる。
【0075】更に、請求項18記載の構成では、変速時
の摩擦係合要素の発熱を速やかに低下させることがで
き、ビジーシフト時に温度が上昇することをなくすこと
ができる。
【0076】更に、請求項19記載の構成では、摩擦係
合要素が係合する場合には、隙間が小さくなり、増加さ
せた潤滑油によって、発熱量すべてを冷却できていない
場合があるので、変速終了後に潤滑油を発熱量に対応す
る潤滑油量よりも増加させることにより、確実に摩擦係
合要素の冷却を行なうことができる。
【0077】更に、請求項20記載の構成では、潤滑油
の温度が高いときには、冷却効率も低下するので、その
温度によって、変速終了後の油量の増加時間を決定すれ
ば、確実に摩擦係合要素の冷却を行なうことができる。
【0078】更に、請求項21記載の構成では、変速間
隔が短いとき、すなわちビジーシフト時には、摩擦係合
要素に熱がたまりやすい状況となるので、変速間隔が短
いときには、潤滑油量を増加させることにより、確実に
冷却することができる。
【0079】更に、請求項22記載の構成では、ライン
圧とは独立して潤滑油圧の制御を行ないうるので、ライ
ン圧制御に拘束されることなく、潤滑油圧制御を行なう
ことができる。
【0080】更に、請求項23記載の構成では、摩擦係
合要素が係合する場合には、隙間が小さくなり、増加さ
せた潤滑油によって、発熱量すべてを冷却できていない
場合があるので、変速終了後に潤滑油を発熱量に対応す
る潤滑油量よりも増加させることにより、確実に摩擦係
合用の冷却を行なうことができる。
【0081】更に、請求項24記載の構成では、潤滑油
の温度が高いときには、冷却効率も低下するので、その
温度によって、変速終了後の油量の増加時間を決定すれ
ば、確実に摩擦係合要素の冷却を行なうことができる。
【0082】更に、請求項25記載の構成では、簡単な
構成で潤滑油量の切り換えが可能となる。
【0083】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿い、本発明の実施
形態を説明する。図1〜図11は第1実施形態を示し、
この装置は、車両のエンジン(E/G)10に連結され
るロックアップクラッチ11付のトルクコンバータ12
と、そのタービン出力を入力軸14に伝達され、適宜の
段数に変速して出力軸19に伝達する図示しない複数の
プラネタリギヤユニットと、それらの各サンギヤ、リン
グギヤ、ピニオンギヤのキャリア等の要素を適宜入力要
素、反力要素、出力要素として機能させる摩擦係合要素
20、すなわちクラッチ及びブレーキと、それら摩擦係
合要素20を係合解放操作する油圧サーボを含む変速機
構Mとからなる自動変速機とされている。
【0084】このように構成された自動変速機の制御装
置は、電子制御装置(ECU)3と、油圧制御装置5に
より構成され、電子制御装置3には、車両のエンジン1
0と自動変速機とに配設され、各部の作動状態を検出す
る各種のセンサが接続されている。先ず、エンジン10
には、その吸気系のスロットルバルブの開度を検出する
スロットル開度センサ41と、エンジン出力軸の回転か
らエンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ42
が設けられている。一方、自動変速機には、そのタービ
ン出力軸の回転から変速機への入力回転数を検出する入
力回転数センサ43と、変速機出力軸19の回転から出
力回転数を検出する出力回転数センサ44と、変速機構
部の戻り油路(後に詳記する)の油温からドレン油温を
検出する第1の油温センサ45と、油圧制御装置5のバ
ルブボディ中のオリフィス(後に詳記する)を通る油の
温度からオリフィス前油温を検出する第2の油温センサ
46が設けられている。
【0085】図2に示すように、変速機構部に潤滑油を
供給する本発明に係る供給手段は、油圧制御装置5中に
組み込まれており、トルクコンバータ12のタービン出
力軸で駆動されるポンプ51からなる油圧源と、バルブ
ボディ内に配設され、油圧源からの油圧を各摩擦係合要
素20の油圧サーボへ供給するためのライン圧油路pの
油圧をライン圧(PL )に調圧する第1の調圧弁として
のプライマリレギュレータ弁52と、ライン圧油路pの
ライン圧(PL )を基圧として信号圧(Pj)に応じて
潤滑圧(PL U B )を出力する第2の調圧弁としての潤
滑用コントロール弁54と、該コントロール弁54から
の潤滑油をオリフィス60を介して変速機構部に供給す
る油路jと、コントロール弁54に信号圧(Pj)を印
加するリニアソレノイド弁(SLJ)57とを有する。
そして、本形態において、オリフィス60を通る油量が
必要潤滑油量となる潤滑油圧(PL U B )となるよう
に、リニアソレノイド弁57に電気信号を出力する出力
手段は、電子制御装置3内に駆動回路として設けられて
いる。
【0086】詳しくは、プライマリレギュレータ弁52
は、ライン圧油路pに接続され、ライン圧(PL )を適
宜セカンダリ圧油路qとドレン油路dに排出しながら調
圧する調圧弁とされており、スプールのスプリング負荷
端側にスロットル信号圧(Pth)を印加され、反対端
側にライン圧(PL )をフィードバック印加されて作動
する。センダリレギュレータ弁53は、本発明の主題と
は直接関わりないが、プライマリレギュレータ弁52の
出力する油圧を基圧として、セカンダリ圧油路qの油圧
を適宜ドレンしながら調圧する調圧弁とされており、ス
プールのスプリング負荷端側にスロットル信号圧(Pt
h)を印加され、反対端に調圧後のセカンダリ圧(P
s)をフィードバック印加されて作動する。潤滑用コン
トロール弁54は、ライン圧油路pに接続され、ライン
圧(PL )を基圧として、潤滑油圧(PL U B )を出力
する調圧弁とされており、スプリング負荷されたスプー
ルの一端に信号圧(Pj)を印加され、径差部に調圧後
の潤滑油圧(PL U B )をフィードバック印加されて作
動する。ソレノイドモジュレータ弁55は、ライン圧油
路pに接続され、ライン圧(PL )を基圧として、それ
を両リニアソレノイド弁56,57による調圧に適した
油圧に減圧し、モジュレータ圧油路mに出力する二次圧
フィードバック作動の減圧弁とされている。リニアソレ
ノイド弁56は、モジュレータ圧油路mに接続され、モ
ジュレータ圧(Pm)を基圧として、スロットル信号圧
油路tにスロットル圧(Pth)を出力する電磁ソレノ
イド作動の調圧弁とされている。リニアソレノイド弁5
7も、モジュレータ圧油路mに接続され、モジュレータ
圧(Pm)を基圧として、潤滑信号圧油路iに潤滑信号
圧(Pj)を出力する電磁ソレノイド作動の調圧弁とさ
れている。
【0087】本発明の主題に沿い、本実施形態の潤滑油
制御装置では、変速機構Mの作動状態に合わせて、次の
定常走行時制御、変速時制御、変速終了時制御により必
要潤滑油量(L)を算出し、その必要潤滑油量(L)に
応じた潤滑油圧(PL U B )を供給する制御が行われる
ようにしている。
【0088】〔定常走行時制御〕この定常走行時制御
は、車両が特定の変速段すなわちギヤ段を維持して走行
している状態で行われるもので、こうした場合は、基本
的に動力伝達に関与するギヤ噛合部の段数により発熱量
が決まるので、こうした変速機構部での発熱量に応じて
必要潤滑油量を算出し、その潤滑油量を得るような油圧
制御を行う。先ず、ギヤ動力損失による単位時間当たり
の発熱量(Qg[Kcal/s])は、次式1で表され
る。 Qg=(G/100)・Tin・(2π・Nin/60)・(1/J) ・・・式1 ここに、 G:1−η η:各変速段ごとのギヤ効率(ギヤの噛み合い状態から
算出される。一例として、次表1に前進5段後進1段の
変速機構の場合の各変速段とギヤ効率の関係を示す。) Tin:変速機構への入力トルク Nin:変速機構への入力回転数 J:熱の仕事当量 次に、変速機構部での単位時間当たりの発熱量(Qtm
[Kcal/s])は、次式2のようになる。 Qtm=Qg ・・・式2 また、潤滑油による単位時間当たりの冷却熱量(Q
L [Kcal/s]は、次式3のようになる。 QL =Catf・(θa−θb)・(L・ρ) ・・・式3 ここに、 Catf:自動変速機作動油(ATF)の比熱 θa:ATFのドレン温度(変速機構からの排出潤滑油
の温度) θb:ATFのオリフィス前温度(変速機構に供給され
る潤滑油の温度) L:潤滑油量 ρ:ATFの比重 したがって、必要潤滑油量(L[cm3 /s])として
は、ギヤ損失による発熱量と潤滑油による冷却熱量とが
同等となるような油量を算出すればよい。この場合、冷
却熱量(QL )を求める際にATFのドレン温度(θ
a)を使うため、ドレン温度(θa)に収束することに
なる。よって、単純に、ギヤ損失による発熱量と潤滑油
による冷却熱量とが同等となるような油量(L)を算出
するのではなく、補正係数(H)を用いて基準温度(例
えば80°C)に近づくように必要潤滑油量(L)を求
める。この補正係数(H)とATFのドレン温度(θ
a)の関係を図3に示す。補正係数(H)は、ドレン温
度(θa)が低いときには発熱量(Qtm)を低めに
し、ドレン温度(θa)が高いときには発熱量(Qt
m)を高めにするように補正する。すなわち、冷却熱量
(QL )と発熱量(Qtm)の関係が、 Qtm・H=QL ・・・式4 となるような必要潤滑油量(L)を算出する。そして、
式1、2、3を式4に代入して (G/100)・Tin・(2π・Nin/60)・
(1/J)・H=Catf・(θa−θb)・(L・
ρ) よって、必要潤滑油量(L)は、次式5のようになる。 L=(G・Tin・2π・Nin・H) /(6000J・Catf・(θa−θb)・ρ) ・・・式5
【0089】〔変速時制御〕この変速時制御は、変速時
に係合及び/又は解放される摩擦係合要素の発熱量を算
出し、その発熱量にギヤ動力損失による発熱量を加えて
変速時の発熱量とし、潤滑油量を算出する。この際、ギ
ヤ損失による発熱量は、変速後の変速段を基準として算
出する。そして、クラッチツークラッチ変速の場合に
は、係合側と解放側の摩擦係合要素のそれぞれの発熱量
を合計すればよい。したがって、摩擦係合要素の単位時
間当たりの発熱量(Qs[Kcal/s])は、次式6
のようになる。 Qs=(1/J)・Tin・Tbn・ω ・・・式6 ここに、 Tin:変速機構への入力トルク Tbn:算出対象の摩擦係合要素のトルク分担率(変速
の進行と共に変化していくので、変速機の入力回転数
(Nin)及び出力回転数(Nout)からギヤ比を算
出し、そのギヤ比と変速種類により算出する。) ω:摩擦係合要素部での相対回転速度(ギヤ比の変化と
変速の種類から算出することができる。) J:熱の仕事当量 また、ギヤ動力損失による単位時間当たりの発熱量(Q
g[Kcal/s])は、基本的に定常走行時制御と同
じになり、次式1のようになる。 Qg=(G/100)・Tin・(2π・Nin/60)・(1/J) ・・・式1 ここに、 G:1−η η:変速後の変速段のギヤ効率 また、変速機構部での単位時間当たりの発熱量(Qtm
[Kcal/s])は、次式7のようになる。 Qtm=Qg+Qs ・・・式7 そして、潤滑油による単位時間当たりの冷却熱量(QL
[Kcal/s])は、基本的に定常走行時制御と同じ
になり、次式3のようになる。 QL =Catf・(θa−θb)・(L・ρ) ・・・式3 したがって、必要潤滑油量(L[cm3 /s])として
は、 Qtm・H=QL ・・・式4 となるような必要潤滑油量(L)を算出する。そこで、
式1、3、6、7を式4に代入して、 ((G/100)・Tin・(2π・Nin/60)・
(1/J)・Tin・Tbn・ω)・H=Catf・
(θa−θb)・(L・ρ) よって、必要潤滑油量(L)は、次式8のようになる。 L=Tin・H・(G・2π・Nin/6000+Tbn・ω) /(J・Catf・(θa−θb)・ρ) ・・・式8
【0090】〔変速終了時制御〕この変速終了時制御
は、変速時制御により、変速時の発熱量を冷却するだけ
の潤滑油量は供給しているので、変速時の発熱量はすべ
て冷却されているはずであるが、係合時を考えると、摩
擦係合要素の隙間が小さくなり潤滑油が供給されにくい
状態となっており、確実に冷却されているとは限らな
い。したがって、特に、ATFのドレン温度が高いとき
には、冷却しにくいと考えられるので、ドレン温度に応
じた時間(Tdown)だけ、一定量(Ls)の潤滑油
を供給することにより確実に冷却するようにする。この
潤滑時間(Tdown)とATFのドレン温度(θa)
の関係を図4に示す。この場合も、変速時制御と同様
に、ギヤ動力損失による発熱量に応じた潤滑油量に一定
量を加えて潤滑油量とする。この場合、ギヤ動力損失に
よる単位時間当たりの発熱量(Qg[Kcal/s])
は、基本的に定常走行時制御と同じになり、次式1のよ
うになる。 Qg=(G/100)・Tin・(2π・Nin/60)・(1/J) ・・・式1 次に、変速機構部での単位時間当たりの冷却熱量(QL
[Kcal/s])は、基本的に定常走行時制御と同じ
になり、次式2のようになる。 Qtm=Qg ・・・式2 そして、潤滑油による単位時間当たりの冷却熱量(QL
[Kcal/s])は、基本的に定常走行時制御と同じ
になり、次式3のようになる。 QL =Catf・(θa−θb)・(L・ρ) ・・・式3 したがって、必要潤滑油量(L[cm3 /s])は、 Qtm・H=QL ・・・式4 となるような潤滑油量に一定量(Ls)を加えたものを
必要潤滑油量(L)とする。 L=(G・Tin・2π・Nin・H) /(6000J・Catf・(θa−θb)・ρ)+Ls ・・・式9 この場合、更に、変速間隔が短いとき(ビジーシフト)
には、摩擦係合要素に熱がたまる可能性があるので、変
速間隔に応じて必要潤滑油量を増大するようにする。す
なわち、係数(S)による必要潤滑油量(L)の補正を
次式10のように行う。この係数(S)は、変速間隔時
間(Tshift)との関係で、図5に示すように設定
される。 L=S・L ・・・式10
【0091】このようにして算出された必要潤滑油量
(L)をオリフィス60を通る流量として得るための潤
滑油圧(PL U B )は、電子制御装置3内に予めメモリ
されたマップデータより求める。この際、変速機構部は
発熱だけでなく、通常のギヤ潤滑も必要とするので、所
定量多めに出力する。この潤滑油量(L)と潤滑油圧
(PL U B )の関係を図6に示す。
【0092】上記の各制御形態を総合して実行する潤滑
油圧制御は、図7に示すメインフローに従って実行され
る。このフローは、当初のステップS1による変速中判
断により開始される。この判断は、変速機の出力回転数
(Nout)に対する入力回転数(Nin)の変化、す
なわちギヤ比の変化に基づきなされる。この変速中判断
が不成立(N)の場合は、以下のステップを実行するこ
となくステップS10の定常走行時制御サブルーチンを
実行する。
【0093】ステップS10の定常走行時制御サブルー
チンに入ると、図8に示すように、最初に、ステップS
10−1で、変速段、エンジン回転数(Ne)、変速機
入力回転数(Nin)、スロットル開度(TH)、AT
Fドレン温度(θa)、ATFオリフィス前温度(θ
b)の検出を行なう。これにより運転状況が検出される
ことになる。次に、ステップS10−2で、入力トルク
(Tin)の算出を行なう。これは、先に読み込んだス
ロットル開度(TH)とエンジン回転数(Ne)に基づ
き対応するエンジン出力トルクをマップデータから読み
込み、エンジン回転数(Ne)と入力回転数(Nin)
からトルクコンバータのスリップ率を得て算出される。
次のステップS10−3で、補正係数(H)を設定す
る。次のステップS10−4で、必要潤滑油量(L)の
算出を行なう。最後に、ステップS10−5で、コント
ロール弁54に潤滑油圧(PL U B )を出力させるため
のデューティ信号をリニアソレノイド弁(SLJ)7に
出力して、このサブルーチンを終了する。
【0094】メインフローに戻って、このルーチンの繰
り返し中に、ステップS1の変速中判断が成立(Y)と
なると、次のステップS2により変速時制御サブルーチ
ンを実行する。図9に示すように、変速時制御サブルー
チンでは、当初、ステップS2−1で、目標変速段、エ
ンジン回転数(Ne)、変速機入力回転数(Nin)、
変速機出力回転数(Nout)、スロットル開度(T
H)、ATFドレン温度(θa)及びATFオリフィス
前温度(θb)の検出を行なう。次に、ステップS2−
2で入力トルク(Tin)の算出を行なう。これは、先
に読み込んだスロットル開度(TH)とエンジン回転数
(Ne)に基づき対応するエンジン出力トルクをマップ
データから読み込み、エンジン回転数(Ne)と入力回
転数(Nin)からトルクコンバータのスリップ率を得
て算出される。次に、ステップS2−3で摩擦係合要素
のトルク分担率(Tbn)を算出する。そして、次のス
テップS2−4で、摩擦係合要素部での相対回転速度
(ω)を算出する。更に、ステップS2−5で補正係数
(H)を設定する。そして、次のステップS2−6で必
要潤滑油量(L)を算出し、最後に、ステップS2−7
で潤滑油圧(PL U B )を出力させる。
【0095】再びメインフローに戻って、このルーチン
は、ステップS3の変速終了判断が成立(Y)するまで
繰り返される。そして、ステップS3により変速終了判
断が成立(Y)すると、ステップS4による変速終了時
制御のためのエンドタイマをリセット(Tend=0)
し、スタートさせる。次に、ステップS5で係数(S)
の設定を行なう。この係数(S)は、変速間隔が短い場
合に、摩擦係合要素の温度が十分に低下していないこと
を考えて設定される係数であり、変速間隔が短い、いわ
ゆるビジーシフトのときに、潤滑油量を多くするための
ものである。次に、ステップS6で上記係数(S)設定
のためのシフトタイマをリセット(Tshift=0)
し、スタートさせる。このステップS6は、ステップS
3の変速終了判断と、その後に成立するステップS1に
よる次の変速中判断成立との関係で、変速間隔検出手段
を構成することになる。更に、次のステップS7で、ド
レン油温(θa)検出及び時間(Tdown)の設定を
行う。そして、ステップS8で、変速終了時制御サブル
ーチンを実行する。
【0096】図10に示すように、変速終了時制御サブ
ルーチンは、先ずステップS8−1による変速段、エン
ジン回転数(Ne)、変速機入力回転数(Nin)、ス
ロットル開度(TH)、ATFドレン温度(θa)及び
ATFオリフィス前温度(θb)の検出を行なう。次
に、ステップS8−2により、入力トルク(Tin)の
算出を行なう。これは、先に読み込んだスロットル開度
(TH)とエンジン回転数(Ne)に基づき対応するエ
ンジン出力トルクをマップデータから読み込み、エンジ
ン回転数(Ne)と入力回転数(Nin)からトルクコ
ンバータのスリップ率を得て算出される。更に、ステッ
プS8−3により補正係数(H)の設定を行なう。そし
て、ステップS8−4で必要潤滑油量(L)を算出す
る。更に、ステップS8−5で必要潤滑油量(L)に補
正のための係数(S)を乗じて必要潤滑油量の補正(L
=L・S)を行なう。最後に、ステップS8−6により
潤滑油圧(PL U B )を出力させる。
【0097】メインフローに戻って、次にステップS9
でエンドタイマがダウンタイマを上回る(Tend>T
down)判断が成立(Y)するまで、このルーチンを
繰り返す。やがて、ステップS9の判断が成立(Y)と
なると、ステップS10により定常走行時制御サブルー
チンの実行状態としてリターンする。
【0098】上記変速時制御、変速終了時制御及び定常
走行時制御処理により、図2に示す油圧回路では、モジ
ュレータ圧(Pm)を基圧とするリニアソレノイド弁
(SLT)56の調圧動作で、プライマリレギュレータ
弁52のスプリング負荷端に、スロットル圧(Pth)
が印加される一方、リニアソレノイド弁(SLJ)57
の調圧動作で、コントロール弁54のスプール端に潤滑
信号圧(Pj)が印加され、スプリング負荷に対抗する
この潤滑信号圧(Pj)と潤滑油圧(PL U B )のフィ
ードバック圧のバランスでスプールが変位し、ライン圧
(PL )を基圧とし、その2次圧としての潤滑油圧を適
宜ドレンしながら潤滑油圧(PL U B )の変速機構への
供給が行なわれる。
【0099】図11は、上記潤滑油圧の制御の一例とし
てシフトアップ時における、タイムチャートを示す。こ
のチャートは、車両定常走行時の定常走行時制御状態か
ら開始されており、変速機入力回転数(Nin)はシフ
トアップ寸前の漸増状態となっている。この状態で、変
速機構部での発熱量(Qtm)も回転数の漸増に伴って
増加中であるが、必要潤滑油量もこれに合わせて増加し
ているため、ATFドレン温度(θa)は一定値に保た
れている。
【0100】変速が開始されると、入力回転数(Ni
n)は次の変速段に同期するように低下させられ、変速
機構部での発熱量(Qtm)は、変速に関与する摩擦係
合要素の係合及び/又は解放によるスリップで発熱する
ため、急速に増加する。この発熱量は、先の単位時間当
たりの発熱量Qsの積分値(図に編みかけ領域Cで示
す)となる。このとき、必要潤滑油量(L)は、変速時
制御により摩擦係合要素の発熱量に対応する潤滑油量
(図にDで示す)が増加させられる。この際、ATFド
レン温度(θa)は漸増する。
【0101】変速が終了すると、次の変速段に同期する
ように低下させられた入力回転数(Nin)は、再び漸
増状態となり、変速機構部での発熱量(Qtm)は、変
速に関与する摩擦係合要素の係合及び/又は解放の完了
によるスリップ状態の解消で急速に低下し、回転数の低
下に伴い、変速開始時の発熱量より低下するが、蓄積さ
れた熱の潤滑油による持ち出しは遅れるため、ATFド
レン油温(θa)は変速終了時制御中に漸減して、やが
て変速前の温度に戻る。この変速終了時制御中、必要潤
滑油量(L)は、このタイムチャートでは、変速時制御
による必要潤滑油量(L)より若干低い値を保たれる。
変速終了時制御期間は、タイマ設定により時間(Tdo
wn)とされる。なお、図中の記号(D)は、摩擦係合
要素の発熱を冷却するに要する単位時間当たりの潤滑油
量を示し、記号(Ls)は、その中の変速終了時制御分
を示す。
【0102】以上、詳述したように、上記第1実施形態
の潤滑油制御装置によれば、変速機構部の発熱量の算出
に、変速段ごとの駆動ロス、入力トルクの変化、回転数
の変化、摩擦係合要素の作動、シフト間隔、潤滑油温度
等の各種の条件が考慮されるので、変速機構部の状況に
適合した必要潤滑油量の決定がなされ、しかも、該必要
潤滑油量に応じた潤滑油圧の制御が、ライン圧の制御と
は独立して潤滑油圧の制御で、従来の技術のようにライ
ン圧制御に拘束されることなく適切に行なわれるので、
各変速機構の状態について潤滑油量を必要以上に増加さ
せる必要がなく、油の攪拌による変速機の伝達効率の低
下を防止することができるとともに、摩擦係合要素の温
度上昇を確実に防止することができる。
【0103】次に、図12〜図15は本発明の第2実施
形態を示す。この形態は、先の第1実施形態における制
御を簡略化したものである。先ず、図12は第2実施形
態の制御装置のシステム構成を示す。この装置も、基本
的には第1実施形態のものと同様とされるが、この場合
の潤滑油の制御は、変速中であるか否かの判断のみによ
り行なわれるようにしているので、エンジン作動状態を
検出するセンサ類は省略されている。また、油温の検出
は、変速終了時制御のタイマ(Tdown)設定のため
のみに必要となるので、変速機構のドレン油路のみに油
温センサ45が設けられる。また、潤滑油圧の制御は行
なわないので、油圧制御装置側に配設されるソレノイド
弁59は、オンオフソレノイド弁とされる。その余の構
成については、第1実施形態の場合と同様であるので、
対応する構成要素の同様の符号を付して説明に代える。
【0104】図13は、油圧制御装置5中の本発明の供
給手段に関連する部分の回路構成を示す。この形態で
は、上記のような制御の簡略化に伴い、コントロール弁
はオリフィス60と並列配置の開閉弁とされ、それを制
御する弁もオンオフ型のソレノイド弁59とされてい
る。その余の回路構成については、実質的に第1実施形
態のものと同様であるので、同様の参照符号を付して説
明に代え、以下、上記の点に関連する相違点のみ説明す
る。
【0105】この回路では、供給油路jは、従来の技術
と同様に、セカンダリレギュレータ弁53の出力側に接
続されており、オリフィス60を配した供給油路jに対
してオリフィス60をバイパスする形態で第2のオリフ
ィス61とそれに直列するコントロール弁58が配設さ
れている。このコントロール弁58は、スプリング負荷
で閉じるスプール弁とされ、スプール端にソレノイドモ
ジュレータ弁55により減圧されたモジュレータ圧(P
m)が、ソレノイド弁59のソレノイド信号圧として印
加されることで、ポートが開放され、オリフィス60を
バイパスするコントロール弁58経由の第2のオリフィ
ス61を介挿した油路が形成される。したがって、オリ
フィス60の設定は、定常走行時の潤滑油量を確保する
ものとされ、第2のオリフィス61の設定は、オリフィ
ス60と協働して変速機構の最大負荷時にも十分な潤滑
油量を確保するものとされる。
【0106】上記構成よりなる潤滑油制御装置により実
行される制御のフローは、図14に示すものとなる。こ
の制御では、潤滑油圧には、従来の潤滑装置と同様に、
セカンダリレギュレータ弁53のセカンダリ圧(Ps)
調圧後の排出圧を用いるため、潤滑油圧自体の制御は行
なわれない。この制御では、先ず、当初のステップS1
1で変速中判断がなされ、この判断が不成立(N)の場
合は、ステップS17によりソレイノド信号出力をオフ
として、ソレノイド弁59を開放し、それによりコント
ロール弁58を閉じて、変速機構部への供給路をオリフ
ィス60を通る油路のみとする。この状態は、ステップ
S11の変速中判断が不成立の間は継続される。
【0107】ステップS11の変速中判断が成立(Y)
となると、ステップS12によりソレイノド信号出力を
オンとして、ソレノイド弁59を閉じ、それによりコン
トロール弁58を開放して、変速機構部への供給路をオ
リフィス60を通る油路とオリフィス61を通る油路の
両油路とすることで、潤滑油量を増加させる。この状態
でステップS13により変速終了となるのを監視する。
そして、ステップS13による変速終了判断が成立
(Y)となると、次のステップS14で、エンドタイマ
(Tend)をリセットし、スタートさせる。そして、
ステップS15によりタイマ経過時間が時間(Tdow
n)を超えるのを待つ。やがてステップS15によるタ
イマ経過判断が成立(Y)すると、次のステップS16
によりソレイノド信号出力をオフとして、ソレノイド弁
59を開放し、それによりコントロール弁58を閉じ
て、変速機構部への供給路をオリフィス60を通る油路
のみに戻し、潤滑油量を減少させる。
【0108】図15は、上記制御のタイムチャートを示
す。このチャートも、車両定常走行時の定常走行時制御
状態から開始されており、変速機入力回転数(Ni
n)、変速機構部での発熱量(Qtm)ともに第1実施
形態の場合と同様となる。ただ、この場合、潤滑油量の
制御は行なわれないので、一定値に保たれている。そし
て、変速が開始されると、入力回転数(Nin)、変速
機構部での発熱量(Qtm)とも第1実施形態の場合と
同様に変化する。このとき、潤滑油量は、ソレノイド弁
のオンにより一気に最大値まで増加させられる。やが
て、変速が終了すると、同様に、変速機構部での発熱量
(Qtm)は、変速開始時の発熱量より低下するが、蓄
積された熱の潤滑油による持ち出しは遅れるため、油温
はすぐには変速前の温度に戻らない。そこで、この場合
も変速終了時制御中、潤滑油量の増加状態を継続させ、
蓄積された熱の潤滑油による運び出しを待つ。この場合
も、変速終了時制御期間は、タイマ設定により時間(T
down)とされる。この時間が経過するとソレノイド
信号のオフにより潤滑油の増量供給状態は解除される。
【0109】以上、詳述したように、上記第2実施形態
の制御装置によれば、変速中に潤滑油量を増加させ、定
常走行時などの変速時以外のときに潤滑油量を変速に合
わせて増加させる必要をなくしているので、変速時の摩
擦係合要素の発熱の速やかな低下と伝達効率の低下の防
止を併せて実現することができる。また、変速に伴う摩
擦係合要素の係合後も潤滑油を発熱量に対応する潤滑油
量よりも増加させた状態で供給することで、確実に摩擦
係合要素の冷却を行なうことができ、しかも、潤滑油の
温度が高いときには、冷却効率が低下するのに合わせ
て、その温度によって、変速終了後の油量の増加時間を
決定しているので、確実に摩擦係合要素の冷却を行なう
ことができる。そして、特にこの第2実施形態では、簡
単な構成で潤滑油量の切り換えが可能となる。
【0110】以上、本発明を2つの実施形態に基づき詳
説したが、本発明は、特許請求の範囲の個々の請求項に
記載の事項の範囲内で種々に細部の具体的な構成を変更
して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動変速機の潤滑
油制御装置をブロックで示すシステム構成図である。
【図2】上記自動変速機の油圧制御装置の部分回路図で
ある。
【図3】上記潤滑油制御装置による潤滑油制御に用いら
れる補正係数とドレン油温の関係を示すグラフである。
【図4】上記潤滑油制御の潤滑時間とドレン油温の関係
を示すグラフである。
【図5】上記潤滑油制御の補正係数と変速間隔の関係を
示すグラフである。
【図6】上記潤滑油制御の潤滑油圧と必要潤滑油量との
関係を示すグラフである。
【図7】上記潤滑油制御のフローを示すメインフローチ
ャートである。
【図8】上記フロー中の定常走行時制御サブルーチンを
示すフローチャートである。
【図9】上記フロー中の変速時制御サブルーチンを示す
フローチャートである。
【図10】上記フロー中の変速終了時制御サブルーチン
を示すフローチャートである。
【図11】上記潤滑油制御のタイムチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る自動変速機の潤
滑油制御装置をブロックで示すシステム構成図である。
【図13】上記第2実施形態の自動変速機の油圧制御装
置の部分回路図である。
【図14】上記第2実施形態の潤滑油制御装置による潤
滑油制御のメインフローチャートである。
【図15】上記第2実施形態の潤滑油制御のタイムチャ
ートである。
【符号の説明】
M 変速機構 3 電子制御装置(出力手段) 5 油圧制御装置(供給手段) 41 スロットル開度センサ(検出手段) 42 エンジン回転数センサ(検出手段) 43 入力回転数センサ(検出手段) 44 出力回転数センサ(検出手段) 45 油温センサ(検出手段) 46 油温センサ(検出手段) 51 ポンプ(油圧源) 52 プライマリレギュレータ弁(第1の調圧弁) 54 コントロール弁(第2の調圧弁) 57 リニアソレノイド弁 59 ソレノイド弁 60 オリフィス 61 オリフィス j 油路 S1 判断手段 S2,S8,S10 決定手段 S3,S8,S12 増加手段 S6 間隔検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:72 (72)発明者 糟谷 悟 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速機構の各部に潤滑油を供給し、変速
    機構部で発生する熱を潤滑油に吸収させて回収する潤滑
    装置を備える自動変速機の潤滑油制御装置において、 変速機構の作動状態を検出する検出手段と、 検出された変速機構の作動状態から、変速機構部での発
    熱量を算出し、算出された発熱量に基づいて必要潤滑油
    量を決定する決定手段と、 決定された必要潤滑油量に基づいて変速機構部に潤滑油
    を供給する供給手段とを有することを特徴とする、自動
    変速機の潤滑油制御装置。
  2. 【請求項2】 前記決定手段は、変速機構により達成さ
    れる各変速段に基づいて変速機構部の発熱量を算出す
    る、請求項1記載の自動変速機の潤滑油制御装置。
  3. 【請求項3】 前記決定手段は、変速機構により達成さ
    れる各変速段と、変速機構への入力トルクと、変速機構
    への入力回転数に基づいて変速機構部の発熱量を算出す
    る、請求項1記載の自動変速機の潤滑油制御装置。
  4. 【請求項4】 変速中か否かを判断する判断手段を有
    し、 前記決定手段は、判断が変速中のときに、該変速中に係
    合及び/又は解放される摩擦係合要素での発熱量に基づ
    いて発熱量を算出する、請求項1、2又は3記載の自動
    変速機の潤滑油制御装置。
  5. 【請求項5】 前記決定手段は、変速終了後所定時間の
    間、発熱量に基づく潤滑油量に所定量を加えて必要潤滑
    油量とする、請求項4記載の自動変速機の潤滑油制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記所定時間は、潤滑油の温度が高いと
    きには長く設定される、請求項5記載の自動変速機の潤
    滑油制御装置。
  7. 【請求項7】 変速の間隔を検出する間隔検出手段を有
    し、 前記決定手段は、変速の間隔が短いときには、変速終了
    後の前記所定時間の間、必要潤滑油量を増加補正する、
    請求項5又は6記載の自動変速機の潤滑油制御装置。
  8. 【請求項8】 前記供給手段は、油圧源と、該油圧源か
    らの油圧をライン圧に調圧する第1の調圧弁と、ライン
    圧を基圧として信号圧に応じて潤滑油圧を出力する第2
    の調圧弁と、該第2の調圧弁からの潤滑油をオリフィス
    を介して変速機構部に供給する油路と、第2の調圧弁に
    信号圧を印加するソレノイド弁と、オリフィスを通る油
    量が必要潤滑油量となる潤滑油圧となるように、前記ソ
    レノイド弁に電気信号を出力する出力手段とを有する、
    請求項1〜7のいずれか1項記載の自動変速機の潤滑油
    制御装置。
  9. 【請求項9】 変速機構の各部に潤滑油を供給し、変速
    機構部で発生する熱を潤滑油に吸収させて回収する潤滑
    装置を備える自動変速機の潤滑油制御装置において、 少なくとも変速段を含む変速機構の作動状態を検出する
    検出手段と、 検出された変速段に基づいて必要潤滑油量を決定する決
    定手段と、 決定された必要潤滑油量に基づいて変速機構部に潤滑油
    を供給する供給手段を有することを特徴とする、自動変
    速機の潤滑油制御装置。
  10. 【請求項10】 前記決定手段は、変速機構の変速段に
    加え、変速機構への入力トルクと、変速機構への入力回
    転数に基づいて必要潤滑油量を決定する、請求項9記載
    の自動変速機の潤滑油制御装置。
  11. 【請求項11】 変速中か否かを判断する判断手段を有
    し、前記決定手段は、判断が変速中のときに、該変速中
    に係合及び/又は解放される摩擦係合要素の発熱量に基
    づいて必要潤滑油量を決定する、請求項9記載の自動変
    速機の潤滑油制御装置。
  12. 【請求項12】 変速中か否かを判断する判断手段を有
    し、前記決定手段は、判断が変速中のときに、必要潤滑
    油量を増加させる、請求項9又は11記載の自動変速機
    の潤滑油制御装置。
  13. 【請求項13】 前記決定手段は、変速終了後所定時間
    の間、必要潤滑油量を増加させる、請求項11又は12
    記載の自動変速機の潤滑油制御装置。
  14. 【請求項14】 前記所定時間は、潤滑油の温度が高い
    ときには長く設定される、請求項13記載の自動変速機
    の潤滑油制御装置。
  15. 【請求項15】 変速の間隔を検出する間隔検出手段を
    有し、 前記決定手段は、変速の間隔が短いときには、変速終了
    後の前記所定時間の間、必要潤滑油量を増加補正する、
    請求項13又は14記載の自動変速機の潤滑油制御装
    置。
  16. 【請求項16】 前記供給手段は、油圧源と、該油圧源
    からの油圧をライン圧に調圧する第1の調圧弁と、ライ
    ン圧を基圧として信号圧に応じて潤滑油圧を出力する第
    2の調圧弁と、該第2の調圧弁からの潤滑油をオリフィ
    スを介して変速機構部に供給する油路と、第2の調圧弁
    に信号圧を印加するソレノイド弁と、オリフィスを通る
    油量が必要潤滑油量となる潤滑油圧となるように、前記
    ソレノイド弁に電気信号を出力する出力手段とを有す
    る、請求項9〜15のいずれか1項記載の自動変速機の
    潤滑油制御装置。
  17. 【請求項17】 変速機構の各部に潤滑油を供給し、変
    速機構部で発生する熱を潤滑油に吸収させて回収する潤
    滑装置を備える自動変速機の潤滑油制御装置において、 変速機構の作動状態を検出する検出手段と、 検出された作動状態から変速中か否かを判断する判断手
    段と、 判断が変速中のときに、変速機構部への潤滑油量を増加
    させる増加手段を有することを特徴とする、自動変速機
    の潤滑油制御装置。
  18. 【請求項18】 前記増加手段は、変速中に係合及び/
    又は解放される摩擦係合要素での発熱量に基づいて潤滑
    油量を増加させる、請求項17記載の自動変速機の潤滑
    油制御装置。
  19. 【請求項19】 前記増加手段は、変速終了後所定時間
    の間、潤滑油量を増加させる、請求項18記載の自動変
    速機の潤滑油制御装置。
  20. 【請求項20】 前記所定時間は、潤滑油の温度が高い
    ときには長く設定される、請求項19記載の自動変速機
    の潤滑油制御装置。
  21. 【請求項21】 変速の間隔を検出する間隔検出手段を
    有し、 前記決定手段は、変速の間隔が短いときには、変速終了
    後の前記所定時間の間、潤滑油量を増加補正する、請求
    項19又は20記載の自動変速機の潤滑油制御装置。
  22. 【請求項22】 前記供給手段は、油圧源と、該油圧源
    からの油圧をライン圧に調圧する第1の調圧弁と、ライ
    ン圧を基圧として信号圧に応じて潤滑油圧を出力する第
    2の調圧弁と、該第2の調圧弁からの潤滑油をオリフィ
    スを介して変速機構部に供給する油路と、第2の調圧弁
    に信号圧を印加するソレノイド弁と、潤滑油量を増加さ
    せるための潤滑油圧となるように、前記ソレノイド弁に
    電気信号を出力する出力手段とを有する、請求項17〜
    21のいずれか1項記載の自動変速機の潤滑油制御装
    置。
  23. 【請求項23】 前記増加手段は、変速終了後所定時間
    の間、変速機構部への潤滑油量を増加させる、請求項1
    7記載の自動変速機の潤滑油制御装置。
  24. 【請求項24】 前記所定時間は、潤滑油の温度が高い
    ときには長く設定される、請求項23記載の自動変速機
    の潤滑油制御装置。
  25. 【請求項25】 前記増加手段は、油圧源からの潤滑油
    を変速機構部に供給する油路に設けられ、オリフィスの
    開口面積を増大させる手段である、請求項17、23又
    は24記載の自動変速機の潤滑油制御装置。
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