JP2020109515A - 大型ディスプレイ用白色反射フィルム - Google Patents

大型ディスプレイ用白色反射フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2020109515A
JP2020109515A JP2020015966A JP2020015966A JP2020109515A JP 2020109515 A JP2020109515 A JP 2020109515A JP 2020015966 A JP2020015966 A JP 2020015966A JP 2020015966 A JP2020015966 A JP 2020015966A JP 2020109515 A JP2020109515 A JP 2020109515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyester
mass
layer
calcium carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020015966A
Other languages
English (en)
Inventor
利洋 大澤
Toshihiro Osawa
利洋 大澤
倉垣 雅弘
Masahiro Kuragaki
雅弘 倉垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Toyobo Film Solutions Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Film Solutions Ltd filed Critical Toyobo Film Solutions Ltd
Priority to JP2020015966A priority Critical patent/JP2020109515A/ja
Publication of JP2020109515A publication Critical patent/JP2020109515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】優れた反射特性を有しながら熱撓みし難い白色反射フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】反射層及び支持層を有する大型液晶ディスプレイ用白色反射フィルムの製造方法であって、ポリエステルと炭酸カルシウム粒子とポリエステルに非相溶な樹脂を含有する反射層用ポリエステル組成物、及びポリエステルを含有する支持層用ポリエステル組成物を、共押出法により積層して未延伸積層フィルムを得る工程と、未延伸積層フィルムを二軸延伸して白色反射フィルムを得る工程と、を含む製造方法。ここで、炭酸カルシウム粒子の平均粒径が0.1〜1.2μmであり、小粒径側から積算した10%体積粒径、50%体積粒径、90%体積粒径が所定の条件式を満たし、炭酸カルシウム粒子の含有量、非相溶な樹脂の含有量、及び炭酸カルシウム粒子と非相溶な樹脂の含有量の合計が所定の範囲の質量%を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、反射板として好適に用いることのできる大型ディスプレイ用白色反射フィル
ムに関する。
面光源は、背面に反射板を配し、かかる反射板によって光源からの光を前面に反射させ
て光の取り出し効率を高め、輝度を向上している。
例えば、液晶表示装置(LCD)のバックライトユニットでは、液晶表示パネルの背面
に光源および反射フィルムを備える直下型と、液晶表示パネルの背面に、背面に反射板を
備えた導光板を配し、かかる導光板の側面に光源を備えるエッジライト型とがある。光源
としては、従来はCCFLがよく用いられていたが、近年は少電力化や薄型化のために発
光ダイオード(LED)が用いられ、エッジライト型LEDバックライトや直下型LED
バックライトが主流である。エッジライト型バックライトは、LCDをより薄型化できる
メリットがあり、他方直下型LEDバックライトは、導光板を用いない点で低コストであ
る。
面光源は、他にも屋内外を明るくするための照明用としても用いられている。
反射板としては、例えばポリエステル等の熱可塑性樹脂に無機粒子や非相溶樹脂を添加
し、それを延伸製膜することで内部にボイドを形成したボイド含有フィルムがよく用いら
れている(特許文献1〜5)。
しかしながらこのような反射板は、光源や外部環境からの熱や湿度により変形して撓ん
でしまう場合がある(以下、かかる撓みを「熱撓み」と呼称する場合がある。)。反射板
が撓んでしまうと面光源の輝度斑となり、例えばLCDにおいては画面の明るさ斑となる
そこでかかる熱撓みの問題を解決すべく、特許文献6では粒子による凹凸面の上に金属
層を形成した反射面とすることで、撓んでも輝度斑になり難くする思想が提唱されている
。また、LCDの底面部材に突起部を形成して反射板を支持したり(特許文献7)、反射
板に撓みを吸収するスリットを入れたり(特許文献8)することで、反射板の撓みを改善
する検討がなされている。しかしながらこれらの加工はいずれもコストのかかることであ
る。
特開2004−330727号公報 特開2011−11370号公報 特開2011−232369号公報 特開2013−88715号公報 特開2013−88716号公報 特開2002−100227号公報 特開2013−229185号公報 特開2014−22060号公報
大型のディスプレイは、バックシャーシに回路基板等を備えるために、窪みを有してい
る。本発明者らは、かかる窪みに熱が滞留しやすく、かかる熱によって熱撓みの問題がさ
らに顕著になることを見出し、これに着目した。
上記背景技術に鑑み、本発明は、優れた反射特性を有しながら、大型のディスプレイに
用いたとしても熱撓みし難い白色反射フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、ボイド含有フィルムにおけるボイドの存在が、熱撓みをより生じ易くし
ていることに着目した。しかしながら、単にボイドを低減させることは、反射特性が低減
する方向であり好ましくない。また、ボイド形成剤としての無機粒子の重さによっても、
それが重いと熱撓みが生じ易くなることに着目した。
すなわち本発明は、上記課題を達成するために、以下の構成を採用するものである。
1.熱可塑性樹脂に、炭酸カルシウム粒子および該熱可塑性樹脂に非相溶な樹脂を含有す
る熱可塑性樹脂組成物からなり、
該炭酸カルシウム粒子は、平均粒径が0.1〜1.2μm、小粒径側から積算した10
%体積粒径D10、50%体積粒径D50および90%体積粒径D90が(D90−D1
0)/D50≦1.6を満たし、含有量が前記熱可塑性樹脂組成物の質量に対して5〜6
9質量%であり、
該非相溶な樹脂は、含有量が前記熱可塑性樹脂組成物の質量に対して1〜40質量%で
あり、
前記炭酸カルシウム粒子と前記非相溶な樹脂の含有量の合計が、前記熱可塑性樹脂組成
物の質量に対して10〜70質量%である反射層Aを有し、フィルムの反射率が60%以
上である、大型ディスプレイ用白色反射フィルム。
2.上記熱可塑性樹脂組成物の熱可塑性樹脂が、共重合ポリエチレンテレフタレートであ
る、上記1に記載の白色反射フィルム。
3.上記共重合ポリエチレンテレフタレートの共重合量が、該共重合ポリエチレンテレフ
タレートの全酸成分100モル%に対して1〜20モル%である、上記2に記載の白色反
射フィルム。
4.さらに熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物からなる支持層Bを有する、上記1〜
3のいずれか1に記載の白色反射フィルム。
5.白色反射フィルムの厚み100%に対する上記反射層Aの厚み比率が50%以上であ
る、上記4に記載の白色反射フィルム。
6.上記1〜5のいずれか1に記載の白色反射フィルムを用いた、面光源。
これに対して特許文献1は、粒度分布の標準偏差の小さな硫酸バリウムを用いており、
硫酸バリウムは比重が重いため熱撓みが生じ易い態様である。また、特許文献2〜5は、
炭酸カルシウム粒子を用い、その90%体積粒径D90と10%体積粒径D10との比D
90/D10について開示があるものの、実際には本発明のように狭い粒度分布の領域ま
では検討がなされていない。さらにいずれも熱撓みの課題について認識がなく、そのよう
な観点での検討はなされていない。
本発明によれば、優れた反射特性を有しながら、大型のディスプレイに用いたとしても
熱撓みし難い白色反射フィルムを提供することができる。
本発明の白色反射フィルムは、熱可塑性樹脂に、特定の態様の炭酸カルシウム粒子およ
び該熱可塑性樹脂に非相溶な樹脂(以下、非相溶樹脂と呼称する場合がある。)を含有す
る熱可塑性樹脂からなる反射層Aを有する。
以下、本発明を構成する各構成成分について詳細に説明する。
[反射層A]
本発明における反射層Aは、熱可塑性樹脂に炭酸カルシウム粒子と非相溶樹脂とを含有
する熱可塑性樹脂組成物からなり、かかる炭酸カルシウム粒子と非相溶樹脂とがボイド形
成剤として機能し層中にボイドを含有し、白色を呈するようにした層である。反射層Aは
、かかるボイドにより反射機能を奏する。反射層Aの波長550nmにおける反射率は、
好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である
。これにより白色反射フィルムの反射率を好ましい範囲としやすくなる。
反射層Aは、上述のとおり層中にボイドを有するものであるが、かかるボイドの体積が
反射層Aの体積に対して占める割合(ボイド体積率)は15体積%以上、70体積%以下
であることが好ましい。このような範囲とすることで反射率の向上効果を高くすることが
でき、上記のような反射率が得やすくなる。また、延伸製膜性の向上効果を高くすること
ができる。ボイド体積率が低すぎる場合は、好ましい反射率が得難くなる傾向にある。こ
のような観点から、反射層Aにおけるボイド体積率は、さらに好ましくは30体積%以上
、特に好ましくは40体積%以上である。他方、高すぎる場合は、延伸製膜性の向上効果
が低くなる傾向にある。このような観点から、反射層Aにおけるボイド体積率は、さらに
好ましくは65体積%以下、特に好ましくは60体積%以下である。
ボイド体積率は、反射層Aにおける炭酸カルシウム粒子の大きさや量、非相溶樹脂の種
類や量を調整することにより達成することができる。
(熱可塑性樹脂)
反射層Aを構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル、ポリオレフィン、ポ
リスチレン、アクリルからなる熱可塑性樹脂を挙げることができる。中でも、機械的特性
および熱安定性に優れた白色反射フィルムを得る観点から、ポリエステルが好ましい。
かかるポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステ
ルを用いることが好ましい。このジカルボン酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフ
タル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、4,4’−ジフェニルジカルボン酸
成分、アジピン酸成分、セバシン酸成分を挙げることができる。ジオール成分としては、
エチレングリコール成分、1,4−ブタンジオール成分、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール成分、1,6−ヘキサンジオール成分を挙げることができる。これらのポリエステ
ルのなかでも芳香族ポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好まし
い。ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)はホモポリマーであってもよいが、フ
ィルムを1軸あるいは2軸に延伸する際に結晶化が抑制されて延伸製膜性の向上効果が高
くなる点から、共重合ポリエステル(共重合ポリエチレンテレフタレート)が好ましい。
共重合成分としては、上記のジカルボン酸成分やジオール成分が挙げられるが、耐熱性が
高く、延伸製膜性の向上効果が高いという観点から、イソフタル酸成分、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸成分が好ましい。共重合成分の含有割合は、ポリエステルの全ジカルボ
ン酸成分100モル%を基準として、例えば1〜20モル%、好ましくは2〜18モル%
、さらに好ましくは3〜15モル%、特に好ましくは7〜11モル%である。共重合成分
の割合をこの範囲とすることによって、延伸製膜性の向上効果に優れる。また、熱寸法安
定性に優れる。さらに、熱撓みの抑制効果をより向上できる。
かかる熱可塑性樹脂は、融点が好ましくは200〜280℃である。これにより熱撓み
がより抑制し易くなる。低すぎると熱撓みの抑制効果が低くなる傾向にあり、高すぎると
取扱いがし難くなる傾向にある。かかる観点から、より好ましくは205℃以上、さらに
好ましくは210℃以上であり、また、より好ましくは275℃以下、さらに好ましくは
265℃以下である。
なお、本発明における反射層Aを構成する熱可塑性樹脂としては、好ましい熱可塑性樹
脂であるポリエステルと該ポリエステルとは異なる他の熱可塑性樹脂との混合物であって
もよい。
(炭酸カルシウム粒子)
本発明においては、反射層Aがボイド形成剤として特定の態様を具備する炭酸カルシウ
ム粒子を含有する。
本発明における炭酸カルシウム粒子は、平均粒径が0.1〜1.2μmであり、また、
(D90−D10)/D50が1.6以下である。ここでD10、D50およびD90は
、それぞれ炭酸カルシウム粒子の小粒径側から積算した10%体積粒径、50%体積粒径
および90%体積粒径である。このような態様の炭酸カルシウム粒子を採用することによ
って、高い反射率を有しながら熱撓みを抑制することができる。すなわち、粗大ボイドが
存在するとそれにより熱撓みが生じ易くなるところ、平均粒径が小さくかつ粒度分布がシ
ャープな炭酸カルシウム粒子を採用することによって内部に比較的小さなボイド(ミクロ
ボイド)が多数存在するフィルムの態様とし、粗大ボイドによる熱撓みを抑制するのであ
る。粒度分布がブロードであると粗大粒子が存在することとなり、それにより粗大ボイド
が形成され易い。また同時に、ボイドと熱可塑性樹脂との界面の量についてはその低減を
抑制し、高い反射率を得ることができる。さらに、炭酸カルシウム粒子は比較的小さい比
重であるため、粒子と熱可塑性樹脂の質量差(密度差)が小さいため、ボイド以外の部分
で局所的な密度差が生じにくい。それによっても熱撓みが抑制される。
炭酸カルシウム粒子の平均粒径は、大きすぎると粗大ボイドが形成され易くなる傾向に
あり、熱撓みが抑制できない。よって平均粒径は、好ましくは1.1μm以下、より好ま
しくは1.0μm以下、さらに好ましくは0.95μm以下、特に好ましくは0.9μm
以下である。他方、小さすぎても粒子どうしが凝集してしまい粗大ボイドを形成する原因
となるし、そのような炭酸カルシウム粒子を得ることは非常に困難である。かかる観点か
らは、平均粒径は、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに
好ましくいは0.6μm以上である。
また、別の態様においては、炭酸カルシウム粒子の平均粒径は、大きすぎると熱撓みが
抑制し難くなる反面、小さすぎても凝集により粗大ボイドを形成し易くなり、熱撓みが抑
制し難くなる場合があり、熱撓み抑制と反射率向上のバランスの点、およびコストの点も
あり、ある程度大きい方が好ましい場合もある。このような観点からは、炭酸カルシウム
粒子の平均粒径は、好ましくは1.2μm以下、より好ましくは1.18μm以下、さら
に好ましくは1.15μm以下であり、また、好ましくは0.6μm以上、より好ましく
は0.8μm以上、さらに好ましくは1.01μm以上、特に好ましくは1.02μm以
上、最も好ましくは1.05μm以上である。
(D90−D10)/D50は、上述の観点から小さい方が好ましく、より好ましくは
1.5以下、さらに好ましくは1.4以下である。下限は理論的には0であり、実際的に
は0.1以上であることが好ましい。
上記のような態様を満足させるために、本発明においては炭酸カルシウム粒子として、
合成炭酸カルシウムからなる粒子(合成炭酸カルシウム粒子)を採用することが特に好ま
しい。炭酸カルシウム粒子としては、天然炭酸カルシウムからなる粒子(天然炭酸カルシ
ウム粒子)と合成炭酸カルシウム粒子とがあり、通常は天然炭酸カルシウム粒子が用いら
れる。しかしながら、天然炭酸カルシウム粒子では上記態様を満足させることが困難な傾
向にあり、本発明の課題を達成することが困難な傾向にある。
炭酸カルシウム粒子をポリエステル樹脂に含有させる方法としては、従来公知の各種の
方法を用いることができる。その代表的な方法として、下記のような方法が挙げられる。
(ア)ポリエステル樹脂の合成時のエステル化の段階もしくはエステル交換反応終了後に
添加する方法。
(イ)得られたポリエステル樹脂に添加し、溶融混練する方法。
(ウ)上記(ア)または(イ)の方法においてポリエステル樹脂に炭酸カルシウム粒子を
多量添加したマスターペレットを製造し、これと希釈ポリマーとしてのポリエステル樹脂
とを混練してポリエステル樹脂に所定量の炭酸カルシウム粒子を含有させる方法。
(エ)上記(ウ)のマスターペレットをそのまま使用する方法。
(表面処理)
本発明における炭酸カルシウム粒子は、表面処理剤により表面処理が施されていること
が好ましい。それにより、炭酸カルシウム粒子表面のCa活性を失活させ、ガスマークの
発生をより抑制することができる。かかる表面処理剤としては、リン酸、亜リン酸、ホス
ホン酸、あるいはこれらの誘導体などのリン化合物、および、ステアリン酸などの脂肪酸
、シランカップリング剤等が挙げられる。本発明においては、中でもリン化合物による表
面処理が好ましく、かかるリン化合物としては、具体的には、リン酸、亜リン酸、リン酸
トリメチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸
モノあるいはジメチルエステル、亜リン酸トリメチルエステル、メチルホスホン酸、メチ
ルスルホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホ
ン酸ジエチルエステルなどが好ましく挙げられる。中でもリン酸、亜リン酸およびそれら
のエステル成形誘導体が好ましい。本発明においては、リン酸トリメチルで表面処理され
ていることが最も好ましい。これらリン化合物は、単独で用いることができ、また2種以
上を併用してもよい。
炭酸カルシウム粒子の表面処理方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を
採用することができる。例えばリン化合物によって表面処理を施す場合は、リン化合物と
炭酸カルシウム粒子とを物理的に混合する方法(物理的混合方法)を採用することが好ま
しい。かかる物理的混合方法としては特に限定されるものではなく、例えばロール転動ミ
ル、高速回転式粉砕機、ボールミル、ジェトミルなどの各種の粉砕機を使用して、炭酸カ
ルシウムを粉砕しながらリン化合物で表面処理する方法、あるいは容器自身が回転する容
器回転型混合機、固定容器内に回転翼を有したり、あるいは気流を吹き込む容器固定型混
合機等を使用して表面処理する方法を挙げることができる。具体的にはナウタミキサー、
リボンミキサー、ヘンシェルミキサー等の混合機が好ましい。
またその際の処理条件は特に限定されるものではなく、炭酸カルシウム粒子のポリエス
テルに対する分散性、ポリエステルの高温滞留時の異物発生、発泡の観点から、処理温度
は30℃以上が好ましく、さらには50℃以上、特には90℃以上が好ましい。処理時間
は5時間以内とすることが好ましく、さらには3時間以内、特には2時間以内が好ましい
。また、リン化合物は炭酸カルシウム粒子と同時に混合してもよく、また予め炭酸カルシ
ウム粒子を仕込んだ後にリン化合物を添加してもよい。その際に、リン化合物は滴下させ
ても、噴霧させてもよく、さらには水あるいはアルコール等に溶解もしくは分散させたも
のであってもよい。
また、本発明においては、炭酸カルシウム粒子の表面処理剤をポリエステルに添加、配
合して、次いでそこに炭酸カルシウム粒子を添加して、炭酸カルシウムの表面処理を行な
うこともできる。例えば、ポリエステルの製造、すなわち重合反応が完了するまでの任意
の段階で、あるいは重合反応完了後から溶融混練を行なうまでの段階で、表面処理剤を添
加することができる。
上記表面処理工程における表面処理剤の添加量は、炭酸カルシウム粒子表面のCa活性
が十分に失活される量であればよいが、例えば炭酸カルシウム粒子の質量に対してリン元
素の量が0.1質量%以上となる量である。他方、添加しすぎるとフィルム中にリン化合
物が多量に残存してしまい、環境の観点から好ましくなく、また押出機内などにおいて炭
酸カルシウム粒子同士が凝集してしまうのを抑制することができるという観点から、5質
量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0
.5質量%以下が特に好ましい。
(非相溶樹脂)
本発明においては、反射層Aがボイド形成剤として非相溶樹脂を含有する。
かかる非相溶樹脂としては、反射層Aを構成する熱可塑性樹脂と非相溶であれば特に限
定されない。例えば、熱可塑性樹脂がポリエステルである場合は、ポリエチレン、ポリプ
ロピエレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹
脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂などが好ましい。これらは、単独で用い
てもよく、2種類以上を併用してもよい。また、単独重合体であっても共重合体であって
もよい。特に、熱可塑性樹脂(ポリエステル)との臨界表面張力差が大きい方が好ましい
。また、延伸後の熱処理によって変形しにくい樹脂が好ましい。具体的には、ポリオレフ
ィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン
、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、および、これらの共重合体を挙げること
ができる。これらの中でも特にシクロオレフィン共重合体であるエチレンとビシクロアル
ケンの共重合体が好ましい。
また、非相溶樹脂のガラス転移温度は、180℃以上220℃以下が好ましく、さらに
好ましくは190℃以上220℃以下である。ガラス転移温度が180℃よりも低い領域
では、フィルム製造工程における熱処理工程において、延伸時に発現したボイドが変形し
、ボイドサイズの不均一性を引き起こし、粗大ボイドが形成され易くなる傾向にあり、熱
撓み抑制の向上効果が低くなる傾向にある。また、220℃よりも高い領域では、反射層
Aを構成する熱可塑性樹脂と溶融混練する際、非相溶樹脂が十分に溶融せずに微分散化が
促進され難くなる傾向にあり、これによっても熱撓み抑制の向上効果が低くなる傾向にあ
る。なお、非相溶樹脂のガラス転移温度を制御する方法は、例えば直鎖のオレフィン部(
例えばエチレン部)とシクロオレフィン部(例えばメチレン−ノルボルネン部)の共重合
比率を制御することによって、任意に変更することができ、例えばガラス転移温度を上げ
るためには、シクロオレフィン部の共重合比率を上げることによって達成できる。
好ましく用いられる非相溶樹脂として、ポリプラスチックス社のTOPAS(登録商標
)COCシリーズ(例えばグレード6017S−04など)を挙げることができる。
(炭酸カルシウム粒子と非相溶樹脂の含有量)
反射層Aを構成する熱可塑性樹脂組成物における炭酸カルシウム粒子の含有量は、かか
る熱可塑性樹脂組成物の質量を基準として5〜69質量%である。これにより上述した好
ましいボイド体積率とし易くなり、それにより高い反射率とすることができる。また、熱
撓みが抑制される。さらに、延伸製膜性の向上効果を高くすることができる。含有量が少
なすぎると反射率が低くなる。他方、含有率が多すぎるとボイドが多くなり過ぎ熱撓みが
抑制できない。これら観点から含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは1
5質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下
である。
反射層Aを構成する熱可塑性樹脂組成物における非相溶樹脂の含有量は、かかる熱可塑
性樹脂組成物の質量を基準として1〜40質量%である。これにより熱撓みを抑制したま
ま上述した好ましいボイド体積率とし易くなり、それにより高い反射率とすることができ
る。さらに、延伸製膜性の向上効果を高くすることができる。含有量が少なすぎると反射
率が低くなる。他方、含有率が多すぎるとボイドが多くなり過ぎ熱撓みが抑制できない。
また、比較的耐熱性の低い非相溶樹脂がフィルム中に多く存在することとなり、それによ
っても熱撓みが抑制し難い傾向にある。これら観点から含有量は、好ましくは5質量%以
上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは35質量%以下、より好ま
しくは30質量%以下である。
反射層Aを構成する熱可塑性樹脂組成物中の炭酸カルシウム粒子と非相溶樹脂の含有量
の合計は、かかる熱可塑性樹脂組成物の質量を基準として10〜70質量%である。これ
により熱撓みを抑制したまま、上述した好ましいボイド体積率とし易くなり、それにより
高い反射率とすることができる。さらに、延伸製膜性の向上効果を高くすることができる
。合計含有量が少なすぎると反射率が低くなる。他方、合計含有率が多すぎると、上述し
た炭酸カルシウム粒子の含有量が多すぎる場合や非相溶樹脂の含有量が多すぎる場合と同
様の理由により、熱撓みが抑制できない。これら観点から含有量は、好ましくは15質量
%以上、より好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは65質量%以下、より
好ましくは60質量%以下である。
(その他の成分)
反射層A(反射層Aを構成する熱可塑性樹脂組成物)は、本発明の目的を阻害しない範
囲において、その他の成分、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、蛍光増白剤
、ワックスを含有することができる。また、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、上
述した炭酸カルシウム粒子や非相溶樹脂とは異なる粒子や樹脂等のボイド形成剤を含有す
ることができる。
[支持層B]
本発明の白色反射フィルムは、上述した反射層Aに、さらに熱可塑性樹脂または熱可塑
性樹脂組成物(熱可塑性樹脂に粒子等を添加したもの)からなる支持層Bを有することが
できる。かかる支持層Bにより延伸製膜性を向上したり、熱撓みをさらに抑制したりする
ことができる。好ましくは、反射層Aよりもボイドの少ない、あるいは、できるだけ耐熱
性の高い組成となる支持層Bを反射層Aの少なくとも片面に設けることにより、熱による
局所的な変形をさらに抑制でき、熱撓みをさらに抑制できる。
以下、本発明における支持層Bについて詳述する。
(熱可塑性樹脂)
本発明における支持層Bを構成する熱可塑性樹脂としては、上述した反射層Aを構成す
る熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂を用いることができる。中でも、機械的特性および
熱安定性に優れた白色反射フィルムを得る観点から、ポリエステルが好ましい。
かかるポリエステルとしては、上述の反射層Aにおけるポリエステルと同様のポリエス
テルを用いることができる。これらのポリエステルのなかでも、機械的特性および熱安定
性に優れる白色反射フィルムを得る観点から、芳香族ポリエステルが好ましく、特にポリ
エチレンテレフタレートが好ましい。ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)はホ
モポリマーであってもよいが、フィルムを1軸あるいは2軸に延伸する際に結晶化が抑制
されて延伸製膜性の向上効果が高くなる点から共重合ポリエステル(共重合ポリエチレン
テレフタレート)が好ましい。かかる共重合成分としては、反射層Aの項で上記したジカ
ルボン酸成分やジオール成分が挙げられるが、耐熱性が高く、延伸製膜性の向上効果が高
いという観点から、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましい
。共重合成分の含有割合は、ポリエステルの全ジカルボン酸成分100モル%を基準とし
て、例えば1〜20モル%、好ましくは2〜18モル%、さらに好ましくは3〜17モル
%、特に好ましくは12〜16モル%である。共重合成分の割合をこの範囲とすることに
よって、延伸製膜性の向上効果に優れる。また、熱寸法安定性に優れる。さらに、熱撓み
の抑制効果をより向上できる。
かかる熱可塑性樹脂は、融点が好ましくは190〜280℃である。これにより熱撓み
がより抑制し易くなる。低すぎると熱撓みの抑制効果が低くなる傾向にあり、高すぎると
取扱いがし難くなる傾向にある。かかる観点から、より好ましくは195℃以上、さらに
好ましくは200℃以上であり、また、より好ましくは275℃以下、さらに好ましくは
270℃以下である。
なお、本発明における支持層Bを構成する熱可塑性樹脂としては、好ましい熱可塑性樹
脂であるポリエステルと該ポリエステルとは異なる他の熱可塑性樹脂との混合物であって
もよい。
(その他の成分)
支持層Bは、上記の熱可塑性樹脂に、本発明の目的を阻害しない範囲において任意成分
を含有した熱可塑性樹脂組成物からなるものであってもよい。かかる任意成分としては、
例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、ワックス等を挙げることが
できる。
また、支持層Bは、本発明の目的を阻害しない範囲において、反射層Aにおいて挙げた
ボイド形成剤を任意成分として含有していてもよく、そのような態様とすることで反射率
の向上効果を高くすることができる。その反面、支持層Bにおけるボイド形成剤の含有量
を少なくするか、ボイド形成剤を含有しないと、延伸製膜性の向上効果を高くすることが
できる。これらの観点から、支持層Bにおけるボイド体積率(支持層Bの体積に対する支
持層Bにおけるボイドの体積の割合)は、0体積%以上、15体積%未満であることが好
ましく、さらに好ましくは5体積%以下、特に好ましくは3体積%以下である。特に本発
明においては、反射特性と延伸製膜性の向上効果を同時に高めることができることから、
上述した反射層Aにおける好ましいボイド体積率と、かかる支持層Bにおける好ましいボ
イド体積率とを同時に採用することが特に好ましい。
[層構成]
本発明において白色反射フィルムの厚み(反射層Aのみからなる場合は反射層Aの厚み
)は、155〜350μmであることが好ましい。これにより反射率の向上効果を高くす
ることができる。また、熱撓み抑制の向上効果を高くできる。薄すぎると反射率の向上効
果が低く、また、熱撓み抑制の向上効果が低く、他方厚すぎることは非効率である。この
ような観点から、より好ましくは160μm以上、さらに好ましくは170μm以上、特
に好ましくは180μm以上であり、また、より好ましくは340μm以下、さらに好ま
しくは330μm以下、特に好ましくは320μm以下である。
反射層Aは、白色反射フィルム全体の厚みを100%とした際の厚み比率(複数有する
場合は合計厚みの比率)が、好ましくは50%以上であればよく、より好ましくは50〜
95%、さらに好ましくは60〜90%、特に好ましくは70〜90%である。また、支
持層Bを有する場合、その厚み比率(複数有する場合は合計厚みの比率)は、好ましくは
5〜50%、より好ましくは10〜40%、さらに好ましくは10〜30%である。これ
により、反射特性や延伸製膜性等の各特性のバランスをより良くすることができる。また
、これらのバランスをより良くしながら熱撓み抑制の向上効果をより高くできる。
本発明における支持層Bの厚み(フィルム中に複数有する場合は合計厚み)は、2〜8
0μmであることが好ましい。これにより、延伸製膜性の向上効果を高くでき、また、熱
撓みの抑制効果を高くできる。さらに熱収縮を小さくできる。支持層Bが薄すぎると、延
伸製膜性の向上効果が低くなる傾向にある。また、熱撓みの抑制効果が低くなる傾向にあ
る。他方、厚すぎても上記効果はそれほど変わらず、非効率である。これら観点から、支
持層Bの厚み(合計厚み)は、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以
上であり、また、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは65μm以下である。
また、反射層Aの反射面側に支持層Bを有する場合は、該支持層Bの厚みが反射率に影
響する。すなわち、反射層Aの反射面側の支持層Bの厚みが厚すぎる場合は、反射率の向
上効果が低くなる傾向にある。他方、薄すぎると反射層Aの炭酸カルシウム粒子脱落の抑
制効果や、反射層Aの炭酸カルシウムによる装置や他部材の傷付きを抑制する効果が低く
なる傾向にある。これら観点から、支持層Bの厚み(1層の厚み)は、好ましくは1〜4
0μmであり、より好ましくは2.5μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、ま
た、より好ましくは35μm以下、さらに好ましくは32.5μm以下である。
白色反射フィルムの積層構成は、反射層AをA、支持層BをBと表わした際に、B/A
の2層構成、A/B/AやB/A/Bの3層構成、B/A/B/AやB/A/B’/Aの
4層構成(ここでB’は支持層Bと同様の構成の支持層B’を表わす。)、また同様にA
とBとを有する5層以上の多層構成を挙げることができる。特に好ましくはB/Aの2層
構成、A/B/A、B/A/Bの3層構成である。最も好ましくはB/A/Bの3層構成
であり、延伸製膜性により優れる。また、表裏の支持層Bが近い厚み範囲であると、カー
ル等の問題が生じ難い。
本発明においては、反射層Aと支持層B以外に、本発明の目的を損なわない限りにおい
て他の層を有していてもよい。例えば、帯電防止性や導電性、紫外線耐久性等の機能を付
与するための層(好ましくは塗布層)を有していてもよい。また、反射光に拡散性を付与
するため、もしくは導光板とのギャップを確保するための、ビーズを含有するビーズ層を
、少なくとも反射面側の最表面に有することもできる。
[フィルムの製造方法]
以下、本発明の白色反射フィルムを製造する方法の一例を説明する。
本発明の白色反射フィルムを製造するに際しては、反射層Aは溶融押出法により形成さ
れることが好ましい。また、白色反射フィルムが反射層Aと支持層Bとの積層構成である
場合は、反射層Aと支持層Bとを共押出法により積層して製造することが好ましい。これ
により延伸製膜性の向上効果を高められる。また、反射層Aと支持層Bとは、共押出法に
より直接積層されていることが好ましい。このように共押出法で積層することによって、
反射層Aと支持層Bとの界面密着性を高くすることができる上、フィルムを貼り合わせた
り、フィルムの製膜後に改めて支持層Bを形成したりするための工程を経る必要が無いた
め、安価に、容易に量産できる。
以下に、反射層Aを構成する熱可塑性樹脂および支持層Bを構成する熱可塑性樹脂とし
てポリエステルを採用し、積層方法として共押出法を採用した場合の製法について説明す
るが、本発明はかかる製法に限定はされず、また下記を参考に他の態様についても同様に
製造することができる。その際、押出工程を含まない場合は、以下の「溶融押出温度」は
、例えば「溶融温度」と読み替えればよい。なお、ここで、用いるポリエステルの融点を
Tm(単位:℃)、ガラス転移温度をTg(単位:℃)とする。
まず、反射層Aを形成するための熱可塑性樹脂組成物(ポリエステル組成物)として、
ポリエステルと、炭酸カルシウム粒子と、非相溶樹脂としてシクロオレフィンと、他の任
意成分を混合したものを用意する。また、支持層Bを形成するための熱可塑性樹脂組成物
(ポリエステル組成物)として、ポリエステルと、他の任意成分を混合したものを用意す
る。ここで支持層Bについては、他の任意成分を添加せずに熱可塑性樹脂(ポリエステル
)を用いても良い。これらポリエステル組成物は、乾燥して十分に水分を除去して用いる
次に、乾燥したポリエステル組成物を、それぞれ別の押出機に投入し、溶融押出する。
溶融押出温度は、Tm以上が必要であり、Tm+40℃程度とすればよい。
またこのとき、フィルムの製造に用いるポリエステル組成物、特に反射層Aに用いるポ
リエステル組成物は、線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜1
00μmの不織布型フィルターを用いて濾過を行うことが好ましい。この濾過を行うこと
で、通常は凝集して粗大凝集粒子となりやすい粒子の凝集を抑え、粗大異物の少ないフィ
ルムを得ることができる。そして、凝集した粒子を抑制することによりミクロボイド形成
し易くなり、熱撓みがより抑制される。なお、不織布の平均目開きは、好ましくは20〜
50μm、さらに好ましくは15〜40μmである。濾過したポリエステル組成物は、溶
融した状態でフィードブロックを用いた同時多層押出法(共押出法)により、ダイから多
層状態で押し出し、未延伸積層シートを製造する。ダイより押し出された未延伸積層シー
トを、キャスティングドラムで冷却固化し、未延伸積層フィルムとする。
次いで、この未延伸積層フィルムをロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、製膜機械軸方
向(以下、縦方向または長手方向またはMDと呼称する場合がある。)に延伸して縦延伸
フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。縦
延伸後のフィルムは、続いてテンターに導かれ、縦方向と厚み方向とに垂直な方向(以下
、横方向または幅方向またはTDと呼称する場合がある。)に延伸して、二軸延伸フィル
ムとする。
延伸温度としては、ポリエステル(好ましくは反射層Aを構成するポリエステル)のT
g以上、Tg+30℃以下の温度で行うことが好ましく、延伸製膜性により優れ、またボ
イドが好ましく形成されやすい。また、延伸倍率としては、縦方向、横方向ともに、好ま
しくは2.5〜4.3倍、さらに好ましくは2.7〜4.2倍である。延伸倍率が低すぎ
るとフィルムの厚み斑が悪くなる傾向にあり、またボイドが形成されにくい傾向にあり、
他方高すぎると製膜中に破断が発生し易くなる傾向にある。なお、縦延伸を実施しその後
横延伸を行うような逐次2軸延伸の際には、2段目(この場合は、横延伸)は1段目の延
伸温度よりも10〜50℃程度高くする事が好ましい。これは1段目の延伸で配向した事
により1軸フィルムとしてのTgがアップしている事に起因する。
また、各延伸の前にはフィルムを予熱することが好ましい。例えば横延伸の予熱処理は
ポリエステル(好ましくは反射層Aを構成するポリエステル)のTg+5℃より高い温度
から始めて、徐々に昇温するとよい。横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)
でもよいが通常逐次的に昇温する。例えばテンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に
沿って複数に分け、ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。
二軸延伸後のフィルムは、続いて、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィル
ムとするが、溶融押出から延伸に引き続いて、これらの処理もフィルムを走行させながら
行うことができる。
二軸延伸後のフィルムは、クリップで両端を把持したままポリエステル(好ましくは反
射層Aを構成するポリエステル)の融点をTmとして(Tm−10℃)〜(Tm−100
℃)で、定幅または10%以下の幅減少下で0.01〜100秒間熱処理して、熱固定し
、熱収縮率を低下させるのがよい。かかる熱処理温度が高すぎるとフィルムの平面性が悪
くなる傾向にあり、厚み斑が大きくなる傾向にある。他方低すぎると熱収縮率が大きくな
る傾向にある。また、これにより熱撓みの抑制効果をより向上できる。
また、熱収縮量を調整するために、把持しているフィルムの両端を切り落し、フィルム
縦方向の引き取り速度を調整し、縦方向に弛緩させることができる。弛緩させる手段とし
てはテンター出側のロール群の速度を調整する。弛緩させる割合として、テンターのフィ
ルムライン速度に対してロール群の速度ダウンを行い、好ましくは0.1〜2.5%、さ
らに好ましくは0.2〜2.3%、特に好ましくは0.3〜2.0%の速度ダウンを実施
してフィルムを弛緩(この値を「弛緩率」という)して、弛緩率をコントロールすること
によって縦方向の熱収縮率を調整する。また、これにより熱撓みの抑制効果をより向上で
きる。フィルム横方向については、両端を切り落すまでの過程で幅減少させて、所望の熱
収縮率を得ることができる。
なお、二軸延伸に際しては、上記のような縦−横の逐次二軸延伸法以外にも、横−縦の
逐次二軸延伸法でもよい。また、同時二軸延伸法を用いて製膜することができる。同時二
軸延伸法の場合、延伸倍率は、縦方向、横方向ともに例えば2.7〜4.3倍、好ましく
は2.8〜4.2倍である。
かくして本発明の白色反射フィルムを得ることができる。
[白色反射フィルムの特性]
(反射率、正面輝度)
本発明の白色反射フィルムの反射率は、60%以上である。好ましくは70%以上、よ
り好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最
も好ましくは97%以上である。反射率が上記範囲であることによって、液晶表示装置や
照明等に用いた場合には、高い輝度を得ることができる。かかる反射率は、反射層Aのボ
イド体積率を高くする等好ましい態様としたり、反射層Aの厚みを厚くしたり、支持層B
にボイド形成剤を含有させたり、反射層Aよりも反射面側の支持層Bの厚みを薄くしたり
等各層の態様を好ましい態様としたりすることにより達成できる。
また、正面輝度は、後述する測定方法により求められるが、2000cd/m以上が
好ましく、3000cd/m以上がより好ましく、4000cd/m以上がさらに好
ましく、4400cd/m以上が特に好ましい。
なお、ここで反射率や正面輝度は、白色反射フィルムの反射面として用いる面について
の値である。
(熱撓み)
本発明は熱撓みの抑制が目的である。熱撓みとは、例えばテレビやモニター等の製品に
おいて液晶ディスプレイ等の表示装置を駆動するための電気回路や、バックライトユニッ
ト(光源)から発生する熱、あるいは使用環境からの熱や湿度によって、製品に備わる白
色反射フィルムに撓み(歪み)が生じてしまう現象である。白色反射フィルムに熱撓みが
発生すると輝度斑の原因となり、画質の低下に直結する問題となる。
[用途]
本発明の白色反射フィルムは、大型ディスプレイ用である。ここで大型ディスプレイと
は、30インチ以上、好ましくは32インチ以上、より好ましくは40インチ以上、さら
に好ましくは42インチ以上の液晶ディスプレイをいう。このような大型ディスプレイは
、バックシャーシに電気回路等を組み込むための窪み(仕切り)が設けてある。そのため
、かかる窪みに上述した原因等により発生する熱が局所的に滞留し、熱撓みがより生じ易
くなる。ディスプレイのサイズが大きくなるほど、輝度を確保するために必要な光源の数
が多くなるため、回路等も複雑することから滞留する熱は多くなり、熱撓みがより生じ易
くなる傾向にある。そのため、従来の技術ではこのような大型ディスプレイにおける熱撓
みの抑制は困難であった。対して本発明は、このような大型ディスプレイにおいても、良
好に熱撓みを抑制できるものである。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)光線反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO白板
を100%とした時の反射率を波長550nmで測定し、この値を反射率とした。なお、
測定は、反射面として使用する側(光源側)となる表面において測定した。
(2)粒子の平均粒径
島津製作所製レーザー散乱式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて測定した。
測定前のエチレングリコールへの分散は、粒子粉体を5質量%スラリー濃度相当になるよ
う計量して、ミキサー(たとえばNational MXV253型料理用ミキサー)で
10分間攪拌し、常温まで冷却したのち、フローセル方式供給装置に供給した。そして、
該供給装置中で脱泡のために30秒間超音波処理(超音波処理の強度は超音波処理装置の
つまみを、MAX値を示す位置から60%の位置)してから測定に供した。粒度分布測定
結果より50%体積粒径(D50)を求め、これを平均粒径とした。また、同様にして1
0%体積粒径(D10)および90%体積粒径(D90)を求めた。
(3)粒子および非相溶樹脂の含有量
(3−1)粒子の含有量
フィルムを500℃の温度で6時間焼却し、その前後での重量を測定し、残差灰分の重
さを粒子の含有量とした。なお、積層体における各層の粒子の含有量は、各層を分離して
から前記操作を行うことで求めた。
(3−2)非相溶樹脂の含有量
フィルムを秤量後、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/クロロホルム(質
量比50/50)の混合溶媒に溶解し、不溶な成分がある場合は、この不溶成分を遠心分
離で分取した後、質量を測定し、元素分析、FT−IR、NMR法により該成分の構造と
質量分率を測定する。上澄み成分についても同様に分析すれば、ポリエステル成分および
他成分の質量分率と構造とが特定できる。上澄み成分から溶媒を留去した後にHFIP/
重クロロホルム(質量比50/50)混合溶媒に溶解した後、H−NMRスペクトルを
測定する。
得られたスペクトルから、各成分に特有の吸収のピーク面積強度を求め、その比率とプ
ロトン数よりブレンドのモル比を算出する。さらにポリマーの単位ユニットに相当する式
量より質量比を算出する。このようにして各成分の質量分率と構造を特定した。
なお、積層体における各層の粒子の含有量は、各層を分離してから前記操作を行うこと
で求めた。
(4)フィルム厚みおよび層構成
白色反射フィルムをミクロトームにてスライスして断面出しを行い、かかる断面につい
て日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用いて、倍率500倍にて観
測し、フィルム全体、反射層A、支持層Bの厚みをそれぞれ求めた。厚みの測定はn=7
で任意位置を測定し平均値として求めた。各層の厚み(μm)を求めた上で各層の厚み比
を算出した。
(5)ボイド体積率の算出
ボイド体積率を求める層のポリマー、添加粒子、その他各成分の密度と配合割合から計
算密度を求めた。同時に、当該層を剥離する等して単離し、質量および体積を計測し、こ
れらから実密度を算出し、計算密度と実密度とから下記式により求めた。
ボイド体積率=100×(1−(実密度/計算密度))
なお、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(2軸延伸後)の密度を1.3
9g/cm、炭酸カルシウム粒子の密度を2.7g/cm、硫酸バリウム粒子の密度
を4.5g/cm、非相溶樹脂(シクロオレフィンコポリマー)の密度を1.02g/
cmとした。
また、ボイド体積率を測定する層のみを単離し、単位体積あたりの質量を求めて実密度
を求めた。体積は、サンプルを面積3cmに切り出し、そのサイズでの厚みをエレクト
リックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて10点測定した平均値を厚み
とし、面積×厚みとして算出した。質量は、電子天秤にて秤量した。
なお、他の粒子(凝集粒子含む)の比重としては、以下のメスシリンダー法にて求めた
嵩比重の値を用いた。容積1000mlのメスシリンダーに絶乾状態の粒子を充填して、
全体の重量を測定し、該全体の重量からメスシリンダーの重量を差引いて該粒子の重量を
求め、該メスシリンダーの容積を測定し、該粒子の重量(g)を該容積(cm)で割る
ことによって求められる。
(6)融点、ガラス転移温度
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、
昇温速度20℃/分で測定を行った。
(7)正面輝度
LG社製のエッジライト型LED液晶テレビ(LG42LE5310AKR)(42イ
ンチ)から反射フィルムを取り出し、それに代えて実施例で得られた各種反射フィルムを
、反射面側が画面側となるように設置し、もともと備わっていた拡散フィルムおよびプリ
ズムシートを配してバックライトユニットの状態にて輝度計(大塚電子製Model M
C−940)を用いて、輝度を測定した。
(8)延伸製膜性
実施例に記載のフィルムを、テンターを用いた連続製膜法にて製膜したときの製膜安定
性を観察し、下記基準で評価した。
◎:8時間以上安定に製膜できる。
○:3時間以上8時間未満安定に製膜できる。
△:3時間未満で1度切断が生じた。
×:3時間未満で複数回切断が発生し、安定な製膜ができない。
(9)熱撓み評価
LG社製のエッジライト型LED液晶テレビ(LG42LE5310AKR)(42イ
ンチ)を分解して、それに元から備わる反射フィルムを取り出し、代わりに実施例の白色
反射フィルムを配置し、テレビを組み立て、その状態でテレビを白色表示で点灯させたま
ま50℃×80%の環境に72時間保管し、その前後の輝度斑を評価した。
[輝度斑評価1]
目視にて輝度斑を判断し、以下の基準で評価した
○・・・全く輝度斑が見られない
△・・・かろうじて輝度斑が認識される
×・・・顕著な輝度斑が見られる
[輝度斑評価2]
輝度計(コニカミノルタ社製CA−2000)にて画面内を平均的に任意の10点につ
き輝度を測定し、画面内の(最高輝度−最低輝度)/平均輝度の値を評価した。上述の値
が5%以下である場合を熱撓みによる輝度斑が少なく良好な状態であると判定できる。好
ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下である。
<製造例1:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の合成>
テレフタル酸ジメチル136.5質量部、イソフタル酸ジメチル13.5質量部(得ら
れるポリエステルの全酸成分100モル%に対して9モル%となる)、エチレングリコー
ル98質量部、ジエチレングリコール1.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸
リチウム0.012質量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌し
ながら150〜240℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタ
ノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質
量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.3m
mHgまで減圧するとともに292℃まで昇温し、重縮合反応を行い、イソフタル酸共重
合ポリエチレンテレフタレート1を得た。このポリマーの融点は235℃であった。
<製造例2:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2の合成>
テレフタル酸ジメチル129.0質量部、イソフタル酸ジメチル21.0質量部(得ら
れるポリエステルの全酸成分100モル%に対して14モル%となる)に変更した他は、
上記製造例1と同様にして、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2を得た。
このポリマーの融点は215℃であった。
<製造例3:粒子マスターチップ1の作成>
上記で得られたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の一部、およびボイ
ド形成剤として平均粒径0.9μm、(D90−D10)/D50が1.4の合成炭酸カ
ルシウム粒子を用いて、神戸製鋼社製NEX−T60タンデム式押出機にて、得られるマ
スターチップの質量に対して合成炭酸カルシウム粒子の含有量が60質量%となるように
混合し、樹脂温度260℃にて押し出し、合成炭酸カルシウム粒子含有の粒子マスターチ
ップ1を作成した。なお、かかる合成炭酸カルシウム粒子はリン酸トリメチルエステルに
より表面処理されている。
<製造例4:粒子マスターチップ2の作成>
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の代わりに、上記で得られたイソフ
タル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2を用いる以外は上記製造例3と同様にして合
成炭酸カルシウム粒子含有の粒子マスターチップ2を作成した。
<製造例5:ビーズ層に用いる粒子1の作成>
テレフタル酸ジメチル150質量部、エチレングリコール98質量部、ジエチレングリ
コール1.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸リチウム0.012質量部を精
留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜240℃に加熱
しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸ト
リメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質量部を添加し、反応物を反応器
に移した。次いで撹拌しながら反応器内を徐々に0.3mmHgまで減圧するとともに2
92℃まで昇温し、重縮合反応を行い、ポリエチレンテレフタレート3を得た。得られた
ポリエチレンテレフタレート3をストランドダイから押出し、冷却後に断裁することによ
ってペレット状とした。ストランドの形状を調整した結果、このペレットの形状はほぼ直
方体の形状で、形状の平均が4mm×3mm×2mmのものであった。次いで、この得ら
れたペレットをオーブン内で170℃で3時間加熱することによって乾燥結晶化させ、株
式会社マツボー製のアトマイザーミル TAP−1を用いて液体窒素で冷却しながら粉砕
を行うことで平均粒径60μmのポリエステル粒子を得た。さらにこのポリエステル粒子
を風力分級することによって平均粒径43μmの粒子1(粉砕樹脂粒子)を得た。
[実施例1]
(白色反射フィルムの製造)
上記で得たイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1と粒子マスターチップ1
および非相溶樹脂(シクロオレフィンコポリマー、Tg=210℃、ポリプラスチックス
社製「TOPAS」)を反射層(A層)の原料として、イソフタル酸共重合ポリエチレン
テレフタレート2と粒子マスターチップ2を支持層(B層)の原料としてそれぞれ用い、
それぞれの層が表1に記載した構成となるように混合し、押出機に投入し、A層は平均目
開き30μmの不織布型フィルターを通して溶融押出し温度255℃にて、B層は平均目
開き30μmの不織布型フィルターを通して溶融押出し温度230℃にて、表1に示すご
とくB層/A層/B層の層構成となるように3層フィードブロック装置を使用して合流さ
せ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。このときB層/A層/
B層の厚み比が2軸延伸後に10/80/10となるように各押出機の吐出量で調整した
。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムとした
。この未延伸フィルムを73℃の予熱ゾーン、つづけて75℃の予熱ゾーンを通して、9
2℃に保たれた縦延伸ゾーンに導き、縦方向に3.0倍に延伸し、25℃のロール群で冷
却した。続いて、フィルムの両端をクリップで保持しながら115℃の予熱ゾーンを通し
て130℃に保たれた横延伸ゾーンに導き、横方向に3.6倍に延伸した。その後テンタ
ー内で155℃で10秒間の熱処理、200℃で10秒間の熱固定、155℃で10秒間
の熱処理を連続的に行い、次いで幅入れ率2%、幅入れ温度130℃で横方向の幅入れを
行い、次いでフィルム両端を切り落し、縦弛緩率2.5%で熱弛緩し、室温まで冷やして
、厚み300μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例2〜17、比較例1〜6]
粒子および非相溶樹脂の態様、フィルムの構成を表1に示すとおりとする以外は、実施
例1と同様にして白色反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
なお、用いた合成炭酸カルシウム粒子はリン酸トリメチルエステルにより表面処理されて
いる。
実施例17は、フィルムの総厚みを188μmとした。
[実施例18]
実施例1と同様にして得られた二軸延伸フィルムの片面の上に、ダイレクトグラビアコ
ーティング装置にて、下記のビーズ層を形成するための塗液1に示す組成からなる塗液を
、wet厚み15g/mの塗布量で塗布した後、オーブン内にて100℃で乾燥してビ
ーズ層を有する白色反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。な
お、評価においてはビーズ層側を反射面として用いた。
<塗液1、固形分濃度30質量%>
・粒子:上記製造例5で得られた粒子1(粉砕樹脂粒子)・・・7.5質量%
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂):DIC社製アクリディックA−817BA(固形分濃
度50質量%)・・・30質量%
・架橋剤:日本ポリウレタン工業社製コロネートHL(イソシアネート系架橋剤、固形分
濃度75質量%)・・・10質量%
・希釈溶媒:酢酸ブチル・・・52.5質量%
なお、塗液1における各成分の固形分比率は以下の通りとなる。
・粒子:25質量%
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂):50質量%
・架橋剤:25質量%
[比較例7]
ボイド形成剤として、炭酸カルシウム粒子の代わりに平均粒径0.9μm、(D90−
D10)/D50が1.4の硫酸バリウム粒子を用いる以外は、製造例3,4と同様に粒
子マスターチップを作成し、フィルムの構成を表1に示すとおりとする以外は、実施例1
と同様にして白色反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。なお
、かかる硫酸バリウムは風力分級を繰り返すことで得た。
Figure 2020109515
本発明の白色反射フィルムは、優れた反射特性を有しながら、大型のディスプレイに用
いたとしても、電気回路や光源から発生する熱や、使用環境からの熱や湿度によって生じ
る熱撓みを抑制することができる。それにより、白色反射フィルムが撓んでしまうことで
生じる輝度斑を抑制することができるため、産業上の利用可能性は高い。

Claims (6)

  1. 反射層A及び支持層Bを有する大型液晶ディスプレイ用白色反射フィルムの製造方法であって、
    (1)ポリエステルと炭酸カルシウム粒子と該ポリエステルに非相溶な樹脂を含有する反射層A用ポリエステル組成物、及びポリエステルを含有する支持層B用ポリエステル組成物を、共押出法により積層して未延伸積層フィルムを得る工程、
    ここで、該炭酸カルシウム粒子は、平均粒径が0.1〜1.2μmであり、小粒径側から積算した10%体積粒径D10、50%体積粒径D50および90%体積粒径D90が(D90−D10)/D50≦1.6を満たし、含有量が該反射層A用ポリエステル組成物の質量に対して5〜69質量%であり、
    該非相溶な樹脂は、含有量が該射層A用ポリエステル組成物の質量に対して1〜40質量%であり、
    該炭酸カルシウム粒子と該非相溶な樹脂の含有量の合計が、該熱可塑性樹脂組成物の質量に対して10〜70質量%であり、
    該共押出法において、該反射層A用ポリエステル組成物が、平均目開き10〜100μmの不織布型フィルターを通して溶融押出しされる、
    (2)該未延伸積層フィルムを二軸延伸して白色反射フィルムを得る工程、
    を含む製造方法。
  2. 上記反射層A用ポリエステル組成物のポリエステルが、共重合ポリエチレンテレフタレートである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記共重合ポリエチレンテレフタレートの共重合量が、該共重合ポリエチレンテレフタレートの全酸成分100モル%に対して1〜20モル%である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 上記白色反射フィルムの厚み100%に対する上記反射層Aの厚み比率が50%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 上記白色反射フィルムにおける積層構造が、反射層AをA、支持層BをBと表したとき、B/A、A/B/A、またはB/A/B/Aである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 大型液晶ディスプレイ用面光源の製造方法であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により大型液晶ディスプレイ用白色反射フィルムを得る工程、および
    該白色反射フィルムに光源を組み合わせる工程、
    を含む、製造方法。
JP2020015966A 2020-02-03 2020-02-03 大型ディスプレイ用白色反射フィルム Pending JP2020109515A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020015966A JP2020109515A (ja) 2020-02-03 2020-02-03 大型ディスプレイ用白色反射フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020015966A JP2020109515A (ja) 2020-02-03 2020-02-03 大型ディスプレイ用白色反射フィルム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015167587A Division JP2017044886A (ja) 2015-07-16 2015-08-27 大型ディスプレイ用白色反射フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020109515A true JP2020109515A (ja) 2020-07-16

Family

ID=71570061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020015966A Pending JP2020109515A (ja) 2020-02-03 2020-02-03 大型ディスプレイ用白色反射フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020109515A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114114489A (zh) * 2021-12-02 2022-03-01 宁波长阳科技股份有限公司 聚酯反射膜、制备方法及其应用
CN114325904A (zh) * 2021-12-15 2022-04-12 合肥乐凯科技产业有限公司 一种用于大尺寸薄型显示器的聚酯反射膜

Citations (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0686537B2 (ja) * 1986-03-06 1994-11-02 東レ株式会社 白色ポリエチレンテレフタレ−トフイルムの製造方法
JPH08217961A (ja) * 1995-02-15 1996-08-27 Toray Ind Inc ポリエステル組成物およびそれからなる成形品
JP2003048291A (ja) * 2001-08-08 2003-02-18 Teijin Dupont Films Japan Ltd 半透過反射積層ポリエステルフィルムおよび製造方法
US20050026215A1 (en) * 2003-07-17 2005-02-03 Predki Paul F. Method for the prediction of an epitope
JP2007261260A (ja) * 2006-03-02 2007-10-11 Toray Ind Inc 反射板用白色積層ポリエステルフィルム
JP2007320239A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Teijin Dupont Films Japan Ltd 二軸延伸フィルム
JP2011011370A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Teijin Dupont Films Japan Ltd 白色反射フィルム
JP2011039189A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート、面光源装置、透過型表示装置
JP2012121294A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Teijin Dupont Films Japan Ltd 2軸延伸白色ポリエステルフィルム
JP2013088715A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Teijin Dupont Films Japan Ltd 反射板用ポリエステルフィルム
JP2013088716A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Teijin Dupont Films Japan Ltd 反射板用ポリエステルフィルム
WO2014021207A1 (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 東レ株式会社 液晶ディスプレイ用白色ポリエステルフィルム
CN103777261A (zh) * 2014-02-10 2014-05-07 张家港康得新光电材料有限公司 一种反射膜
JP2015086241A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 帝人デュポンフィルム株式会社 白色ポリエステルフィルム
JP2015086240A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 帝人デュポンフィルム株式会社 白色ポリエステルフィルム
JP2015087420A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 帝人デュポンフィルム株式会社 白色ポリエステルフィルム
JP2015121685A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 帝人デュポンフィルム株式会社 白色反射フィルム
JP2015121686A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 帝人デュポンフィルム株式会社 白色反射フィルム
JP2015125276A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 帝人デュポンフィルム株式会社 白色反射フィルム

Patent Citations (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0686537B2 (ja) * 1986-03-06 1994-11-02 東レ株式会社 白色ポリエチレンテレフタレ−トフイルムの製造方法
JPH08217961A (ja) * 1995-02-15 1996-08-27 Toray Ind Inc ポリエステル組成物およびそれからなる成形品
JP2003048291A (ja) * 2001-08-08 2003-02-18 Teijin Dupont Films Japan Ltd 半透過反射積層ポリエステルフィルムおよび製造方法
US20050026215A1 (en) * 2003-07-17 2005-02-03 Predki Paul F. Method for the prediction of an epitope
JP2007261260A (ja) * 2006-03-02 2007-10-11 Toray Ind Inc 反射板用白色積層ポリエステルフィルム
JP2007320239A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Teijin Dupont Films Japan Ltd 二軸延伸フィルム
JP2011011370A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Teijin Dupont Films Japan Ltd 白色反射フィルム
JP2011039189A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート、面光源装置、透過型表示装置
JP2012121294A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Teijin Dupont Films Japan Ltd 2軸延伸白色ポリエステルフィルム
JP2013088715A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Teijin Dupont Films Japan Ltd 反射板用ポリエステルフィルム
JP2013088716A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Teijin Dupont Films Japan Ltd 反射板用ポリエステルフィルム
WO2014021207A1 (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 東レ株式会社 液晶ディスプレイ用白色ポリエステルフィルム
JP2015086241A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 帝人デュポンフィルム株式会社 白色ポリエステルフィルム
JP2015086240A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 帝人デュポンフィルム株式会社 白色ポリエステルフィルム
JP2015087420A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 帝人デュポンフィルム株式会社 白色ポリエステルフィルム
JP2015121685A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 帝人デュポンフィルム株式会社 白色反射フィルム
JP2015121686A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 帝人デュポンフィルム株式会社 白色反射フィルム
JP2015125276A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 帝人デュポンフィルム株式会社 白色反射フィルム
CN103777261A (zh) * 2014-02-10 2014-05-07 张家港康得新光电材料有限公司 一种反射膜

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114114489A (zh) * 2021-12-02 2022-03-01 宁波长阳科技股份有限公司 聚酯反射膜、制备方法及其应用
CN114325904A (zh) * 2021-12-15 2022-04-12 合肥乐凯科技产业有限公司 一种用于大尺寸薄型显示器的聚酯反射膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5926512B2 (ja) 白色反射フィルム
US20090034235A1 (en) Laminated film
JP6174453B2 (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP5985809B2 (ja) 反射板用ポリエステルフィルム
CN107315209A (zh) 白色反射膜
WO2014021476A1 (ja) 白色反射性フィルム
US20090035544A1 (en) Laminated film for reflection plate
JP6219673B2 (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP5596404B2 (ja) 反射板用ポリエステルフィルム
JP5502379B2 (ja) 白色反射フィルム
JP2020109515A (ja) 大型ディスプレイ用白色反射フィルム
JP5985808B2 (ja) 反射板用ポリエステルフィルム
WO2017010471A1 (ja) 大型ディスプレイ用白色反射フィルム
JP6837285B2 (ja) 大型ディスプレイ用白色反射フィルム
JP2020073992A (ja) 大型ディスプレイ用白色反射フィルム
JP6110220B2 (ja) 白色反射フィルム
KR102488716B1 (ko) 직하형 면광원용 백색 반사 필름 및 그것을 사용한 직하형 면광원
JP2017044886A (ja) 大型ディスプレイ用白色反射フィルム
JP2017026676A (ja) 大型ディスプレイ用白色反射フィルム
JP6336308B2 (ja) 直下型面光源用白色反射フィルム
JP5702482B2 (ja) 白色反射フィルム
JP5495345B2 (ja) 白色反射フィルム
JP5785202B2 (ja) 白色反射フィルム
JP2013190545A (ja) 白色反射フィルム
JP2014043488A (ja) 白色フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201027

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210212

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20210420

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210706