JP3897239B2 - 斜面作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばロックフィルダムの洪水吐斜路部の施工工事のように、地山の急斜面に沿ってコンクリート打設工事を行う斜面作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロックフィルダムでは、設計洪水容量を越えた場合にはダムを越流して破損もしくは、致命的な破壊を誘導する可能性があるため、ダムの安全確保を目的として貯水位を異常に上昇させないための洪水吐と呼ばれる設備を設置することが行なわれている。この洪水吐は、ダムの基礎とは分離して構築され、越流堤(最初に水が越流する所)・流入部・導流部・減勢工から構成される。洪水時の放流水はダムの天端(てんば;ダムの頂部のこと)よりやや低いHWL(High water level)と同じ高さに設けられた越流堤から流れ込み、地山斜面に沿って構築された流入部・導流部・減勢工を経て河川に放流される。この洪水吐を施工する工事は、設計洪水量が流下できる容量のトレンチ形状(溝型)、地山斜面に沿った線形となるため急峻な地形において行なわれ、地山掘削・岩盤清掃後、鉄筋コンクリート構造物として鉄筋加工組立、型枠設置、コンクリート打設の順に構築が進められる。
【0003】
従来の工事では、図20のようにケーブルクレーン121を利用して、導流部の構築範囲の両側に予め足場を設置し、中央部には、作業台車125を上下動自在にするためにレールを設置し、斜面上部にはウインチ123を設置して、ウインチ123によ巻出されるワイヤロープ124により作業台車125を上下自在に支持し、ケーブルクレーン121により搬送された鉄筋・型枠等の工事資材120を作業台車125に下ろして、作業員が必要な鉄筋加工組立や型枠設置等、洪水吐導流部の鉄筋コンクリートの構築を行う。そしてこのレールは、斜面の下方から上方に向けて据付、延伸して設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ウインチ123を地山の上部に設置して作業台車125を支持する方式で工事を行う場合には、ワイヤロープ124が導流部のトレンチ形状(溝型)の未施工部分に沿って張られるため、作業台車125上あるいはトレンチ内の作業は著しく制約を受け、ワイヤーの養生等によって施工可能としても上方から落下する小石等(これらの落石は自然崩落または溝あるいはその周辺部における土砂の除去作業において生じるおそれがある)から防護するための防護ネットを張ることができず、安全性の面で不十分であるという問題点がある。
【0005】
また、工事用の足場122を施工しておく必要があり、工事資材の規模と工事や輸送や管理に要する労力、費用が多大になる。また、ケーブルクレーンの場合には移動の精度に問題があると共に、荷吊りの運搬時には待避が必要であり非効率でもある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、地山の斜面に沿ってコンクリート打設工事を行う斜面作業機において、作業の安全性を向上させた構成のものを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、地山に沿って足場を構築することなく工事を行うことができる斜面作業機を提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の斜面作業機は、地山の斜面に沿って下方より上方に向けてコンクリート打設工事および少なくとも工事に用いるレールの敷設を行う斜面作業機であって、
工事用資材を運搬するクレーンを搭載すると共に、前記レールに沿って走行自在で、かつロック手段によりコンクリート打設面に固定可能なクレーン台車と、
工事に必要な作業を行う作業台を有すると共に、前記クレーン台車の下側において前記レールに沿って走行自在で、かつロック手段によりコンクリート打設面に固定可能な作業台車と、
前記クレーン台車と作業台車との間に設けられ、一方を固定し他方を可動としてレールに沿って昇降させる昇降装置とを備えた
ことを特徴とする。
【0009】
このように、クレーン台車と作業台車とをコンクリート地面にロックあるいはロック解除可能とし、両者を昇降装置により接続すれば、台車を上方から支持するウインチおよび支持用ワイヤロープが不要となり、クレーン台車より上方に防護ネットを張ることができ、安全性が向上する。
【0010】
請求項2の斜面作業機は、請求項1において、
前記昇降装置は、前記クレーン台車と前記作業台車とを連結する油圧シリンダからなる
ことを特徴とする。
【0011】
このように、昇降装置として油圧シリンダを設ければ、ラック/ピニオン方式のようにコンクリート打設面にラックを敷設する必要なく、両者間で相対的に引き上げ、引き下ろしが自在に可能となる。
【0012】
請求項3の斜面作業機は、請求項1または2において、
前記クレーン台車および前記作業台車は作業足場を備える
ことを特徴とする。
【0013】
このように、各台車に足場を備えることにより、コンクリート施工場所に足場を構築する必要がなくなる。
【0014】
請求項4の斜面作業機は、請求項3において、
前記作業足場は、前記クレーン台車および前記作業台車の両側に上下左右に位置調整自在に設置される
ことを特徴とする。
【0015】
このように、作業足場を上下左右に位置調整自在に設置することにより、前記洪水吐導流部の工事のように、断面形状の上部が拡大された形状のコンクリート打設工事を行う場合、その形状に合わせた好適位置に作業足場を設定することができる。
【0016】
請求項5の斜面作業機は、請求項3または4の斜面作業機において、
前記作業足場は、踏み板の角度が調整可能に構成される
ことを特徴とする。
【0017】
このように、作業足場の踏み板の角度を調整可能とすることにより、工事を行う地山の傾斜に応じて、踏み板を作業員が昇降しやすい水平姿勢に調整することができる。
【0018】
請求項6の斜面作業機は、請求項1から5までのいずれかにおいて、
前記クレーン台車と前記作業台車は、各走行体とクレーン搭載台あるいは作業台とが上部において枢軸を介して連結され、
前記走行体と前記クレーン搭載台あるいは作業台との間に、角度調整用の油圧シリンダと、ロックピンにより固定可能な伸縮ロッドとからなる水平調整機構を設けた
ことを特徴とする。
【0019】
このように、クレーン搭載台と作業台の水平調整機構を設けることにより、工事を行う地山の傾斜に応じて、クレーン搭載台や作業台を水平姿勢に調整することができる。また、水平調整機構を油圧シリンダとロックピン式伸縮ロッドによって構成することにより、一箇所における作業が比較的長期にわたる場合、エンジン停止状態となっても確実にクレーン搭載台等の水平姿勢を確実にとることができる。
【0020】
請求項7の斜面作業機は、請求項1から6までのいずれかにおいて、
前記クレーン台車および前記作業台車は、緊急用ブレーキ装置を備えた
ことを特徴とする。
【0021】
このような緊急用ブレーキ装置を設ければ、台車のロック手段が破壊される等の事故が生じた場合にもクレーン台車や作業台車が下がることが防止される。
【0022】
請求項8の斜面作業機は、請求項1から7までのいずれかにおいて、
前記クレーン台車と前記作業台車との間に、クレーン台車または作業台車の下降走行速度を制限する緊急用油圧ダンパを設けた
ことを特徴とする。
【0023】
このような緊急用油圧ダンパを設ければ、ロック手段が破壊されるかあるいは昇降中に昇降装置が損傷する等の理由でクレーン台車あるいは作業台車が下降する状態となった場合、クレーン台車や作業台車が加速することなく下方へ移動させることができ、重量機械が傾斜面において加速して下降することによる事故の発生を防止することができる。
【0024】
請求項9の斜面作業機は、請求項1から8までのいずれかにおいて、
前記作業台車の下方に、工事用資材を運搬する運搬台車を、前記レールに沿って走行自在に装着し、
前記作業台車に、前記運搬台車をワイヤロープを介して昇降させるウインチを搭載した
ことを特徴とする。
【0025】
このように、運搬台車を設ければ、ケーブルクレーンが不要となる。
【0026】
請求項10の斜面作業機は、請求項9において、
前記運搬台車に、作業台車による支持力喪失時に自動的に投入される緊急用ブレーキ装置を備えた
ことを特徴とする。
【0027】
このような緊急用ブレーキ装置を設ければ、ワイヤロープ切断等により支持力が喪失した場合、運搬台車のフリー落下を防止することができる。
【0028】
請求項11の斜面作業機は、請求項9または10において、
前記運搬台車に、運搬台の傾斜センサと、該傾斜センサの出力に応じて運搬台を自動的に水平にする制御装置を備えた
ことを特徴とする。
【0029】
このように、運搬台を自動的に水平に姿勢制御する装置を設ければ、地山の斜面の傾斜角度が変化する場合においても、運搬台車の運搬台を常に水平に維持することができる。
【0030】
請求項12の斜面作業機は、請求項9から11までのいずれかにおいて、
前記運搬台車の走行路に沿って、運搬台車が作業台車近傍および下方の下限位置近傍において減速すべき位置と停止すべき位置とを指示する位置指示手段を設け、
前記運搬台車には前記位置指示手段のセンサを設け、
前記作業台車に、前記センサの出力により前記ウインチの動作を制御して減速、停止を自動的に行う制御装置を備えた
ことを特徴とする。
【0031】
このような減速、停止を自動的に行う制御装置を設けることにより、オペレータは細心の注意を払うことなく、かつ衝撃と伴うことなく、運搬台車の走行、停止を行わせることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1(A)は本発明の斜面作業機を用いる工事現場の一例を工事が完成した状態で示す断面図である。110は揚水発電用の上部ダム(ロックフィルダム)である。1は洪水吐導流部であり、該洪水吐導流部1は、ダム110の貯水部におけるダム110の天端よりやや低い位置に越流提1aを有し、そこから、ダム110の脇を通り、所定の傾斜をもって地山に沿って水を放流させることができるように形成される。
【0033】
図1(B)は前記洪水吐導流部1の断面形状を示すもので、予め溝101の底面および側面に岩盤が露出するように溝101を掘削、その溝101の内面に、インバート1bと上方が拡大された側壁部1cとからなるトレンチ形状の導流部1を鉄筋コンクリートにより構築する。
【0034】
図2は本発明による斜面作業機の一実施の形態を示す側面図である。図中、1bは前述のように施工された洪水吐導流部のインバート、2はその上に固定されたレールである。3はクレーン台車、4は作業台車、5は運搬台車である。各台車3〜5は、互いに後述の機構により接続される。
【0035】
各台車3、4の転動装置6は、図3(A)の側面図と、図3(B)、図3(C)の断面図に示すように、各台車の走行体にブラケット6aを取付け、該ブラケット6aにレール2に乗せる鉄輪6bを取付け、前記ブラケット6aに、レール2の頭部2aの下に係合させる外れ止め具6cを取付けて斜面においても鉄輪6bがレール2から外れないように構成したものである。なお、クレーン台車3および作業台車4には、上下左右にそれぞれ2個の鉄輪6bを一対とした4組の転動装置6が取付けられるが、運搬台車5の転動装置6Aは上下左右にそれぞれ1個ずつ鉄輪6bを取付けた構成としている、
図2に示すように、クレーン台車3はクレーン搭載台7にクレーン9を搭載したもので、クレーン9により作業台車4の作業台10上や運搬台車5の荷台11上に搭載された鉄筋、型枠、レール等の資材等をクレーン台車3の上部あるいは側部に、あるいはその反対方向に運ぶものである。
【0036】
作業台車4は、作業台10上に前記資材を載せておく機能と、作業員が鉄筋等を接続したり地形に応じて整形する作業等を行う作業台としての役目を果たすものである。
【0037】
図4、図5、図6はそれぞれ前記クレーン台車3の側面図、平面図、正面図である。これらの台車3〜5は、エンジン駆動式のものか、電源ケーブルを引線した電動モータ駆動式のものとのいずれかを採用可能である。本実施の形態においては、商用電源を用いた電動式のものを示しており、クレーン台車3は、クレーン9の旋回、起伏、巻上げ用のモータに電動モータを使用し、後述の油圧装置は、作業台車4に搭載した油圧パワーユニット8からの作動油の供給により作動させる構成としている。
【0038】
クレーン台車3には、地山の下方から、レール2、2間のガイド手段(図示せず)に沿って引線されるケーブル(図示せず)を、図2に示す作業台車4のケーブルリール12に巻いて配電盤60に接続し、配電盤60から前記油圧パワーユニット8には配電盤60やクレーン台車3に給電する。
【0039】
運搬台車5に設けたケーブルリール13も地山の下方から、レール2、2間のガイド手段(図示せず)に沿って引線されるケーブルを巻き、運搬台車5のケーブルリール13を通して操作盤61や油圧パワーユニット等の油圧装置62に給電する構成としている。
【0040】
クレーン台車3は、クレーン搭載台7を地山の斜面の傾斜角度の如何にかかわらず水平に保つため、走行体15に前記クレーン搭載台7を上部においてクレーン搭載台7が上下動自在となるように枢着し、走行体15とクレーン搭載台7との間には、クレーン搭載台7の水平姿勢調整機構18を有する。該水平姿勢調整機構18は、走行体15とクレーン搭載台7との間に介装したクレーン搭載台7の上下動のための2本の油圧シリンダ16と、クレーン搭載台7を走行体15に対してその角度に固定しておくための2本の伸縮ロッド17とからなる。
【0041】
該伸縮ロッド17は、中空の外ロッド17aに中空の内ロッド17bを伸縮可能に嵌合し、外ロッド17aに長手方向に複数個のピン孔17cを配設し、油圧シリンダ16の伸縮により外ロッド17aのピン孔17cと内ロッド17bのピン孔(図示せず)との位置を合わせて止めピン17dを両ピン孔に貫挿することにより、クレーン搭載台7を走行体15に対して水平に固定するものである。
【0042】
図4に示すように、走行体15には、上下左右の4箇所に、コンクリート製導流部1のインバート1bに設けたアンカー孔1dに挿入してクレーン台車3をコンクリート地面に固定するためのロック手段としてのロックピン20が、油圧シリンダ21により上下動自在に取付けられる。
【0043】
図7(A)は前記ロックピン20およびその突没装置の正面図、図7(B)はその側面断面図であり、ロックピン20にはその突出量を表示する表示ロッド21aを取付け、油圧シリンダ21の取付け筒21bには、ロックピン20の突出量、すなわちアンカー孔1dへの挿入を確認するため、表示ロッド21aの位置を指示する目盛21cを設けている。
【0044】
前記走行体15の左右には、左右上下位置調整可能に作業足場22が取付けられる。図5、図6に示すように、該位置調整機構23は、それぞれ左右の作業足場22に対して、上下にそれぞれ1組ずつ設けられる。
【0045】
図6に示すように、各位置調整機構23は、走行体15に横向きに設けた横ガイド枠24に左右に摺動自在に設けた横可動枠25と、該横可動枠25と走行体15との間に取付けられ、横可動枠25の左右位置調整を行う油圧シリンダ26と、横可動枠25の先端に固定した縦ガイド枠27と、該縦ガイド枠27に上下摺動自在に取付けた縦可動枠28と、縦ガイド枠28と縦可動枠27との間に設けた上下動用油圧シリンダ29とからなり、これらの縦可動枠27に作業足場22の上下部分を結合することにより、作業足場22の上下左右の位置調整が油圧シリンダ26、29の伸縮動作によって調整可能となるように構成している。
【0046】
図4に示すように、各作業足場22は、多数の踏み板22aをその取付け枠22bに枢着部22cを中心に回動自在に、かつ連動枠22dによって相互に連結することにより連動して回動するように構成し、かつ連動枠22dを取付け枠22bに設けた固定板(図示せず)にピンあるいはボルト等で固定することにより、踏み板22aが地山の傾斜角度にかかわらず水平に設定できるように構成している。取付け枠22に設けた雌ねじに対し、踏み板22aまたは連動枠22dに取付けた調整ねじを螺合し、該調整ねじの回動により踏み板22aが回動して水平になるように構成してもよい。
【0047】
30は走行体15の片側に取付けた梯子であり、下方からクレーン搭載台8上に作業員やオペレータが昇降するためのものである。
【0048】
図4に示すように、走行体15には、緊急用ブレーキ装置32が取付けられる。図8(A)は該緊急用ブレーキ装置32をレール2の長手方向に見た図、図8(B)、図8(C)はその各部平面図である。図8(A)〜(C)に示すように、走行体15のレール2に対応する箇所には、ピン33によって緊急用ブレーキ装置32の枠体34が取付けられ、該枠体34には、それぞれ軸35を中心に回動自在に回動筒36が嵌合され、各回動筒36にはアーム37の中間部が固定され、アーム37のレール2側端部には楔39の一端部がピン40により連結される。アーム37の他端部と枠体34との間には圧縮ばね43が取付けられ、図8(C)の矢印aに示すように、圧縮ばね43によってアーム37の他端部を押圧することにより、楔39を枠体34に設けたガイドブロック42とレール2との間のテーパー状の隙間に矢印bに示すように圧入して台車3をレール2に固定する。
【0049】
また、前記各回動筒36には、前記ばね43の上部に位置する箇所にブラケット44を固着し、該ブラケット44と前記枠体34との間には、図8(B)に示すように、油圧を供給することによって矢印cに示すように収縮して楔39を前記テーパー状の隙間から矢印dで示すように引き抜くブレーキ解除用の油圧シリンダ45を取付けている。
【0050】
なお、図2に示すように、クレーン台車3は操作ペンダント46を有しており、その該当スイッチを操作することによってクレーン巻上・巻下、ブーム起伏、旋回操作が可能となるように構成されている。
【0051】
図9(A)〜(C)に示すように、クレーン台車3の走行体15と作業台車4の走行体47とは、クレーン台車3と作業台車4とを相対的に移動させるための2本の油圧シリンダ49と、2本の油圧ダンパ50とにより連結される。油圧ダンパ50は、図9(D)に示すように、ピストン51の両側の室52、53間を短絡する管路54に絞り55を挿入して構成され、油圧喪失時あるいは緊急用ブレーキ装置32が制動状態でない時にロックピン20が折損することにより台車3、4のいずれかが自由降下する際の降下速度を所定速度以下に制限して安全性を確保するものである。
【0052】
前記作業台車4は、図10の側面図、図11の平面図、図12の正面図に示すように構成される。作業台車4の走行体47と作業台10とは上部において枢着され、前記クレーン台車3と同様に、油圧シリンダ16と伸縮ロッド17(17aはピン孔17cを有する外ロッド、17bはピン孔を有する内ロッド、17dは止めピン)とからなる作業台10の水平姿勢調整機構18を有する。
【0053】
また、作業台車4は、導流部1のインバート1bのアンカー孔1dに挿入するロックピン20およびその挿脱用の油圧シリンダ21を有する。
【0054】
また、作業台車4の左右には、前記クレーン台車3の作業足場22に連続する作業足場22を有することにより、クレーン台車3で不足する作業足場を補っている。該作業足場22も位置調整機構23によって上下左右の位置が調整される。また、踏み板22aを水平に保つ機構も前記同様に構成される。30は作業員が作業台10に上るための梯子である。
【0055】
前記配電盤60および前記油圧パワーユニット8は作業台10の下面に取付けられており、作業台10が常に水平に保たれることにより、油圧パワーユニット8もこのユニットにとって好適な水平姿勢が維持される。
【0056】
導流部1の底面に沿って引線するケーブルを巻くケーブルリール12および運搬台車5を昇降させるウインチ63は走行体47上に搭載される。
【0057】
また、前記緊急用ブレーキ装置32も左右のレール2に対応して走行体47の左右に配置される。
【0058】
前記運搬台車5は、図13の側面図、図14の平面図、図15の正面図に示すように構成される。すなわち運搬台車5の走行体65と荷台11とは上部において枢着され、両者間に介装した左右の油圧シリンダ66からなる荷台11の水平姿勢調整機構を有する。
【0059】
前記操作盤61および前記油圧パワーユニット等の油圧装置62は荷台11の下面に取付けられており、荷台11が常に水平に保たれることにより、油圧パワーユニット8もこのユニットにとって好適な水平姿勢が維持される。導流部1の底面に沿って引線するケーブルを巻くケーブルリール13は走行体65上に搭載される。
【0060】
また、図13に示すように、前記緊急用ブレーキ装置32も左右のレール2に対応して走行体65の左右に配置される。また、運搬台車5は、該緊急用ブレーキ装置32以外に、運搬台車5を上限位置、下限位置において止めておくための自動ブレーキ装置67を有する。
【0061】
自動ブレーキ装置67は、図16の側面図および図17(A)、(B)の断面図のように構成される。すなわち、図7(A)に示すように、前記走行体65に取付けられるブラケット69に前後方向に平行に2本の軸70を取付け、各軸70にそれぞれ左右に揺動自在にブラケット72を取付け、これらのブラケット72、73の下端にレール2の頭部2aを挟むブレーキシュー74、74を設ける。また、ブラケット72、73の前部、後部においてそれぞれ貫挿するロッド75、75を設けてその各一端を一方のブラケット73にピン76により連結し、ロッド73の他端に設けたばね受け77と他方のブラケット72との間に圧縮ばね79を設け、停止時には該圧縮ばね79の力でブレーキシュー74、74間でレール2の頭部2aを挟んで圧接することにより、制動状態とする。
【0062】
また、図17(B)に示すように、ブラケット72、73の各中央部間には、ブレーキ解除用の油圧シリンダ80を、その一端をピン81によりブラケット72に連結し、他端をトラニオン82によりブラケット73に連結している。そしてブレーキ解除の際には、図17(B)に示すように、油圧シリンダ80を伸長させることにより、ブレーキシュー74をレール2から離す構成を有している。
【0063】
図18(A)は作業台車4による運搬台車5の上下動のための支持構造を示すもので、作業台車4の走行体47に搭載した2台のウインチ63の複胴ドラムに巻取り繰り出しされるワイヤロープ83、84は、運搬台車5の走行体65に取付けたブラケット85に中心部を枢着した揺動アーム86に取付けた左右のシーブ87、88に通してイコライザの機能を持たせる。
【0064】
前記ブラケット85には、ワイヤロープ83、84による支持力を検出する荷重センサ89を取付け、図18(C)に示すように、荷重センサ89の出力は制御装置90に入力し、制御装置90は、荷重センサ89がワイヤロープ切断等により無荷重を検出した時には、図8に示した前記緊急用ブレーキ装置32の油圧シリンダ45のコントロール弁91を切換えて、油圧シリンダ45の油圧を解除して圧縮ばね43の力でガイドブロック42とレール2との間に楔39を押し込み、運搬台車5の下降しようとする力とも相まって、楔作用により運搬台車5を緊急停止させる機能を有する。
【0065】
また、前記運搬台車5の荷台11の下面には水平センサ92を取付けておき(図13参照)、水平センサ92が荷台11の傾斜を検出したときには、制御装置90は、水平姿勢調整用の油圧シリンダ66のコントロール弁93を切換え制御し、これにより荷台11が水平になるように油圧シリンダ66を伸縮させる。
【0066】
また、図18(B)に示すように、作業台車4の近傍には、運搬台車5の上昇時に減速を開始すべき位置と停止すべき位置に、それぞれ減速、停止用のセンサ94、95を設け、運搬台車5の走行路の下限近傍にも、運搬台車5の下降時に減速を開始すべき位置と停止すべき位置に、それぞれ減速、停止用のセンサ96、97を設けておく。
【0067】
そして、運搬台車5を走行させる時は、作業台車4の近傍または走行路の下限位置にいる作業員が図8に示した油圧シリンダ45制御用のスイッチ(図示せず)を操作して、緊急用ブレーキ装置32による制動を解除する。そして始動用スイッチ(図示せず)を操作すると、制御装置90はコントロール弁100を切換えて自動ブレーキ装置67の油圧シリンダ80に圧油を供給して自動ブレーキ装置67による制動を自動的に解除する。また、同時にコントロール弁99によりウインチ63の油圧モータ63aを起動し、運搬台車5の巻上げまたは巻下げを行う。
【0068】
そして運搬台車5の走行により、減速用センサ94、96が運搬台車5の近接を検出すると、制御装置90は、ウインチ63の油圧モータ63aのコントロール弁99またはコントロール弁とは別の流量調整弁を絞り、油圧モータ63aの速度を低下させて減速させる。
【0069】
また、停止用センサ95または97が運搬台車8の近接を検出すると、制御装置90は、ウインチ63の油圧モータ63aのコントロール弁99またはコントロール弁とは別の流量調整弁を遮断し、油圧モータ63aへの圧油の供給を停止し、かつウインチ63のブレーキを投入する共に、前記自動ブレーキ装置67の油圧シリンダ80へのコントロール弁100を切換えて油圧シリンダ80への圧油の供給を解き、自動ブレーキ装置67により制動する。
【0070】
また、作業台車4上または近傍にいる作業員または運搬台車5の走行下限位置にいる作業員が緊急用ブレーキ装置32用スイッチを操作することにより、緊急用ブレーキ装置32の油圧シリンダ45のコントロール弁91を切換えて油圧シリンダ45への圧油の供給を停止することにより、圧縮ばね43により楔39を投入させて制動をかける。
【0071】
なお、運搬台車5が走行中にワイヤロープ83、84が切断するかあるいはウインチ63の故障によって運搬台車5を自由降下させる状態になった際には、荷重センサ89が無荷重を検出し、これにより、制御装置90はコントロール弁91を切換えるか、あるいは油圧の喪失により、油圧シリンダ45への圧油の供給がなくなり、圧縮ばね43の力で楔39が投入されて緊急用ブレーキ装置32による制動がかかり、運搬台車5が停止する。
【0072】
図19は上記斜面作業機を使用して導流部1の施工を行う作業手順を示す図である。まず、導流部1を施工する前に予め少なくともクレーン台車3、作業台車4を載せておくレールを低地に設けておき、そのレール上にこれらの台車を載置しておく。そして、クレーン台車3の上の導流部1のインバートである▲1▼の領域にコンクリート打設を行う。この作業は、図19(B)に示すように、予め岩盤を掘削することにより形成されている溝101にクレーン9を使用して鉄筋102を入れ、その上を型枠103で覆い、溝101の底面と型枠103との間に生コンクリートを充填することにより行う。なお、生コンクリートは、低地にあるコンクリートポンプ車(図示せず)から、溝101の側部に配置しておくホース(図示せず)を介して行う。
【0073】
このように▲1▼の領域にコンクリート打設を行った後、前記アンカー孔1dの形成およびレール2の敷設作業を行う。
【0074】
次に、▲1▼の領域のコンクリートが硬化し、レール2を敷設した後、クレーン台車3を前記▲1▼の領域まで、図9に示した油圧シリンダ49を伸長させて3’示すようにクレーン台車3を持ち上げる。本実施の形態においては、一度に作業を行う領域の上下方向の幅Lは9mとし、アンカー孔1d間のピッチpはその5分の1の1.8mとした。このため、このクレーン台車3の持ち上げは、クレーン台車3のロックピン20を予め施工しているコンクリート打設面のアンカー孔1dから油圧シリンダ21の収縮により引き抜き、かつ作業台車4のロックピン20はアンカー孔に差し込んだままにしておき、クレーン台車3の操作用スイッチ(図示せず)の操作により、緊急用ブレーキ装置32の油圧シリンダ45に圧油を供給して楔39による制動をとき、油圧シリンダ49を伸長させてクレーン台車3を前記ピッチp分押し上げ、その後は、油圧シリンダ45の油圧を喪失させてブレーキを掛けると共に、クレーン台車3のロックピン20を該当する箇所のアンカー孔1dに油圧シリンダ21の伸長により挿入する。
【0075】
次に、作業台車4のロックピン20をアンカー孔1dから引き抜き、かつ作業台車4の緊急用ブレーキ装置の油圧シリンダ45に油圧を供給して制動を解き、こんどは前記油圧シリンダ49を収縮させて作業台車4を引き上げる。そして前記ピッチp分作業台車4をクレーン台車3側に引き寄せた後は、作業台車4の緊急用ブレーキ装置32の油圧シリンダ45への圧油を喪失させてブレーキをかけると共に、作業台車4のロックピン20をアンカー孔1dに挿入して固定する。
【0076】
このような作業を5回繰り返してクレーン台車3を領域▲1▼の上を覆う3’の位置に達したら、こんどはクレーン台車3の両側の領域▲2▼、すなわち側壁部1bのコンクリート打設を、クレーン9を利用して行う。この場合、図19(C)に示すように、すでに施工している領域▲1▼の上の側部に鉄筋104をセットし、これを型枠105で覆い、この型枠105と溝101の側壁との間に生コンクリートを充填することにより、コンクリート打設を行う。
【0077】
次に、領域▲1▼の上の領域▲3▼の施工とレール2やアンカー孔1dの施工し、その後、クレーン台車3および作業台車4の前述の繰り返し工程による引き上げ、クレーン台車3の両側の領域▲4▼のコンクリート打設の順序で施工する。
【0078】
ここで、運搬台車5は、最初から作業台車4に接続してもよいが、クレーン台車3のクレーン9によって資材まで作業範囲が届かない箇所までクレーン台車3が上がってから、作業台車4のウインチ63のワイヤロープ83、84の接続を行ってもよい。
【0079】
このように、本実施の形態の斜面作業機は、下方から台車を尺取虫上に押し上げ、引き上げながらコンクリート打設を行うため、図19(D)に示すように、クレーン台車3の上部にはワイヤロープがなく、従ってクレーン台車3の上部に防護ネット106を設置することができ、これにより、溝101内で作業を行っている作業員を、上方から自然落下または岩盤の表面に残留する土砂の除去作業等の別の作業によって落下する小石等から防護することができ、安全性が向上する。
【0080】
また、クレーン台車3や作業台車4に作業足場22を備えたので、コンクリート施工場所に足場を構築する必要がなくなり、作業のための資材が大幅に削減されると共に、足場の構築、分解、輸送作業が必要なくなり、労力、能率が大幅に改善されると共に、経済化が達成できる。
【0081】
また、作業足場22を上下左右に位置調整自在に設置したので、図1(B)に示すように、例えばインバート1bの内幅W1が10m、上部の内幅W2が11.7m、内部の高さHが2mのように、上部が拡大された断面形状のコンクリート打設工事を行う場合、あるいは高さのある導流部を構築する場合、作業足場22を矢印で示すように上下左右に移動させることにより、作業足場22の位置を作業員が作業しやすい位置に設定して作業を行うことができる。
【0082】
また、作業足場22の踏み板22aの角度を調整可能としているので、工事を行う地山の傾斜に応じて、踏み板22aを作業員が昇降しやすい水平姿勢に調整することができる。
【0083】
また、クレーン搭載台3と作業台4は、水平調整機構18を油圧シリンダ16とロックピン式伸縮ロッド17によって構成したので、一箇所における作業が比較的長期にわたる前記導水路の工事の場合(本例の場合、クレーン台車3や作業台車4は1ヶ所に約1月程度ロックされる。)、エンジン停止状態となっても確実にクレーン搭載台等の水平姿勢を確実にとることができ、安全性が高くなる。また、伸縮ロッド17による止めピン17dの抜き差し作業も頻度が低いために、高さ調整作業もあまり作業員の負担にならない。
【0084】
また、各台車3〜5には緊急用ブレーキ装置32を設けているので、ロックピン20が折れる等の事故が生じた場合、あるいはワイヤロープ83、84が切れる等の事故が生じた場合にもクレーン台車3や作業台車4あるいは運搬台車5が降下することが防止される。
【0085】
また、前記クレーン台車3と前記作業台車4との間に、クレーン台車3または作業台車4の下降走行速度を制限する緊急用油圧ダンパ50を設けたので、ロックピン20が折れる等の理由でクレーン台車3あるいは作業台車4が下降する状態となった場合、クレーン台車3や作業台車4が加速することなく下方へ移動させることができ、重量機械が傾斜面において加速して下降することによる事故の発生を防止することができ、安全性が向上する。
【0086】
また、本発明は、運搬台車5を設ける代わりにケーブルクレーンを用いることもできるが、運搬台車5を設ければ、比較的装置が大がかりなケーブルクレーンが不要となる。また、このような運搬台車5を設けたものにおいて、緊急用ブレーキ装置を設ければ、ワイヤロープ切断等により支持力が喪失した場合、運搬台車のフリー落下を防止することができる。
【0087】
また、運搬台車5の荷台11の水平センサ92と自動的に水平に姿勢制御する油圧シリンダ66を設けたので、地山の斜面の傾斜角度が変化する場合においても、運搬台車5の運搬台11を常に水平に維持することができる。
【0088】
また、センサ94〜97の出力からウインチ63の減速、停止や自動ブレーキ装置67の制御を自動的に行う制御装置90を設けたので、オペレータは細心の注意を払うことなく、かつ衝撃を伴うことなく、運搬台車5の走行、停止を行わせることができる。
【0089】
本発明の斜面作業機は、地山の斜面を沿って導流部を形成する場合のみではなく、斜面に沿ってコンクリートを打設する他の作業にも用いることができる。
【0090】
【発明の効果】
請求項1によれば、クレーン台車と作業台車によりコンクリート打設を行うことができるため、クレーン台車の上部に防護ネットを設置することができ、これにより、溝内で作業を行っている作業員を小石等の落下から防護することができ、安全性が向上する。
【0091】
請求項2によれば、クレーン台車と作業台車とを相対的に近接離反させる油圧シリンダを設けたので、簡単な構成でクレーン台車の昇降と作業台車の昇降を行わせることができる。
【0092】
請求項3によれば、クレーン台車や作業台車に作業足場を備えたので、コンクリート施工場所に足場を構築する必要がなくなり、作業のための資材が大幅に削減されると共に、足場の構築、分解、輸送作業が必要なくなり、労力、能率が大幅に改善されると共に、経済化が達成できる。
【0093】
請求項4によれば、作業足場を上下左右に位置調整自在に設置したので、高さや作業箇所が左右に変化する導水路等を構築する場合、作業足場を上下左右に移動させることにより、作業足場の位置を作業員が作業しやすい位置に設定して作業を行うことができる。
【0094】
請求項5によれば、作業足場の踏み板の角度を調整可能としているので、工事を行う地山の傾斜に応じて、踏み板を作業員が昇降しやすい水平姿勢に調整することができる。
【0095】
請求項6によれば、クレーン搭載台と作業台は、水平調整機構を油圧シリンダとロックピン式伸縮ロッドによって構成したので、一箇所における作業が比較的長期にわたる前記導水路の工事の場合、確実にクレーン搭載台等の水平姿勢を確実に維持することができ、安全性が高くなる。
【0096】
請求項7によれば、クレーン台車や作業台車に緊急用ブレーキ装置を設けているので、ロックピンが折れる等の事故が生じた場合にもクレーン台車や作業台車あるいは運搬台車が降下することが防止され、安全性が向上する。
【0097】
請求項8によれば、前記クレーン台車と前記作業台車との間に、クレーン台車または作業台車の下降走行速度を制限する緊急用油圧ダンパを設けたので、ロックピンが折れる等の理由でクレーン台車あるいは作業台車が下降する状態となった場合、クレーン台車や作業台車が加速することなく下方へ移動させることができ、重量機械が傾斜面において加速して下降することによる事故の発生を防止することができ、安全性が向上する。
【0098】
請求項9によれば、作業台車により昇降される運搬台車を設けたので、比較的装置が大がかりなケーブルクレーンが不要となる。
【0099】
請求項10によれば、運搬台車を設けたものにおいて、緊急用ブレーキ装置を設けたので、ワイヤロープ切断等により支持力が喪失した場合、運搬台車のフリー落下を防止することができ、安全性が向上する。
【0100】
請求項11によれば、運搬台車の荷台の水平センサと自動的に水平に姿勢制御する油圧シリンダを設けたので、地山の斜面の傾斜角度が変化する場合においても、運搬台車の荷台を常に水平に維持することができる。
【0101】
請求項12によれば、位置指示手段とその出力からウインチの減速、停止を自動的に行う制御装置を設けたので、オペレータは細心の注意を払うことなく、かつ衝撃と伴うことなく、運搬台車5の走行、停止を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の斜面作業機を用いる工事現場の一例を工事が完成した状態で示す断面図、(B)は洪水吐導流部の断面図である。
【図2】本発明による斜面作業機の一実施の形態を示す側面図である。
【図3】(A)は本実施の形態の転動装置の側面図、(B)、(C)はそれぞれ該転動装置の鉄輪部、外れ止め部の断面図である。
【図4】本実施の形態のクレーン台車の側面図である。
【図5】本実施の形態のクレーン台車の平面図である。
【図6】本実施の形態のクレーン台車の正面図である。
【図7】(A)は本実施の形態におけるロックピンおよびその挿脱用油圧シリンダの正面図、(B)はその部分断面側面図である。
【図8】(A)は本実施の形態における緊急用ブレーキ装置の正面図、(B)はそのブレーキ解除用油圧シリンダ回りの構成を示す平面図、(C)はそのブレーキ用圧縮ばね回りの構成を示す平面断面図である。
【図9】(A)は本実施の形態におけるクレーン台車と作業台車との昇降装置を示す平面図、(B)、(C)はそれぞれその油圧シリンダによる連結構造、油圧ダンパによる連結構造を示す側面図、(D)は該油圧ダンパの構成を示す構成図である。
【図10】本実施の形態の作業台車の側面図である。
【図11】本実施の形態の作業台車の平面図である。
【図12】本実施の形態の作業台車の正面図である。
【図13】本実施の形態の運搬台車の側面図である。
【図14】本実施の形態の運搬台車の平面図である。
【図15】本実施の形態の運搬台車の正面図である。
【図16】本実施の形態における運搬台車の自動ブレーキ装置の側面図である。
【図17】(A)は本実施の形態における運搬台車の自動ブレーキ装置のブレーキ用圧縮ばね回りの構成を示す断面図、(B)はそのブレーキ解除用油圧シリンダ回りの構成を示す平面図である。
【図18】(A)は本実施の形態における運搬台車の昇降装置を示す平面図、(B)はその側面図、(C)はその動作制御装置のブロック図である。
【図19】(A)は本実施の形態におけるコンクリート打設作業の順序を示す平面図、(B)、(C)はそれぞれ導水路のインバート、側壁部のコンクリート打設作業を行っている状態を示す断面図、(D)は防護ネットを説明する側面図である。
【図20】洪水吐導流部施工のための従来の斜面作業機を示す側面図である。
【符号の説明】
1:洪水吐導流部、1a:越流堤、1b:インバート、1c:側壁部、1d:アンカー孔、2:レール、3:クレーン台車、4:作業台車、5:運搬台車、6、6A:転動装置、7:クレーン搭載台、8:油圧パワーユニット、9:クレーン、10:作業台、11:荷台、12、13:ケーブルリール、15:走行体、16:油圧シリンダ、17:伸縮ロッド、18:水平姿勢調整機構、20:ロックピン、21:油圧シリンダ、22:作業足場、23:位置調整機構、30:梯子、32:緊急用ブレーキ装置、39:楔、42:ガイドブロック、43:圧縮ばね、45:ブレーキ解除用油圧シリンダ、46:操作用ペンダント、47:走行体、49:油圧シリンダ、50:油圧ダンパ、60:配電盤、61:操作盤、62:油圧装置、63:ウインチ、63a:油圧モータ、65:走行体、66:油圧シリンダ、67:自動ブレーキ装置、74:ブレーキシュー、79:圧縮ばね、80:油圧シリンダ、83、84:ワイヤロープ、86:揺動アーム、87、88:シーブ、89:荷重センサ、90:制御装置、91、93、99、100:コントロール弁、92:水平センサ、94〜97:センサ、101:溝、102、104:鉄筋、103、105:型枠、106:防護ネット

Claims (12)

  1. 地山の斜面に沿って下方より上方に向けてコンクリート打設工事および少なくとも工事に用いるレールの敷設を行う斜面作業機であって、
    工事用資材を運搬するクレーンを搭載すると共に、前記レールに沿って走行自在で、かつロック手段によりコンクリート打設面に固定可能なクレーン台車と、
    工事に必要な作業を行う作業台を有すると共に、前記クレーン台車の下側において前記レールに沿って走行自在で、かつロック手段によりコンクリート打設面に固定可能な作業台車と、
    前記クレーン台車と作業台車との間に設けられ、一方を固定し他方を可動としてレールに沿って昇降させる昇降装置とを備えた
    ことを特徴とする斜面作業機。
  2. 請求項1の斜面作業機において、
    前記昇降装置は、前記クレーン台車と前記作業台車とを連結する油圧シリンダからなる
    ことを特徴とする斜面作業機。
  3. 請求項1または2の斜面作業機において、
    前記クレーン台車および前記作業台車は作業足場を備える
    ことを特徴とする斜面作業機。
  4. 請求項3の斜面作業機において、
    前記作業足場は、前記クレーン台車および前記作業台車の両側に上下左右に位置調整自在に設置される
    ことを特徴とする斜面作業機。
  5. 請求項3または4の斜面作業機において、
    前記作業足場は、踏み板の角度が調整可能に構成される
    ことを特徴とする斜面作業機。
  6. 請求項1から5までのいずれかの斜面作業機において、
    前記クレーン台車と前記作業台車は、各走行体とクレーン搭載台あるいは作業台とが上部において枢軸を介して連結され、
    前記走行体と前記クレーン搭載台あるいは作業台との間に、角度調整用の油圧シリンダと、ロックピンにより固定可能な伸縮ロッドとからなる水平調整機構を設けた
    ことを特徴とする斜面作業機。
  7. 請求項1から6までのいずれかの斜面作業機において、
    前記クレーン台車および前記作業台車は、緊急用ブレーキ装置を備えた
    ことを特徴とする斜面作業機。
  8. 請求項1から7までのいずれかの斜面作業機において、
    前記クレーン台車と前記作業台車との間に、クレーン台車または作業台車の下降走行速度を制限する緊急用油圧ダンパを設けた
    ことを特徴とする斜面作業機。
  9. 請求項1から8までのいずれかの斜面作業機において、
    前記作業台車の下方に、工事用資材を運搬する運搬台車を、前記レールに沿って走行自在に装着し、
    前記作業台車に、前記運搬台車をワイヤロープを介して昇降させるウインチを搭載した
    ことを特徴とする斜面作業機。
  10. 請求項9の斜面作業機において、
    前記運搬台車に、作業台車による支持力喪失時に自動的に投入される緊急用ブレーキ装置を備えた
    ことを特徴とする斜面作業機。
  11. 請求項9または10の斜面作業機において、
    前記運搬台車に、荷台の傾斜センサと、該傾斜センサの出力に応じて荷台を自動的に水平にする制御装置を備えた
    ことを特徴とする斜面作業機。
  12. 請求項9から11までのいずれかの斜面作業機において、
    前記運搬台車の走行路に沿って、運搬台車が作業台車近傍および下方の下限位置近傍において減速すべき位置と停止すべき位置とを指示する位置指示手段を設け、
    前記運搬台車には前記位置指示手段のセンサを設け、
    前記作業台車に、前記センサの出力により前記ウインチの動作を制御して減速、停止を自動的に行う制御装置を備えた
    ことを特徴とする斜面作業機。
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