JPH10101912A - ポリエステル組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

ポリエステル組成物およびそれからなる成形品

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JPH10101912A
JPH10101912A JP8255935A JP25593596A JPH10101912A JP H10101912 A JPH10101912 A JP H10101912A JP 8255935 A JP8255935 A JP 8255935A JP 25593596 A JP25593596 A JP 25593596A JP H10101912 A JPH10101912 A JP H10101912A
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polyester
film
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acid
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有三 清水
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Kenji Uhara
賢治 鵜原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】延伸製膜性に優れ、かつ白色性、隠蔽性、機械
特性とともに耐熱性の良好な白色ポリエステルフィルム
を得ることを課題とする。本発明の白色ポリエステルフ
ィルムは、印画紙、X線増感紙、受像紙、磁気記録カー
ド、ラベル、宅配便などの配送伝票、表示板、白板など
の基材として好適に使用することができる。 【解決手段】無機粒子を5重量%以上含有するポリエス
テル組成物であって、該ポリエステル組成物のカルボキ
シル末端基濃度が35当量/ポリエステル106 g以下
であり、かつ昇温結晶化温度(Tcc)とガラス転移温
度(Tg)との差が下記式を満足してなることを特徴と
するポリエステル組成物およびそれからなるフィルムな
どの成形品。 30≦Tcc−Tg≦60

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル組成物
およびそれからなる成形品に関するものであり、詳しく
は多量の無機粒子を含有するポリエステル組成物であっ
て、特定のカルボキシル末端基濃度および熱特性を有す
るポリエステル組成物およびそれからなる成形品に関す
るものであり、さらに詳しくは、印画紙、X線増感紙、
受像紙、磁気記録カード、ラベル、宅配便などの配送伝
票、表示板、白板などの基材として好適なポリエステル
組成物およびフィルムなどの成形品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有してお
り、繊維、フィルム、その他の成形品として広く使用さ
れている。特にこれらの用途の中で受像紙、磁気記録カ
ード、ラベル、宅配便などの配送伝票、表示板、白板な
どの基材として白色フィルムが使用されている。
【0003】従来、白色フィルムを得るために白色の無
機粒子を多量にポリエチレンテレフタレートに添加する
ことはよく知られている。例えば、特公昭56−490
1号公報では酸化チタンと硫酸バリウムを多量に添加し
たり、特公昭60−30930号公報では硫酸バリウム
を多量に添加したり、さらには特公昭43−12013
号公報では多量の炭酸カルシウムを添加すること、また
特開昭51−28141号公報、特開昭61−2092
60号公報には無機充填剤粉末や白色無機顔料を高濃度
に混練する方法などが知られている。
【0004】しかし、上記従来技術の単にポリエステル
に無機粒子を添加したり、混練する方法によって、得ら
れる無機粒子含有ポリエステル組成物は、 ポリエステル組成物中の無機粒子の粒子の分散性に劣
り、無機粒子の粗大粒子あるいは凝集粒子によって、該
ポリエステル組成物を使用してフィルム等の成形品を成
形加工する場合には、延伸製膜時にフィルム破れが多発
する 無機粒子を多量に含有するため、無機粒子とポリエス
テルとの相互作用によって、ポリエステル組成物の結晶
性が高くなり、フィルム等の成形品を成形加工する場合
には、延伸製膜条件が狭く、生産性に劣る ポリエステルフィルムなどの成形品に成形する際の溶
融工程時に、無機粒子の粒子表面活性によって、粒子と
ポリエステルとの相互作用が生じ、異物の発生や発泡す
るなど耐熱性に劣る などの欠点があるとともに、得られるフィルムなどの成
形品は、白度、隠蔽性に劣る。
【0005】また、上記した欠点を解決するために特開
昭62−207337号公報では、ポリエステルと炭酸
カルシウムおよびリン化合物の混合物を単に溶融押出し
た後、フィルムを製造する方法、特開昭63−6622
2号公報ではポリエステルの反応系に炭酸カルシウムお
よびリン化合物を添加する方法、さらに特開平7ー31
6404号公報、特開平7ー331038号公報では、
通常のポリエステルと炭酸カルシウムおよびリン化合物
を混練する方法が開示されている。しかし、これらの方
法でもポリエステルに炭酸カルシウムを効率よく高濃度
に含有させることが困難であったり、粒子の分散性が十
分でなかったり、また、ポリマが高温滞留した場合には
発泡したり、異物が発生したり、得られるポリエステル
組成物の結晶性に変化が生じ、フィルムなどの成形品の
延伸製膜性に劣るなどの問題が生じるとともに、得られ
るフィルムには十分な白度、隠蔽性、光沢性を兼備させ
るのが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多量
の無機粒子を含有した白色性、隠蔽性、機械特性、光沢
性とともに耐熱性、成形加工性に優れフィルムを得るこ
とにあり、特定のカルボキシル末端基濃度および熱特性
を有する多量の無機粒子を含有するポリエステル組成物
およびフィルムによって、上記した従来の欠点を解決す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、無機粒子を5重量%以上含有するポリエステル組成
物であって、該ポリエステル組成物のカルボキシル末端
基濃度が35当量/ポリエステル106 g以下であり、
かつ昇温結晶化温度(Tcc)とガラス転移温度(T
g)との差が下記式を満足してなることを特徴とするポ
リエステル組成物およびそれからなるフィルムなどの成
形品によって達成できる。
【0008】30≦Tcc−Tg≦60
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルはジカルボ
ン酸成分とグリコール成分から構成されたものであり、
例えばジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体
とグリコールとのエステル化もしくはエステル交換反応
ならびに引続く重縮合反応によって製造される。ポリエ
ステルの種類についてはフィルムなどの成形品に成形し
うるものであれば特に限定されない。フィルムなどの成
形品に成形しうる好適なポリエステルとしてはジカルボ
ン酸成分として芳香族ジカルボン酸を使用したものがよ
く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−p−オキシベンゾエート、ポリエチレン−1,2−
ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4´−ジカ
ルボキシレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノ
キシ)エタン−4,4´−ジカルボキシレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンカルボキシレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレン
テレフタレート等が挙げられ、中でもポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンカルボ
キシレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
もちろん本発明のポリエステルは上述したポリエステル
であってもよいが、フィルムなどの成形品を成形する際
の、成形加工性、特にフィルム成形する際の延伸製膜性
の点から、共重合ポリエステルが好ましい。その際の共
重合成分としては上記したポリエステルを構成する酸成
分およびグリコール成分以外の芳香族ジカルボン酸、脂
肪族ジカルボン酸および脂環族ジカルボン酸等の酸成
分、芳香族グリコール、脂肪族グリコールおよび脂環族
グリコール等のグリコール成分を挙げることができる。
例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカル
ボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、
デカリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸を挙げる
ことができる。これらのジカルボン酸成分のうちテレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸がフィルムなどに成形
する際の延伸製膜性の点から好ましい。これらの酸成分
は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよ
い。また、グリコール成分としてはエチレングリコー
ル,1,4−ブタンジオール,1,5−ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール
等の脂肪族グリコール、1,2−シクロヘキサンジメタ
ノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化
ビスフェノールA等の脂環族グリコールなどを挙げるこ
とができる。中でもエチレングリコール、ジエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールがフィルムなどに成形する際の延伸
製膜性の点から好ましい。上記したこれらの酸成分は、
一種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよい。ま
た、これらの共重合成分は、ポリエステルを製造する際
に副生するものであってもよい。
【0010】本発明におけるポリエステル組成物は、無
機粒子を5重量%以上含有する必要がある。表面光沢
性、白色性、機械特性に優れたフィルム等の成形品を得
るための好ましい無機粒子の含有量としては5〜85重
量%であり、より好ましくは7〜80重量%、さらに好
ましくは10〜80重量%である。ポリエステル中の無
機粒子の含有量が5重量%未満であると白色性に劣る。
【0011】本発明のポリエステルに含有させる無機粒
子としては、特に限定されることはなく、例えば炭酸金
属塩、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどの
ケイ酸化合物、硫酸バリウム、硫化亜鉛、二酸化チタ
ン、二酸化珪素、酸化アルミニウムなどを挙げることが
でき、中でも白色性、隠蔽性、耐熱性の点から炭酸金属
塩、ケイ酸化合物、硫酸バリウム、硫化亜鉛よりなる群
の中から選ばれた少なくとも一種の無機粒子が好まし
い。特に得られるフィルムなどの成形品の白色性、隠蔽
性の点から、炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウ
ムは天然品、合成品のいずれであってもよく、またその
結晶形態としてはカルサイト、アラゴナイト、バテライ
トなどいずれであってもよいが、フィルムの白色性、隠
蔽性の点から天然品が好ましく、結晶形態としてはカル
サイトが好ましい。また他の金属化合物、例えば、酸化
マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等が含
まれていてもよい。さらに炭酸カルシウム以外に他の無
機粒子を含有してもよい。
【0012】本発明におけるポリエステルに含有させる
無機粒子の粒子径および比表面積は特に限定されること
はないが粒子径は平均粒子径が0.01〜20μm、さ
らには0.1〜10μm、特には0.2〜5μmである
ことが白色性、隠蔽性、光沢性の点で好ましい。比表面
積は0.5〜100m2 /g、さらには1〜70m2
g、特には3〜60m2 /gであることが白色性、隠蔽
力、光沢性の点で好ましい。粒子径が平均粒子径で20
μmを越えたり、比表面積が0.5m2 /g未満である
と、得られるフィルム等の成形品の白色性、隠蔽性に劣
ったりするなど好ましくない場合がある。一方、粒子径
が平均粒子径で0.01μm未満であったり、比表面積
が100m2 /gを越えると、やはり得られるフィルム
等の成形品の白色性、隠蔽性が劣る場合がある。
【0013】本発明における無機粒子含有ポリエステル
組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、例え
ば無機粒子をポリエステルに配合・添加する方法などに
よって得られる。具体的には、無機粒子とポリエステ
ルとを直接、あるいは予めブレンダー、ミキサーなどで
混合した後、通常の一軸、二軸押出し機を用いて溶融混
練する方法、無機粒子とポリエステルとを直接、ある
いは予めブレンダー、ミキサーなどで混合した後、通常
のベント式の一軸、二軸押出し機を用いて溶融混練する
方法、ポリエステルの製造反応工程で無機粒子を添加
する方法などを挙げることができる。中でも無機粒子を
ポリエステルに効率よく高濃度に含有させる、あるいは
無機粒子の粒子分散性、得られるフィルムの品質安定
性、溶融製膜時の熱安定性などの点から、およびの
無機粒子とポリエステルとを溶融混練する方法が好まし
く、特にはの無機粒子とポリエステルとをベント式の
一軸あるいは二軸押出し機を用いて溶融混練する方法が
好ましい。
【0014】また、この際に使用するポリエステルは特
に限定されないが、無機粒子をポリエステルに効率よく
高濃度に含有させる、得られるポリエステル組成物中の
無機粒子の粒子分散性、得られるポリエステル組成物の
熱安定性、フィルムなどに成形加工する際の延伸製膜性
の点で、ポリエステル微粉末を含むポリエステルとする
ことが好ましい。全ポリエステルに対するポリエステル
微粉末の割合は特に限定されないが、得られる無機粒子
含有ポリエステル組成物中の無機粒子の粒子分散性、ポ
リエステル組成物の熱安定性(無機粒子に起因するポリ
マの発泡、異物の発生)、フィルムなどに成形加工する
際の延伸製膜性の点で、後述するポリエステル微粉末を
好ましくは1重量%含有するポリエステルであることが
好ましく、より好ましくは10重量%以上、さらに好ま
しくは30重量%以上、特に好ましくは、50重量%以
上であり、全てのポリエステルが微粉末であってもよ
い。
【0015】ポリエステル微粉末の量が1重量%未満の
ポリエステルを使用した場合には、得られる無機粒子含
有ポリエステル組成物中の無機粒子の粒子分散性および
ポリエステル組成物の熱安定性、延伸製膜性に劣ったり
する場合がある。
【0016】ここで言う、ポリエステル微粉末とは、微
粉末であれば特に限定されるものではないが、得られる
ポリエステル組成物中の無機粒子の粒子分散性、溶融成
形時の熱安定性、無機粒子に起因する異物発生、発泡の
点から、JIS標準ふるいで8メッシュ以下の粒度(J
IS Z8801規格標準網ふるいでふるい目開きが
2.38mmのふるいを通過する粒度)であることが好
ましく、より好ましくは14メッシュ以下(JIS Z
8801規格標準網ふるいでふるい目開きが1.19m
mのふるいを通過する粒度)であり、さらに好ましくは
20メッシュ以下(JIS Z8801規格標準網ふる
いでふるい目開きが0.84mmのふるいを通過する粒
度)であり、特に好ましくは28メッシュ以下(JIS
Z8801規格標準網ふるいでふるい目開きが0.5
9mmのふるいを通過する粒度)である。ポリエステル
微粉末の粒度がJIS標準ふるいで8メッシュを越える
と、得られるポリエステル組成物中の無機粒子の粒子分
散性に劣ったり、ポリエステル組成物を成形加工する場
合に、溶融成形時の熱安定性に劣り、無機粒子に起因す
る異物発生、発泡が生じ、安定した溶融成形ができず、
例えば溶融製膜でフィルムを得る場合にはフィルム破れ
が発生するなど好ましくない場合がある。
【0017】ポリエステル微粉末を製造する方法は、特
に限定されるものではないが、例えばポリエステルの重
縮合反応によって得られたポリエステルポリマの板状、
角状、円柱状、塊状等のポリマを物理的に粉砕すること
によって得られる。
【0018】その粉砕方法は、公知の粉砕機を使用する
ことができ、例えばロールミル、高速回転式粉砕機、ジ
ェトミル等を挙げることができる。その際、ポリエステ
ルポリマはそのまま粉砕してもよく、さらには粉砕しや
すいように予めポリエステルポリマを結晶化させた後に
粉砕してもよく、特に限定されるものではない。
【0019】本発明における無機粒子含有ポリエステル
組成物は、耐熱性、フィルムなどに成形加工する際の延
伸製膜性、得られる成形品の白色性等の点からリン元素
を50ppm以上含有することが好ましい。より好まし
くは70ppm〜20000ppmであり、さらに好ま
しくは100ppm〜10000ppm、特に好ましく
は130〜10000ppmである。無機粒子含有ポリ
エステル組成物中のリン元素含有量が50ppm未満で
あると、ポリエステル組成物の耐熱性が低下し、フィル
ムなどの成形品に溶融成形する際、異物が発生したり、
発泡したり、またフィルムなどに成形加工する際の延伸
製膜性、成形品の白色性に劣る場合がある。
【0020】本発明の無機粒子含有ポリエステル組成物
中にリン元素を含有させるにはリン元素を有する化合物
を配合・添加する方法によって達成でき、リン元素を有
する化合物としては、例えばリン酸、亜リン酸、ホスフ
ィン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体などが挙げら
れる。具体的にはリン酸、亜リン酸、リン酸トリメチル
エステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェ
ニルエステル、リン酸モノあるいはジメチルエステル、
ジメチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、フェニ
ルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジ
エチルエステルなど、またリン酸カルシウム、リン酸ナ
トリウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン等のリ
ン酸金属塩類、さらにはリン酸アンモニウム等のリン化
合物を挙げることができる。溶融成形時の熱安定性、ポ
リマの発泡性、無機粒子に起因する異物発生、ポリエス
テル組成物中の無機粒子の粒子分散性および得られる成
形品の白色性などの点から、リン化合物としては、リン
酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸およびそれら
の誘導体またはリン酸金属塩類が好ましく、より好まし
くはリン酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸また
はそれらの炭素数8以下のアルキルエステル化合物であ
り、さらに好ましくはリン酸、亜リン酸、ホスフィン
酸、ホスホン酸またはそれらの炭素数3以下のアルキル
エステル化合物である。また、これらのリン化合物は二
種以上を併用してもよい。
【0021】本発明の無機粒子含有ポリエステル組成物
にリン元素を含有させる方法は特に限定されるものでな
く、例えばリン化合物および無機粒子とをポリエステ
ルの製造反応工程の任意の段階で添加配合する方法、
リン化合物とをポリエステルの製造反応工程で添加し、
ポリエステルにリン元素を含有させ、該ポリエステルと
無機粒子を配合・混練する方法、リン化合物とともに
ポリエステルおよび無機粒子とを配合・混練する方法、
リン化合物を配合・処理した無機粒子とポリエステル
とを配合・混練する方法等を挙げることができる。中で
も無機粒子をポリエステルに効率よく高濃度に含有させ
る、あるいは無機粒子の粒子分散性、溶融製膜時の熱安
定性、フィルムなどに成形加工する際の延伸製膜性、成
形品の白色性等の品質特性などの点から、リン化合物を
配合・処理した無機粒子とポリエステルとを配合・混練
する方法が好ましく、特にはリン化合物で表面処理した
無機粒子をポリエステルと混練する方法が特に好まし
い。
【0022】この際の、無機粒子の表面処理に使用する
リン化合物量は、特に限定されるものではないが、無機
粒子に対して0.01重量%以上が好ましく、より好ま
しくは0.1重量%〜20重量%、さらに好ましくは
0.5重量%〜15重量%である。無機粒子に対して
0.01重量%未満であると、無機粒子の分散性が劣っ
たり、ポリエステル組成物の高温滞留時に異物発生、発
泡が生じるため好ましくない場合がある。
【0023】また、無機粒子の表面処理方法は特に限定
されるものではないが、無機粒子と表面処理に使用する
化合物を物理的に混合する方法を挙げることができ、例
えばロールミル、高速回転式粉砕機、ジェトミル等の粉
砕機、あるいはナウタミキサー、リボンミキサー、ヘン
シェルミキサー等の混合機を使用することができる。さ
らに、この表面処理条件も、温度・時間を適宜本発明の
目的に合わせ設定することができる。
【0024】本発明における無機粒子含有ポリエステル
組成物は、得られるポリエステル組成物中の無機粒子の
粒子分散性、フィルムなどに成形する際の溶融工程時の
熱安定性、延伸製膜性の点から、組成物のカルボキシル
末端基濃度を35当量/ポリエステル106 g以下とす
る必要があり、好ましくは30当量/ポリエステル10
6 g以下であり、より好ましくは27当量/ポリエステ
ル106 g以下、さらに好ましくは25当量/ポリエス
テル106 g以下、特に好ましくは20当量/ポリエス
テル106 g以下である。無機粒子含有ポリエステル組
成物のカルボキシル末端基濃度が35当量/ポリエステ
ル106 gを越えると無機粒子の粒子分散性に劣った
り、フィルムなどに成形する際の溶融工程時の熱安定
性、延伸製膜性に劣る。
【0025】本発明の無機粒子含有ポリエステル組成物
のカルボキシル末端基濃度を35当量/ポリエステル1
6 g以下とする方法としては、例えば上述した無機粒
子含有ポリエステル組成物を製造する際に、リン化合物
を配合・処理した無機粒子とポリエステルとを押出機、
特にはベント式の押出機などで混練する方法、またこの
際に温度、時間、スクリュウーなどの混練条件を適宜変
更したり、さらにはポリエステルとしてポリエステル微
粉末を使用する方法を挙げることができるが、特に限定
されるものではない。
【0026】さらに、本発明における無機粒子含有ポリ
エステル組成物は、フィルムなどに成形する際の延伸製
膜性、および得られるフィルムなどの成形品の白色性、
隠蔽性、機械特性の点から、昇温結晶化温度(Tcc)
とガラス転移温度(Tg)との差が下記式を満足する必
要があり、 30≦Tcc−Tg≦60 好ましくは、32≦Tcc−Tg≦58であり、より好
ましくは33≦Tcc−Tg≦55、さらに好ましくは
35≦Tcc−Tg≦53である。ポリエステル組成物
の昇温結晶化温度(Tcc)とガラス転移温度(Tg)
との差が30未満の場合には、ポリエステル組成物の結
晶性が高く、フィルムなどに成形加工する際に、延伸製
膜性に劣る。一方、差が60を越えると、得られるフィ
ルムなどの成形品の白色性、隠蔽性、機械特性に劣り好
ましくない。
【0027】本発明の無機粒子含有ポリエステル組成物
の融点は、フィルムなどに成形する際の製膜延伸性、お
よび得られるフィルムなどの成形品の白色性、隠蔽性、
機械特性の点から、融点が240℃以上とすることが好
ましく、より好ましくは242℃以上であり、さらに好
ましくは243℃以上、特に好ましくは245℃以上で
ある。無機粒子含有ポリエステル組成物の融点が240
℃未満であると得られるフィルムなどの成形品の白色
性、隠蔽性、機械特性に劣り好ましくない場合がある。
【0028】本発明における無機粒子含有ポリエステル
組成物が、上述した熱特性を有するための方法は、特に
限定されるものではなく、例えば、上述した本発明のポ
リエステルに無機粒子を含有させる際に、ポリエステル
として共重合ポリエステルを使用する方法を採用するな
どによって達成することができる。共重合ポリエステル
としては特に限定されることはなく、例えば、本発明の
ポリエステルに、ポリエステルを構成する酸成分または
グリコール成分以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカ
ルボン酸および脂環族ジカルボン酸等の酸成分、芳香族
グリコール、脂肪族グリコールおよび脂環族グリコール
等のグリコール成分を共重合することによって得ること
ができる。具体的な共重合成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、フタル
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シ
ュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー
酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカル
ボン酸等の脂環族ジカルボン酸を挙げることができる。
これらのジカルボン酸成分のうちテレフタル酸、イソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸がフィルムなどに成形する際の延伸製
膜性の点から好ましい。これらの酸成分は、一種のみ用
いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、グリコ
ール成分としてはエチレングリコール,1,4−ブタン
ジオール,1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,10−デカンジオール等の脂肪族グリコー
ル、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等
の脂環族グリコールなどを挙げることができる。中でも
エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
がフィルムなどに成形する際の延伸製膜性の点から好ま
しい。上記したこれらの酸成分は、一種のみ用いてもよ
く、二種以上を併用してもよい。また、これらの共重合
成分は、ポリエステルを製造する際に副生するものであ
ってもよい。
【0029】共重合成分量は特に限定されるものではな
いが得られるフィルムなどの成形品の白色性、隠蔽性、
機械特性の点から、10モル%以下の共重合量が好まし
く、より好ましくは8モル%以下、さらに好ましくは5
モル%以下、特に好ましくは4モル%以下である。共重
合成分量が10モル%を越えるとフィルムなどの成形加
工する際の、延伸製膜性は改良されるものの、得られる
フィルムなどの成形品の白色性、隠蔽性、機械特性など
が劣る場合がある。
【0030】本発明は、上述したように無機粒子を含有
するポリエステル組成物であって、該ポリエステル組成
物のカルボキシル末端基濃度が35当量/ポリエステル
106 g以下、かつ昇温結晶化温度(Tcc)とガラス
転移温度(Tg)との差が下記式を満足してなることを
特徴とするポリエステル組成物およびそれからなるフィ
ルムなどの成形品である。
【0031】30≦Tcc−Tg≦60
【0032】本発明のポリエステル組成物は、カルボキ
シル末端基濃度が低いために無機粒子の粒子分散性、フ
ィルムなどに成形加工する際の溶融熱安定性に優れると
ともに、さらに特定の熱特性を有するためにフィルムな
どの成形加工する際の延伸製膜性に優れるといった特徴
があり、得られるフィルムなどの成形品の白色性、隠蔽
力、機械特性などにも優れる。
【0033】本発明のポリエステル組成物から各種の成
形品を得る方法は特に限定されるものではないが、溶融
紡糸によって繊維、押出し成形あるいは射出成形などに
よって各種の成型品、また、溶融押出しによってシート
状あるいはその後延伸することでフィルムを製造するこ
とができる。得られる各種の成形品は滑り性、光沢性、
白色性、隠蔽性などに優れたものである。
【0034】本発明のポリエステル組成物からなるフィ
ルムの具体的な製造方法を説明するとポリエステル組成
物を乾燥後、溶融押出しして、未延伸シートとし、続い
て二軸延伸、熱処理し、フィルムにする。二軸延伸は
縦、横逐次延伸あるいは二軸同時延伸のいずれでもよ
く、延伸倍率は特に限定されるものではないが通常は
縦、横それぞれ2.0〜5.0倍が適当である。また、
二軸延伸後、さらに縦、横方向のいずれかに再延伸して
もよい。この際本発明のポリエステル組成物と各種のポ
リエステルと混合して無機粒子の含有量を目的に応じて
適宜変更することができる。また、混合する各種のポリ
エステルは本発明のポリエステル組成物のベースとなる
ポリエステルと同一であっても、異なってもよい。
【0035】上述の方法でポリエステル組成物から本発
明のフィルムを得ることができる。本発明のフィルムは
特に限定されないが、表面光沢性、白色性、機械特性に
優れたフィルム等の成形品を得るための好ましい無機粒
子の含有量としては、5重量%以上であり、より好まし
くは5〜85重量%、さらに好ましくは7〜80重量
%、特に好ましくは10〜80重量%である。ポリエス
テル中の無機粒子の含有量が5重量%未満であると白色
性、隠蔽性に劣る場合がある。
【0036】本発明の白色フィルムは、白色性、隠蔽性
の点から、後に定義する白度は60%以上が好ましく、
より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以
上、特に好ましくは80%以上である。白度が60%未
満であると白色性、隠蔽性に劣り好ましくない場合があ
る。
【0037】さらに、本発明の白色ポリエステルフィル
ムは、フィルムの密度が1.50g/cm3 以下が好ま
しく、より好ましくは1.40g/cm3 以下、さらに
好ましくは0.5〜1.35g/cm3 、特には0.6
〜1.30g/cm3 である。密度が1.50g/cm
3 を越える場合は白色性、隠蔽性に劣り好ましくない場
合がある。
【0038】なお、本発明のポリエステル組成物および
成形品には、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン等、また各種の添加剤、
例えばカルボジイミド、エポキシ化合物などの末端封鎖
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性
剤、顔料、蛍光増白剤等、さらに、有機粒子、例えばア
クリル酸類、スチレンなどを構成成分とする有機粒子も
必要に応じて適宜含有していてもよい。
【0039】また本発明のフィルムは、本発明のポリエ
ステル組成物からなる層と他のポリエステル層からなる
複合フィルムであってもよい。その際の積層構成は二層
以上であれば特に限定されるものでない。例えば、本発
明のポリエステル組成物からなる層の少なくとも片面に
他のポリエステルからなる層、例えば透明なポリエステ
ルの層、粗面化層、極性基や親水基を有する層を積層し
てもよい。これらの層の厚みは特に限定されないが、
0.001〜20μmが好ましい。これらの複合フィル
ムは、白色性に加えて、優れた表面光沢性、逆に粗面化
により艶消し性や筆記性が良好となる。
【0040】さらに、本発明のポリエステルフィルム
は、フィルムの接着性のために、その少なくとも片面に
易接着層を設けてもよい。易接着層の種類については特
に限定されるものではなく、例えばアクリル酸、メチル
メタクリレート、メチルアクリレートなどを用いて調整
されるアクリル系樹脂、イソフタル酸、アジピン酸、エ
チレングリコール、ポリエチレングリコールなどと、ジ
イソシアネートとから調整されるポリウレタン系樹脂、
テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−
スルホイソフタル酸の金属塩、イソフタル酸、アジピン
酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコールなど
を用いて調整されるポリエステル系樹脂等を挙げること
ができ、これらの中でも水分散または水溶性樹脂が接着
性、取扱い性の点から好ましい。ポリエステルフィルム
の少なくとも片面に易接着層を設ける方法は特に限定さ
れるものではないが、例えばポリエステルフィルムの製
造工程中で、上述したアクリル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂等の水分散または水溶液を従
来公知のリバースコート法、グラビアコート法、ダイコ
ート法、ワイアーバー法などを用いて塗布することが好
ましい。また、易接着層の厚みは特に限定されるもので
はないが、接着性の点から、0.001〜5.0μmの
範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜2.0μ
m、さらには0.05〜0.5μmが好ましい。
【0041】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。
【0042】実施例中の特性は次のようにして測定し
た。
【0043】A.無機粒子の比表面積、粒子径 比表面積はBET法表面積測定装置で測定し、また、粒
子径は堀場製作所製超遠心式粒度分布測定装置 CAP
A−700を用いて測定した。
【0044】B.リン元素量 無機粒子、ポリエステル組成物を酸で湿式分解し、リン
モリブデンブルー比色法で測定した。
【0045】C.ポリエステルの固有粘度 o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0046】D.ポリエステル組成物中の無機粒子分散
性 粒子分散性は、無機粒子含有ポリエステル組成物を透過
型電子顕微鏡観察によって判定した。
【0047】 ○:凝集粒子あるいは粗大粒子は観察されない。 △:凝集粒子あるいは粗大粒子がわずかに観察される。 ×:凝集粒子あるいは粗大粒子が多く観察される。
【0048】E.ポリエステル組成物のカルボキシル末
端基濃度 Mauriceの方法に準じた。ポリエステル組成物2
gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)5
0mlに溶解し、N/20−NaOHメタノール溶液に
よって滴定し、カルボキシル末端基濃度を測定し、当量
/ポリエステル106 gの値で示した。
【0049】F.ポリエステル組成物の熱特性 示差走査熱量計(パーキン・エルマー社製DSC−4
型)を使用し、16℃/minの昇温速度で、300℃
まで昇温・溶融し、次いで急冷後、再度300℃まで昇
温し、ガラス転移温度(Tg)、昇温結晶化温度(Tc
c)、融点(Tm)を測定した。
【0050】G.ポリエステル組成物の耐熱性 無機粒子含有ポリエステル組成物を十分乾燥した後、窒
素雰囲気下で300℃、8時間溶融加熱処理し、その時
の発泡状態、変色などを観察した。
【0051】H.フィルムの密度 見掛け密度をASTM−D−1505−68により測定
した。
【0052】I.フィルムの白色性 日立自記分光光度計EPE−2を用いてタングステン光
源で測定した450nmおよび550nmの厚さ75μ
mのフィルム各反射率R450 およびR550 から次式によ
って算出した。
【0053】白度(%)=4R450 −3R550
【0054】J.フィルムの隠蔽性 マクベス社透過濃度計TD−504で、厚さ75μmの
フィルムの可視光線透過濃度を測定し、隠蔽性とした。
ここでいう透過濃度は次式より算出した。
【0055】O・D=−log(T/100) ここで O・D;透過濃度[−] T ;可視光透過率[%]
【0056】K.フィルムの光沢性 JIS Z84741に従い、60度鏡面光沢を測定
し、フィルムの光沢度を測定した。
【0057】L.フィルムの強度 ヤング率はJIS−Z1702−1976に準じて、幅
10mm、長さ100mmの短冊片を試料として、20
mm/分の引っ張り速度で測定したフィルムの縦および
横方向の平均値。
【0058】実施例1 平均粒子径1.1μm、比表面積8.0m2 /gのカル
サイト型天然炭酸カルシウムの粉体を容器固定型混合機
である(株)カワタ製スーパーミキサー内に仕込み、回
転翼の回転数760rpmで攪拌しながら昇温し、缶内
温度が40℃に達した時点で、リン化合物としてリン酸
トリメチルを炭酸カルシウムに対して5重量%となるよ
うに噴霧させながら添加した。その後10分間混合し、
表面処理した。得られた炭酸カルシウム中のリン元素量
を比色法によって測定したところ8300ppm含まれ
ていた。
【0059】表面処理した炭酸カルシウム15重量部と
固有粘度0.65dl/gのJIS標準ふるいで35メ
ッシュ以下の粒度(JIS Z8801規格標準網ふる
いでふるい目開きが0.42mmのふるいを通過する粒
度)を有するイソフタル酸3モル%およびジエチレング
リコール2モル%を共重合したポリエチレンテレフタレ
ートの微粉末85重量部とを混合した後、フィダーを用
いベント式二軸押出機に供給し、ベント口を10tor
rの真空度に保持し、温度285℃、滞留時間1分で混
練し、炭酸カルシウムを15重量%含有するポリエステ
ル組成物を得た。混練時に異物の発生もなく、発泡も見
受けられなかった。また、得られた組成物のカルボキシ
ル末端基濃度は24当量/ポリエステル106 gであ
り、組成物中の炭酸カルシウムの粒子分散性も良好であ
った。ポリエステル組成物の熱特性を測定した結果、融
点(Tm)は250℃であり、ガラス転移温度(Tg)
78℃、昇温結晶化温度(Tcc)130℃で、昇温結
晶化温度(Tcc)とガラス転移温度(Tg)との差は
52であった。さらに組成物中のリン元素量を比色法に
よって測定したところ350ppmであった。該ポリエ
ステル組成物を窒素雰囲気下で300℃、8時間溶融加
熱処理し、耐熱性を測定した結果、溶融加熱処理時に発
泡も認められず、変色も観察されず、耐熱性に優れてい
た。
【0060】一方、得られた炭酸カルシウム含有ポリエ
ステル組成物を十分乾燥した後、押出し機に供給して2
85℃で溶融し、T型口金よりシート状に押し出し、3
0℃の冷却ドラムで冷却固化せしめ未延伸フィルムを得
た。次いで未延伸フィルムを95℃に加熱して縦方向に
3.3倍延伸し、さらに100℃に加熱して横方向に
3.3倍延伸し、200℃で加熱処理して、延伸製膜を
1時間行い、厚さ75μmのフィルムを得た。1時間の
延伸製膜の間、フィルム破れなどの発生もなかった。得
られたフィルムの特性結果を表3に示す。
【0061】密度は1.25g/cm3 で白色性、隠蔽
性、光沢性、ヤング率ともに優れていた。
【0062】比較例1 リン化合物で表面処理していない炭酸カルシウムを使用
し、ポリエステルはポリエステルチップ(縦4mm、横
4mm、厚さ3mm形状)の形状のものを使用した以外
は、実施例1と同様の方法で、炭酸カルシウム含有ポリ
エステル組成物および該組成物を用いフィルムを得た。
表1,2,3に各種特性結果を示した。
【0063】ベント式二軸押出機を用いて炭酸カルシウ
ム含有ポリエステル組成物を製造する際に、ポリマ中に
発泡が生じ、得られた組成物のカルボキシル末端基濃度
は50当量/ポリエステル106 gであり、組成物中の
炭酸カルシウムの粒子分散性は劣るものであった。ま
た、該ポリエステル組成物の熱特性を測定した結果、昇
温結晶化温度(Tcc)とガラス転移温度(Tg)との
差は49であった。また、該ポリエステル組成物を窒素
雰囲気下で300℃、8時間溶融加熱処理し、耐熱性を
調査した結果、溶融加熱処理時に発泡が認められ、変色
し、耐熱性に劣っていた。該ポリエステル組成物のフィ
ルム溶融製膜時にフィルム中に発泡に起因する気泡が認
められたり、異物が確認され、さらにフィルム破れが多
発し、満足なフィルムを得ることができなかった。得ら
れたフィルムは白色性、隠蔽性等の特性に劣るものであ
った。
【0064】実施例2〜7 無機粒子の種類および量、リン化合物の種類および量、
ポリエステルの種類、を変更した以外は、実施例1と同
様の方法で本発明の範囲内のカルボキシル末端基濃度、
熱特性を有する無機粒子含有ポリエステル組成物を得、
引続き該組成物を用いフィルムを得た。表1,2,3に
各種特性結果を示した。
【0065】いずれもベント式二軸押出機を用いた無機
粒子含有ポリエステル組成物の製造する際の、ポリマの
発泡や異物発生は認められず、無機粒子の粒子分散性も
良好であり、該ポリエステル組成物を窒素雰囲気下で3
00℃、8時間溶融加熱処理し、耐熱性を調査した結
果、溶融加熱処理時に発泡、変色も観察されず、耐熱性
に優れていた。さらに該ポリエステル組成物を使用した
フィルムの延伸製膜性も良好で、得られたフィルム特性
にも優れるものであった。
【0066】比較例2 リン化合物で表面処理した炭酸カルシウムとポリエステ
ルとをベント式二軸押出機で混練する際に、混練温度、
時間を変更した以外は、実施例1と同様の方法でにカル
ボキシル末端基濃度40当量/ポリエステル106 gの
炭酸カルシウム含有ポリエステル組成物を得、引続き該
ポリエステル組成物を用いフィルムを得た。
【0067】表1,2,3に各種特性結果を示した。
【0068】ポリエステル組成物中には炭酸カルシウム
粒子の凝集粒子が観察された。また、該ポリエステル組
成物を窒素雰囲気下で300℃、8時間溶融加熱処理
し、耐熱性を調査した結果、溶融加熱処理時にやや発泡
し、変色も観察され、耐熱性に劣っていた。さらに該ポ
リエステル組成物を使用し、フィルムを製造する際に、
時々発泡が認められ、フィルム破れが発生し、製膜性に
劣ったり、得られたフィルムは白度などの特性にやや劣
るものであった。
【0069】比較例3 ポリエステルの種類を変更した以外は、実施例1と同様
の方法で、炭酸カルシウム含有ポリエステル組成物およ
び該組成物を用いフィルムを得た。表1,2,3に各種
特性結果を示した。
【0070】得られたポリエステル組成物のカルボキシ
ル末端基濃度は、25当量/ポリエステル106 g、熱
特性を測定した結果、昇温結晶化温度(Tcc)とガラ
ス転移温度(Tg)との差は62であった。ポリエステ
ル組成物中の、粒子分散性は良好であったが、該ポリエ
ステル組成物を使用してフィルム溶融製膜を行ったが、
延伸製膜時に、時々フィルム破れが発生したり、得られ
たフィルム特性も劣るものであった。
【0071】
【表1】
【0072】TMPA:リン酸トリメチル MMPA:リン酸モノメチル IPA :イソフタル酸 DEG :ジエチレングリコール
【表2】
【表3】
【0073】
【発明効果】本発明は上述したように、多量の無機粒子
を含有し、かつ特定のカルボキシル末端基濃度および熱
特性を有するポリエステル組成物およびそれからなるフ
ィルムなどの成形品であり、ポリエステル組成物中の無
機粒子の粒子分散性が良好で、さらにフィルムなどに成
形加工する際の溶融熱安定性、延伸製膜性に優れ、得ら
れるフィルムなどの成形品は、白色性、隠蔽性、機械特
性などの特性に優れる。該フィルムなどの成形品は、印
画紙、X線増感紙、受像紙、磁気記録カード、ラベル、
宅配便などの配送伝票、表示板、白板などの基材として
好適に使用することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機粒子を5重量%以上含有するポリエス
    テル組成物であって、該ポリエステル組成物のカルボキ
    シル末端基濃度が35当量/ポリエステル106g以下
    であり、かつ昇温結晶化温度(Tcc)とガラス転移温
    度(Tg)との差が下記式を満足してなることを特徴と
    するポリエステル組成物。 30≦Tcc−Tg≦60
  2. 【請求項2】無機粒子が炭酸金属塩、ケイ酸化合物、硫
    酸バリウム、硫化亜鉛よりなる群の中から選ばれた少な
    くとも一種の粒子であることを特徴とする請求項1に記
    載のポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】ポリエステルが共重合ポリエステルである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステ
    ル組成物。
  4. 【請求項4】共重合ポリエステルが、芳香族ジカルボン
    酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、および
    脂肪族ジオール、脂環式ジオールよりなる群の中から選
    ばれた少なくとも一種の成分を共重合してなることを特
    徴とする請求項3に記載のポリエステル組成物。
  5. 【請求項5】ポリエステルの融点が240℃以上である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    ポリエステル組成物。
  6. 【請求項6】ポリエステル組成物がリン元素を50pp
    m以上含有してなることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載のポリエステル組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ
    エステル組成物からなる成形品。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ
    エステル組成物からなるフィルム。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のフィルムが白色であるこ
    とを特徴とする白色ポリエステルフィルム。
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