JP3851693B2 - コンクリート搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダム堤体を施工する際に適用されるコンクリート搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、峡谷ダムの堤体を構築する工法として、RCD(Roller Com-pacted Dam-concrete)工法あるいは拡張レヤー打設工法と言われるものがある。これらの工法は、構築すべき堤体をその底部から一層ずつコンクリートを面状に打設していくことで次第に立ち上げていくようにしたものである。
【0003】
そのような工法による場合、打設するべきコンクリートやその作業のために必要な各種資機材を堤体上に搬送するために、従来においては構築するべき堤体の一端側の斜面に堤頂よりも高所に位置せしめてバッチャープラントを設置するとともに、堤体の上方にケーブルクレーンを架設するか、あるいはバッチャープラントと堤体とを連絡するインクライン設備を斜面に設置して、それらケーブルクレーンやインクライン設備によりバッチャープラントから堤体上にコンクリートや各種機材を下ろすようにしていることが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように斜面にバッチャープラントやケーブルクレーン、インクライン設備を設けるためには、斜面を大きく切り開いて用地を確保しなければならないから、自然環境保護の観点から好ましくない場合がある。
【0005】
また、近年、河床部から堤体側壁面に沿って堤体上に資機材を搬送することも検討されており、たとえば堤体側壁面に搬送機を走行させるための走行路を取り付けるとともに堤体上に搬送機を昇降させるための巻上機等の設備を設置することが提案されている。しかし、その場合はコンクリートを打設するべき堤体上に巻上機その他の設備を設置することからそれらの位置を常に盛替えなければならず、またそれらの設置スペースを確保する必要があるから堤体頂部の幅寸法がある程度大きくないと適用できないものである。さらに堤体側壁部に対する走行路の取り付けやその解体撤去の作業が必要となることはもとより、それを撤去した後には堤体側壁面に対する補修も必要となる。したがって、以上のようなことから、河床部からコンクリート等の資機材を堤体上に搬送しようとする工法はさらに改良の余地がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は自然環境を損うことなく、しかも十分に効率的にダムを施工し得る有効な装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ダム堤体上に打設するべきコンクリートを河床部から堤体上に搬送するための装置であって、上方に延長可能な複数本のマストにより構成されて河床部に設置されることにより堤体の側壁面に近接配置される塔状の昇降路と、前記マストのいずれかの頂部に昇降可能に設置されるクレーンと、前記昇降路に沿って昇降可能かつ所望位置に固定可能に設置されるステージと、前記昇降路に沿って河床部と前記ステージとの間にわたって昇降することでコンクリートを垂直搬送する垂直搬送機と、前記ステージに設置されて前記垂直搬送機により搬送されてきたコンクリートを受け取るホッパーと、前記ステージに設置されて前記ホッパーからコンクリートを受け取って堤体側に水平搬送する水平搬送機とを具備してなり、前記ステージには該ステージを前記マストより反力をとってそれ自身で上昇させるための昇降機構が備えられ、該昇降機構は、前記ステージを主フレームとその上部にクライミングシリンダを介して離接可能に連結した上部フレームとにより構成して、前記クライミングシリンダの伸張により上部フレームを上昇させ、かつ該クライミングシリンダの縮退により主フレームを引き上げることでステージ全体を上昇させる構成とされていることを特徴とするものである。
【0008】
上記のクレーンおよびそのマストはセルフクライミング式のタワークレーンを使用することが好適である。上記の垂直搬送機としては巻上機によりワイヤを巻き取り繰り出すことで昇降させるバケットを用いることが好適であり、その巻上機を河床部に設置するとともにワイヤを巻回するシーブをステージに設けることが好適である。上記の水平搬送機としてはベルトフィーダを採用することが好適であり、このベルトフィーダをその先端側が旋回可能かつ上下方向に傾斜可能に設けることが好適であり、その先端下部にはコンクリートの放出方向を可変とするチルトシュートを設けることが好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。図1〜図3は本実施形態のコンクリート搬送装置Aの全体概略構成を示すものであって、これは構築しようとする堤体Dの上面にコンクリートを打設するべく、コンクリートを河床部Rから堤体D上に搬送するためのものであり、併せて堤体Dを施工するために必要な各種の資機材も搬送可能なものである。
【0010】
図中符号1は構築すべき堤体Dの上流側の側壁面Daに近接するように河床部Rに立設された昇降路である。この昇降路1は4本のマスト2により構成された塔状のものであって、それら4本のマスト2のうち堤体D側に位置しているいずれか1本のマスト2の頂部にはクレーン3が設置されており、そのクレーン3により図1に示されているようにダンプトラックTや型枠5その他の機材を河床部Rから堤体D上に搬送でき、また堤体D上から河床部Rに吊り下ろすことができるものとされている。このクレーン3およびそれが設置されているマスト2はセルフクライミング式の汎用のタワークレーン4を構成するものであり、マスト2を上方に継ぎ足しながらクレーン3がそれ自身が上昇でき、かつ頂部のマスト2を切り離して吊り下ろしてはクレーン3がそれ自身で降下できるものとされている。また、他の3本のマスト2もタワークレーン用の汎用のマストが転用されている。それら4本のマスト2はそれぞれ自立して互いに連結されており、したがってそれらにより構成される昇降路1もそれ自体で安定に自立可能なものであるが、必要であればこの昇降路1を適宜の支持材により堤体Dに対して連結したり、あるいはさらに必要であればステーを設ける等して転倒防止を図れば良い。
【0011】
上記昇降路1にはこの昇降路1に沿って昇降可能かつ所望位置に固定可能なステージ6が設置されている。ステージ6はその詳細を図3および図4に示すように昇降路1の外側に装着されたフレーム体であって、その上面がステージ面6aとされている主フレーム7と、その上部にクライミングシリンダ8を介して離接可能に連結されている上部フレーム9とからなり、主フレーム7および上部フレーム9はそれぞれ下部ロックシリンダ10、上部ロックシリンダ11により各マスト2に対して係止可能とされている。それらロックシリンダ10,11およびクライミングシリンダ8はステージ6を昇降させるための昇降機構12を構成しており、この昇降機構12によりステージ6はそれ自身で昇降路1に沿って昇降可能かつ所望位置に固定できるものである。なお、昇降機構12におけるロックシリンダ10,11に代えて適宜の係止手段を任意に採用できる。
【0012】
上記の昇降機構12はいわゆる尺取虫的な動作によりステージ6を昇降させるもので、その昇降機構12によりステージ6を上昇させるための作業手順について図4を参照して説明する。図4(a)に示すようにステージ6が固定されている状態、つまり主フレーム7および上部フレーム9の双方がそれぞれ下部ロックシリンダ10、上部ロックシリンダ11により各マスト2に係止されている状態から、(b)に示すように上部フレーム9を係止している上部ロックシリンダ11による係止を解除し、クライミングシリンダ8を伸張させることにより各マスト2から反力をとって上部フレーム9を上昇させる。上昇させた上部フレーム9を上部ロックシリンダ11により各マスト2に対して係止した後、(c)に示すように主フレーム7を係止している下部ロックシリンダ10による係止を解除し、クライミングシリンダ8を縮退させることにより各マスト2から反力をとって主フレーム7を上方に引き上げ、引き上げた主フレーム7を下部ロックシリンダ10により係止する。以上を繰り返すことによりステージ6を所望位置まで上昇させることができ、かつ、そこに固定することができる。勿論、上記と逆の手順によりステージ6をそれ自身で降下させることもできる。
【0013】
一方、図3に示すように昇降路1の内側にはコンクリートを堤体D上に搬送するための垂直搬送機たる2台のバケット15が図示を略した適宜のガイドレールにより案内されて河床部Rとステージ6との間にわたって昇降可能に設けられている。すなわち、図1に示すようにそれら2台のバケット15を昇降させるための巻上機16が昇降路1の両側に位置して河床部Rに設置されているとともに、各巻上機16により巻き取り繰り出されるワイヤ17がそれぞれステージ6に設置されているシーブ(図示略)に巻回されて各バケット15に連結されている。そして、巻上機16によりワイヤ17を巻き取ることでバケット15は昇降路1に沿って上昇して図3に示すようにステージ面6aの直下の位置まで達し、かつワイヤ17を繰り出すことでバケット15は降下して昇降路1直下の積み込みピット18内に達するようになっている。なお、バケット15の容量は適宜で良いがたとえば9m3程度の大容量のものを採用可能である。
【0014】
また、図3に示すように、上記のステージ6には、バケット15により搬送されてきたコンクリートを受け取るホッパー20が設けられ、さらにそのホッパー20からコンクリートを受け取って堤体D側に搬送するための水平搬送機たるベルトフィーダ21が設けられている。ホッパー20はステージ面6aの直下まで上昇したバケット15の斜め前方に位置するように設置され、その上部にはパワーシリンダ(図示略)により起倒するシュート22が設けられ、バケット15から放出されるコンクリートをシュート22を介して受け取って一時的に貯留し得るものであり、ベルトフィーダ21を作動させることでコンクリートを送り出し、かつゲート23の開度とベルト速度とを調節することでコンクリートの送り出し量を調節できるものとなっている。
【0015】
ベルトフィータ21はベルトコンベア式のもので、ホッパー20から受け取ったコンクリートを前方を送って堤体D上を走行するダンプトラックTに対して投入するためのものである。このベルトフィーダ21は、その基端部がステージ6の下部に対して回動可能に連結され、かつその先端部がワイヤ24によりステージ6の上部から吊り支持されることで、先端側が水平旋回可能かつ上下方向に所定角度(たとえば水平に対し上下方向にそれぞれ15゜程度)傾斜可能に設けられてコンクリート打設面高さの変化に伴うダンプトラックTの走行面高さの変化に自在に追随できるようにしており、その先端下部にはコンクリートをダンプトラックTの荷台に均等にまきだし、かつ骨材分離を抑えるための電動旋回式のチルトシュート25が設けられている。
【0016】
上記構成のコンクリート搬送装置Aを用いて堤体Dの施工を行う作業手順について説明する。堤体Dの構築位置を所望の状態に掘削した後、本装置Aを設置するに先立ってまず図5に示すように河床部Rにコンクリートを打設して堤体Dの幅方向に沿う着岩部30を河床部に施工する(図5において(b)は(a)におけるb矢視拡大図、(c)は(a)におけるc矢視図である)。その着岩部30の幅すなわち堤体Dの長さ方向の寸法はダンプトラックが走行可能なようにたとえば15m程度とし、それを施工するには(a)、(b)に示すように施工するべき着岩部30に隣接する位置に仮設の走行路31を設け、その走行路31からクローラクレーン32を用いてバケット33によりコンクリートを打設すれば良い。なお、バッチャープラントが直近に設けられない場合には(a)に示すように適宜位置に設けたバッチャープラントBからクローラクレーン32まであるいはダムコンクリートの打設位置までコンクリートを搬送するためのダンプトラック走行路35を設ければ良い。
【0017】
着岩部30が施工されたら、それを起点としてその両側にコンクリートを打設していき、かつその上面にさらにコンクリートを打設することで、着岩部30を両側に拡張しかつ次第に上方に立ち上げていく形態で堤体Dを施工するが、その作業を本装置Aにより行うべく、図5(c)に示すように本装置Aを着岩部30の上流側の河床部Rに設置する。すなわち4本のマスト2を建てて昇降路1を形成し、そのいずれかにはクレーン3を設置し、昇降路1の所望位置にステージ6を取り付け、ステージ6にはホッパー20、ベルトフィーダ21を取り付け、昇降路1内にバケット15を昇降可能に設置する。その際、ステージ6の位置は少なくとも着岩部30上を走行するダンプトラックTに対してコンクリートを支障なく投入できる高さに設置し、昇降路1の高さすなわちマスト2の全高は少なくともステージ6を適正な位置に配置できるように設定する。なお、この際の本装置Aの組立、設置作業は通常のタワークレーンを組み立てる場合と同様にクローラクレーンやトラッククレーン等の移動式小型クレーンを用いることで容易に行うことができるし、クレーン3を設置した後はそれを用いることもできる。そして、図5(c)に示すように必要に応じてバンカー線36を設け、また、図2に示すように本装置Aの近傍にバッチャープラントBを設置するとともに、そこからコンクリートを本装置Aまで搬送するためのトランスファーカーCを設置する。あるいはバッチャープラントBを直近に設置できないような場合には適宜位置に設けたバッチャープラントから図3に示すようにダンプトラックTによりコンクリートを本装置Aまで搬送するようにしても良い。一方、着岩部30上には所望台数のダンプトラックTを配置し、必要に応じて型枠5その他の機材も着岩部30上に搬送するが、それには小型クレーンあるいは上記のクレーン3を用いれば良い。
【0018】
図2や図3に示すようにバケット15を積み込みピット18内に配置して、バッチャープラントBからトランスファーカーCあるいはダンプトラックTにより搬送してきたコンクリートをそのバケット15内に投入したら、巻上機16を作動させてバケット15をステージ6のホッパー20よりも上方位置まで上昇させる。その際、シュート22は起立させておいてバケット15の通過を許容せしめる。そして、シュート22を昇降路1側に倒し、バケット15からコンクリートをシュート22を介してホッパー20に投入してそこに一時的に貯留し、ベルトフィーダ21を作動させるとともにゲート23を適度の開度に開いて適量のコンクリートをホッパー20からベルトフィーダ21に供給して前方へ搬送し、ダンプトラックTに投入する。その際、ダンプトラックTの位置や高さに応じてベルトフィーダ21を適宜旋回させるとともにその傾斜角度を適宜調節し、またチルトシュート25をチルトさせてコンクリートを均等にダンプトラックTに積み込む。コンクリートを積み込んだダンプトラックTは所望の打設位置まで走行しそこでコンクリートを打設する。また、一時的に堤体D上でグランドホッパーに1回受けてからダンプトラックTに投入するようにしても良い。
【0019】
上記のようにして着岩部30を起点としてその周囲および上面にコンクリートを打設していくことで堤体Dを施工していき、堤体Dが所定高さだけ立ち上げられたら、図4に示した手順によりステージ6を上方に盛替え、さらに同様にしてコンクリートを打設する。ステージ6が昇降路1の頂部に達したら上述したようにクレーン3を用いて各マスト2を継ぎ足して昇降路1を上方へ延長させ、クレーン3をそれ自身で上昇させ、ステージ6をさらに上昇させ、堤体Dの頂部に達するまでそれを繰り返す。
【0020】
堤体Dの頂部までコンクリートを打設して堤体Dを完成させたら、堤体D上のダンプトラックTやその他の機材をクレーン3により河床部Rに吊り下ろした後、本装置Aの解体を行う。それには、まずステージ6をそれ自身で降下させ、河床部Rにおいてクローラクレーンやトラッククレーン等の移動式小型クレーンあるいは上記のクレーン3を用いてステージ6およびそこに設置されているホッパー20、ベルトフィーダ21、その他の装置類を解体撤去する。次いで、クレーン3をそれ自身で降下させていってはマスト2を頂部から順次切り離して吊り下ろし、最終的には河床部Rにおいて移動式小型クレーンを用いてクレーン3やマスト2およびその他の全てを解体撤去する。
【0021】
以上のように、上記構成のコンクリート搬送装置Aを用いて上記の手順により堤体Dを施工することにより、従来のケーブルクレーンやインクライン設備を採用する場合のように斜面を切り開く必要がなく自然環境保護の観点から好ましいものである。
【0022】
そして、特に本装置Aは、自立する塔状の昇降路1に沿ってコンクリートをバケット15により垂直搬送しかつベルトフィーダ21により水平搬送して堤体D上のダンプトラックTに積み込むようにし、本装置Aにはそのために必要な全ての設備が備えられているので、本装置Aを堤体Dの側壁面Daに近接させて河床部Rに設置するのみで堤体D上には固定的な設備を設ける必要がなく、したがって堤体D上におけるコンクリート打設その他の作業を効率良く行い得るし、堤体Dの頂部の幅寸法が狭い場合であっても何等の支障がない。勿論、堤体Dの側壁面Daに対して走行路を取り付ける場合のようにその取り付けや解体撤去のための作業が必要となることはないし後補修も不要である。また、マスト2の頂部にクレーン3を備えているのでコンクリート以外の他の資機材の揚重も併せて行えることはもとより、そのクレーン3は昇降可能なものであるので盛替えや解体をそれ自身で行うことができる。すなわち、本装置Aによれば、堤体Dの施工に係わる作業のみならず、本装置Aの設置や盛替え、解体に係わる作業の殆どを本装置A自身で容易に行うことができ、したがってダム施工の効率向上に大きく寄与できるものである。
【0023】
さらに、上記のクレーン3として汎用のセルフクライミング式のタワークレーン4を用いることとすれば設備費の点で有利であり、ステージ6にそれ自身を昇降させる昇降機構を備えることによりその昇降操作を容易にかつ安定に行うことが可能であり、垂直搬送機や水平搬送機としてバケットやベルトフィーダを採用することにより安価かつ取り扱いが容易な汎用製品を使用可能である。また、巻上機をステージに設置することなく河床部に設置することでステージにそのためのスペースや積載荷重が要求されることがないので有利であり、ベルトフィーダを旋回可能かつ傾斜可能とすることでダンプトラックへのコンクリート投入位置を微調整することが可能であり、チルトシュートを設けることによりコンクリートの投入方向を調節できるという利点がある。
【0024】
以上で本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、施工するべき堤体の規模や形態に応じてたとえば以下に列挙するような適宜の設計的変更を行い得るものである。
【0025】
たとえば堤体長が大きい場合等においては本装置Aを複数基設置すれば良いし、可能であれば本装置Aを堤体Dの上流側に設けることに代えて下流側に設けたりあるいはその双方に設置しても良いし、また堤体に沿って走行させるようにしても良い。
【0026】
また、上記実施形態の搬送装置Aは2台のバケット15を備えるものとしたが、これは1台であっても良いし3台以上とすることも勿論可能である。また、上記のものでは昇降路1を4本のマスト2により構成したが、安定に自立できかつ垂直搬送機を案内して昇降させ得るものとする限りにおいては昇降路1の形態は任意であり、たとえば2本あるいは3本のマスト2により構成したり、より多数のバケット15を備えるような場合にあってはさらに多数のマスト2により昇降路1を構成しても勿論良い。
【0027】
また、上記では垂直搬送機として巻上機16により昇降するバケット15を採用し、水平搬送機としてベルトフィーダ21を採用したが、コンクリートを効率的に搬送し得るものであれば他の形式の搬送機も任意に採用可能である。また、巻上機16を用いる場合においてはそれを上記のように河床部Rに設置することに代えて巻上機16をステージ6に搭載することも可能である。ただし、その場合はステージ6にそのためのスペースが必要であるしステージ6の積載荷重が増大するのでそのための対策が必要となる。
【0028】
さらに、マスト2とその頂部に設置するクレーン3として汎用のタワークレーン4を転用することが好ましいが、タワークレーン4を用いることに限定されるものではなくクレーン3を昇降可能とする限りにおいて他の形式のクレーンを採用することでも良いし、上記のような起伏ジブ式のものに限らず水平ジブ式のクレーンも採用可能である。
【0029】
さらに、ステージ6の形態もホッパー20および水平搬送機21を搭載して昇降可能なものであれば良く、そのための昇降機構もクライミングシリンダの縮退により主フレームを引き上げることでステージ全体を上昇させる構成とする限りにおいて任意である。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明のコンクリート搬送装置は、堤体側壁面に近接配置して河床部に設けた塔状の昇降路にステージを昇降可能に設けてそこにホッパーおよび水平搬送機を設けるとともに、河床部とステージの間にわたって垂直搬送機を昇降させるようにし、かつ、昇降路を構成するいずれかのマストの頂部にクレーンを昇降可能に設置した構成であるから、従来のように斜面を大きく切り開く必要がないので自然環境保護の観点から好ましいものであることはもとより、垂直搬送機および水平搬送機によりコンクリートを河床部から堤体上に効率的に搬送することが可能であるとともに、クレーンにより他の資機材を堤体上に搬送することも可能であり、したがって本発明の装置は堤体施工に係わる作業を殆どを本装置のみで行うことができるとともに本装置の設置や盛替え、解体をも殆ど本装置自体で行うことが可能であり、堤体施工の効率向上に大きく寄与できる。
特に、ステージにはマストより反力をとってそれ自身を上昇させるための昇降機構を備え、その昇降機構をクライミングシリンダの縮退により主フレームを引き上げることでステージ全体を上昇させる構成としたので、ステージの昇降操作を容易にかつ安定に行うことが可能である。
【0031】
そして、クレーンとして汎用のセルフクライミング式のタワークレーンを用いることとすれば設備費の点で有利であり、垂直搬送機や水平搬送機としてバケットやベルトフィーダを採用することにより安価かつ取り扱いが容易な汎用製品を使用可能であり、巻上機を河床部に設置することによりそれをステージに設置する場合には必要となるそのためのスペースや積載荷重が要求されることがないので有利であり、ベルトフィーダを旋回可能かつ傾斜可能とすることでコンクリート投入位置を微調整することが可能であり、チルトシュートを設けることによりコンクリートをダンプトラック等の荷台に均等に積載しかつ骨材分離を抑えることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるコンクリート搬送装置の全体概略構成を示す斜視図である。
【図2】 同、立面図である。
【図3】 同、拡大立面図である。
【図4】 同、ステージの上昇工程を説明するための図である。
【図5】 本装置を設置するに先立つ着岩部の施工手順を説明するための図である。
【符号の説明】
A コンクリート搬送装置
D 堤体
R 河床部
1 昇降路
2 マスト
3 クレーン
4 タワークレーン
6 ステージ
12 昇降機構
15 バケット(垂直搬送機)
16 巻上機
17 ワイヤ
20 ホッパー
21 ベルトフィーダ(水平搬送機)

Claims (6)

  1. ダム堤体上に打設するべきコンクリートを河床部から堤体上に搬送するための装置であって、
    上方に延長可能な複数本のマストにより構成されて河床部に設置されることにより堤体の側壁面に近接配置される塔状の昇降路と、前記マストのいずれかの頂部に昇降可能に設置されるクレーンと、前記昇降路に沿って昇降可能かつ所望位置に固定可能に設置されるステージと、前記昇降路に沿って河床部と前記ステージとの間にわたって昇降することでコンクリートを垂直搬送する垂直搬送機と、前記ステージに設置されて前記垂直搬送機により搬送されてきたコンクリートを受け取るホッパーと、前記ステージに設置されて前記ホッパーからコンクリートを受け取って堤体側に水平搬送する水平搬送機とを具備してなり、
    前記ステージには該ステージを前記マストより反力をとってそれ自身で上昇させるための昇降機構が備えられ、該昇降機構は、前記ステージを主フレームとその上部にクライミングシリンダを介して離接可能に連結した上部フレームとにより構成して、前記クライミングシリンダの伸張により上部フレームを上昇させ、かつ該クライミングシリンダの縮退により主フレームを引き上げることでステージ全体を上昇させる構成とされていることを特徴とするコンクリート搬送装置。
  2. 前記クレーンおよび該クレーンが昇降可能に設置されるマストは、前記クレーンが前記マストを上方へ継ぎ足してはそれ自身で上昇するセルフクライミング式のタワークレーンを構成するものであることを特徴とする請求項1記載のコンクリート搬送装置。
  3. 前記垂直搬送機は巻上機によりワイヤが巻き取り繰り出されることで昇降するバケットであり、前記水平搬送機はベルトフィーダであることを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート搬送装置。
  4. 前記巻上機は河床部に設置されているとともに前記ワイヤが巻回されるシーブが前記ステージに設けられていることを特徴とする請求項3記載のコンクリート搬送装置。
  5. 前記ベルトフィーダは先端側が旋回可能かつ上下方向に傾斜可能に設けられていることを特徴とする請求項3または4記載のコンクリート搬送装置。
  6. 前記ベルトフィーダの先端下部にコンクリートの放出方向を可変とするチルトシュートが設けられていることを特徴とする請求項3,4または5記載のコンクリート搬送装置。
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