JP2004183750A - 動力伝達機構の潤滑量制御装置および潤滑量制御方法 - Google Patents

動力伝達機構の潤滑量制御装置および潤滑量制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】入力エネルギと油温とに基づいて自動変速機の潤滑量を最適化する。
【解決手段】自動変速機の潤滑量制御方法は、エンジン回転数とスロットル開度とに基づいてエンジンの出力トルクを算出するステップ(S104)と、潤滑油の温度が低温限界値以上であり(S207にてYES)、かつ高温限界値以下であるときに(S208にてYES)、出力トルクとトルクコンバータの効率とに基づいて自動変速機への入力トルクを算出するステップ(S108)と、入力トルクと自動変速機の入力回転数とに基づいて自動変速機への入力エネルギを算出するステップ(S110)と、入力エネルギとエネルギ伝達効率と潤滑油の温度とに基づいて潤滑量を算出するステップ(S212)と、潤滑量に対応する指示値を油圧制御装置に出力するステップ(S114)とを含む。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の動力伝達機構に供給する潤滑量を制御する技術に関し、特に、動力伝達機構への入力エネルギに基づいて潤滑量を最適化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の動力が動力源(エンジン、モータなど)から駆動輪に伝達されるとき、動力の損失が動力伝達機構において発生する。この動力伝達機構とは、たとえば、変速機、ディファレンシャルギアあるいはトランスファなどである。潤滑油は、その損失による発熱を抑えるために動力伝達機構に供給される。
【0003】
この場合、必要以上に潤滑油を供給すると、その潤滑油の攪拌抵抗による発熱により、かえって冷却効率が低下することがある。また、そのような余分な潤滑量を供給することは、オイルポンプの出力を増加させることになり、オイルポンプのフリクションロスが増加し、動力源の燃料消費効率が低下するという問題がある。一方、潤滑量が十分でない場合には、発熱によりクラッチ、歯車、軸受など動力伝達機構の構成部品の寿命が短くなる。そのため、これらの問題を解決するための技術が以下の公報に開示されている。
【0004】
実開平2−78247号公報(特許文献1)は、主軸を支持する軸受に潤滑油を供給する潤滑量制御装置において、検出された主軸の回転数に基づいて潤滑油の供給量を算出する技術を開示している。
【0005】
この潤滑量制御装置によると、主軸の回転数に対応して算出された潤滑油が軸受に供給されるため、主軸の軸受が効率よく潤滑される。
【0006】
特開平4−148009号公報(特許文献2)は、エンジンの運転性能と潤滑性能とを両立する潤滑量制御装置において、エンジンの運転状態に基づいて、オイルポンプのオイル吸入通路あるいはエンジンのクランクケースに接続された大気開放部を開閉する制御弁の開閉を制御する技術を開示している。
【0007】
この潤滑量制御装置によると、制御弁の開閉がエンジンの運転状態に基づいて実行されると、オイルポンプの吸入排出抵抗も増減する。たとえば、車両の状態がエンジンの出力をあまり必要としない場合、大気開放部が開放され、オイルポンプによる潤滑油の吸引吐出能力は低下する。このとき、潤滑量はエンジンの出力に対応する潤滑量まで低下する。一方、車両の状態がエンジンの出力を必要とする場合、大気開放部が閉じられ、オイルポンプによる潤滑油の吸引吐出能力は増加する。このとき、潤滑量はエンジンの出力に見合う量まで増加する。このようにして、潤滑量制御装置は、エンジンの運転状態に対応するように潤滑油をエンジンに供給することができる。
【0008】
特開平10−141480号公報(特許文献3)は、自動変速機の変速機構で発生する熱を潤滑油により回収する潤滑装置を含む潤滑量制御装置において、変速機構の作動状態を検出し、その作動状態に基づいて算出された変速機構の発熱量から潤滑油量を決定し、その潤滑油量に基づいて変速機構に潤滑油を供給する技術を開示している。
【0009】
この潤滑量制御装置によると、変速機構の作動状態に基づいて、その変速機構における発熱量を算出して、変速機構の冷却に必要な潤滑油量を決定する。そのようにして決定された潤滑油量が変速機構に供給されると、変速機構における温度の上昇は抑制される。また、供給される潤滑油量は冷却に必要十分な油量であるので、潤滑油の攪拌により、動力伝達効率が低下することはない。
【0010】
【特許文献1】
実開平2−78247号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平4−148009号公報(第1−3頁、第1図)
【0012】
【特許文献3】
特開平10−141480号公報(第1−2頁、第1図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に開示された各制御装置には、以下の問題点があるため、動力伝達機構の潤滑量を最適化することができないという問題があった。
【0014】
第1に、実開平2−78247号公報に開示された潤滑量制御装置は、主軸の回転数に対応して潤滑油の供給量を算出するため、発熱量に対応した最適な供給量が算出できないという問題があった。
【0015】
第2に、特開平4−148009号公報に開示された潤滑量制御装置は、エンジンの潤滑油の潤滑量を制御するため、エンジンの構成と異なる構成である動力伝達機構にそのまま適用することができないという問題があった。
【0016】
第3に、特開平10−141480号公報に開示された潤滑量制御装置は、変速機構の作動状態に基づいて算出された潤滑量を変速機構に供給するため、動力源の作動状態に対応した潤滑が行なわれず、変速機構を適切に冷却することができないという問題があった。
【0017】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、動力伝達機構への入力エネルギに基づいて潤滑量を最適化することができる潤滑量制御装置および潤滑量制御方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る潤滑量制御装置は、動力伝達機構への入力エネルギを算出するための入力エネルギ算出手段と、入力エネルギに基づいて供給量を算出するための供給量算出手段と、算出された供給量の潤滑油を動力伝達機構に供給するように潤滑装置を制御するための制御手段とを含む。
【0019】
第1の発明によると、潤滑量制御装置は、車両の動力伝達機構に供給する潤滑油の供給量を制御する。動力伝達機構とは、たとえば、変速機構、ディファレンシャルギア、トランスファなどである。潤滑量制御装置の入力エネルギ算出手段は、その動力伝達機構に入力されるエネルギを算出する。供給量算出手段は、その入力エネルギに基づいて潤滑油の供給量を算出する。この算出は、たとえば入力エネルギと動力伝達機構の伝達効率とに基づいて行なわれる。制御手段が油圧装置を制御すると、算出された供給量の潤滑油が動力伝達機構に供給される。この供給量は、エネルギ損失により発熱した動力伝達機構を冷却するために最適な量である。したがって、動力伝達機構の構成要素(たとえば、歯車、軸受など)を効率よく冷却することができる。また、必要以上の潤滑を行わないため、動力源(エンジン、モータなど)による油圧装置の駆動エネルギの消費を抑制することができる。これにより、動力伝達機構への入力エネルギに基づいて潤滑量を最適化することができる潤滑量制御装置を提供することができる。
【0020】
第2の発明に係る潤滑量制御装置は、第1の発明の構成に加えて、動力伝達機構の入力トルクを算出するための入力トルク算出手段と、動力伝達機構の作動状態を検出するための作動状態検出手段とをさらに含む。入力エネルギ算出手段は、算出された入力トルクおよび検出された作動状態に基づいて、入力エネルギを算出するための算出手段を含む。
【0021】
第2の発明によると、入力エネルギは、動力伝達機構への入力トルクと動力伝達機構の作動状態(たとえば、入出力回転数、摩擦係合要素の係合状態など)とに基づいて算出される。したがって潤滑油の供給量は、入力トルクと動力伝達機構の作動状態とに基づいて算出される。この供給量は、動力伝達機構を冷却するために十分な量である。このようにして動力伝達機構の潤滑量を最適化することができる。
【0022】
第3の発明に係る潤滑量制御装置は、第2の発明の構成に加えて、作動状態は、動力伝達機構の入力回転数である。
【0023】
第3の発明によると、動力伝達機構への入力エネルギは、入力回転数と入力トルクとに基づいて算出される。
【0024】
第4の発明に係る潤滑量制御装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、動力伝達機構は流体継手を備えた変速機である。
【0025】
第4の発明によると、入力エネルギ算出手段が変速機への入力エネルギを算出すると、供給量算出手段は、入力エネルギに基づいて潤滑油の供給量を算出する。制御手段が潤滑装置を制御すると、その供給量が変速機に供給される。このようにして、潤滑量制御装置は、変速機の潤滑量を最適化することができる。
【0026】
第5の発明に係る潤滑量制御装置は、第2の発明の構成に加えて、動力伝達機構は流体継手を備えた変速機である。作動状態は流体継手の発熱状態である。
【0027】
第5の発明によると、入力エネルギ算出手段は、算出された入力トルクおよび検出された流体継手の発熱状態に基づいて、変速機への入力エネルギを算出する。潤滑油の供給量は、その入力エネルギに基づいて算出される。
【0028】
第6の発明に係る潤滑量制御方法は、動力伝達機構への入力エネルギを算出する入力エネルギ算出ステップと、入力エネルギに基づいて供給量を算出する供給量算出ステップと、算出された供給量の潤滑油を動力伝達機構に供給するように潤滑装置を制御する制御ステップとを含む。
【0029】
第6の発明によると、潤滑量制御方法は、車両の動力伝達機構に供給する潤滑油の供給量を制御する。動力伝達機構とは、たとえば、変速機構、ディファレンシャルギア、トランスファなどである。潤滑量制御方法の入力エネルギ算出ステップは、その動力伝達機構に入力されるエネルギを算出する。供給量算出ステップは、その入力エネルギに基づいて潤滑油の供給量を算出する。この算出は、たとえば入力エネルギと動力伝達機構の伝達効率とに基づいて行なわれる。制御ステップが油圧装置を制御すると、算出された供給量の潤滑油が動力伝達機構に供給される。この供給量は、エネルギ損失により発熱した動力伝達機構を冷却するために最適な量である。したがって、動力伝達機構の構成要素(たとえば、歯車、軸受など)を効率よく冷却することができる。また、必要以上の潤滑を行わないため、動力源(エンジン、モータなど)による油圧装置の駆動エネルギの消費を抑制することができる。これにより、動力伝達機構への入力エネルギに基づいて潤滑量を最適化することができる潤滑量制御方法を提供することができる。
【0030】
第7の発明に係る潤滑量制御方法は、第6の発明の構成に加えて、動力伝達機構の入力トルクを算出する入力トルク算出ステップと、動力伝達機構の作動状態を検出する作動状態検出ステップとをさらに含む。入力エネルギ算出ステップは、算出された入力トルクおよび検出された作動状態に基づいて、入力エネルギを算出する算出ステップを含む。
【0031】
第7の発明によると、入力エネルギは、動力伝達機構への入力トルクと動力伝達機構の作動状態(たとえば、入出力回転数、摩擦係合要素の係合状態など)とに基づいて算出される。したがって潤滑油の供給量は、入力トルクと動力伝達機構の作動状態とに基づいて算出される。この供給量は、動力伝達機構を冷却するために十分な量である。このようにして動力伝達機構の潤滑量を最適化することができる。
【0032】
第8の発明に係る潤滑量制御方法は、第7の発明の構成に加えて、作動状態は、動力伝達機構の入力回転数である。
【0033】
第8の発明によると、動力伝達機構への入力エネルギは、入力回転数と入力トルクとに基づいて算出される。
【0034】
第9の発明に係る潤滑量制御方法は、第6〜8のいずれかの発明の構成に加えて、動力伝達機構は流体継手を備えた変速機である。
【0035】
第9の発明によると、入力エネルギ算出ステップが変速機への入力エネルギを算出すると、供給量算出ステップは、入力エネルギに基づいて潤滑油の供給量を算出する。制御ステップが潤滑装置を制御すると、その供給量が変速機に供給される。このようにして、潤滑量制御方法は、変速機の潤滑量を最適化することができる。
【0036】
第10の発明に係る潤滑量制御方法は、第7の発明の構成に加えて、動力伝達機構は流体継手を備えた変速機である。作動状態は流体継手の発熱状態である。
【0037】
第10の発明によると、入力エネルギ算出ステップは、算出された入力トルクおよび検出された流体継手の発熱状態に基づいて、変速機への入力エネルギを算出する。潤滑油の供給量は、その入力エネルギに基づいて算出される。
【0038】
第11の発明に係る潤滑量制御装置は、動力伝達機構への入力エネルギを算出するための入力エネルギ算出手段と、潤滑油の温度を検出するための油温検出手段と、入力エネルギおよび潤滑油の温度に基づいて、供給量を算出するための供給量算出手段と、算出された供給量の潤滑油を動力伝達機構に供給するように、潤滑装置を制御するための制御手段とを含む。
【0039】
第11の発明によると、潤滑量制御装置は車両の動力伝達機構に供給する潤滑油の供給量を制御する。動力伝達機構とは、たとえば変速機、ディファレンシャルギア、トランスファなどである。この潤滑量制御装置において、動力伝達機構への入力エネルギが算出され、油温が検出されると、その潤滑油の供給量が算出される。この算出は、たとえば入力エネルギと油温と供給量とをマップ情報として予め記憶されたデータに基づいて行なわれる。潤滑装置は、算出された供給量の潤滑油を動力伝達機構に供給する。このようにすると、動力伝達機構を冷却するために必要十分な潤滑量が供給されるため、潤滑装置を必要以上に駆動させる必要が無くなるとともに、潤滑の精度を向上させることができる。これにより、動力伝達機構への入力エネルギに基づいて潤滑量を最適化することができる潤滑量制御装置を提供することができる。
【0040】
第12の発明に係る潤滑量制御装置は、第11の発明の構成に加えて、動力伝達機構の入力トルクを算出するための入力トルク算出手段と、動力伝達機構の作動状態を検出するための作動状態検出手段とをさらに含む。入力エネルギ算出手段は、算出された入力トルクおよび検出された作動状態に基づいて、入力エネルギを算出するための算出手段を含む。
【0041】
第12の発明によると、入力トルクと動力伝達機構の作動状態(たとえば入出力回転数)と油温とに基づいて供給量が算出される。潤滑装置がその量に相当する潤滑油を動力伝達機構に供給すると、潤滑は最適化される。
【0042】
第13の発明に係る潤滑量制御装置は、第11または第12の発明の構成に加えて、供給量算出手段は、潤滑油の温度が予め定められた範囲に含まれる場合には、入力エネルギおよび潤滑油の温度に基づいて供給量を算出するための手段を含む。
【0043】
第13の発明によると、潤滑油の温度が予め定められた範囲である場合、供給量は入力エネルギと油温とに基づいて算出される。この範囲とは、たとえば車両が異常なく走行しているときに、動力伝達機構の潤滑油の温度が普通に変化する範囲である。このようにして、潤滑油の温度が予め定められた範囲である場合のみ、入力エネルギと油温とに基づいて動力伝達機構に対する潤滑量を最適にすることができる。
【0044】
第14の発明に係る潤滑量制御装置は、第11または第12の発明の構成に加えて、供給量算出手段は、潤滑油の温度が予め定められた範囲から逸脱する場合には、予め定められた潤滑量を供給量として算出するための手段を含む。
【0045】
第14の発明によると、油温が予め定められた範囲にない場合(たとえば、その範囲の下限値以下である場合あるいはその範囲の上限値以上である場合)、予め定められた潤滑量が動力伝達機構に供給される。予め定められた潤滑量とは、油温の範囲の限界値に応じて設定された潤滑量である。たとえば、油温の下限値に対応する潤滑量として、動力伝達機構の潤滑に少なくとも必要な潤滑量が設定される。油温の上限値に対応する潤滑量として、潤滑装置の最大供給量が設定される。このようにすると、低温時には潤滑装置を必要以上に駆動させる必要がなくなるため、潤滑装置の動力損失を防止しつつ、必要な潤滑を確保することができる。高温時には、潤滑装置の供給能力限界まで潤滑油を供給させることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0047】
<第1の実施の形態>
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る潤滑量制御装置の制御ブロック図を示す。この装置が搭載される車両は、エンジン106と、トルクコンバータ104と、自動変速機200と、ECT_ECU(Electronically Controlled Automatic Transmission_Electronic Control Unit)100と、相互に接続されたセンサ類とを含む。自動変速機200は、オイルポンプ400、圧力調整弁130、リニアソレノイドバルブ134および変速機構202を含み、これらは、後述する潤滑回路により接続されている。
【0048】
エンジン106には、水温センサ110、スロットル開度センサ114およびエンジン回転数センサ116が設けられている。自動変速機200には、入力回転数センサ118、出力回転数センサ120および油温センサ122が設けられている。
【0049】
ECT_ECU100には、スロットル開度センサ114、エンジン回転数センサ116、入力回転数センサ118、出力回転数センサ120および油温センサ122からの各信号が入力される。
【0050】
図2に、本発明の実施の形態に係る自動変速機を含む車両のドライブトレーンの構造を示す。図2を参照して、エンジン102の出力トルクはトルクコンバータ104により変速機構202に伝達される。変速機構202は、複数の摩擦係合要素(B0、C0など)、歯車(歯車204〜歯車210)および軸受(図示しない)を含む。それぞれの摩擦係合要素は、係合状態が切換わることにより所定の変速段を形成してトルクを出力軸160に伝達する。歯車204〜歯車210は形成された変速段に対応して回転する。
【0051】
このように構成される変速機構202がエネルギを伝達する場合、摩擦係合要素、歯車、軸受など(以下、「回転要素」という。)においてエネルギ損失が発生する。すなわち、回転要素においてすべりが生じると、そのすべりに相当するエネルギは回転エネルギとして自動変速機200から出力されないため、回転要素が発熱する。
【0052】
図3に、本発明の実施の形態に係る自動変速機が備える係合要素の作動表を示す。「C0」〜「C2」および「B0」〜「B4」は摩擦係合要素である。「○」は、係合要素が係合の状態であることを表わす。自動変速機200に入力されたトルクは、これらの係合要素を介して伝達される。「◎」は、エンジンブレーキが作用しているときに、摩擦係合要素が係合の状態であることを表わす。「△」は、摩擦係合要素が係合しているがトルクを伝達しないことを表わす。
【0053】
たとえば、車両が「1st」の変速段を形成している場合、摩擦係合要素「C0」および「C1」に入力されたトルクは、自動変速機200の出力軸に伝達される。この場合、トルク損失が発生すると、摩擦係合要素「C0」および「C1」において発熱することになる。
【0054】
図4を参照して、本発明の実施の形態に係る変速機構に潤滑油を供給する潤滑回路を説明する。ECT_ECU100は、圧力調整弁130に信号を出力してオイルポンプ400から吐出される潤滑油の油圧を制御する。ECT_ECU100は、リニアソレノイドバルブ134に信号を出力して、変速機構202に対する潤滑油の供給量を制御する。なお、潤滑量を制御するものはリニアソレノイドバルブ134に限定されず、たとえばON−OFFソレノイドバルブあるいは可変オリフィスなどでもよい。変速機構202に含まれる歯車204〜歯車210(図2)あるいは軸受(図示しない)は、そのように供給量を制御された潤滑油により冷却される。
【0055】
また、オイルポンプ400は特に限定されず、吐出圧および吐出量のいずれかを切換えることが可能な容量切換ポンプ(たとえば、ベーンポンプ)であってもよい。このようなポンプを使用することにより、変速機構202に供給される潤滑量をより厳密に制御することができる。
【0056】
図5を参照して、本発明の実施の形態に係るトルクコンバータ104の特性を説明する。横軸に示された速度比eは、トルクコンバータ104の入力回転数と出力回転数との比を表わす。トルクコンバータ104がロックアップの状態であるとき、速度比は1、すなわちトルクコンバータ104の入力回転数と出力回転数とが同じである。このとき、トルクコンバータ104によるトルクの伝達効率は100%であり、エネルギは損失されない。伝達効率が100%未満であるとき、トルク損失による発熱が発生して、トルクコンバータ104の温度が上昇する。
【0057】
図6を参照して、本発明の実施の形態に係る自動変速機200への入力エネルギと発熱量との関係を説明する。
【0058】
図6は、自動変速機200における発熱量が自動変速機200への入力エネルギに比例することを示す。発熱量は、自動変速機200におけるエネルギ損失に相当する。エネルギ損失が入力エネルギに比例する場合、発熱量は入力エネルギに比例することになり、図6に示す関係となる。
【0059】
図7に、本発明の実施の形態に係る変速機構202における発熱量と潤滑量との関係を示す。この関係は、ECT_ECU100の内部に予め記憶しておいてもよいし、自動変速機200の作動状態を検出したときに潤滑量を算出するようにしてもよい。
【0060】
図8を参照して、本発明の実施の形態に係る潤滑量制御装置が実行する処理の手順を、フローチャートに基づいて説明する。
【0061】
ステップ(以下、ステップをSと表わす。)102にて、ECT_ECU100は、エンジン106の回転数とスロットル開度を検出する。
【0062】
S104にて、ECT_ECU100は、各センサから入力された信号に基づいてエンジン106の出力トルクを算出する。この算出は、たとえばスロットル開度、吸入空気量あるいは燃料噴射量などに基づいて行なわれる。
【0063】
S106にて、ECT_ECU100は、各センサから入力された信号に基づいて自動変速機200の作動状態(たとえば入力回転数、出力回転数、潤滑油の温度など)を検出する。
【0064】
S108にて、ECT_ECU100は、S104にて算出されたエンジン106の出力トルクとトルクコンバータ104の効率とに基づいて、自動変速機200への入力トルクを算出する。この効率は、トルクコンバータ104の速度比(図5)、すなわちエンジン106の回転数と自動変速機200の入力回転数(トルクコンバータ104のタービン回転数)とに基づいて算出される。
【0065】
S110にて、ECT_ECU100は、自動変速機200への入力トルクおよび入力回転数に基づいて、自動変速機200への入力エネルギを算出する。
【0066】
S112にて、ECT_ECU100は、算出された入力エネルギと変速機構202のエネルギ伝達効率とに基づいて、最適な潤滑量を算出する。すなわち、自動変速機200の発熱量が入力エネルギから算出される。この算出は、図6に示す関係に基づいて行なわれる。潤滑量は、その発熱量から算出される。この算出は、図7に示す関係に基づいて行なわれる。なお、伝達効率は予め算出された効率を設定してもよいし、自動変速機200の作動状態(潤滑油の温度等)に基づいて補正するようにしてもよい。また、自動変速機200の作動状態に基づいて潤滑量を補正してもよい。
【0067】
S114にて、ECT_ECU100は、算出された潤滑量に対応する指示値(たとえば指示電流)をリニアソレノイドバルブ134に出力する。リニアソレノイドバルブ134は、この指示値に基づいて潤滑油の吐出圧を制御する。その潤滑油は歯車204〜210あるいは軸受などに供給される。
【0068】
以上の構造およびフローチャートに基づく、本発明の実施の形態に係る潤滑量制御装置の動作について説明する。
【0069】
[車両が定常走行している場合]
車両の走行中、エンジン回転数およびスロットル開度が検出されると(S102)、エンジン106の出力トルクが算出される(S104)。自動変速機200の入出力回転数および潤滑油の温度が検出されると(S106)、自動変速機200への入力トルクは、エンジン106の出力トルクとトルクコンバータ104の伝達効率とに基づいて算出される(S108)。
【0070】
自動変速機200への入力エネルギが、算出された入力トルクと検出された入力回転数とに基づいて算出される(S110)。変速機構202に供給される潤滑量が、入力エネルギと変速機構202におけるエネルギ伝達効率とに基づいて算出される(S112)。その潤滑量に対応する指示値がリニアソレノイドバルブ134に出力される(S114)。潤滑油の供給量はリニアソレノイドバルブ134により調整されて、変速機構202に供給される。
【0071】
[車両が高負荷走行をする場合]
その後、運転者がアクセルを踏んでエンジン106からの出力を増加させると、上昇したエンジン106の回転数およびスロットル開度が検出されて(S102)、エンジン106の出力トルクが算出される。自動変速機200の作動状態が検出されて(S106)、自動変速機200の入力トルクが算出されると(S108)、入力エネルギが算出される(S110)。
【0072】
高負荷走行時における潤滑量が入力エネルギに基づいて算出されると(S112)、潤滑装置はその量に基づいて変速機構202に潤滑油を供給する。すなわち、定常走行時に比べて増加した潤滑油が供給される。車両の加速後、運転者がアクセルを戻すと、そのときの走行状態に応じた潤滑量がさらに算出され、変速機構202に供給される。
【0073】
これにより、本実施の形態に係る潤滑量制御装置によると、自動変速機200への入力エネルギに基づいて最適な潤滑量を算出することができるため、自動変速機200の潤滑量を最適化することができる。このように潤滑すると、摩擦係合要素あるいは軸受など動力伝達機構の構成要素の寿命の低下を防止することができる。また、必要量以上に潤滑をしないため、オイルポンプの駆動を抑制することができる。その結果、動力伝達機構への入力エネルギに基づいて潤滑量を最適化することができる潤滑量制御装置を提供することができる。
【0074】
なお、入力エネルギと発熱量との関係は比例関係としたが(図6)、あらゆる領域で比例関係(入力エネルギに対する発熱量の変化率が一定)である必要はない。すなわち、入力エネルギと発熱量との関係が非線形で表現される場合(発熱量の変化率が変化する場合)は、比例関係が得られるようにその曲線を補間して直線に近似すればよい。
【0075】
また、自動変速機200に供給される潤滑油の潤滑量は、図7に示される基準量を補正した潤滑量の潤滑油を供給するようにしてもよい。たとえば自動変速機200あるいはエンジン106の作動状態に基づいて、潤滑量を補正するようにしてもよい。これにより自動変速機200に対する潤滑量をより最適化することができる。
【0076】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る潤滑量制御装置について説明する。なお本実施の形態に係る潤滑量制御装置は、前述の第1の実施の形態に係る潤滑量制御装置と同じハードウェア構成を有する。そのため、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0077】
図9を参照して、本実施の形態に係る潤滑量制御装置により供給される潤滑油の温度と粘度との関係を説明する。図9に示すように、この潤滑油は、低温時には粘度が高く高温時には粘度が低くなる。したがって、低温時には、自動変速機200の作動効率が潤滑油の粘性抵抗により低下する可能性がある。一方、高温時には潤滑油の油膜の形成能力が低下するため、自動変速機200の構成要素の摩擦面が流体潤滑の状態から境界潤滑の状態となり、焼付きなどが起こる可能性がある。
【0078】
図10を参照して、入力エネルギが一定の場合における潤滑油の温度と潤滑量との関係について説明する。この関係は、たとえば入力エネルギの範囲別のマップ情報として、ECT_ECU100の内部に予め記憶されている。
【0079】
図10に示すように、潤滑油の温度がTmin以下であるとき、必要な潤滑量はLminである(一点鎖線(a)の部分)。この潤滑量Lminは、自動変速機200を潤滑するために少なくとも必要な潤滑量である。すなわち、低温時には自動変速機200を潤滑油により冷却する必要がないため、自動変速機200の回転部分の焼付き等を防ぐために必要な潤滑量(すなわちLmin)のみを供給すればよい。
【0080】
潤滑油の温度がTminとTmaxとの間であるとき、車両は正常に走行している状態である。このとき、オイルクーラ(図示しない)も正常に作動しており、潤滑油は適切に冷却されている。LminからLmaxの間の潤滑量(直線(b)の部分)が自動変速機200に供給される。
【0081】
潤滑油の温度がTmax以上であるとき、たとえばオイルクーラその他の潤滑回路は異常であると考えられる。この場合は、回転部分の焼付き等その他の損傷を少しでも遅延させるために、オイルポンプ400が吐出できる限界の潤滑量が自動変速機に供給される(二点鎖線(c)の部分)。
【0082】
図11を参照して、本実施の形態に係る潤滑量制御装置において実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図11に示すフローチャートの中で、前述の図8に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0083】
S207にて、ECT_ECU100は、潤滑油の温度が低温限界値以上であるか否かを判断する。潤滑油の温度が低温限界値以上であると判断すると(S207にてYES)、処理はS208に移される。そうでないと(S207にてNO)、処理はS216に移される。
【0084】
S208にて、ECT_ECU100は、潤滑油の温度が高温限界値以下であるか否かを判断する。潤滑油の温度が高温限界値以下であると判断すると(S208にてYES)、処理はS108に移される。そうでないと(S208にてNO)、処理はS214に移される。
【0085】
S212にて、ECT_ECU100は、入力エネルギとエネルギ伝達効率と潤滑油の温度とに基づいて潤滑量を算出する。この算出は、ECT_ECU100の内部メモリ(図示しない)に記憶された入力エネルギと潤滑油の温度と潤滑量とから構成されるマップ情報に基づいて行なわれる。
【0086】
S214にて、ECT_ECU100は、最多潤滑量を算出する。最多潤滑量とは、オイルポンプ400から供給される潤滑油の最多量である。この最多潤滑量は、ECT_ECU100の内部に予め記憶されている。
【0087】
S216にて、ECT_ECU100は、最少潤滑量を算出する。最少潤滑量とは、自動変速機の作動部分の焼付き等を防ぐために少なくとも必要な潤滑量である。この最少潤滑量は、ECT_ECU100の内部に予め記憶されている。
【0088】
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る潤滑量制御装置の動作を、潤滑油の温度が常温時、低温時および高温時である場合に分けて説明する。ここで、常温とは、車両の走行状態が正常である場合に検出される油温である。低温とは、車両を始動したときに検出される油温である。高温とは、オイルクーラの異常などにより潤滑油が適切に冷却されない場合、あるいはエンジン104あるいは変速機構202などの異常時に検出される油温である。なお、前述の第1の実施の形態における動作と同じ動作はここでは繰返さない。
【0089】
[常温時]
車両の走行中に自動変速機200の作動状態が検出され(S106)、潤滑油の温度が低温限界値以上であり(S207にてYES)、かつ高温限界値以下であるとき(S208にてYES)、自動変速機200への入力トルクが算出される(S108)。自動変速機200への入力エネルギが算出されると(S110)、潤滑量が入力エネルギとエネルギ伝達効率と潤滑油の温度とに基づいて算出される(S212)。算出された潤滑量に対応する指示値がリニアソレノイドバルブ134に出力されると(S114)、その潤滑量に相当する潤滑油が自動変速機200に供給される。
【0090】
[低温時]
エンジン104を始動したときに自動変速機200の作動状態が検出され(S106)、潤滑油の温度が低温限界値よりも小さいと判断されると(S207にてNO)、自動変速機200に対する最少潤滑量が算出される(S216)。その潤滑量に対応する指示値がリニアソレノイドバルブ134に出力されると(S114)、最少の潤滑量が自動変速機200に供給される。
【0091】
[高温時]
車両の走行中にオイルクーラが故障すると、潤滑油の冷却が不十分となり油温が上昇する。この場合に潤滑油の温度が検出されると(S106)、潤滑油の温度は低温限界値以上であり(S207にてYES)、高温限界値を上回ると判断されるため(S208にてNO)、最多潤滑量が算出される(S214)。その潤滑量に対応する指示値がリニアソレノイドバルブ134に出力されると(S114)、オイルポンプ400が吐出可能な最多の潤滑油が自動変速機200に供給される。
【0092】
これにより、本実施の形態に係る潤滑量制御装置によると、自動変速機200への入力エネルギと潤滑油の温度とに基づいて最適な潤滑量を算出することができるため、自動変速機200を効率よく潤滑することができる。このようにすると、潤滑油が低温の場合には自動変速機200を冷却する必要がないため、自動変速機200の潤滑に必要な潤滑量のみが供給される。したがって、粘性抵抗の大きい潤滑油を必要以上に供給する場合に比べて、オイルポンプ400の動力損失を抑制することができる。また、潤滑油が高温の場合にはオイルポンプ400が吐出可能な最多量の潤滑油が供給されるため、油膜形成能力その他の潤滑特性の低下による自動変速機200の回転要素の焼付き等の損傷の発生を遅延させることができる。その結果、動力伝達機構への入力エネルギおよび潤滑油の温度に基づいて動力伝達機構の潤滑量を最適化することができる潤滑量制御装置を提供することができる。
【0093】
なお、本実施の形態に係る潤滑量制御装置において、潤滑油の温度が検出されたときに算出した潤滑量をメモリ等に記憶するようにしてもよい。このようにすると、入力エネルギおよび潤滑油の温度に基づいて算出される潤滑量を補正することが可能になるため、潤滑量の算出精度が向上し、自動変速機200を効率よく潤滑することができる。
【0094】
また、図10に示したように、入力エネルギが一定の場合における潤滑油の温度と潤滑量との関係をECT_ECU100に予め記憶する代わりに、潤滑油の温度が一定の場合における入力エネルギと潤滑量との関係を記憶してもよい。すなわち、入力エネルギのとりうる範囲および潤滑油の温度の変化する範囲に応じて、適切な関係をマップ情報として記憶することができる。これにより、予め記憶すべきデータの増加を抑制するとともに、潤滑量を算出するまでの時間を短くすることができる。
【0095】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る潤滑量制御装置の制御ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る自動変速機を含むドライブトレーンを表わす図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る自動変速機に含まれる係合要素の作動表である。
【図4】本発明の実施の形態に係る潤滑回路図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るトルクコンバータの伝達効率を表わす図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る変速機構の入力エネルギと発熱量との関係を表わす図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る変速機構の発熱量と潤滑量との関係を表わす図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る潤滑量制御装置の処理の手順を表わすフローチャートである。
【図9】図1に示される潤滑量制御装置により供給される潤滑油の温度と粘度との関係を表わす図である。
【図10】図1に示される潤滑量制御装置により供給される潤滑油の温度と潤滑量との関係を表わす図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る潤滑量制御装置の処理の手順を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
100 ECT_ECU、104 トルクコンバータ、108 ロックアップクラッチ、130 圧力制御弁、132、ロックアップ制御弁、134 リニアソレノイドバルブ、200 自動変速機、202 変速機構、204,206,208,210 歯車、400 オイルポンプ。

Claims (14)

  1. 車両の動力伝達機構に供給する潤滑油の供給量を制御する潤滑量制御装置であって、前記潤滑油は潤滑装置により供給され、
    前記動力伝達機構への入力エネルギを算出するための入力エネルギ算出手段と、
    前記入力エネルギに基づいて前記供給量を算出するための供給量算出手段と、
    前記算出された供給量の潤滑油を前記動力伝達機構に供給するように、前記潤滑装置を制御するための制御手段とを含む、潤滑量制御装置。
  2. 前記潤滑量制御装置は、
    前記動力伝達機構の入力トルクを算出するための入力トルク算出手段と、
    前記動力伝達機構の作動状態を検出するための作動状態検出手段とをさらに含み、
    前記入力エネルギ算出手段は、前記算出された入力トルクおよび前記検出された作動状態に基づいて、前記入力エネルギを算出するための算出手段を含む、請求項1に記載の潤滑量制御装置。
  3. 前記作動状態は、前記動力伝達機構の入力回転数である、請求項2に記載の潤滑量制御装置。
  4. 前記動力伝達機構は流体継手を備えた変速機である、請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑量制御装置。
  5. 前記動力伝達機構は流体継手を備えた変速機であり、
    前記作動状態は前記流体継手の発熱状態である、請求項2に記載の潤滑量制御装置。
  6. 車両の動力伝達機構に供給する潤滑油の供給量を制御する潤滑量制御方法であって、前記潤滑油は潤滑装置により供給され、
    前記動力伝達機構への入力エネルギを算出する入力エネルギ算出ステップと、
    前記入力エネルギに基づいて、前記供給量を算出する供給量算出ステップと、
    前記算出された供給量の潤滑油を前記動力伝達機構に供給するように、前記潤滑装置を制御する制御ステップとを含む、潤滑量制御方法。
  7. 前記潤滑量制御方法は、
    前記動力伝達機構の入力トルクを算出する入力トルク算出ステップと、
    前記動力伝達機構の作動状態を検出する作動状態検出ステップとをさらに含み、
    前記入力エネルギ算出ステップは、前記算出された入力トルクおよび前記検出された作動状態に基づいて、前記入力エネルギを算出する算出ステップを含む、請求項6に記載の潤滑量制御方法。
  8. 前記作動状態は、前記動力伝達機構の入力回転数である、請求項7に記載の潤滑量制御方法。
  9. 前記動力伝達機構は流体継手を備えた変速機である、請求項6〜8のいずれかに記載の潤滑量制御方法。
  10. 前記動力伝達機構は流体継手を備えた変速機であり、
    前記作動状態は、前記流体継手の発熱状態である、請求項7に記載の潤滑量制御方法。
  11. 車両の動力伝達機構に供給する潤滑油の供給量を制御する潤滑量制御装置であって、前記潤滑油は潤滑装置により供給され、
    前記動力伝達機構への入力エネルギを算出するための入力エネルギ算出手段と、
    前記潤滑油の温度を検出するための油温検出手段と、
    前記入力エネルギおよび前記潤滑油の温度に基づいて、前記供給量を算出するための供給量算出手段と、
    前記算出された供給量の潤滑油を前記動力伝達機構に供給するように、前記潤滑装置を制御するための制御手段とを含む、潤滑量制御装置。
  12. 前記潤滑量制御装置は、
    前記動力伝達機構の入力トルクを算出するための入力トルク算出手段と、
    前記動力伝達機構の作動状態を検出するための作動状態検出手段とをさらに含み、
    前記入力エネルギ算出手段は、前記算出された入力トルクおよび前記検出された作動状態に基づいて、前記入力エネルギを算出するための算出手段を含む、請求項11に記載の潤滑量制御装置。
  13. 前記供給量算出手段は、前記潤滑油の温度が予め定められた範囲に含まれる場合には、前記入力エネルギおよび前記潤滑油の温度に基づいて前記供給量を算出するための手段を含む、請求項11または12に記載の潤滑量制御装置。
  14. 前記供給量算出手段は、前記潤滑油の温度が予め定められた範囲から逸脱する場合には、予め定められた潤滑量を前記供給量として算出するための手段を含む、請求項11または12に記載の潤滑量制御装置。
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