JP4478613B2 - トンネルインバート施工法及び移動式桟橋 - Google Patents
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Description
一方、自走しないトロッコ等の土砂運搬車両は、バッテリ式機関車等の動力車が必要であるが、これらの車両は、例えば、10〜25°の勾配を登坂することが難しく、一般にパーミル(0/00)程度の勾配での登坂力しかない。
又、本発明の第2の目的は、トンネルインバート施工法に好適に使用できる移動式桟橋を提供することにある。
請求項9の発明は、請求項4乃至請求項8のうちいずれか1項において、前記基台には、該基台を前記台車とともに昇降する昇降装置を設け、前記基台には、移動レールを、該基台の長手方向に移動させる移動レール移動機構を備えたことを特徴とする。
請求項9の発明によれば、昇降装置により、基台とともに台車をトンネル路面から上昇させた状態で、移動レール移動機構により、移動レールを基台の長手方向に移動させ、その後、昇降装置により、基台とともに台車を移動レール上に載せた状態とすることができる。そして、台車により、容易に移動式桟橋を移動レール上において走行させることができる。
移動式桟橋10は、基台100、レール200、傾斜部材250、自走機構300、移動レール350、移動レール移動機構370、移動レール吊下手段380、昇降装置としてのアウトリガー400等を備える。
基台100は、枠体110、踏板150等を備える。枠体110は、図3に示すように、略チャンネル状に形成された複数の枠120と一対の側壁130から構成されている。枠120は、梁122と、梁122の両端から上方に突出された柱部124からなる。各枠120の柱部124上部は、側壁130を介して互いに連結されている。
図2に示すように、車両通行部Sの各レール200は、固定レール210と、可動レール220からなる。固定レール210は、車両通行部Sの両端部近傍を除いた各梁122の上面に、水平となるように固定されている。図2に示すように車両通行部Sの両端部及びその近傍には、可動レール支持枠体230が踏板150上を水平移動自在に配置されている。各可動レール220は、前記可動レール支持枠体230上に固定されている。そして、各可動レール220は、その被支持部22において、各固定レール210の端部に対してそれぞれ横方向に揺動自在に連結されており、トンネルのカーブに応じて、変位可能である。図5に示すように、可動レール220に対応した、梁122には、駆動手段としての油圧シリンダ126が取付されている。油圧シリンダ126のロッド128は、可動レール支持枠体230に連結されている。従って、油圧シリンダ126の作動により、可動レール220は、変位可能とされている。踏板232は、可動レール支持枠体230の幅方向の両側部から張り出しされており、可動レール支持枠体230が可動レール220とともに変位した際に、踏板150上に重ね合わされた状態で変位する。
各可動レール220の先端には、レールとしてのレール材260が、上下方向に揺動自在に連結されている。各レール材260は、その下面において、枠状に形成された傾斜部材250を介して互いに連結されている。図6に示すように、レール材260の先端上面は、先端側の高さが低くなるように、すなわち、先端が尖るように斜状に形成されている。
自走機構300は、自走台車310と、自走台車310を駆動する駆動機構320とから構成されている。本実施形態では、自走台車310は、旋回ボギー自走台車とされている。図1(a),(b)及び図4に示すように自走台車310は、基台100の前部(トンネル切羽側をいう)、及び後部(トンネル坑口側をいう)において、側壁130の下面に対して、その幅方向の両側部に位置するように取付けされている。すなわち、側壁130よりも下方であって、枠120の柱部124間に位置するように、自走台車310は配置されている。自走台車310は、前後に一対の車輪312を備えている。図7に示すように一対の車輪312は、それぞれスプロケット314を備えている、両スプロケット314には、無端状のチェン315が巻回されている。又、一方の車輪312には、スプロケット316が設けられている。駆動機構320では、駆動源としての電動モータ322が、減速機構324を介してスプロケット326を回転駆動する。そして、駆動機構320のスプロケット326と、スプロケット316間には、無端状のチェン318が巻回されており、電動モータ322が回転駆動することにより、減速機構324、スプロケット326、チェン318、スプロケット316を介して、車輪312を回転させる。
基台100の前部側(図1(a)において、左側)の各自走台車310の下方には互いに同じ長さの一対の移動レール350が配置されている。移動レール350は、断面I形を有しており、車輪312が、走行可能である。移動レール350の下部には、レール安定部材355が溶接等により固定されている。レール安定部材355の下面は、平面に形成されているとともに、移動レール350の下部下面よりも下面の面積が広くされている。そして、レール安定部材355は、移動レール350の長手方向に沿って配置されている。
図1(a)、(b)、図11に示すように、移動レール移動機構370は、各自走機構300に対応して、複数設けられており、基台100の幅方向において、各側部の前部、及び中央部の側壁130に対して支持されている。移動レール移動機構370は、ウインチにて構成されている。該ウインチから導出されたワイヤ372は、フック等により、対応する各自走機構が走行する移動レール350の前端に着脱自在取着可能である。なお、転向プーリ373は、枠120に設けられており、ワイヤ372の向きを変更するためのものである。
図9、図10に示すようにアウトリガー400は、各側壁130(すなわち、基台10)の前端部、及び後端部にそれぞれ設けられている。アウトリガー400は、側壁130の各端部に対してピン412を介して、横方向に揺動自在に支持された外筒410と、外筒410から下方へ進退自在に設けられた内筒420とを備えている。内筒420は、内部に図示しない油圧シリンダが作動連結されており、該油圧シリンダの作動により、下方へ進出、又は上方へ縮退可能である。図1(a)、(b)に示すように、各アウトリガー400に近接した側壁130には、第2駆動手段としての油圧シリンダ414が取付けされている。油圧シリンダ414のロッド416は、外筒410に連結されている。従って、油圧シリンダ414の作動により、アウトリガー400は、横方向に揺動自在とされている(図10参照)。アウトリガー400を横方向に揺動自在に構成したことにより、トンネルのカーブに応じてアウトリガー400を配置することができる。この結果、前記可動レール220とともに、アウトリガー400がトンネルのカーブに応じて適正に配置できることにより、アウトリガー400が車両の通行に障害となることがなく、車両の通行を安全に行うことが可能とされている。
図13に示すように、基台100前部側の両側壁130外面(車両通行部Sとは反対側面)には、その長手方向に沿って複数箇所に、それぞれチェンブロック500が吊下げ支持されている。なお、図13においては、一方の側壁130側のチェンブロック500のみ図示している。各チェンブロック500のチェン510には、フック512を介して、共通のインバートコンクリートの側部型枠600が着脱自在に吊下支持可能である。
は、支持手段に相当する。
1. 移動式桟橋10の設置
この作業は、移動式桟橋10をトンネル内のインバートコンクリート打設完了域Krの端上に設置する作業である(図14(a)参照)。なお、図14〜図16において、Lは移動レール350が位置する範囲を示すための符号である。
バックホーBによる領域Mの掘削が終了すると、移動式桟橋10を、トンネル切羽側へ移動する作業となる。
次に、前部のアウトリガー400を、掘削が行われていない、トンネル切羽側の地面Z上に接地し、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地する。そして、型枠を、下ろして、チェンブロック500,型枠吊フレーム540、チェンブロック670から外して設置させ仮置きする。この後、前後両部のアウトリガー400を上昇させ、図15(a)に示すように後の型枠セット作業ができるように、移動式桟橋10が型枠セット作業の邪魔にならない位置(図14(a)で示す位置)迄、移動式桟橋10を自走により、後退させる。後退後は、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地する。後部のアウトリガー400が接地されると、後端部側の傾斜部材250が下ろされ、レール材260の先端が、インバートコンクリートK上の本坑レールR1に乗り、レールを走行する車両が、移動式桟橋10に搭載可能となる。
4. インバートコンクリート打設
ここでの作業は、インバートコンクリートを打設するための作業である。
ここでの作業は、打設したインバートコンクリートの養生に必要とする期間を利用して行われる作業である。特徴的なのは、インバートコンクリートを養生するための期間において、トンネル切羽側へバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両の移動や、或いは、機材運搬車両の移動が、本坑レールR1、レール200、トンネル路面としてのトンネル切羽側の地面に設けられた本坑レールR2を介して行われることである。前記バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両の移動や、或いは、機材運搬車両は、軌道走行車両に相当する。又、移動式桟橋10では、重機Gや、ダンプカー等の移動が車両通行部Sに設けられた踏板150,232上を走行することにより行うこともできることである。なお、重機Gやダンプカー等のレール上を走行しない車両を、インバートコンクリートK上面から移動式桟橋10に搭乗させる場合、踏板150とインバートコンクリートK上面間に傾斜板(図示しない)を掛け渡すものとする。又、移動式桟橋10から、トンネル切羽側の地面Zへ重機G等を下ろす場合は、踏板150と、トンネル切羽側の地面Z間に傾斜板(図示しない)を掛け渡すものとする。
「4.インバートコンクリート打設」の後、バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両を移動式桟橋10に搭載した後、前後両部のアウトリガー400を上昇させ、移動式桟橋10を、図15(b)に示すように、移動式桟橋10の前端部が本坑レールR2の始端に近い近位位置に位置する迄、前進して自走させる。
6.脱型枠
ここでの作業は、養生が終了したインバートコンクリートの型枠の脱型枠作業である。前後両部のアウトリガー400を上昇させ、図16(a)に示すように後の脱型枠作業ができるように、移動式桟橋10が脱型枠作業の邪魔にならない位置(図14(a)で示す位置)迄、移動式桟橋10を自走により、後退させる。(なお、側部型枠600については、移動式桟橋10を後退させる前に、チェンブロック500を操作することにより、脱型枠作業を補助するようにしてもよい。)
この状態で、作業員は、型枠を養生が完了したインバートコンクリートから剥離、脱型する。次に、踏板150とインバートコンクリートK上面間に傾斜板(図示しない)を掛け渡して、重機Gを、インバートコンクリートK上面から移動式桟橋10に搭乗させ、前後両部のアウトリガー400を上昇させた状態で、移動式桟橋10を自走で前進させて、離型した型枠を仮置き場所(図示しない)に置くために、所定の位置で停止させる。このとき、後部のアウトリガー400は、接地させる。そして、移動式桟橋10に搭載した重機Gにより、離型した型枠をトンネル内の所定の位置に仮置きする。なお、作業が終了した重機Gは、移動式桟橋10を図14(a)に示す位置まで後退させた後、傾斜板(図示しない)を踏板150とインバートコンクリートK上面間に掛け渡した後、移動式桟橋10から下ろす。
ここでの作業は、次のインバートコンクリート打設を行うための準備作業である。
後部のアウトリガー400を上昇させた後、移動式桟橋10を図16(b)で示す位置(図15(b)に示す位置と同じである)迄、前進して自走させる。この後、前後両部のアウトリガー400を接地させる。このときの前後両部のアウトリガー400の接地は、上記「1.移動式桟橋10の設置」〜「6.脱型枠」で説明した「接地」とは異なり、基台100を浮かせるための接地であり、この接地により、自走台車310の車輪312をインバートコンクリートK上面に載置した移動レール350から浮かせる。
さて、以上のように構成された自走台車310の特徴を以下に述べる。
(1) 本実施形態では、移動式桟橋の桟橋路面高さH0を低くすることができ、そのことによって、桟橋路面(踏板150の上面)上のレール200と、トンネル路面上のレール(本坑レールR1,R2)とを繋ぐために設けられる傾斜部材250上のレール(レール材260)の勾配を、バッテリ式機関車等の動力車が登坂可能な勾配に容易にすることができる。このことによって、断面積が小さいトンネルの掘削工事において、レール工法を採用する場合、トンネル切羽側迄、インバートコンクリート養生中において、移動式桟橋10を使用して、トロッコ等の土砂運搬車両を移動させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
100…基台
200…レール
210…固定レール
220…可動レール
240…レールスライド装置
250…傾斜部材
260…レール材
300…自走機構
350…移動レール
370…移動レール移動機構
380…移動レール吊下手段
400…アウトリガー(昇降装置)
S…車両通行部
H0…桟橋路面高さ
Claims (11)
- トンネルインバート施工法において、
基台に設けられた台車の車輪の高さよりも該基台に設けられたレールが低く配置された移動式桟橋の前記レールに、少なくとも土砂運搬車両を搭載して、インバート施工部の掘削時に、該土砂運搬車両に掘削時に生ずる土砂を積み込みし、該土砂運搬車両の通行により、前記土砂を搬出する第1ステップと、
前記インバート施工部の掘削後に、前記移動式桟橋を該インバート施工部上に移動して、前記移動式桟橋上に設けたレール上にコンクリート打設関連車両を走行停止させて、前記インバート施工部に対してコンクリート打設を行う第2ステップと、
前記インバート施工部のインバートコンクリート養生中に、前記レール上に軌道走行車両を搭載させた状態で前記移動式桟橋を移動させて、前記インバート施工部よりも、トンネル切羽側に前記軌道走行車両を運搬する第3ステップを含むことを特徴とするトンネルインバート施工法。 - 前記第1ステップでは、インバート施工部の掘削進行度合いに応じて、前記移動式桟橋を移動させて、前記土砂運搬車両に土砂を直接積み込みすることを含むことを特徴とする請求項1に記載のトンネルインバート施工法。
- 前記コンクリート打設関連車両には、アジテータカーを含み、前記第2ステップでは、コンクリート打設時に、前記アジテータカーを搭載した状態で、前記移動式桟橋を前進後退させることによりコンクリート打設を行うことを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネルインバート施工法。
- 基台上に設けられた車両通行部には、車両を通行させるためのレールを設け、
該基台には、基台を走行させるための台車を設け、
前記車両通行部に設けた前記レールを前記台車の車輪の高さよりも低く配置したことを特徴とする移動式桟橋。 - 前記台車は、前記基台の幅方向の両側にそれぞれ配置されており、
該基台の幅方向の両側に配置した台車の間に、前記車両通行部に設けた前記レールを配置したことを特徴とする請求項4に記載の移動式桟橋。 - 車両通行部のレールは、固定レールと、該固定レールの長手方向の両端に対して、横方向に揺動自在に設けた可動レールを含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の移動式桟橋。
- 前記車両通行部に対して、レールを備えた傾斜部材を上下方向に揺動自在に配置し、
前記運搬車両を、トンネル路面上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記車両通行部上のレールに移動可能、又は、前記車両通行部上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記トンネル路面上のレールに移動可能としたことを特徴とする請求項4乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。 - 前記台車は、旋回ボギー台車であることを特徴とする請求項4乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
- 前記基台には、該基台を前記台車とともに昇降する昇降装置を設け、
前記基台には、移動レールを、該基台の長手方向に移動させる移動レール移動機構を備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項8のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。 - 前記基台には、インバートコンクリート用の型枠を吊下支持する支持手段を備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項9のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
- 前記台車は、自走台車であることを特徴とする請求項4乃至請求項10のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
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