JPH10140538A - コンクリート搬送装置 - Google Patents

コンクリート搬送装置

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JPH10140538A
JPH10140538A JP29690896A JP29690896A JPH10140538A JP H10140538 A JPH10140538 A JP H10140538A JP 29690896 A JP29690896 A JP 29690896A JP 29690896 A JP29690896 A JP 29690896A JP H10140538 A JPH10140538 A JP H10140538A
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concrete
stage
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riverbed
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Hiroshi Shimada
洋 嶋田
Shigemi Sato
成美 佐藤
Kazuo Miyazawa
和夫 宮沢
Yoichi Fukumoto
洋一 福元
Shigeru Okano
茂 岡野
Masahiro Fujita
昌弘 藤田
Toshikatsu Mizuno
敏勝 水野
Kimio Nishifuji
喜美雄 西藤
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Shimizu Construction Co Ltd
IHI Corp
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
IHI Corp
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダム堤体の施工に際して自然環境を損うこと
なくかつ作業効率の向上を図る。 【解決手段】 複数本のマスト2よりなる塔状の昇降路
1を堤体Dの側壁面Daに近接させて河床部Rに設置す
る。マストは上方へ延長可能としいずれかの頂部にクレ
ーン3を昇降可能に設置する。昇降路に昇降可能かつ固
定可能なステージ6を設置する。河床部とステージとの
間にわたって昇降する垂直搬送機15を設ける。垂直搬
送機からコンクリートを受け取るホッパー20と堤体側
に水平搬送する水平搬送機21をステージに設ける。ク
レーンはセルフクライミング式のタワークレーン4とす
る。ステージを昇降させるための昇降機構を備える。垂
直搬送機は巻上機16により昇降するバケットとし、巻
上機を河床部に設置しワイヤ17を巻回するシーブをス
テージに設ける。水平搬送機は旋回可能かつ傾斜可能な
ベルトフィーダとしその先端下部にチルトシュートを設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダム堤体を施工する
際に適用されるコンクリート搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、峡谷ダムの堤体を構築す
る工法として、RCD(Roller Com-pacted Dam-concre
te)工法あるいは拡張レヤー打設工法と言われるものが
ある。これらの工法は、構築すべき堤体をその底部から
一層ずつコンクリートを面状に打設していくことで次第
に立ち上げていくようにしたものである。
【0003】そのような工法による場合、打設するべき
コンクリートやその作業のために必要な各種資機材を堤
体上に搬送するために、従来においては構築するべき堤
体の一端側の斜面に堤頂よりも高所に位置せしめてバッ
チャープラントを設置するとともに、堤体の上方にケー
ブルクレーンを架設するか、あるいはバッチャープラン
トと堤体とを連絡するインクライン設備を斜面に設置し
て、それらケーブルクレーンやインクライン設備により
バッチャープラントから堤体上にコンクリートや各種機
材を下ろすようにしていることが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
斜面にバッチャープラントやケーブルクレーン、インク
ライン設備を設けるためには、斜面を大きく切り開いて
用地を確保しなければならないから、自然環境保護の観
点から好ましくない場合がある。
【0005】また、近年、河床部から堤体側壁面に沿っ
て堤体上に資機材を搬送することも検討されており、た
とえば堤体側壁面に搬送機を走行させるための走行路を
取り付けるとともに堤体上に搬送機を昇降させるための
巻上機等の設備を設置することが提案されている。しか
し、その場合はコンクリートを打設するべき堤体上に巻
上機その他の設備を設置することからそれらの位置を常
に盛替えなければならず、またそれらの設置スペースを
確保する必要があるから堤体頂部の幅寸法がある程度大
きくないと適用できないものである。さらに堤体側壁部
に対する走行路の取り付けやその解体撤去の作業が必要
となることはもとより、それを撤去した後には堤体側壁
面に対する補修も必要となる。したがって、以上のよう
なことから、河床部からコンクリート等の資機材を堤体
上に搬送しようとする工法はさらに改良の余地がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は自然環境を損うことなく、しかも十分に
効率的にダムを施工し得る有効な装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダム堤体上に
打設するべきコンクリートを河床部から堤体上に搬送す
るための装置であって、上方に延長可能な複数本のマス
トにより構成されて河床部に設置されることにより堤体
の側壁面に近接配置される塔状の昇降路と、前記マスト
のいずれかの頂部に昇降可能に設置されるクレーンと、
前記昇降路に沿って昇降可能かつ所望位置に固定可能に
設置されるステージと、前記昇降路に沿って河床部と前
記ステージとの間にわたって昇降することでコンクリー
トを垂直搬送する垂直搬送機と、前記ステージに設置さ
れて前記垂直搬送機により搬送されてきたコンクリート
を受け取るホッパーと、前記ステージに設置されて前記
ホッパーからコンクリートを受け取って堤体側に水平搬
送する水平搬送機とを具備するものである。
【0008】上記のクレーンおよびそのマストはセルフ
クライミング式のタワークレーンを使用することが好適
である。上記のステージにはマストより反力をとってそ
れ自身で上昇するための昇降機構を備えておくことが好
適である。上記の垂直搬送機としては巻上機によりワイ
ヤを巻き取り繰り出すことで昇降させるバケットを用い
ることが好適であり、その巻上機を河床部に設置すると
ともにワイヤを巻回するシーブをステージに設けること
が好適である。上記の水平搬送機としてはベルトフィー
ダを採用することが好適であり、このベルトフィーダを
その先端側が旋回可能かつ上下方向に傾斜可能に設ける
ことが好適であり、その先端下部にはコンクリートの放
出方向を可変とするチルトシュートを設けることが好適
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。図1〜図3は本実施形態のコンク
リート搬送装置Aの全体概略構成を示すものであって、
これは構築しようとする堤体Dの上面にコンクリートを
打設するべく、コンクリートを河床部Rから堤体D上に
搬送するためのものであり、併せて堤体Dを施工するた
めに必要な各種の資機材も搬送可能なものである。
【0010】図中符号1は構築すべき堤体Dの上流側の
側壁面Daに近接するように河床部Rに立設された昇降
路である。この昇降路1は4本のマスト2により構成さ
れた塔状のものであって、それら4本のマスト2のうち
堤体D側に位置しているいずれか1本のマスト2の頂部
にはクレーン3が設置されており、そのクレーン3によ
り図1に示されているようにダンプトラックTや型枠5
その他の機材を河床部Rから堤体D上に搬送でき、また
堤体D上から河床部Rに吊り下ろすことができるものと
されている。このクレーン3およびそれが設置されてい
るマスト2はセルフクライミング式の汎用のタワークレ
ーン4を構成するものであり、マスト2を上方に継ぎ足
しながらクレーン3がそれ自身が上昇でき、かつ頂部の
マスト2を切り離して吊り下ろしてはクレーン3がそれ
自身で降下できるものとされている。また、他の3本の
マスト2もタワークレーン用の汎用のマストが転用され
ている。それら4本のマスト2はそれぞれ自立して互い
に連結されており、したがってそれらにより構成される
昇降路1もそれ自体で安定に自立可能なものであるが、
必要であればこの昇降路1を適宜の支持材により堤体D
に対して連結したり、あるいはさらに必要であればステ
ーを設ける等して転倒防止を図れば良い。
【0011】上記昇降路1にはこの昇降路1に沿って昇
降可能かつ所望位置に固定可能なステージ6が設置され
ている。ステージ6はその詳細を図3および図4に示す
ように昇降路1の外側に装着されたフレーム体であっ
て、その上面がステージ面6aとされている主フレーム
7と、その上部にクライミングシリンダ8を介して離接
可能に連結されている上部フレーム9とからなり、主フ
レーム7および上部フレーム9はそれぞれ下部ロックシ
リンダ10、上部ロックシリンダ11により各マスト2
に対して係止可能とされている。それらロックシリンダ
10,11およびクライミングシリンダ8はステージ6
を昇降させるための昇降機構12を構成しており、この
昇降機構12によりステージ6はそれ自身で昇降路1に
沿って昇降可能かつ所望位置に固定できるものである。
なお、昇降機構12としてはクライミングシリンダ8や
ロックシリンダ10,11に代えてジャッキ等の適宜の
駆動源、適宜の係止手段を任意に採用できる。
【0012】上記の昇降機構12はいわゆる尺取虫的な
動作によりステージ6を昇降させるもので、その昇降機
構12によりステージ6を上昇させるための作業手順に
ついて図4を参照して説明する。図4(a)に示すよう
にステージ6が固定されている状態、つまり主フレーム
7および上部フレーム9の双方がそれぞれ下部ロックシ
リンダ10、上部ロックシリンダ11により各マスト2
に係止されている状態から、(b)に示すように上部フ
レーム9を係止している上部ロックシリンダ11による
係止を解除し、クライミングシリンダ8を伸張させるこ
とにより各マスト2から反力をとって上部フレーム9を
上昇させる。上昇させた上部フレーム9を上部ロックシ
リンダ11により各マスト2に対して係止した後、
(c)に示すように主フレーム7を係止している下部ロ
ックシリンダ10による係止を解除し、クライミングシ
リンダ8を縮退させることにより各マスト2から反力を
とって主フレーム7を上方に引き上げ、引き上げた主フ
レーム7を下部ロックシリンダ10により係止する。以
上を繰り返すことによりステージ6を所望位置まで上昇
させることができ、かつ、そこに固定することができ
る。勿論、上記と逆の手順によりステージ6をそれ自身
で降下させることもできる。
【0013】一方、図3に示すように昇降路1の内側に
はコンクリートを堤体D上に搬送するための垂直搬送機
たる2台のバケット15が図示を略した適宜のガイドレ
ールにより案内されて河床部Rとステージ6との間にわ
たって昇降可能に設けられている。すなわち、図1に示
すようにそれら2台のバケット15を昇降させるための
巻上機16が昇降路1の両側に位置して河床部Rに設置
されているとともに、各巻上機16により巻き取り繰り
出されるワイヤ17がそれぞれステージ6に設置されて
いるシーブ(図示略)に巻回されて各バケット15に連
結されている。そして、巻上機16によりワイヤ17を
巻き取ることでバケット15は昇降路1に沿って上昇し
て図3に示すようにステージ面6aの直下の位置まで達
し、かつワイヤ17を繰り出すことでバケット15は降
下して昇降路1直下の積み込みピット18内に達するよ
うになっている。なお、バケット15の容量は適宜で良
いがたとえば9m3程度の大容量のものを採用可能であ
る。
【0014】また、図3に示すように、上記のステージ
6には、バケット15により搬送されてきたコンクリー
トを受け取るホッパー20が設けられ、さらにそのホッ
パー20からコンクリートを受け取って堤体D側に搬送
するための水平搬送機たるベルトフィーダ21が設けら
れている。ホッパー20はステージ面6aの直下まで上
昇したバケット15の斜め前方に位置するように設置さ
れ、その上部にはパワーシリンダ(図示略)により起倒
するシュート22が設けられ、バケット15から放出さ
れるコンクリートをシュート22を介して受け取って一
時的に貯留し得るものであり、ベルトフィーダ21を作
動させることでコンクリートを送り出し、かつゲート2
3の開度とベルト速度とを調節することでコンクリート
の送り出し量を調節できるものとなっている。
【0015】ベルトフィータ21はベルトコンベア式の
もので、ホッパー20から受け取ったコンクリートを前
方を送って堤体D上を走行するダンプトラックTに対し
て投入するためのものである。このベルトフィーダ21
は、その基端部がステージ6の下部に対して回動可能に
連結され、かつその先端部がワイヤ24によりステージ
6の上部から吊り支持されることで、先端側が水平旋回
可能かつ上下方向に所定角度(たとえば水平に対し上下
方向にそれぞれ15゜程度)傾斜可能に設けられてコン
クリート打設面高さの変化に伴うダンプトラックTの走
行面高さの変化に自在に追随できるようにしており、そ
の先端下部にはコンクリートをダンプトラックTの荷台
に均等にまきだし、かつ骨材分離を抑えるための電動旋
回式のチルトシュート25が設けられている。
【0016】上記構成のコンクリート搬送装置Aを用い
て堤体Dの施工を行う作業手順について説明する。堤体
Dの構築位置を所望の状態に掘削した後、本装置Aを設
置するに先立ってまず図5に示すように河床部Rにコン
クリートを打設して堤体Dの幅方向に沿う着岩部30を
河床部に施工する(図5において(b)は(a)におけ
るb矢視拡大図、(c)は(a)におけるc矢視図であ
る)。その着岩部30の幅すなわち堤体Dの長さ方向の
寸法はダンプトラックが走行可能なようにたとえば15
m程度とし、それを施工するには(a)、(b)に示す
ように施工するべき着岩部30に隣接する位置に仮設の
走行路31を設け、その走行路31からクローラクレー
ン32を用いてバケット33によりコンクリートを打設
すれば良い。なお、バッチャープラントが直近に設けら
れない場合には(a)に示すように適宜位置に設けたバ
ッチャープラントBからクローラクレーン32まである
いはダムコンクリートの打設位置までコンクリートを搬
送するためのダンプトラック走行路35を設ければ良
い。
【0017】着岩部30が施工されたら、それを起点と
してその両側にコンクリートを打設していき、かつその
上面にさらにコンクリートを打設することで、着岩部3
0を両側に拡張しかつ次第に上方に立ち上げていく形態
で堤体Dを施工するが、その作業を本装置Aにより行う
べく、図5(c)に示すように本装置Aを着岩部30の
上流側の河床部Rに設置する。すなわち4本のマスト2
を建てて昇降路1を形成し、そのいずれかにはクレーン
3を設置し、昇降路1の所望位置にステージ6を取り付
け、ステージ6にはホッパー20、ベルトフィーダ21
を取り付け、昇降路1内にバケット15を昇降可能に設
置する。その際、ステージ6の位置は少なくとも着岩部
30上を走行するダンプトラックTに対してコンクリー
トを支障なく投入できる高さに設置し、昇降路1の高さ
すなわちマスト2の全高は少なくともステージ6を適正
な位置に配置できるように設定する。なお、この際の本
装置Aの組立、設置作業は通常のタワークレーンを組み
立てる場合と同様にクローラクレーンやトラッククレー
ン等の移動式小型クレーンを用いることで容易に行うこ
とができるし、クレーン3を設置した後はそれを用いる
こともできる。そして、図5(c)に示すように必要に
応じてバンカー線36を設け、また、図2に示すように
本装置Aの近傍にバッチャープラントBを設置するとと
もに、そこからコンクリートを本装置Aまで搬送するた
めのトランスファーカーCを設置する。あるいはバッチ
ャープラントBを直近に設置できないような場合には適
宜位置に設けたバッチャープラントから図3に示すよう
にダンプトラックTによりコンクリートを本装置Aまで
搬送するようにしても良い。一方、着岩部30上には所
望台数のダンプトラックTを配置し、必要に応じて型枠
5その他の機材も着岩部30上に搬送するが、それには
小型クレーンあるいは上記のクレーン3を用いれば良
い。
【0018】図2や図3に示すようにバケット15を積
み込みピット18内に配置して、バッチャープラントB
からトランスファーカーCあるいはダンプトラックTに
より搬送してきたコンクリートをそのバケット15内に
投入したら、巻上機16を作動させてバケット15をス
テージ6のホッパー20よりも上方位置まで上昇させ
る。その際、シュート22は起立させておいてバケット
15の通過を許容せしめる。そして、シュート22を昇
降路1側に倒し、バケット15からコンクリートをシュ
ート22を介してホッパー20に投入してそこに一時的
に貯留し、ベルトフィーダ21を作動させるとともにゲ
ート23を適度の開度に開いて適量のコンクリートをホ
ッパー20からベルトフィーダ21に供給して前方へ搬
送し、ダンプトラックTに投入する。その際、ダンプト
ラックTの位置や高さに応じてベルトフィーダ21を適
宜旋回させるとともにその傾斜角度を適宜調節し、また
チルトシュート25をチルトさせてコンクリートを均等
にダンプトラックTに積み込む。コンクリートを積み込
んだダンプトラックTは所望の打設位置まで走行しそこ
でコンクリートを打設する。また、一時的に堤体D上で
グランドホッパーに1回受けてからダンプトラックTに
投入するようにしても良い。
【0019】上記のようにして着岩部30を起点として
その周囲および上面にコンクリートを打設していくこと
で堤体Dを施工していき、堤体Dが所定高さだけ立ち上
げられたら、図4に示した手順によりステージ6を上方
に盛替え、さらに同様にしてコンクリートを打設する。
ステージ6が昇降路1の頂部に達したら上述したように
クレーン3を用いて各マスト2を継ぎ足して昇降路1を
上方へ延長させ、クレーン3をそれ自身で上昇させ、ス
テージ6をさらに上昇させ、堤体Dの頂部に達するまで
それを繰り返す。
【0020】堤体Dの頂部までコンクリートを打設して
堤体Dを完成させたら、堤体D上のダンプトラックTや
その他の機材をクレーン3により河床部Rに吊り下ろし
た後、本装置Aの解体を行う。それには、まずステージ
6をそれ自身で降下させ、河床部Rにおいてクローラク
レーンやトラッククレーン等の移動式小型クレーンある
いは上記のクレーン3を用いてステージ6およびそこに
設置されているホッパー20、ベルトフィーダ21、そ
の他の装置類を解体撤去する。次いで、クレーン3をそ
れ自身で降下させていってはマスト2を頂部から順次切
り離して吊り下ろし、最終的には河床部Rにおいて移動
式小型クレーンを用いてクレーン3やマスト2およびそ
の他の全てを解体撤去する。
【0021】以上のように、上記構成のコンクリート搬
送装置Aを用いて上記の手順により堤体Dを施工するこ
とにより、従来のケーブルクレーンやインクライン設備
を採用する場合のように斜面を切り開く必要がなく自然
環境保護の観点から好ましいものである。
【0022】そして、特に本装置Aは、自立する塔状の
昇降路1に沿ってコンクリートをバケット15により垂
直搬送しかつベルトフィーダ21により水平搬送して堤
体D上のダンプトラックTに積み込むようにし、本装置
Aにはそのために必要な全ての設備が備えられているの
で、本装置Aを堤体Dの側壁面Daに近接させて河床部
Rに設置するのみで堤体D上には固定的な設備を設ける
必要がなく、したがって堤体D上におけるコンクリート
打設その他の作業を効率良く行い得るし、堤体Dの頂部
の幅寸法が狭い場合であっても何等の支障がない。勿
論、堤体Dの側壁面Daに対して走行路を取り付ける場
合のようにその取り付けや解体撤去のための作業が必要
となることはないし後補修も不要である。また、マスト
2の頂部にクレーン3を備えているのでコンクリート以
外の他の資機材の揚重も併せて行えることはもとより、
そのクレーン3は昇降可能なものであるので盛替えや解
体をそれ自身で行うことができる。すなわち、本装置A
によれば、堤体Dの施工に係わる作業のみならず、本装
置Aの設置や盛替え、解体に係わる作業の殆どを本装置
A自身で容易に行うことができ、したがってダム施工の
効率向上に大きく寄与できるものである。
【0023】さらに、上記のクレーン3として汎用のセ
ルフクライミング式のタワークレーン4を用いることと
すれば設備費の点で有利であり、ステージ6にそれ自身
を昇降させる昇降機構を備えることによりその昇降操作
を容易にかつ安定に行うことが可能であり、垂直搬送機
や水平搬送機としてバケットやベルトフィーダを採用す
ることにより安価かつ取り扱いが容易な汎用製品を使用
可能である。また、巻上機をステージに設置することな
く河床部に設置することでステージにそのためのスペー
スや積載荷重が要求されることがないので有利であり、
ベルトフィーダを旋回可能かつ傾斜可能とすることでダ
ンプトラックへのコンクリート投入位置を微調整するこ
とが可能であり、チルトシュートを設けることによりコ
ンクリートの投入方向を調節できるという利点がある。
【0024】以上で本発明の一実施形態を説明したが、
本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、
施工するべき堤体の規模や形態に応じてたとえば以下に
列挙するような適宜の設計的変更を行い得るものであ
る。
【0025】たとえば堤体長が大きい場合等においては
本装置Aを複数基設置すれば良いし、可能であれば本装
置Aを堤体Dの上流側に設けることに代えて下流側に設
けたりあるいはその双方に設置しても良いし、また堤体
に沿って走行させるようにしても良い。
【0026】また、上記実施形態の搬送装置Aは2台の
バケット15を備えるものとしたが、これは1台であっ
ても良いし3台以上とすることも勿論可能である。ま
た、上記のものでは昇降路1を4本のマスト2により構
成したが、安定に自立できかつ垂直搬送機を案内して昇
降させ得るものとする限りにおいては昇降路1の形態は
任意であり、たとえば2本あるいは3本のマスト2によ
り構成したり、より多数のバケット15を備えるような
場合にあってはさらに多数のマスト2により昇降路1を
構成しても勿論良い。
【0027】また、上記では垂直搬送機として巻上機1
6により昇降するバケット15を採用し、水平搬送機と
してベルトフィーダ21を採用したが、コンクリートを
効率的に搬送し得るものであれば他の形式の搬送機も任
意に採用可能である。また、巻上機16を用いる場合に
おいてはそれを上記のように河床部Rに設置することに
代えて巻上機16をステージ6に搭載することも可能で
ある。ただし、その場合はステージ6にそのためのスペ
ースが必要であるしステージ6の積載荷重が増大するの
でそのための対策が必要となる。
【0028】さらに、マスト2とその頂部に設置するク
レーン3として汎用のタワークレーン4を転用すること
が好ましいが、タワークレーン4を用いることに限定さ
れるものではなくクレーン3を昇降可能とする限りにお
いて他の形式のクレーンを採用することでも良いし、上
記のような起伏ジブ式のものに限らず水平ジブ式のクレ
ーンも採用可能である。
【0029】さらに、ステージ6の形態もホッパー20
および水平搬送機21を搭載して昇降可能なものである
限りにおいてその形態は任意であり、上記のようなクラ
イミングシリンダ8とロックシリンダ10,11よりな
る昇降機構12に代わる適宜の昇降機構が採用可能であ
るし、あるいは昇降機構を省略してたとえばマスト2の
頂部に設けた上記のクレーン3を用いてステージ6を昇
降させる構成とすることでも良い。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明のコンクリート搬送
装置は、堤体側壁面に近接配置して河床部に設けた塔状
の昇降路にステージを昇降可能に設けてそこにホッパー
および水平搬送機を設けるとともに、河床部とステージ
の間にわたって垂直搬送機を昇降させるようにし、か
つ、昇降路を構成するいずれかのマストの頂部にクレー
ンを昇降可能に設置した構成であるから、従来のように
斜面を大きく切り開く必要がないので自然環境保護の観
点から好ましいものであることはもとより、垂直搬送機
および水平搬送機によりコンクリートを河床部から堤体
上に効率的に搬送することが可能であるとともに、クレ
ーンにより他の資機材を堤体上に搬送することも可能で
あり、したがって本発明の装置は堤体施工に係わる作業
を殆どを本装置のみで行うことができるとともに本装置
の設置や盛替え、解体をも殆ど本装置自体で行うことが
可能であり、堤体施工の効率向上に大きく寄与できる。
【0031】そして、クレーンとして汎用のセルフクラ
イミング式のタワークレーンを用いることとすれば設備
費の点で有利であり、ステージにそれ自身を昇降させる
昇降機構を備えることによりその昇降操作を容易にかつ
安定に行うことが可能であり、垂直搬送機や水平搬送機
としてバケットやベルトフィーダを採用することにより
安価かつ取り扱いが容易な汎用製品を使用可能であり、
巻上機を河床部に設置することによりそれをステージに
設置する場合には必要となるそのためのスペースや積載
荷重が要求されることがないので有利であり、ベルトフ
ィーダを旋回可能かつ傾斜可能とすることでコンクリー
ト投入位置を微調整することが可能であり、チルトシュ
ートを設けることによりコンクリートをダンプトラック
等の荷台に均等に積載しかつ骨材分離を抑えることがで
きるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるコンクリート搬送
装置の全体概略構成を示す斜視図である。
【図2】 同、立面図である。
【図3】 同、拡大立面図である。
【図4】 同、ステージの上昇工程を説明するための図
である。
【図5】 本装置を設置するに先立つ着岩部の施工手順
を説明するための図である。
【符号の説明】
A コンクリート搬送装置 D 堤体 R 河床部 1 昇降路 2 マスト 3 クレーン 4 タワークレーン 6 ステージ 12 昇降機構 15 バケット(垂直搬送機) 16 巻上機 17 ワイヤ 20 ホッパー 21 ベルトフィーダ(水平搬送機)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮沢 和夫 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 福元 洋一 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 岡野 茂 東京都中央区明石町6番4号 石川島運搬 機械株式会社内 (72)発明者 藤田 昌弘 東京都中央区明石町6番4号 石川島運搬 機械株式会社内 (72)発明者 水野 敏勝 東京都中央区明石町6番4号 石川島運搬 機械株式会社内 (72)発明者 西藤 喜美雄 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 石 川島播磨重工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダム堤体上に打設するべきコンクリート
    を河床部から堤体上に搬送するための装置であって、上
    方に延長可能な複数本のマストにより構成されて河床部
    に設置されることにより堤体の側壁面に近接配置される
    塔状の昇降路と、前記マストのいずれかの頂部に昇降可
    能に設置されるクレーンと、前記昇降路に沿って昇降可
    能かつ所望位置に固定可能に設置されるステージと、前
    記昇降路に沿って河床部と前記ステージとの間にわたっ
    て昇降することでコンクリートを垂直搬送する垂直搬送
    機と、前記ステージに設置されて前記垂直搬送機により
    搬送されてきたコンクリートを受け取るホッパーと、前
    記ステージに設置されて前記ホッパーからコンクリート
    を受け取って堤体側に水平搬送する水平搬送機とを具備
    してなることを特徴とするコンクリート搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記クレーンおよび該クレーンが昇降可
    能に設置されるマストは、前記クレーンが前記マストを
    上方へ継ぎ足してはそれ自身で上昇するセルフクライミ
    ング式のタワークレーンを構成するものであることを特
    徴とする請求項1記載のコンクリート搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記ステージには該ステージを前記マス
    トより反力をとってそれ自身で上昇させるための昇降機
    構が備えられていることを特徴とする請求項1または2
    記載のコンクリート搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記垂直搬送機は巻上機によりワイヤが
    巻き取り繰り出されることで昇降するバケットであり、
    前記水平搬送機はベルトフィーダであることを特徴とす
    る請求項1,2または3記載のコンクリート搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記巻上機は河床部に設置されていると
    ともに前記ワイヤが巻回されるシーブが前記ステージに
    設けられていることを特徴とする請求項4記載のコンク
    リート搬送装置。
  6. 【請求項6】 前記ベルトフィーダは先端側が旋回可能
    かつ上下方向に傾斜可能に設けられていることを特徴と
    する請求項4または5記載のコンクリート搬送装置。
  7. 【請求項7】 前記ベルトフィーダの先端下部にコンク
    リートの放出方向を可変とするチルトシュートが設けら
    れていることを特徴とする請求項4,5または6記載の
    コンクリート搬送装置。
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