JP4353343B2 - 大型昇降ステージとこれを用いた揚重方法および逆打工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は逆打工法による地下躯体構築工事で使用する資材、ダンプトラック、ショベルカー、掘削機等を地下現場に搬送し、かつこの地下現場で掘削された掘削土を積載したダンプトラック等を地上へ搬送するのに使用する大型昇降ステージとこれを用いた揚重方法および逆打工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都心部における建築工事は工程、敷地条件および周辺の近隣問題等から逆打工法が多く採用されている。この逆打工法を採用する場合、資材の垂直揚重・水平運搬およびトラック等の待機場所が問題となる。
資材の揚重手段として、例えば特開平9−132393に記載の昇降装置がある。これは竪坑の坑口に設置したウインチの巻胴から繰り出されたワイヤロープに、竪坑内を昇降自在な垂下台を連結すると共に、該垂下台を、竪坑の壁面沿いに立設したガイドレールに摺動自在に係合させている。
また、特開平6−129089には、ウインチから垂下するワイヤロープに連結した作業台に張出し収納可能な伸縮支持梁を設け、左右一対の伸縮支持梁はそれぞれレバーを介してレールを摺動する摺動部材に連結して、各伸縮支持梁が摺動部材の作動により伸縮できるようにした昇降ステージが開示されている。
なお、特開平7−324486には、作業台とこれを昇降させる昇降装置を有する自走台車とを備えた尺取搬送台と、建築物の各階フロアレベルに合わせて設置可能な移動デッキを備えると共に、その移動デッキ上に水平方向に進退可能な台車受けトリガを有し、かつその台車受けトリガの上方には水平方向に進退可能な作業台受けトリガを有して尺取搬送台の昇降をガイドする構台とを備えた荷揚げ運搬装置が示されている。
また、特開平10−252275には、本体フレームと、この本体フレームに貫通して昇降可能に形成された昇降部材と、この昇降部材の頂部に取り付けられた昇降フレームとを備え、本体フレームは、出入自在の下部保持部材を設けて建物の任意階の開口部に仮固定できるようにし、昇降部材を介して昇降フレームをリフトアップすることでシステム型枠や建築資材等を上階に揚重する。盛り替え時には、昇降フレームに出入自在に設けた上部保持部材を突出させて所要階の開口部に昇降フレームを仮固定し、本体フレームの仮固定を解除すると共に、この本体フレームを昇降部材に沿ってセルフクライミングさせるリフターが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
第1の公知例(特開平9−132393)が示す運搬装置は単なる建設用リフトに過ぎず、垂下台に、着床階への乗降機構を設けていないため、垂下台を竪坑の壁面に近接させて昇降させる必要があり、このため垂下台が揺れて壁面に接触しないようにガイドレールを設けている。しかし、ガイドレールを設けるためには、予め杭を打設しておく必要があるが、これは地下躯体構築工事の工程を増加させる一因となる。
第2の公知例(特開平6−129089)には、ウインチから垂下するワイヤロープに連結した作業台に張出し収納可能な伸縮支持梁と踏み出しステージを設けているが、このステージは支持梁と連動していないため、人手によりステージを張出しまたは収納させなければならないが、このことは逐一確認行為を必要とすると共に、安全性の上からも問題がある。
なお、第3の公知例(特開平7−324486)および第4の公知例(特開平10−252275)は、ワイヤロープで吊り下げることによりステージを昇降させる上記2つの公知例と異なって、リフトアップによりステージを揚重する尺取機構であり、従って、その揚程は低くならざるをえず、かつ、竪坑の最下部に尺取機構の基礎部を設置するためのスペースが必要となる。
【0004】
請求項1記載の発明は、昇降ステージにより資材や車両等を地上から直接目的階にそのまま降ろすことにより搬送効率を向上させることで地下躯体構築工事の工程の短縮化を図るものである。
【0005】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明が有する解決課題を有するほか、伸縮梁に乗降用フラップを連動させることにより、安全性の向上を図る。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の発明が有する解決課題を有するほか、傾斜角検出装置を設けることにより、作業台からの車両等の落下を防止する。
【0007】
請求項4に係る発明は、請求項1、2又は3記載の発明が有する解決課題を有するほか、作業台を種々の開口スパンに適合させる。
【0008】
請求項5に係る発明は、地上からの搬送品を作業台からおろした後、待機する掘削土等を積載したダンプトラック等の搬送品を作業台に積み込み可能とすることにより、工程の短縮化を図る。
【0009】
請求項6に係る発明は、地下一階に搬入した掘削機で地下二階を掘削すると共に、地下一階部分をさらに掘削し、掘削土を積載した車両を、下降させた作業台に載せて地上階に搬送可能とする工程を繰り返すことにより、逆打工事の工程の短縮化を図る。
【0010】
第1の手段として、地面に開口する地下昇降路を昇降自在な昇降ステージであって、
上記地下昇降路の開口Pを左右に横切る柱脚付き架台1を、前後方向に所定の間隔をおいて一対設置すると共に、各架台1の左右両部のそれぞれにウインチ7を設け、
該ウインチ7の巻胴に巻き掛けたロープ8の繰出し端を固定端として、該固定端と巻胴との間のロープ部分にプーリ9を掛けて垂下させると共に、該プーリ9下端から吊下げ用のロープ10を垂下し、
上記昇降路を昇降自在な作業台15の前後左右の四箇所に上記吊下げ用のロープ10下端を連結し、
上記プーリ9にレバー12を、かつウインチ7本体にリミットスイッチ11を、それぞれ設けて、上記ウインチ7の最大揚程時に上記レバー12が上記リミットスイッチ11に接触して上記ウインチ7の過巻きを防止可能に設け、
さらに上記作業台の前後両側面に、着床階への乗降用フラップ19を上下方向へ起伏自在に取り付け、
上記乗降用フラップは、地上階または任意の地階床面上に着床した水平位置と、
該床面から上方へ揺動して起立する垂直位置と、を有することを特徴とする。
【0011】
第2の手段として、上記作業台15の左右両側に設けた前後方向へのケース17内へ出入自在に伸縮梁20を、乗降用フラップ19の左右両側に揺動リンク21を介して連結すると共に、作業台15に設けたシリンダ27のピストンロッド先端を各伸縮梁20の先端部に連結し、伸縮梁20の出入によって上記乗降用フラップが倒伏および起立可能に設けた。
【0012】
第3の手段として、第1又は第2の手段を有すると共に、上記作業台15に、該作業台が昇降時に許容範囲を超えて傾斜したことを検出してウインチ駆動を停止させる傾斜角検出装置35を設けた。
【0013】
第4の手段として、第1、第2又は第3の手段を有すると共に、上記作業台15を複数の台部材に分割して、任意数の台部材を連結することで、作業台の前後方向の長さを昇降路開口の前後方向スパンに適合可能に設けた。
【0014】
第5の手段として、地面に開口する地下昇降路を利用して地下躯体構築工事に使用する車両、資材、掘削土等を揚重する方法であって、
上記昇降路の開口を左右に横切る柱脚付き架台1を、前後方向に所定の間隔をおいて一対設置すると共に、各架台1の左右両部のそれぞれにウインチ7を設け、
該ウインチ7の巻胴に巻き掛けたロープ8の繰出し端を固定端として、該固定端と巻胴との間のロープ部分にプーリ9を掛けて垂下させると共に、該プーリ9下端から吊下げ用のロープ10を垂下し、
ウインチの下方に位置する作業台15の前後左右の四箇所に上記吊下げ用のロープ10下端を連結し、
さらに上記作業台の前後両側面に、着床階への乗降用フラップ19を上下方向へ起伏自在に取り付けて、地上階または任意の地階床面上に着床した水平位置と、該床面から上方へ揺動して起立する垂直位置とをとることが可能に設けておき、
上記作業台15を、上記ウインチ7駆動により昇降路内で昇降させることにより地上階または任意の地階で停止させて、階床に上記乗降用フラップ19を着床させ、資材、掘削機、ダンプトラック等の地上からの搬送品を作業台からおろした後、待機する掘削土等を積載したダンプトラック等の搬送品を作業台に積み込み、上記乗降用フラップを階床から離脱させて収納した後、ウインチ駆動で作業台を任意の階床に着床させることを特徴とする。
【0015】
第6の手段として、地上一階床に設けた根切り用開口から掘削して地下一階部分を形成した後、
上記根切り用開口を左右に横切る柱脚付き架台1を、前後方向に所定の間隔をおいて一対設置すると共に、各架台1の左右両部のそれぞれにウインチ7を設け、
該ウインチ7の巻胴に巻き掛けたロープ8の繰出し端を固定端として、該固定端と巻胴との間のロープ部分にプーリ9を掛けて垂下させると共に、該プーリ9下端から吊下げ用のロープ10を垂下し、
該ウインチの下方に位置する作業台15の前後左右の四箇所に上記吊下げ用のロープ10下端を連結し、
上記プーリ9にレバー12を、かつウインチ7本体にリミットスイッチ11を、それぞれ設けて、上記ウインチ7の最大揚程時に上記レバー12が上記リミットスイッチ11に接触して上記ウインチ7の過巻きを防止可能に設け、
上記作業台の前後両側面に、着床階への乗降用フラップ19を上下方向へ起伏自在に取り付けて、地上階または任意の地階床面上に着床した水平位置と、該床面から上方へ揺動して起立する垂直位置とをとることが可能に設けておき、
さらに、上記乗降用フラップ19を着床させた作業台にダンプトラック等の車両、掘削機、資材等を載せる工程と、上記乗降用フラップを収納した後、作業台を下降させることにより地下一階床面へ着床させ、作業台上の車両等を地下一階床面に降ろした後、作業台を上昇させる工程と、地下一階に搬入した掘削機で地下二階を掘削すると共に、地下一階部分をさらに掘削し、掘削土を積載した車両を、下降させた作業台に載せて地上階に搬送する工程とを有し、
上記工程を繰り返しながら、地下三階以降を掘削し、かつ作業台を任意の階へ移動させることにより資材等のあらたな供給や上下階での資材等のやり取りを可能にしたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る大型昇降ステージを図面に示す実施形態を参照しながら説明する。
まず、図1ないし図3を参照しながら本実施形態の概要について説明する。
地面に開口する地下昇降路の開口Pを左右に横切る架台1を、前後方向に所定の間隔をおいて一対設置すると共に、各架台1の左右両部のそれぞれにウインチ7を設け、これらウインチのワイヤロープ8を、昇降路を昇降自在な作業台15に連結し、この作業台の前後両側面に乗降用フラップ19を起伏自在に取り付け、かつ、これら乗降用フラップを伸縮梁20を介して倒伏させることで任意の階床に着床させるシリンダ27を作業台15に設けている。
【0017】
以下、これらについてさらに詳細に説明する。
図4及び図5にも示すように、架台1は、地下昇降路の開口Pの左右両側に設置された、左右方向から見て斜め下方に拡開する一対の柱脚2と、各柱脚の下端間に横設された前後方向への横材3と、各柱脚2、2の柱頭にボルトを介して左右方向へ架設されたガーダー4とからなる門型架台で形成され、アンカーボルトを介して横材3を地上床面に固定しており、このような門型架台を所定の間隔をおいて前後に2組設けている。
【0018】
さらに、開口Pの左側に位置する柱脚2、2の各前脚左側面と、開口の右側に位置する柱脚2、2の各後脚右側面とのそれぞれにはボルトを介してタラップ5を取り付け、また、このタラップ上方のガーダー4、4部分には昇降口6を形成している。なお、開口スパンによっては、上記とは逆に、タラップ5を、開口Pの左側に位置する柱脚2、2の後脚に、かつ開口の右側に位置する柱脚2、2の前脚にそれぞれ取り付ける。このようにタラップの位置を変更した場合のことを考慮して昇降口6はガーダーの4隅に設けられている。
【0019】
上記のように門型架台1の柱脚2はボルトを介して地上床面とガーダー4とに連結されているため、左右の柱脚間の距離を変更可能であり、このため本実施形態による門型架台は開口Pの左右方向の種々のスパンに適合可能である。
【0020】
ウインチ7としてはインバータ式ホイストを使用し、これらをガーダー4、4の左右両部に設置すると共に、ウインチの巻胴に巻きかけたワイヤロープ8にプーリー9を取り付ける。このプーリーを適当な連結具を介して作業台に直接連結することも可能であるが、本実施形態では図6にも示すように、ペンダントロープ10を介してプーリー9を作業台に連結する。このペンダントロープ10の長さは、ウインチ7の最大揚程時において位置するプーリー9と地上階に着床した作業台6との間の距離とする。このようにすることによりウインチ4の揚程を最大限使用することができる。
【0021】
また、ペンダントロープ10を使用することにより、ウインチ7の過巻防止装置の使用が可能になる。この装置は図7に示すように、ウインチ7本体に設けたリミットスイッチ11とプーリー9に取り付けたレバー12とで構成され、最大揚程時においてレバーがリミットスイッチに接触可能に設けられている。ペンダントロープ10を使用しない場合にはウインチの揚程を最大限使用できず、レバーがリミットスイッチに接触できないため、過巻防止装置を使用することができない。
【0022】
なお、ペンダントロープ10とプーリー9とは図8及び図9にも示すように、次のようにして連結する。プーリー9には透孔付き板状部13を有する吊具を固着すると共に、ペンダントロープ10の上端には透孔付きの二股挟持部14を取り付けて、板状部13を二股挟持部14で挟持させ、かつこれら両部14、13の透孔へピンを挿通させて固着する。
プーリー9に取り付ける吊具としては上記に限らずフックを使用することも可能であり、この場合にはペンダントロープではなく玉掛けワイヤを用いるが、これらを使用する場合には玉掛けワイヤがフックから外れるおそれがあり、そこで本実施形態では上記のようにピンを使用して連結する。
【0023】
作業台15は、図10ないし図14に示すように、矩形状の床板16の左右両側に、前後方向への箱型断面の支持梁からなるケース17を連結した部材を前後方向へ複数連結して形成する。このように作業台を複数の部材で形成することにより地下昇降路の開口P寸法に対応させることが可能である。例えば、開口P寸法が比較的小さい場合には、2つの部材を使用し、開口寸法が比較的大きい場合にはこれら2つの部材間に寸法調整用の短い部材を配置する。部材間の連結は、ケース17の連結端に溶着したボルト孔付きのフランジ状板18を接面させてボルト・ナットで緊締する。
【0024】
また、作業台15の前後両側面の中央部には、図15及び図16に示すように軸受部を介して乗降用フラップ19を起伏自在に軸着させる。さらに、作業台のケース17、17の前後両端部に出入自在に設けたH形鋼からなる伸縮梁20を乗降用フラップ19の左右両側に配置して、これら伸縮梁20と乗降用フラップ19との間に設けた揺動リンク21の一端部を伸縮梁の先端部へ回動自在に軸着すると共に、揺動リンク21の他端部に穿設した長孔22内へ、乗降用フラップの左右両側面から上方へ突設する支持板23に設けた軸を摺動自在に嵌合させる。
【0025】
なお、図17に示すようにH形鋼からなる伸縮梁20の上下両辺とケース17の上下両面との間隙の適宜の箇所に複数の第1ローラ24とコ字状の保持台(図示せず)とを設けると共に、伸縮梁20のウェブの左右両側面とケース17の左右両側面との間隙の適宜の箇所に複数の第2ローラ26を設けて、これら第1および第2ローラ24、26と保持台とで伸縮梁20を前後方向へ摺動自在に保持させる。
また、ケース17の前後両端部上面にシリンダ27を設けて、該シリンダ基部をケース17上面に第1支持板28を介して上下方向へ回動自在に軸着させると共に、ピストンロッドの先端部を伸縮梁20の先端部上面に第2支持板29を介して上下方向へ回動自在に軸着させる。
【0026】
さらに、図17に示すようにケース17の先端部には前後方向へ所定の間隔をおいて一対のリミットスイッチ30を設けると共に、これらのリミットスイッチに接触して動作させる接触片31を伸縮梁20の先端部と基端部とのそれぞれに取り付ける。
これらのリミットスイッチ30は、伸縮梁20が完全に伸びきって乗降用フラップ19が倒伏して地上または地下階床面に着床したこと、およびこれとは逆に伸縮梁20が完全に収縮して乗降用フラップ19が起立したことを検知して、その結果を後述のステージ制御盤34内に設けられた表示部に表示する。
なお、作業台15と乗降用フラップ19とのそれぞれの左右両側には安全柵32を設けると共に、該安全柵とケース17との間に設置した支持台33上にステージ制御盤34を設ける。
【0027】
作業台15には、また、傾斜角検出装置35を設ける。これはステージ制御盤34内に、作業台の前後方向の傾斜角を検出する第1傾斜角検出センサと左右方向の傾斜角を検出する第2傾斜角検出センサとを有し、これらセンサからの出力信号と傾斜角の上限設定値および下限設定値とを比較し、検出された傾斜角が上限設定値以上または下限設定値以下の場合は停止信号を出力してウインチを停止させるものである。なお、傾斜角検出センサとしてはスプリング・サスペンションの振子の変位を変換して傾斜角とするものを採用する。
【0028】
上記のように構成された作業台15を4本のペンダントロープ10の下端に連結する。連結点は作業台15の4隅に設けられており、図19に示すように、それぞれは作業台に固定された支持板部36と、支持板部の二股部分に架設された支持軸37と、支持軸に自動調心ころ軸受を介して取り付けられたレバー38と、支持板部に設けられた圧縮型ロードセル39とを有し、レバー38の一端はロードセル39に連結すると共に、レバーの他端には取付軸40を設け、この取付軸を、ペンダントロープ10の下端に取り付けた連結具41の透孔に回動自在に挿通させる。
【0029】
このようにペンダントロープ10はレバー38に取り付けられているから、作業台15に資材等が積載されるとレバーはロードセル39を圧縮可能である。ロードセルからの信号はステージ制御盤34内に設けた表示部に表示される。4個のロードセルには個別に許容最大荷重を設定可能であり、1つのロードセルの検出荷重が許容最大荷重を超過するとウインチ7が停止されるようになっている。かくしてレバー38とロードセル39とは過荷重防止装置42を構成する。
【0030】
次に上記構成に係る大型昇降ステージを用いた資材等の揚重方法および逆打工法について説明する。
(1)地上一階床に設けた根切り用開口から掘削して地下一階部分を形成した後、作業台15、門型架台1およびウインチ7をこれらの順序で根切り用開口上に設置する。その際、地上階に固定したストッパに伸縮梁20の先端部側面を押当させて作業台15全体がずれないようにする。
【0031】
(2)作業台15の所定位置にダンプトラック等の車両や資材等を載せる。積載物が車両の場合には、図示しない車輪止めを用いて作業台に固定する。
【0032】
(3)ウインチ7を作動させてワイヤロープ8を巻取ることにより作業台15を地上階床面からやや持ち上げて、過荷重防止装置42により荷重が許容最大荷重を超過していないこと、および傾斜角検出装置35により作業台15が水平であることを確認し、次いで伸縮梁20を収縮させることにより乗降用フラップ19を収納した後、これをリミットスイッチ30により確認する。
【0033】
(4)ワイヤロープ8を繰り出して作業台を下降させる。下降時に傾斜角検出装置35が動作してウインチが停止した場合には、ウインチの操作を単独に切り替えて作業台が水平になるように調整する。この操作は作業台が上昇時に傾斜した場合も同様である。
【0034】
(5)作業台15が地下一階床面よりも所定距離上方に達して、作業台に設置された図示しないランプが点灯すると、ウインチを一旦停止させ、伸縮梁20を伸長させることにより乗降用フラップ19を水平状態にする。
【0035】
(6)伸縮梁の伸長をリミットスイッチ30で確認した後、再び作業台15を下降させることにより地下一階床面に着床させ、作業台上の車両等を地下一階床面に降ろした後、作業台を上昇させて地上階へ着床させる。
【0036】
(7)地下一階に搬入した掘削機で地下二階を掘削すると共に、地下一階部分をさらに掘削し、掘削土は油圧ショベルによりダンプトラックに積載する。積載後のダンプトラックは、作業台を下降させてこれに載せることにより地上階に搬送する。
【0037】
(8)上記工程を繰り返しながら、地下三階以降を掘削していく。なお、掘削により地下の階数が増加した場合には、各階で同時に種々の作業が行われ、かつ各階であらたな資材等が必要になるが、この場合には作業台を目的の階へ自由に移動させることにより資材等のあらたな供給や上下階での資材等のやり取りが可能になる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、地下昇降路を昇降自在な作業台を有することから次の(a)から(i)に記載の効果を奏する。
(a)作業台により資材を地下工事現場に搬送することが可能となってクレーンが不要となるため、地上階を広く使用することができる。
【0039】
(b)作業台に、資材を積んだ車両を載せることが可能であり、従来のように地下現場へ資材と車両とを別々に搬送する必要がなく、このため地上階では車両から資材を降ろす必要がなく、また、地階で資材を車両に積み込む必要がないため、搬送効率が向上する。
(c)資材を積んだ車両を地下階へ搬送可能であることから、地下階における水平運搬のための揚重機が不要となり、このため仮設コストの低減が図れる。
【0040】
(d)車両を地下階へ搬送可能であるため、搬入・搬出トラック等を地上階に待機させる必要がなく、このため工事現場の近隣問題となっている交通渋滞、騒音、振動、排ガス等の環境問題を解消させることが可能である。
(e)地下階に、根切り用の油圧ショベルやダンプトラック等を搬送することができるため、地上階に掘削機を設置する必要がなく、このため地上階を広く使用することができる。
【0041】
(f)地下階にダンプトラック等を搬送して掘削土を搬出可能であるため、従来のようにこのための開口を掘削する必要がなく、このため地上階における掘削機の数が低減できる。
(g)地下階にダンプトラックを搬送可能であるから、工事の進捗に伴って掘削開口位置を移動させる必要がなく、このため開口を減らすことができ、墜落・落下等の危険の低減化が図れる。
【0042】
(h)上記のように工事期間のみの仮設掘削開口の数が減少することから、開口を塞ぐための躯体の打ち継ぎも減らすことができ、このためコンクリート打ち継ぎに起因した漏水等に関する施工品質の向上が見込まれる。
(i)作業台はワイヤロープに吊り下げられているため、地下昇降路の下部に基礎部を設ける必要がなく、このため揚程を大にすることができる。
【0043】
請求項2に係る発明は、シリンダ駆動の伸縮梁に乗降用フラップを連動させたので、フラップを人力により倒伏させる必要がなく、このため安全性の向上が図れる。
【0044】
請求項3に係る発明は、傾斜角検出装置を設けたので、作業台からの車両等の落下が防止される。
【0045】
請求項4に係る発明は、作業台を複数の台部材から形成したので、種々の開口スパンに適合させることができる。
【0046】
請求項5に係る発明は、ダンプトラック等の地上からの搬送品を作業台からおろした後、待機する掘削土等を積載したダンプトラック等の搬送品を作業台に積み込み可能であるから、工程の短縮化が図れる。
【0047】
請求項6に係る発明は、地下一階に搬入した掘削機で地下二階を掘削すると共に、地下一階部分をさらに掘削し、掘削土を積載した車両を、下降させた作業台に載せて地上階に搬送する工程を繰り返して地下階を掘削していくため、逆打工事の工程の短縮化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大型昇降ステージの概略平面図。
【図2】同じく、昇降ステージの昇降状態を示す正面図。
【図3】同じく、図2の右側面図。
【図4】同じく、門型架台の正面図、左右両側面図。
【図5】同じく、門型架台の平面図。
【図6】同じく、昇降ステージの正面図。
【図7】同じく、過巻防止装置の正面図。
【図8】同じく、プーリーとペンダントロープとの連結状態を示す正面図。
【図9】同じく、図8の右側面図。
【図10】同じく、作業台の平面図。
【図11】同じく、図10の正面図。
【図12】同じく、作業台のスパンを小さくした状態を示す図9相当図。
【図13】同じく、図12の正面図。
【図14】同じく、支持梁の連結部を示す斜視図。
【図15】同じく、乗降用フラップの作用状態を示す正面図。
【図16】同じく、図15の平面図。
【図17】同じく、支持梁の断面図。
【図18】同じく、シリンダの取付け状態を示す平面図。
【図19】同じく、過荷重防止装置の正面図。
【符号の説明】
1 架台 7 ウインチ
8 ワイヤロープ 15 作業台
19 乗降用フラップ 20 伸縮梁
21 揺動リンク 27 シリンダ
35 傾斜角検出装置 42 過荷重防止装置
Claims (6)
- 地面に開口する地下昇降路を昇降自在な昇降ステージであって、
上記地下昇降路の開口(P)を左右に横切る柱脚付き架台(1)を、前後方向に所定の間隔をおいて一対設置すると共に、各架台(1)の左右両部のそれぞれにウインチ(7)を設け、
該ウインチ(7)の巻胴に巻き掛けたロープ(8)の繰出し端を固定端として、該固定端と巻胴との間のロープ部分にプーリ(9)を掛けて垂下させると共に、該プーリ(9)下端から吊下げ用のロープ(10)を垂下し、
上記昇降路を昇降自在な作業台(15)の前後左右の四箇所に上記吊下げ用のロープ(10)下端を連結し、
上記プーリ(9)にレバー(12)を、かつウインチ(7)本体にリミットスイッチ(11)を、それぞれ設けて、上記ウインチ(7)の最大揚程時に上記レバー(12)が上記リミットスイッチ(11)に接触して上記ウインチ(7)の過巻きを防止可能に設け、
さらに上記作業台の前後両側面に、着床階への乗降用フラップ(19)を上下方向へ起伏自在に取り付け、
上記乗降用フラップは、地上階または任意の地階床面上に着床した水平位置と、
該床面から上方へ揺動して起立する垂直位置と、
を有することを特徴とする大型昇降ステージ。 - 上記作業台15の左右両側に設けた前後方向へのケース17内へ出入自在に伸縮梁20を、乗降用フラップ19の左右両側に揺動リンク21を介して連結すると共に、作業台15に設けたシリンダ27のピストンロッド先端を各伸縮梁20の先端部に連結し、伸縮梁20の出入によって上記乗降用フラップが倒伏および起立可能に設けた
ことを特徴とする請求項1記載の大型昇降ステージ。 - 上記作業台15に、該作業台が昇降時に許容範囲を超えて傾斜したことを検出してウインチ駆動を停止させる傾斜角検出装置35を設けた
ことを特徴とする請求項1又は2記載の大型昇降ステージ。 - 上記作業台15を複数の台部材に分割して、任意数の台部材を連結することで、作業台の前後方向の長さを昇降路開口の前後方向スパンに適合可能に設けた
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の大型昇降ステージ。 - 地面に開口する地下昇降路を利用して地下躯体構築工事に使用する車両、資材、掘削土等を揚重する方法であって、
上記昇降路の開口を左右に横切る柱脚付き架台(1)を、前後方向に所定の間隔をおいて一対設置すると共に、各架台(1)の左右両部のそれぞれにウインチ(7)を設け、
該ウインチ(7)の巻胴に巻き掛けたロープ(8)の繰出し端を固定端として、該固定端と巻胴との間のロープ部分にプーリ(9)を掛けて垂下させると共に、該プーリ(9)下端から吊下げ用のロープ(10)を垂下し、
ウインチの下方に位置する作業台(15)の前後左右の四箇所に上記吊下げ用のロープ(10)下端を連結し、
さらに上記作業台の前後両側面に、着床階への乗降用フラップ(19)を上下方向へ起伏自在に取り付けて、地上階または任意の地階床面上に着床した水平位置と、該床面から上方へ揺動して起立する垂直位置とをとることが可能に設けておき、
上記作業台(15)を、上記ウインチ(7)駆動により昇降路内で昇降させることにより地上階または任意の地階で停止させて、階床に上記乗降用フラップ(19)を着床させ、資材、掘削機、ダンプトラック等の地上からの搬送品を作業台からおろした後、待機する掘削土等を積載したダンプトラック等の搬送品を作業台に積み込み、上記乗降用フラップを階床から離脱させて収納した後、ウインチ駆動で作業台を任意の階床に着床させることを特徴とする大型ステージを用いた揚重方法。 - 地上一階床に設けた根切り用開口から掘削して地下一階部分を形成した後、
上記根切り用開口を左右に横切る柱脚付き架台(1)を、前後方向に所定の間隔をおいて一対設置すると共に、各架台(1)の左右両部のそれぞれにウインチ(7)を設け、
該ウインチ(7)の巻胴に巻き掛けたロープ(8)の繰出し端を固定端として、該固定端と巻胴との間のロープ部分にプーリ(9)を掛けて垂下させると共に、該プーリ(9)下端から吊下げ用のロープ(10)を垂下し、
該ウインチの下方に位置する作業台(15)の前後左右の四箇所に上記吊下げ用のロープ(10)下端を連結し、
上記プーリ(9)にレバー(12)を、かつウインチ(7)本体にリミットスイッチ(11)を、それぞれ設けて、上記ウインチ(7)の最大揚程時に上記レバー(12)が上記リミットスイッチ(11)に接触して上記ウインチ(7)の過巻きを防止可能に設け、
上記作業台の前後両側面に、着床階への乗降用フラップ(19)を上下方向へ起伏自在に取り付けて、地上階または任意の地階床面上に着床した水平位置と、該床面から上方へ揺動して起立する垂直位置とをとることが可能に設けておき、
さらに、上記乗降用フラップ(19)を着床させた作業台にダンプトラック等の車両、掘削機、資材等を載せる工程と、上記乗降用フラップを収納した後、作業台を下降させることにより地下一階床面へ着床させ、作業台上の車両等を地下一階床面に降ろした後、作業台を上昇させる工程と、地下一階に搬入した掘削機で地下二階を掘削すると共に、地下一階部分をさらに掘削し、掘削土を積載した車両を、下降させた作業台に載せて地上階に搬送する工程とを有し、
上記工程を繰り返しながら、地下三階以降を掘削し、かつ作業台を任意の階へ移動させることにより資材等のあらたな供給や上下階での資材等のやり取りを可能にしたことを特徴とする大型ステージを用いた逆打工法。
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