JP2014043488A - 白色フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムが硫酸バリウムを含有していたとしても、LED劣化を抑制することができる白色反射フィルムを提供すること。
【解決手段】硫酸バリウムと消臭剤粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物からなり、消臭剤粒子が白色無機粒子で、その含有量(C)が0.4〜5.0質量%の範囲である白色フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、白色フィルムに関する。特に、LED光源用として好適に用いることができる白色フィルムに関する。
液晶表示装置(LCD)のバックライトユニットには、液晶表示パネルの背面に光源および反射板を備える直下型と、液晶表示パネルの背面に、反射板を備えた導光板を配し、かかる導光板の側面に光源を備えるエッジライト型とがある。従来、大型のLCDに用いられるバックライトユニットとしては、画面の明るさおよび画面内の明るさの均一性に優れるといった観点から、直下型(主には直下型CCFL)が主流であった。しかしながら近年テレビ用などをはじめとする大型のLCDにおいても、エッジライト型が主流になってきたとともに、光源がLED(発光ダイオード)へと変遷してきた。
照明器具においても、前面に射出する光量を向上させるために反射板が用いられる。また、省電力化のために光源としてLEDが用いられるようになってきた。
上記のような反射板として用いられる白色反射フィルムとしては、従来から硫酸バリウムを用いたものがよく知られている(例えば特許文献1〜4)。
特開2006−212925号公報 特開2009−86451号公報 特開2009−126094号公報 特開2009−83369号公報
従来、上記特許文献に示すような、硫酸バリウムを用いた白色反射フィルムは、高反射率および高輝度が容易に達成でき、また原料回収も容易で、かつ硫酸バリウム自体が非常に安定な物質である為、反射板用として広く用いられていた。
しかしながら近年において、LEDにおける封止樹脂として、エポキシ樹脂の代わりにシリコーン樹脂が用いられるようになってきた。そのような中で本発明者らは、従来の硫酸バリウムを用いた白色反射フィルムでは、使用条件によってはLEDが劣化し、色変化や輝度低下等の問題が生じることを新たに見出した。
そこで、封止性能が低いLEDであっても用いることができる白色反射フィルムが求められる。
以上のような背景のもと、本発明は、フィルムが硫酸バリウムを含有していたとしても、LED劣化を抑制することができる白色反射フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明の望ましい課題は、上記目的と同時に、高反射率、高輝度である白色反射フィルムを提供することである。
本発明者らは、LEDの劣化に対して、硫酸バリウムに極微量に存在している硫化物不純物が影響を及ぼしている事に着目した。すなわち、上述のごとくLEDにおける封止樹脂がシリコーン樹脂となることで、バリア性能が低下する。そして、LED内部には銀材質からなる、あるいは銀材質にてメッキされたリードフレームや、銀材質の反射板が用いられており、上記封止樹脂のバリア性能が劣る場合には、これらが劣化してしまうものと考えられる。
本発明者らは、上記特許文献に例示されているような硫酸バリウムを用いた白色反射フィルムにおいては、硫酸バリウム自体は非常に安定な物質であり、LEDへ直接影響を及ぼすことは無く、LED劣化もなく広く利用されてきたものの、LEDのバリア性能の低下に伴い、フィルム中にごくわずかに残存していると考えられる不純物(硫化物不純物)が封止効果の低下した樹脂内を透過し、LED内部に用いられている銀リードフレームや反射板に影響を及ぼし、LEDの色変化、輝度低下を引き起こす可能性があることを見出し、これに着目した。
そこで本発明者らは、鋭意検討の結果、かかる不純物があったとしても、消臭剤粒子をフィルムを構成する熱可塑性樹脂自体に添加し、不純物を消臭剤粒子と反応または吸着させることによって、LED劣化が抑制できる事を見出した。また、かかる消臭剤粒子を白色無機粒子とすることによって、これまで通りの高反射率、高輝度が達成できることを見出した。
すなわち本発明は、上記課題を達成するために、以下の構成を採用するものである。
1.硫酸バリウムと消臭剤粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物からなり、消臭剤粒子が白色無機粒子で、その含有量(CA)が0.4〜5.0質量%の範囲である白色フィルム。
2.消臭剤粒子の平均粒子径が30μm以下である、上記1に記載の白色フィルム。
3.硫酸バリウムの含有量(CB)が、1〜50質量%の範囲である上記1に記載の白色フィルム。
4.硫酸バリウムの含有量(CB)と消臭剤粒子の含有量(CA)との比(CB/CA)が、10〜100の範囲である上記1に記載の白色フィルム。
5.LED光源の反射板に用いられる上記1〜4のいずれかに記載の白色フィルム。
本発明によれば、高反射率と高輝度を維持しつつ、LEDの劣化を抑制できる白色フィルムを提供することができる。
本発明の白色反射フィルムは、熱可塑性樹脂自体に消臭剤粒子を添加したものである。以下、本発明について詳細に説明する。
[白色フィルム]
本発明における白色フィルムは、熱可塑性樹脂からなり、少なくとも硫酸バリウムを含有させることによって白色を呈するようにしたフィルムである。また、硫酸バリウムと併用して他の着色剤またはボイド形成剤を有していても良い。例えば、硫酸バリウム以外の無機粒子、有機粒子あるいはフィルムを構成する熱可塑性樹脂とは非相溶の樹脂(以下、非相溶樹脂と呼称する場合がある。)を用いることができる。
白色フィルムの波長550nmにおける反射率は、好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、特に好ましくは98%以上である。白色フィルムは単層フィルムであっても、積層フィルムであってもよい。高い反射率と機械的強度を得る観点から、比較的多くのボイドを含有する層(反射層)と比較的少ないボイドを含有するかボイドを含有しない層(支持層)とから構成される積層フィルムが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
白色フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、アクリルを挙げることができる。機械的特性および熱安定性に優れる白色フィルムを得る観点から、ポリエステルが好ましい。
白色フィルムの熱可塑性樹脂としてポリエステルを用いる場合、ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを用いることが好ましい。このジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸に由来する成分を挙げることができる。また、ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールに由来する成分を挙げることができる。これらのポリエステルのなかでも芳香族ポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエステルは、ホモポリエステルであってもよいが、共重合ポリエステルが好ましい。かかる共重合ポリエステルとしては、共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。共重合ポリエステルを用いることによって、比較的多くのボイドを含んだとしても優れた製膜性を確保することができる。白色フィルムとして、比較的多くのボイドを含有する層(反射層)と比較的少ないボイドを含有するかボイドを含有しない層(支持層)とから構成される積層白色フィルムを用いる場合は、比較的多くのボイドを含有する層に用いるポリエステルとして共重合ポリエステルポリマーを用いることが好ましい。共重合成分の割合は、全ジカルボン酸成分100モル%を基準として、例えば3〜20モル%、好ましくは4〜15モル%、さらに好ましくは5〜13モル%である。共重合成分の割合をこの範囲とすることによって、ボイドを比較的多く含有したとしても優れた製膜性を得ることができる。また、熱寸法安定性に優れたフィルムを得ることできる。なお、共重合成分としては、上で例示したジカルボン酸成分およびジオール成分を挙げることができる。特に好ましい共重合ポリエステルは、イソフタル酸成分共重合ポリエチレンテレフタレートである。
(硫酸バリウム)
硫酸バリウムの平均粒子径は、好ましくは0.2〜3.0μm、より好ましくは0.3〜2.5μm、さら好ましくは0.4〜2.0μmである。平均粒子径が大きすぎると破断が生じやすくなる傾向にあり、また反射率が低下する傾向にある。他方、平均粒子径が小さすぎる際には、粒子が凝集しやすく、フィルター濾過の際にフィルター昇圧が早くなる傾向にあり、また凝集体自体も破断の原因となる。硫酸バリウム自体の形状は板状であっても球状であっても良い。ここで球状とは、粒径比(長径/短径)が1.3以下であることをいう。また硫酸バリウム粒子の含有量は、反射率を向上させる観点から白色フィルムの質量を基準として1〜50質量%が好ましく、2〜45質量%が更に好ましい。上述の反射層と支持層とを有する場合は、白色フィルム全体での硫酸バリウムの含有量が上記範囲を満足しておればよい。なお、反射層と支持層とを有する場合の各層の好ましい含有量は、例えば反射層における含有量は、反射層の質量を基準として好ましくは31〜70質量%、より好ましくは35〜65質量%、さらに好ましくは40〜50質量%であり、支持層における含有量は、支持層の質量を基準として好ましくは0〜30質量%、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
(着色剤、ボイド形成剤)
硫酸バリウムと併用することができる着色剤またはボイド形成剤として、硫酸バリウム以外の無機粒子を用いる場合、かかる無機粒子としては、白色無機粒子が好ましい。この白色無機粒子としては、二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウムの粒子を例示することができる。該無機粒子の平均粒子径は、好ましくは0.2〜3.0μm、より好ましくは0.3〜2.5μm、さら好ましくは0.4〜2.0μmである。またその含有量は、白色フィルムの質量を基準として1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%が更に好ましい。このような無機粒子を併用することで、好ましい反射率を更に達成しやすくなる。また、熱可塑性樹脂中で適度に好適な分散状態とすることができ、粒子の凝集が起こり難く、粗大突起の抑制されたフィルムを得ることができる。同時に、フィルムの表面が粗くなりすぎず、適切な範囲に光沢度をコントロールすることができる。なお、無機粒子は、どのような粒子形状でもあってもよく、例えば、板状、球状であってもよい。無機粒子は、分散性を向上させるための表面処理を行ってあってもよい。
併用する着色剤またはボイド形成剤として有機粒子を用いる場合、かかる有機粒子としては、ポリエステルに非相溶な樹脂の粒子を用いる。この有機粒子としては、シリコーン樹脂粒子、ポリテトラフルオロエチレン粒子が好ましい。有機粒子の平均粒子径は、好ましくは0.2〜10μm、より好ましくは0.3〜8.0μm、さらに好ましくは0.4〜6.0μmである。またその含有量は、白色フィルムの質量を基準として1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%が更に好ましい。このような有機粒子を用いることで、好ましい反射率を更に達成しやすくなる。また、熱可塑性樹脂中で適度に好適な分散状態とすることができ、粒子の凝集が起こり難く、粗大突起の抑制されたフィルムを得ることができる。同時に、フィルムの表面が粗くなりすぎず、適切な範囲に光沢度をコントロールすることができる。なお、有機粒子は、どのような粒子形状でもあってもよく、例えば、板状、球状であってもよい。
併用する着色剤またはボイド形成剤として非相溶樹脂を用いる場合、非相溶樹脂としては、ポリオレフィン、ポリスチレンが好ましい。またその含有量は、白色フィルムの質量を基準として1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%が更に好ましい。このような非相溶樹脂を用いることで、好ましい反射率を更に達成しやすくなる。
(消臭剤粒子)
本発明における消臭剤粒子は、硫酸バリウムが含有する、LED劣化に影響を及ぼす硫化物不純物、特に、硫酸バリウムに元から含有されていたり、熱可塑性樹脂との接触によって新たに発生する硫化水素を吸着または反応することで、それにより硫化物不純物によるLEDの劣化を抑制するという作用効果を奏するものである。すなわち、硫化物不純物と反応・吸着することができるものである。
なお、ここで硫酸バリウムが含有する硫化物不純物とは、硫化水素、硫化水素イオン、硫化物イオンなどであり、硫化水素の様態として表出する。
ところで、本発明における消臭剤粒子は、白色無機粒子である。このような消臭剤粒子としてはゼオライト、シリカ、アルミナなどに金属が担持されているものが多く、銅や銀、亜鉛、チタンなどを代表とする2種類以上の複数の金属が担持されていることが多い。このような消臭剤の代表例としては、花王株式会社から商品名ライオナイトSF、株式会社シナンゼオミックから抗菌性ゼオライトとしてゼオミック、東亜合成株式会社から商品名ケスモンNS−10N、協和化学工業株式会社からキョーワード500や1000などが挙げられる。また、本発明における消臭剤粒子は、白色であることが必要である。本発明における粒子が白色であるとは、消臭剤の商品説明などに、白色と記載されていることを意味する。具体的には可視光線に対する反射率が、全領域にわたって95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上であることが好ましい。消臭剤粒子が淡青色などを呈するものだと、反射率や輝度が低下してしまう。そのような観点から、消臭剤粒子は、金属種として銅を有するものは一般的に着色されることから好ましくない。
消臭剤粒子の粒子径は、平均粒子径で30μm以下であることが好ましい。このような小粒子径の消臭剤粒子を選択することで、LEDの劣化抑制をより高くすることができる。かかる観点から、消臭剤粒子の平均粒子径は、更に好ましくは20μm以下であり、特に好ましくは10μm以下である。平均粒子径が大きすぎる際には、凝集等の問題は生じ難く取り扱いも容易ではあるものの、比表面積が小さくなるため、硫化物不純物との反応性が低下する傾向にあり、LED劣化抑制の効果が低くなる傾向にある。他方、平均粒子径が小さすぎる場合は、粒子の比表面積の観点では好ましいものの、凝集などの問題が生じやすく取り扱いが困難となるばかりか、かかる凝集によりLED劣化抑制の効果が低くなる傾向にある。かかる観点から、消臭剤粒子の平均粒子径は、好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは1.0μm以上である。かかる平均粒子径の調整としては、従来公知の一般的な手法を用いることができる。すなわち粉砕機(例えば微粉砕機であるピンミル、アトマイザー、ボールミル、ジェットミルなど)を用い、粉砕を行った後、風力分級などを用いれば、所望のサイズの粒子を得る事が出来る。
白色フィルム中の消臭剤粒子の含有量は、白色フィルムの質量を基準として、0.4〜5.0質量%である。かかる範囲にあるとLED劣化抑制の効果に優れる。含有量が少なすぎるとLED劣化抑制の効果に劣る。かかる観点から、含有量は、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上である。他方、多すぎると、消臭剤粒子の脱落が生じ易く、結果としてLED劣化抑制の効果に劣ることとなる。また、反射率や輝度の低下にも繋がり易いため、かかる観点から、含有量は、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下である。
さらに、硫酸バリウムの含有量(C)と消臭剤粒子の含有量(C)との比(C/C)は、10〜100の範囲であることが好ましく、さらに14〜92の範囲にあることが本発明の効果の点から好ましい。
(フィルム厚み)
白色フィルムの厚みは任意であるが、優れた反射率が得られる程度の厚みを有することが好ましい。また、取り扱い性の観点からも、適度に厚いことが好ましい。他方、軽量化の観点からは厚すぎることは不利である。好ましくは10〜500μm、より好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは100〜250μmである。
白色フィルムが反射層と支持層とからなる場合は、各層の厚みは反射率等の光学特性や延伸性を勘案して設定すればよい。これらのバランスの観点から、白色フィルムの総厚みを100としたときに、反射層は好ましくは10〜95、さらに好ましくは15〜90となるような厚み比率とすればよい。
(その他成分)
本発明における熱可塑性樹脂には、
本発明の効果を損なわない範囲で、それ自体公知の添加剤や機能剤を含有させることができる。具体的な添加剤や機能剤としては、上記硫酸バリウム、白色無機粒子、消臭剤粒子、ボイド形成剤以外の球状粒子や染料、顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、架橋剤等を挙げることができる。
[製造方法]
以下、本発明の白色反射フィルムを製造する方法の一例を説明する。この例では、白色フィルムとして、ポリエステルを用いた単層の白色フィルムを用いる。なお、製膜機械軸方向を縦方向または長手方向またはMDと呼称する場合がある。また、該製膜機械軸方向と厚み方向とに垂直な方向を横方向または幅方向またはTDと呼称する場合がある。
単層の白色フィルムに用いるポリエステル組成物(熱可塑性樹脂としてのポリエステルと、硫酸バリウム、消臭剤粒子、およびその他の任意成分を含む組成物)は、線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜100μm、好ましくは平均目開き20〜50μmの不織布型フィルターを用いて濾過を行うことが好ましい。この濾過を行うことで、通常は凝集して粗大凝集粒子となりやすい粒子の凝集を抑え、粗大異物の少ない白色フィルムを得ることができる。
濾過したポリエステルの組成物は、溶融した状態でダイからシート状態で押出し、未延伸シートを製造する。
ダイより押出された未延伸シートは、キャスティングドラムで冷却固化され、未延伸フィルムとなる。この未延伸フィルムをロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。延伸は、ポリエステルのガラス転移点(Tg)以上の温度で行うことが好ましい。縦方向の延伸倍率は、好ましくは2.2〜4.0倍、さらに好ましくは2.3〜3.9倍である。2.2倍未満とするとフィルムの厚み斑が悪くなる傾向にあり、4.0倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる傾向にある。
縦延伸後のフィルムは、続いて、予熱、横延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸の処理はTgより高い温度から始める。横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが通常逐次的に昇温する。例えばテンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。横方向の延伸倍率は、好ましくは2.5〜4.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.9倍である。2.5倍未満であるとフィルムの厚み斑が悪くなる傾向にあり、4.5倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる傾向にある。
横延伸後のフィルムは、両端を把持したまま(Tm−100℃)〜(Tm−20℃)の温度で定幅または10%以下の幅減少下で熱処理して熱収縮率を低下させるのがよい。なお、ここでTmはポリエステルの融点を表す。熱処理温度が(Tm−20℃)より高いとフィルムの平面性、厚み斑が悪くなる傾向にある。(Tm−100)℃より低いと熱収縮率が大きくなる傾向にある。また、熱収縮量を調整するために、把持しているフィルムの両端を切り落し、フィルム縦方向の引き取り速度を調整し、縦方向に弛緩させることができる。弛緩させる手段としてはテンター出側のロール群の速度を調整する。弛緩させる割合として、テンターのフィルムライン速度に対してロール群の速度ダウンを行い、好ましくは0.1〜2.5%、さらに好ましくは0.2〜2.3%、特に好ましくは0.3〜2.0%の速度ダウンを実施してフィルムを弛緩(この値を「弛緩率」という)して、弛緩率をコントロールすることによって縦方向の熱収縮率を調整する。また、フィルム横方向は両端を切り落すまでの過程で幅減少させて、所望の熱収縮率を得ることができる。
また、白色フィルムが反射層と支持層を有する積層フィルムである場合、それぞれの層を形成するポリエステル組成物を濾過した後、溶融した状態でフィードブロックを用いた同時多層押出法により、ダイから多層の状態で押出し、積層未延伸シートを製造するのが好ましい。
[白色フィルムの特性]
(反射率)
本発明の白色フィルムの反射率は、好ましくは96%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは97.5%以上、特に好ましくは98%以上である。反射率が上記範囲であることによって、液晶表示装置や照明等に用いた場合には、高い輝度、照度を得ることができる。かかる反射率は、例えば上述したような白色フィルムを用い、ボイド形成剤としての粒子を本発明が規定する範囲とすることで達成できる。
(輝度)
本発明の白色フィルムの輝度は、好ましくは5900cd/m以上、より好ましくは6000cd/m以上、さらに好ましくは6050cd/m以上、特に好ましくは6100cd/m以上である。輝度が上記範囲であることによって、液晶表示装置や照明等に用いた場合には、高い輝度、照度を得ることができる。かかる輝度は、例えば上述したような白色フィルムを用い、ボイド形成剤等の粒子を本発明が規定する範囲とすることで達成できる。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)光線反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO白板を100%とした時の反射率を波長550nmで測定し、この値を反射率とした。
なお、測定面は、反射板として用いるに際して反射面となる面について測定すればよい。例えば、白色フィルムが単層フィルムであるか、反射層と支持層とを有し、両側の表層が反射層であるか、両側の表層が支持層である積層フィルムの場合は、任意の面について測定すればよい。また、
白色フィルムが反射層と支持層とを有し、片側の表層が反射層を、もう片側の表層が支持層を形成する積層フィルムの場合は、反射層(層A)側の面について測定すればよい。
(2)粒子の平均粒子径
日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率5000倍にて、粒子を100個任意に測定し、平均粒子径を求めた。なお、球状以外の場合は(長径+短径)/2にて求めた。
(3)輝度
評価用に用意した液晶テレビ(SONY社製ブラビアEX7、32インチ)のエッジライト型バックライトユニットから、元々組み込まれていた光反射シートを取り外し、測定対象とするフィルムサンプルを組み込んだ。その際、反射率を測定した側の面を導光板側となるようにした。その後バックライトユニットの発光面を2×2の4区画に分け、点灯1時間後の正面輝度を、トプコン社製のBM−7を用いて測定した。測定角は1°、輝度計とバックライトユニット発光面との距離は50cmとした。バックライトユニット発光面の面内4箇所における輝度の単純平均を求め、輝度とした。
(4)白色フィルム各層の厚み
フィルムサンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたフィルムサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を薄膜切片にした後、光学顕微鏡を用いて観察撮影し、写真から各層の厚み比を測定し、フィルム全体の厚みから計算して、各層の厚みを求めた。
(5)銀ペーストの変色評価(LED劣化評価)
スライドガラスの上に銀ペースト(藤倉化成株式会社製、導電性ペースト「ドータイトD−550」)を塗布し(目視で光が透過しない厚さに市販の刷毛にて塗布)、500ccのビンに塗布したスライドガラス1枚、5cm×5cmの反射フィルムを50枚投入し、ビンの口をポリプロピレンシートにて蓋をし、80℃80%RH下にて48時間放置した。放置後の銀ペースト表面を観察し、変色が認められない(評価○)、変色がやや認められる(評価△)、変色が認められる(評価×)とした。
(6)LED変色評価(LED劣化評価)
上記(3)において反射シートの代わりにフィルムサンプルを備えた状態で液晶テレビ(SONY社製ブラビアEX7)を組み立て、80℃80%RH下にて電源を付けずに1週間放置し、初期のLED光源の色と比較し変色が認められたLEDの個数にて判断を行った。内部に組み込まれているLED50個について目視にて観察した。
○:変色が認められたものが0〜1個
△:変色が認められたものが2〜3個
×:変色が認められたものが4〜50個
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル132質量部、イソフタル酸ジメチル18質量部(ポリエステルの全酸成分に対して12モル%となる。)、エチレングリコール96質量部、ジエチレングリコール3.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸リチウム0.012質量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温し重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステルのジエチレングリコール成分量は2.5質量%、ゲルマニウム元素量は50ppm、リチウム元素量は5ppmであった。
この共重合ポリエステルに、表1に示す含有量となるように硫酸バリウム粒子と下記に記載した消臭剤1を添加した。
その後、280℃に加熱された押出機に供給し、表1に示す厚みとなるようダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを記載された温度にて加熱し長手方向(縦方向)に延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、フィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き、予熱ゾーンにて乾燥しながら120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に延伸した。その後テンター内で200℃の温度で熱固定を行い、縦方向の弛緩1.5%、横方向の幅入れ2%を行い、室温まで冷やして、二軸延伸ポリエステルフィルム(白色反射フィルム)を得た。得られた白色反射フィルムの評価結果を表1に示す。
なお、表1中の消臭剤1は、ライオン株式会社製、ライオナイトSF(平均粒径1.6μm、白色粉末)を意味する。
[実施例2]
消臭剤の種類を消臭剤2(株式会社シナネンゼオミック社製、商品名ゼオミックス(平均粒径2.0μm、白色粉末))に変更し、その含有量を表1に示す通り変更した以外は同様にして白色反射フィルムを得た。得られた白色反射フィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例3]
テレフタル酸ジメチル132質量部、イソフタル酸ジメチル18質量部(ポリエステルの全酸成分に対して12モル%となる。)、エチレングリコール96質量部、ジエチレングリコール3.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸リチウム0.012質量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質量部、消臭剤1を1.5重量部(ポリマー重量に対し0.5重量部)添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温し重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステルのジエチレングリコール成分量は2.5質量%、ゲルマニウム元素量は50ppm、リチウム元素量は5ppmであった。
この共重合ポリエステルに、表1に示す含有量となるように硫酸バリウム粒子と消臭剤1(ライオン株式会社製、ライオナイトSF(平均粒径1.6μm、白色粉末))を添加した。
その後、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸延伸ポリエステルフィルム(白色反射フィルム)を得た。得られた白色反射フィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
消臭剤2の粒子径と添加量を表1のように変更した以外は同様にして白色反射フィルムを得た。得られた白色反射フィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において層Aに消臭剤を添加しない熱可塑性樹脂を使用した白色反射フィルムを作製した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において層Aに消臭剤1の代わりに消臭剤3(東亜合成株式会社製、商品名ケスモンN−20C(平均粒径0.8μm、淡青色粉末))を、表1に示す含有量となるように添加した以外は同様にして白色反射フィルムを得た。得られた白色反射フィルムの評価結果を表1に示す。
消臭剤3は銅系のためか、消臭剤自体が青色に着色しており、銀ペーストの変色は見られないが、反射率、輝度共に低かった。
[比較例3]
実施例1において、層Aに添加する消臭剤量を表1に示すとおり変更した以外は同様にして白色反射フィルムを得た。得られた白色反射フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 2014043488
なお、表1中の用語は、以下のとおりである。
PET:ポリエチレンテレフタレート
IPA:イソフタル酸成分
消臭剤1:ライオナイトSF(ライオン株式会社)
消臭剤2:ケスモンN−20C(東亞合成株式会社)
消臭剤3:ゼオミックス(株式会社シナネンゼオミック)
本発明の白色反射フィルムは、液晶表示装置や照明器具等に用いられる白色反射フィルムとして、特に、LED光源用の白色反射フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 硫酸バリウムと消臭剤粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物からなり、消臭剤粒子が白色無機粒子で、その含有量(C)が0.4〜5.0質量%の範囲である白色フィルム。
  2. 消臭剤粒子の平均粒子径が30μm以下である、請求項1に記載の白色フィルム。
  3. 硫酸バリウムの含有量(C)が、1〜50質量%の範囲である請求項1に記載の白色フィルム。
  4. 硫酸バリウムの含有量(C)と消臭剤粒子の含有量(C)との比(C/C)が、10〜100の範囲である請求項1に記載の白色フィルム。
  5. LED光源の反射板に用いられる請求項1〜4のいずれかに記載の白色フィルム。
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