JP3163433B2 - 資機材搬送装置 - Google Patents

資機材搬送装置

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JP3163433B2
JP3163433B2 JP29184294A JP29184294A JP3163433B2 JP 3163433 B2 JP3163433 B2 JP 3163433B2 JP 29184294 A JP29184294 A JP 29184294A JP 29184294 A JP29184294 A JP 29184294A JP 3163433 B2 JP3163433 B2 JP 3163433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート等の資材
やコンクリート打設用機材等の資機材を搬送する資機材
搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ダム建設には、面状に広くコ
ンクリートを打設していくRCD(Roller Compacted D
am-concrete)工法や拡張レヤー打設工法等が採用され
ており、該工法は、すでにコンクリート打設で形成され
たダム堤体上に一層ずつコンクリート打設層を積み重ね
てダム堤体を上方に構築していくものである。そして、
上記の場合、すでに形成されたダム堤体上に、新たな打
設を行うための、コンクリート等の資材やコンクリート
打設用機材等の資機材を搬送する必要があり、従来は、
コンクリート混練設備等をダム堤頂部近傍であって該堤
頂部よりやや高い位置に設け、これよりさらに高い位置
にケーブルクレーンを設置し該ケーブルクレーンを用い
て資機材を搬送したり、ダムの掘削面にインクライン設
備を設け該インクライン設備を用いてダム堤体上に資機
材を降ろしたり、さらにはベルトコンベアで河床部から
搬送する方法等が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したケーブルクレ
ーンを用いる場合には、主に以下の問題があった。 (1)コンクリート混練設備及びケーブルクレーンを設
置するための広い用地がダム堤頂部付近に必要となるた
め、該ダム堤頂部付近の山を大きく削り取って用地を確
保する必要があり、自然環境保全や景観上の観点から好
ましくない。 (2)ケーブルクレーンのバケット等が作業者の上方を
移動するため作業者の安全確保に一層の注意を払わなけ
ればならない。
【0004】上記したインクライン設備を用いる場合に
は、主に以下の問題があった。 (1)ケーブルクレーンの場合と同様、コンクリート混
練設備を設置するための広い用地がダム堤頂部付近に必
要となるため、該ダム堤頂部付近の山を大きく削り取っ
て用地を確保する必要があり、自然環境保全や景観上の
観点から好ましくない。 (2)台車を走行させるレール設備を、ダムの掘削面の
ダム頂部から河床に至る間に設置しなければならないた
め、ダムの打設開始に先立ってレール設備下面全体の岩
盤について岩盤検査を受ける必要があり、またレールを
前もって上から下まで全部を敷設しなければ稼働できな
い構造であり、よって、ダムコンクリートの打設開始に
対する工程上の制約がある。加えてコンクリート打設の
進捗と共にインクラインレール設備の撤去、基礎コンク
リートの撤去などの作業を行わなければダムコンクリー
トの打設作業を進行できない。したがって、必然的に工
期が長くなってしまう。
【0005】上記したベルトコンベアで河床部から搬送
する場合には、以下の問題があった。 (1)コンクリート打設面の上昇に伴うベルトコンベア
ラインの盛替が大変であり、また、ベルトコンベアの敷
設に伴う地山の切取りが発生するため、必然的に工期が
長くなってしまう。
【0006】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、自然環境保全や景観上の観点から好ましく、ま
た安全性が高く、さらに工期を大幅に短縮できるダム建
設の施工に用いて好適な資機材搬送装置を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の資機材搬送装置は、すでに
コンクリート打設により形成されたダム堤体の側壁面に
沿って鉛直で設置されるとともに上方に延長可能な案内
部材と、該案内部材に反力をとりつつ上昇可能な架台
と、該架台を前記案内部材から反力をとって上昇させる
上昇機構と、資機材を搭載可能な搬送器と、前記架台に
設けられ、前記搬送器に連結された線状体を巻上げ及び
繰出す巻上装置と、を有することを特徴としている。
【0008】本発明の請求項2記載の資機材搬送装置
は、すでにコンクリート打設により形成されたダム堤体
の側壁面に沿って鉛直に設置されるとともに上方に延長
可能な案内部材と、該案内部材に反力をとりつつ上昇可
能な架台と、該架台を前記案内部材から反力をとって上
昇させる上昇機構と、資機材を搭載可能な搬送器と、前
記架台以外の位置に設けられ、前記搬送器に連結された
線状体を巻上げ及び繰出す巻上装置と、前記架台に設け
られ、前記線状体がかけられるプーリと、を有すること
を特徴としている。
【0009】本発明の請求項3記載の資機材搬送装置
は、請求項1又は2記載のものに加えて、前記搬送器を
二つ有しており、前記巻上装置は、それぞれの搬送器に
連結された線状体をそれぞれ個別の回転体に逆向きに巻
いてなることを特徴としている。
【0010】本発明の請求項4記載の資機材搬送装置
は、すでにコンクリート打設により形成されたダム堤体
の側壁面に沿って鉛直に設置されるとともに上方に延長
可能な案内部材と、該案内部材に反力をとりつつ上昇可
能な架台と、該架台を前記案内部材から反力をとって上
昇させる上昇機構と、資機材を搭載可能とされ前記架台
の少なくとも下方で昇降する搬送器と、前記架台に設け
られ、前記搬送器により運搬された資材を仮受けする仮
受ホッパーと、を有することを特徴としている。
【0011】本発明の請求項5記載の資機材搬送装置
は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のものに加え
て、前記架台に、案内部材延長用のクレーン設備が設け
られていることを特徴としている。
【0012】
【0013】
【作用】本発明の請求項1記載の資機材搬送装置によれ
ば、すでにコンクリート打設により形成されたダム堤体
の側壁面に沿って案内部材を設置し、該案内部材に設け
られた架台の巻上装置で線状体を巻上げ及び繰出すこと
で搬送器を昇降させて、河床部側から搬入されたコンク
リート等の資機材をすでにコンクリート打設により形成
されたダム堤体上に運搬する。そして、案内部材をコン
クリート打設の進捗とともに延長し、架台を案内部材に
反力をとりつつ上昇させることにより、架台に設けられ
た巻上装置をコンクリート打設の進捗にともなって上昇
させることができる。上記のように巻上装置をコンクリ
ート打設の進捗にともなって上昇させることができ、搬
送器の上昇位置を高くすることができることから、すで
に打設されたダム堤体を利用して河床部側から資機材を
ダム堤体上に運搬できることになるため、コンクリート
を混練製造するコンクリート混練設備等を河床部に設置
することができ、またケーブルクレーンの数も少なくで
きることになり、よって、該コンクリート混練設備及び
ケーブルクレーンを設置するための用地確保のためにダ
ム堤頂部付近の山を大きく削り取る必要がなくなるとと
もに、ケーブルクレーンのバケット等が作業者の上方を
移動する機会も少なくなる。また掘削面に設けられるの
ではなくすでに形成されたダム堤体の側壁面に沿って設
けられるものであるため、掘削面の岩盤検査及び基礎構
築が必要なくなり、またコンクリート打設の進捗ととも
に延長できることから前もって上から下まで全部布設す
る必要もなくなり、さらにはダムコンクリート打設の進
捗と共に下から基礎を含めて順次撤去する必要もなくな
る。加えて、盛替も容易であり地山の切取りも不要とな
る。
【0014】本発明の請求項2記載の資機材搬送装置に
よれば、すでにコンクリート打設により形成されたダム
堤体の側壁面に沿って案内部材を設置し、巻上装置で線
状体を巻上げ及び繰出すことで、案内部材に設けられた
架台のプーリにかけられた線状体で搬送器を昇降させ
て、河床部側から搬入されたコンクリート等の資機材を
すでにコンクリート打設により形成されたダム堤体上に
運搬する。そして、案内部材をコンクリート打設の進捗
とともに延長し、架台を案内部材に反力をとりつつ上昇
させることにより、架台に設けられたプーリをコンクリ
ート打設の進捗にともなって上昇させることができる。
上記のようにプーリをコンクリート打設の進捗にともな
って上昇させることができ、搬送器の上昇位置を高くす
ることができることから、すでに打設されたダム堤体を
利用して河床部側から資機材をダム堤体上に運搬できる
ことになるため、コンクリートを混練製造するコンクリ
ート混練設備等を河床部に設置することができ、またケ
ーブルクレーンの数も少なくできることになり、よっ
て、該コンクリート混練設備及びケーブルクレーンを設
置するための用地確保のためにダム堤頂部付近の山を大
きく削り取る必要がなくなるとともに、ケーブルクレー
ンのバケット等が作業者の上方を移動する機会も少なく
なる。また掘削面に設けられるのではなくすでに形成さ
れたダム堤体の側壁面に沿って設けられるものであるた
め、掘削面の岩盤検査及び基礎構築が必要なくなり、ま
たコンクリート打設の進捗とともに延長できることから
前もって上から下まで全部布設する必要もなくなり、さ
らにはダムコンクリート打設の進捗と共に下から基礎を
含めて順次撤去する必要もなくなる。加えて、盛替も容
易であり地山の切取りも不要となる。さらに、プーリを
架台に設け、巻上装置を架台以外の位置に設けているた
め、搭載物を含む架台の全重量を増大させることがな
い。
【0015】本発明の請求項3記載の資機材搬送装置に
よれば、巻上装置は、それぞれの搬送器に連結された線
状体をそれぞれ個別の回転体に逆向きに巻いてなるた
め、回転体を一体回転させることにより、一方の搬送器
を上昇させると他方の搬送器が下降することになる。こ
れにより、下降する搬送器が上昇する搬送器のカウンタ
ウエイト代りとなる。
【0016】本発明の請求項4記載の資機材搬送装置に
よれば、すでにコンクリート打設により形成されたダム
堤体の側壁面に沿って案内部材を設置し、該案内部材に
設けられた架台の少なくとも下方で搬送器を昇降させ
て、河床部側から搬入されたコンクリート等の資機材を
すでにコンクリート打設により形成されたダム堤体上に
運搬し、架台に設けられた仮受ホッパーで仮受けさせ
る。そして、案内部材をコンクリート打設の進捗ととも
に延長し、架台を案内部材に反力をとりつつ上昇させる
ことにより、架台に設けられた仮受ホッパーをコンクリ
ート打設の進捗にともなって上昇させることができる。
上記のように架台の下方で昇降する搬送器によりすでに
打設されたダム堤体を利用して河床部側から資機材をダ
ム堤体上に運搬できることになるため、コンクリートを
混練製造するコンクリート混練設備等を河床部に設置す
ることができ、またケーブルクレーンの数も少なくでき
ることになり、よって、該コンクリート混練設備及びケ
ーブルクレーンを設置するための用地確保のためにダム
堤頂部付近の山を大きく削り取る必要がなくなるととも
に、ケーブルクレーンのバケット等が作業者の上方を移
動する機会も少なくなる。また、架台には仮受ホッパー
が設けられているため、該仮受ホッパーをコンクリート
打設の進捗とともに容易に上昇させることができる。
【0017】本発明の請求項5記載の資機材搬送装置に
よれば、架台に、案内部材延長用のクレーン設備が設け
られているため、案内部材をコンクリート打設の進捗と
ともに延長し、架台を案内部材に反力をとりつつ上昇さ
せることにより、架台に設けられたクレーン設備をもコ
ンクリート打設の進捗にともなって上昇させることがで
きる。
【0018】
【0019】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図9を参照して
説明する。なお、第1実施例において、ダム堤体の形成
は、面状に広くコンクリートを打設していくRCD工法
や拡張レヤー打設工法等が採用される。
【0020】図中符号1は既にコンクリート打設により
形成されたダム堤体、符号2は該ダム堤体1の下流又は
上流の側壁面3に設けられた第1実施例の資機材搬送装
置をそれぞれ示している。資機材搬送装置2は、側壁面
3の鉛直方向に沿う鉛直面部4に平行をなして上下に延
在する(つまり鉛直に設置された)四本の、案内部材で
あるマスト6を有しており、各マスト6は、複数の分割
体が長さ方向に連結されて構成されている。
【0021】四本のマスト6は、座屈が生じない程度の
ピッチで取り付けられる連結部材7により連結され平面
視長方形の各頂点位置に配置された状態で、鉛直面部4
に一部埋め込まれた図示せぬアンカーボルトに接合され
るブラケット8を介してダム堤体1に支持されている。
ここで、これらマスト6は、その下部を下流側の河床部
10に形成された穴部9の底部に設置させており、その
上部は、すでに形成されたダム堤体1の上方まで延在さ
れている。なお、各マスト6には、複数の係合穴11
(図2参照)が、長さ方向に等ピッチで配列された状態
で180゜異なる位置にそれぞれ設けられている。
【0022】これらマスト6の間には、二本のバケット
用のガイドレール13が上下方向に沿うよう連結部材7
に支持されて設けられており、一側のガイドレール13
には該ガイドレール13により側面が支持され上下に案
内される搬送器である一方のバケット14が、他方のガ
イドレール13にも該ガイドレール13により側面が支
持され上下に案内される他方のバケット14が、ともに
四本のマスト6で囲まれた範囲内に位置して設けられて
いる。なお、これらガイドレール13は、図示は略すが
複数の分割体が長さ方向に連結されて構成されており、
該分割体を既存のものの上側に連結することで上方への
延長が可能となっている。
【0023】これら二つのバケット14は、図3に示す
ように、ガイドレール13に支持された状態で上方に開
口する上部開口部15を有しており、また上部に図3に
示すように上部蓋体16が必要に応じて取付可能となっ
ている。さらに、バケット14の下部のダム堤体1側に
は、所定範囲に下部開口部19が設けられており、該下
部開口部19は、油圧駆動の開閉シリンダ17で摺動さ
れる下部蓋体18により開閉可能となっている。
【0024】このような構成のバケット14は、コンク
リート等の資材を搬送する場合は、上部蓋体16が外さ
れた状態で用いられ、下部開口部19を下部蓋体18で
閉塞状態として上部開口部15からコンクリートを受取
って搬送を行い、一方、開閉シリンダ17で下部蓋体1
8を移動させ下部開口部19を開放することにより、下
方にコンクリートを排出するようになっている。一方、
コンクリートを搬送しない場合には、必要に応じて上部
蓋体16を取り付け、該上部蓋体16上にコンクリート
荷重相当分のダンプカー25等の機材を載置してこれを
搬送することができるようになっている。
【0025】マスト6の下部には、図4に示すように、
上部開口部20からコンクリートを受取ってある程度の
量を一時貯留するとともに、下方に位置するバケット1
4に、各バケット毎に開閉可能とされた下部開口部21
からコンクリートを供給する下部ホッパー22が設けら
れている。ここで、ダム下流の河床部10には、諸材料
を所定の配合比率で混練してコンクリートを製造する図
示せぬコンクリート混練設備が設けられており、このコ
ンクリート混練設備から、ダンプカー25で下部ホッパ
ー22にコンクリートが運搬されるため、このダンプカ
ー25からのコンクリートの受取りを容易とするよう下
部ホッパー22は穴部9内に、その上面を河床部10の
表面に略合せて設けられている。
【0026】この下部ホッパー22は、バケット14の
昇降に干渉せぬよう、バケット14のダム堤体1に対し
反対側に位置をずらしている。そして、下部ホッパー2
2は、この位置ずれを吸収してコンクリートのバケット
14への投入を可能とするため、シュート24を有して
いる。このシュート24は、板状のもので、図4に二点
鎖線で示すようにバケット14の昇降移動路から引込ん
だ位置と、図4に実線で示すように該下部ホッパー22
の下部開口部21からバケット14の上部開口部15ま
でバケット14側が下側になるよう傾斜しつつ延在する
位置とに、図示せぬ油圧シリンダの駆動等で切り換え可
能となっている。そして、下部ホッパー22は、このシ
ュート24を介して昇降下端位置にあるバケット14に
コンクリートを排出するようになっている。なお、この
ようなシュートは、バケット側に設けることもでき、こ
の場合、該バケットが移動する際には引込んで下部ホッ
パーとの干渉を避け、かつコンクリートのバケットへの
投入時に該バケットの上部開口部から下部ホッパー側が
上側になるよう傾斜して下部ホッパーの下部開口部の下
方まで延在するものをバケット上部に設ければよい。
【0027】図1に示すように、マスト6の、すでに形
成されたダム堤体1より上側には、長方形状の架台26
が設けられている。この架台26には、対応するマスト
6をそれぞれ挿通させる挿通孔27が板厚方向に貫通形
成されており、該挿通孔27の下側には、図2に示す上
昇機構29がそれぞれ設けられている。この上昇機構2
9は、架台26の下面に上端面が固定されるとともに内
側にマスト6を挿通させるよう挿通孔27と同軸とされ
た環状の上部枠体(固定係合部)30と、該上部枠体3
0と同軸に設けられ内側にマスト6を挿通させる環状の
下部枠体(移動係合部)31と、これら上部枠体30と
下部枠体31とを連結させるようマスト6を挟んで相互
に180゜をなす位置にそれぞれ設けられた、油圧駆動
の移動用シリンダ(伸縮機構)32とを有している。
【0028】移動用シリンダ32は、シリンダ本体34
が下部枠体31に固定されるとともにピストンロッド3
5が上部枠体30に固定されており、よって、ピストン
ロッド35をシリンダ本体34から最も突出させること
によりこれら上部枠体30及び下部枠体31を相互に離
間させ、ピストンロッド35をシリンダ本体34側に最
も引込ませることにより上部枠体30及び下部枠体31
を相互に近接させるようになっている。
【0029】上部枠体30には、マスト6の両側の係合
穴11に合う位置に上部挿入穴37がそれぞれ形成され
ており、また油圧駆動の上部係合シリンダ38がそのシ
リンダ本体39を移動用シリンダ32の固定位置の上側
に固定させた状態でそれぞれ設けられている。この上部
係合シリンダ38は、そのピストンロッド40をシリン
ダ本体39から最も突出させることにより、これを、位
置を合せた状態の上部挿入穴37及び係合穴11に挿通
させて上部枠体30をマスト6に係合固定し、一方、ピ
ストンロッド40をシリンダ本体39側に最も引込ませ
ることにより、上部挿入穴37及び係合穴11(少なく
とも係合穴11)への挿通を解除して上部枠体30とマ
スト6との係合固定を解除するようになっている。
【0030】下部枠体31には、マスト6の係合穴11
に合う位置に下部挿入穴42がそれぞれ形成されてお
り、また油圧駆動の下部係合シリンダ43がそのシリン
ダ本体44を移動用シリンダ32の固定位置の下側に固
定させてそれぞれ設けられている。この下部係合シリン
ダ43は、そのピストンロッド45をシリンダ本体44
から最も突出させることにより、これを、位置を合せた
状態の下部挿入穴42及び係合穴11に挿通させて下部
枠体31をマスト6に係合固定し、一方、ピストンロッ
ド45をシリンダ本体44側に最も引込ませることによ
り、下部挿入穴42及び係合穴11(少なくとも係合穴
11)への挿通を解除して下部枠体31とマスト6との
係合固定を解除するようになっている。
【0031】図5に示すように、架台26は、すでに形
成されたダム堤体1側に延出しており、この延出した部
分の下側には、バケット14の昇降に干渉せぬ位置に上
部ホッパー(仮受ホッパー)47がその幅方向(図5に
おける紙面と垂直をなす方向)の両端に固定される支持
部材48を介して支持されている。この上部ホッパー4
7は、バケット14で搬送されたコンクリートを、上部
開口部49で受取り、ある程度一時貯留するべく仮受け
して、必要に応じて開閉可能な下部開口部50から下方
に位置するコンクリートの打込み位置に向けて生コンク
リートを移送するダンプカー25に供給するためのもの
である。
【0032】なお、上部ホッパー47も、バケット14
の昇降のための位置ずれを吸収してコンクリートのバケ
ット14からの受取りを可能とするため、板状のシュー
ト53を有している。このシュート53は、図5に二点
鎖線で示すようにバケット14の昇降移動路から引込ん
だ位置と、図5に実線で示すように上部ホッパー47の
上部開口部49からバケット14の下部開口部19下側
までバケット14側が上側になるよう傾斜しつつ延在す
る位置とに、図示せぬ油圧シリンダの駆動等により揺動
可能となっている。上部ホッパー47は、このシュート
53を介してバケット14からコンクリートを受取るよ
うになっている。なお、このようなシュートは、バケッ
ト側に設けることもでき、この場合、該バケットが移動
する際には引込んで上部ホッパーとの干渉を避け、かつ
コンクリートの上部ホッパーへの投入時に該バケットの
下部開口部19から上部ホッパー側が下側になるよう傾
斜して上部ホッパーの上部開口部の上方まで延在するも
のをバケット下部に設ければよい。
【0033】上記架台26上には、図6に示すように、
同軸上に配列された二つの同形状の巻胴(回転体)55
を有する巻上装置56が載置されており、各巻胴55
は、減速機及び電動機からなる駆動源57に、接離切換
手段であるクラッチ58を介して連結されている。この
クラッチ58は、両巻胴55を連結して駆動源57から
の駆動力でこれらを一体に回転させたり、両巻胴55の
連結を解除して駆動源57からの駆動力を各巻胴55に
それぞれ独立して伝達させたりすることができるもので
ある。
【0034】ここで、巻上装置56は、各巻胴55に、
それぞれワイヤ(線状体)60が二本ずつ相互に干渉せ
ぬよう分離されて巻かれており、これらワイヤ60の繰
出側は、上方のプーリ61にかけられた後、その先端が
下方の対応するバケット14にそれぞれ連結されてい
る。そして、クラッチ58は、一方の巻胴55のワイヤ
60と他方の巻胴55のワイヤ60とが互いに逆向きに
巻かれかつ一方のバケット14が下部ホッパー22の下
側位置にあるとき他方のバケット14が上部ホッパー4
7の上側位置となるよう位相を調整して両巻胴55を一
体に連結している。これにより、一方のバケット14を
上昇させる際には他方のバケット14が下降することに
なる。なお、架台26上には、巻上装置56の他に、水
平旋回可能な旋回台64上に揺動可能なアーム65を具
備し該アーム65の先端からワイヤ66が吊り下げられ
たジブクレーン(クレーン設備)63が設置されてい
る。
【0035】次に、このような構成の資機材搬送装置2
を用いたダム構築について以下に説明する。河床部10
に設けられた図示せぬコンクリート混練設備からダムコ
ンクリートを、ダンプカー25で下部ホッパー22に運
搬し一時貯蔵する。
【0036】すでにコンクリート打設により形成された
ダム堤体1には、上記した資機材搬送装置2が設けられ
ており、この資機材搬送装置2では、下部ホッパー22
の下側に一方のバケット14を位置させ(このとき他方
のバケット14は上部ホッパー47の上側に位置してい
る)、シュート24をバケット14側に揺動させた状態
で、下部ホッパー22の対応する側の下部開口部21を
所定時間開かせてバケット14内にコンクリートを積み
込み、その後、下部ホッパー22のシュート24を逃
す。
【0037】次に、巻上装置56の駆動源57で両巻胴
55を一方向に一体回転させることにより、コンクリー
トを積み込んだバケット14をダム堤体1の側壁面3に
沿って上昇させ(この上昇時に他方の空のバケット14
は下降する)、シュート53を逃した状態にある上部ホ
ッパー47の上側に位置させる(このとき他方のバケッ
ト14はシュート24を逃した状態の下部ホッパー22
の下側に位置する)。そして、上部ホッパー47のシュ
ート53をバケット14側に揺動させて、この状態でバ
ケット14の下部蓋体18を開閉シリンダ17で移動さ
せ開作動させることにより、積み込まれたコンクリート
をシュート53を介して上部ホッパー47の上部開口部
49に落し込む。
【0038】落し込みが終了したら、バケット14の下
部蓋体18を閉作動させるとともに上部ホッパー47の
シュート53を逃した状態とし(このとき下部ホッパー
22の下側にある他方のバケット14には上記と同様に
してコンクリートが積み込まれている)、巻上装置56
の巻胴55を逆方向に一体回転させることによって、空
となった一方のバケット14を下降させ(この下降時に
コンクリートが積み込まれた他方のバケット14は上昇
する)、シュート24が逃された状態にある下部ホッパ
ー22の下側に一方のバケット14を位置させる。
【0039】このような工程を適宜繰り返すことによ
り、河床部10のコンクリート混練設備からダンプカー
25で運搬されたコンクリートをすでに形成されたダム
堤体1上に、両バケット14で交互に搬送する。一方、
上部ホッパー47で仮受けされたコンクリートは、該上
部ホッパー47からダム堤体1上にあるダンプカー25
に積み込まれる。そして、該ダンプカー25を自走によ
りすでに形成されたダム堤体1の上面のコンクリート打
設位置まで運行させて生コンクリートを移送し、コンク
リートを打設する。このとき、ダム堤体1上においてコ
ンクリート打設は、資機材搬送装置2より遠い位置から
順次行い、最終的に、バケット14に上部蓋体16を取
り付けこの上部蓋体16上にダンプカー25等の機材を
逃した状態で資機材搬送装置2回りの施工を行うことに
なる。
【0040】また必要に応じて、バケット14に上部蓋
体16を取り付けこの上部蓋体16上にダンプカー25
等の機材を搭載してバケット14の昇降で該機材を運搬
する。なお、バケット14に設けられた上部蓋体16と
河床部10との間でダンプカー25等の機材の受け渡し
を行う場合には、バケット14を穴部9内に潜り込ませ
て上部蓋体16の高さを河床部10に合せるとともに、
下部ホッパー22上と、下部ホッパー22及びバケット
14の隙間等とにダンプカー25等の機材通過のための
踏板を載置させることになる。
【0041】また、バケット14に設けられた上部蓋体
16とダム堤体1との間でダンプカー25等の機材の受
け渡しを行う場合にも、バケット14の上部蓋体16の
高さをダム堤体1に合せるとともに、バケット14とダ
ム堤体1の隙間等に踏板を載置させることになる。
【0042】そして、上記コンクリート打設を面状に行
い、例えば、ダンプカー25による上部ホッパー47か
らのコンクリート受取りが困難となるであろう位置まで
打設が進捗した際には、ジブクレーン63を用いて、図
6に示すように、分割体6a(係合穴11を有する)を
すべてのマスト6の上部に連結させ、該マスト6を上方
に延長する。そして、架台26を上昇機構29を用いて
以下のように必要高さ上昇させる。なお、ジブクレーン
63を用いた分割体6aの連結は、他の作業と独立して
行えるため、必要が生じる以前にあらかじめ延長してお
くことも勿論可能である。また、架台26の上昇に必要
な分マスト6の高さがある場合には、分割体6aの連結
を行わずに架台26のみ上昇させてもよい。
【0043】図7に示すように、架台26に固定された
上部枠体30の上部係合シリンダ38のピストンロッド
40を上部枠体30の上部挿入穴37及びマスト6の係
合穴11aに挿入し係合させた状態(通常この状態で架
台26はマスト6に固定支持されている)から、縮長状
態にある移動用シリンダ32を介して連結された下部枠
体31の下部係合シリンダ43のピストンロッド45を
下部枠体31の下部挿入穴42及び上記係合穴11aよ
り二つ下方の係合穴11bに挿入し係合させる。
【0044】そして、図8に示すように、下部係合シリ
ンダ43の下部挿入穴42及び係合穴11bへの係合を
確認した上で、上部枠体30の上部係合シリンダ38の
ピストンロッド40を挿通されている上部挿入穴37及
び係合穴11aから引き抜き、上部枠体30のマスト6
との係合を解除した状態で、移動用シリンダ32を伸長
させ下部枠体31を架台26に対し離間するようマスト
6の延在方向に沿って移動させると、下部係合シリンダ
43の係合穴11bとの係合により下部枠体31はマス
ト6に対し移動せず、よって、上部枠体30すなわち架
台26がマスト6の延在方向に沿って、その上部挿入穴
37を上記係合穴11aより一つ上の係合穴11cに合
せる位置まで上方に移動する。
【0045】このように1スパン移動すると、図9に示
すように、上昇された上部枠体30の上部係合シリンダ
38のピストンロッド40を上部挿入穴37及び係合穴
11cに係合させ、そして、この係合を確認した状態
で、下部枠体31の下部係合シリンダ43のピストンロ
ッド45を該下部挿入穴42及び係合穴11bから引き
抜き、移動用シリンダ32を縮長させて、下部枠体31
を、その下部挿入穴42が一つ上の係合穴11dに合う
位置まで上昇させる。そして、図7の状態と同様に、下
部枠体31の下部係合シリンダ43のピストンロッド4
5を下部挿入穴42及び係合穴11dに係合させる。こ
のような作動を適宜繰り返し行うことによって、該架台
26とともに、これに設けられた上部ホッパー47、巻
上装置56、ジブクレーン63が上昇する。そして、架
台26を必要高さ上昇させると、一方のバケット14が
下部ホッパー22の下側位置にあるとき他方のバケット
14が上部ホッパー47の上側位置となるよう、ワイヤ
60の延長とクラッチ58による両巻胴55の位相の再
調整とを行う。
【0046】ここで、マスト6は、その延長にともなっ
て座屈が生じない程度のピッチで連結部材7及びブラケ
ット8でダム堤体1に支持される。また、マスト6の延
長にともなってガイドレール13も延長されることにな
る。そして、上記のように、コンクリート打設の進捗
(面状打設層の積み重ね)とともにマスト6の延長及び
架台26の上昇を適宜繰り返して、ダム堤体1のコンク
リート打設を完結する(図1に二点鎖線で示すダム堤体
参照)。
【0047】上記第1実施例は、以下に述べる効果を奏
する。 (1)マスト6をコンクリート打設の進捗とともに分割
体6aの連結で延長し、架台26をマスト6に反力をと
りつつ上昇させることにより、架台26に設けられた巻
上装置56をコンクリート打設の進捗にともなって上昇
させることができる。したがって、巻上装置56のコン
クリート打設の進捗にともなう上昇が容易となり、工期
の短縮が図れる。しかも、比較的簡易な構成で架台26
を上昇させることができる。 (2)上記のように巻上装置56をコンクリート打設の
進捗にともなって上昇させて、バケット14の上昇位置
を高くすることができることから、すでに打設されたダ
ム堤体1を利用して河床部10側から資機材をダム堤体
1上に運搬できることになるため、コンクリートを混練
製造するコンクリート混練設備等を河床部10に設置す
ることができ、またケーブルクレーンの数も少なくでき
ることになり、よって、該コンクリート混練設備及びケ
ーブルクレーンを設置するための用地確保のためにダム
堤頂部付近の山を大きく削り取る必要がなくなる。した
がって、自然環境保全や景観上の観点から好ましい。
【0048】(3)コンクリートの大量搬送が、大きな
設置面積を必要とせず比較的簡易な構造で実現できる。 (4)河床部10側から資機材をダム堤体1上に運搬で
き、ケーブルクレーンの数が少なくできるため、ケーブ
ルクレーンのバケット等が作業者の上方を移動する機会
も少なくなって、安全上好ましい。 (5)資機材搬送装置2は、掘削面に設けられるのでは
なくすでに形成されたダム堤体1の側壁面3にアンカー
ボルト及びブラケット8で支持されるため、掘削面の岩
盤検査及び基礎構築は必要なくなり、またコンクリート
打設の進捗とともに延長できるため前もって上から下ま
で全部布設する必要もなくなる。したがって、ダムコン
クリートの打設開始を迅速に行うことができる。
【0049】(6)資機材搬送装置2は、すでに形成さ
れたダム堤体1の側壁面3に沿って設けられるため、ダ
ムコンクリート打設の進捗と共に下から順次撤去する必
要がなくなる。したがって、上記ダムコンクリートの打
設開始の迅速化の実現と合せ、工期を大幅に短縮でき
る。 (7)ベルトコンベアラインで搬送する場合に比して、
盛替が容易であり、敷設のための地山の切取りも不要と
なって、さらには豪雪地域での冬期養生が不要となり、
コンクリート配合の切替えに手間どることもなくなる。
【0050】(8)架台26を上昇させることにより、
巻上装置56の他に上部ホッパー47及びジブクレーン
63をコンクリート打設の進捗にともなって上昇させる
ことができるため、さらに、工期の短縮が図れる。 (9)昇降可能なバケット14に上部蓋体16を取り付
ければ、その上側に、コンリート打設時にダンプカー2
5等の機材を逃すことができ、また機材を搭載し昇降さ
せることができる。したがって、補助用ケーブルクレー
ンを少なくかつ小型のものですませることができる。
【0051】(10)クラッチ58により駆動源57か
らの駆動力を各巻胴55に独立して伝達可能となってい
るため、何等かの理由により片側のラインが動かせない
場合にも、非可動ライン側のクラッチ接続を切ること
で、可動側のラインを単独に稼働させることができる。 (11)各巻胴55が、そのワイヤ60がそれぞれ巻方
向を逆にし、かつ一方のバケット14の上昇行程と他方
のバケット14の下降行程とを一致させるように位相を
調整してクラッチ58により一体に接続されているた
め、両巻胴55の一体回転で同時に一方のバケット14
の上昇と他方のバケット14の下降を行うことができ、
しかも、コンクリート入りのバケット14を巻上げる際
に、下降する空のバケット14がカウンターウェイト代
りとなっていわゆるつるべ式となるため、バケット14
の重量分が相殺され、駆動源57の駆動力が小さくてす
み、省エネ化が図れるとともにサイクルタイムを短縮で
きる。
【0052】次に、本発明の第2実施例を図10を参照
して、上記第1実施例との相違部分を中心に以下に説明
する。第2実施例において、架台26には、ワイヤ60
をかけるプーリ61が設けられており、このワイヤ60
を巻上げ及び繰出す巻上装置56は、河床部10側に設
けられている。すなわち、架台26の上面には、支持部
材70が固定されており、この支持部材70のダム堤体
1側とダム堤体1に対し反対側とに対をなすプーリ61
が、並列して四組回転自在に支持されている。また、河
床部10に形成された穴部9にも、並列する四つのプー
リ71が、ダム堤体1に対し反対側のマスト6間に連結
された連結部材72に回転自在に支持されて設けられて
いる。そして、各バケット14に連結された各ワイヤ6
0は、ダム堤体1に沿って上方に延在しダム堤体1側の
対応するプーリ61にかけられ反対側のプーリ61にか
けられた後に河床部10に形成された穴部9まで下方に
延在され、穴部9内に設けられたプーリ71でダム堤体
1に対し離間方向に延在されて、穴部9に設置された巻
上装置56に巻かれている。
【0053】このような構成の第2実施例の資機材搬送
装置2においても、架台26すなわちプーリ61,61
を上昇させることにより、コンクリート打設の進捗にと
もなってバケット14の上昇位置を高くすることができ
る。よって、第1実施例と同様の効果を発揮することが
できる。加えて、第2実施例においては、プーリ61を
架台26に設け、巻上装置56を架台26以外の部分で
ある河床部10の穴部9に設けるため、搭載物を含む架
台26の重量を大幅に低減できる。
【0054】なお、第2実施例においては、河床部10
の穴部9に巻上装置56を設けるものを例にとり説明し
たが、これに限定されることなく、マスト6の途中位
置、ダム堤体1上、近接する岩盤等のいずれの位置にも
設けることができる。また、第1実施例および第2実施
例においては、架台26に巻上装置56またはプーリ6
1を設け、さらに上部ホッパー47を設けるものを例に
とり説明したが、勿論、上部ホッパー47を除くことも
可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の資機材搬送装置
によれば、巻上装置をコンクリート打設の進捗にともな
って上昇させることができ、搬送器の上昇位置を高くす
ることができることから、すでに打設されたダム堤体を
利用して河床部側から資機材をダム堤体上に運搬できる
ことになるため、コンクリートを混練製造するコンクリ
ート混練設備等を河床部に設置することができ、またケ
ーブルクレーンの数も少なくできることになる。よっ
て、該コンクリート混練設備及びケーブルクレーンを設
置するための用地確保のためにダム堤頂部付近の山を大
きく削り取る必要がなくなるため、自然環境保全や景観
上の観点から好ましい。それとともに、ケーブルクレー
ンのバケット等が作業者の上方を移動する機会も少なく
なるため、安全性も高まる。また掘削面に設けられるの
ではなくすでに形成されたダム堤体の側壁面に沿って設
けられるものであるため、掘削面の岩盤検査及び基礎構
築を行う必要がなくなり、またコンクリート打設の進捗
とともに延長できることから前もって上から下まで全部
布設する必要もなくなる。したがって、ダムコンクリー
トの打設開始を迅速に行うことができる。加えて、資機
材搬送装置はすでに形成されたダム堤体の側壁面に沿っ
て設けられるため、ダムコンクリート打設の進捗と共に
基礎を含めて下から順次撤去する必要もなくなり、さら
には、盛替が容易であり地山の切取りも不要となる。し
たがって、上記ダムコンクリートの打設開始の迅速化の
実現と合せ、工期を大幅に短縮できる。
【0056】本発明の請求項2記載の資機材搬送装置に
よれば、プーリをコンクリート打設の進捗にともなって
上昇させることができ、搬送器の上昇位置を高くするこ
とができることから、すでに打設されたダム堤体を利用
して河床部側から資機材をダム堤体上に運搬できること
になるため、コンクリートを混練製造するコンクリート
混練設備等を河床部に設置することができ、またケーブ
ルクレーンの数も少なくできることになる。よって、該
コンクリート混練設備及びケーブルクレーンを設置する
ための用地確保のためにダム堤頂部付近の山を大きく削
り取る必要がなくなるため、自然環境保全や景観上の観
点から好ましい。それとともに、ケーブルクレーンのバ
ケット等が作業者の上方を移動する機会も少なくなるた
め、安全性も高まる。また掘削面に設けられるのではな
くすでに形成されたダム堤体の側壁面に沿って設けられ
るものであるため、掘削面の岩盤検査及び基礎構築を行
う必要がなくなり、またコンクリート打設の進捗ととも
に延長できることから前もって上から下まで全部布設す
る必要もなくなる。したがって、ダムコンクリートの打
設開始を迅速に行うことができる。加えて、資機材搬送
装置はすでに形成されたダム堤体の側壁面に沿って設け
られるため、ダムコンクリート打設の進捗と共に基礎を
含めて下から順次撤去する必要もなくなり、さらには、
盛替が容易であり地山の切取りも不要となる。したがっ
て、上記ダムコンクリートの打設開始の迅速化の実現と
合せ、工期を大幅に短縮できる。さらに、プーリを架台
に設け、巻上装置を架台以外の位置に設けるため、搭載
物を含む架台の重量を大幅に低減できる。
【0057】本発明の請求項3記載の資機材搬送装置に
よれば、下降する搬送器が上昇する搬送器のカウンタウ
エイト代りとなるため、搬送器の重量分が相殺され、駆
動源の駆動力が小さく省エネ化が図れる。
【0058】本発明の請求項4記載の資機材搬送装置に
よれば、架台の下方で昇降する搬送器によりすでに打設
されたダム堤体を利用して河床部側から資機材をダム堤
体上に運搬できることになるため、コンクリートを混練
製造するコンクリート混練設備等を河床部に設置するこ
とができ、またケーブルクレーンの数も少なくできるこ
とになり、よって、該コンクリート混練設備及びケーブ
ルクレーンを設置するための用地確保のためにダム堤頂
部付近の山を大きく削り取る必要がなくなるとともに、
ケーブルクレーンのバケット等が作業者の上方を移動す
る機会も少なくなる。また、架台には仮受ホッパーが設
けられているため、該仮受ホッパーをコンクリート打設
の進捗とともに容易に上昇させることができる。
【0059】本発明の請求項5記載の資機材搬送装置に
よれば、案内部材をコンクリート打設の進捗とともに延
長し、架台を案内部材に反力をとりつつ上昇させること
により、架台に設けられたクレーン設備をもコンクリー
ト打設の進捗にともなって上昇させることができるた
め、さらに、工期の短縮が図れる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による資機材搬送装置の全
体構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例による資機材搬送装置の上
昇機構を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例による資機材搬送装置のバ
ケットを示す側面図である。
【図4】本発明の第1実施例による資機材搬送装置の下
部ホッパー及びバケット等を示す側面図である。
【図5】本発明の第1実施例による資機材搬送装置の上
部ホッパー及びバケット等を示す側面図である。
【図6】本発明の第1実施例による資機材搬送装置の架
台上の巻上装置等を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施例による資機材搬送装置の上
昇機構の作動の一状態を示す側面図である。
【図8】本発明の第1実施例による資機材搬送装置の上
昇機構の作動の次の状態を示す側面図である。
【図9】本発明の第1実施例による資機材搬送装置の上
昇機構の作動のさらに次の状態を示す側面図である。
【図10】本発明の第2実施例による資機材搬送装置の
全体構成を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ダム堤体 2 資機材搬送装置 3 側壁面 6 マスト(案内部材) 11 係合穴 14 バケット(搬送器) 26 架台 30 上部枠体(固定係合部) 31 下部枠体(移動係合部) 32 移動用シリンダ(伸縮機構) 47 上部ホッパー(仮受ホッパー) 55 巻胴(回転体) 56 巻上装置 60 ワイヤ(線状体) 61 プーリ 63 ジブクレーン(クレーン設備)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福元 洋一 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 小田原 卓郎 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 今井 英雄 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 株式会社三井三池製作所内 (72)発明者 岳 秀文 福岡県大牟田市旭町二丁目28番地 株式 会社三井三池製作所 三池事業所内 (56)参考文献 特開 昭52−113526(JP,A) 特開 昭62−264262(JP,A) 実開 昭60−91760(JP,U) 特公 昭55−49643(JP,B2) 実公 平2−21499(JP,Y2) 特許2930514(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 7/00 - 7/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すでにコンクリート打設により形成され
    たダム堤体の側壁面に沿って鉛直に設置されるとともに
    上方に延長可能な案内部材と、 該案内部材に反力をとりつつ上昇可能な架台と、該架台を前記案内部材から反力をとって上昇させる上昇
    機構と、 資機材を搭載可能な搬送器と、 前記架台に設けられ、前記搬送器に連結された線状体を
    巻上げ及び繰出す巻上装置と、 を有することを特徴とする資機材搬送装置。
  2. 【請求項2】 すでにコンクリート打設により形成され
    たダム堤体の側壁面に沿って鉛直に設置されるとともに
    上方に延長可能な案内部材と、 該案内部材に反力をとりつつ上昇可能な架台と、該架台を前記案内部材から反力をとって上昇させる上昇
    機構と、 資機材を搭載可能な搬送器と、 前記架台以外の位置に設けられ、前記搬送器に連結され
    た線状体を巻上げ及び繰出す巻上装置と、 前記架台に設けられ、前記線状体がかけられるプーリ
    と、 を有することを特徴とする資機材搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記搬送器を二つ有しており、前記巻上
    装置は、それぞれの搬送器に連結された線状体をそれぞ
    れ個別の回転体に逆向きに巻いてなることを特徴とする
    請求項1又は2記載の資機材搬送装置。
  4. 【請求項4】 すでにコンクリート打設により形成され
    たダム堤体の側壁面に沿って鉛直に設置されるとともに
    上方に延長可能な案内部材と、 該案内部材に反力をとりつつ上昇可能な架台と、該架台を前記案内部材から反力をとって上昇させる上昇
    機構と、 資機材を搭載可能とされ前記架台の少なくとも下方で昇
    降する搬送器と、 前記架台に設けられ、前記搬送器により運搬された資材
    を仮受けする仮受ホッパーと、 を有することを特徴とする資機材搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記架台に、案内部材延長用のクレーン
    設備が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか一項に記載の資機材搬送装置。
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