JPH10140541A - ダム堤体の施工方法 - Google Patents

ダム堤体の施工方法

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JPH10140541A
JPH10140541A JP29690996A JP29690996A JPH10140541A JP H10140541 A JPH10140541 A JP H10140541A JP 29690996 A JP29690996 A JP 29690996A JP 29690996 A JP29690996 A JP 29690996A JP H10140541 A JPH10140541 A JP H10140541A
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embankment
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crane
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Hiroshi Shimada
洋 嶋田
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洋一 福元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダム堤体の施工に際して自然環境を損うこと
なくかつ作業効率の向上を図る。 【解決手段】 河床部に設置した搬送装置Aによりコン
クリートを河床部Rから堤体D上面に搬送することによ
り堤体を順次上方に立ち上げていくとともに、それに追
随させて搬送装置を順次上方に延長させていき、堤体が
完成した後には搬送装置をその頂部から順次解体して撤
去する。搬送装置の上方への延長および頂部からの解体
は、搬送装置に備えたセルフクライミング式のタワーク
レーン4により搬送装置自身により行う。予め河床部に
着岩部を施工し、着岩部上にコンクリート運搬車Tを配
備し、搬送装置から運搬車にコンクリートを供給し、運
搬車により着岩部の周囲および上面にコンクリートを打
設することで堤体を施工する。堤体完成後にはタワーク
レーンにより運搬車を堤体上から河床部に吊り下ろす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダム堤体を施工する
ための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、峡谷ダムの堤体を構築す
る工法として、RCD(Roller Com-pacted Dam-concre
te)工法あるいは拡張レヤー打設工法と言われるものが
ある。これらの工法は、構築すべき堤体をその底部から
一層ずつコンクリートを面状に打設していくことで次第
に立ち上げていくようにしたものである。
【0003】そのような工法による場合、打設するべき
コンクリートやその作業のために必要な各種資機材を堤
体上に搬送するために、従来においては構築するべき堤
体の一端側の斜面に堤頂よりも高所に位置せしめてバッ
チャープラントを設置するとともに、堤体の上方にケー
ブルクレーンを架設するか、あるいはバッチャープラン
トと堤体とを連絡するインクライン設備を斜面に設置し
て、それらケーブルクレーンやインクライン設備により
バッチャープラントから堤体上にコンクリートや各種機
材を下ろすようにしていることが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
斜面にバッチャープラントやケーブルクレーン、インク
ライン設備を設けるためには、斜面を大きく切り開いて
用地を確保しなければならないから、自然環境保護の観
点から好ましくない場合がある。
【0005】また、近年、河床部から堤体側壁面に沿っ
て堤体上に資機材を搬送することも検討されており、た
とえば堤体側壁面に搬送機を走行させるための走行路を
取り付けるとともに堤体上に搬送機を昇降させるための
巻上機等の設備を設置することが提案されている。しか
し、その場合はコンクリートを打設するべき堤体上に巻
上機その他の設備を設置することからそれらの位置を常
に盛替えなければならず、またそれらの設置スペースを
確保する必要があるから堤体頂部の幅寸法がある程度大
きくないと適用できないものである。さらに堤体側壁部
に対する走行路の取り付けやその解体撤去の作業が必要
となることはもとより、それを撤去した後には堤体側壁
面に対する補修も必要となる。したがって、以上のよう
なことから、河床部からコンクリート等の資機材を堤体
上に搬送しようとする工法はさらに改良の余地を残して
いる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は自然環境を損うことなく、しかも十分に
効率的にダムを施工し得る有効な方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダム堤体を施
工するに当たり、施工するべき堤体の上面に対して河床
部からコンクリートを搬送するための搬送装置を該堤体
の側壁面に近接させて河床部に設置し、該搬送装置によ
りコンクリートを河床部から堤体上面に搬送することに
より堤体を順次上方に立ち上げていくとともにそれに追
随させて前記搬送装置を順次上方に延長させていき、前
記堤体が完成した後には前記搬送装置をその頂部から順
次解体して撤去することとし、かつ、前記搬送装置の上
方への延長および頂部からの解体を、該搬送装置に備え
たセルフクライミング式のタワークレーンにより該搬送
装置自身により行うことを特徴とする。
【0008】前記搬送装置を設置するに先立って河床部
にコンクリートを打設して堤体の一部となる着岩部を予
め施工した後、前記搬送装置を該着岩部に近接させて河
床部に設置するとともに、着岩部上を走行してコンクリ
ートを運搬するための運搬車を着岩部上に配備し、前記
搬送装置から前記運搬車にコンクリートを供給し、該運
搬車によりコンクリートを運搬して着岩部の周囲および
上面にコンクリートを打設することにより、前記着岩部
を水平方向に拡張しかつ上方に立ち上げていくことで堤
体を施工することが好適である。また、堤体完成後には
前記搬送装置が備えるタワークレーンにより前記運搬車
を堤体上から河床部に吊り下ろし、しかる後に該搬送装
置をそれ自身で解体撤去することが好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。図1〜図3は本実施形態の方法に
より堤体Dを施工している状況を示すものであるが、ま
ず本施工方法において用いるコンクリート搬送装置Aに
ついて説明する。この搬送装置Aは構築しようとする堤
体Dの上面にコンクリートを打設するべく、コンクリー
トを河床部Rから堤体D上に搬送するためのものであ
り、併せて堤体Dを施工するために必要な各種の資機材
も搬送可能なものである。
【0010】図中符号1は構築すべき堤体Dの上流側の
側壁面Daに近接するように河床部Rに立設された昇降
路である。この昇降路1は4本のマスト2により構成さ
れた塔状のものであって、それら4本のマスト2のうち
堤体D側に位置しているいずれか1本のマスト2の頂部
にはクレーン3が設置されており、そのクレーン3によ
り図1に示されているようにダンプトラックTや型枠5
その他の機材を河床部Rから堤体D上に搬送でき、また
堤体D上から河床部Rに吊り下ろすことができるものと
されている。このクレーン3およびそれが設置されてい
るマスト2はセルフクライミング式の汎用のタワークレ
ーン4を構成するものであり、マスト2を上方に継ぎ足
しながらクレーン3がそれ自身で上昇でき、かつ頂部の
マスト2を切り離して吊り下ろしてはクレーン3がそれ
自身で降下できるものとされている。また、他の3本の
マスト2もタワークレーン用の汎用のマストが転用され
ている。それら4本のマスト2はそれぞれ自立して互い
に連結されており、したがってそれらにより構成される
昇降路1もそれ自体で安定に自立可能なものであるが、
必要であればこの昇降路1を適宜の支持材により堤体D
に対して連結したり、あるいはさらに必要であればステ
ーを設ける等して転倒防止を図れば良い。
【0011】上記昇降路1にはこの昇降路1に沿って昇
降可能かつ所望位置に固定可能なステージ6が設置され
ている。ステージ6はその詳細を図3および図4に示す
ように昇降路1の外側に装着されたフレーム体であっ
て、その上面がステージ面6aとされている主フレーム
7と、その上部にクライミングシリンダ8を介して離接
可能に連結されている上部フレーム9とからなり、主フ
レーム7および上部フレーム9はそれぞれ下部ロックシ
リンダ10、上部ロックシリンダ11により各マスト2
に対して係止可能とされている。それらロックシリンダ
10,11およびクライミングシリンダ8はステージ6
を昇降させるための昇降機構12を構成しており、この
昇降機構12によりステージ6はそれ自身で昇降路1に
沿って昇降可能かつ所望位置に固定できるものである。
なお、昇降機構12としてはクライミングシリンダ8や
ロックシリンダ10,11に代えてジャッキ等の適宜の
駆動源、適宜の係止手段を任意に採用できる。
【0012】上記の昇降機構12はいわゆる尺取虫的な
動作によりステージ6を昇降させるもので、その昇降機
構12によりステージ6を上昇させるための作業手順に
ついて図4を参照して説明する。図4(a)に示すよう
にステージ6が固定されている状態、つまり主フレーム
7および上部フレーム9の双方がそれぞれ下部ロックシ
リンダ10、上部ロックシリンダ11により各マスト2
に係止されている状態から、(b)に示すように上部フ
レーム9を係止している上部ロックシリンダ11による
係止を解除し、クライミングシリンダ8を伸張させるこ
とにより各マスト2から反力をとって上部フレーム9を
上昇させる。上昇させた上部フレーム9を上部ロックシ
リンダ11により各マスト2に対して係止した後、
(c)に示すように主フレーム7を係止している下部ロ
ックシリンダ10による係止を解除し、クライミングシ
リンダ8を縮退させることにより各マスト2から反力を
とって主フレーム7を上方に引き上げ、引き上げた主フ
レーム7を下部ロックシリンダ10により係止する。以
上を繰り返すことによりステージ6を所望位置まで上昇
させることができ、かつ、そこに固定することができ
る。勿論、上記と逆の手順によりステージ6をそれ自身
で降下させることもできる。
【0013】一方、図3に示すように、昇降路1の内側
には、コンクリートを堤体D上に搬送するための垂直搬
送機たる2台のバケット15が図示を略した適宜のガイ
ドレールにより案内されて河床部Rとステージ6との間
にわたって昇降可能に設けられている。すなわち、図1
に示すようにそれら2台のバケット15を昇降させるた
めの巻上機16が昇降路1の両側に位置して河床部Rに
設置されているとともに、各巻上機16により巻き取り
繰り出されるワイヤ17がそれぞれステージ6に設置さ
れているシーブ(図示略)に巻回されて各バケット15
に連結されている。そして、巻上機16によりワイヤ1
7を巻き取ることでバケット15は昇降路1に沿って上
昇して図3に示すようにステージ面6aの直下の位置ま
で達し、かつワイヤ17を繰り出すことでバケット15
は降下して昇降路1直下の積み込みピット18内に達す
るようになっている。なお、バケット15の容量は適宜
で良いがたとえば9m3程度の大容量のものを採用可能
である。
【0014】また、図3に示すように、上記のステージ
6には、バケット15により搬送されてきたコンクリー
トを受け取るホッパー20が設けられ、さらにそのホッ
パー20からコンクリートを受け取って堤体D側に搬送
するための水平搬送機たるベルトフィーダ21が設けら
れている。ホッパー20はステージ面6aの直下まで上
昇したバケット15の斜め前方に位置するように設置さ
れ、その上部にはパワーシリンダ(図示略)により起倒
するシュート22が設けられ、バケット15から放出さ
れるコンクリートをシュート22を介して受け取って一
時的に貯留し得るものであり、ベルトフィーダ21を作
動させることでコンクリートを送り出し、かつゲート2
3の開度とベルト速度とを調節することでコンクリート
の送り出し量を調節できるものとなっている。
【0015】ベルトフィーダ21はベルトコンベア式の
もので、ホッパー20から受け取ったコンクリートを前
方を送って堤体D上を走行するコンクリート運搬車とし
てのダンプトラックTに対して投入するためのものであ
る。このベルトフィーダ21は、その基端部がステージ
6の下部に対して回動可能に連結され、かつその先端部
がワイヤ24によりステージ6の上部から吊り支持され
ることで、先端側が旋回可能かつ上下方向に若干の角度
(たとえば水平に対し上下方向にそれぞれ5゜程度)傾
斜可能に設けられており、その先端下部にはコンクリー
トをダンプトラックTに均等にまきだすとともに骨材分
離を抑えるための電動旋回式のチルトシュート25が設
けられている。
【0016】以上でコンクリート搬送装置Aの構成につ
いて説明したが、次にその搬送装置Aを用いて堤体Dの
施工を行う作業手順すなわち本発明の実施形態である施
工方法について説明する。堤体Dの構築位置を所望の状
態に掘削した後、搬送装置Aを設置するに先立ってまず
図5に示すように河床部Rにコンクリートを打設して堤
体Dの幅方向に沿う着岩部30を河床部に施工する(図
5において(b)は(a)におけるb矢視拡大図、
(c)は(a)におけるc矢視図である)。その着岩部
30の幅すなわち堤体Dの長さ方向の寸法はコンクリー
ト運搬車としてのダンプトラックTが走行可能なように
たとえば15m程度とし、それを施工するには(a)、
(b)に示すように施工するべき着岩部30に隣接する
位置に仮設の走行路31を設け、その走行路31からク
ローラクレーン32を用いてバケット33によりコンク
リートを打設すれば良い。なお、バッチャープラントが
直近に設けられない場合には(a)に示すように適宜位
置に設けたバッチャープラントBからクローラクレーン
32までコンクリートを搬送するためのダンプトラック
走行路35を設ければ良い。
【0017】着岩部30が施工されたら、それを起点と
してその両側にコンクリートを打設していき、かつその
上面にさらにコンクリートを打設することで、着岩部3
0を両側に拡張しかつ次第に上方に立ち上げていく形態
で堤体Dを施工するが、その作業を上記の搬送装置Aに
より行うべく、図5(c)に示すように搬送装置Aを着
岩部30の上流側の河床部Rに設置する。すなわち4本
のマスト2を建てて昇降路1を形成し、そのいずれかに
はクレーン3を設置し、昇降路1の所望位置にステージ
6を取り付け、ステージ6にはホッパー20、ベルトフ
ィーダ21を取り付け、昇降路1内にバケット15を昇
降可能に設置する。その際、ステージ6の位置は少なく
とも着岩部30上を走行するダンプトラックTに対して
コンクリートを支障なく投入できる高さに設置すること
とし、昇降路1の高さすなわちマスト2の全高は少なく
ともステージ6を適正な位置に配置できるように設定す
る。なお、この際の搬送装置Aの組立、設置作業は通常
のタワークレーンを組み立てる場合と同様にクローラク
レーンやトラッククレーン等の移動式小型クレーンを用
いることで容易に行うことができるし、クレーン3を設
置した後はそれを用いることもできる。そして、図5
(c)に示すように必要に応じてバンカー線36を設
け、また、図2に示すように搬送装置Aの近傍にバッチ
ャープラントBを設置するとともに、そこからコンクリ
ートを搬送装置Aまで搬送するためのトランスファーカ
ーCを設置する。あるいはバッチャープラントBを直近
に設置できないような場合には適宜位置に設けたバッチ
ャープラントから図3に示すようにダンプトラックTに
よりコンクリートを搬送装置Aまで搬送するようにして
も良い。一方、着岩部30上にはコンクリート運搬車と
しての所望台数のダンプトラックTを配置し、必要に応
じて型枠5その他の機材も着岩部30上に搬送するが、
それには小型クレーンあるいは上記のクレーン3を用い
れば良い。
【0018】図2や図3に示すようにバケット15を積
み込みピット18内に配置して、バッチャープラントB
からトランスファーカーCあるいはダンプトラックTに
より搬送してきたコンクリートをそのバケット15内に
投入したら、巻上機16を作動させてバケット15をス
テージ6のホッパー20よりも上方位置まで上昇させ
る。その際、シュート22は起立させておいてバケット
15の通過を許容せしめる。そして、シュート22を昇
降路1側に倒し、バケット15からコンクリートをシュ
ート22を介してホッパー20に投入してそこに一時的
に貯留し、ゲート23を適度の開度に開いて適量のコン
クリートをホッパー20からベルトフィーダ21に供給
して前方へ搬送し、ダンプトラックTに投入する。その
際、ダンプトラックTの位置や高さに応じてベルトフィ
ーダ21を適宜旋回させるとともにその傾斜角度を適宜
調節し、またチルトシュート25をチルトさせてコンク
リートを均等にダンプトラックTに積み込む。コンクリ
ートを積み込んだダンプトラックTは所望の打設位置ま
で走行しそこでコンクリートを打設する。
【0019】上記のようにして着岩部30を起点として
その周囲および上面にコンクリートを打設していくこと
で堤体Dを施工していき、堤体Dが所定高さだけ立ち上
げられたら、図4に示した手順によりステージ6を上方
に盛替え、さらに同様にしてコンクリートを打設する。
ステージ6が昇降路1の頂部に達したら上述したように
クレーン3を用いて各マスト2を継ぎ足して昇降路1を
上方へ延長させ、クレーン3をそれ自身で上昇させ、ス
テージ6をさらに上昇させ、堤体Dの頂部に達するまで
それを繰り返す。
【0020】堤体Dの頂部までコンクリートを打設して
堤体Dを完成させたら、堤体D上のダンプトラックTや
その他の機材をクレーン3により河床部Rに吊り下ろし
た後、搬送装置Aの解体を行う。それには、まずステー
ジ6をそれ自身で降下させ、河床部Rにおいてクローラ
クレーンやトラッククレーン等の移動式小型クレーンあ
るいは上記のクレーン3を用いてステージ6およびそこ
に設置されているホッパー20、ベルトフィーダ21、
その他の装置類を解体撤去する。次いで、クレーン3を
それ自身で降下させていってはマスト2を頂部から順次
切り離して吊り下ろし、最終的には河床部Rにおいて移
動式小型クレーンを用いてクレーン3やマスト2および
その他の全てを解体撤去する。
【0021】以上のように、本施工方法によれば、従来
のケーブルクレーンやインクライン設備を採用する場合
のように斜面を切り開く必要がなく自然環境保護の観点
から好ましいものである。
【0022】そして、特に本施工方法においては、バケ
ット15とベルトフィーダ21によりコンクリートを搬
送するのみならずタワークレーン4によりダンプトラッ
クT等の機材をも堤体D上に搬送し得る搬送装置Aを用
いるので、この搬送装置Aを堤体Dの側壁面Daに近接
させて河床部Rに設置するのみで堤体D上には固定的な
設備を設ける必要がなく、したがって堤体D上における
コンクリート打設その他の作業を効率良く行い得るし、
堤体Dの頂部の幅寸法が狭い場合であっても何等の支障
がない。勿論、堤体Dの側壁面Daに対して走行路を取
り付ける場合のようにその取り付けや解体撤去のための
作業が必要となることはないし後補修も不要である。
【0023】また、搬送装置Aが備えるタワークレーン
4は汎用のセルフクライミング式のものであるので、設
備費の点で有利であるのみならず盛替えや解体をそれ自
身で行うことができる。すなわち、本施工方法によれ
ば、堤体Dの施工に係わる作業のみならず搬送装置Aの
設置や盛替え、解体に係わる作業の殆どをこの搬送装置
A自身で容易に行うことができ、したがってダム施工の
効率向上に大きく寄与できるものである。しかも、着岩
部30を先行施工してそこにダンプトラックTを配備
し、そのダンプトラックTによりコンクリートの運搬を
行うことで着岩部30をそれを起点としてそれを拡張、
立ち上げていく形態で堤体Dを施工するので、一連の作
業を効率的に実施できるものであり、堤体完成後にはダ
ンプトラックTその他の機材を堤体Dからタワークレー
ン4により吊り下ろすことでその作業も支障なく容易に
行い得る。
【0024】以上で本発明方法の一実施形態を説明した
が、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論な
く、施工するべき堤体の規模や形態に応じてたとえば以
下のような適宜の変更が可能である。
【0025】たとえば堤体長が大きい場合等においては
搬送装置Aを複数基設置すれば良いし、可能であれば搬
送装置Aを堤体Dの上流側に設けることに代えて下流側
に設けたりあるいはその双方に設置しても良い。また、
上記での着岩部30の施工手順はあくまで一例であっ
て、着岩部の施工に関しては立地条件等を考慮して最適
な工法を適宜採用すれば良く、場合によっては着岩部を
設けることなく搬送装置Aによって直接的に河床部に対
してコンクリートを打設することを妨げるものではない
し、着岩部を設ける場合においてもその範囲はコンクリ
ート運搬車が走行できる程度の最小限とすることで良
い。なお、コンクリート運搬車としてはダンプトラック
を使用することが現実的ではあるが他の運搬車も使用可
能である。また、ベルトフィーダ21からダンプトラッ
クTに直接的にコンクリートを積み込まないで、堤体D
上に配置したグランドホッパーに積み込むようにしても
良く、その場合は一時的に堤体D上を走行するダンプト
ラックTの運行に支障が生じるような場合にもコンクリ
ートを荷受けできる。
【0026】また、本発明の施工方法において用いる搬
送装置Aの構成は、堤体D上へコンクリートを搬送でき
かつそれ自身で上方へ延長可能かつ頂部から解体撤去可
能なものであり、そのためのタワークレーン4を備える
ものである限りにおいて上記構成のものに限定されるも
のではなく、たとえば上記のような起伏ジブ式のタワー
クレーン4に代えて水平ジブ式のタワークレーンも採用
可能である。
【0027】さらに、搬送装置Aの変形例について列挙
すれば、上記の搬送装置Aは2台のバケット15を備え
るものとしたが、これは1台であっても良いし3台以上
とすることも勿論可能である。また、上記のものでは昇
降路1を4本のマスト2により構成したが、安定に自立
できかつ垂直搬送機を案内して昇降させ得るものとする
限りにおいては昇降路1の形態は任意であり、たとえば
2本あるいは3本のマスト2により構成したり、より多
数のバケット15を備えるような場合にあってはさらに
多数のマスト2により昇降路1を構成しても勿論良い。
また、上記では垂直搬送機として巻上機16により昇降
するバケット15を採用し、水平搬送機としてベルトフ
ィーダ21を採用したが、コンクリートを効率的に搬送
し得るものであれば他の形式の搬送機も任意に採用可能
である。また、巻上機16を用いる場合においてはそれ
を上記のように河床部Rに設置することに代えて巻上機
16をステージ6に搭載することも可能である。ただ
し、その場合はステージ6にそのためのスペースが必要
であるしステージ6の積載荷重が増大するのでそのため
の対策が必要となる。さらに、ステージ6の形態もホッ
パー20および水平搬送機を搭載して昇降可能なもので
ある限りにおいてその形態は任意であり、上記のような
クライミングシリンダ8とロックシリンダ10,11よ
りなる昇降機構12に代わる適宜の昇降機構が採用可能
であるし、あるいは昇降機構を省略してたとえばマスト
2の頂部に設けた上記のクレーン3つまり搬送装置Aが
備えるタワークレーン4を用いてステージ6を昇降させ
る構成とすることでも良い。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明の施工方法は、河
床部に設置した搬送装置によりコンクリートを河床部か
ら堤体上面に搬送することにより堤体を順次上方に立ち
上げていくとともに、それに追随させて搬送装置を順次
上方に延長させていき、堤体が完成した後には搬送装置
をその頂部から順次解体して撤去することとし、しか
も、搬送装置の上方への延長および頂部からの解体をそ
の搬送装置に備えたセルフクライミング式のタワークレ
ーンにより搬送装置自身により行うから、従来のように
斜面を大きく切り開く必要がないので自然環境保護の観
点から好ましいものであることはもとより、コンクリー
トを河床部から堤体上に効率的に搬送することが可能で
あるとともにタワークレーンによりコンクリート運搬車
としてのダンプトラックその他の資機材をも堤体上に搬
送することが可能であり、しかも搬送装置の設置や盛替
え、解体をも殆ど搬送装置自体で行うから、堤体施工の
効率向上に大きく寄与できるものである。また、着岩部
を先行施工してそこに運搬車を配備し、運搬車によりコ
ンクリートの運搬を行うことで着岩部を起点としてそれ
を拡張、立ち上げていく形態で堤体を施工することによ
り一連の作業を効率的に実施できるし、また、堤体完成
後には運搬車その他の機材を堤体からタワークレーンに
より吊り下ろすことによりその作業も支障なく容易に行
い得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である施工方法により堤
体を施工している状況を示す斜視図である。
【図2】 同、立面図である。
【図3】 同、拡大立面図である。
【図4】 本施工方法において用いる搬送装置における
ステージの上昇工程を説明するための図である。
【図5】 本施工方法における着岩部の施工工程の一例
を示す図である。
【符号の説明】
D ダム堤体 R 河床部 A 搬送装置 T ダンプトラック(コンクリート運搬車) 2 マスト 3 クレーン 4 タワークレーン 30 着岩部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダム堤体を施工するに当たり、施工する
    べき堤体の上面に対して河床部からコンクリートを搬送
    するための搬送装置を該堤体の側壁面に近接させて河床
    部に設置し、該搬送装置によりコンクリートを河床部か
    ら堤体上面に搬送することにより堤体を順次上方に立ち
    上げていくとともにそれに追随させて前記搬送装置を順
    次上方に延長させていき、前記堤体が完成した後には前
    記搬送装置をその頂部から順次解体して撤去することと
    し、かつ、前記搬送装置の上方への延長および頂部から
    の解体を、該搬送装置に備えたセルフクライミング式の
    タワークレーンにより該搬送装置自身により行うことを
    特徴とするダム堤体の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記搬送装置を設置するに先立って河床
    部にコンクリートを打設して堤体の一部となる着岩部を
    予め施工した後、前記搬送装置を該着岩部に近接させて
    河床部に設置するとともに、着岩部上を走行してコンク
    リートを運搬するための運搬車を着岩部上に配備し、前
    記搬送装置から前記運搬車にコンクリートを供給し、該
    運搬車によりコンクリートを運搬して着岩部の周囲およ
    び上面にコンクリートを打設することにより、前記着岩
    部を水平方向に拡張しかつ上方に立ち上げていくことで
    堤体を施工することを特徴とする請求項1記載のダム堤
    体の施工方法。
  3. 【請求項3】 堤体完成後には前記搬送装置が備えるタ
    ワークレーンにより前記運搬車を堤体上から河床部に吊
    り下ろし、しかる後に該搬送装置をそれ自身で解体撤去
    することを特徴とする請求項2記載のダム堤体の施工方
    法。
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