JP2007261260A - 反射板用白色積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともポリエステル層(A)と空洞を含有するポリエステル層(B)が共押出し法により積層された2軸延伸積層フィルムであって、(1)〜(4)を満たす反射板用白色積層フィルム。(1)A層が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを基本構成とし、少なくとも1種類以上の共重合成分を含有する。(2)B層が、ポリエチレンテレフタレートを基本構成とし、 (i)A層に含まれる少なくとも1種類以上の共重合成分、 (ii)ポリエステルに非相溶な樹脂および/又は無機粒子を含有する。(3)A層、B層の融点が特定の範囲にある。(4)少なくとも片側表面の波長400〜700nmの平均反射率が95.0%以上、全光線透過率が5.0%以下である。
【選択図】なし
Description
(1)ポリエステル層(A)が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを基本構成とし、少なくとも1種類以上の共重合成分を含有するポリエステルからなること。
(2)ポリエステル層(B)が、ポリエチレンテレフタレートを基本構成とし以下を含有すること。
(i)ポリエステル層(A)に含まれる少なくとも1種類以上の共重合成分
(ii) ポリエステル層(B)に対して、ポリエステルに非相溶な樹脂を12〜30重量%および/又は無機粒子を30〜55重量%
(3)ポリエステル層(A)の融点(TmA(℃))が230℃〜270℃、ポリエステル層(B)の融点(TmB(℃))が205〜245℃であり、かつTmAがTmBより5〜50℃高いこと。
(4)少なくとも片側表面の波長400〜700nmの平均反射率が95.0%以上かつ、積層フィルムの全光線透過率が5.0%以下であること。
(a)ポリエステル層(B)がポリエステルに非相溶な樹脂12〜30重量%、無機粒子1〜10重量%とを共に含有していること。
(b)ポリエステル層(A)およびポリエステル層(B)に含まれる共重合成分がイソフタル酸であること。
(c)ポリエステル層(B)中にポリエステルに非相溶な樹脂としてポリメチルペンテンを含有すること。
(d)ポリエステル層(B)中に含有される無機粒子が炭酸カルシウム、硫酸バリウムのいずれかであること。
(e)少なくともポリエステル層(A)を構成するポリエステルの重合触媒として、チタン化合物を使用していること。
(f)2軸延伸が同時2軸延伸であること。
(g)少なくとも光を反射させる側の面に位置するポリエステル層表面に紫外線吸収能を有する塗布層が設けられてなること。
(h)少なくともいずれかのポリエステル層中に耐光剤を、該ポリエステル層に対して0.05〜10重量%含有すること。
本発明の特性値は、次の評価方法と評価基準により求められる。
フィルムを凍結処理した後、長手方向および幅方向に沿って断面を切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて2000倍に拡大観察して撮影した断面写真より、微細な空洞の含有の有無を調べた。
上記(1)のように走査型電子顕微鏡で撮影した断面写真から、表層の空隙部分のみ透明なフィルム上にトレースし、イメージアナライザー(ニレコ株式会社製:“ルーゼックス”(登録商標)IID)を使用し、空隙の面積比率を求め、この値をそのまま体積%とした。
フィルムを100mm×100mmの大きさにカットし、ダイアルゲージ(三豊製作所製No.2109−10)に、直径10mmの測定子(No.7002)を取り付けたものにて10点の厚みを測定し、厚みの平均値d(μm)を計算する。また、このフィルムを直示天秤にて秤量し、重さw(g)を10−4gの単位まで読みとる。下記の式で計算される値を、見かけ密度とする。
(見かけ密度)=w/d×100 (g/cm3)。
ポリエステルフィルムを顕微鏡下でA層とB層に分離し、試料をサンプリングした。各試料約10mgをそれぞれPERKIN−ELMER社製DSC7を用いて、温度30〜300℃、昇温速度20℃/分の条件下で測定を行い、融解熱量のピーク温度を各ポリエステル層の融点とした。ピークが複数ある場合には、最も高温側のピークを融点とした。
ポリエステルフィルムを光沢計(スガ試験器(株)社製UGV−5D)を用い、JIS K7105(1981年)に従い60度鏡面光沢度を測定した。
分光光度計((株)島津製作所UV2450)に積分球付属装置((株)島津製作所製ISR2200)を取り付け、下記条件にて硫酸バリウムを標準板とし、標準板を100%とした相対反射率を測定した。
次に指定の波長範囲において、波長10nm毎の相対反射率の平均値を平均反射率とした。
スキャンスピード : 中速
スリット : 5.0nm
反射角度 : 8°。
硫酸バリウム白色標準試薬(EASTMAN White Reflectance Standard Cat No.6091)34gを、直径50.8mm、深さ9.5mmの円柱形くぼみに入れ、ガラス板を用いて圧縮して、圧縮密度約2g/cm3の硫酸バリウム白色標準板を作製した。
ポリエステルフィルムをヘイズメーター(スガ試験器(株)社製HZ−2)を用い、JIS K7105(1981年)に従い全光線透過率を測定した。
ASTM D1204(1984年)に従い、80℃30分の熱収縮率を測定した。
フィルム破れの発生回数で評価を行った。なお、評価は1日あたりの破れ回数に換算し、以下の基準で行った。なお、◎、○、△が合格である。
◎:極めて良好 (破れ回数が0.5回/日未満)
○:良好 (破れ回数が0.5回/日以上2回/日未満)
△:やや劣る (破れ回数が2回/日以上4回/日未満)
×:劣る (破れ回数が4回/日以上)。
ポリエステル層(A)側にカッターにてクロスカットを100個入れた後、表面にセロテープ(登録商標)(ニチバン株式会社製CT24)を貼り付け、ゴムローラーを用いて加重19.6Nで3往復させ圧着させた。次に、該試料を両面テープで固定し、セロテープ(登録商標)を手で90°方向に強制的に剥離し、剥離度合いを目視で観察し、5回平均値を以下の基準で判断した。
なお、△と○と◎が合格である。
◎:極めて良好 (剥離面積5%未満)
○:良好 (剥離面積5%以上20%未満)
△:やや劣る (剥離面積20以上40%未満)
×:劣る (剥離面積40%以上)。
(ポリエチレンテレフタレートペレット(PET)の製造)
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部、およびエチレングリコール60重量部に、エステル交換触媒として酢酸マグネシウム4水塩を0.018重量部および酢酸カルシウム1水塩を0.003重量部添加し、170〜240℃、0.5kg/cm2にてエステル交換反応させた後、トリメチルホスフェートを0.004重量部添加し、エステル交換反応を終了させた。さらに重合触媒として三酸化アンチモンを0.23重量部添加し、高温高真空下で重縮合反応を行い、極限粘度0.60dl/gのポリエチレンナフタレート(PEN)ペレットを得た。
酸成分としてテレフタル酸80モル%とイソフタル酸20モル%混合物を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、重合触媒として三酸化アンチモンを得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.68dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/I20)ペレットを得た。
酸成分としてテレフタル酸90モル%と2,6−ナフタレンジカルボン酸10モル%混合物を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、上記同様の製法により、極限粘度0.70dl/gの2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(PET/N10)ペレットを得た。
・CaCO3(50):平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウム粒子を50重量%含有する炭酸カルシウム粒子含有PETペレット
・BaSO4(60)−PET/I20: 平均粒径1μmの硫酸バリウム粒子を60重量%含有する硫酸バリウムマスターイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/I20)ペレット
・BaSO4(60)−PET/N10: 平均粒径1μmの硫酸バリウム粒子を60重量%含有する硫酸バリウムマスター2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/N10)ペレット
・OB1(5):蛍光増白剤“OB−1”(イーストマン・コダック社製)を5重量%含有する蛍光増白剤マスターPETペレット
・耐光剤(10):ベンゾフェノン系紫外線安定剤“アデカスタブ”LA−51(旭電化工業株式会社製)を10重量%含有する紫外線吸収剤マスターPETペレット
・PMP:ポリメチルペンテン(三井化学(株)製)TPX DX820
・PBT/PAG:ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリアルキレングリコール(PAG)のブロック共重合体である、“ハイトレル(R)”(登録商標)7277(東レ・デュポン株式会社製)。
メチル化メラミン“サイメル”(登録商標)370(三井サイテック(株)製) :1重量部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1 :400重量部。
・2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール :20重量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート :68重量部
・アクリルオリゴマー“アロニックス”(登録商標)M−7100(共栄社化学(株)社製) :8重量部
・2−ヒドロキシプロピルアクリレート :4重量部
・“イルガキュアー”(登録商標)183(チバガイギー社製) :4重量部
・トルエン/メチルエチルケトン=1/1 :312重量部。
表1に示された原料と条件を使用したこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。ただし、紫外線吸収層である(C)層を設けた後、120℃のオーブン中にて長手方向に0.5%の弛緩処理を行い、その後表面硬化層である(D)層を設けた。
表1に示された原料と条件を使用したこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
表1に示された原料と条件を使用したこと、熱処理温度を185℃に変更した事以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、優れた層間剥離性を有し、高い反射率と低い透過率(高隠蔽性)を有するものであった。製膜安定性はやや劣るが、合格の範囲内であった。
表1に示された原料と条件を使用したこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、層間剥離性と製膜安定性に特に優れていた。また、反射率と透過率(隠蔽性)の特性はやや劣るものであったが、合格の範囲内であった。
表1に示された原料と条件とし、そして、ポリエステル層(A)のPETにおいて、重合触媒として三酸化アンチモンの替わりにクエン酸キレートチタン化合物のエチレングリコール溶液を得られるポリエステルに対してチタン元素が5ppmとなるように添加して重合したものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
表1に示された原料と条件を使用したこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、高い反射率と低い透過率を有した、層間剥離しにくく、製膜安定性が良いものであった。
表1に示された原料を使用し、耐光性硬化層を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであった。低コストであるが、耐光性硬化層を塗布したものと同様に耐光性を確認できた。
表1に示された原料を使用し、A/Bの2層の条件としたこと、耐光性硬化層を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、製膜安定性は若干劣るものの、高い反射率と低い透過率を有したものであった。低光沢度面のB層を反射面とすることにより、バックライトユニットの構成によってもムラを生じにくくなった。
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして白色積層ポリエステルフィルムの作成を試みたが、フィルム破れが多発し、白色積層ポリエステルフィルムを得ることができなかった。
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
表1に示された原料と条件としたこと、熱処理温度を185℃としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
2 空洞
3 空洞の幅
4 空洞の厚さ
5 非相溶樹脂の幅
6 非相溶樹脂の厚さ
7 ポリエステル層(A)の厚み
8 ポリエステル層(B)の厚み
Claims (9)
- 少なくともポリエステル層(A)と空洞を含有するポリエステル層(B)が共押出し法により積層された2軸延伸積層ポリエステルフィルムであって、
該積層ポリエステルフィルムが、下記の(1)〜(4)の要件を満たす反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
(1)ポリエステル層(A)が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを基本構成とし、少なくとも1種類以上の共重合成分を含有するポリエステルからなる
(2)ポリエステル層(B)が、ポリエチレンテレフタレートを基本構成とし以下を含有する
(i)ポリエステル層(A)に含まれる少なくとも1種類以上の共重合成分
(ii) ポリエステル層(B)に対して、ポリエステルに非相溶な樹脂を12〜30重量%および/又は無機粒子を30〜55重量%
(3)ポリエステル層(A)の融点(TmA(℃))が230℃〜270℃、ポリエステル層(B)の融点(TmB(℃))が205〜245℃であり、かつTmAがTmBより5〜50℃高い
(4)少なくとも片側表面の波長400〜700nmの平均反射率が95.0%以上かつ、積層フィルムの全光線透過率が5.0%以下。 - ポリエステル層(B)中にポリエステルに非相溶な樹脂12〜30重量%、無機粒子1〜30重量%が共に含有されている請求項1に記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステル層(A)およびポリエステル層(B)に含まれる共重合成分がイソフタル酸である請求項1または2に記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルに非相溶な樹脂がポリメチルペンテンである請求項1〜3のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
- 前記無機粒子が炭酸カルシウム、硫酸バリウムのいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
- 少なくともポリエステル層(A)を構成するポリエステルの重合触媒として、チタン化合物を使用していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
- 2軸延伸が同時2軸延伸である請求項1〜6のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
- 少なくとも光を反射させる側の面に位置するポリエステル層表面に紫外線吸収能を有する塗布層が設けられてなる請求項1〜7のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
- 少なくともいずれかのポリエステル層中に耐光剤を、該ポリエステル層に対して0.05〜10重量%含有する請求項1〜7のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
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