JP3360466B2 - 白色フィルム - Google Patents

白色フィルム

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JP3360466B2
JP3360466B2 JP02658695A JP2658695A JP3360466B2 JP 3360466 B2 JP3360466 B2 JP 3360466B2 JP 02658695 A JP02658695 A JP 02658695A JP 2658695 A JP2658695 A JP 2658695A JP 3360466 B2 JP3360466 B2 JP 3360466B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は白色フィルムに関するも
のであり、詳しくはリン化合物共重合ポリエステルとF
T−IRの拡散反射法によって得られたスペクトルで1
000〜1200cm-1間に吸収バンドを有する炭酸カ
ルシウムおよび/または炭酸カルシウム含有ポリエステ
ル組成物とを含有してなる白色フィルムに関するもので
あり、さらに詳しくは、印画紙、X線増感紙、カード、
ラベル、表示板、白板などの基材として好適な白色フィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有してお
り、繊維、フイルム、その他の成形品として広く使用さ
れている。特にこれらの用途の中でカード、ラベル、表
示板、白板などの基材として白色フイルムが使用されて
いる。
【0003】従来、白色フイルムを得るために白色の無
機粒子を多量にポリエチレンテレフタレートに添加する
ことはよく知られている。例えば、特公昭59−490
1号公報では酸化チタンと硫酸バリウムを多量に添加し
たり、特公昭60−30930号公報では硫酸バリウム
を多量に添加したり、特公昭60−30930号公報さ
らには、特公昭43−12013号公報では多量の炭酸
カルシウムを添加すること、また特開昭51−2814
1号公報、特開昭61−209260号公報には無機充
填剤粉末や白色無機顔料を高濃度に混練する方法などが
知られている。しかし、上記従来技術において、硫酸バ
リウムを添加したものは粒子の分散性に劣り、得られた
ポリエステルを使用してフイルム成形した場合には十分
な白度、隠蔽力、光沢性を有するフイルムが得られな
い。一方、酸化チタンを添加したものは粒子の屈折率が
高いため隠蔽力は優れているものの、例えば、450n
m以下の低波長領域での分光反射率の低下が認められ、
十分な白度を有するフイルムが得られない。
【0004】さらに、特公昭43−12013号公報に
開示されているような、単に炭酸カルシウムを高濃度に
含有したポリエステルや、特開昭51−28141号公
報、特開昭61−209260号公報に開示されている
ような方法で、単に炭酸カルシウムをポリエステル中に
高濃度に含有させる場合には、炭酸カルシウムとポリエ
ステルとの相互作用・反応によって、 ポリエステル中で炭酸カルシウム粒子が凝集する ポリエステル組成物が高温滞留した場合に、変性し、
異物となる ポリエステル組成物が高温滞留した場合に、発泡する
などし、溶融熱安定性の良好なポリエステルが得られな
い。
【0005】この結果、該ポリエステル組成物から得ら
れるフイルムは白度、隠蔽性、表面平滑性に劣る。
【0006】また、上記した欠点を解決するために特開
昭62−207337号公報では、ポリエステルと炭酸
カルシウムおよびリン化合物の混合物を単に溶融押出し
た後、フイルムを製造する方法、特開昭63−6622
2号公報ではポリエステルの反応系に炭酸カルシウムお
よびリン化合物を添加する方法が開示されている。
【0007】一方、特開平6−271682号公報で
は、フイルムの透明性、滑り性、削れ性改良のため、溶
融時のポリマー熱安定性に優れ、炭酸カルシウム粒子の
ポリエステルに対する分散性および親和性の向上させた
ポリエステル組成物を製造する目的で、粉体状態の炭酸
カルシウムと特定量のリン原子含有ポリエステルとをベ
ント式混練押出機で混練する方法が開示されている。
【0008】しかし、ポリエステルと炭酸カルシウムお
よびリン化合物を単に混練する方法、ポリエステルの反
応系に炭酸カルシウムおよびリン化合物を添加する方
法、あるいは単に粉体状態の炭酸カルシウムと特定量の
リン原子含有ポリエステルとをベント式混練押出機で混
練する方法では、上述した炭酸カルシウムとポリエステ
ルとの相互作用・反応によって生じる種々の問題をある
程度は改良することができるが、充分に炭酸カルシウム
とポリエステルとの相互作用・反応を抑制することがで
きず、炭酸カルシウムを効率よく高濃度に含有させるこ
とが困難であったり、粒子の分散性改良効果、またポリ
マが高温滞留した場合の異物発生、発泡抑制効果が十分
でない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多量
の白色無機粒子をポリエステルに含有させ白色性、隠蔽
性、光沢性に優れた成形品を得るために、リン化合物共
重合ポリエステルとFT−IRの拡散反射法によって得
られたスペクトルで1000〜1200cm-1間に吸収
バンドを有する炭酸カルシウムおよび/または炭酸カル
シウム含有ポリエステル組成物とを含有してなる白色フ
ィルムを用いることによって、上記した従来の欠点を解
決することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、リン化合物共重合ポリエステル(A)と本文中に規
定したFT−IRの拡散反射法によって得られたスペク
トルで1000〜1200cm-1間に吸収バンドを有す
る炭酸カルシウム(B)および/または炭酸カルシウム
含有ポリエステル組成物(C)とを含有してなり、次式
で規定される透過濃度(O・D)が0.6以上であるこ
とを特徴とする白色フィルムによって達成できる。 O・D=−log(T/100) T;可視光透過率[%](厚み50μm)
【0011】本発明のポリエステルはジカルボン酸もし
くはエステル形成性誘導体とジオールとのエステル化も
しくはエステル交換反応ならびに引続く重縮合反応によ
って製造できる。ポリエステルの種類については繊維、
フイルム、その他の成形品に成形しうるものであれば特
に限定されない。繊維、フイルム、その他の成形品に成
形しうる好適なポリエステルとしてはジカルボン酸成分
として芳香族ジカルボン酸を使用したものがよく、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−
オキシベンゾエート、ポリエチレン−1,2−ビス(2
−クロロフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボキシ
レート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エ
タン−4,4´−ジカルボキシレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレンカルボキシレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタ
レート等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレンカルボキシレー
ト、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。もちろん
これらのポリエステルはホモポリエステルであっても、
コポリエステルであってもよく、共重合成分としては、
例えば、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、フタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジフェニルジカル
ボン酸、4,4´−スルホニルジ安息香酸等のジカルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体、トリメリット
酸、ピロメリット酸等の多官能カルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体、p−オキシエトキシ安息香酸等の
オキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体等、
さらには、エチレングリコール、ブタンジオール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジ
メタノール、平均分子量200〜20000のポリアル
キレングリコール等が挙げられる。
【0012】本発明のポリエステル組成物は、リン化合
物共重合ポリエステル(A)とFT−IRの拡散反射法
によって得られたスペクトルで1000〜1200cm
-1間に吸収バンドを有する炭酸カルシウム(B)および
/または炭酸カルシウム含有ポリエステル組成物(C)
を含有してなるポリエステル組成物である。その製造方
法は特に限定されるものではないが、例えばリン化合
物共重合ポリエステル(A)とFT−IRの拡散反射法
によって得られたスペクトルで1000〜1200cm
-1間に吸収バンドを有する炭酸カルシウム(B)および
/または炭酸カルシウム含有ポリエステル組成物(C)
を直接、通常の一軸、二軸押出し機またはベント式の一
軸、二軸押出し機を用いて溶融混練する、あるいは予め
ブレンダー、ミキサーなどで混合した後、溶融混練する
方法、リン化合物共重合ポリエステル(A)を製造し
た後に、その製造工程内で炭酸カルシウム(B)および
/または炭酸カルシウム含有ポリエステル組成物(C)
を溶融混練する方法などを挙げることができる。中でも
炭酸カルシウムの粒子分散性、得られるポリエステル組
成物の品質安定性、高温下で滞留した場合のポリマの発
泡性、炭酸カルシウムに起因する異物発生などの点か
ら、通常の一軸あるいは二軸押出し機またはベント式の
一軸あるいは二軸押出し機を用いて溶融混練する方法が
好ましく、さらにはベント式の一軸あるいは二軸押出し
機を用いて溶融混練する方法が好ましい。ベント式の押
出し機で混練して製造する方法は特に限定されるもので
はないが、例えば、押出し条件はポリエステルの融点以
上、滞留時間は2時間以内、好ましくは1分〜1時間で
あり、ベントは分解ガス成分、低揮発成分の除去および
ポリエステルの分解抑制のため真空度をできる限り10
0torr以下、好ましくは10torr以下、さらに
は2torr以下とすることが好ましい。
【0013】本発明のリン化合物共重合ポリエステル
(A)は、リン化合物が共重合されている必要がある。
ポリエステルに共重合するリン化合物としては、リン元
素を含有し、かつポリエステルに共重合し得る化合物で
あれば特に限定されるものではない。例えば、リン酸、
亜リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、ホスフィンオキ
シドおよびそれらの誘導体などが挙げられる。具体的に
はリン酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン
酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、
リン酸モノあるいはジメチルエステル、ジメチルホスフ
ィン酸、フェニルホスフィン酸、2−カルボキシエチル
−メチル−ホスフィン酸、フェニルホスホン酸ジメチル
エステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、トリ
ブチルホスフィンオキシド、トリス−3−ヒドロキシプ
ロピルホスフィンオキシドなどを挙げることができる。
【0014】上述のリン化合物をポリエステルに共重合
させる方法は特に限定されるものではなく、例えばポリ
エステル製造時の任意の段階でリン化合物を添加する方
法等を採用することができる。
【0015】リン化合物共重合ポリエステル(A)中の
リン元素量は特に限定されるものではないが、得られる
ポリエステル組成物中の炭酸カルシウムの粒子分散性、
ポリエステル組成物の品質安定性、高温下で滞留した場
合のポリマの発泡性、炭酸カルシウムに起因する異物発
生などの点から、ポリエステル中のリン元素量は200
ppm以上が好ましく、より好ましくは300ppm以
上、さらに好ましくは500ppm以上、特に好ましく
は1000ppm以上である。ポリエステル中のリン元
素含有量が200ppm未満であると、得られるポリエ
ステル組成物中の炭酸カルシウムの粒子分散性に劣った
り、ポリエステル組成物が高温下で滞留した場合、ポリ
マが発泡したり、炭酸カルシウムに起因する異物発生す
る場合がある。
【0016】本発明の炭酸カルシウム(B)はFT−I
Rの拡散反射法によって得られたスペクトルで1000
〜1200cm-1間に吸収バンドを有する必要があり、
1000〜1200cm-1間に吸収バンドを示さないも
のは、炭酸カルシウムの粒子分散性、ポリエステル組成
物の高温滞留時の異物発生、発泡性に劣る。
【0017】本発明のFT−IRの拡散反射法によって
得られたスペクトルとは、炭酸カルシウムのFT−IR
(バイオラットデジラボ社製FTS60A/896 分
解能4cm-1)の拡散反射法によって測定したスペクト
ルと通常の何も処理していない炭酸カルシウムのスペク
トルとの差スペクトルをいい、本発明の炭酸カルシウム
は、この差スペクトルで1000〜1200cm-1間に
吸収バンドを有する必要がある。
【0018】本発明の炭酸カルシウム(B)を得る方法
は、特に限定されるものではないが、例えば炭酸カルシ
ウムを各種の処理剤で表面処理することによって得るこ
とができる。各種の表面処理剤の中でも、特にリン化合
物で表面処理することが好ましい。表面処理に使用する
リン化合物は特に限定されることはないが、例えばリン
酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸およびそれら
の誘導体などを挙げることができる。具体的にはリン
酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリ
ブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸
モノあるいはジメチルエステル、ジメチルホスフィン
酸、フェニルホスフィン酸、2−カルボキシエチル−メ
チル−ホスフィン酸、フェニルホスホン酸ジメチルエス
テル、フェニルホスホン酸ジエチルエステルなど、また
リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸マグネシ
ウム、リン酸マンガン等のリン酸金属塩類、さらにはリ
ン酸アンモニウム等のリン化合物を挙げることができ
る。得られるポリエステル組成物中の炭酸カルシウムの
粒子分散性、ポリエステル組成物の品質安定性、高温下
で滞留した場合のポリマの発泡性、炭酸カルシウムに起
因する異物発生などの点から、上述のリン化合物として
は、リン酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸およ
びそれらの誘導体またはリン酸金属塩類が好ましく、さ
らに好ましくはリン酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ホス
ホン酸またはそれらの炭素数3以下のアルキルエステル
化合物である。また、これらのリン化合物は二種以上を
併用してもよい。 また、炭酸カルシウムの表面処理に
使用するリン化合物量は、特に限定されるものではない
が、本発明の目的の点から炭酸カルシウムに対して0.
1重量%以上が好ましく、さらには0.5〜20重量
%、特には2.0〜15重量%が好ましい。炭酸カルシ
ウムの対して0.1重量%未満であると炭酸カルシウム
の粒子分散性が劣ったり、ポリエステル組成物の高温滞
留時に異物発生、発泡が生じる場合がある。
【0019】炭酸カルシウム(B)に含まれるリン元素
の量は特に限定されるものではないが、リン元素が10
0ppm以上含まれていることが好ましく、より好まし
くは300〜30000ppm、さらに好ましくは50
0〜20000ppmである。リン元素の量が100p
pm未満であると炭酸カルシウムの粒子分散性が劣った
り、ポリエステル組成物の高温滞留時に異物発生、発泡
が生じる場合がある。
【0020】さらに、炭酸カルシウムのリン化合物によ
る表面処理方法は特に限定されるものではないが、炭酸
カルシウムとリン化合物を物理的に混合する方法を挙げ
ることができ、例えばロールミル、高速回転式粉砕機、
ジェトミル等の粉砕機、あるいはナウタミキサー、リボ
ンミキサー、ヘンシェルミキサー等の混合機を使用する
ことができる。
【0021】本発明の炭酸カルシウム(B)はFT−I
Rの拡散反射法によって得られたスペクトルで1000
〜1200cm-1間に吸収バンドを有することに特徴が
あり、該吸収バンドは炭酸カルシウムをリン化合物で表
面処理することによって確認されるようになる。この特
有の吸収バンドを有する炭酸カルシウムを使用すること
で、炭酸カルシウムの表面活性を抑制することができ、
炭酸カルシウムの粒子分散性が向上し、かつポリエステ
ル組成物の高温滞留時の異物発生、発泡性が抑制でき
る。この吸収バンドは炭酸カルシウムの表面がリン化合
物で処理された結果生じたもので、リン酸金属塩由来の
ものと推定される。
【0022】本発明の炭酸カルシウムは天然品、合成品
のいずれであってもよく、またその結晶形態としてはカ
ルサイト、アナゴライト、バテライトのいずれであって
もよいが、ポリエステル組成物中の粒子分散性の点から
天然品が好ましく、結晶形態としてはカルサイトが好ま
しい。また、他の金属化合物、例えば、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等が含まれていて
もよい。
【0023】本発明の炭酸カルシウムの粒子径および比
表面積は特に限定されることはないが粒子径は平均粒子
径で0.01〜20μm、さらには0.1〜10μm、
特には0.2〜5μmが白色性、隠蔽性、光沢性の点で
好ましい。比表面積は0.5〜100m2 /g、さらに
は1〜70m2 /g、特には3〜60m2 /gが白色
性、隠蔽力、光沢性の点で好ましい。粒子径が平均粒子
径で20μmを越えたり、比表面積が0.5m2 /g未
満であると、ポリエステル組成物中の粒子分散性は良好
であるものの、ポリエステル組成物をフイルム成形した
場合、白色性、隠蔽性、光沢性が劣り好ましくない場合
がある。一方、粒子径が平均粒子径で0.01μm未満
であったり、比表面積が100m2 /gを越えると、ポ
リエステル組成物中の粒子分散性が著しく劣ったり、ポ
リエステル組成物が高温の場に滞留した場合に粗大な異
物が発生したり、発泡したり、さらには、高重合度のポ
リエステルが得られないため好ましくない場合がある。
【0024】本発明の炭酸カルシウム含有ポリエステル
組成物(C)は、ポリエステル中に炭酸カルシウムが含
有されているものであれば特に限定されるものでない
が、炭酸カルシウムの粒子分散性、得られるポリエステ
ル組成物の品質安定性、高温下で滞留した場合のポリマ
の発泡性、炭酸カルシウムに起因する異物発生などの点
から、炭酸カルシウム(B)を含有したものが好まし
い。炭酸カルシウムをポリエステルに含有させる方法
は、例えばポリエステルに炭酸カルシウムを配合・添加
する方法などによって得られる。具体的には、ポリエ
ステルに炭酸カルシウムを直接、通常の一軸、二軸押出
し機またはベント式の一軸、二軸押出し機を用いて溶融
混練する、あるいは予めブレンダー、ミキサーなどで混
合した後、溶融混練する方法、ポリエステルの製造工
程の任意の段階で炭酸カルシウムを配合・添加する方法
などを挙げることができる。中でも炭酸カルシウムの粒
子分散性、得られるポリエステル組成物の品質安定性、
高温下で滞留した場合のポリマの発泡性、炭酸カルシウ
ムに起因する異物発生などの点から、通常の一軸あるい
は二軸押出し機またはベント式の一軸あるいは二軸押出
し機を用いて溶融混練する方法が好ましく、さらにはベ
ント式の一軸あるいは二軸押出し機を用いて溶融混練す
る方法が好ましい。ベント式の押出し機で混練して製造
する方法は特に限定されるものではないが、例えば、押
出し条件はポリエステルの融点以上、滞留時間は2時間
以内、好ましくは1分〜1時間であり、ベントは分解ガ
ス成分、低揮発成分の除去およびポリエステルの分解抑
制のため真空度をできる限り100torr以下、好ま
しくは10torr以下、さらには2torr以下とす
ることが好ましい。
【0025】本発明の炭酸カルシウム含有ポリエステル
組成物(C)中の炭酸カルシウム含有量は特に限定され
るものではないが、得られるポリエステル組成物中に炭
酸カルシウムを効率よく高濃度に含有させるためには、
ポリエステル中に5〜90重量%含有することが好まし
く、より好ましくは5重量%を越え、80重量%以下、
さらに好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは1
5〜60重量%である。含有量が5重量%未満である
と、得られるポリエステル組成物をフイルム成形した場
合、フイルムの白色性、隠蔽性が不十分となり好ましく
ない場合がある。含有量が90重量%を越えると、ポリ
エステル組成物中の炭酸カルシウムの粒子分散性が劣っ
たり、ポリエステル組成物の高温滞留時に異物が発生あ
るいは発泡したり、さらには、高重合度のポリエステル
が得られないためフイルム強度が十分でなく好ましくな
い場合がある。
【0026】本発明のポリエステル組成物中の炭酸カル
シウム含有量は特に限定されるものではないが、ポリエ
ステル組成物中に5重量%を越え、80重量%以下含有
することが好ましく、さらに好ましくは20〜70重量
%、特に好ましくは30重量%を越え、60重量%以下
である。含有量が5重量%以下であると、ポリエステル
組成物をフイルムに成形した場合、フイルムの白色性、
隠蔽性が不十分となり好ましくない場合がある。含有量
が80重量%を越えると、ポリエステル組成物中の炭酸
カルシウムの粒子分散性が劣ったり、ポリエステル組成
物の高温滞留時に異物が発生あるいは発泡したり、さら
には、高重合度のポリエステルが得られずにフイルム強
度が十分でない場合がある。
【0027】また、本発明のポリエステル組成物中のリ
ン元素含有量は特に限定されるものではないが、リン元
素含有量は100〜30000ppmが好ましく、より
好ましくは200〜20000pm、さらに好ましくは
300〜10000ppm、特に好ましくは500〜8
000ppmである。リン元素量が100ppm未満で
あるとポリエステル組成物中の炭酸カルシウムの粒子分
散性に劣ったり、ポリエステル組成物の高温滞留時に異
物発生、発泡が生じる場合がある。一方、30000p
pmを越えると高重合度のポリエステルが得られず好ま
しくない場合がある。
【0028】本発明のポリエステル組成物は、上述した
ようにリン化合物共重合ポリエステル(A)とFT−I
Rの拡散反射法によって得られたスペクトルで1000
〜1200cm-1間に吸収バンドを有する炭酸カルシウ
ム(B)および/または炭酸カルシウム含有ポリエステ
ル組成物(C)を含有してなるポリエステル組成物であ
る。リン化合物共重合ポリエステル(A)とFT−IR
の拡散反射法によって得られたスペクトルで1000〜
1200cm-1間に吸収バンドを有する炭酸カルシウム
(B)および/または炭酸カルシウム含有ポリエステル
組成物(C)間で相互になんらかの反応を生ずるため
か、ポリエステル組成物中炭酸カルシウムの粒子分散性
に優れ、炭酸カルシウムをポリエステルに効率よく高濃
度に含有させることができる。また、該ポリエステル組
成物は高温滞留した場合に、発泡したり、異物を発生し
たりすることなく、耐熱性に優れたものである。
【0029】特にベント式の一軸、二軸押出し機を用い
て溶融混練する方法で得た本発明のポリエステル組成物
は上述の特性に優れたものであり、さらに本発明のポリ
エステル組成物を製造する際に、分解ガス成分、低揮発
成分の除去およびポリエステルの分解抑制などの点で好
ましく、かつ炭酸カルシウムをポリエステルに効率よく
高濃度に含有させることができる。
【0030】本発明のポリエステル組成物から各種の成
形品を得る方法は特に限定されるものではないが、溶融
紡糸によって繊維、押出し成形あるいは射出成形などに
よって各種の成型品、また、溶融押出しによってシート
状あるいはその後延伸することでフイルムを製造するこ
とができる。得られる各種の成形品は滑り性、光沢性、
白色性、隠蔽性などに優れたものである。
【0031】本発明のポリエステル組成物からなるフイ
ルムの具体的な製造方法を説明するとポリエステル組成
物を乾燥後、溶融押出しして、未延伸シートとし、続い
て二軸延伸、熱処理し、フイルムにする。二軸延伸は
縦、横逐次延伸あるいは二軸同時延伸のいずれでもよ
く、延伸倍率は特に限定されるものではないが通常は
縦、横それぞれ2.0〜5.0倍が適当である。また、
二軸延伸後、さらに縦、横方向のいずれかに再延伸して
もよい。この際本発明のポリエステル組成物と各種のポ
リエステルと混合して炭酸カルシウムからなる改質剤の
含有量を目的に応じて適宜変更することができる。ま
た、混合する各種のポリエステルは本発明のポリエステ
ル組成物のベースとなるポリエステルと同一であって
も、異なってもよい。
【0032】上述の方法でポリエステル組成物から本発
明のフイルムを得ることができる。本発明のフイルムは
特に限定されないが、白色性、光沢性、隠蔽性に優れた
二軸延伸フイルムを得るためには、フイルム中の炭酸カ
ルシウムの含有量は5重量%を越え、40重量%以下と
することが好ましく、さらには7〜30重量%、特に1
0〜20重量%とすることが好ましい。炭酸カルシウム
の含有量が5重量%以下であると白色性、隠蔽性に劣り
好ましくない場合がある。含有量が40重量%を越える
とフイルムの機械特性に劣り好ましくない場合がある。
またフイルムの密度はフイルムの生産性や機械特性の点
で0.80g/cm3 以上とすることが好ましく、白色
性、隠蔽性の点で1.38g/cm3 以下とすることが
好ましい。
【0033】なお、本発明のポリエステル組成物および
成形品には、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン等、また各種の添加剤、
例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活
性剤、顔料、蛍光増白剤等、さらに他の無機粒子、有機
粒子、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム、クレー、タ
ルク、カオリン、アルミナ、湿式および乾式、球状シリ
カ等の無機粒子、アクリル酸類、スチレンなどを構成成
分とする有機粒子も必要に応じて適宜配合、添加しても
よい。
【0034】また本発明のフイルムは、本発明のポリエ
ステル組成物からなる層と他のポリエステル層からなる
複合フイルムであってもよい。その際の積層構成は二層
以上であれば特に限定されるものでない。例えば、本発
明のポリエステル組成物からなる層の少なくとも片面に
他のポリエステルからなる層、例えば透明なポリエステ
ルの層、粗面化層、極性基や親水基を有する層を積層し
てもよい。これらの層の厚みは特に限定されないが、
0.001〜10μmが好ましい。これらの複合フイル
ムは、白色性に加えて、優れた表面光沢性、逆に粗面化
により艶消し性や筆記性が、また接着性が良好となる。
【0035】
【実施例】以下本発明を参考例および実施例により、さ
らに詳細に説明する。参考例および実施例中の特性は次
のようにして測定した。
【0036】A.炭酸カルシウムの比表面積、粒子径 比表面積はBET法表面積測定装置で測定し、また、粒
子径は堀場製作所製超遠心式粒度分布測定装置 CAP
A−700を用いて測定した。
【0037】B.ポリエステルおよび炭酸カルシウム中
のリン元素量 ポリエステルおよび炭酸カルシウムを酸で湿式分解し、
リンモリブデンブルー比色法で測定した。
【0038】C.ポリエステルの固有粘度 o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0039】D.ポリエステル中の粒子分散性 ポリマ20mgを二枚のカバーグラス間にはさみ280
℃で溶融プレス冷却後、顕微鏡観察によって判定した。 ○;凝集粒子あるいは粗大粒子は観察されない。 △;凝集粒子あるいは粗大粒子がわずかに観察される。 ×;凝集粒子あるいは粗大粒子が多く観察される。
【0040】E.フイルムの隠蔽性 マクベス社透過濃度計TD−504で、厚さ50μmの
フイルムの可視光線透過濃度を測定し、隠蔽性とした。
ここでいう透過濃度は次式より算出した。 O・D=−log(T/100) ここで O・D;透過濃度[−] T ;可視光透過率[%]
【0041】F.フイルムの白色性 日立自記分光光度計EPE−2を用いてタングステン光
源で測定した450nmおよび550nmの厚さ50μ
mのフイルム各反射率R450 およびR550から次式によ
って算出した。 白度(%)=4R450 −3R550
【0042】G.フイルムの光沢性 JIS Z84741に従い、60度鏡面光沢を測定
し、フイルムの光沢度を測定した。
【0043】参考例A テレフタル酸86重量部、およびエチレングリコール3
9重量部とのエステル化反応物を貯留分として、これに
テレフタル酸86重量部、およびエチレングリコール3
9重量部を加え、250℃でエステル化反応を続け、反
応率が97%以上に達した反応物からテレフタル酸成分
86重量部に相当する反応物を重縮合缶に移し、リン化
合物としてリン酸を0.60重量部添加後、三酸化アン
チモン0.04重量部加え、その後290℃の高温減圧
下にて常法に従い重縮合反応を行ない固有粘度0.61
dl/g、リン元素を1500ppm含有するリン化合
物共重合ポリエステルを得た。
【0044】参考例B〜D 表1に示した如く、参考例Aと同様の方法で、リン化合
物種類、量を変更してリン化合物共重合ポリエステルを
得た。
【0045】
【表1】 参考例E 平均粒子径1.2μm、比表面積8.0m2 /gのカル
サイト型天然炭酸カルシウムの粉体を容器固定型混合機
である(株)カワタ製スーパーミキサー内に仕込み、回
転翼の回転数760rpmで攪拌しながら昇温し、缶内
温度が50℃に達した時点で、リン化合物としてリン酸
トリメチルを炭酸カルシウムに対して5重量%となるよ
うに噴霧させながら添加した。その後10分間混合し、
表面処理した。得られた炭酸カルシウムにはリン元素が
7900ppm含まれていた。さらに、FT−IRの拡
散反射法によって測定した表面処理していない炭酸カル
シウムと表面処理した炭酸カルシウムとの差スペクトル
から1120cm-1付近に顕著な吸収バンドが確認され
た。
【0046】参考例F〜H 表2に示した如く、参考例Eと同様の方法で、炭酸カル
シウムの種類および表面処理剤のリン化合物の種類、量
を変更して、表面処理した炭酸カルシウムを得た。得ら
れた炭酸カルシウム中のリン元素量を表2に示した。ま
た、FT−IRの拡散反射法によって測定した表面処理
していない炭酸カルシウムと表面処理した炭酸カルシウ
ムとの差スペクトルから、いずれの炭酸カルシウムとも
に1120cm-1付近に顕著な吸収バンドが確認され
た。
【0047】
【表2】 参考例I 参考例Eの炭酸カルシウムの粉体30重量部と固有粘度
0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートチップ
70重量部とを混合した後、フィダーを用いベント式二
軸押出し機に供給し、ベント口を10torrの真空度
に保持し、温度280℃、滞留時間5分で混練し、炭酸
カルシウムを30重量%含有するポリエステル組成物を
得た。
【0048】参考例J〜L 表3に示した如く、参考例Iと同様の方法で、炭酸カル
シウムの種類、量を変更して、炭酸カルシウムを含有す
るポリエステル組成物を得た。
【0049】
【表3】 実施例1 参考例Aのリン化合物共重合ポリエステル85重量部と
参考例Eの炭酸カルシウム15重量部とを混合した後、
フィダーを用いベント式二軸押出し機に供給し、ベント
口を10torrの真空度に保持し、温度280℃、滞
留時間5分で混練し、炭酸カルシウムを15重量%含有
するポリエチレンテレフタレートを得た。混練時に異物
の発生もなく、発泡も見受けられなかった。また、得ら
れた組成物中の炭酸カルシウムの粒子分散性も良好であ
った。さらに組成物中のリン元素量は比色法によって測
定したところ2100ppmであった。
【0050】得られた炭酸カルシウムを15重量%含有
するポリエチレンテレフタレート100重量部に対して
蛍光増白剤“OB−1”(イーストマン社製)0.02
重量部配合し、十分乾燥した後、押出し機に供給して2
90℃で溶融し、T型口金よりシート状に押し出し、3
0℃の冷却ドラムで冷却固化せしめ未延伸フイルムを得
た。次いで未延伸フイルムを95℃に加熱して縦方向に
3.3倍延伸し、さらに100℃に加熱して横方向に
3.3倍延伸し、200℃で加熱処理して、厚さ50μ
mのフイルムを得た。得られたフイルムの特性結果を表
4に示す。
【0051】密度1.21g/cm3 、白度99%、O
・D0.8、光沢度29%と白色性、隠蔽性、光沢性と
もに優れていた。
【0052】比較例1 リン化合物を添加しない以外は、参考例Aと同様の方法
で、固有粘度0.61dl/gのリン化合物を共重合し
ていないポリエステルを得た。該ポリエステルと平均粒
子径1.2μm、比表面積8.0m2 /gの表面処理し
ていないカルサイト型天然炭酸カルシウムの粉体15重
量部とを用い、実施例1と同様の方法でベント式二軸押
出し機を用いて炭酸カルシウムを15重量%含有するポ
リエチレンテレフタレートおよびフイルムを得た。表4
に各種特性結果を示した。
【0053】ベント式二軸押出し機を用いて炭酸カルシ
ウムを15重量%含有するポリエチレンテレフタレート
を製造する際に、ポリマ中に発泡が生じたり、炭酸カル
シウムの粒子分散性に劣るものであった。また、フイル
ム製造時に発泡による破れがひどく、得られたフイルム
は白色性、隠蔽性、光沢性に劣るものであった。
【0054】実施例2〜7、比較例3 表4に記載した如く、実施例1と同様の方法でリン化合
物共重合ポリエステルおよび炭酸カルシウムの種類、量
を変更してポリエステル組成物およびフィルムを得た。
表4に各種特性結果を示した。
【0055】実施例2〜は本発明の範囲内のものであ
り、得られたポリエステル中の炭酸カルシウムの粒子分
散性は良好であり、また、フィルムは白色性、隠蔽性と
もに優れていた。
【0056】比較例2 リン化合物を添加しない以外は、参考例Aと同様の方法
で、固有粘度0.61dl/gのリン元素を含有しない
ポリエステルを得た。該ポリエステル85重量部、平均
粒子径1.2μm、比表面積8.0m2 /gの表面処理
していないカルサイト型天然炭酸カルシウムの粉体15
重量部を混合し、十分乾燥した。この混合物に、リン化
合物としてリン酸トリメチルを炭酸カルシウムに対して
5重量%となるように混合した後、ベント式でない通常
の一軸押出し機に供給し、温度280℃、滞留時間5分
で混練し、炭酸カルシウムを15重量%含有するポリエ
チレンテレフタレートを得た。混練時には異物発生はな
かったものの、ポリマの粘度低下が著しく、さらにポリ
マ中には微細な気泡が見受けられた。また、得られた組
成物中には炭酸カルシウムの凝集粒子あるいは粗大粒子
が観察された。
【0057】該炭酸カルシウムを15重量%含有するポ
リエチレンテレフタレートを用い、実施例1と同様の方
法でフイルムを得た。表4に各種特性結果を示した。
【0058】得られたフイルムの密度1.29g/cm
3 、白度85%、O・D0.6、光沢度20%と白色
性、隠蔽性、光沢性は、ほぼ良好であったが、フイルム
製造時に発泡による破れが時々発生したり、フイルムの
所々に発泡による気泡あるいは破れが生じており、溶融
熱安定性に劣っていた。
【0059】
【表4】 実施例 参考例Aのリン化合物共重合ポリエステル50重量部と
参考例Iの炭酸カルシウム含有ポリエステル組成物50
重量部とを混合した後、フィダーを用いベント式二軸押
出し機に供給し、ベント口を10torrの真空度に保
持し、温度280℃、滞留時間5分で混練し、炭酸カル
シウムを15重量%含有するポリエチレンテレフタレー
トを得た。混練時に異物の発生もなく、発泡も見受けら
れなかった。また、得られた組成物中の炭酸カルシウム
の粒子分散性も良好であった。さらに組成物中のリン元
素量は比色法によって測定したところ1500ppmで
あった。
【0060】得られた炭酸カルシウムを15重量%含有
するポリエチレンテレフタレート100重量部に対して
蛍光増白剤“OB−1”(イーストマン社製)0.02
重量部配合し、十分乾燥した後、押出し機に供給して2
90℃で溶融し、T型口金よりシート状に押し出し、3
0℃の冷却ドラムで冷却固化せしめ未延伸フイルムを得
た。次いで未延伸フイルムを95℃に加熱して縦方向に
3.3倍延伸し、さらに100℃に加熱して横方向に
3.3倍延伸し、200℃で加熱処理して、厚さ50μ
mのフイルムを得た。得られたフイルムの特性結果を表
5に示す。
【0061】密度1.22g/cm3 、白度98%、O
・D0.8、光沢度29%と白色性、隠蔽性、光沢性と
もに優れていた。
【0062】実施例9〜12、比較例4 表5に記載した如く、実施例と同様の方法でリン化合
物共重合ポリエステルおよび炭酸カルシウム含有ポリエ
ステル組成物の種類、量を変更してポリエステル組成物
およびフィルムを得た。表5に各種特性結果を示した。
【0063】実施例9〜12は本発明の範囲内のもので
あり、得られたポリエステル中の炭酸カルシウムの粒子
分散性は良好であり、また、フィルムは白色性、隠蔽性
ともに優れていた。
【0064】
【表5】
【0065】
【発明の効果】本発明は上述したように、リン化合物共
重合ポリエステルとFT−IRの拡散反射法によって得
られたスペクトルで1000〜1200cm-1間に吸収
バンドを有する炭酸カルシウムおよび/または炭酸カル
シウム含有ポリエステル組成物とを含有してなるポリエ
ステル組成物であり、炭酸カルシウム粒子の分散性、耐
熱性の優れたポリエステル組成物を得ることができ、該
ポリエステル組成物からは白色性、隠蔽性、光沢性に優
れた成形品が得られる。特にポリエステル組成物をフイ
ルム成形した場合には白度、隠蔽力、光沢性に優れた白
色フイルムを製造することができ、印画紙、X線増感
紙、カード、ラベル、表示板、白板などの基材として好
ましく用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン化合物共重合ポリエステル(A)と
    本文中に規定したFT−IRの拡散反射法によって得ら
    れたスペクトルで1000〜1200cm-1間に吸収バ
    ンドを有する炭酸カルシウム(B)および/または炭酸
    カルシウム含有ポリエステル組成物(C)とを含有して
    り、次式で規定される透過濃度(O・D)が0.6以
    上であることを特徴とする白色フィルム。 O・D=−log(T/100) T;可視光透過率[%](厚み50μm)
  2. 【請求項2】 リン化合物共重合ポリエステル(A)中
    のリン元素含有量が200ppm以上であることを特徴
    とする請求項1に記載の白色フィルム
  3. 【請求項3】 炭酸カルシウム(B)がリン化合物で表
    面処理されたものであることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の白色フィルム
  4. 【請求項4】 炭酸カルシウム含有ポリエステル組成物
    (C)中の炭酸カルシウム含有量が5〜90重量%であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    白色フィルム
  5. 【請求項5】 炭酸カルシウムを5重量%を越え、80
    重量%以下含有してなることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の白色フィルム
  6. 【請求項6】 ポリエステル組成物中のリン元素含有量
    が100〜30000ppmであることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の白色フィルム
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