JP2003206524A - 斜面作業機 - Google Patents

斜面作業機

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JP2003206524A JP2002001875A JP2002001875A JP2003206524A JP 2003206524 A JP2003206524 A JP 2003206524A JP 2002001875 A JP2002001875 A JP 2002001875A JP 2002001875 A JP2002001875 A JP 2002001875A JP 2003206524 A JP2003206524 A JP 2003206524A
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Toshiyuki Kosaka
敏行 高坂
Masaharu Ikuta
正治 生田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地山の斜面に沿ってコンクリート打設工事を行
う斜面作業機において、作業の安全性を向上させた構成
のものを提供する。 【解決手段】レール2に沿って移動自在はクレーン台車
3と作業台車4とを備えると共に、必要に応じて運搬台
車5を備える。クレーン台車3は工事用資材を運搬する
クレーン9を搭載し、かつロックピンによりコンクリー
ト打設面に固定可能である。作業台車4は、クレーン台
車3の下側に昇降装置により接続される。該作業台車4
は工事に必要な作業を行う作業台10を有すると共に、
ロックピンによりコンクリート打設面に固定可能であ
る。運搬台車5は作業台車4のウインチにより昇降され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばロックフィ
ルダムの洪水吐斜路部の施工工事のように、地山の急斜
面に沿ってコンクリート打設工事を行う斜面作業機に関
する。
【0002】
【従来の技術】ロックフィルダムでは、設計洪水容量を
越えた場合にはダムを越流して破損もしくは、致命的な
破壊を誘導する可能性があるため、ダムの安全確保を目
的として貯水位を異常に上昇させないための洪水吐と呼
ばれる設備を設置することが行なわれている。この洪水
吐は、ダムの基礎とは分離して構築され、越流堤(最初
に水が越流する所)・流入部・導流部・減勢工から構成
される。洪水時の放流水はダムの天端(てんば;ダムの
頂部のこと)よりやや低いHWL(High water level)
と同じ高さに設けられた越流堤から流れ込み、地山斜面
に沿って構築された流入部・導流部・減勢工を経て河川
に放流される。この洪水吐を施工する工事は、設計洪水
量が流下できる容量のトレンチ形状(溝型)、地山斜面
に沿った線形となるため急峻な地形において行なわれ、
地山掘削・岩盤清掃後、鉄筋コンクリート構造物として
鉄筋加工組立、型枠設置、コンクリート打設の順に構築
が進められる。
【0003】従来の工事では、図20のようにケーブル
クレーン121を利用して、導流部の構築範囲の両側に
予め足場を設置し、中央部には、作業台車125を上下
動自在にするためにレールを設置し、斜面上部にはウイ
ンチ123を設置して、ウインチ123によ巻出される
ワイヤロープ124により作業台車125を上下自在に
支持し、ケーブルクレーン121により搬送された鉄筋
・型枠等の工事資材120を作業台車125に下ろし
て、作業員が必要な鉄筋加工組立や型枠設置等、洪水吐
導流部の鉄筋コンクリートの構築を行う。そしてこのレ
ールは、斜面の下方から上方に向けて据付、延伸して設
けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ウイン
チ123を地山の上部に設置して作業台車125を支持
する方式で工事を行う場合には、ワイヤロープ124が
導流部のトレンチ形状(溝型)の未施工部分に沿って張
られるため、作業台車125上あるいはトレンチ内の作
業は著しく制約を受け、ワイヤーの養生等によって施工
可能としても上方から落下する小石等(これらの落石は
自然崩落または溝あるいはその周辺部における土砂の除
去作業において生じるおそれがある)から防護するため
の防護ネットを張ることができず、安全性の面で不十分
であるという問題点がある。
【0005】また、工事用の足場122を施工しておく
必要があり、工事資材の規模と工事や輸送や管理に要す
る労力、費用が多大になる。また、ケーブルクレーンの
場合には移動の精度に問題があると共に、荷吊りの運搬
時には待避が必要であり非効率でもある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑み、地山の斜面
に沿ってコンクリート打設工事を行う斜面作業機におい
て、作業の安全性を向上させた構成のものを提供するこ
とを目的とする。
【0007】また、本発明は、地山に沿って足場を構築
することなく工事を行うことができる斜面作業機を提供
することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の斜面作業機
は、地山の斜面に沿って下方より上方に向けてコンクリ
ート打設工事および少なくとも工事に用いるレールの敷
設を行う斜面作業機であって、工事用資材を運搬するク
レーンを搭載すると共に、前記レールに沿って走行自在
で、かつロック手段によりコンクリート打設面に固定可
能なクレーン台車と、工事に必要な作業を行う作業台を
有すると共に、前記クレーン台車の下側において前記レ
ールに沿って走行自在で、かつロック手段によりコンク
リート打設面に固定可能な作業台車と、前記クレーン台
車と作業台車との間に設けられ、一方を固定し他方を可
動としてレールに沿って昇降させる昇降装置とを備えた
ことを特徴とする。
【0009】このように、クレーン台車と作業台車とを
コンクリート地面にロックあるいはロック解除可能と
し、両者を昇降装置により接続すれば、台車を上方から
支持するウインチおよび支持用ワイヤロープが不要とな
り、クレーン台車より上方に防護ネットを張ることがで
き、安全性が向上する。
【0010】請求項2の斜面作業機は、請求項1におい
て、前記昇降装置は、前記クレーン台車と前記作業台車
とを連結する油圧シリンダからなることを特徴とする。
【0011】このように、昇降装置として油圧シリンダ
を設ければ、ラック/ピニオン方式のようにコンクリー
ト打設面にラックを敷設する必要なく、両者間で相対的
に引き上げ、引き下ろしが自在に可能となる。
【0012】請求項3の斜面作業機は、請求項1または
2において、前記クレーン台車および前記作業台車は作
業足場を備えることを特徴とする。
【0013】このように、各台車に足場を備えることに
より、コンクリート施工場所に足場を構築する必要がな
くなる。
【0014】請求項4の斜面作業機は、請求項3におい
て、前記作業足場は、前記クレーン台車および前記作業
台車の両側に上下左右に位置調整自在に設置されること
を特徴とする。
【0015】このように、作業足場を上下左右に位置調
整自在に設置することにより、前記洪水吐導流部の工事
のように、断面形状の上部が拡大された形状のコンクリ
ート打設工事を行う場合、その形状に合わせた好適位置
に作業足場を設定することができる。
【0016】請求項5の斜面作業機は、請求項3または
4の斜面作業機において、前記作業足場は、踏み板の角
度が調整可能に構成されることを特徴とする。
【0017】このように、作業足場の踏み板の角度を調
整可能とすることにより、工事を行う地山の傾斜に応じ
て、踏み板を作業員が昇降しやすい水平姿勢に調整する
ことができる。
【0018】請求項6の斜面作業機は、請求項1から5
までのいずれかにおいて、前記クレーン台車と前記作業
台車は、各走行体とクレーン搭載台あるいは作業台とが
上部において枢軸を介して連結され、前記走行体と前記
クレーン搭載台あるいは作業台との間に、角度調整用の
油圧シリンダと、ロックピンにより固定可能な伸縮ロッ
ドとからなる水平調整機構を設けたことを特徴とする。
【0019】このように、クレーン搭載台と作業台の水
平調整機構を設けることにより、工事を行う地山の傾斜
に応じて、クレーン搭載台や作業台を水平姿勢に調整す
ることができる。また、水平調整機構を油圧シリンダと
ロックピン式伸縮ロッドによって構成することにより、
一箇所における作業が比較的長期にわたる場合、エンジ
ン停止状態となっても確実にクレーン搭載台等の水平姿
勢を確実にとることができる。
【0020】請求項7の斜面作業機は、請求項1から6
までのいずれかにおいて、前記クレーン台車および前記
作業台車は、緊急用ブレーキ装置を備えたことを特徴と
する。
【0021】このような緊急用ブレーキ装置を設けれ
ば、台車のロック手段が破壊される等の事故が生じた場
合にもクレーン台車や作業台車が下がることが防止され
る。
【0022】請求項8の斜面作業機は、請求項1から7
までのいずれかにおいて、前記クレーン台車と前記作業
台車との間に、クレーン台車または作業台車の下降走行
速度を制限する緊急用油圧ダンパを設けたことを特徴と
する。
【0023】このような緊急用油圧ダンパを設ければ、
ロック手段が破壊されるかあるいは昇降中に昇降装置が
損傷する等の理由でクレーン台車あるいは作業台車が下
降する状態となった場合、クレーン台車や作業台車が加
速することなく下方へ移動させることができ、重量機械
が傾斜面において加速して下降することによる事故の発
生を防止することができる。
【0024】請求項9の斜面作業機は、請求項1から8
までのいずれかにおいて、前記作業台車の下方に、工事
用資材を運搬する運搬台車を、前記レールに沿って走行
自在に装着し、前記作業台車に、前記運搬台車をワイヤ
ロープを介して昇降させるウインチを搭載したことを特
徴とする。
【0025】このように、運搬台車を設ければ、ケーブ
ルクレーンが不要となる。
【0026】請求項10の斜面作業機は、請求項9にお
いて、前記運搬台車に、作業台車による支持力喪失時に
自動的に投入される緊急用ブレーキ装置を備えたことを
特徴とする。
【0027】このような緊急用ブレーキ装置を設けれ
ば、ワイヤロープ切断等により支持力が喪失した場合、
運搬台車のフリー落下を防止することができる。
【0028】請求項11の斜面作業機は、請求項9また
は10において、前記運搬台車に、運搬台の傾斜センサ
と、該傾斜センサの出力に応じて運搬台を自動的に水平
にする制御装置を備えたことを特徴とする。
【0029】このように、運搬台を自動的に水平に姿勢
制御する装置を設ければ、地山の斜面の傾斜角度が変化
する場合においても、運搬台車の運搬台を常に水平に維
持することができる。
【0030】請求項12の斜面作業機は、請求項9から
11までのいずれかにおいて、前記運搬台車の走行路に
沿って、運搬台車が作業台車近傍および下方の下限位置
近傍において減速すべき位置と停止すべき位置とを指示
する位置指示手段を設け、前記運搬台車には前記位置指
示手段のセンサを設け、前記作業台車に、前記センサの
出力により前記ウインチの動作を制御して減速、停止を
自動的に行う制御装置を備えたことを特徴とする。
【0031】このような減速、停止を自動的に行う制御
装置を設けることにより、オペレータは細心の注意を払
うことなく、かつ衝撃と伴うことなく、運搬台車の走
行、停止を行わせることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明の斜面作業機
を用いる工事現場の一例を工事が完成した状態で示す断
面図である。110は揚水発電用の上部ダム(ロックフ
ィルダム)である。1は洪水吐導流部であり、該洪水吐
導流部1は、ダム110の貯水部におけるダム110の
天端よりやや低い位置に越流提1aを有し、そこから、
ダム110の脇を通り、所定の傾斜をもって地山に沿っ
て水を放流させることができるように形成される。
【0033】図1(B)は前記洪水吐導流部1の断面形
状を示すもので、予め溝101の底面および側面に岩盤
が露出するように溝101を掘削、その溝101の内面
に、インバート1bと上方が拡大された側壁部1cとか
らなるトレンチ形状の導流部1を鉄筋コンクリートによ
り構築する。
【0034】図2は本発明による斜面作業機の一実施の
形態を示す側面図である。図中、1bは前述のように施
工された洪水吐導流部のインバート、2はその上に固定
されたレールである。3はクレーン台車、4は作業台
車、5は運搬台車である。各台車3〜5は、互いに後述
の機構により接続される。
【0035】各台車3、4の転動装置6は、図3(A)
の側面図と、図3(B)、図3(C)の断面図に示すよ
うに、各台車の走行体にブラケット6aを取付け、該ブ
ラケット6aにレール2に乗せる鉄輪6bを取付け、前
記ブラケット6aに、レール2の頭部2aの下に係合さ
せる外れ止め具6cを取付けて斜面においても鉄輪6b
がレール2から外れないように構成したものである。な
お、クレーン台車3および作業台車4には、上下左右に
それぞれ2個の鉄輪6bを一対とした4組の転動装置6
が取付けられるが、運搬台車5の転動装置6Aは上下左
右にそれぞれ1個ずつ鉄輪6bを取付けた構成としてい
る、図2に示すように、クレーン台車3はクレーン搭載
台7にクレーン9を搭載したもので、クレーン9により
作業台車4の作業台10上や運搬台車5の荷台11上に
搭載された鉄筋、型枠、レール等の資材等をクレーン台
車3の上部あるいは側部に、あるいはその反対方向に運
ぶものである。
【0036】作業台車4は、作業台10上に前記資材を
載せておく機能と、作業員が鉄筋等を接続したり地形に
応じて整形する作業等を行う作業台としての役目を果た
すものである。
【0037】図4、図5、図6はそれぞれ前記クレーン
台車3の側面図、平面図、正面図である。これらの台車
3〜5は、エンジン駆動式のものか、電源ケーブルを引
線した電動モータ駆動式のものとのいずれかを採用可能
である。本実施の形態においては、商用電源を用いた電
動式のものを示しており、クレーン台車3は、クレーン
9の旋回、起伏、巻上げ用のモータに電動モータを使用
し、後述の油圧装置は、作業台車4に搭載した油圧パワ
ーユニット8からの作動油の供給により作動させる構成
としている。
【0038】クレーン台車3には、地山の下方から、レ
ール2、2間のガイド手段(図示せず)に沿って引線さ
れるケーブル(図示せず)を、図2に示す作業台車4の
ケーブルリール12に巻いて配電盤60に接続し、配電
盤60から前記油圧パワーユニット8には配電盤60や
クレーン台車3に給電する。
【0039】運搬台車5に設けたケーブルリール13も
地山の下方から、レール2、2間のガイド手段(図示せ
ず)に沿って引線されるケーブルを巻き、運搬台車5の
ケーブルリール13を通して操作盤61や油圧パワーユ
ニット等の油圧装置62に給電する構成としている。
【0040】クレーン台車3は、クレーン搭載台7を地
山の斜面の傾斜角度の如何にかかわらず水平に保つた
め、走行体15に前記クレーン搭載台7を上部において
クレーン搭載台7が上下動自在となるように枢着し、走
行体15とクレーン搭載台7との間には、クレーン搭載
台7の水平姿勢調整機構18を有する。該水平姿勢調整
機構18は、走行体15とクレーン搭載台7との間に介
装したクレーン搭載台7の上下動のための2本の油圧シ
リンダ16と、クレーン搭載台7を走行体15に対して
その角度に固定しておくための2本の伸縮ロッド17と
からなる。
【0041】該伸縮ロッド17は、中空の外ロッド17
aに中空の内ロッド17bを伸縮可能に嵌合し、外ロッ
ド17aに長手方向に複数個のピン孔17cを配設し、
油圧シリンダ16の伸縮により外ロッド17aのピン孔
17cと内ロッド17bのピン孔(図示せず)との位置
を合わせて止めピン17dを両ピン孔に貫挿することに
より、クレーン搭載台7を走行体15に対して水平に固
定するものである。
【0042】図4に示すように、走行体15には、上下
左右の4箇所に、コンクリート製導流部1のインバート
1bに設けたアンカー孔1dに挿入してクレーン台車3
をコンクリート地面に固定するためのロック手段として
のロックピン20が、油圧シリンダ21により上下動自
在に取付けられる。
【0043】図7(A)は前記ロックピン20およびそ
の突没装置の正面図、図7(B)はその側面断面図であ
り、ロックピン20にはその突出量を表示する表示ロッ
ド21aを取付け、油圧シリンダ21の取付け筒21b
には、ロックピン20の突出量、すなわちアンカー孔1
dへの挿入を確認するため、表示ロッド21aの位置を
指示する目盛21cを設けている。
【0044】前記走行体15の左右には、左右上下位置
調整可能に作業足場22が取付けられる。図5、図6に
示すように、該位置調整機構23は、それぞれ左右の作
業足場22に対して、上下にそれぞれ1組ずつ設けられ
る。
【0045】図6に示すように、各位置調整機構23
は、走行体15に横向きに設けた横ガイド枠24に左右
に摺動自在に設けた横可動枠25と、該横可動枠25と
走行体15との間に取付けられ、横可動枠25の左右位
置調整を行う油圧シリンダ26と、横可動枠25の先端
に固定した縦ガイド枠27と、該縦ガイド枠27に上下
摺動自在に取付けた縦可動枠28と、縦ガイド枠28と
縦可動枠27との間に設けた上下動用油圧シリンダ29
とからなり、これらの縦可動枠27に作業足場22の上
下部分を結合することにより、作業足場22の上下左右
の位置調整が油圧シリンダ26、29の伸縮動作によっ
て調整可能となるように構成している。
【0046】図4に示すように、各作業足場22は、多
数の踏み板22aをその取付け枠22bに枢着部22c
を中心に回動自在に、かつ連動枠22dによって相互に
連結することにより連動して回動するように構成し、か
つ連動枠22dを取付け枠22bに設けた固定板(図示
せず)にピンあるいはボルト等で固定することにより、
踏み板22aが地山の傾斜角度にかかわらず水平に設定
できるように構成している。取付け枠22に設けた雌ね
じに対し、踏み板22aまたは連動枠22dに取付けた
調整ねじを螺合し、該調整ねじの回動により踏み板22
aが回動して水平になるように構成してもよい。
【0047】30は走行体15の片側に取付けた梯子で
あり、下方からクレーン搭載台8上に作業員やオペレー
タが昇降するためのものである。
【0048】図4に示すように、走行体15には、緊急
用ブレーキ装置32が取付けられる。図8(A)は該緊
急用ブレーキ装置32をレール2の長手方向に見た図、
図8(B)、図8(C)はその各部平面図である。図8
(A)〜(C)に示すように、走行体15のレール2に
対応する箇所には、ピン33によって緊急用ブレーキ装
置32の枠体34が取付けられ、該枠体34には、それ
ぞれ軸35を中心に回動自在に回動筒36が嵌合され、
各回動筒36にはアーム37の中間部が固定され、アー
ム37のレール2側端部には楔39の一端部がピン40
により連結される。アーム37の他端部と枠体34との
間には圧縮ばね43が取付けられ、図8(C)の矢印a
に示すように、圧縮ばね43によってアーム37の他端
部を押圧することにより、楔39を枠体34に設けたガ
イドブロック42とレール2との間のテーパー状の隙間
に矢印bに示すように圧入して台車3をレール2に固定
する。
【0049】また、前記各回動筒36には、前記ばね4
3の上部に位置する箇所にブラケット44を固着し、該
ブラケット44と前記枠体34との間には、図8(B)
に示すように、油圧を供給することによって矢印cに示
すように収縮して楔39を前記テーパー状の隙間から矢
印dで示すように引き抜くブレーキ解除用の油圧シリン
ダ45を取付けている。
【0050】なお、図2に示すように、クレーン台車3
は操作ペンダント46を有しており、その該当スイッチ
を操作することによってクレーン巻上・巻下、ブーム起
伏、旋回操作が可能となるように構成されている。
【0051】図9(A)〜(C)に示すように、クレー
ン台車3の走行体15と作業台車4の走行体47とは、
クレーン台車3と作業台車4とを相対的に移動させるた
めの2本の油圧シリンダ49と、2本の油圧ダンパ50
とにより連結される。油圧ダンパ50は、図9(D)に
示すように、ピストン51の両側の室52、53間を短
絡する管路54に絞り55を挿入して構成され、油圧喪
失時あるいは緊急用ブレーキ装置32が制動状態でない
時にロックピン20が折損することにより台車3、4の
いずれかが自由降下する際の降下速度を所定速度以下に
制限して安全性を確保するものである。
【0052】前記作業台車4は、図10の側面図、図1
1の平面図、図12の正面図に示すように構成される。
作業台車4の走行体47と作業台10とは上部において
枢着され、前記クレーン台車3と同様に、油圧シリンダ
16と伸縮ロッド17(17aはピン孔17cを有する
外ロッド、17bはピン孔を有する内ロッド、17dは
止めピン)とからなる作業台10の水平姿勢調整機構1
8を有する。
【0053】また、作業台車4は、導流部1のインバー
ト1bのアンカー孔1dに挿入するロックピン20およ
びその挿脱用の油圧シリンダ21を有する。
【0054】また、作業台車4の左右には、前記クレー
ン台車3の作業足場22に連続する作業足場22を有す
ることにより、クレーン台車3で不足する作業足場を補
っている。該作業足場22も位置調整機構23によって
上下左右の位置が調整される。また、踏み板22aを水
平に保つ機構も前記同様に構成される。30は作業員が
作業台10に上るための梯子である。
【0055】前記配電盤60および前記油圧パワーユニ
ット8は作業台10の下面に取付けられており、作業台
10が常に水平に保たれることにより、油圧パワーユニ
ット8もこのユニットにとって好適な水平姿勢が維持さ
れる。
【0056】導流部1の底面に沿って引線するケーブル
を巻くケーブルリール12および運搬台車5を昇降させ
るウインチ63は走行体47上に搭載される。
【0057】また、前記緊急用ブレーキ装置32も左右
のレール2に対応して走行体47の左右に配置される。
【0058】前記運搬台車5は、図13の側面図、図1
4の平面図、図15の正面図に示すように構成される。
すなわち運搬台車5の走行体65と荷台11とは上部に
おいて枢着され、両者間に介装した左右の油圧シリンダ
66からなる荷台11の水平姿勢調整機構を有する。
【0059】前記操作盤61および前記油圧パワーユニ
ット等の油圧装置62は荷台11の下面に取付けられて
おり、荷台11が常に水平に保たれることにより、油圧
パワーユニット8もこのユニットにとって好適な水平姿
勢が維持される。導流部1の底面に沿って引線するケー
ブルを巻くケーブルリール13は走行体65上に搭載さ
れる。
【0060】また、図13に示すように、前記緊急用ブ
レーキ装置32も左右のレール2に対応して走行体65
の左右に配置される。また、運搬台車5は、該緊急用ブ
レーキ装置32以外に、運搬台車5を上限位置、下限位
置において止めておくための自動ブレーキ装置67を有
する。
【0061】自動ブレーキ装置67は、図16の側面図
および図17(A)、(B)の断面図のように構成され
る。すなわち、図7(A)に示すように、前記走行体6
5に取付けられるブラケット69に前後方向に平行に2
本の軸70を取付け、各軸70にそれぞれ左右に揺動自
在にブラケット72を取付け、これらのブラケット7
2、73の下端にレール2の頭部2aを挟むブレーキシ
ュー74、74を設ける。また、ブラケット72、73
の前部、後部においてそれぞれ貫挿するロッド75、7
5を設けてその各一端を一方のブラケット73にピン7
6により連結し、ロッド73の他端に設けたばね受け7
7と他方のブラケット72との間に圧縮ばね79を設
け、停止時には該圧縮ばね79の力でブレーキシュー7
4、74間でレール2の頭部2aを挟んで圧接すること
により、制動状態とする。
【0062】また、図17(B)に示すように、ブラケ
ット72、73の各中央部間には、ブレーキ解除用の油
圧シリンダ80を、その一端をピン81によりブラケッ
ト72に連結し、他端をトラニオン82によりブラケッ
ト73に連結している。そしてブレーキ解除の際には、
図17(B)に示すように、油圧シリンダ80を伸長さ
せることにより、ブレーキシュー74をレール2から離
す構成を有している。
【0063】図18(A)は作業台車4による運搬台車
5の上下動のための支持構造を示すもので、作業台車4
の走行体47に搭載した2台のウインチ63の複胴ドラ
ムに巻取り繰り出しされるワイヤロープ83、84は、
運搬台車5の走行体65に取付けたブラケット85に中
心部を枢着した揺動アーム86に取付けた左右のシーブ
87、88に通してイコライザの機能を持たせる。
【0064】前記ブラケット85には、ワイヤロープ8
3、84による支持力を検出する荷重センサ89を取付
け、図18(C)に示すように、荷重センサ89の出力
は制御装置90に入力し、制御装置90は、荷重センサ
89がワイヤロープ切断等により無荷重を検出した時に
は、図8に示した前記緊急用ブレーキ装置32の油圧シ
リンダ45のコントロール弁91を切換えて、油圧シリ
ンダ45の油圧を解除して圧縮ばね43の力でガイドブ
ロック42とレール2との間に楔39を押し込み、運搬
台車5の下降しようとする力とも相まって、楔作用によ
り運搬台車5を緊急停止させる機能を有する。
【0065】また、前記運搬台車5の荷台11の下面に
は水平センサ92を取付けておき(図13参照)、水平
センサ92が荷台11の傾斜を検出したときには、制御
装置90は、水平姿勢調整用の油圧シリンダ66のコン
トロール弁93を切換え制御し、これにより荷台11が
水平になるように油圧シリンダ66を伸縮させる。
【0066】また、図18(B)に示すように、作業台
車4の近傍には、運搬台車5の上昇時に減速を開始すべ
き位置と停止すべき位置に、それぞれ減速、停止用のセ
ンサ94、95を設け、運搬台車5の走行路の下限近傍
にも、運搬台車5の下降時に減速を開始すべき位置と停
止すべき位置に、それぞれ減速、停止用のセンサ96、
97を設けておく。
【0067】そして、運搬台車5を走行させる時は、作
業台車4の近傍または走行路の下限位置にいる作業員が
図8に示した油圧シリンダ45制御用のスイッチ(図示
せず)を操作して、緊急用ブレーキ装置32による制動
を解除する。そして始動用スイッチ(図示せず)を操作
すると、制御装置90はコントロール弁100を切換え
て自動ブレーキ装置67の油圧シリンダ80に圧油を供
給して自動ブレーキ装置67による制動を自動的に解除
する。また、同時にコントロール弁99によりウインチ
63の油圧モータ63aを起動し、運搬台車5の巻上げ
または巻下げを行う。
【0068】そして運搬台車5の走行により、減速用セ
ンサ94、96が運搬台車5の近接を検出すると、制御
装置90は、ウインチ63の油圧モータ63aのコント
ロール弁99またはコントロール弁とは別の流量調整弁
を絞り、油圧モータ63aの速度を低下させて減速させ
る。
【0069】また、停止用センサ95または97が運搬
台車8の近接を検出すると、制御装置90は、ウインチ
63の油圧モータ63aのコントロール弁99またはコ
ントロール弁とは別の流量調整弁を遮断し、油圧モータ
63aへの圧油の供給を停止し、かつウインチ63のブ
レーキを投入する共に、前記自動ブレーキ装置67の油
圧シリンダ80へのコントロール弁100を切換えて油
圧シリンダ80への圧油の供給を解き、自動ブレーキ装
置67により制動する。
【0070】また、作業台車4上または近傍にいる作業
員または運搬台車5の走行下限位置にいる作業員が緊急
用ブレーキ装置32用スイッチを操作することにより、
緊急用ブレーキ装置32の油圧シリンダ45のコントロ
ール弁91を切換えて油圧シリンダ45への圧油の供給
を停止することにより、圧縮ばね43により楔39を投
入させて制動をかける。
【0071】なお、運搬台車5が走行中にワイヤロープ
83、84が切断するかあるいはウインチ63の故障に
よって運搬台車5を自由降下させる状態になった際に
は、荷重センサ89が無荷重を検出し、これにより、制
御装置90はコントロール弁91を切換えるか、あるい
は油圧の喪失により、油圧シリンダ45への圧油の供給
がなくなり、圧縮ばね43の力で楔39が投入されて緊
急用ブレーキ装置32による制動がかかり、運搬台車5
が停止する。
【0072】図19は上記斜面作業機を使用して導流部
1の施工を行う作業手順を示す図である。まず、導流部
1を施工する前に予め少なくともクレーン台車3、作業
台車4を載せておくレールを低地に設けておき、そのレ
ール上にこれらの台車を載置しておく。そして、クレー
ン台車3の上の導流部1のインバートであるの領域に
コンクリート打設を行う。この作業は、図19(B)に
示すように、予め岩盤を掘削することにより形成されて
いる溝101にクレーン9を使用して鉄筋102を入
れ、その上を型枠103で覆い、溝101の底面と型枠
103との間に生コンクリートを充填することにより行
う。なお、生コンクリートは、低地にあるコンクリート
ポンプ車(図示せず)から、溝101の側部に配置して
おくホース(図示せず)を介して行う。
【0073】このようにの領域にコンクリート打設を
行った後、前記アンカー孔1dの形成およびレール2の
敷設作業を行う。
【0074】次に、の領域のコンクリートが硬化し、
レール2を敷設した後、クレーン台車3を前記の領域
まで、図9に示した油圧シリンダ49を伸長させて3’
示すようにクレーン台車3を持ち上げる。本実施の形態
においては、一度に作業を行う領域の上下方向の幅Lは
9mとし、アンカー孔1d間のピッチpはその5分の1
の1.8mとした。このため、このクレーン台車3の持
ち上げは、クレーン台車3のロックピン20を予め施工
しているコンクリート打設面のアンカー孔1dから油圧
シリンダ21の収縮により引き抜き、かつ作業台車4の
ロックピン20はアンカー孔に差し込んだままにしてお
き、クレーン台車3の操作用スイッチ(図示せず)の操
作により、緊急用ブレーキ装置32の油圧シリンダ45
に圧油を供給して楔39による制動をとき、油圧シリン
ダ49を伸長させてクレーン台車3を前記ピッチp分押
し上げ、その後は、油圧シリンダ45の油圧を喪失させ
てブレーキを掛けると共に、クレーン台車3のロックピ
ン20を該当する箇所のアンカー孔1dに油圧シリンダ
21の伸長により挿入する。
【0075】次に、作業台車4のロックピン20をアン
カー孔1dから引き抜き、かつ作業台車4の緊急用ブレ
ーキ装置の油圧シリンダ45に油圧を供給して制動を解
き、こんどは前記油圧シリンダ49を収縮させて作業台
車4を引き上げる。そして前記ピッチp分作業台車4を
クレーン台車3側に引き寄せた後は、作業台車4の緊急
用ブレーキ装置32の油圧シリンダ45への圧油を喪失
させてブレーキをかけると共に、作業台車4のロックピ
ン20をアンカー孔1dに挿入して固定する。
【0076】このような作業を5回繰り返してクレーン
台車3を領域の上を覆う3’の位置に達したら、こん
どはクレーン台車3の両側の領域、すなわち側壁部1
bのコンクリート打設を、クレーン9を利用して行う。
この場合、図19(C)に示すように、すでに施工して
いる領域の上の側部に鉄筋104をセットし、これを
型枠105で覆い、この型枠105と溝101の側壁と
の間に生コンクリートを充填することにより、コンクリ
ート打設を行う。
【0077】次に、領域の上の領域の施工とレール
2やアンカー孔1dの施工し、その後、クレーン台車3
および作業台車4の前述の繰り返し工程による引き上
げ、クレーン台車3の両側の領域のコンクリート打設
の順序で施工する。
【0078】ここで、運搬台車5は、最初から作業台車
4に接続してもよいが、クレーン台車3のクレーン9に
よって資材まで作業範囲が届かない箇所までクレーン台
車3が上がってから、作業台車4のウインチ63のワイ
ヤロープ83、84の接続を行ってもよい。
【0079】このように、本実施の形態の斜面作業機
は、下方から台車を尺取虫上に押し上げ、引き上げなが
らコンクリート打設を行うため、図19(D)に示すよ
うに、クレーン台車3の上部にはワイヤロープがなく、
従ってクレーン台車3の上部に防護ネット106を設置
することができ、これにより、溝101内で作業を行っ
ている作業員を、上方から自然落下または岩盤の表面に
残留する土砂の除去作業等の別の作業によって落下する
小石等から防護することができ、安全性が向上する。
【0080】また、クレーン台車3や作業台車4に作業
足場22を備えたので、コンクリート施工場所に足場を
構築する必要がなくなり、作業のための資材が大幅に削
減されると共に、足場の構築、分解、輸送作業が必要な
くなり、労力、能率が大幅に改善されると共に、経済化
が達成できる。
【0081】また、作業足場22を上下左右に位置調整
自在に設置したので、図1(B)に示すように、例えば
インバート1bの内幅W1が10m、上部の内幅W2が
11.7m、内部の高さHが2mのように、上部が拡大
された断面形状のコンクリート打設工事を行う場合、あ
るいは高さのある導流部を構築する場合、作業足場22
を矢印で示すように上下左右に移動させることにより、
作業足場22の位置を作業員が作業しやすい位置に設定
して作業を行うことができる。
【0082】また、作業足場22の踏み板22aの角度
を調整可能としているので、工事を行う地山の傾斜に応
じて、踏み板22aを作業員が昇降しやすい水平姿勢に
調整することができる。
【0083】また、クレーン搭載台3と作業台4は、水
平調整機構18を油圧シリンダ16とロックピン式伸縮
ロッド17によって構成したので、一箇所における作業
が比較的長期にわたる前記導水路の工事の場合(本例の
場合、クレーン台車3や作業台車4は1ヶ所に約1月程
度ロックされる。)、エンジン停止状態となっても確実
にクレーン搭載台等の水平姿勢を確実にとることがで
き、安全性が高くなる。また、伸縮ロッド17による止
めピン17dの抜き差し作業も頻度が低いために、高さ
調整作業もあまり作業員の負担にならない。
【0084】また、各台車3〜5には緊急用ブレーキ装
置32を設けているので、ロックピン20が折れる等の
事故が生じた場合、あるいはワイヤロープ83、84が
切れる等の事故が生じた場合にもクレーン台車3や作業
台車4あるいは運搬台車5が降下することが防止され
る。
【0085】また、前記クレーン台車3と前記作業台車
4との間に、クレーン台車3または作業台車4の下降走
行速度を制限する緊急用油圧ダンパ50を設けたので、
ロックピン20が折れる等の理由でクレーン台車3ある
いは作業台車4が下降する状態となった場合、クレーン
台車3や作業台車4が加速することなく下方へ移動させ
ることができ、重量機械が傾斜面において加速して下降
することによる事故の発生を防止することができ、安全
性が向上する。
【0086】また、本発明は、運搬台車5を設ける代わ
りにケーブルクレーンを用いることもできるが、運搬台
車5を設ければ、比較的装置が大がかりなケーブルクレ
ーンが不要となる。また、このような運搬台車5を設け
たものにおいて、緊急用ブレーキ装置を設ければ、ワイ
ヤロープ切断等により支持力が喪失した場合、運搬台車
のフリー落下を防止することができる。
【0087】また、運搬台車5の荷台11の水平センサ
92と自動的に水平に姿勢制御する油圧シリンダ66を
設けたので、地山の斜面の傾斜角度が変化する場合にお
いても、運搬台車5の運搬台11を常に水平に維持する
ことができる。
【0088】また、センサ94〜97の出力からウイン
チ63の減速、停止や自動ブレーキ装置67の制御を自
動的に行う制御装置90を設けたので、オペレータは細
心の注意を払うことなく、かつ衝撃を伴うことなく、運
搬台車5の走行、停止を行わせることができる。
【0089】本発明の斜面作業機は、地山の斜面を沿っ
て導流部を形成する場合のみではなく、斜面に沿ってコ
ンクリートを打設する他の作業にも用いることができ
る。
【0090】
【発明の効果】請求項1によれば、クレーン台車と作業
台車によりコンクリート打設を行うことができるため、
クレーン台車の上部に防護ネットを設置することがで
き、これにより、溝内で作業を行っている作業員を小石
等の落下から防護することができ、安全性が向上する。
【0091】請求項2によれば、クレーン台車と作業台
車とを相対的に近接離反させる油圧シリンダを設けたの
で、簡単な構成でクレーン台車の昇降と作業台車の昇降
を行わせることができる。
【0092】請求項3によれば、クレーン台車や作業台
車に作業足場を備えたので、コンクリート施工場所に足
場を構築する必要がなくなり、作業のための資材が大幅
に削減されると共に、足場の構築、分解、輸送作業が必
要なくなり、労力、能率が大幅に改善されると共に、経
済化が達成できる。
【0093】請求項4によれば、作業足場を上下左右に
位置調整自在に設置したので、高さや作業箇所が左右に
変化する導水路等を構築する場合、作業足場を上下左右
に移動させることにより、作業足場の位置を作業員が作
業しやすい位置に設定して作業を行うことができる。
【0094】請求項5によれば、作業足場の踏み板の角
度を調整可能としているので、工事を行う地山の傾斜に
応じて、踏み板を作業員が昇降しやすい水平姿勢に調整
することができる。
【0095】請求項6によれば、クレーン搭載台と作業
台は、水平調整機構を油圧シリンダとロックピン式伸縮
ロッドによって構成したので、一箇所における作業が比
較的長期にわたる前記導水路の工事の場合、確実にクレ
ーン搭載台等の水平姿勢を確実に維持することができ、
安全性が高くなる。
【0096】請求項7によれば、クレーン台車や作業台
車に緊急用ブレーキ装置を設けているので、ロックピン
が折れる等の事故が生じた場合にもクレーン台車や作業
台車あるいは運搬台車が降下することが防止され、安全
性が向上する。
【0097】請求項8によれば、前記クレーン台車と前
記作業台車との間に、クレーン台車または作業台車の下
降走行速度を制限する緊急用油圧ダンパを設けたので、
ロックピンが折れる等の理由でクレーン台車あるいは作
業台車が下降する状態となった場合、クレーン台車や作
業台車が加速することなく下方へ移動させることがで
き、重量機械が傾斜面において加速して下降することに
よる事故の発生を防止することができ、安全性が向上す
る。
【0098】請求項9によれば、作業台車により昇降さ
れる運搬台車を設けたので、比較的装置が大がかりなケ
ーブルクレーンが不要となる。
【0099】請求項10によれば、運搬台車を設けたも
のにおいて、緊急用ブレーキ装置を設けたので、ワイヤ
ロープ切断等により支持力が喪失した場合、運搬台車の
フリー落下を防止することができ、安全性が向上する。
【0100】請求項11によれば、運搬台車の荷台の水
平センサと自動的に水平に姿勢制御する油圧シリンダを
設けたので、地山の斜面の傾斜角度が変化する場合にお
いても、運搬台車の荷台を常に水平に維持することがで
きる。
【0101】請求項12によれば、位置指示手段とその
出力からウインチの減速、停止を自動的に行う制御装置
を設けたので、オペレータは細心の注意を払うことな
く、かつ衝撃と伴うことなく、運搬台車5の走行、停止
を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の斜面作業機を用いる工事現場
の一例を工事が完成した状態で示す断面図、(B)は洪
水吐導流部の断面図である。
【図2】本発明による斜面作業機の一実施の形態を示す
側面図である。
【図3】(A)は本実施の形態の転動装置の側面図、
(B)、(C)はそれぞれ該転動装置の鉄輪部、外れ止
め部の断面図である。
【図4】本実施の形態のクレーン台車の側面図である。
【図5】本実施の形態のクレーン台車の平面図である。
【図6】本実施の形態のクレーン台車の正面図である。
【図7】(A)は本実施の形態におけるロックピンおよ
びその挿脱用油圧シリンダの正面図、(B)はその部分
断面側面図である。
【図8】(A)は本実施の形態における緊急用ブレーキ
装置の正面図、(B)はそのブレーキ解除用油圧シリン
ダ回りの構成を示す平面図、(C)はそのブレーキ用圧
縮ばね回りの構成を示す平面断面図である。
【図9】(A)は本実施の形態におけるクレーン台車と
作業台車との昇降装置を示す平面図、(B)、(C)は
それぞれその油圧シリンダによる連結構造、油圧ダンパ
による連結構造を示す側面図、(D)は該油圧ダンパの
構成を示す構成図である。
【図10】本実施の形態の作業台車の側面図である。
【図11】本実施の形態の作業台車の平面図である。
【図12】本実施の形態の作業台車の正面図である。
【図13】本実施の形態の運搬台車の側面図である。
【図14】本実施の形態の運搬台車の平面図である。
【図15】本実施の形態の運搬台車の正面図である。
【図16】本実施の形態における運搬台車の自動ブレー
キ装置の側面図である。
【図17】(A)は本実施の形態における運搬台車の自
動ブレーキ装置のブレーキ用圧縮ばね回りの構成を示す
断面図、(B)はそのブレーキ解除用油圧シリンダ回り
の構成を示す平面図である。
【図18】(A)は本実施の形態における運搬台車の昇
降装置を示す平面図、(B)はその側面図、(C)はそ
の動作制御装置のブロック図である。
【図19】(A)は本実施の形態におけるコンクリート
打設作業の順序を示す平面図、(B)、(C)はそれぞ
れ導水路のインバート、側壁部のコンクリート打設作業
を行っている状態を示す断面図、(D)は防護ネットを
説明する側面図である。
【図20】洪水吐導流部施工のための従来の斜面作業機
を示す側面図である。
【符号の説明】
1:洪水吐導流部、1a:越流堤、1b:インバート、
1c:側壁部、1d:アンカー孔、2:レール、3:ク
レーン台車、4:作業台車、5:運搬台車、6、6A:
転動装置、7:クレーン搭載台、8:油圧パワーユニッ
ト、9:クレーン、10:作業台、11:荷台、12、
13:ケーブルリール、15:走行体、16:油圧シリ
ンダ、17:伸縮ロッド、18:水平姿勢調整機構、2
0:ロックピン、21:油圧シリンダ、22:作業足
場、23:位置調整機構、30:梯子、32:緊急用ブ
レーキ装置、39:楔、42:ガイドブロック、43:
圧縮ばね、45:ブレーキ解除用油圧シリンダ、46:
操作用ペンダント、47:走行体、49:油圧シリン
ダ、50:油圧ダンパ、60:配電盤、61:操作盤、
62:油圧装置、63:ウインチ、63a:油圧モー
タ、65:走行体、66:油圧シリンダ、67:自動ブ
レーキ装置、74:ブレーキシュー、79:圧縮ばね、
80:油圧シリンダ、83、84:ワイヤロープ、8
6:揺動アーム、87、88:シーブ、89:荷重セン
サ、90:制御装置、91、93、99、100:コン
トロール弁、92:水平センサ、94〜97:センサ、
101:溝、102、104:鉄筋、103、105:
型枠、106:防護ネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高坂 敏行 東京都文京区後楽二丁目5番1号 日立建 機株式会社内 (72)発明者 生田 正治 東京都文京区後楽二丁目5番1号 日立建 機株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地山の斜面に沿って下方より上方に向けて
    コンクリート打設工事および少なくとも工事に用いるレ
    ールの敷設を行う斜面作業機であって、 工事用資材を運搬するクレーンを搭載すると共に、前記
    レールに沿って走行自在で、かつロック手段によりコン
    クリート打設面に固定可能なクレーン台車と、 工事に必要な作業を行う作業台を有すると共に、前記ク
    レーン台車の下側において前記レールに沿って走行自在
    で、かつロック手段によりコンクリート打設面に固定可
    能な作業台車と、 前記クレーン台車と作業台車との間に設けられ、一方を
    固定し他方を可動としてレールに沿って昇降させる昇降
    装置とを備えたことを特徴とする斜面作業機。
  2. 【請求項2】請求項1の斜面作業機において、 前記昇降装置は、前記クレーン台車と前記作業台車とを
    連結する油圧シリンダからなることを特徴とする斜面作
    業機。
  3. 【請求項3】請求項1または2の斜面作業機において、 前記クレーン台車および前記作業台車は作業足場を備え
    ることを特徴とする斜面作業機。
  4. 【請求項4】請求項3の斜面作業機において、 前記作業足場は、前記クレーン台車および前記作業台車
    の両側に上下左右に位置調整自在に設置されることを特
    徴とする斜面作業機。
  5. 【請求項5】請求項3または4の斜面作業機において、 前記作業足場は、踏み板の角度が調整可能に構成される
    ことを特徴とする斜面作業機。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかの斜面作業
    機において、 前記クレーン台車と前記作業台車は、各走行体とクレー
    ン搭載台あるいは作業台とが上部において枢軸を介して
    連結され、 前記走行体と前記クレーン搭載台あるいは作業台との間
    に、角度調整用の油圧シリンダと、ロックピンにより固
    定可能な伸縮ロッドとからなる水平調整機構を設けたこ
    とを特徴とする斜面作業機。
  7. 【請求項7】請求項1から6までのいずれかの斜面作業
    機において、 前記クレーン台車および前記作業台車は、緊急用ブレー
    キ装置を備えたことを特徴とする斜面作業機。
  8. 【請求項8】請求項1から7までのいずれかの斜面作業
    機において、 前記クレーン台車と前記作業台車との間に、クレーン台
    車または作業台車の下降走行速度を制限する緊急用油圧
    ダンパを設けたことを特徴とする斜面作業機。
  9. 【請求項9】請求項1から8までのいずれかの斜面作業
    機において、 前記作業台車の下方に、工事用資材を運搬する運搬台車
    を、前記レールに沿って走行自在に装着し、 前記作業台車に、前記運搬台車をワイヤロープを介して
    昇降させるウインチを搭載したことを特徴とする斜面作
    業機。
  10. 【請求項10】請求項9の斜面作業機において、 前記運搬台車に、作業台車による支持力喪失時に自動的
    に投入される緊急用ブレーキ装置を備えたことを特徴と
    する斜面作業機。
  11. 【請求項11】請求項9または10の斜面作業機におい
    て、 前記運搬台車に、荷台の傾斜センサと、該傾斜センサの
    出力に応じて荷台を自動的に水平にする制御装置を備え
    たことを特徴とする斜面作業機。
  12. 【請求項12】請求項9から11までのいずれかの斜面
    作業機において、 前記運搬台車の走行路に沿って、運搬台車が作業台車近
    傍および下方の下限位置近傍において減速すべき位置と
    停止すべき位置とを指示する位置指示手段を設け、 前記運搬台車には前記位置指示手段のセンサを設け、 前記作業台車に、前記センサの出力により前記ウインチ
    の動作を制御して減速、停止を自動的に行う制御装置を
    備えたことを特徴とする斜面作業機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111733779A (zh) * 2020-06-12 2020-10-02 中国长江电力股份有限公司 水电站大坡度流道检修重力自平衡伸缩平台及使用方法

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CN111733779A (zh) * 2020-06-12 2020-10-02 中国长江电力股份有限公司 水电站大坡度流道检修重力自平衡伸缩平台及使用方法

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